説明

フォールバック制御方法、フォールバック制御システム、呼制御装置及び呼制御プログラム

【課題】ネットワークが関与したトラフィク輻輳時のフォールバック制御を実現する。
【解決手段】トラヒック監視制御装置1が各サーバから受信した輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定して各サーバへ指示を送信し、各サーバは、着信した呼に含まれるメディア種別を参照してその呼がフォールバック対象呼であるか否かを判定し、その呼がフォールバック対象呼である場合には、その呼を発信した端末装置5aに対してフォールバックを促す応答を返信する。これにより、端末装置5aは、端末装置5bとエラー情報の送受信をすることなくフォールバック制御を行うことができる。例えば、フォールバック対象呼であるか否かは、呼情報のメディア種別を参照することで判定し、応答を受信した端末装置5aは、フォールバック制御として、メディア種別を変えて再び発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP網におけるトラヒック輻輳時の輻輳制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フォールバックとは、回線状態が悪いときでも回線を切断するのではなく、通信速度を自動的に低下させるなどして、通信自体は続行できるようにする機能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のトラヒック輻輳制御技術におけるフォールバック制御技術としては、例えば、ファクシミリ装置において送信エラーが発生した際に、通信速度を低下させて画像データを送信するものがある。これは、過去の通信履歴を通信履歴記憶機能に記録しておき、パラメータ決定部により、各データ送信速度ごとのエラーフレーム発生率や送信フレーム数などを求め、エラーフレーム発生率のばらつきや送信フレーム数のばらつきなどを所定のテーブルと比較し、最適なフォールバックパターンを用いてデータ送信速度を低下させて画像データを送信するものである。
【0004】
これにより、回線の状況に応じて、2.4kbpsや4.8kbpsのフォールバックパターンを選択できるようになり、通信を切断せず、最適なデータ送信速度で通信することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−097980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のフォールバック制御は、端末装置間においてエラー情報の送受信を行いながら進めるものであり、端末装置を収容するネットワークがフォールバック制御に関与するものではなく、ネットワークの負荷の増大および端末での処理負担が増大するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ネットワークが関与したトラフィク輻輳時のフォールバック制御を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係るフォールバック制御方法は、ネットワークに配置され、呼を中継する呼制御装置と当該呼制御装置のそれぞれへフォールバック制御を指示する監視制御装置によるフォールバック制御方法であって、呼制御装置による、輻輳の発生を検出し、当該輻輳の情報を記述した輻輳情報を監視制御装置へ送信するステップと、監視制御装置による、呼制御装置から輻輳情報を受信し、当該輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定するステップと、輻輳制御方法に基づき、輻輳制御対象となる呼制御装置のそれぞれへ各呼制御装置における輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を送信するステップと、呼制御装置による、輻輳制御情報を受信するステップと、輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定するステップと、呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信するステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
上記フォールバック制御方法において、呼がフォールバック制御の対象であるか否かは、呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする。
【0010】
第2の本発明に係るフォールバック制御システムは、ネットワークに配置され、呼を中継する呼制御装置と当該呼制御装置のそれぞれへフォールバック制御を指示する監視制御装置を有するフォールバック制御システムであって、監視制御装置は、呼制御装置における輻輳の情報を記述した輻輳情報を受信し、当該輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定する輻輳判定手段と、輻輳制御方法に基づき、輻輳制御対象となる呼制御装置のそれぞれへ各呼制御装置における輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を送信する輻輳制御手段と、を有し、呼制御装置は、輻輳の発生を検出し、輻輳情報を監視制御装置へ送信する輻輳検出手段と、輻輳制御情報を受信する受信手段と、輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定する対象呼判定手段と、呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信する制御手段と、有することを特徴とする。
【0011】
上記フォールバック制御システムにおいて、呼がフォールバック制御の対象であるか否かは、呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする。
【0012】
第3の本発明に係る呼制御装置は、呼を中継するとともに、ネットワークの輻輳状態を監視して輻輳制御を指示する監視制御装置と通信する呼制御装置であって、輻輳の発生を検出し、当該輻輳の情報を記述した輻輳情報を監視制御装置へ送信する輻輳検出手段と、監視制御装置から輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を受信する受信手段と、輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定する対象呼判定手段と、呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
上記呼制御装置において、呼がフォールバック制御の対象であるか否かは、呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする。
【0014】
第4の本発明に係る呼制御プログラムは、上記呼制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ネットワークが関与したトラフィク輻輳時のフォールバック制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態におけるトラヒック監視制御システムの構成を示す概略図である。
【図2】上記トラヒック監視制御システムの輻輳発生時のフォールバック制御を説明するための図である。
【図3】上記トラヒック監視制御システムにおけるトラヒック監視制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】上記トラヒック監視制御システムにおける保守管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】上記トラヒック監視制御システムにおけるサーバの構成を示すブロック図である。
【図6】上記トラヒック監視制御システムのフォールバック制御の流れを示すシーケンス図である。
【図7】488応答のReasonヘッダの例を示す。
【図8】488応答のWarningヘッダの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態におけるトラヒック監視制御システムの構成を示す概略図である。同図に示すトラヒック監視制御システムは、トラヒック監視制御装置1、保守管理装置2、複数のTSC(中継処理サーバ)3a,3b、および複数のLSC(加入者セッション制御サーバ)4a,4bを備える。トラヒック監視制御装置1は、保守管理装置2と接続され、保守管理装置2は、各サーバ(TSC3a,3b、LSC4a,4b)と接続される。以下、TSC3a,3b、LSC4a,4bを単にサーバと称することもある。
【0019】
図1では、TSC3a,3bは互いに接続し、TSC3aはLSC4aと、TSC3bはLSC4bと接続する。TSC3a,3b、LSC4a,4bはNGN(Next Generation Network)などのIP網上に配置される。
【0020】
LSC4a,4bは、電話、FAX、および映像等を表示する端末を収容するサーバである。図1では、LSC4aは端末装置5aを収容し、LSC4bは端末装置5bを収容している。端末装置5a,5bは、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて呼制御を行い、電話やテレビ電話が可能な端末装置である。
【0021】
本トラヒック監視制御システムは、トラヒック輻輳時にSIPのSDP(Session Description Protocol)情報を利用してフォールバック制御を実現する。SDP情報は、メディアに関する情報(音声符号化方式、IPアドレス、待ち受けポート番号など)や通信セッションに関する情報を記述する。SDP情報のメディア記述部では、メディアの種類を示すとともに、メディアに関する種々の情報属性を示す。メディア記述部を参照することにより、メディア種別の識別が可能となるので、トラヒック輻輳時に、例えばテレビ電話など、特定のメディア種別に対してフォールバック制御を実現できる。以降、フォールバック対象とする呼をフォールバック対象呼と呼ぶ。
【0022】
次に、輻輳時のフォールバック制御について説明する。
【0023】
図2は、図1に示したトラヒック監視制御システムの輻輳発生時のフォールバック制御を説明するための図である。図2では、端末装置5bを収容するLSC4bが輻輳している場合に、端末装置5aが端末装置5bへ発信したときのフォールバック制御の様子を示す。
【0024】
LSC4bが輻輳すると、LSC4bは、自身を識別するサーバIDを含む輻輳情報をトラヒック監視制御装置1へ通知し、輻輳が発生していることを知らせる。トラヒック監視制御装置1は、輻輳情報を受信すると、保守管理装置2を介して、TSC3a,3b、LSC4a,4bへフォールバック制御などの輻輳制御を指示する。
【0025】
このとき、端末装置5aが端末装置5bへ発呼すると、端末装置5aを収容するLSC4aは、端末装置5aが発信した呼に含まれるメディア種別を参照し、その呼がフォールバック対象呼であるか否か判定する。その呼がフォールバック対象呼である場合、LSC4aは、その呼に対してSIPの488(Not Acceptable Here)応答を返し、端末装置5aに対してフォールバックを促す。その後、端末装置5aは、フォールバック制御をして端末装置5bへ再び発呼する。端末装置5aの行うフォールバック制御は、例えば、テレビ電話として発呼した呼を通常の電話として発呼するなど、利用する帯域を減少させるものである。
【0026】
次に、各装置の構成について説明する。
【0027】
図3は、本実施の形態におけるトラヒック監視制御装置1の構成を示すブロック図である。同図に示すトラヒック監視制御装置1は、輻輳情報収集部11、輻輳判定部12、集中制御部13、および情報収集部14を備える。
【0028】
輻輳情報収集部11は、各サーバから輻輳情報を受信する。あるいは、各サーバに対して輻輳情報の送信や輻輳情報の送信停止を指示する。
【0029】
輻輳判定部12は、各サーバから収集した輻輳情報から輻輳種別を判定し、各サーバにおける輻輳制御の要否を判定し、輻輳制御方法を決定する。
【0030】
集中制御部13は、輻輳判定部12が決定した輻輳制御方法に基づき、輻輳制御が必要なサーバそれぞれに対して輻輳制御を指示する。各サーバに対する輻輳制御の指示は、輻輳制御情報を送信することで行う。輻輳制御を1台のサーバに対して指示するだけでなく、複数台のサーバに対して指示を行う。どのサーバにどのような輻輳制御を指示するかは、輻輳判定部12が収集した輻輳情報を解析することで決定する。輻輳制御には、フォールバック制御や優先度に基づいた発信制御などが含まれる。優先度は、加入者の契約条件で決めることができる。
【0031】
情報収集部14は、各サーバから発信呼数情報などを受信し、輻輳制御の状況を把握する。
【0032】
図4は、本実施の形態における保守管理装置2の構成を示すブロック図である。同図に示す保守管理装置2は、上り電文中継部21、下り電文中継部22を備える。
【0033】
上り電文中継部21は、IP網から伝送される上りの電文をトラヒック監視制御装置1へ中継する。そのとき、共通ヘッダ情報の編集を行う。
【0034】
下り電文中継部22は、トラヒック監視制御装置1からIP網へ伝送される下りの電文を該当するサーバへ振り分けて転送する。サーバへの振り分けは、下り電文の共通ヘッダに基づいて行う。
【0035】
図5は、本実施の形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。サーバには、TSC3a,3bやLSC4a,4bなど様々な役割のサーバがあるが、ここでは、各サーバに共通する輻輳制御に関する機能のみを図示して説明する。同図に示すサーバ3は、輻輳検出部31、輻輳情報送信部32、NW制御部33、およびユニット情報部34を備える。
【0036】
輻輳検出部31は、自身のリソース状況を監視して輻輳状況を判断し、輻輳の発生を検出する。
【0037】
輻輳情報送信部32は、輻輳検出部31が輻輳の発生を検出した場合、輻輳の情報を記述した輻輳情報をトラヒック監視制御装置1へ送信する。また、トラヒック監視制御装置1からの輻輳情報の送信や輻輳情報の送信停止の指示を受信する。
【0038】
NW制御部33は、トラヒック監視制御装置1からの輻輳制御情報を受信し、その輻輳制御情報に従って輻輳制御を行う。例えば、輻輳制御情報の内容がフォールバック制御を指示するものである場合、NW制御部33は、フォールバック対象呼に対してフォールバック制御を実施する。より具体的には、輻輳制御情報の内容がテレビ電話を規制するものである場合、NW制御部33は、呼情報を参照してその呼がテレビ電話であるか否か判断し、その呼がテレビ電話である場合は、その呼を中継せずに送信元へ規制状況などの呼を中継しない理由を記載した応答を返す。また、輻輳制御の別の例としては、加入者優先度やサービス単位で呼密度数規制を行う。例えば、優先度の高いものは秒間100call通し、優先度が低いものは秒間10callまで通す。
【0039】
ユニット情報部34は、当該サーバにおける輻輳の状況および輻輳制御の状況などのユニット情報をトラヒック監視制御装置1へ送信する。トラヒック監視制御装置1は、このユニット情報を参照して適切なサーバへ適切な輻輳制御を指示する。
【0040】
なお、トラヒック監視制御装置1、保守管理装置2、およびサーバ3のそれぞれは、演算処理装置、記憶装置、メモリ等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはトラヒック監視制御装置1、保守管理装置2、およびサーバ3のそれぞれが備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0041】
次に、サーバのフォールバック制御の処理の流れについて説明する。
【0042】
図6は、端末装置5aが端末装置5bへ発呼する際のフォールバック制御の流れを示すシーケンス図である。ここでは、図2で示したように、端末装置5bを収容するLSC4bにおいて輻輳が発生しているものとする。そして、端末装置5aを収容するLSC4aは、LSC4bに対する通信にはフォールバック制御をするようにトラヒック監視制御装置1から指示されているものとする。
【0043】
まず、端末装置5aがテレビ電話を指定して端末装置5bへ発呼する(ステップS11)。具体的には、SDPのメディア記述部に、"m=audio" と "m=video" で始まる記述を記載した INVITE メッセージを端末装置5bへ送信する。
【0044】
INVITE メッセージを受信したLSC4aは、処理中であることを示す 100 Trying 応答を端末装置5aへ返す(ステップS12)。
【0045】
また、LSC4aのNW制御部33は、トラヒック監視制御装置1から輻輳制御指示を受けているか否か判定し(ステップS13)、輻輳制御指示を受けている場合は、受信した INVITE メッセージがフォールバック対象呼であるか否かを判定する(ステップS14)。受信した INVITE メッセージがフォールバック対象呼である場合は、その呼をTSC3aに中継しない。フォールバック対象呼であるか否は、例えば、INVITE メッセージに含まれるメディア種別や呼の着信先など呼情報を参照して判定する。どのような呼に対して輻輳制御をするのかは、輻輳の状況により様々である。図6に示す例では、LSC4bへ向かうテレビ電話がフォールバック対象呼となる。
【0046】
そして、受信した INVITE メッセージがフォールバック対象呼である場合は、フォールバック制御を促す488応答を端末装置5aへ返す(ステップS15)。輻輳規制によるフォールバックを促す488応答を生成する場合は、Warningヘッダの warm-code, warn-text に、輻輳規制による規制状況を判定することができる情報を設定して発側へ通知する。
【0047】
図7,8に、488応答の規定例を示す。図7に、IPv4、IPv6それぞれの場合のReasonヘッダの例を示す。Reasonヘッダを設定する場合、protocol に Q.850、cause に31(その他正常クラス)又は65(未提供伝達能力)を設定する。p-n-location については、LN を設定し、p-n-domain については、自IPアドレスを設定する。図8に、IPv4、IPv6それぞれの場合のWarningヘッダの例を示す。Warn-agent は、未指定のアドレスを固定設定する。なお、Reasonヘッダ、Warningヘッダに限らず、独自ヘッダを設定し、そのヘッダに輻輳規制情報を設定してもよい。
【0048】
488応答を受信した端末装置5aは、488応答の情報を参照し、通信能力を落として再び端末装置5bへ発呼する(ステップS16、S17)。具体的には、端末装置5aは、488応答のReasonヘッダ、Warningヘッダの情報を元に、規制条件の緩い通信に切り替えて再び発呼する。ここでは、映像と音声を用いるテレビ電話から音声のみの一般電話へ変更して発呼する。つまり、SDPのメディア記述部に "m=audio" で始まる記述を記載した INVITE メッセージを再び送信する。また、規制条件に応じて、課金対象となる有料サービスなどにサービス条件を上げることで通信できる可能性を高めてもよい。
【0049】
その後、INVITE メッセージを受信したLSC4aは、その呼がフォールバック対象呼であるか否かを判定し、その呼がフォールバック対象呼でない場合は、INVITE メッセージをTSC3aへ転送する(ステップS18)。そして、端末装置5aが送信した INVITE メッセージはいくつかのサーバで中継され、端末装置5bにより受信される。
【0050】
INVITE メッセージを受信した端末装置5bは端末装置5aへ応答を返し(ステップS19)、端末装置5a,5b間で通話が開始される。なお、図6において、INVITE メッセージを受信した後は、100 Trying や 180 Ringing などのメッセージを返信するがここでは省略した。
【0051】
したがって、本実施の形態によれば、トラヒック監視制御装置1が各サーバから受信した輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定して各サーバへ指示を送信し、各サーバは、着信した呼に含まれるメディア種別を参照してその呼がフォールバック対象呼であるか否かを判定し、その呼がフォールバック対象呼である場合には、その呼を発信した端末装置5aに対してフォールバックを促す応答を返信することで、端末装置5aは、端末装置5bとエラー情報の送受信をすることなくフォールバック制御を行うことができる。例えば、フォールバック対象呼であるか否かは、呼情報のメディア種別を参照することで判定し、応答を受信した端末装置5aは、フォールバック制御として、メディア種別を変えて再び発信する。
【符号の説明】
【0052】
1…トラヒック監視制御装置
11…輻輳情報収集部
12…輻輳判定部
13…集中制御部
14…情報収集部
2…保守管理装置
21…電文中継部
22…電文中継部
3a,3b…TSC(中継処理サーバ)
4a,4b…LSC(加入者セッション制御サーバ)
5a,5b…端末装置
3…サーバ
31…輻輳検出部
32…輻輳情報送信部
33…NW制御部
34…ユニット情報部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに配置され、呼を中継する呼制御装置と当該呼制御装置のそれぞれへフォールバック制御を指示する監視制御装置によるフォールバック制御方法であって、
前記呼制御装置による、
輻輳の発生を検出し、当該輻輳の情報を記述した輻輳情報を前記監視制御装置へ送信するステップと、
前記監視制御装置による、
前記呼制御装置から前記輻輳情報を受信し、当該輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定するステップと、
前記輻輳制御方法に基づき、輻輳制御対象となる前記呼制御装置のそれぞれへ各呼制御装置における輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を送信するステップと、
前記呼制御装置による、
前記輻輳制御情報を受信するステップと、
前記輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定するステップと、
前記呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信するステップと、
を有することを特徴とするフォールバック制御方法。
【請求項2】
前記呼が前記フォールバック制御の対象であるか否かは、前記呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする請求項1記載のフォールバック制御方法。
【請求項3】
ネットワークに配置され、呼を中継する呼制御装置と当該呼制御装置のそれぞれへフォールバック制御を指示する監視制御装置を有するフォールバック制御システムであって、
前記監視制御装置は、
前記呼制御装置における輻輳の情報を記述した輻輳情報を受信し、当該輻輳情報に基づいて輻輳制御方法を決定する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御方法に基づき、輻輳制御対象となる前記呼制御装置のそれぞれへ各呼制御装置における輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を送信する輻輳制御手段と、を有し、
前記呼制御装置は、
輻輳の発生を検出し、前記輻輳情報を前記監視制御装置へ送信する輻輳検出手段と、
前記輻輳制御情報を受信する受信手段と、
前記輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定する対象呼判定手段と、
前記呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信する制御手段と、有すること
を特徴とするフォールバック制御システム。
【請求項4】
前記呼が前記フォールバック制御の対象であるか否かは、前記呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする請求項3記載のフォールバック制御システム。
【請求項5】
呼を中継するとともに、ネットワークの輻輳状態を監視して輻輳制御を指示する監視制御装置と通信する呼制御装置であって、
輻輳の発生を検出し、当該輻輳の情報を記述した輻輳情報を前記監視制御装置へ送信する輻輳検出手段と、
前記監視制御装置から輻輳制御の方法を記載した輻輳制御情報を受信する受信手段と、
前記輻輳制御情報と受信した呼の呼情報を参照し、当該呼がフォールバック制御の対象であるか否かを判定する対象呼判定手段と、
前記呼がフォールバック制御の対象であった場合に、当該呼を中継せず、呼を中継しない旨及びその理由を記載した応答を当該呼の送信元へ送信する制御手段と、
を有することを特徴とする呼制御装置。
【請求項6】
前記呼が前記フォールバック制御の対象であるか否かは、前記呼情報のメディア種別により判定することを特徴とする請求項5記載の呼制御装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の呼制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるための呼制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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