説明

フコイダン組成物及び方法

栄養補助食品及びスキンケア製品において用いるための部分的に加水分解されたフコイダンに関する組成物及び方法が記載される。褐藻類からのフコイダンを部分的に加水分解及び/又はスルホン化し、次に飲料、カプセル、又は錠剤形態の栄養補助食品として用いるためか、又はスキンケア製品として用いるための他の成分と混合する。栄養補助食品中に含ませることのできる他の成分としては、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロチノイド、フラボノイド、抗酸化物質、アミノ糖、グリコサミノグリカン、及び植物性薬品が挙げられる。本発明によるスキンケア製品は、部分的に加水分解されているフコイダン及び基剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、海藻由来のフコイダンを含む栄養補助食品に関する。より詳しくは、本発明は、トンガのリムムイ、日本のマコンブ及びモズクのような海藻からのフコイダンを含み、場合によっては高い酸素ラジカル吸収能(ORAC)を有する1種類以上の成分を含む栄養補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
フコイダン:
フコイダンは、多くの海洋植物及び動物中に見られるスルフェート化多糖類であり、特に褐藻類(Phaeophyceae)の細胞壁中に蓄積されている。フコイダンは、大部分がスルフェート化L−フコース残基から構成される複雑な炭水化物重合体である。これらの多糖類は、熱水又は希酸を用いて褐藻類の細胞壁から容易に抽出され、単離された細胞壁の乾燥重量の40%超を占める可能性がある。O. Berteau及びB. Mulloyの「スルフェート化フカン−新しい展望:スルフェート化フカンの構造、機能、及び生物学的特性、並びにこのクラスの多糖類に対する酵素活性の概観」, 13 Glycobiology 29R-40R (2003)を参照。フコイダン構造は藻類種に関係していると思われるが、構造と藻類目との間の系統的対応性を確定する十分な証拠はない。Ascophyllum nodosumからのフコイダン中には多量のα(1−3)及びα(1−4)グリコシド結合が存在する。交互のα(1−3)及びα(1−4)結合の二糖類繰り返し単位が、A. nodosum及びFucus vesiculosusの両方からのフコイダンの最も豊富な構造的特徴を示す。スルフェート残基は主として4位において見られる。全ての植物性フコイダン中に存在する酸素原子に結合しているアセチル基及び分岐の存在によって更なる不均一性が加えられる。
【0003】
フコイダンを含む海藻は、トンガにおいて少なくとも3000年及び中国において少なくとも2000年の間、食され、薬として用いられている。最近の科学文献において非常に多数の研究が報告されており、500を超える研究がフコイダンに関するPubMedサーチにおいて参照されている。
【0004】
藻類中のフコイダンの生理学的特性は、細胞壁の組織化及びおそらくはアルギネート及びセルロースの架橋並びに藻胚の形態形成において役割を果たしていると考えられる。また、フコイダンは生体系において広範囲の活性を有する。これらは、抗凝血及び抗血栓活性を有し、炎症系及び免疫系に作用し、細胞に対して抗増殖及び抗接着効果を有し、細胞をウイルス感染から保護する。
【0005】
更に、フコイダンは、抗ウイルス性、抗炎症性、抗凝血性、及び抗腫瘍性などの体の異なる系を治癒及び増強する数多くの有益な機能を有する。A.I. Usovらの「藻類の多糖類:カムチャツカからの幾つかの褐藻類の多糖類組成」, 27 Russian J. Bio. Chem. 395-399 (2001)を参照。フコイダンは免疫系を構築及び刺激することが見出された。また、研究によって、フコイダンは、アレルギーを減少させ、血液凝固を抑制し、血糖値を制御することによって糖尿病と戦い、潰瘍を予防し、胃疾患を和らげ、炎症を減少させ、腎血流を増加させることによって腎臓を保護し、体を解毒することが示された。また、フコイダンは、高コレステロール値を低下させ、脂肪酸のβ酸化に関与する酵素を活性化することによって、心臓血管疾病の減少及び予防を助ける。
【0006】
日本人の研究によって、フコイダンは、白血球がデブリス、ウイルス、及びバクテリアを飲み込み、殺し、消化し、排除するプロセスである食菌作用を向上させることが見出された。アメリカ人の研究においては、フコイダンによって循環する成熟白血球の数が増加したことが報告された。アルゼンチン人の研究及び日本人の研究により、フコイダンによって、ヘルペスシンプレックスタイプIなどのウイルスが宿主細胞中に付着し、浸透し、複製することが抑止されたことが見出された。多くの研究の中でもスエーデン人の研究においては、フコイダンがアレルギーを引き起こす可能性がある炎症カスケード及び組織の損傷を抑止することが示された。カナダにおける研究のような他の研究においては、フコイダンが、アテローム性動脈硬化、心臓発作、及びアルツハイマー病のような慢性変性疾病を進行させる役割を果たしていると考えられている補体活性化プロセスを妨げることが見出された。2人のアメリカ人の研究においては、フコイダンが幹細胞を増加及び染色体起動させることが見出された。
【0007】
また、フコイダンは、血管形成(血管成長)を減少させ、転移(体の他の部分への癌細胞の拡散)を抑止し、癌細胞の死滅を促進させることによって癌と戦う傾向を有することも、研究者によって定まっている。褐藻類をその食事の一部としているある地域社会は、癌の症例数が著しく低いと思われる。例えば、住民が日本において最も高い平均余命の幾つかを享受している沖縄県は、一人あたり最も高いフコイダンの消費率の1つを有する。沖縄における癌の死亡率は日本における全ての県で最も低いことに注目すべきである。
【0008】
褐藻類は、世界の種々の海域において大量に見られる。フコイダンの最も高い収量の幾つかを与える最も清浄な場所の1つはトンガ諸島の周囲の清浄な水域であり、ここでは海藻はリムムイと呼ばれている。日本においては、マコンブ(Laminaria japonica)が特にフコイダンに富むと言われており、リムムイと同様である。日本人は、また、少なくとも2種類の他のタイプの褐藻類:ワカメ及びモズク(Cladosiphon及びNemacystus)も消費している。
【0009】
通常、トンガのリムムイの約4重量%はフコイダンである。褐藻類中に見られる少なくとも3種類のタイプのフコイダン高分子が存在する。約20%のグルクロン酸を有するU−フコイダンは、癌細胞の破壊を行うのに特に活性である。大部分がスルフェート化フコースの重合体であるF−フコイダン、及びG−フコイダンは、いずれも、損傷した細胞を回復及び修復するのを助けるHGF細胞の生成を誘発する傾向を有する。3種類のタイプのフコイダンは全て、免疫系を増強する薬剤の生成を誘発する傾向も有する。
【0010】
したがって、上記に言及した多くの有利性から利益を享受するために、フコイダンの消費可能な飲料及び他の組成物が必要である。その有益な効果を消失させずに消費を高めるためにフコイダンの製造方法を用いることができる。
【0011】
皮膚:
皮膚は2つの主たる層から構成されている。表皮は最上層であり、皮膚のための保護被覆を形成し、皮膚中へ及び皮膚から外への水及び物質の流れを制御する。健康を維持するためには、皮膚は、変化する環境条件に対応し、同時に損傷を修復しなければならない。皮膚は、表面上の死滅した細胞を落屑し、下層を補給しながら、一定の修復状態で存在する。真皮は皮膚のより低いレベルであり、皮膚に強度、弾力性、及び厚さを与える層である。真皮中の細胞は、コラーゲン、エラスチン、及びグリコサミノグリカンのような全ての真皮基質成分の合成及び分泌に関与する。コラーゲンは皮膚の強度を与え、エラスチンは皮膚の弾力性を与え、グリコサミノグリカンは皮膚の湿り気及び張りを与える。
【0012】
皮膚は、例えば、石鹸、乳化剤ベースの化粧品、熱水、又は有機溶媒によって痛めつけられる可能性がある。これらは、それぞれ、皮膚から必須湿分を取り去り、ストレスを受けた、適切に機能しないバリヤを生成するのに寄与する。湿分の損失及び刺激によって、皮膚の敏感性が増加し、皮膚が鱗片状に乾燥するようになる。フリーラジカルの活性が増大し、より多いシワが生成し、老化が早発する。
【0013】
更に、皮膚は、皮膚科疾患、例えば風、エアコン、及びセントラルヒーティングなどからのような環境による痛めつけ、或いは通常の老化プロセスによる劣化に曝され、これは皮膚を太陽に曝すことによって加速される可能性がある。真皮層の厚さは老化によって減少し、これにより皮膚の弛みが引き起こされる。これは、シワの形成に部分的に寄与すると考えられている。近年、皮膚の外観及び状態を向上させるための化粧品組成物及び化粧方法に対する要求が非常に大きくなっている。
【0014】
消費者は、シワ、筋、弛み、色素沈着過度、及び染みのような、現実に老化し外気に曝された皮膚の視認できる症状を治療又は遅延させる老化防止化粧品製品を益々探し求めている。消費者は、またしばしば、老化防止に加えて化粧品製品からの他の利益を探し求めている。敏感肌の概念によって、敏感で、乾燥していて、鱗状の皮膚の外観及び状態を向上させ、発赤又は炎症した皮膚を鎮静化する化粧品製品に対する要求が高まっている。また、消費者は、発疹、ニキビ、吹き出物などを治療する化粧品製品を求めている。
【0015】
研究により、皮膚の自然の構築ブロックを含むスキンケア製品を用いると、皮膚がそれ自体を修復する能力が促進され、皮膚のバリヤ機能が最適レベルに維持されることが示されている。このアプローチは、単に症状だけではなく問題を処理する。それが始まる可能性がある前に刺激を停止し、これにより問題が繰り返されるのを回避して、皮膚を理想的な状態に戻す。
【0016】
近年、天然ベースの製品に対する消費者の要求がますます増加している。化学合成は環境的に安全でないと認識されている。化学的に合成された成分は刺激の強い化学物質を含む可能性がある。天然の製品は、純粋で刺激が少なく、化学的に合成された製品よりも優れていると認識されている。しかしながら、植物源から化粧品の有効成分を得ることは簡単ではない。天然源から実際に有効な成分を得るためには、特定の活性成分を含む植物又は植物の一部を確認しなければならないだけでなく、実際に化粧品の有効成分を与えるその植物の最小濃度及び/又は特定のエキスを確認しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、消費者は、皮膚の易損性でデリケートな表面に潤いを与え、これを治癒し、鎮静する、皮膚及びシワに対する有効な治療法を求めている。更に、消費者は、皮膚に対する治療が、治癒を促進し若い外観を保つ天然の製品をベースとするものであることを求めている。
【0018】
上記を考慮すると、フコイダンを含む栄養補助食品及びスキンケア製品を提供することは、当該技術において大きな進歩であると認められるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の概要:
本発明の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物を包含する。代表的な抗酸化物質としては、限定なしに、超酸化ジスムターゼ、アスタキサンチン、クルクミン、クルクミノイド、ビタミンE、ラズベリー、ブルーベリー、ザクロ、トコフェロール、緑茶、白茶、ダークチョコレート、チョコレート、ココア、スピルリナ、ブロメライン、ビタミンC、ルチン、ブドウ種エキス、ピクノジェノール、オリゴマープロアントシアニジン、アントシアニジン、プロシアニジン、セレン、β−カロチン、亜鉛、コケモモ、クランベリー、ポリフェノール、フラボン、イチゴ、エラグ酸、クマリン、フェルラ酸、レスベラトロル、α−リポ酸、トマト、アボカド、ブロッコリ、リコピン、ルテイン、ビタミンA、葉酸、フォレート、カロチノイド、オリーブ葉エキス、挽きクローブ、挽きシナモン、オレガノ、ブラックベリー、クロフサスグリ、ポリフェノール、バイオフラボノイド、フラボノイド、フラバノール、カテコール、ゴジ、タマリンド、マンゴスチン、キサントン、タルトチェリー、サクランボ、アスパラガス、グルタチオン、カテキン、エピカテキン、プラム、ルビークイーンプラム、キウイフルーツ、Ganoderma lucidum、チオール、タマネギ、リンゴ、赤キャベツ、スターフルーツ、カランボラ、シロマツ樹皮エキス、N−アセチルシステイン、柑橘類、及びβ−クリプトキサンチンが挙げられる。
【0020】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質とを混合することを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法を包含する。
【0021】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を個体に投与することを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物の使用方法を包含する。
【0022】
本発明の更なる代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与(deliver)するための組成物であって、ナノ粒子として配合されている該フコイダンを含む組成物を包含する。
【0023】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物の製造方法であって、該フコイダンをナノ粒子として配合することを含む方法を包含する。
【0024】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンがナノ粒子として配合されて含まれている組成物の使用方法であって、該ナノ粒子を個体に投与することを含む方法を包含する。
【0025】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物であって、該フコイダンと構造水又はクラスター水との混合物を含む組成物を包含する。
【0026】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物の製造方法であって、該フコイダンと構造水又はクラスター水とを混合することを含む方法を包含する。
【0027】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと構造水又はクラスター水との混合物を含む組成物の使用方法であって、該混合物を個体に投与することを含む方法を包含する。
【0028】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物を包含する。
【0029】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物の製造方法を包含する。
【0030】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法を包含する。
【0031】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための組成物を包含する。関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための代表的な薬剤としては、硫酸グルコサミン、グルコサミンHCl、リン酸グルコサミン、アセチルグルコサミン、サメ軟骨、コンドロイチン硫酸、糖脂質、羊毛ケラチンタンパクエキス、ケラチンエキス、ヒアルロン酸、イラクサ、グルコマンナン、タイプ11コラーゲン、コラーゲン加水分解物、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の物質からなる群から選択される物質が挙げられる。
【0032】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための組成物の製造方法を包含する。
【0033】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を投与することを含む、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化する方法を包含する。
【0034】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む、免疫系を強化するための組成物を包含する。免疫系を強化するための代表的な薬剤は、ノニ、マンゴスチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である。
【0035】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、免疫系を強化するための組成物の製造方法を包含する。
【0036】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を投与することを含む、免疫系を強化する方法を包含する。
【0037】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物を包含する。代表的な細胞シグナリング剤は、ダイダイ、カフェイン、タウリン、生コーヒー豆、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である。
【0038】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法を包含する。
【0039】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法を包含する。
【0040】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物を包含する。代表的なエネルギー増強剤は、グルコース、スクロース、フルクトース、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種類以上の糖類である。
【0041】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤を混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物の製造方法を包含する。
【0042】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法を包含する。
【0043】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物を包含する。代表的な心臓強化剤はウルフベリーを含む。
【0044】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法を包含する。
【0045】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、心臓強化方法を包含する。
【0046】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を包含する。筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための代表的な薬剤は、1種類以上のα−アミノ酸又はその塩若しくはエステルを含む。
【0047】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法を包含する。
【0048】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させる方法を包含する。
【0049】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物を包含する。骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための代表的な薬剤はエクオルを含む。
【0050】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物の製造方法を包含する。
【0051】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後若しくは閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療する方法を包含する。
【0052】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、癌を治療するための組成物を包含する。癌を治療するための代表的な薬剤は、カプシカン、リコピン、ルテイン、ペリリル油、クランベリー、クルクミン、ターメリック、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である。
【0053】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、癌を治療するための組成物の製造方法を包含する。
【0054】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、癌を治療する方法を包含する。
【0055】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物を包含する。閉経後及び閉経前の状態を治療するための代表的な薬剤は、1種類以上のイソフラボンを含む。
【0056】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物の製造方法を包含する。
【0057】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、閉経後及び閉経前の状態を治療する方法を包含する。
【0058】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを含む混合物又は化合物を含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための組成物を包含する。
【0059】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための組成物の製造方法を包含する。
【0060】
本発明の更に他の代表的な態様は、患部を、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを含む組成物と接触させることを含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療する方法を包含する。
【0061】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤との混合物又は化合物を含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための組成物を包含する。
【0062】
本発明の更に他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤とを混合して混合物又は化合物を得ることを含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための組成物の製造方法を包含する。
【0063】
本発明の他の代表的な態様は、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤とを含む混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させる方法を包含する。
【0064】
詳細な説明:
本発明のフコイダン含有組成物及び方法を開示及び記載する前に、本発明は、ここで開示する特定の構成、プロセス工程、及び材料に限定されるものではなく、かかる構成、プロセス工程、及び材料はある程度変化させることができることを理解すべきである。また、ここで用いる用語は、特定の態様のみを説明する目的で用いるものであり、限定を意図するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることも理解すべきである。
【0065】
本明細書及び特許請求の範囲において用いる単数形「a」、「an」、及び「the」は、記載が明確に他に示していない限り複数の対象物を含むことに注意しなければならない。したがって、例えば、「部分的に加水分解されているフコイダン」を含む栄養補助食品の記載は2種類以上のかかる部分的に加水分解されているフコイダンの混合物を包含し、「酸」の記載は2種類以上のかかる酸の記載を包含し、「防腐剤」の記載は2種類以上のかかる防腐剤の混合物の記載を包含する。
【0066】
本発明を記載及び特許請求するにあたって、以下の用語は下記に示す定義にしたがって用いる。
【0067】
本明細書において用いる「含む」、「包含する」、「含有する」、「有することを特徴とする」、及びその文法的同義語は、列挙されていない更なる要素又は方法工程を除外しない、包括的であるか又は限界範囲のない用語である。「含む」は、より限定的な用語である「構成される」及び「本質的に構成される」を包含するものと解釈すべきである。
【0068】
本明細書において用いる「部分的に加水分解されているフコイダン」とは、より小さな重合体及び低重合体に加水分解されているが、単糖類への完全な加水分解を与えるほどには十分に加水分解されてないフコイダンを意味する。
【0069】
本明細書において用いる「高ORAC値」又は同様の用語は、果実又は野菜100gあたり少なくとも約400のORAC値を意味する。例えば、ブルーベリーは100gあたり約2,400のORAC値を有し、以下の果実は100gあたりカッコ内に示すORAC値を有する:ブラックベリー(2,036)、クランベリー(1,750)、イチゴ(1,540)、ラズベリー(1,220)、プラム(949)、オレンジ(750)、赤ブドウ(739)、サクランボ(670)、キウイフルーツ(602)、及び白ブドウ(446)。高いORAC値を有することが知られている他の果実としては、黒ブドウ、マンゴスチン、ノニ、アロニア、ウルフベリー、及びアカイなどが挙げられる。更に、高いORAC値を有することが知られている栄養補助成分としては、例えばブドウ種及び南欧のシロマツの樹皮のエキスなどからのプロアントシアニジン(例えばピクノジェノール:米国特許4,698,360)、並びにクルクミノイドが挙げられる。低重合プロアントシアニジン(OPC)が代表例である。
【0070】
本明細書において用いる「滅菌」及び同様の用語は、4.6未満のpH及び0.85より大きい水分活性を有する栄養補助食品に関して、栄養補助食品を加熱殺菌して室温において保存することを意味する。4.6より大きいpH及び0.85より大きい水分活性を有する栄養補助食品に関しては、「滅菌」及び同様の用語は、熱を加えて、栄養補助食品を、保存及び流通の通常の非冷蔵条件下において栄養補助食品中で繁殖することのできる微生物が存在しない状態にすることを意味する。
【0071】
本明細書において用いる「加熱殺菌(pasteurization)」は、伝統的には、科学者であるルイス・パスツールの名をとって命名されたプロセスを意味し、牛乳の個々の粒子を62.8℃(即ち145°F)以上に30分間以上加熱し、適切に冷却して、風味及び栄養価に悪影響を与えることなく、存在する可能性のある全ての有害なバクテリアを駆除することを意味する。現在では、米国において最も通常的な加熱殺菌方法は、高温短時間(HTST)加熱殺菌であり、これは金属板及び熱水を用いて温度を71.7℃(即ち161°F)に15秒間以上昇温し、次に急速冷却する。超高温殺菌(UP:Ultra Pasteurization)は、HTST加熱殺菌と類似のプロセスであるが、より高い温度及びより長い時間を用いる。UP加熱殺菌により、より長い貯蔵寿命を有するが未だ冷蔵を必要とする牛乳の製品が得られるが、酸添加食品又は栄養補助食品(pH<4.6)の製品は得られない。他の方法である超高温(UHT)加熱殺菌では、温度を93.3℃(即ち200°F)に数秒間昇温し、次に急冷する。無菌状態で包装されたUHT加熱殺菌製品は、それを開封するまで冷蔵を必要としない「貯蔵安定性」製品を与える。
【0072】
本明細書において用いる「無菌処理及び包装」並びに同様の用語は、滅菌され冷却された製品を予め滅菌された容器中に充填し、次に、微生物の存在しない雰囲気中において、予め滅菌された閉止部材を用いて無菌状態で密封することを意味する。
【0073】
本明細書において用いる「密封された容器」及び同様の用語は、微生物の侵入から保護し、それによって処理後にその内容物の無菌状態を保持するように設計及び意図されている容器を意味する。
【0074】
本明細書において用いる「錠剤」とは、好適な賦形剤又は希釈剤を用いるか又は用いない栄養補助食品を含み、当該技術において周知の圧縮又は成形法のいずれかによって製造される固体の剤形である。錠剤は、19世紀の後半から広範囲に用いられており、その大衆性は継続している。錠剤は、製造者に与えられる有利性(例えば、製造の簡単さ及び経済性、安定性、並びに包装、輸送、及び投薬の簡便性)及びユーザーに与えられる有利性(例えば、投与量の正確性、コンパクトであること、携帯性、味覚が強くないこと、及び投与の容易性)の両方のために、剤形としての大衆性を維持している。錠剤は、最も多くは円盤形状であるが、円形、楕円形、長楕円形、円筒形、又は三角形であってもよい。これらは、存在する栄養補助食品の量及び所期の投与方法によって、寸法及び重量が大きく異なる可能性がある。これらは、2つの一般的なクラス:(1)圧縮錠;及び(2)湿製錠又は湿製錠剤;に分けられる。1種類又は複数の活性又は治療成分に加えて、錠剤は複数の不活性物質又は添加剤を含む。かかる添加剤の第1の群としては、希釈剤、バインダー、及び潤滑剤などの、配合物に十分な圧縮特性を与えるのを助ける物質が挙げられる。かかる添加剤の第2の群は、崩壊剤、着色料、香味料、及び甘味剤などの、最終錠剤に更なる望ましい物理特性を与えるのを助ける。
【0075】
本明細書において用いる「希釈剤」とは、配合物の容積を増加させて錠剤を圧縮のための実用的な寸法にするために加える不活性の物質である。通常用いられる希釈剤としては、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥スターチ、粉糖、シリカなどが挙げられる。
【0076】
本明細書において用いる「バインダー」とは、粉末物質に凝集性を与えるために用いる薬剤である。バインダー又は「造粒剤」は、場合によって知られているように、錠剤配合物に凝集性を与えて、錠剤が圧縮後に完全な状態で保持されるのを確保し、並びに所望の硬度及び寸法の顆粒を形成することによって自由流動性を向上させる。バインダーとして通常用いられる物質としては、スターチ;ゼラチン;糖類、例えばスクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及びラクトース;天然及び合成ゴム、例えばアカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、トチャカエキス、パンワーゴム、ガハッチゴム、イサポール穀皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビーガム、微結晶セルロース、微結晶デキストロース、アミロース、及びカラマツアラボガラクタンなどが挙げられる。
【0077】
本明細書において用いる「潤滑剤」とは、錠剤顆粒化の流動速度を向上させ、錠剤物質のダイ及びパンチの表面への付着を妨げ、粒子間摩擦を減少し、ダイ空孔からの錠剤の排出を容易にするなどの、錠剤製造における複数の機能を果たす物質である。通常用いられる潤滑剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、及び水素化植物油が挙げられる。
【0078】
本明細書において用いる「崩壊剤」又は「錠剤分解物質」とは、投与後の錠剤の分解又は崩壊を促進する物質である。崩壊剤として機能する物質は、化学的に、スターチ、クレー、セルロース、アルギン、又はゴムとして分類されている。他の崩壊剤としては、ビーガムHV、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、セルロース及び木質産品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、アルギニン酸、グアーゴム、柑橘樹パルプ、架橋ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
【0079】
本明細書において用いる「着色料」とは、錠剤により心地よい外観を与え、更に製造者がその製造中に製品を管理するのを助け、ユーザーが製品を識別するのを助ける薬剤である。任意の認可され承認された水溶性のFD&C着色料、それらの混合物、又はそれらの対応するレーキ着色料を用いて、錠剤を着色することができる。レーキ着色料は、水溶性着色料を重金属の水和酸化物に吸着させて不溶形態の着色料を得ることによって得られる配合物である。
【0080】
本明細書において用いる「香味料」は、単純なエステル、アルコール、及びアルデヒドから、炭水化物及び複雑な揮発油までの範囲でその化学構造が大きく変化する。殆ど全ての所望のタイプの天然及び合成香味料が現在入手可能である。
【0081】
本明細書において用いる「カプセル」とは、栄養補助食品がゼラチンのような好適な重合体の硬質又は軟質(ゲルキャップを含む)の可溶性の容器又はシェル内に封入されている固体の剤形である。軟質ゼラチンカプセルは、フランスの薬学者であるMothesによって1833年に発明された。翌年の間にDuBlancが彼の軟質ゼラチンカプセルに関する特許を取得した。1848年には、Murdockが2成分硬質ゼラチンカプセルの特許を取得した。薬剤、栄養補助食品などのカプセル化は、相変わらず、経口経路によって薬剤を投与する一般的な方法である。カプセルは、無味であり、容易に投与され、容易に充填される。一部の人間は、錠剤よりもカプセルを嚥下する方がより容易であり、したがって可能ならばこの形態を摂取することを好む。この嗜好により、製造者は、製品が既に錠剤形態で製造されていても製品をカプセル形態で市場に出すように促される。
【0082】
本明細書において用いる「薬学的必要成分」とは、栄養的又は治療的価値はほとんど無いか又は全くないが、種々の栄養補助食品製剤の製造及び配合において有用な物質を意味する。これらの物質としては、抗酸化物質及び防腐剤;着色料、香味料、及び希釈剤;乳化剤及び懸濁剤;軟膏基剤;薬学的溶媒;及び雑薬剤;が挙げられる。例えば、薬学的必要成分に関して当該技術において公知のものの総論に関するRemington's Pharmaceutical Sciencesを参照。
【0083】
本明細書において用いる「粉末」とは、投与の前に水又は他の液体中に懸濁又は溶解するか、或いは軟らかい食品と混合することを意図する固体の剤形を意味する。粉末は、通常、液体配合物を噴霧乾燥又は凍結乾燥することによって製造される。粉末は、柔軟性、安定性、迅速な効果、及び投与の容易性のために有利である。
【0084】
本明細書において用いる「ブリックス」とは、ブドウ、ワインなどの糖度を測定するためのスケールである。ブリックスの各度数は、液体100mLあたり1gの糖に相当する。したがって、18ブリックス度の糖溶液は18重量%の糖を含む。ブリックスは、また、液体中の懸濁固体の割合(%)を示す。したがって、例えば95ブリックスは95重量%の懸濁固体を含む液体を表す。ブリックスは、屈折計と呼ばれる光学装置を用いて測定される。ブリックス測定システムは、19世紀のドイツの発明者であるA.F.W. Brixの名をとって命名されている。
【0085】
本明細書において用いる「グルコサミン」とは、グルコサミン、その塩、例えば硫酸グルコサミン又はコハク酸グルコサミン、その誘導体、例えばN−アセチルグルコサミン、並びにこれらの混合物を意味する。
【0086】
本明細書において用いる「コンドロイチン」とは、コンドロイチン、その塩、例えばコンドロイチン硫酸、そのエステル、及びこれらの混合物を意味する。
【0087】
本明細書において用いる「軟骨保護剤」とは、グルコサミン又はコンドロイチンのような軟骨の形成における前駆体を意味する。
【0088】
本明細書において用いる「ビタミンD」は、例えばビタミンD(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD(コレカルシフェロール)、及びこれらの混合物などのその全ての活性形態を包含する。同様に、「ビタミンE」は、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、及びこれらの混合物などのその全ての活性形態を包含する。同様に、「ビタミンA」は、例えばビタミンA(レチノール)、ビタミンA(デヒドロレチノール)、ビタミンA酸(レチノイン酸)、及びこれらの混合物などのその全ての活性形態を包含する。同様に、「ビタミンK」は、例えばビタミンK(フィロキノン)、ビタミンK(ファルノキノン)、ビタミンK(メナジオン又はメナキノン)、ビタミンK4−7(メナジオンの合成類縁体)、及びこれらの混合物などのその全ての活性形態を包含する。同様に、「ビタミンB−12」は、例えばシアノコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキソコバラミン、ニトリトコバラミン、及びこれらの混合物などのその全ての活性形態を包含する。
【0089】
本明細書において用いるビタミンの「誘導体」とは、特定のビタミンの別の生物学的に活性な形態を意味する。例えば、ビタミンEの誘導体としては、ビタミンEのエステル、例えばd−α−トコフェリルアセテートが挙げられる。他の例として、ビタミンAの誘導体としては、ビタミンAのエステル、例えばパルミチン酸レチニルが挙げられる。更に他の例として、ナイアシンの誘導体としてはナイアシンアミドが挙げられる。更に他の例として、ピリドキシンの誘導体としては、ピリドキサール及びピリドキサミンが挙げられる。更なる例として、酸であるビタミンの誘導体としては、かかる酸の塩、例えばアスコルビン酸カルシウム、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0090】
本明細書において用いる「有効量」とは、非毒性であるが、任意の栄養補助食品に付随する妥当な利益/危険比で所望の効果及び特性を与えるのに十分な栄養補助食品の成分の量を意味する。例えば、ビタミン又はミネラルの有効量は、その欠乏を予防するのに十分であるか、或いは、幾つかの癌、即ち肺癌(ビタミンE、葉酸、ビタミンD、セレン)、前立腺癌(ビタミンE、ビタミンD、セレン)、胃癌(ビタミンC)、直腸癌(葉酸、ビタミンD、セレン)、皮膚癌(セレン)、子宮頸癌(葉酸)、及び乳癌(ビタミンD);骨粗鬆症(ビタミンD、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、バナジウム、並びに場合によってはホウ素及び銅);骨関節症(カルシウム);黄斑変性又は白内障(リボフラビン、ビタミンC、ビタミンE、セレン);心疾病(ビタミンE、葉酸、ピリドキシン、ビタミンA、マグネシウム、セレン、銅);神経疾病(チアミン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビタミンB−12);或いはアルツハイマー病(ビタミンE)の発病率を低下させるか、或いは結合組織の再生を助ける(ビタミンC、銅、鉄、マンガン、亜鉛)のに十分な量である。カロチノイドの有効量は、幾つかの癌、即ち、皮膚癌及び粘膜癌(β−カロチン)、消化管癌(β−カロチン、リコピン)、前立腺癌及び胃ガン(リコピン)、肺癌(ルテイン);黄斑変性(ルテイン);又は心疾病(リコピン)の発病率を低下させるなどの有益な効果を与えるのに十分な量である。バイオフラボノイドの有効量は、幾つかの癌、即ち、乳癌、胃ガン、膵臓癌、及び肺癌(ケルセチン);又は心疾病(ケルセチン、ブドウ種エキス)の発病率を低下させるなどの有益な効果を与えるのに十分な量である。α−リポ酸の有効量は、白内障又は神経疾病の発病率を低下させるなどの有益な効果を与えるのに十分な量である。補酵素Q10の有効量は、一部の癌又は心疾病の発病率を低下させるなどの有益な効果を与えるのに十分な量である。かかる有効量は、当業者によって必要以上の実験を行うことなく定めることができる。
【0091】
本明細書において用いる「ローション」とは、人体に外用することを意図した、しばしば懸濁液又は分散液である液体の化粧品である。
【0092】
本明細書において用いる「クリーム」とは、柔らかい化粧品タイプの製剤である。水中油(O/W)タイプのクリームとしては、ファンデーションクリーム、ハンドクリーム、シェービングクリームなどのような製剤が挙げられる。油中水(W/O)タイプのクリームとしては、コールドクリーム、皮膚軟化クリームなどが挙げられる。薬学的には、クリームは、外用のための活性成分の懸濁液又は溶液を含む固体乳剤である。一般に、このタイプの製剤は軟膏として分類される。具体的には、これらは、乳剤タイプの基剤に属する。
【0093】
本明細書において用いる「軟膏」とは、容易に皮膚に適用することができるようなコンシステンシーの外用半固形製剤である。これらは、人体に適用すると軟化するが必ずしも溶融しないような組成でなければならない。これらは、活性成分を局所適用するためのビヒクルとして機能するが、同時に皮膚のための保護剤及び緩和剤としても機能する。長年にわたって、軟膏は、定義によって限定され、脂肪物質の混合物に対して用いられていた。今日においては、かかる油性混合物に加えて、同等の総合的なコンシステンシーを有するが、油性物質を全く含まない軟膏製剤も存在する。多くの場合において、これらは、脂肪又はワックス様物質と、比較的高い割合の水との乳剤である。これらの乳剤は、主として乳化剤の選択によって、油中水(W/O)又は水中油(O/W)乳剤のいずれであってもよい。かかる半固形乳剤はまた、クリームとも呼ばれる。大量の不溶粉末を含むクリーム及び軟膏は、ペーストと呼ばれる。ペーストは、通常、クリーム及び軟膏よりもより硬くより吸収性である。
【0094】
本発明は、リムムイ、コンブ、又はモズクのような海藻からのフコイダンを配合した栄養補助食品を提供することによって従来技術の栄養補助食品を改良する。本発明の、栄養補助食品へのフコイダンの添加は、従来技術の栄養補助食品においては見られなかった大きな食事及び栄養上の有利性を提供するように機能する。本発明のフコイダンによって増強された栄養補助食品は、寿命の延長、抗老化、及び並びに筋肉及び骨のような細胞及び組織の再生を与え;体内の成長因子を促進させ;高いエネルギー、活力、及び若さを促進し、免疫系を維持及び増強し、アレルギーを減少させ、血液凝固を抑制し、血糖値を制御し、潰瘍を予防し、胃疾患を回復させ、炎症を減少し、腎臓を保護し、人体を解毒するなどの多くの有益な機能を提供する。また、本発明によるフコイダン製剤は、コレステロール値を低下させ、平滑筋細胞の増殖を抑止し、脂肪酸のβ酸化に関与する酵素を活性化させることによって心臓血管疾病の軽減及び予防を助けることもできる。
【0095】
更に、本発明のフコイダンによって増強された栄養補助食品は、癌性腫瘍と戦い、生物学的及び環境的老化の目に見える症状を最小にする。即ち、本発明の栄養補助食品は、老化プロセスを遅延させ、損傷を受けた細胞及び組織の再生を助け、体内の成長因子を促進させる。フコイダンは、癌に至る可能性のある人体へのフリーラジカル損傷との戦いを助ける抗酸化物質を多く含む。また、フコイダンは、皮膚に対しても大きな利益を与える。フコイダンは、太陽及び他の変化する環境条件並びに要素によって引き起こされるフリーラジカル損傷との戦いを助ける抗酸化物質を多く含む。
【0096】
褐藻類は、日本及び沖縄の沖合、ロシアの沿岸水域、トンガ、及び他の地域などの多くの海洋中で成長する。フコイダンの優れた供給源は、トンガ諸島水域において成長するリムムイという海産植物である。この褐藻類は、多量のビタミン、ミネラル、及び他の有益な物質を含み、フコイダンに特に富んでいる。
【0097】
通常、褐藻類は、多数の葉を有する長いエンジェルヘア状の茎で成長する。フコイダン成分は、海藻の細胞壁上に天然組成物で見られ、日光から細胞壁を保護するツルツルした粘着質の組織を与える。
【0098】
一態様においては、コンブタイプ又はモズクタイプの海藻を、トンガ諸島の沿岸水域から収穫する。これらの海藻は、通常、ダイバーによって手作業で茎及び葉を付けた状態で収穫され、洗浄されて無関係の物質が除去される。海藻は、次に、通常は大型の容器内で冷凍し、処理プラントに輸送する。
【0099】
処理においては、まず重質の外繊維を破壊してフコイダン成分に到達しなければならない。冷凍している場合には海藻材料をまず解凍するが、冷凍していない場合には、海藻材料を混合タンク中に配置し、酸及び水で加水分解しながら切刻する。場合によっては、材料を硫酸でスルホン化して、重質の細胞繊維の分解を助けることができる。また、混合物は、懸濁状態を保持するためにクエン酸で緩衝して十分にブレンドする。また、材料を混合しながら大気圧又は大気圧よりも高い圧力において加熱することもできる。酸性状態を保持するために、得られたピューレを試験して約2〜4のpHに保持して、保存性及び安定性を向上させる。
【0100】
栄養補助食品製品の製造においてこのピューレを用いることができる。または、その後の処理のために混合物を小型の容器内で再冷凍することができる。
【0101】
本発明は、リムムイ海洋植物のような海藻からのフコイダン組成物を配合した栄養補助飲料を提供する。フコイダン組成物は、組成物の全重量の約0.5〜約70重量%の選択された態様で存在する。他の成分としては、高い酸素ラジカル吸収能(ORAC)を有するアカイフルーツ及びブルーベリーのような抗酸化物質を挙げることができる。かかる抗酸化物質は、約0〜約20重量%の量で存在させることができる。更に、海洋深層水ミネラルのようなミネラルを約0〜約2重量%の量で存在させて重要なミネラルを与えることができる。
【0102】
高ORAC栄養補助成分:
フリーラジカルは、体内において極めて反応性で非常に有害な化合物である。フリーラジカルは、多価不飽和脂肪などの物質の酸化分解生成物である。抗酸化物質は、フリーラジカルを反応性がより低く有害でない化学形態に転化させる。栄養補助食品中において用いることのできる抗酸化物質としては、β−カロチン、ビタミンE、ビタミンC、N−アセチルシステイン、α−リポ酸、セレンなどが挙げられる。高いORAC値を有する抗酸化物質が特に望ましい。代表的には、本発明において用いることのできる高ORAC値の栄養補助抗酸化物質としては、ブドウ(赤、黒、又は白)、ブルーベリー、アカイフルーツ、ラズベリー、ブラックベリー、イチゴ、プラム、オレンジ、サクランボ、キウイフルーツ、フサスグリ、エルダーベリー、クロフサスグリ、クランベリー、マンゴスチン、ノニ、アロニア、ウルフベリー、及びこれらの混合物の濃縮物が挙げられる。他の高ORAC値の栄養補助成分としては、プロアントシアニジン、例えば低重合プロアントシアニジン、クルクミノイドなどが挙げられる。
【0103】
ミネラル:
ミネラルは、体組織の構造成分から多くの酵素の必須成分及び他の生物学的に重要な分子までの範囲の広範囲の重要な生理学的機能を果たす。ミネラルは、体内に存在する量に基づいて微量栄養素又は微量元素として分類される。体内には、7種類の微量栄養素(カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、イオウ、及び塩化物)が5gより多い量で存在する。ホウ素、銅、鉄、マンガン、セレン、及び亜鉛などの微量元素は、5g未満の量で体内に見られる。
【0104】
微量栄養素ミネラル:
カルシウムは、米国において食事で最も欠乏していると考えられているミネラル元素である。1日あたり300mgを超えるカルシウム摂取量は、食事中に牛乳及び乳製品が存在しないと達成するのが困難である。これは、カルシウムに関する推奨食事許容量(RDA)(成人及び1〜10歳の小児に関しては1000mg/日、青年及び妊婦並びに授乳婦に関しては1200mg/日−これは1日あたりコップ約4杯の牛乳に等しい)をはるかに下回る。実際、12歳以上の女性に関するカルシウムの平均1日摂取量は、RDAの85%以下であることが報告されている。更に、ピーク骨量増加の年代中(18歳〜30歳)においては、米国の全女性の66%を超える数がいずれの日においても推奨量のカルシウムを消費することができない。35歳以降では、この割合は75%を超える。
【0105】
一般公衆は、長期間にわたる不適切なミネラルの摂取量のもたらす結果を完全には認識していないが、低いカルシウム摂取量は骨粗鬆症を引き起こす幾つかの要因の1つであるということの多くの科学的な証拠が存在する。更に、カルシウムとリンとの摂取比(Ca:P)は、骨の健康に直接関係する。ヒトにおいて骨髄形成を向上させるためには、1:1〜2:1のCa:P比が推奨される。かかる比は、牛乳及び乳製品の適切な食事供給、或いはラクトースを摂取できない人々に関してはカルシウム又は他のミネラルの適切な供給なしには達成するのが困難である。
【0106】
マグネシウムは、細胞内液の2番目に豊富なカチオンである。これは多くの酵素系の活性のために必須であり、神経化学物質の伝達及び筋肉の興奮性に関して重要な役割を果たす。その欠乏は種々の生体構造及び生体機能の障害を伴う。平均的な70kgの成人は、体内に約2000mEqのマグネシウムを有する。このマグネシウムの約50%は骨中に見られ、45%は細胞内カチオンとして存在し、5%は細胞外液中に存在する。骨格内のマグネシウムの約30%は、水和シェル内か又は結晶表面上のいずれかに存在する交換性プールとして機能する。骨中のこのプールからのカチオンの移動は、小児においてはかなる迅速であるが、成人においてはそうではない。骨中のマグネシウムのより大きな割合は、明らかに骨結晶の必須部分である。
【0107】
米国における平均的な成人は、通常の食事において1日あたり約20〜40mEqのマグネシウムを摂取し、この約1/3が消化管から吸収される。このことは、吸収の大半が上部小腸において起こることを示唆している。吸収は、カルシウムに関する輸送系に密接に関係すると思われる活性プロセスによって行われる。低い量のマグネシウムの摂取はカルシウム吸収の増加をもたらし、逆もまた同様である。
【0108】
マグネシウムは、基質としてアデノシン三リン酸(ATP)及び他のヌクレオチド三リン酸を用いるホスフェート輸送反応に関与する全ての酵素の補助因子である。また、種々のホスファターゼ及びピロホスファターゼは、この金属イオンによって影響を受ける多数のリストからの酵素としても機能する。
【0109】
マグネシウムは、細胞内粒子の可逆的会合及び巨大分子の細胞内小器官への結合において極めて重要な役割を果たす。例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)のリボソームへの結合は、リボソームサブユニットの機能的統合性と同様にマグネシウム依存性である。神経系に対するマグネシウムの幾つかの効果は、カルシウムのものと同様である。細胞外液中のマグネシウムの濃度が増加すると、中枢神経系(CNS)の機能低下が引き起こされる。低マグネシウム血症は、CNS過敏性の増大、見当識障害、及び痙攣を引き起こす。また、マグネシウムは、骨格筋に対して直接的な機能低下効果を有する。細胞外液中の異常に低いマグネシウム濃度は、テタニーを生成する可能性のあるアセチルコリン放出の増加及び筋肉の興奮性の増加を引き起こす。
【0110】
微量元素:
ホウ素は、カルシウム、マグネシウム、及びリンの適切な代謝のために、体内に微量必要である。ホウ素は、脳機能、健康な骨を助け、敏捷性を向上させることができる。また、ホウ素は、筋肉を鍛え上げることを望む人にも有用である。ホウ素は、閉経後骨粗鬆症の予防を助けることが知られている。更に、食事中のホウ素の不足と関節炎が発症する可能性との間に関係性が示されている。R.E. Newnham, 46 Journal of Applied Nutrition (1994)を参照。
【0111】
クロムは重要な微量元素であり、食事中に十分なクロムが不足するとグルコースの利用障害が引き起こされるが、タンパク質及び脂質の代謝障害も観察されている。グルコースの利用障害は、多くの中年及び高齢者において起こる。実験室での研究においては、相当数のかかる人は、クロムで治療した後にそのグルコース利用が向上することが示されている。クロムは、血漿中のトランスフェリンによって輸送され、結合部位に関して鉄と競合する。クロムは、そのグルコース利用の増大、及びインシュリンのインシュリン受容体への結合を促進させて炭水化物及び脂質代謝に対するその効果を増大させる可能性のために、栄養補助食品として利益を生じさせることができる。クロムは、補助食品として、アテローム性動脈硬化、糖尿病、リウマチ、及びウェイトコントロールにおいて利益を生じさせることができる。
【0112】
銅は、食事における他の重要な微量元素である。銅が欠乏した動物において観察される最も一般的な異常は貧血である。他の異常としては、成長抑制、骨格異常、神経系の脱髄及び変性、運動失調、毛髪及び軟毛の色素形成及び構造における異常、生殖障害、及び解離性動脈瘤などの心臓血管障害が挙げられる。チロシナーゼ、アルコスビン酸オキシダーゼ、ラッカーゼ、シトクロムオキシダーゼ、ウリカーゼ、モノアミンオキシダーゼ、δ−アミノレブリン酸ヒドリダーゼ、及びドーパミン−β−ヒドロキシラーゼなどの幾つかの銅含有金属タンパク質が単離されている。銅は、鉄の吸収及び利用、電子伝達、結合組織代謝、リン脂質形成、プリン代謝、及び神経系の成長において作用する。銅含有酵素であるフェロキシダーゼI(セルロプラスミン)は、蓄えた鉄の移動のために必要な工程であるFe(II)のFe(III)への酸化を行う。銅含有酵素は、エラスチンの架橋体であるデスモシン及びイソデスモシンを生成するリシンのε−アミノ基の酸化脱アミノ化に関与すると考えられている。銅が欠乏している動物においては、動脈エラスチンがより弱く、解離性動脈瘤が発症する可能性がある。
【0113】
ヨウ素は、細胞酸化を調節する甲状腺ホルモンの生成のために重要である。ヨウ素欠乏疾病は甲状腺腫である。ヨウ素が欠乏した青年においては、成長が抑止され、性的発達が遅れ、皮膚及び毛髪が通常はかさかさし、毛髪が薄くなる。激しく欠乏している場合には、クレチン病、精神薄弱、及び聾唖を発症する。食事中に十分なヨウ素が不足している女性においては生殖障害、男性においては受精能の低下がみられる。
【0114】
鉄は、幾つかの重要な金属タンパク質の必須成分である。これらとしては、ヘモグロビン、ミオグロビン、及び多くの酸化還元酵素が挙げられる。鉄が欠乏していると、肝臓、腎臓、及び骨格筋中のシトクロムc、並びに腎臓及び心臓中のコハク酸デヒドロゲナーゼのような幾つかの鉄含有酵素の濃度低下が起こる。
【0115】
マグネシウムは、軟骨及び骨の重要な成分であるGAG、コラーゲン、及び糖タンパク質の合成において役割を果たす。マグネシウムは、グリコシルトランスフェラーゼの酵素活性のために必要である。この酵素の群は、糖をGAG中に一緒に結合し、糖を他の糖タンパク質に付加し、硫酸塩をアミノ糖に付加し、糖を他の修飾糖に転化し、糖を脂質に付加するのに関与する。これらの機能は、GAG(とりわけヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン硫酸、及びデルマチン硫酸)の合成、コラーゲン合成、並びに多くの他の糖タンパク質及び糖脂質の機能として示される。GAG及びコラーゲンは、全ての結合組織の主要な構造要素である。これらの合成は、結合組織の適切な維持及び修復のために必須である。
【0116】
ヒト及び動物においてマンガンが欠乏すると、異常な骨成長、関節の膨大及び肥大、並びに脚弱症を引き起こす。ヒトにおいては、マンガンの欠乏は、骨量減少、関節炎、及びグルコース利用障害に関係する。全てのGAGのレベルは、マンガン欠乏中は結合組織中において減少し、コンドロイチン硫酸が最も大きく減少する。マンガンが欠乏した生物は、マンガンを与えると速やかにGAG及びコラーゲン合成が正常になる。
【0117】
また、マンガンは、ミトコンドリア中にのみ存在するマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)の活性のためにも必要である。マンガンが欠乏すると、MnSODの活性が低下し、細胞機能の低下によって示されるミトコンドリア機能障害を引き起こす可能性がある。マンガンは、メバロン酸のスクアレンへの転化のために必要である。ピルビン酸カルボキシラーゼは、マンガンの金属酵素であり、インシュリンによって抑制され、炭水化物、脂質、及びタンパク質の酸化のためのクエン酸サイクル、並びにグルコース及び脂質の合成において重要である。
【0118】
モリブデンは、肝臓、腎臓、皮膚、及び骨中に最も高い濃度で見られる必須ミネラルである。このミネラルは、窒素を適切に代謝するために体に必要である。これはまた、プリンを代謝の通常の副生成物である尿酸に転化させるのに必要な酵素であるキサンチンオキシダーゼの重要な成分である。また、モリブデンは、鉄の体内への蓄積、及び成長のような他の細胞機能を助ける。モリブデンの欠乏は、口腔及び歯肉の疾患及び癌に関係する。高度に精製された食事及び加工食品は、動物において、モリブデンの欠乏を引き起こし、貧血、食欲及び体重の減少、並びに発育阻害をもたらす可能性がある。これらの欠乏症はヒトにおいては直接的に観察されていないが、モリブデン欠乏が老年男性において性不能症を引き起こす可能性があることは知られている。
【0119】
セレンは、抗酸化物質に対する保護及び甲状腺ホルモン代謝に関与する酵素の成分として機能する必須微量元素である。幾つかの細胞内及び細胞外グルタチオンペルオキシダーゼ及びヨードチロニン5’−デヨージナーゼ中においては、セレンは、セレノアミノ酸、セレノシステイン(SeCYS)として活性中心に位置する。少なくとも2種類の未知の機能の他のタンパク質もSeCYSを含む。SeCYSは重要な食事フォームであるが、これは、これらの特定のセレン−タンパク質中に直接含まれるのではなく、共翻訳プロセスによってtRNA結合SeCYSが生成する。これに対して、セレノ−メチオニンとしてのセレンは、総合的なタンパク質合成においてメチオニンと競合するので、多くのタンパク質中に非特異的に含まれる。したがって、多くの食品において見られるように、SeCYS及びセレノメチオニンの両方が消費される場合には、組織は、しばしば特異的及び非特異的の両方のセレン含有タンパク質を含む。セレンは、主要な抗酸化栄養素であり、細胞膜を保護し、フリーラジカル生成を抑止し、それによって心臓及び血管の癌及び疾病の危険度を低下させるのに関与する。医療調査によって、セレン摂取量が増加すると、乳癌、結腸癌、肺癌、及び前立腺癌の危険度が低下することが示されている。また、セレンは、組織の弾力性を保ち;老化及び酸化による組織の硬化を遅延させ;ふけの治療及び予防を助ける。最近の研究により、幾つかの動物モデルにおいて、食事中の高レベルのセレンの腫瘍発生阻止効果が示されている。
【0120】
バナジウムは、甲状腺ホルモン代謝のために有益な必須栄養素である。欠乏を予防するために必要な一日必要量は、1日あたり約10〜20μgである。バナジウム欠乏は、成長遅滞、骨の欠陥、及び脂質代謝の変調を引き起こす可能性がある。バナジウムは、幾つかの点でインシュリン様の効果を発揮し、バナジウムと糖尿病に関する相当数の研究が存在している。インシュリン依存糖尿病においては、バナジウムは疾病を制御するのに必要なインシュリンの量を減少させることが分かっており、非インシュリン依存糖尿病においては、バナジウムは全体的な状態を制御することが知られている。研究により、バナジウムを補給すると細胞中へのグルコース輸送が増加することが示され、これにより食事のバナジウム補給によってグルコース代謝が向上し、糖尿病を予防するのを助けることが示唆される。
【0121】
亜鉛は、多くの重要な金属酵素中に存在することが知られている。これらとしては、炭酸アンヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼーA及びB、アルコールデヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、D−グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、及びアルドラーゼが挙げられる。亜鉛欠乏においては、核酸及びタンパク質の合成障害が観察されている。また、亜鉛がインシュリン分泌及びホルモン機能に関与する可能性があることを示す証拠もある。
【0122】
本発明によれば、ミネラルは、塩化物、硫酸塩などのような無機化合物として提供することができる。更に、幾つかのミネラルは、当該技術において周知のアミノ酸キレートのようなより生物学的に利用できる形態で提供することができる。米国特許5,292,538を参照。アミノ酸キレートとして提供することのできるミネラルの例としては、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、鉄、ホウ素、銅、モリブデン、及びクロムが挙げられる。更に、ミネラルは海洋深層水ミネラルとして提供することができる。
【0123】
カロチノイド:
カロチノイドは、赤、橙、及び深黄色の果実及び野菜、並びに幾つかの暗緑色の葉菜においてみられる数百の植物色素の群である。USDA-NCC Carotenoid Database for U.S. Foods (1998)を参照。カロチノイドは、動物においてみられる殆どのビタミンAの前駆物質である。α−及びβ−カロチン、及びクリプトキサンチンなどの少なくとも10種類の異なるカロチノイドがプロビタミンA活性を示す。ビタミンAの前駆物質として、カロチノイドは視力に対する効果を示すが、カロチノイドは更に食事における他の有益な効果を有することが知られている。例えば、カロチノイドは、人体をフリーラジカル損傷から保護することを助ける抗酸化活性に関しても知られている。
【0124】
数多くの研究によって、2種類のカロチノイド:ルテイン及びゼアキサンチンは、眼の黄斑中に高い濃度で見られることが示されている。この研究によって、また、これらの2種類のカロチノイド、特にルテインの高いレベルを保持することによって、65歳以上における失明の主要原因である加齢性黄斑変性の作用の減少を促進することができることも示されている。ルテインは抗酸化物質として作用し、細胞をフリーラジカルの損傷効果から保護する。他のカロチノイドと同様に、ルテインは体内では産生されず、したがって食事又は栄養補助食品から得なければならない。
【0125】
かつては、研究者達は全ての抗酸化物質が同じ効果を果たすと考えていた。現在では、個々の抗酸化物質を特定の目的のために体内で用いることができることを示す数多くの証拠がある。研究者達は、ルテインは最もフリーラジカル損傷を受けやすい身体部位中に蓄積されると考えている。1つの主要な例は、網膜の小さな部分である黄斑である。研究によって、その抗酸化性のために、ルテインの消費は、眼、心臓、及び皮膚、並びに婦人の乳房及び子宮頸管の健康を保つ役割を果たすことができることが示されている。更に、科学者達は、加齢性黄斑変性、白内障、心疾病、及び免疫系の健康におけるルテインの可能性のある役割を研究している。また、研究によって、ルテインは、肺癌、乳癌、及び子宮頸癌の減少に関係することも示されている。脈管系においては、ルテインは高密度リポタンパク質(HDL)又は「善玉」コレステロール中において見られ、心疾病に関するカスケードを設定する低密度リポタンパク質(LDL)又は「悪玉」コレステロールが酸化するのを妨げる。
【0126】
ビタミンAの前駆物質であることの他に、β−カロチンは、癌、心疾病、及び卒中のような幾つかの疾病から防御することを助けるのに有効であると考えられている。
【0127】
リコピンは、トマト、グアバ、ローズヒップ、スイカ、及びピンクグレープフルーツに赤い色を付与する開鎖不飽和カロチノイドである。リコピンは、癌及び心疾病などの幾つかの疾病の危険度を低めることができることが確認されている抗酸化物質である。体内において、リコピンは、肝臓、肺、前立腺、結腸、及び皮膚中に蓄積する。体組織中におけるその濃度は、全ての他のカロチノイドよりも高くなる傾向がある。疫学調査によって、リコピンを含有する野菜を多く摂取することは幾つかのタイプの癌の発症に逆比例的に関係することが示されている。例えば、イタリア人の中で、トマト産物を習慣的に摂取すると消化管の癌の危険度を低下させることが分かっている。ハーバードメディカルスクール及びハーバード大学公衆衛生学部による1つの6年間の研究においては、47,000人を超える男性の食事を研究した。評価した46種類の果実及び野菜の中で、トマト産物(多量のリコピンを含む)だけが前立腺癌の危険度の減少に対する無視できない関係性を示した。トマト産物の消費が増加すると、血中のリコピン濃度が上昇し、前立腺癌に関する危険度が減少する。現在進行している研究では、リコピンによって、黄斑変性疾病、血清脂質酸化、並びに肺癌、膀胱癌、子宮頸癌、及び皮膚癌の危険度を減少させることができることが示唆されている。消化管癌、乳癌、及び前立腺癌と戦うリコピンの可能性などのリコピンの他の可能性のある利益を調べるために、様々な研究が進行中である。W. Stahl及びH. Sies, リコピン:ヒトに対して生物学的に重要なカロチノイドは?, 336 Arch. Biochem. Biophys. 1-9 (1996); H. Gerster, ヒトの健康のためのリコピンの可能性のある役割, 16 J. Amer. Coll. Nutr. 109-126 (1997)を参照。
【0128】
フラボノイド:
フラボノイド(バイオフラボノイドとも呼ばれる)は、幾つかの機能の中でもとりわけフリーラジカル損傷からの保護を与える天然の植物性色素である。バイオフラボノイドは、損傷性フリーラジカルからの保護を与え、癌及び心疾病の危険度を減少し、アレルギー及び関節炎の症状を低減し、ビタミンC活性を促進し、血管の強度を向上し、白内障及び黄斑変性の進行を妨げ、閉経期一過性熱感及び他の疾患を治療すると考えられている。フラボノイドは、殆どの果実及び野菜中に存在する。フラボノイドは、乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、及び前立腺癌のようなホルモン依存悪性腫瘍を誘発する可能性のあるエストロゲンのようなホルモンを抑止することによって作用すると考えられている。研究により、柑橘系の果実中に見られるフラボノイドであるケルセチンは、胃における癌細胞の拡散を阻止することができることが示されている。また、フラボノイドは、異質微生物と直面した時にヒスタミンのような炎症性化合物を放出する一種の免疫細胞であるマスト細胞を安定化させる。ヒスタミン及び他の炎症性物質は、アレルギー反応に関与する。マスト細胞は、結合組織内に存在する大型の細胞である。フラボノイドは、コラーゲンの合成を促進することによって結合組織を強化及び修復する。コラーゲンは、細胞を一緒に「接着」する結合組織の非常に強固なタンパク質である。フラボノイドは、結合組織に有利に働き、炎症を減少させると考えられている。
【0129】
柑橘類バイオフラボノイドとしては、イソケルセチン、ケルセチン、ヘスペリジン、ルチン、ナリンゲン、ナリンゲニン、及びリモネンが挙げられる。イソケルセチンは、タマネギ、リンゴ、Arnica種、Gossypium arboreum、Ginko biloba、Ricinus communis、Ocimum basilicum、Salix acutifolia、及びNarcissus pseudonarcissus中に見られる通常のフラボノイドである。ケルセチンの豊富な食事源は、タマネギ、リンゴ、ケール、セイヨウミザクラ、ブドウ、赤キャベツ、及びサヤインゲンである。ヘスペリジンは、オレンジ及びレモンの皮中に見られる。これは、ビタミンCと共に毛細血管壁の強化を助ける。ナリンゲンは、グレープフルーツ中に見られ、殆どのグレープフルーツの苦味に関与する。柑橘類果実中で得られるフラボノイドであるリモネンは、可能性のある発癌性物質(癌誘発物質)を破壊するのを助ける酵素の生成を促進する。他のバイオフラボノイドとしては、イソフラボン、プロアントシアニジン、アントシアニジン、エラグ酸、カテキン、及びタンニンが挙げられる。
【0130】
イソケルセチンは、ルチン及びケルシトリン:ケルセチンと同じアグリコンを共有する。ケルセチン含有グリコシドは腸管内においてケルセチンを解離することが示されている。したがって、ケルセチンの全ての薬理学的特性は、また、経口投与するとイソケルセチン及びルチンと共有されると考えることが正当である。最近の研究により、小腸内のナトリウム依存性グルコース輸送経路によるイソケルセチン及びケルセチングルコシドの迅速な吸収が示された。優れた生物学的利用能のために、イソケルセチンの健康効果は他のフラボノイドと比較して増大している。イソケルセチンは、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)によって引き起こされるもののような胃腸管に対する悪影響を起こすことなく抗炎症活性を有することが知られている。イソケルセチンは、更に、抗酸化物質、抗高血圧剤、抗癌剤、抗菌剤、及び鎮痛剤として有益な効果を示す。
【0131】
ケルセチンは、赤リンゴ及び赤タマネギ中に通常見られるバイオフラボノイド且つ天然の逆転写酵素ブロッカーである。ケルセチンは、HIV、単純疱疹、及び呼吸器合胞体ウィルスに対する抗ウィルス活性を有することが示されている。T.N. Kaulらの「ヒトウィルスに対するフラボノイドの抗ウィルス効果」, 15 J. Med. Virol. 71-79 (1985);R. Vrijsenらの「フラボンの抗ウィルス活性及びアスコルベートによる相乗効果」, 69 J. Gen. Virol. 1749-1751 (1988)を参照。
【0132】
ブドウ種エキスは、バイオフラボノイドの他の源である。ブドウ種エキスは、以下の有益性:抗炎症性、抗ヒスタミン性、抗アレルギー性、抗酸化性(フリーラジカルスキャベンジャー)を示すことが知られており、皮膚が若い外観を保つ保持するのを助け、血行を向上させ、治癒を促進し、コラーゲンを回復し、弱い血管を強化し、組織の弾力性を向上させる。幾つかの公知の用途としては、関節炎、アレルギー、動脈硬化、潰瘍、及び皮膚の問題の治療が挙げられる。
【0133】
イソフラボンは、食事に補助食品として提供すると有益な効果を与える植物化学物質の他の群である。イソフラボンはまた、フィトエストロゲン(植物エストロゲン)としても知られており、ヒトエストロゲンの1/100〜1/1000の能力を有する。これらは弱いエストロゲンであるが、研究者達によって、これらは閉経期に自然に起こるエストロゲンの低下を補うのを助けることができることが見出されている。イソフラボンは、ホルモン補充療法(HRT)のように作用して、一過性熱感を軽減する。イソフラボンの主要食事源は大豆及び大豆食品であるが、幾つかの他のマメ類も少量含んでいる。最も大きな健康上の効用を得るためにどの程度の大豆が実際に必要かは明らかではない。研究によって、症状を低減することを助けるためには、一日あたり20gの大豆タンパク質(約半オンス)、又は約2カップの豆乳、又は2オンスの豆腐の程度の少量を摂取することができることが示された。
【0134】
また、乳癌及び前立腺癌からの保護においてイソフラボンが果たすことのできる役割を確認するための研究が進行中である。また、イソフラボン及び大豆タンパク質は、骨粗鬆症をもたらす骨量の減少を予防することもできる。また、大豆タンパク質は、その脂質低下効果に関して研究されている。最も研究されているイソフラボンは、ゲニステイン、ダイゼイン、及びグリシテインである。食品のイソフラボン含量に関するデータは限られているが、米国農務省(USDA)−アイオワ州立大学イソフラボンデータベースにおいては、幾つかの通常の食品及びそれらのイソフラボン含量がリストされている。
【0135】
アミノ糖及びグリコサミノグリカン(軟骨保護物質):
結合組織は、関節炎、関節部炎症、及び硬直のような痛みをもたらす可能性のある機械的力からのストレス及び緊張に常に曝されている。かかる痛みは、頸部、背部、腕部、臀部、膝、足首、及び脚部のような関節部において特に激しい。実際、結合組織の痛みは極めて通常的であり、現在数百万人の米国人が冒されている。更に、かかる痛みは、痛みだけでなく体を衰弱させる可能性もある。
【0136】
結合組織は、膨大な量のコラーゲン及びプロテオグリカン(結合組織の主成分)を生成及び再形成することによってそれ自体で修復する力を自然に備えている。この進行するプロセスは、結合組織に損傷が起こるとストレスがかけられる。かかる場合においては、結合組織の生成(コラーゲン及びプロテオグリカン共に)は通常の量の2倍又は3倍となり、このためコラーゲン及びプロテオグリカンの両方の構築ブロックの需要が増加する。コラーゲンのための構築ブロックはアミノ酸である。プロテオグリカンは、主としてグリコサミノグリカン(GAG)又はムコ多糖体と呼ばれる変性糖の長鎖を含む大型で複雑な巨大分子体である。プロテオグリカンは、生成するコラーゲンのための骨格を与える。これらは、また、水を保持して、結合組織(特に軟骨)に柔軟性、弾力性、及び圧迫に対する抵抗性を与える。プロテオグリカンの生成において、律速段階はGAGを生成するためのグルコースのグルコサミンへの転化である。アミノ糖類であるグルコサミンは、GAG−グルコサミン硫酸、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン等においてみられる種々の変性糖の全ての主要前駆物質である。また、グルコサミンはプロテオグリカンの骨格であるヒアルロン酸の50%を構成し、この上にコンドロイチン硫酸のような他のGAGが付加されている。次に、GAGを用いて、プロテオグリカン及び最終的には結合組織が構築される。グルコサミンが形成されたら、GAG及びコラーゲンの合成が起こらないことはない。
【0137】
本発明の組成物は、好ましくは、グルコサミン(好ましくは塩の形態)のようなアミノ糖類、及びコンドロイチン(好ましくは塩の形態)のようなGAGを含む。アミノ糖類であるグルコサミンは、コラーゲン合成及びプロテオグリカン合成の両方のための一次基質を与える。実際、グルコサミンは、コンドロイチン硫酸及びヒアルロン酸などのプロテオグリカン合成のための好ましい基質である。グルコサミンは、好ましくはその伝達及び摂取を容易にするような塩の形態である。好ましい塩形態は、グルコサミン塩酸塩及びグルコサミン硫酸塩である。N−アセチルグルコサミンは、グルコサミンの他の好ましい形態である。グルコサミン硫酸塩の場合には、硫酸塩はその後にグルコサミンのGAGへの転化を触媒するのに利用することができることを留意すべきである。ヒアルロン酸の生成のためには非スルフェート化形態が望ましい。
【0138】
グルコサミンは、経口投与の後に速やかに且つ殆ど完全に人体中に吸収されることが示されている。摂取されたグルコサミンの相当部分は軟骨及び結合組織に局在化し、そこで長時間留まる。これは、グルコサミンを経口投与すると結合組織に到達し、ここでグルコサミンが新しく合成された結合組織中に取り込まれることを示す。
【0139】
コンドロイチン硫酸は、プロテオグリカン合成のための更なる基質を与えるグリコサミノグリカンである。ここでも、コンドロイチンをその塩、特に硫酸塩の形態で提供すると、その伝達及び人体への摂取を容易にする。また、硫酸塩はGAGの硫酸化のために利用することができる。
【0140】
コンドロイチン硫酸は、軟骨中へ取り込むための更なる有機イオウを与えるだけでなく、その構造がグルコサミンと異なる経路によって合成されるガラクトサミンを与えるので、グルコサミンとの相乗効果も有する。Karzelらの5 Pharmacology 337-3435 (1971)を参照。更に、コンドロイチン硫酸は心臓血管の健康効果を有することが示されており(MorrisonらのCoronary Hearth Disease and the Mucopolysaccharides 109-127 (1973))、また、軟骨の劣化又は損耗の予防を助ける。
【0141】
ヒアルロン酸(HA)は、N−アセチルグルコサミン及びグルクロン酸の二糖繰り返し単位を含む大型のグリコアミノグリカンである。これは、細胞外基質中及び細胞表面上に存在する。これは、細胞の移動、接着、及び増殖を促進することが示されており、形態形成、創傷の修復、炎症、及び転移などのプロセスにおいて重要な役割を有する。
【0142】
アミノ酸:
ヒトの食事におけるタンパク質の栄養価は、タンパク質の品質及び量を認識することを含む。ヒトは、普通の良好な健康に必要なアミノ酸の全てを合成する能力を有していない。食事によって供給することが必要なアミノ酸は、必須アミノ酸と呼ばれ、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、及びバリンが挙げられる。一般に、成人は、体重1kgあたり10gのタンパク質を一日の食事で摂取することが推奨される。小児は、この量の約2倍〜3倍が必要である。勿論、これは、食事中のタンパク質が適当量の全ての必須及び非必須アミノ酸を有すると仮定している。卵、牛肉、及び牛乳中に見られるタンパク質が最良の栄養価を有すると考えられている。
【0143】
適度なタンパク質栄養素は、一日必要量を満足するのに十分なタンパク質を摂取することを必要とする。このタンパク質は、必要な品質のもの、即ち必須アミノ酸を供給するものでなければならない。このように、タンパク質の欠乏は、摂取量の減少又は低品質のタンパク質の使用によって引き起こされる可能性がある。明らかに、タンパク質の実際の摂取量は、腎臓障害又は失血の状態における高排出、或いは甲状腺中毒症又は高熱と関係する増加した必要量のようなファクターによって影響を受ける可能性がある。欠乏の症状としては、体重減少、栄養性浮腫、及び皮膚の変化が挙げられ、ネフローゼ、スプルー、及び大腸炎のような状態に関係する。また、適度なタンパク質摂取は、食細胞、白血球、及び抗体の形成のために必要であるので、欠乏は感染に対する抵抗力の低下も引き起こす可能性がある。事故又は外科手術による外傷、妊娠、及び泌乳によって引き起こされるようなストレスもアミノ酸の欠乏を引き起こす可能性があり、これらの状態においてはより多いタンパク質摂取量が必要である。
【0144】
アルギニンは、免疫系を増強するのに有用であり、免疫系の一部であるTリンパ球の生成に関与する胸腺の大きさ及び活性を増加させる。また、アルギニンは、アンモニアの中和を助ける点で肝臓の健康にも重要である。また、これは皮膚及び結合組織中にも含まれており、したがって組織の治癒及び修復、並びにコラーゲンの形成及び新しい骨及び腱の構築において重要である。
【0145】
システインは、補酵素A、ヘパリン、ビオチン、リポ酸、及びグルタチオンなどの多数の必須生化学物質の代謝のために必須である。N−アセチルシステインとして供給することのできるシステインは、胃及び腸の保護膜の強化を助ける。これは、抗酸化物質であるグルタチオンの構成成分である。
【0146】
グリシンは、体内でのタンパク質の構築及び核酸の合成のために必要である。グリシンは、体内でのカルシウムの吸収を促進するのに有用であることが分かった。これは、前立腺の健康のために重要であり、てんかん発作の予防、並びに双極性障害及び活動亢進の治療のために重要な抑制性神経伝達物質として神経系によって用いられる。
【0147】
ヒスチジンは、組織の成長及び修復、並びに神経細胞のための保護体として作用するミエリン鞘の維持のために必要である。また、ヒスチジンは、赤血球及び白血球の両方の生成のためにも必要であり、放射線によって引き起こされる損傷から人体を保護し、人体から重金属を除去するのを助ける。胃においては、ヒスチジンはまた、胃液の生成を助ける。
【0148】
イソロイシンは、他の2種類の分岐鎖アミノ酸と一緒に、運動後の筋肉の回復を促進させる。これはまた、ヘモグロビンの形成、並びに血糖値及びエネルギーレベルの調節を助けるのにも必要である。これはまた、血栓形成にも関与する。
【0149】
ロイシンは、血糖値の調節、筋肉組織の成長及び修復、成長ホルモンの生成、創傷の治癒、及びエネルギー調節を助ける。
【0150】
リシンは、小児における成長及び骨の発達のために必要であり、カルシウム吸収を助け、体内における正しい窒素バランスを維持し、脂肪のない体を維持するのを助ける。更に、リシンは、抗体、ホルモン、酵素、コラーゲンを生成し、組織を修復するのに必要である。
【0151】
メチオニンは、脂肪の分解を助け、それによって動脈内での脂肪の蓄積を予防する。これはまた、肝臓を解毒するのに最も重要なグルタチオンの前駆物質であるシステインに転化させることができるので、消化器系を適切に機能させ、人体から重金属を除去するのを助ける。また、メチオニン中で供給されるイオウはフリーラジカルを不活性化させるので、メチオニンは強力な抗酸化物質でもある。また、メチオニンは、鬱病、関節痛、及び慢性肝疾病を治療するために用いることもできる。これは、エネルギー生成及び筋肉の構築に必須な化合物であるクレアチンを生成するのに人体が必要な3種類のアミノ酸の1つである。
【0152】
フェニルアラニンは、神経系と密接に関係するので、気分を高揚させるために用いられる。これはまた、記憶及び学習を助け、食欲抑制剤として用いられている。
【0153】
トレオニンは、体内の適切なタンパク質バランスを維持するのを助け、皮膚中でのコラーゲン及びエラスチンの形成を助けるのに必要である。これはまた、肝臓機能(脂肪肝と戦うことを含む)、抗脂肝機能(アスパラギン酸及びメチオニンと共に)にも関係し、抗体の生成を助けることによって免疫系を促進し、胸腺の成長及び活性を促進する。
【0154】
トリプトファンは、ビタミン、ナイアシンの生成のために必要である。これはまた、正常な神経及び脳の機能のために重要な神経伝達物質であるセロトニンを生成させるために人体によって用いられる。セロトニンは、睡眠、感情的気分の安定化、疼痛管理、炎症との戦い、及び腸蠕動運動の維持において重要である。これはまた、小児における活動亢進を制御し、ストレス軽減を助け、体重減少を助け、食欲を減少させるのにも重要である。
【0155】
バリンは、筋肉代謝に必要であり、それに対して刺激効果を有する。これはまた、組織を修復及び成長させ、並びに体内の窒素バランスを維持するために必要である。
【0156】
他の栄養素:
α−リポ酸(技術的にはDL−α−リポ酸として知られている)は、糖尿病、心疾病、及び更にひょっとしたらHIV感染症などの多数の状態及び疾病において予防効果及び治療効果の両方を与えることのできる独特の特性に関して研究されている強力な抗酸化物質である。リポ酸及びその還元形態であるDHLAは、種々の反応性酸素種を直接抑え、反応性酸素生成物質を抑止し、他の抗酸化物質を保持及び再生する能力を示す。リポ酸は、神経系を保護するだけでなく、神経の再生にも関与する。これはまた、パーキンソン病及びアルツハイマー病の治療においても研究されている。リポ酸は、他の物質によって行われない場合に、損傷を受けた肝組織を再生するのを助ける能力について最もよく知られている。リポ酸は、ドイツにおいて糖尿病性神経障害を治療するために販売されている。これはまた、ミトコンドリアデヒドロゲナーゼ反応において重要な役割を有する。
【0157】
補酵素Q10は、好気性生物における生化学エネルギーの産生において機能する必須の電子及びプロトン伝達体である。補酵素Q10は、体内の全ての細胞中に見られ、したがってその別名はユビキノン("ubiquitous"及び"coenzyme quinone"の語句に由来)である。補酵素Q10の構造は、イソプレン側鎖に結合したキノン環から構成される。人体はエネルギーを最も単純な活動を行うのにも利用できるようにしなければならないので、補酵素Q10は人体の細胞、組織、及び臓器のために必須であると考えられている。また、補酵素Q10は、通常の代謝過程から生じる細胞の損傷を予防するように機能する抗酸化特性及び膜安定化特性も有する。人体は補酵素Q10を産生する能力を有しているが、一定範囲の病態において欠乏が報告されている。補酵素を補給することは、可能性のある欠乏から保護することを助ける。年齢を重ねるにつれて肝臓は補酵素Q10を合成する能力を失うので、老化は欠乏の1つの原因であると考えられている。老化の他に、劣悪な食習慣、ストレス、及び感染が、適切な量の補酵素Q10を与える人体の能力に悪影響を与える。経口補給剤として補酵素Q10を用いることの知られている結果は、エネルギーの増加、心機能の向上、歯肉疾病の予防及び治療、免疫系の増強、及びおそらくは寿命の延長である。補酵素Q10の非常に大きな免疫系に対する利益のために、AIDSは補酵素Q10に関する研究の初期の標的である。更に、補酵素Q10は、乳癌の治療において有益な効果を与えることも報告されている。
【0158】
ビタミン:
ビタミンは、空気以外の環境に依存しない同化作用によってこれらの化合物を合成することが一般にできないヒトなどの動物の正常な成長及び生命維持に必要で、少量で有効であり、エネルギーを与えず、臓器の構造のための構築単位として利用されず、しかしながらエネルギー変換及び構造単位の代謝の調節のために必須な有機化合物である。ビタミン又はそれらの前駆物質は植物中に見られ、したがって植物組織は動物界のためのこれらの保護栄養因子の供給源である。炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル塩、及び水に加えて、ヒト及び動物の食事は、少量のこれらのビタミンを含むことが必須である。食事中に少なくとも13種類のこれらの化合物のいずれか1つが欠けていたら、正常な代謝過程の機能障害が起こり、このために、欠乏性疾病として分類される小児の成長速度の低下又は完全な成長不足並びに栄養失調の症状が引き起こされる。
【0159】
ビタミンの機能は、一般に2つのカテゴリー、即ち正常な構造の維持及び正常な代謝機能の維持に分類される。例えば、ビタミンAは正常な上皮組織の維持のために必須であり、ビタミンDは健全な骨構造の形成及び成長のための正常な骨塩の吸収において機能する。チアミン、リボフラビン、パントテン酸、及びナイアシンのような幾つかのビタミンは、糖及び脂肪の酸化的異化からのエネルギーを利用するのに必要な呼吸酵素の必須成分であることが知られている。
【0160】
ビタミンを2つの群、即ち水溶性ビタミン及び脂溶性ビタミンに分けることが好都合である。水溶性ビタミンとしては、アスコルビン酸、及び数十又はそれ以上の明確な化合物から構成されるビタミンB群が挙げられる。脂溶性ビタミンとしては、ビタミンA、D、E、及びKが挙げられる。これは、これらが有機溶媒で抽出することができ、動物組織の脂肪分画において見られるからである。一般的なビタミン及び特定のビタミンの簡単なレビューに関しては、Remington's Pharmaceutical Sciencesを参照。
【0161】
脂溶性ビタミン:
ビタミンAは、正常な組織構造の維持、並びに視力及び再生のような他の重要な生理学的機能のために必須である。動物中の殆どのビタミンAの供給源は、カロチノイド色素、即ち全てのクロロフィル含有植物中の黄色の化合物である。少なくとも10種類の異なるカロチノイドがプロビタミンA活性を示す。例えば、α−及びβ−カロチン及びクリプトキサンチン(黄色のトウモロコシ中に見られる)は動物の栄養において重要であり、β−カロチンが最も重要である。理論的には、1分子のβ−カロチンは2分子のビタミンAを生成する。しかしながら、ヒトのためのビタミンAの供給源としての食品中のカロチンの利用可能性は、低く且つ大きく変動する。プロビタミンのビタミンAへの転化は、主として小腸の腸壁において起こり、おそらくはそれより少ない度合いで肝臓において起こる。ビタミンAと同様に、カロチンは有機溶媒中に可溶性である。
【0162】
体内におけるビタミンAの公知の機能の中で、視力におけるその役割は最もよく立証されている。ヒトの網膜は2つの異なる光受容系を含む。1つの系の構造成分である桿状体は、低強度の光に特に感受性である。特定のビタミンAアルデヒドは、桿状体内の視物質の高分子量糖タンパク質部分であるロドプシンの形成、及び網膜の正常な機能のために必須である。視覚過程におけるこの関係性のために、ビタミンAアルコールはレチノールと名付けられ、アルデヒド形態はレチナールと名付けられている。ビタミンAが欠乏したヒトは、暗順応が損なわれる(夜盲症)。
【0163】
また、ビタミンAは、皮膚(体の外側の保護膜)及び粘膜(体の内側の保護膜)の細胞の分化を促進し;体が感染を撃退するのを助け、免疫系を維持し;且つ、骨の成長及び再形成を補助する。更に、その前駆物質であるβ−カロチン(抗酸化物質)の形態でビタミンAを食事で摂取すると、幾つかの癌に関する危険度の低減を助ける可能性がある。
【0164】
ビタミンDは、ヒト及び動物の骨構造の石灰化を促進するのに有効なビタミンである。これは皮膚中の前駆物質ステロールに対する太陽の紫外光線の作用によって形成されるので、これは時には「太陽光」ビタミンとして知られている。ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収及び尿細管中でのリン酸塩の再吸収を助ける。ビタミンDは、小児における正常な成長のために必要であり、おそらくは骨の成長領域中の軟骨の石灰化に影響を与える骨芽細胞に対して直接的な効果を有する。ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウムの吸収が不適切になり、腎臓においてリンが保持されるようになり、したがって骨構造の石化に障害が生じる。また、ビタミンDは神経系及び正常な心臓の働きを維持する。
【0165】
ビタミンEは、α−トコフェロールの生物活性を定性的に示す化合物(トコール及びトコトリエノールの誘導体)の群である。この群のビタミン性に関係する生物活性は、それぞれが種々の立体異性形態で存在することのできる4種類の主要な化合物:α−、β−、γ−、及びδ−トコフェロールによって示される。トコフェロールは抗酸化物質として作用し、δ−トコフェロールは最も大きな抗酸化力を有する。ビタミンEの最も重要な機能は、細胞の膜部において起こる。ビタミンEは、膜の3種類の主構造要素であるリン脂質、コレステロール、及びトリグリセリドと相互に嵌合する。ビタミンEは抗酸化物質であるので、フリーラジカルと呼ばれる非常に反応性で高度に有害な化合物と反応することが好ましい。フリーラジカルは多価不飽和脂肪のような物質の酸化分解の生成物である。ビタミンEは、フリーラジカルをより反応性が低く無害な形態に転化する。また、ビタミンEは血液に酸素を供給し、これを次に心臓及び他の臓器に運び;これにより疲労を緩和し;細胞へ栄養を運ぶのを助け;毛細血管壁を強化し、赤血球が破壊毒に冒されるのを予防し;血栓を予防及び溶解し;且つ、不妊、筋ジストロフィー、血壁内でのカルシウム沈着、心臓病を予防するのを助ける。
【0166】
ビタミンKは、ビタミンをヒトの代謝において必須のものにするその主要な活性が、プロトロンビン及び他の凝固因子の合成を通して血液凝固系に関与することである物質の群である。ビタミンKは、骨タンパク質の生合成に寄与し、肝臓でのプロトロンビノーゲン及び他の血液凝固因子の形成に必要である。凝固中は、トロンビンの生成に循環プロトロンビンが必要である。次に、トロンビンはフィブリノーゲンを、血餅を構成する網状組織であるフィブリンに転化する。この説明から、プロトロンビンの形成が妨害されると血液の凝固傾向が低減することが明らかである。ビタミンが欠乏すると、低プロトロンビン血症の状態が発症し、血液凝固時間が大きく、或いは更に無制限に長くなる可能性がある。内出血及び外出血によって、同時か又はその後の障害が確実に起こるか又は手術が必要になる可能性がある。
【0167】
水溶性ビタミン:
アスコルビン酸を除いて、このカテゴリー内のビタミンは全て、ビタミンのB群に属する。B−1、B−6、及びB−12のように一部はそれらの元々の個々の名称を未だ保有しているが、他のビタミンに関する同等の名称は使用されなくなっている。
【0168】
ビタミンC又はアスコルビン酸は、細胞間コラーゲンの形成のために必須であることが知られている。ビタミンCの欠乏による壊血病の症状としては、歯肉の出血、痣ができやすいこと、及び骨折しやすいことが挙げられる。これらの症状は全て、問題の細胞間基質の形成にビタミンCが必要であることの結果である。この基質、主としてコラーゲンは、問題の組織形状及び組織物質を与える接合物質である。コラーゲンは、細胞間基質に加えて、腱、靱帯、皮膚、骨、歯、軟骨、心臓弁、椎間板、角膜、眼レンズの主成分である。一部のコラーゲンはアスコルビン酸の不存在下で形成されるが、繊維は異常な状態であり、壊血病の特徴である皮膚病変及び血管脆弱性を引き起こす。壊血病患者の組織においては、細胞間の領域における無定形基質及び繊維芽細胞は正常に見えるが、コラーゲン繊維の基質を有しない。これらのコラーゲン物質の束は、アスコルビン酸の投与後の数時間以内に現れる。これは、歯の構造、骨の基質、及び毛細血管の管壁の維持におけるビタミンの関係性を示す。ビタミンCは骨折の治癒のために必須である。このような骨折はビタミンCが欠乏している患者においてはゆっくりと治癒する。これは、創傷の治癒においても当てはまる。
【0169】
また、ビタミンCは抗酸化物質でもある。酸素は反応性の高い物質であり、幾つかの化学物質による反応プロセスは酸化と呼ばれる。酸化は常に有害なものではない。例えば、ヘモグロビン中の鉄は酸化されて酸素を人体の全ての細胞に運ぶ。しかしながら、過度の酸化は有害であり、老化を加速し、組織及び臓器の損傷に関与する。また、酸化は、心疾病(低密度リポタンパク質(LDL)の酸化はアテローム性動脈硬化と関係する)及び癌の誘因である。研究が継続されているが、より多いフリーラジカル損傷は慢性症状に関与すると思われ、抗酸化栄養素をより多く補給することが重要であると認められる。ビタミンCはヒト血漿中における最も有効な水溶性抗酸化物質である。また、ビタミンCは免疫系を適切に機能させるためにも必要である。これは、白血球、T細胞、及びマクロファージの産生に関与する。
【0170】
ビオチンは、活性化合物への二酸化炭素の付加又は活性化合物からの二酸化炭素の除去を助けることによって、脂肪酸及びアミノ酸の合成及び分解において機能する。これは、アミノ酸の脱アミノ反応及びオレイン酸の合成を触媒するのと同様に作用する。また、ビオチンは酵素の必須成分であり、タンパク質、並びに葉酸、パントテン酸、及びビタミンB−12のような幾つかの他のビタミンの利用を助ける。
【0171】
葉酸又はフォラシンは、造血要素の適切な再生及びそれらの機能のために必要な重要な造血物質の1つである。また、葉酸は、一炭素単位が転移する中間代謝反応において補酵素として関与する。これらの反応は、種々のアミノ酸の相互転換、並びにプリン及びピリミジンの合成において重要である。プリン及びピリミジンの生合成は、最終的には全ての細胞における機能物質であるヌクレオチド並びにリボ及びデオキシリボ核酸の合成と関係する。
【0172】
ナイアシン(ニコチン酸)及びナイアシンアミド(ニコチンアミド)は、ビタミンと同じ特性を有する。体内において、ナイアシンは、炭水化物の嫌気性酸化に関与する広範囲の酵素系中に存在する補酵素I及びIIの必須成分であるナイアシンアミドに転化する。この補酵素は、基質の酸化において水素受容体として機能する。これらの酵素は全ての生細胞中に存在し、生体酸化の多くの反応に関与する。ニコチンアミド−アデニンジヌクレオチド(NAD)及びニコチンアミド−アデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)は、全ての生細胞の代謝に関与する、体内で合成される補酵素である。これらはこのように広範囲の生体的に重要なものであるので、何故に細胞へのナイアシンへの供給が妨げられると代謝過程の重篤な障害が起こるかを理解するのは困難なことではない。ナイアシンは腸管から速やかに吸収され、大量の投与量の場合には、同等の効果で経口又は非経口で与えることができる。更に、ナイアシンは、血液循環を向上し、血中コレステロール濃度を低下させ;神経系を維持し;タンパク質、糖、及び脂肪の代謝を促進し;高血圧を低減し;食事の適切な利用を通してエネルギーを増加させ;ニコチン酸欠乏症を予防し;健康な皮膚、舌、及び消化器系の維持を助ける。
【0173】
パントテン酸は、中間代謝において二炭素化合物(アセチル基)を転移させる多くの生体酵素反応に関与する補酵素A(CoA)中に取り込まれるので、生物学的に最も重要なものである。これは、炭水化物及びタンパク質からのエネルギーの放出、脂肪酸の分解及び代謝、並びにステロール及びステロイドホルモン、ポルフィリン、及びアセチルコリンなどの化合物の合成に関与する。また、パントテン酸は、ビタミンの利用に関与し;ストレスに対する人体の抵抗性を向上させ;中枢神経系の細胞構築及び成長を助け;副腎を助け;抗体の構築に関与することによって感染症と戦う。
【0174】
ピリドキシン(ビタミンB−6)は、単一の物質を表すものではなく、代謝的及び機能的に相互に関係している天然ピリジンの群、即ちピリドキシン、ピリドキサール、及びピリドキサミンに関する集合的な用語である。これらは、これらのリン酸化形態で生体内において互換性である。リン酸ピリドキサール又はリン酸ピリドキサミンの形態のビタミンB−6は、炭水化物、脂肪、及びタンパク質の代謝において機能する。その主要な機能は、タンパク質及びアミノ酸代謝に最も密接に関係する。ビタミンは、多くの酵素(補酵素)、特にグリコーゲンホスホリラーゼ、種々のトランスアミナーゼ、デカルボキシラーゼ、及びデアミナーゼの分子構造の一部である。後者の3つはタンパク質の同化及び異化のために必須である。また、ピリドキシンは、脂肪及び炭水化物の代謝を助け;抗体の形成を助け;中枢神経系を維持し;月経前の女性の過剰体液を除去するのを助け;健康な皮膚を促進し;筋肉の痙攣、脚の痙攣、手の麻痺、吐き気、及び手の硬直を低減し;体内におけるナトリウムとリンとの適切なバランスを維持するのを助ける。
【0175】
リボフラビンは、炭水化物及びアミノ酸の酸化に関与する多数の酵素系の補欠分子族としてその生理的役割を果たす他のBビタミンである。これは、リン酸含有モノヌクレオチド(FMN)、又はリン酸を介してアデニンと結合しているジヌクレオチド(FAD)のいずれかとして、特定のタンパク質と組み合わさって機能する。それぞれの酵素の特異性はコンプレックス中のタンパク質によって定まる。酸化還元プロセスによって、系中のリボフラビンは水素を獲得するか又は失う。炭水化物又はアミノ酸のいずれかである基質は、水素を除去することによって酸化することができる。一連の事象における第1の水素受容体は、ニコチン酸及びアデニンを含むジ又はトリヌクレオチドであるNAD又はNADPである。次に、酸化されたリボフラビン系は、補酵素系のための水素受容体として機能し、次にシトクロム系によって酸化される。水素は最終的には酸素に伝達されて、酸化サイクルが完了する。それぞれが与えられた基質に対して特異的な多数のフラビンタンパク質酵素が確認されている。また、リボフラビンは、抗体及び赤血球の形成を助け;細胞呼吸を維持し;良好な視力、皮膚、爪、及び毛髪の維持に必要であり;眼の疲れを軽減し;総合的な健康を促進する。
【0176】
チアミンは、分子に結合しているアニオンに関係なくビタミンB−1活性を有する全ての物質に適用される総称である。分子のカチオン部分は、メチレン橋架によって置換チアゾール環の窒素に結合している置換ピリミジン環で構成されている。リン酸化形態においては、チアミンは、α−ケト酸の脱カルボキシル化に関係する酵素系の補欠分子族として機能する。幾つかの脱カルボキシル化反応は可逆性であり、このため合成(縮合)を行うことができる。したがって、チアミンはまた、ケト酸の生合成に対しても重要である。これはトランスケトラーゼ反応に関与する。チアミンは小腸及び大腸の両方から水溶液で速やかに吸収され、次に門脈循環によって肝臓に送られる。肝臓においては、全ての生細胞内と同様に、これは通常、ホスフェートと化合してコカルボキシラーゼを形成する。これは、この形態で肝臓内に蓄えることができ、或いは、更にマンガン及び特定のタンパク質と化合してカルボキシラーゼとして知られている活性酵素になることができる。また、チアミンは、エネルギーを生成するための人体の代謝サイクルにおいて重要な役割を果たし;炭水化物の消化を助け;神経系、筋肉、及び心臓の正常な機能のために必須であり;食欲を安定させ;成長及び良好な筋緊張を促進する。
【0177】
ビタミンB−12又はシアノコバラミンは、全ての細胞の機能のために必須であるが、特に骨髄、神経系、及び消化管の細胞のために必須である。これは、還元反応を促進し、メチル基の転移に関与すると思われる。その主要な重要性は、葉酸と共に全ての細胞におけるDNAの同化にあると思われる。これは、正常な血球形成のために必須のものであり、その投与は幾つかの大嚢胞性貧血に効力を示す。また、ビタミンB−12は、炭水化物、脂肪、及びタンパク質の代謝のために必要であり;健康な神経系を維持し;小児において成長を促進し;エネルギーを増加させ;カルシウム吸収のための必要である。
【0178】
植物性栄養素:
マンゴスチンは、東南アジアにおいて非常に広範囲に分布している樹木であり、その薬理作用に関して知られている。果実の外皮は、東南アジアにおいて、皮膚感染症、創傷、及び下痢の治療のための民間療法において用いられている。
【0179】
ターメリックは、数千年もの間、疾病のための治療薬として用いられている。アーユルベーダの伝統治療では、多くの薬草調合薬中の成分としてターメリックを用いている。ターメリックのエキスは、クルクミンなどのクルクミノイドを含む。これらの化合物は、研究されて、細胞の健康に有益な効果を有することが分かっている。クルクミンは、抗発癌性及び抗突然変異性効果の両方を有することが示されている。EGCGと同様に、クルクミンは、生体内においてカテコレストロゲンの酸化を低減し、I相及びII相肝酵素の両方を上方調節して、体内のホルモン機能を調節する。最近の研究によって、EGCGとクルクミンとの組み合わせが、それぞれ単独の効果に基づいて予測される相加効果よりも大きな効果を有することが示されている。クルクミノイド及びクルクミンなどのターメリックエキスに関する情報は、以下の参考文献:Jiang M.C.らの「クルクミンは永久増殖NIH3T3及び悪性癌細胞系におけるアポトーシスを誘発する」, Nutr Cancer 1996; (1): 111-20;及びSubramanian M.らの「クルクミン及び関連する抗酸化物質による一重項酸素誘発DNA損傷の減少」, Mutation Res 1994; 311: 249-55(これらはその全てを本明細書中に包含する)において見ることができる。
【0180】
現在開示されている組成物の更なる成分としては、少量のブドウ及びラズベリーのような果実の香味物質及び色素を挙げることができる。ゴーヤ果実のような甘味物質も含ませることができる。黒コショウ又は四川コショウエキスのような体内への吸収を増進させる成分を加えることができる。また、安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムのような防腐剤を含ませることもできる。脱イオン水のような実質的に純粋な水も、液体混合物の重要な構成成分である。
【0181】
一態様においては、栄養補助食品は、栄養ドリンク又は飲料として提供することができる。補助食品は、また、粉末に乾燥して、凍結乾燥又は噴霧乾燥粉末、カプセル、或いは錠剤として提供することもできる。ここで、代表的な飲料補助食品をより詳細に説明する。
【0182】
上記に記載のフコイダン含有ピューレから出発して、アカイフルーツ、ブドウ、及びブルーベリーのような高い酸素ラジカル吸収能(ORAC)を与えるためのジュース又は濃縮液を加える。また、ブドウ及びラズベリーのような果実の香味物質及び色素;海洋深層水ミネラルのようなミネラル;ゴーヤ果実のような甘味物質;黒コショウのような、香味を増強し、体内への吸収を増進させるためのコショウ;安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムのような防腐剤;並びに脱イオン水を混合物に加える。次に、加熱殺菌又は他の加熱技術によって混合物を滅菌する。加熱殺菌(少なくとも87.8又は190°F)は病原性微生物を有効に排除するが、全ての微生物を排除するためにはより高い温度での滅菌が必要であるかもしれない。
【0183】
必要な滅菌を行うためには、通常、2種類の異なる滅菌法を用いる。HTST(高温短時間)法を用いると、混合物を約85℃(185°F)に約20〜30秒間昇温させることができる。択一的に、超高温(UHT)法は、混合物の温度を約140.6℃(285°F)に約4〜6秒間昇温することを含む。いずれの方法においても、加熱工程の直後に、温度を速やかに少なくとも21.1〜26.7℃(70〜80°F)の雰囲気温度に低下させる。または、混合物を約4.4℃(40°F)に冷却することができる。
【0184】
混合物の加熱は、直接加熱又は間接加熱によって行うことができる。例えば、混合物を、蒸気と直接接触させることによって加熱するか、或いは選択されたタイプの熱交換器によって間接的に加熱することができる。
【0185】
次に、滅菌されたブレンドを、熱充填又は冷充填法を用いて容器中に注ぎ入れることができる。熱充填法においては、生成物をまず、加熱殺菌、HTST、又はUHTのための温度に加熱する。次に、これを、容器内の全ての微生物を死滅させる昇温温度において容器中に注ぎ入れる。安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムのような防腐剤の使用が、通常用いられる。pHは、通常、場合によってはレモンジュース又は酢のような酸を用いて4.4より低く保持する。充填後、水ミストによって容器をゆっくりと冷却する。容器の充填は、当該技術において周知の無菌の処理及び包装法によって行う。
【0186】
冷充填法においては、加熱殺菌又は滅菌温度に到達した後、無菌の処理及び包装法を用いて容器に充填する前に、速やかにほぼ室温に冷却する。迅速な冷却によって、熱充填法において見られる可能性のあるビタミンの分解及び風味の変化をより少なくすることができる。したがって、冷充填法においては、風味をより爽快でより清らかにすることができる。通常、菌、カビ、及びバクテリアの成長を制御するために防腐剤を含ませる。
【0187】
冷充填法は、容器構造体の完全性を損なわないように、高密度ポリエチレン(HDPE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器の使用に適合させることができる。容器は、容器あたり約660gを含ませることができる500mLのボトルであってよい。この大きさは、推奨される投与量が1日あたり約22gであるならば、30日間の十分な飲料を与えるものである。
【0188】
本発明による固体投与形態は、当該技術において周知の方法にしたがって、粉末、錠剤、及びカプセルの形態で製造することができる。例えば、フコイダン製剤を乾燥し、次に乾燥したフコイダンを他の乾燥成分と混合することによって粉末を製造することができる。または、フコイダン製剤を他の成分と混合し、次に混合物を粉末に乾燥することができる。代表的な乾燥法としては、噴霧乾燥及び凍結乾燥が挙げられる。次に、粉末を液体中に懸濁又は溶解し、得られた懸濁液又は溶液を飲むことによって、粉末を摂取することができる。この目的のために用いることができる代表的な液体としては、水、ジュースなどが挙げられる。また、粉末を、錠剤に圧縮するか、或いはカプセル中に装填することもできる。錠剤又はカプセルは、通常、水又は他の液体を用いて嚥下する。また、液体栄養補助食品をカプセル封入して、かかる固体投与形態で摂取することもできる。
【実施例】
【0189】
以下は、栄養補助食品において用いるためのフコイダンピューレを与えるための海藻の処理、及びフコイダンピューレから製造される栄養補助食品配合物の実施例である。これらの実施例は、例示に過ぎず、いかなるようにも限定することを意味するものではない。
【0190】
本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。記載された態様は、全ての点において例示としてのみ考えるべきものであり、限定的に考えるべきではない。したがって、本発明の範囲は、明細書の記載又は実施例ではなく、特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内での全ての変更は、発明の範囲内に含まれる。
【0191】
実施例1:
フコイダンピューレ組成物の製造:
トンガのリムムイ海藻を手作業で収穫し、洗浄して異物を除去し、冷凍し、処理プラントに輸送した。プラントにおいて、冷凍した海藻を解凍し、秤量し、表1に示す任意の条件の組にしたがって水性緩衝液及び場合によっては硫酸と共にステンレススチールミキサー内に配置した。次に、中剪断ミキサー(プロペラタイプ)を用いて成分を50〜75rpmで混合した。混合しながら、混合物を37℃〜95℃に選択された時間(通常、5分〜8時間)加熱した。この時点において、加熱を停止したが、混合は0.5〜10時間継続して熱を放散させ、海藻繊維を微粉化した。次に、冷却した混合物を濾過して不溶物質を除去し、濾液を回収し、室温において約4〜72時間混合した。得られたピューレのpHは約pH2.0〜4.0と測定され、屈折率測定により通常2〜4のブリックス値が示された。次に、部分的に加水分解されたフコイダンを含むピューレを冷凍し保存した。加水分解中に硫酸を加えた場合には、部分的に加水分解されたフコイダンはスルホン化された。
【0192】
【表1】

【0193】
実施例2:
フコイダン飲料の製造:
実施例1の手順にしたがって製造されたフコイダンピューレを解凍し、次に表2及び3に示す本発明による他の成分と混合した。表中の量は重量部である。これらの成分を十分にブレンドし、次に表4に示すいずれかの条件にしたがう無菌処理及び包装法で滅菌及び瓶詰めした。
【0194】
【表2】

【0195】
【表3】

【0196】
【表4】

【0197】
実施例3:
実施例1の手順にしたがって製造した約70重量部のフコイダンピューレを、約99重量部の蒸留水、約20重量部のコンコードブドウエキス、約2重量部の海洋深層水ミネラル、約1重量部のゴーヤ、及び約1重量部の黒コショウエキスと混合した。得られた混合物を粉末に噴霧乾燥し、保存及び配送のために包装した。
【0198】
実施例4:
粉末をゼラチンカプセル内にカプセル封入した他は、実施例3の手順を繰り返した。
【0199】
実施例5:
粉末を、選択された量の希釈剤、バインダー、潤滑剤、崩壊剤、色素、香味料、及び甘味剤と混合し、次に錠剤に圧縮した他は、実施例3の手順を繰り返した。
【0200】
スキンケア製品:
本発明は、リムムイ、コンブ、又はモズクのような海藻からのフコイダンを配合したスキンケア組成物を提供することによって、従来技術のスキンケア組成物を改善する。本発明の、スキンケア組成物へのフコイダンの添加は、従来技術のスキンケア組成物には見られない大きな有利性を与えるように機能する。本発明のフコイダンで増強されたスキンケア組成物は、老化防止、並びに細胞及び組織の再生を提供し;若さを増進し;炎症を低減する;などの多くの有益な機能を与える。更に、本発明のフコイダンで増強されたスキンケア組成物は、生物学的老化及び環境老化の両方の目に見える徴候を最小にする。即ち、本発明の栄養補助食品は、老化プロセスを遅延させ、損傷した細胞及び組織の再生を助け、体内の成長因子を促進させる。フコイダンは、癌に至る可能性のある体へのフリーラジカル損傷と戦うのを助ける抗酸化物質を多く含む。これらの抗酸化物質は、太陽及び他の変化する環境条件及び環境要素によって引き起こされるフリーラジカル損傷と戦うのを助ける。
【0201】
褐藻類は、日本及び沖縄の沖合、ロシアの沿岸水域、トンガ、及び他の地域をはじめとする多くの海洋において成長する。フコイダンの優れた供給源は、トンガ諸島水域において成長するリムムイという海産植物である。この褐藻類は、多量のビタミン、ミネラル、及び他の有益な物質を含み、フコイダンに特に富んでいる。
【0202】
通常、褐藻類は、多数の葉を有する長いエンジェルヘア状の茎で成長する。フコイダン成分は、海藻の細胞壁上に天然の組成物中に見られ、日光から細胞壁を保護するツルツルした粘着質の組織を与える。
【0203】
一態様においては、コンブタイプ又はモズクタイプの海藻を、トンガ諸島の沿岸水域から収穫する。これらの海藻は、通常、ダイバーによって手作業で茎及び葉を付けた状態で収穫され、洗浄されて無関係の物質が除去される。海藻は、次に、通常は大型の容器内で冷凍し、処理プラントに輸送する。
【0204】
処理においては、まず重質の外繊維を破壊してフコイダン成分に到達しなければならない。冷凍している場合には海藻材料をまず解凍するが、冷凍していない場合には、海藻材料を混合タンク中に配置し、酸及び水で加水分解しながら切刻する。場合によっては、材料を硫酸でスルホン化して、重質の細胞繊維の分解を助けることができる。また、混合物は、懸濁状態を保持するためにクエン酸で緩衝して十分にブレンドする。また、材料を混合しながら大気圧又は大気圧よりも高い圧力において加熱することもできる。酸性状態を保持するために、得られたピューレを試験して約2〜4のpHに保持して、保存性及び安定性を向上させる。
【0205】
スキンケア製品の製造においてこのピューレを用いることができる。または、その後の処理のために混合物を小型の容器内で再冷凍することができる。
【0206】
本発明は、リムムイ海洋植物のような海藻からのフコイダン組成物を配合したスキンケア組成物を提供する。フコイダン組成物は、組成物の全重量の約0.01〜約95重量%の選択された態様で存在する。
【0207】
スキンケア組成物のための基剤:
理想的には、軟膏基剤は、刺激が無く、非脱水性で、べたつかず、活性成分と適合性であり、安定で、水によって容易に除去することができ、吸収性(水及び/又は他の液体を吸収できる)で、含まれている活性成分を有効に放出することができなければならない。これらの全ての特性を有する軟膏基剤はない。軟膏は、組成に基づくタイプにしたがって分類することができる。このような軟膏のクラスとしては、油脂性基剤、吸収性基剤、乳剤性基剤、及び水溶性基剤が挙げられる。
【0208】
油脂性基剤は、一般に、無水で、疎水性で、水中に不溶性で、水によって除去することができない。油脂性基剤としては、ほぼ完全に植物性油脂及び動物性油脂から構成される初期の軟膏、及び石油炭化水素が挙げられる。植物由来の固定油としては、オリーブ油、菜種油、ゴマ油、杏桃油、及び他の油が挙げられる。炭化水素基剤としては、ワセリン又は液体ワセリンとワックス又は他の硬化剤とから製造される軟膏が挙げられる。炭化水素基剤は酸敗臭を放つことが無く、これは動物性油脂及び植物性油脂と比較して有利である。他の油脂性基剤としては、基本構造がケイ素及び酸素原子の交互鎖(例えば、O−Si−O−Si−O−Si−)である合成重合体であるシリコーンが挙げられる。製薬産業及び化粧品産業において用いられるシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びジメチルポリシロキサンのステアリルエステルが挙げられ、これらは全て水中に不溶で撥水性である。シリコーンギブソン基剤(実施例6)及びバニシルシリコーン軟膏(実施例7)のような代表的な油脂性基剤は、当該技術において周知である。
【0209】
吸収性基剤は、一般に、無水で、親水性で、水中に不溶性であり、殆どのものは水で除去することができない。これらの基剤は、それらの重量の数倍の水を吸収し、それらの軟膏様のコンシステンシーを保持しながら乳剤を形成する特性を有する。吸収性基剤は、その組成が変動するが、大部分のものに関しては動物性ステロールとワセリンの混合物である。コレステロール及び/又は他のラノリン分画と白色ワセリンとの配合物がこのような吸収性基剤であり、Eucerin及びAquaphorはこのタイプの最も初期の市販基剤の中のものであった。Zopf軟化クリーム(実施例8)、Hoch調剤(実施例9)、親水性ワセリン基剤(実施例10)、羊毛アルコール基剤(実施例11)、及びAquabase軟膏(実施例12)は、ここで説明した吸収性基剤である。幾つかの商業的に入手できる吸収性基剤としては、Aquafor(Duke)、Polysorb(Fougera)、及びNivea Cream(Duke)が挙げられる。
【0210】
乳剤性基剤は、水和で、水中に不溶で、水で除去することができず、水を吸収するW/O基剤、又は、水和で、水中に不溶で、水で除去することができ、水を吸収するO/W基剤のいずれかであってよい。これらの製剤は固体の乳剤であり、同様の製品が化粧クリームとして長く用いられている。湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、皮膚軟化剤、洗浄剤、硬化剤、防腐剤などとして用いるための多数の化合物を利用できるので、軟膏配合物に対して大きな柔軟性が与えられる。表面活性剤(即ち界面活性剤)はイオン性又は非イオン性であってよいが、皮膚用製剤及び医薬製剤においては非イオン性の薬剤が幅広く用いられる。Polysorbate 80(例えばTween 80)及びPolyoxyl 40ステアレートが、かかる界面活性剤を代表するものである。非イオン性界面活性剤は、一般に、イオン性界面活性剤よりも毒性が低く刺激性が低い。他の有利性としては、それらの実質的な中性状態、冷凍に対する安定性、電解質に対する安定性、及び使用しやすさが挙げられる。一般に、乳剤性基剤は、水相、乳化剤、及び油脂相を含む。代表的な乳剤性基剤の水相は、通常、全基剤の10〜80重量%で変動する。湿潤剤として機能させ、蒸発による水の損失を低減し、クリームに普通の柔らかさを与えるために、一般に、グリセリン、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールを水性相と共に含ませる。また、乳剤性基剤配合物にある種のアルコールを加えると、乳剤に安定性が付加され、皮膚に対して滑らかな感触が与えられる。固体のステアリルアルコールは、軟膏のコンシステンシーを増加させ、更なる液体成分を含ませることを可能にする。これらの水和し始める能力のために、このようなアルコールは乳剤性基剤の水分保持を助ける。油脂相は、1種類以上の以下の成分又は同様の成分:ワセリン、油脂、ワックス、有機アルコール、ポリグリコールエステル、又は他のグリース状物質を含んでいてよい。これらの物質は、界面活性剤の作用によって水相と共に乳化する。幾つかのかかる乳化剤としては、アルカリ石鹸、硫酸アルキル、アミン石鹸、ポリグリコールエステル、硫酸アルキルアリール、第4級アンモニウム化合物などが挙げられる。これらの乳化化合物は、油脂及びワックスの水中での分散を助け、軟膏の安定性を向上させる。親水性軟膏基剤(実施例15)、Beeler's基剤(実施例16)、及びU.C.H.基剤(実施例17)は、ここで説明した代表的なO/W乳剤性基剤である。商業的に入手できるO/W乳剤性基剤としては、Cetaphilクリーム、Neobase、Unibase、Dermovan、Phorsixクリーム、Lubridermクリーム、及びVelvacholが挙げられる。
【0211】
水溶性基剤は、無水で、水中に可溶性で、水で除去することができ、べとつきがなく、水を吸収するものである。これらの基剤としては、ポリエチレングリコールから製造される基剤、並びに、ベントナイト、コロイド状ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及びアルギン酸ナトリウムを含む半固体製剤が挙げられる。ポリエチレングリコール(PEG)化合物1500、1540、4000、及び6000が、軟膏及びローション配合物において興味深い。PEG1500は、ワセリンと同様のコンシステンシーを有し、40℃〜45℃の凝結範囲を有する柔らかいワックス状の固体である。PEG1540は、蜜蝋のコンシステンシーを有する固体であり、1500PEGと4000PEGの間の中間の物理特性を有する。PEG4000は、53℃〜56℃の凝結範囲を有し、乳化剤及び分散剤としての一般的な特性に加えて軟膏基剤の成分として最も有用であり、またこれは基剤にコンシステンシーを加える。PEG4000及びPEG6000はいずれも非吸湿性である。PEG6000は、硬質で半透明のワックス状の固体であり、58℃〜62℃の凝結範囲を有する。
【0212】
グリセリルモノステアレートは、化粧品及び軟膏の基剤として広く用いられている多価アルコールエステルである。これは、高い融点(56℃〜58℃)を有し、良好な乳化剤である。グリセリルモノステアレート乳剤は、一般に、通常は60重量%を超える高い水相を含む。これは、酸と不適合性であるという欠点を有する。ここではグリセリルモノステアレート基剤(実施例27)を記載する。
【0213】
メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体は、ゴム及び粘漿剤に似たコロイド溶液を形成するが、菌又はバクテリアの攻撃に対してゴム及び粘漿剤のように弱くはない。メチルセルロースは、冷水中に分散可能であるが、濃縮溶液中では加熱すると凝固する。ヒドロキシエチルセルロースは、昇温温度においてより可溶性であり、水溶液の粘度は加温すると僅かに低下する。これは、油、ワックス、及び色素剤の水性分散液のための良好な保護コロイドである。ナトリウムカルボキシメチルセルロースは、しばしばカルボキシメチルセルロース又はCMCと称される他のセルロース誘導体である。これは、アニオン性化合物であり、このため懸濁液、及び乳化剤がアニオン性又は非イオン性である乳剤タイプの軟膏のための増粘剤又は安定剤として用いることができる。これらの任意のセルロース誘導体は、軟膏配合物を安定化させるために用いることができ、種々の粘度タイプ及び種々の置換度で商業的に入手できる。
【0214】
アルギン酸ナトリウムは、少量のアルコール、グリセリン、ポリグリコール、湿潤剤、及び炭酸アルカリの溶液と相溶性の親水性コロイドである。これは、4.5〜10のpH範囲内の酸性及びアルカリ性条件下で満足に機能する。少量の可溶性カルシウム塩、即ちグルコン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、及びクエン酸カルシウムを加えることによって、アルギン酸ナトリウム溶液をやや安定しているか又は安定したゲルにすることができる。アルカリ土類金属のイオンは、低濃度で存在するとアルギン酸ナトリウム溶液を増粘又はゲル化し、高い濃度においてはアルギン酸ナトリウムを沈殿させる。アルギン酸ナトリウムの2.5%溶液は、べとつきの無いタイプ及び他のタイプの軟膏のための満足できる不活性希釈剤である。
【0215】
コロイド状水和ケイ酸アルミニウムであるベントナイトは、水中に不溶性であるが、8〜10部の水と混合すると膨潤してワセリンに似た僅かにアルカリ性のゲルを生成する。加える水の量を変化させることによってこの生成物のコンシステンシーを調節することができる。ベントナイト及び水のみから製造される軟膏は、放置すると僅かに乾燥し不安定であることが分かっているが、約10重量%以下の量のグリセリン又はソルビトールのような湿潤剤を加えるとこの作用が遅延する。ベントナイトから製造される軟膏は、カビの生育を促進せず、頭皮に施した際に毛髪に広がらないという有利性を有する。
【0216】
コロイド状ケイ酸マグネシウムアルミニウム(例えばVeegum(商標), R.T. Vanderbilt Company, Inc.)は、無機の乳化剤、懸濁剤、及び増粘剤である。分散液は僅かにアルカリ性であり、約20〜30%のエチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、及び類似の溶媒と相溶性である。グリセリン及びプロピレングリコールのようなグリコールは40〜50%の濃度で相溶性である。
【0217】
Carbopol 934(カルボキシポリメチレン)は、水中に速やかに分散して低粘度の酸溶液を生成する酸重合体である。酸溶液を、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのような好適な塩基で中和すると、明澄で安定なゲルが得られる。Carbopol 934は、生理的に不活性であり、一次刺激原でも増感体でもない。Carbopol 934の増粘効率は、クリーム、軟膏、ローション、懸濁液、及び乳剤のような薬剤の製造において用いることができる。
【0218】
本発明のスキンケア組成物は、また、スキンケア製品の製造技術において一般に知られているように、香料、タンパク質、色素又は着色料、脂質、ビタミン、植物エキス、糖脂質、重合体、及び共重合体なども含んでいてよい。The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association's International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbookは、このような成分に関する優れた情報源である。
【0219】
本明細書において用いる「色素」又は「着色料」は、スキンケア組成物により心地よい外観を与え、更に、製造者がその製造中に製品を管理するのを助け、ユーザーが製品を識別するのを助ける薬剤である。任意の認可され承認された水溶性のFD&C着色料、それらの混合物、又はそれらの対応するレーキ着色料を用いて、スキンケア組成物を着色することができる。レーキ着色料は、水溶性着色料を重金属の水和酸化物に吸着させて不溶形態の着色料を得ることによって得られる配合物である。
【0220】
本発明のスキンケア組成物は、ユーザーによって選択された量で皮膚に適用する。組成物は、当該技術において周知なように、適当な容器から取って、一般に手で皮膚に適用される。
【0221】
実施例6:
シリコーンGibson基剤:
次の処方は、本発明にしたがってクリーム又はローションにおいて用いることのできるシリコーン基剤を示す。シリコーンGibson基剤は、15重量部のセチルアルコール、1重量部のラウリル硫酸ナトリウム、40重量部のジメチルポリシロキサンポリマー(1000cps)、43重量部の純水、0.25重量部のメチルパラベン、及び0.15重量部のプロピルパラベンを含む。ラウリル硫酸ナトリウム及びパラベンの水性混合物を75℃に加温し、次に温(25℃)セチルアルコール−シリコーン混合物にゆっくりと加える。得られた混合物を凝固するまで撹拌する。
【0222】
実施例7:
Vanisilシリコーン軟膏基剤:
次の処方は、本発明にしたがってクリーム又はローションにおいて用いることのできるシリコーン基剤を示す。Vanisilシリコーン軟膏基剤は、10重量部のステアリン酸、2重量部の合成木蝋、20重量部のジメチルポリシロキサンポリマー(1000cps)、0.5重量部の水酸化カリウム、0.025重量部のメチルパラベン、0.015重量部のプロピルパラベン、及び67.5重量部の蒸留水を含む。
【0223】
実施例8:
Zopf皮膚軟化クリーム(エモリエントクリーム):
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできるW/O乳剤吸収性基剤を示す。Zopf皮膚軟化クリームは、41重量部の白色ワセリン、3重量部の微結晶質ワックス、10重量部の流体ラノリン、4.75重量部のソルビタンモノオレエート、0.25重量部のポリソルベート80、及び41重量部の純水を含む。ソルビタンモノオレエート及びポリソルベート80の水性分散液を75℃に加温し、次に溶融したワックス、白色ワセリン、及び流体ラノリンにゆっくりと加える。得られた混合物を凝固するまで撹拌する。
【0224】
実施例9:
Hoch調剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできるO/W乳剤吸収性基剤を示す。Hoch調剤は、5重量部の流体ラノリン、35重量部のヒマシ油、2重量部のソルビタンモノステアレート、36.7重量部の鉱油、4重量部のステアリン酸、及び0.2重量部のプロピルパラベンを含むA相;及び1重量部のポリエチレン20ソルビタンモノステアレート、0.9重量部のトリエタノールアミン、0.2重量部のメチルパラベン、及び15重量部の純水を含むB相;を含む。A相を78℃に加熱し、B相を70℃に加熱する。次に、B相をA相に加え、得られた混合物を25℃に冷却されるまで撹拌する。
【0225】
実施例10:
親水性ワセリン基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる吸収性基剤を示す。親水性ワセリン基剤は、30重量部のコレステロール、30重量部のステアリルアルコール、80重量部の白蝋、及び860重量部の白色ワセリンを含む。ステアリルアルコール、白蝋、及び白色ワセリンを蒸気浴上で一緒に溶融し、次にコレステロールを混合物に加え、コレステロールが完全に溶解するまで混合物を撹拌する。次に、混合物を浴から取り出し、凝固するまで撹拌する。
【0226】
実施例11:
羊毛アルコール基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる吸収性基剤を示す。羊毛アルコール軟膏基剤は、60重量部の羊毛アルコール、240重量部の硬質パラフィン、100重量部の白色又は黄色の軟質パラフィン、及び600重量部の液体パラフィンを含む。成分を一緒に混合し、冷却されるまで撹拌する。
【0227】
実施例12:
アクアベース(Aquabase)軟膏:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる吸収性基剤を示す。Aquabase軟膏は、30重量部のコレステロール、30重量部の菜種油、及び940重量部の白色ワセリンを含む。白色ワセリン及び菜種油を145℃に加熱し、次に熱から取り出す。次にコレステロールを加え、ほぼ凝固するまで撹拌する。次に、軟膏を好適な容器内に入れる。
【0228】
実施例13:
乳剤性基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる乳剤性基剤を示す。多くの皮膚用及び化粧品製剤は、乳化剤としてアミン石鹸を含む。これらのアニオン性乳化剤は、約8.0の比較的低いpHを有する乳剤を生成するので、ナトリウム及びカリウム石鹸と比較して有利である。脂肪酸アミン石鹸を製造するためには、一般に、トリエタノールアミンを脂肪酸と一緒に用いる。トリエタノールアミンは、通常、少量のエタノールアミン及びジエタノールアミンを含む。これは脂肪酸と化学量論的に結合する。トリエタノールアミン石鹸を含む半固体O/W基剤は、一般に、トリエタノールアミンを水中に溶解し、次にこの溶液を撹拌しながら油相に加えることによって製造される。かかる基剤のための代表的な処方は、18重量部のステアリン酸、4重量部のセチルアルコール、2重量部のトリエタノールアミン、5重量部のグリセリン、及び71重量部の蒸留水を含む。
【0229】
実施例14:
コールタール軟膏基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる乳剤性基剤を示す。コールタール軟膏基剤は、分散剤、及び皮膚から軟膏を除去するのを助ける薬剤の二重の目的を果たす界面活性剤、即ちポリソルベート80を含む。コールタール軟膏は、10重量部のコールタール、5重量部のポリソルベート80、及び985重量部の酸化亜鉛ペーストを含む。コールタールをポリソルベート80とブレンドし、次にこのブレンドを酸化亜鉛ペーストと混合する。
【0230】
実施例15:
親水性軟膏基質:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる乳剤性基剤を示す。親水性軟膏基剤は、0.25重量部のメチルパラベン、0.15重量部のプロピルパラベン、10重量部のラウリル硫酸ナトリウム、120重量部のプロピレングリコール、250重量部のステアリルアルコール、250重量部の白色ワセリン、及び370重量部の水を含む。ステアリルアルコール及び白色ワセリンを蒸気浴上で溶融し、約75℃に加温する。予め水中に溶解した他の成分を75℃に加温し、次に混合物が凝固するまで撹拌しながら加える。
【0231】
実施例16:
Beeler基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできるO/W乳剤性基剤を示す。Beeler基剤は、15重量部のセチルアルコール、1重量部の白蝋、10重量部のプロピレングリコール、2重量部のラウリル硫酸ナトリウム、及び72重量部の水を含む。セチルアルコール及び白蝋を水浴上においてプロピレングリコール中に溶融し、得られた混合物を約65℃に加熱する。ラウリル硫酸ナトリウムを水中に溶解し、これも水浴上において約65℃に加熱する。よく撹拌した水相に油相をゆっくりと加え、水浴上において撹拌を約10分間継続する。次に、乳剤を水浴から取り出し、凝固点まで撹拌を継続する。
【0232】
実施例17:
U.C.H.基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる乳剤性基剤を示す。U.C.H.基剤は、6.4重量部のセチルアルコール、5.4重量部のステアリルアルコール、1.5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、14.3重量部の白色ワセリン、21.4重量部の鉱油、及び50重量部の水を含む。アルコールを水浴上で65℃において一緒に溶融し、次にラウリル硫酸ナトリウムを撹拌しながら加える。次に、白色ワセリン及び鉱油を加え、完全に溶融するまで混合物を引き続き加熱する。次に、混合物を室温に冷却し、一定の混合を行いながら水を加えて乳剤を得る。
【0233】
実施例18:
A基剤:
次の処方は、無水の乳化性固体混合物を示す。無水の固体混合物Aは、53重量部のステアリルアルコール、7重量部のセチルアルコール、38.6重量部のPEG400、及び1.4重量部のラウリル硫酸ナトリウムを一緒に溶融することによって調製される。これらの成分を溶融し、完全に固化するまで激しく撹拌する。撹拌を継続して、成分が完全に混合されることを確実にし、粒状生成物が製造されるようにする。A基剤は、50重量部の粒状固体混合物Aを溶融し、それを70〜75℃に加熱し、次にそれを同じ温度において50重量部の水性混合物に加えることによって製造される。乳剤が固化し始めるまで混合物を撹拌し、40℃に冷却する。得られる基剤は、軟膏様のコンシステンシーの白色で半固体のO/W乳剤である。これは、べとつきがなく、水で洗浄可能である。乳剤は55〜60℃以下において安定であり、良好な光沢を示し、皮膚に適用すると良好な潤滑性を示す。
【0234】
実施例19:
B基剤:
次の処方は、無水の乳化性固体混合物を示す。無水の固体混合物Bは、64.7重量部のステアリルアルコール、8.6重量部のセチルアルコール、13重量部のPEG1000モノステアレート、8.7重量部のPEG1540、及び5重量部の無水ラノリンを一緒に溶融することによって調製される。これらの成分を溶融し、完全に固化するまで激しく撹拌する。撹拌を継続して、成分が完全に混合されることを確実にし、粒状生成物が製造されるようにする。B基剤は、40重量部の粒状固体混合物Bを溶融し、それを70〜75℃に加熱し、次にそれを同じ温度において60重量部の水性混合物に加えることによって製造される。乳剤が固化し始めるまで混合物を撹拌し、40℃に冷却する。得られる基剤は、軟膏様のコンシステンシーの白色で半固体のO/W乳剤である。これは、べとつきがなく、水で洗浄可能である。乳剤は55〜60℃以下において安定であり、皮膚に適用すると良好な潤滑性を示す。
【0235】
実施例20:
水性クリーム基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる乳剤性基剤を示す。水性クリーム基剤は、30重量%の乳化性軟膏及び70重量%の水から製造される乳剤性基剤である。乳化性軟膏は、30重量部の乳化性ワックス、20重量部の液体パラフィン、及び50重量部の白色軟質パラフィンを含む。乳化性ワックスは、90重量部のセトステアリルアルコール、10重量部のラウリル硫酸ナトリウム、及び4重量部の純水を含む。
【0236】
実施例21:
ポリエチレングリコール軟膏基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。ポリエチレングリコール軟膏基剤は、400重量部のPEG4000、及び600重量部のPEG400を含む。2つの成分を水浴上で65℃に加熱し、次に混合物を撹拌しながら凝固するまで冷却する。より堅い製剤が所望の場合には、100重量部以下のPEG400を同量のPEG4000で置き換えることができる。6〜25重量%の水溶液をこのポリエチレン軟膏中に含ませる場合には、50重量部のPEG4000を同量のステアリルアルコールで置き換える。
【0237】
実施例22:
G基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。ポリエチレングリコール軟膏にポリエチレングリコールのエステルを加えると、水で除去できる乳化性の軟膏基剤が得られる。このタイプの代表的な乳化性グリコール軟膏基剤(G基剤)は、26重量部のポリエチレングリコール400モノステアレート、37重量部のPEG400、及び37重量部のPEG4000を含む。グリコールを混合し、約65℃において溶融する。次に、この混合物を約40℃に冷却しながら撹拌する。ポリエチレングリコール400モノステアレートを約40℃において溶融し、次に撹拌しながら均一な軟膏が得られるまで液体グリコール混合物に加える。水(10〜15重量%)をG基剤中に含ませることができる。
【0238】
実施例23:
III基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。基剤の水除去性を損なうことなくポリエチレングリコール軟膏に界面活性剤及び水を加えることができる。III基剤は、このタイプの代表的な処方を示す:50重量部のPEG4000、40重量部のPEG400、1重量部のソルビタンモノパルミテート、及び9重量部の水。ソルビタンモノパルミテート及びポリエチレングリコールを、水浴上で70℃に一緒に加温し、次に同じ温度に加熱した水を加える。乳剤を凝固するまで撹拌する。
【0239】
実施例24:
変性Landon-Zopf基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。変性Landon-Zopf基剤は、20重量部のPEG4000、34重量部のステアリルアルコール、30重量部のグリセリン、15重量部の水、及び1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを含む。PEG4000、ステアリルアルコール、及びグリセリンを、水浴上で75℃に加熱する。次に、この混合物を少量、撹拌しながら、ラウリル硫酸ナトリウムを含み、同様に75℃に加熱した水に加える。基剤が凝固するまで適度な撹拌を継続する。
【0240】
実施例25:
カナダ基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。カナダ基剤は、11.2重量部のPEG4000、20.8重量部のステアリルアルコール、17重量部のグリセリン、0.6重量部のラウリル硫酸ナトリウム、及び50.4重量部の水を含む。PEG4000、ステアリルアルコール、及びグリセリンを水浴上で70℃に加熱する。ラウリル硫酸ナトリウムを含み、予め70℃に加熱した水を加え、基剤が凝固するまで混合物を撹拌する。
【0241】
実施例26:
IV基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。IV基剤は、42.5重量部のPEG4000、37.5重量部のPEG400、及び20重量部の1,2,6−ヘキサントリオールを含む。PEG4000を1,2,6−ヘキサントリオールと共に水浴上で60〜70℃に加熱する。この混合物を、室温において激しく撹拌しながらPEG400に加える。場合によっては固化が起こるまで撹拌を継続する。
【0242】
実施例27:
グリセリルモノステアレート基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。グリセリルモノステアレート基剤は、10重量部の鉱油、30重量部の白色ワセリン、10重量部のグリセリルモノステアレートS.E.、5重量部のセチルアルコール、5重量部のグリセリン、及び40重量部の水を含む。
【0243】
実施例28:
潤滑性ゼリー基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。潤滑性ゼリー基剤は、1gのmethocel 90HC4000、0.3gのcabopol 934、pH7.0とするのに十分な量の水酸化ナトリウム、20mLのプロピレングリコール、0.15gのメチルパラベン、及び100重量部とするのに十分な純水を含む。methocelを40mLの熱水(80〜90℃)にゆっくりと加え、5分間撹拌する。冷却した後、溶液を一晩冷蔵する。carbopol 934を20mLの水中に溶解し、空気が混入するのを避けるように注意深く撹拌しながら、7.0のpHが得られるまで1%水酸化ナトリウムをゆっくりと加え、次に40mLの全容積まで水を加える。メチルパラベンをプロピレングリコール中に溶解する。最後に、空気が混入するのを避けるように注意しながら、methocel、carbopol、及びメチルパラベン溶液を混合する。
【0244】
実施例29:
万能O/W軟膏基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。万能O/W軟膏基剤は、0.05重量部のクエン酸カルシウム、3重量部のアルギン酸ナトリウム、0.20重量部のメチルパラベン、45重量部のグリセリン、及び100重量部の全量にするのに十分な量の蒸留水を含む。クエン酸カルシウム及びメチルパラベンを水中に溶解する。グリセリンをアルギン酸ナトリウムと混合してよく混ざったペーストを形成する。このペーストに水性混合物を加えて、よく混ざった堅い製剤が得られるまで撹拌する。次に、増粘が完了するまで、この基剤を数時間静置する。
【0245】
実施例30:
Hollander and McClanahan基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。Hollander and McClanahan基剤は、32重量部のワセリン、13重量部のベントナイト、0.5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、54重量部の水、及び0.1重量部のメチルパラベンを含む。
【0246】
実施例31:
MGH軟膏基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。MGH軟膏基剤は、15重量部のポリエチレングリコール200モノステアレート、2.5重量部のコロイド状マグネシウムステアレートシリケート(Veegum)、1重量部のPolysorbate 80、0.1重量部のメチルパラベン、及び81.4重量部の純水を含む。
【0247】
実施例32:
ローション基剤:
次の処方は、本発明にしたがって用いることのできる水溶性基剤を示す。ローション基剤は、1重量部のVeegum、0.85重量部のナトリウムカルボキシメチルセルロース、90.15重量部の水、3重量部のグリセリン、及び5重量部のジオクチルナトリウムスルホスクシネート(1%溶液)を含む。混合機内において、全ての乾燥成分を水及びグリセリンと混合する。次に、混合物を混合機から取り出し、ジオクチルナトリウムスルホスクシネートを加える。
【0248】
実施例33:
コールドクリーム基剤:
次の処方は、本発明によるコールドクリームを示す。コールドクリーム基剤は、6重量部の鯨蝋、6重量部の蜜蝋、10重量部のCarbopol 934、4.75重量部の炭酸ナトリウム、5重量部のローズ水、0.02重量部のローズ油、56重量部の圧搾アーモンド油、及び20重量部の蒸留水を含む。
【0249】
実施例34:
ハンドローション基剤:
次の処方は、本発明によるハンドローションを示す。ハンドローション基剤は、24.75mLのプロピレングリコール、1mLのトリエタノールアミン、12mLの水、1.5gのオレイン酸、10.5gのポリエチレングリコール400モノステアレート、10mLのシリコーン流体D.C. 200、及び50gのcarbopol 934 2%粘漿剤を含む。
【0250】
実施例35:
白色ローション基剤:
白色ローション基剤は、40重量部の硫酸亜鉛、40重量部の含硫カリ、及び1000重量部にするのに十分な量の純水を含む。硫酸亜鉛及び含硫カリを、別々にそれぞれ450重量部の純水中に溶解し、次にそれぞれの溶液を濾過する。次に、含硫カリ溶液を、連続的に撹拌を行いながら硫酸亜鉛溶液にゆっくりと加える。次に、残りの水を加え、ローションを混合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物。
【請求項2】
1種類以上の抗酸化物質が、超酸化ジスムターゼ、アスタキサンチン、クルクミン、クルクミノイド、ビタミンE、ラズベリー、ブルーベリー、ザクロ、トコフェロール、緑茶、白茶、ダークチョコレート、チョコレート、ココア、スピルリナ、ブロメライン、ビタミンC、ルチン、ブドウ種エキス、ピクノジェノール、オリゴマープロアントシアニジン、アントシアニジン、プロシアニジン、セレン、β−カロチン、亜鉛、コケモモ、クランベリー、ポリフェノール、フラボン、イチゴ、エラグ酸、クマリン、フェルラ酸、レスベラトロル、α−リポ酸、トマト、アボカド、ブロッコリ、リコピン、ルテイン、ビタミンA、葉酸、フォレート、カロチノイド、オリーブ葉エキス、挽きクローブ、挽きシナモン、オレガノ、ブラックベリー、クロフサスグリ、ポリフェノール、バイオフラボノイド、フラボノイド、フラバノール、カテコール、ゴジ、タマリンド、マンゴスチン、キサントン、タルトチェリー、サクランボ、アスパラガス、グルタチオン、カテキン、エピカテキン、プラム、ルビークイーンプラム、キウイフルーツ、マンネンタケ、チオール、タマネギ、リンゴ、赤キャベツ、スターフルーツ、カランボラ、シロマツ樹皮エキス、N−アセチルシステイン、柑橘類、及びβ−クリプトキサンチンからなる群から選択される物質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質とを混合することを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法。
【請求項4】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上の抗酸化物質との混合物又は化合物を含む組成物の使用方法であって、該混合物又は化合物を個体に投与することを含む方法。
【請求項5】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物であって、ナノ粒子として配合されている該フコイダンを含む組成物。
【請求項6】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物の製造方法であって、該フコイダンをナノ粒子として配合することを含む方法。
【請求項7】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンがナノ粒子として配合されて含まれている組成物の使用方法であって、該ナノ粒子を個体に投与することを含む方法。
【請求項8】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物であって、該フコイダンと構造水又はクラスター水との混合物を含む組成物。
【請求項9】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンを投与するための組成物の製造方法であって、該フコイダンと構造水又はクラスター水とを混合することを含む方法。
【請求項10】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと構造水又はクラスター水との混合物を含む組成物の使用方法であって、該混合物を個体に投与することを含む方法。
【請求項11】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物。
【請求項12】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物の製造方法。
【請求項13】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと1種類以上のペプチド又はポリペプチドとの混合物又は化合物を含む組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法。
【請求項14】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための組成物。
【請求項15】
関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤が、硫酸グルコサミン、グルコサミンHCl、リン酸グルコサミン、アセチルグルコサミン、サメ軟骨、コンドロイチン硫酸、糖脂質、羊毛ケラチンタンパクエキス、ケラチンエキス、ヒアルロン酸、イラクサ、グルコマンナン、タイプ11コラーゲン、コラーゲン加水分解物、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の物質からなる群から選択される物質である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための組成物の製造方法。
【請求項17】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を投与することを含む、関節炎を治療するか及び/又は関節及び軟骨を強化する方法。
【請求項18】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む、免疫系を強化するための組成物。
【請求項19】
免疫系を強化するための薬剤が、ノニ、マンゴスチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、免疫系を強化するための組成物の製造方法。
【請求項21】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと免疫系を強化するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を投与することを含む、免疫系を強化する方法。
【請求項22】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物。
【請求項23】
細胞シグナリング剤が、ダイダイ、カフェイン、タウリン、生コーヒー豆、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法。
【請求項25】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと細胞シグナリング剤との混合物又は化合物を含む組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法。
【請求項26】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物。
【請求項27】
エネルギー増強剤が、グルコース、スクロース、フルクトース、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種類以上の糖類である、請求項26に記載のエネルギー飲料組成物。
【請求項28】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤を混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物の製造方法。
【請求項29】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダン、水、及びエネルギー増強剤の混合物又は化合物を含むエネルギー飲料組成物の使用方法であって、該組成物を個体に投与することを含む方法。
【請求項30】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物。
【請求項31】
心臓強化剤がウルフベリーを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法。
【請求項33】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと心臓強化剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、心臓強化方法。
【請求項34】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物。
【請求項35】
筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤が、1種類以上のα−アミノ酸又はその塩若しくはエステルを含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤とを混合又は反応させて組成物を得ることを含む、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物の製造方法。
【請求項37】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させるための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、筋肉損失を逆行させ筋肉量及び/又は骨密度を増大させる方法。
【請求項38】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物。
【請求項39】
骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤がエクオルを含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物の製造方法。
【請求項41】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後若しくは閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、骨密度を増大させ、前立腺機能を調節し、及び/又は閉経後及び閉経前の状態を治療する方法。
【請求項42】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、癌を治療するための組成物。
【請求項43】
癌を治療するための薬剤が、カプシカン、リコピン、ルテイン、ペリリル油、クランベリー、クルクミン、ターメリック、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質である、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、癌を治療するための組成物の製造方法。
【請求項45】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと癌を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項46】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む、閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物。
【請求項47】
閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤が、1種類以上のイソフラボンを含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、閉経後及び閉経前の状態を治療するための組成物の製造方法。
【請求項49】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと閉経後及び閉経前の状態を治療するための薬剤との混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、閉経後及び閉経前の状態を治療する方法。
【請求項50】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを含む混合物又は化合物を含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための組成物。
【請求項51】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを混合又は反応させて混合物又は化合物を得ることを含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための組成物の製造方法。
【請求項52】
患部を、部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療するための薬剤とを含む組成物と接触させることを含む、皮膚線条及び皮膚上の傷痕を治療する方法。
【請求項53】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤との混合物又は化合物を含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための組成物。
【請求項54】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤とを混合して混合物又は化合物を得ることを含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための組成物の製造方法。
【請求項55】
部分的に加水分解及び/又はスルホン化されているフコイダンと、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させるための薬剤とを含む混合物又は化合物を含む組成物を個体に投与することを含む、寿命を延ばし、老化プロセスを妨げ、若さを延ばすバイオシステムを活性化させる方法。

【公表番号】特表2009−538923(P2009−538923A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513330(P2009−513330)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/013119
【国際公開番号】WO2007/140022
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(507203571)サクラ プロパティーズ、エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】