説明

フコキサンチン含有抽出物の製造方法

【課題】
本発明は、重金属含有量を低減でき、かつフコキサンチン含有量を向上できる、フコキサンチン含有抽出物を製造する方法を提供する。また、本発明は、前記の製造方法で得られるフコキサンチン含有抽出物、及び前記のフコキサンチン含有抽出物を含有するフコキサンチン製品も提供するものである。
【解決手段】
海藻類を抽出溶媒により抽出して抽出液を得る抽出工程と、
得られた抽出液を吸着剤で処理する吸着剤処理工程と
を含む
重金属含量、およびヒ素含量が低減されたフコキサンチン含有抽出物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフコキサンチン含有抽出物の製造方法に関する。更に、本発明は植物からフコキサンチンを抽出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フコキサンチンは赤褐色で、重要なカロテロイド類の一種であり、強い抗酸化作用を持っている。分子式はC4258、構造式は下記の通りである。
【化1】

カロテロイド類の一種であるフコキサンチンは、天然の活性物質であり、生理活性が強く、糖尿病患者の血糖を調整でき、種々のガン(乳腺ガン、大腸ガン、前立腺ガンなど)細胞を殺滅でき、また強い抗酸化機能も持っているため、高い利用価値を秘めている。
しかしながら、原料中のフコキサンチンの含有量は、50〜100ppmと低い。また、強い抗酸化剤であるので、製造中に分解されやすく、その製造には困難が伴う。更には、原料が海藻なので、海水中の重金属、及びヒ素を吸収しており、フコキサンチンを抽出すると、重金属、及びヒ素を多量に含有する抽出物が得られてしまう。フコキサンチンを製造する場合、重金属、及びヒ素の含有量を低くすることが、従来からフコキサンチン含有抽出物を開発する上で問題となっていた。
中国特許第1706836号明細書には、海藻からフコキサンチンを分離する方法が開示されている。その方法としては、新鮮海藻または冷凍海藻を室温で解凍し、蒸留水で洗浄して、表面の水分を除いてから、暗所にジメチルスルホキシドで海藻を浸けて抽出する(抽出時間は15〜60分、ジメチルスルホキシドの使用量は2ml〜6ml/g−海藻である)。この特許明細書に開示されている抽出方法では、ジメチルスルホキシドを抽出溶媒としているため、有害な有機溶媒を使用していることになる。この溶媒は沸点が高いため、普通の製造操作では除きにくく、抽出物中に有害な有機溶媒が残留し、製品の安全性を低下させる原因となっている。また、ジメチルスルホキシドは値段が高いので、製造コストが高くなり、工業生産に不適である。また、この方法で得られた製品は、重金属及びヒ素の含有量が現在の食品添加物基準に合わないため、この方法の利用は、限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許第1706836号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在している前記の問題を解決すること、すなわち、フコキサンチン含有抽出物の重金属含有量を低減し、かつフコキサンチン含有量を増加させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フコキサンチン含有抽出物の製造方法を提供する。当該製造方法は、フコキサンチン含有抽出液を得ること(抽出工程)と;フコキサンチン含有抽出液中の重金属、ヒ素を低減するために、得られた抽出液を吸着剤で処理すること(吸着剤処理工程)とを含む。当該吸着剤は、好ましくは、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウム、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる。
本発明のフコキサンチン含有抽出物の製造方法に従って、吸着剤でフコキサンチン含有抽出液を吸着処理することにより、フコキサンチン含有量を増加させると共に、フコキサンチン含有抽出物中の重金属、ヒ素の含有量を低減できる。従って、本発明の製造方法は従来の製造方法では達成できなかったフコキサンチン含量向上及び重金属低減を同時に達成することができる。
本発明におけるフコキサンチン含有抽出液は、アルコール水溶液でフコキサンチン含有原料を抽出して得られるものである。アルコール水溶液で原料を抽出してフコキサンチン含有抽出液を得ることにより、抽出効率を向上させ、コストも低下できると共に、ジメチルスルホキシド等の有毒物質を使用しないので、食品として安全なフコキサンチン含有抽出物が得られる。
本発明において、前記のアルコール水溶液の濃度は、好ましくは30〜100体積%であり、前記のアルコール水溶液中に含まれるアルコールは、炭素数1〜4個の脂肪族アルコールから選ばれる。本発明者らは、実施例で使用するアルコール水溶液の濃度が30〜100体積%であり、当該アルコールの炭素数が1〜4個であることにより、好ましい抽出効果を達すことができることを見出した。本発明において好ましくは、前記アルコールはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、およびイソブタノールからなる群から選ばれる。これにより、製造コストを低減でき、抽出効率も向上できる。
本発明において、前記のフコキサンチン含有原料は、好ましくは、昆布、ホンダワラ、ヒバマタ、ウシハコベ、ファエオキスティス、ツルモ、ワカメ、ケルプ、ツノマタ、ハバキモク、ヒジキ、フシスジモク、及び珪藻からなる群の海藻から選ばれる。本発明者らは、海藻(天然材料として)のフコキサンチンの含有量がほかの原料より高いことを見出した。これにより、製品の安全性を保証でき、製造コストも低減できる。
本発明において、フコキサンチン含有抽出液の吸着剤処理工程における、吸着フコキサンチンの溶出は、好ましくは、アルコール水溶液を用いて行う。アルコール水溶液で溶出することにより、溶出効率を向上でき、コストも低減できると共に、ジメチルスルホキシド等の有毒物質が混入しないので、食品として安全性の高いフコキサンチン含有抽出物を製造できる。
本発明において、好ましくは、前記アルコール水溶液の濃度は30〜100体積%であり、当該アルコールは炭素数1〜4個であるアルコールから選ばれる。本発明者らは、実施例で使用する溶出用のアルコール水溶液の濃度が30〜100体積%であり、かつ、これが含有するアルコールが炭素数1〜4個であることにより、好ましい溶出効果を達成できることを見出した。本発明において好ましくは、前記のアルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールからなる群から選ばれるが、なかでも、より好ましくはエタノールである。これにより、製造コストを低減でき、溶出効率も向上できる。
本発明の製造方法は、吸着工程と溶出工程の組み合わせを有し、当該吸着工程は、好ましくは、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウム、及びこれらの適当な組合せからなる群から選ばれる吸着剤で前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着処理することによって実施され、当該吸着工程は、吸着したフコキサンチンを前記アルコールで溶出することによって実施される。本発明者らは、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウムからなる群から選ばれる吸着剤で前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着処理して、フコキサンチン含有抽出物中の重金属、ヒ素の含量を低減すると共に、フコキサンチンの含有量が向上できることを見出した。
本発明において、本発明は、前記の吸着剤処理に従って得られるフコキサンチン含有抽出物も提供する。当該フコキサンチン含有抽出物は、重金属の含有量が低減されているため、安全であり、ヒト等が、例えば食用として直接摂取できる。
本発明は、前記の吸着剤処理に従って得られる、重金属含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が4.0ppm以下のフコキサンチン含有抽出物を含有するフコキサンチン製品も提供する。このフコキサンチン製品はヒ素の含有量が4.0ppm以下であるため、安全であり、ヒト等が、例えば食用として直接摂取できる。本発明において、前記のフコキサンチン製品は、容易に供することができるように、マイクロカプセル、錠剤、カプセル、粒剤、もしくは粉剤の形態であるか、又は食品へ添加される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフコキサンチン含有抽出物の製造方法によれば、重金属含有量が低く、かつフコキサンチン含有量が高いフコキサンチン含有抽出物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を更に詳しく説明するが、本発明を説明するためのものであって、これによって本発明が限定されるものではない。
本発明の詳細な説明で使用する用語「重金属」は、フコキサンチン中に含まれ、人に影響を与えるすべての金属を意味し、ヒ素を包含するが、これに限られない。
本発明におけるフコキサンチン製造方法は、フコキサンチンの精製方法を包含している。
本発明の吸着剤処理工程では、フコキサンチン含有抽出液中の重金属、及びヒ素を除くために、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウム、及びこれらの吸着剤の適当な組合せからなる群から選ばれる吸着剤で前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着処理することで、精製されたフコキサンチン含有抽出物を得ることができる。
従来の精製方法で吸着剤に吸着したフコキサンチンを溶出させると、フコキサンチン含量向上、及び重金属低減を同時に達成できなかった。本発明によれば、前記の精製方法を用いて、フコキサンチン含量向上、及び重金属低減の効果を同時に達成することができる。これにより、重金属の含有量を10ppm以下にし、ヒ素の含有量を4ppm以下にすると共に、高含有量(例、1重量%以上、好ましくは3重量%以上)のフコキサンチン含有抽出物が得られる。また、本発明によるフコキサンチンの製造方法に使用する副資材は値段が安く、使用する吸着剤は再生利用でき、製造コストが大いに低減できるので、大規模な工業生産に適する。
本発明において、食用の海藻を原料として使うと、フコキサンチン含有抽出物や製品の安全性を保証できる。本発明において好ましくは、使用する海藻は、昆布、ホンダワラ、ヒバマタ、ウシハコベ、ファエオキスティス、ツルモ、ワカメ、ケルプ、ツノマタ、ハバキモク、ヒジキまたはフシスジモクである。一種類の材料を原料として使用してもよいし、複数材料の組合せを原料として使用してもよい。本発明においては、原料を抽出する前に粉砕することにより、抽出効率を向上させることができる。
海藻を抽出するアルコール水溶液中のアルコールは限定されず、原料からフコキサンチンを抽出できさえすればいずれでもよい。本発明において好ましくは、当該アルコールは、炭素数1〜4個のアルコールである。これにより、製品中のアルコールの残留を少なくできる。本発明において好ましくは、前記のアルコールはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールから選ばれる。これにより、製品中のアルコールの残留を少なくでき、抽出効率も向上できる。本発明において好ましく、前記のアルコール水溶液のアルコール濃度は30〜100体積%である。これにより、更に抽出効率を向上でき、抽出時間も短縮できる。当業者にとっては、アルコール水溶液中のアルコールは単に一種類のアルコールを使用してもよいし、複数種のアルコールの組合せを使用してもよい。
吸着剤を用いて、前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着処理する際に使用する溶液は限定されないが、本発明において好ましくは、フコキサンチンの吸着剤からの溶出は、アルコール水溶液を用いて行う。使用する抽出工程のアルコール水溶液と吸着剤処理工程のアルコール水溶液は独立であり、同じ溶液を使用してもよいし、異なる溶液を使用してもよい。本発明において好ましくは、当該アルコールは炭素数1〜4個のアルコールである。これにより、製品中のアルコールの残留が少なくなる。本発明において好ましくは、前記のアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールからなる群から選ばれる。これによって、製品中のアルコールの残留を少なくでき、溶出効率も大いに向上できる。本発明において、前記のアルコール水溶液のアルコール濃度は30〜100体積%である。これにより、溶出効率が向上でき、溶出時間も短縮できる。当業者にとっては、アルコール水溶液中のアルコールは単に一種類のアルコールを使用してもよいし、複数種のアルコールの組合せを使用してもよい。
本発明の製造方法は、2以上の吸着剤処理工程を有してもよく、また、吸着剤を直列的に使用してもよい。このように2種以上の吸着剤を用いて、前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着処理する際、使用する吸着剤の順番は限定されない。上述のように、当該吸着剤は、好ましくは、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウム、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる。本発明者らは、かかる吸着剤を用いて、前記のフコキサンチン含有抽出液を吸着剤処理することで、好適に、重金属、ヒ素、及び不純物を除くと共に、フコキサンチンの含有量を向上できることを見出した。当該吸着剤としては、なかでも、例えば、マクロポーラス型樹脂、酸化アルミニウム、ポリカプロラクタムが好ましい。本発明で用いられるマクロポーラス型樹脂としては、例えば、架橋ポリスチレン共重合から形成されたものが好ましく、また以下の物理化学的性質の1以上を有するものが好ましい。
(a) 孔径(Pore radius):100×1010〜150×1010
(b) 表面積(Surface area):450〜550m/g
(c) 粒子径(Particle diameter):0.2〜1.5mm
(d) 低極性(low plarity)
このようなマクロポーラス型樹脂として、具体的には例えば、AB−8(ナンカイ大学(Nankai University)系列の化学産業会社、天津(Tianjin)、中国)が挙げられる。
所望により、前記吸着剤処理後のフコキサンチン含有抽出物を、活性炭等により、更に精製してもよい。
本発明は、前記の方法に基づいて得られるフコキサンチン含有抽出物を提供する。当抽出物は重金属の含有量が低く、食品基準に合うため、食品として使用できる。
更に、重金属、ヒ素の含量が低減されたフコキサンチンは、既知の方法に基づいて次のいずれかの形態のフコキサンチン製品に製造できる。本発明において、前記のフコキサンチン製品は、マイクロカプセル、錠剤、カプセル、粒剤、及び粉剤、或いは食品へ添加する形態にするフコキサンチン製品にすることが出来る。
【実施例】
【0008】
以下は、具体的な実施例を挙げて本発明のフコキサンチン製造方法を更に詳しく説明するが、単に本発明を説明するためのものであり、これによって本発明が限定されるものではない。
【0009】
実施例1
昆布10kgを60体積%のイソプロパノール水溶液30L、30℃で4時間抽出した。抽出残渣を、同様にして更に2回抽出した。この1〜3回の抽出液を合わせて、マクロポーラス型樹脂AB−8,5Lを充填したカラムに通した。次に、75体積%のエタノール水溶液15Lでフコキサンチンを溶出し、溶出液を活性炭 1kgを充填したカラムに通し、通過液を40℃温浴中、減圧下ロータリーエバポレーターを使用して濃縮して、フコキサンチン含有量が33%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3.01ppmの赤い抽出物1.05gを得た。この赤い抽出物を食用油9g、レシチン9gに溶解後、α−サイクロデキストリン20gを溶解した水溶液150mlに滴下しながらホモジナイザー乳化機で乳化した(窒素雰囲気で操作した)。凍結乾燥機で乾燥し、フコキサンチンを包接した粉剤35gを得た。
【0010】
実施例2
昆布300gを50体積%のエタノール水溶液1,350ml、50℃で6時間抽出した。抽出残渣は、同様にして更に2回抽出した。抽出液1〜3回を合わせて、マクロポーラス型樹脂AB−8,300mlを充填したカラムに通液した。次に、30体積%のエタノール水溶液でフコキサンチンを溶出し、溶出液を、酸化アルミニウム100gを充填したカラムに通液した後、100体積%のエタノール水溶液でフコキサンチンを溶出させ、溶出液を40℃温浴中、減圧下ロータリーエバポレーターで濃縮すると、フコキサンチン含有量が18%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3.61ppmの赤い抽出物0.03gを得た。
【0011】
実施例3
ヒジキ400gを80体積%のメタノール水溶液1,500ml、35℃で8時間抽出した。抽出残渣は更に80体積%のメタノール水溶液1500ml、35℃で6時間抽出する操作を2回行い、これらの抽出液を合わせた後、減圧下、40℃以下の温浴中、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮してペーストを得た。次に、このペーストをろ過し、80%エタノール100mlに溶解し、ポリカプロラクタム20gに通してフコキサンチンを吸着させ、95体積%エタノール水溶液でフコキサンチンを溶出させた。溶出液に活性炭10gを添加して1時間攪拌した後、ろ過し、実施例1、2と同様にして濃縮すると、フコキサンチン含有量が18%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3.82ppmの赤い抽出物1.02gを得た。この抽出物を、デキストリン10g、アラビアガム10g、乳糖15gを水70mlに溶かした溶液に添加し、ホモミキサーで乳化させた。更に、加圧乳化機200気圧に通して、入口温度140℃、出口温度90℃に設定した噴霧乾燥機で乾燥し、フコキサンチンをマイクロカプセル化した粉末31.8gを得た。
【0012】
実施例4
ワカメ500gを85体積%のエタノール水溶液2500ml、35℃で5時間抽出した。同様な操作を2回繰返して、得られた抽出液を濃縮・ろ過してペーストを得た。このペーストを85体積%のエタノール75mlに溶かしてから酸化アルミニウム25gを充填したカラムに通した後、100体積%のエタノールでフコキサンチンを溶出し、溶出液を実施例1〜3と同様にして濃縮し、フコキサンチン含有量が3%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3ppmの赤い抽出物0.45gを得た。
【0013】
実施例5
実施例4と同様の操作を行った。但し、酸化アルミニウムの替わりにマクロポーラス樹脂AB−8 100mlを使用した。フコキサンチン含有量が10%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3.98ppmの赤い抽出物0.65gを得た。
【0014】
参考例1
昆布500gを75体積%のエタノール水溶液で12時間、30℃抽出した。この操作を2回繰返して、得られた抽出液を活性炭(20−60メッシュ)100gを充填したカラムに通し、溶出液をろ過した後、40℃の温浴中、減圧下ロータリーエバポレーターで濃縮し、フコキサンチン含有量が0.5%重量、重金属の含有量が10ppm以下、ヒ素の含有量が3.96ppmの赤い抽出物2.5gを得た。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明のフコキサンチン含有抽出物の製造方法によって得られるフコキサンチン含有抽出物は、重金属含有量が低く、かつフコキサンチン含有量が高いので、食用等に安全に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻類を抽出溶媒により抽出して抽出液を得る抽出工程と、
得られた抽出液を吸着剤で処理する吸着剤処理工程と
を含む
重金属含量、およびヒ素含量が低減されたフコキサンチン含有抽出物の製造方法。
【請求項2】
前記抽出溶媒は、炭素数1〜4個のアルコールを含有し、そのアルコール濃度は30〜100体積%であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記吸着剤は、マクロポーラス型樹脂、ポリアミド、活性炭、酸化アルミニウム、及びこれらの適当な組合せから選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記吸着剤処理工程において、炭素数1〜4個のアルコールを含有し、そのアルコールの濃度は30〜100体積%である溶液を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記海藻類は、昆布、ホンダワラ、ヒバマタ、ウシハコベ、ファエオキスティス、ツルモ、ワカメ、ケルプ、ツノマタ、ハバキモク、ヒジキ、フシスジモク、及び珪藻からなる群から選択され、かつ当該海藻は原料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
前記フコキサンチン含有抽出物の重金属含量が10ppm以下であり、ヒ素含量が4.0ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とするフコキサンチン含有抽出物。
【請求項8】
請求項7に記載のフコキサンチン含有抽出物を含有することを特徴とするフコキサンチン製品。
【請求項9】
マイクロカプセル、錠剤、カプセル、粒剤、もしくは粉剤の形態、または食品に添加される形態である請求項8に記載のフコキサンチン製品。

【公開番号】特開2010−120939(P2010−120939A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261647(P2009−261647)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(507418588)ベイジン ギンコ グループ バイオロジカル テクノロジー カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】