説明

フザリウム菌種によるテストラクトン製造のための発酵法

本発明は、フィラメント状フザリウム属菌種により、4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)を高収率および高い基質濃度で同時に脱水素および酸化して17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)を製造するための微生物法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、式Iの4-アンドロステン-3,17-ジオン:
【0002】
【化1】

【0003】
を同時に脱水素および酸化して、式IIの17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン:
【0004】
【化2】

【0005】
を高収率で製造するための微生物法に関する。
発明の背景
テストラクトン(testolactone)は、胸部癌の処置に用いられる抗新生物薬である。
【0006】
USP No. 2,744,120および2,823,171は、シリンドロカルポン属(Cylindrocarpon)およびフザリウム属(Fusarium)の菌種を用いて多様な基質をテストラクトン(1-デヒドロテストラクトンまたは17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンとも呼ばれる)に変換するための微生物法に関する。フザリウム属菌種を基質としてのプロゲステロンと共に用いると、テストラクトンおよび11α-ヒドロキシテストラクトンを含めた多数の生成物が産生される。その例では、基質濃度が0.5 g/L以下の反応について述べている。
【0007】
G.B.P. No. 1,220,829は、16-デヒドロプレグネノロンおよび酢酸16-デヒドロプレグネノロンを基質として用いるテストラクトンの微生物製造にフザリウム属菌種を使用することに関する。この特許中の例は、0.5 g/L以下の基質濃度を用いている。
【0008】
Socic, H. et.al., Z. Anal. Chem. 1968, 243, 291は、多様なフザリウム属菌種を用いたプロゲステロンの発酵酸化によるステロイドの分離および同定に関する。複数の生成物が同定された。
【0009】
以上の報告はあるが、テストラクトンを製造するための改良法がなお求められている。
発明の記述
テストラクトン(17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン)は、ある雌性胸部癌の症例を処置するために用いられる抗新生物薬である。本明細書に開示する微生物変換法を用いると、低価格の市販ステロイド、4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)が、85%より高い収率および80g/Lという高い基質濃度で17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)に変換される。
【0010】
4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)を同時に脱水素および酸化して17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)を高収率で産生しうるフザリウム属のフィラメント状真菌はいずれも本発明方法に使用できる。実施例に記載した方法を用いて、フザリウム属のフィラメント状真菌の適性を判定できる。好ましくは、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)を使用する。より好ましくは、フザリウム・ソラニATCC 46829を使用する。
【0011】
この真菌の酵素は、活発に増殖している培養物または全細胞濃縮物の形で使用できる。この変換は、適切な生物変換培地中で行われる。全細胞濃縮物を用いて変換を行う場合、生物変換培地は培養培地と類似のものであって炭素源および窒素源が除かれている。深部培養に添加するのと同様な様式で、変換すべきステロイドを添加する。好ましくはこの真菌を深部培養により増殖させ、その際、その培地が当技術分野で識められているいずれかの方法により好気的条件下で生物変換培地として用いられ、変換がin situで行われる。より好ましくは、後記のように、より具体的には実施例1および2に述べるように、特定した成分または当業者に既知の他の適切な炭素源および窒素源を用いて、目的とする真菌を好気的条件下で深部培養により増殖させる。限定ではないが、適切な炭素源の例には、単糖、二糖、三糖、ならびに糖アルコール、たとえばグリセロールおよびグルシトールが含まれる。限定ではないが、適切な有機窒素源の例には、カゼイン、コーンステープリカー、肉エキス、魚粉および大豆タンパク質加水分解物が含まれる。限定ではないが、適切な無機窒素源の例には、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、亜硝酸ナトリウムなどが含まれる。4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への真菌変換のために調製する際には、一般に、初代および二次栄養種培養法が用いられる。あるいは、初代栄養種培養物をそのまま生物変換培地への接種に使用できる。
【0012】
初代栄養種培養物を24〜96時間(好ましくは48時間)、20°〜37°(好ましくは28°)の温度および3.0〜8.0のpHでインキュベートすることができる。二次栄養種培養培地に、0.006%〜0.1% (v/v)、一般に0.012% (v/v)の初代栄養種培養物を接種し、36〜72時間(好ましくは48〜60時間)、20°〜37°(好ましくは28°)の温度でインキュベートする。二次種培養培地のpHは3.0〜8.0、好ましくは3.0〜5.0であってよい。生物変換培地は二次栄養種培養培地と同一または類似のものであってよく、これに1%〜10% (v/v)(好ましくは3%〜5%)の二次栄養種培養物を接種する。生物変換発酵条件は、二次栄養種培養物の培養に用いたものと同じであってもよい。
【0013】
0〜72時間(好ましくは12〜24時間)の初期インキュベーション期間の後、4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)(好ましくは微細化したもの)を生物変換培養に添加する。微細化した4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)を乾燥粉末または水性スラリーとして、単回添加、一連の添加、または連続供給として添加することができる。微細化した4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)を1 g/L〜80 g/L、10 g/L〜80 g/L、20 g/L〜80 g/L、40 g/L〜80 g/Lの濃度で使用できる。他の濃度範囲、たとえば10 g/L〜20 g/L、20 g/L〜40 g/L、40 g/L〜60 g/Lも使用できる。微細化した4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)に好ましい濃度範囲は、50 g/L〜70 g/Lである。4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)を形成する生物変換を、1〜7日間行わせる。
【0014】
4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への変換の速度および程度は、下記によって大幅に改良できる(i)選択した真菌の培養および生物変換を界面活性剤の存在下で行う。界面活性剤は非イオン界面活性剤よりなるグループから選択できるが、好ましくはエトキシル化アルキルフェノールおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルよりなるサブグループから選択される。より好ましくは、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールを使用する;(ii)選択した真菌の培養および生物変換を天然油の存在下で行う。限定ではないが、天然油の例には、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ラード油、アマニ油、オリーブ油、ラッカセイ油、ナタネ油、サフラワー実油、大豆油、ヒマワリ実油、牛脂、パーム油、タラ肝油、鯨油、サメ油、牛脚油および麦芽油が含まれる。好ましくは、大豆油を用いる;(iii)(i)および(ii)に定めた方法を併用する。
【0015】
4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への変換が完了すると、当技術分野で認められている多数の方法のいずれかにより17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)を単離できる。好ましくは、濾過または遠心分離した発酵物(beer)固体を、有機溶媒、たとえばメタノール、アセトン、酢酸ブチルまたは塩化メチレンで抽出し、結晶化により17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)を単離する。結晶化溶媒には、水、メタノール、アセトン、酢酸ブチル、塩化メチレン、またはその組合わせよりなる群から選択される溶媒が含まれるが、これらに限定されない。好ましい抽出溶媒は塩化メチレンであり、好ましい結晶化溶媒は酢酸n-ブチルである。
【0016】
定義
以下の定義および説明は、本明細書および特許請求の範囲の両方を含めて本出願全体を通して用いる用語に関するものである。
【0017】
温度はすべて摂氏である;
r.p.m.は回転数/分を表わす;
TLCは薄層クロマトグラフィーを表わす;
HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表わす;
psigはポンド/in2ゲージを表わす;
DOは溶存酸素を表わす;
ROは逆浸透を表わす;
SLMは標準L/分を表わす;
VVMは体積/分を表わす;
OURは酸素取込み速度を表わす;
溶媒混合物を使用する場合、使用する溶媒の比率は体積/体積(v/v)である;
溶媒中の固体の溶解度を用いる場合、固体と溶媒の比率は重量/体積(wt/v)である。
【0018】
実施例
これ以上詳述しなくても当業者は上記の記述を用いて本発明を完全に実施できると考えられる。以下の具体例はどのようにして各種化合物を製造するか、および/または本発明の各種方法を実施するかを記載するものであり、単なる説明であって決して本明細書の開示内容を限定するものではないと解釈すべきである。反応体ならびに反応条件および反応技術についてはいずれも当業者は自明であろう。
【0019】
実施例1
フザリウム・ソラニATCC 46829の深部培養を用いた10 Lの発酵規模での4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への生物変換
(A)初代種培養期
フザリウム・ソラニATCC 46829の凍結した栄養細胞を融解し、バレイショ-デキストロース-寒天平板(PDA)に移植し、28°で72時間インキュベートした。単一菌糸-プラグ(直径6〜7mm)を、100 mLの初代種培養培地を入れた500mLのシリコーン処理スティップルド(stippled)振とうフラスコへの接種に用いた。初代種培養培地は下記のものからなる(RO水のリットル当たり):デキストリン50 g;大豆粉35 g;セレロース(cerelose)5 g;塩化コバルト 6水和物2 mg;シリコーン消泡剤(SAG 471) 0.5 mL;予備殺菌pH 7.0〜7.2、水酸化ナトリウム(2N)で調節。270 rpmに設定した制御環境インキュベーター-シェーカー(2”のオービタルストローク)により、フザリウム・ソラニATCC 46829を28°で48時間インキュベートした。
【0020】
(B)二次種培養期
10 Lの二次種発酵培地に、1.2 mLの栄養初代種培養物を用いて接種した(0.012 % [v/v]の接種率))。二次種培養培地は下記のものを含有する(RO水のリットル当たり):セレロース60 g;大豆粉25 g;大豆油5 mL;マグネシウム 7水和物1 g;リン酸二水素カリウム0.74 g;オクチルフェノキシポリエトキシエタノール0.25 mL;シリコーン消泡剤(SAG 471) 0.5 mL;予備殺菌pH 3.95〜4.00、濃硫酸で調節。二次種培養培地を入れた発酵槽を、ジャケットと注入スチームの両方により121°で20分間殺菌した。殺菌中の撹拌速度は200 r.p.m.であった。殺菌後、無菌硫酸(5 %)により培地のpHを4.0に調節した。フザリウム・ソラニATCC 46829を28°で下記の初期パラメーターを用いてインキュベートした:撹拌, 100 r.p.m.;背圧 = 5 psig;空気流 = 2.5 SLM (0.25 VVM);低DO設定点, 50 %;pH制御なし。DOが最初に50 %に低下した時点で、空気流を5 SLM (0.5 VVM)に高めた。培養物が再び低DOに達した時点で、撹拌制御により50 %のDOを維持した。接種後、約52時間目に二次種培養物を収穫した。この時点でOURは15〜25 mM/L/時であった。
【0021】
(C)ステロイドの生物変換
10 Lのステロイド生物変換発酵培地に、300 mLの栄養二次種培養物を用いて接種した(3 % [v/v]の接種率))。ステロイド生物変換培地は本質的に二次種培養培地と同じであり、ただしオクチルフェノキシポリエトキシエタノールを0.25 mL/Lから2.0 mL/Lに増加させた。殺菌条件およびpH調節は二次種培養培地について記載したとおりであった。フザリウム・ソラニATCC 46829を28°で、本質的に二次種培養に用いたものと同じ初期パラメーターを用いてインキュベートした。ただし初期撹拌は200 r.p.m.であった。接種後、15時間目に、最小体積の0.2 %オクチルフェノキシポリエトキシエタノールに懸濁した微細化4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)200 gを10 L発酵に添加した。
【0022】
生物変換培養物を17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)についてHPLCにより1日1回の基準でアッセイした。1 mLの全発酵物を10 mLの温アセトニトリルで抽出した。細胞を水-アセトニトリル混合物から遠心(3,000 x gで10分間)により分離し、5μLの抽出液をHPLCカラムに注入した。HPLC条件は下記のとおりであった:C18逆相カラム(150 x 4.6 mm)を取り付けたSpectra-Physicsクロマトグラフ;カラム温度30°;移動層、アセトニトリル/0.25 %リン酸(45/55, v/v);流速 = 1 mL/分;検出、240 nm;実施時間 = 12分間。
【0023】
4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への生物変換は、約2日間で完了した。
(D)単離操作
10 L発酵からの収穫時の全発酵物を遠心し、富化した固体を遠心により回収した。この富化した固体を10 Lの塩化メチレンで抽出した。富化した有機抽出液を固体から沈降により分離した。塩化メチレン抽出液をケイソウ土により濾過し、蒸留により500 mLに濃縮した。500 mLの酢酸n-ブチルを添加した。この混合物を500 mLに濃縮し、生成物の結晶化を完了させるために4℃に冷却した。結晶を濾過により回収し、冷酢酸ブチルで洗浄して脱色し、乾燥させると、165 gの結晶質17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)が得られた。必要な場合、塩化メチレンに溶解し、酢酸n-ブチルで置換して生成物を再結晶することにより、不純物除去を行った(実施例2を参照)。
【0024】
実施例2
フザリウム・ソラニATCC 46829の深部培養を用いて100 mLの発酵規模で4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への生物変換を実施した。
【0025】
(A)初代種培養期
初代種培養物を実施例1の記載に従って調製した。
(B)二次種培養期
500 mLのシリコーン処理スティップルド振とうフラスコ内の100 mLの二次種培養培地に、1滴の栄養初代種培養物を用いて接種した。二次種培養培地は下記のものを含有する(RO水のリットル当たり):セレロース60 g;大豆粉25 g;大豆油5 mL;マグネシウム 7水和物1 g;リン酸二水素カリウム0.74 g;オクチルフェノキシポリエトキシエタノール0.25 mL;シリコーン消泡剤(SAG 471) 0.5 mL;予備殺菌pH 3.95〜4.00、濃硫酸で調節。二次種培養培地を入れた振とうフラスコを、オートクレーブにより121°で30分間殺菌した。270 rpmに設定した制御環境インキュベーター-シェーカー(2”のオービタルストローク)により、フザリウム・ソラニATCC 46829を28°で48時間インキュベートした。
【0026】
(C)ステロイドの生物変換
500 mLのシリコーン処理スティップルド振とうフラスコ内の100 mLのステロイド生物変換培地に、3 mLの栄養二次種培養物を用いて接種した(3.0 % [v/v]の接種率))。ステロイド生物変換培地は本質的に二次種培養培地と同じであり、ただしオクチルフェノキシポリエトキシエタノールを0.25 mL/Lから2.5 mL/Lに増加させた。接種後、17時間目に、最小体積の0.2 %オクチルフェノキシポリエトキシエタノールに懸濁した微細化4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)6 gを100 mL発酵に添加した。接種後、24および48時間目に、培養物100 mL当たり2.5 gの追加セレロースを添加した。
【0027】
生物変換培養物を17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)について、実施例1に記載したHPLCにより1日1回の基準でアッセイした。ただし1 mLの全発酵物を30 mLの温アセトニトリルで抽出した。4-アンドロステン-3,17-ジオン(I)から17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)への生物変換は、約7日間で完了した。
【0028】
(D)単離操作
2回の100 mL発酵からの収穫時の全発酵物を遠心し、富化した固体を遠心により回収した。この固体を1 Lの塩化メチレンで抽出した。沈降後、全発酵物をさらに1 Lの塩化メチレンで再抽出した。固体を廃棄し、塩化メチレン抽出液を水で洗浄し、プールし、ポリッシュし、蒸留により50 mLに濃縮した。100 mLの酢酸n-ブチルを添加した後、混合物を蒸留により50 mLに濃縮し、4℃に冷却した。得られた結晶を濾過により回収し、酢酸n-ブチルで洗浄して脱色し、乾燥させると10.9 gの結晶質17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)が得られた。
【0029】
実施例1と同様に、再結晶により不純物除去を行うことができる(>99%の純度を達成するために)。10.9 gを60 mLの塩化メチレンに溶解し、次いで100 mLの酢酸n-ブチルを添加した。この混合物を50 mLに濃縮し、4℃に冷却した。得られた結晶を濾過により回収し、15 mLの酢酸n-ブチルで洗浄し、乾燥させると、10.4 gの純粋な結晶質17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン(II)が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの4-アンドロステン-3,17-ジオン:
【化1】

を式IIの17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン:
【化2】

に変換する方法であって、式Iの化合物を生物変換培地中で、この変換を行うことができるフザリウム(Fusarium)属のフィラメント状菌種と接触させることを含む方法。
【請求項2】
フザリウム属(Fusarium)の菌種がフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)である、請求項1に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項3】
フザリウム属(Fusarium)の菌種がフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)ATCC 46829株である、請求項1に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項4】
基質濃度が1 g/L〜80 g/Lである、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項5】
基質濃度が10 g/L〜80 g/Lである、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項6】
基質濃度が20 g/L〜80 g/Lである、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項7】
基質濃度が40 g/L〜80 g/Lである、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項8】
基質濃度が50 g/L〜70 g/Lである、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法。
【請求項9】
さらに下記の工程を含む、請求項3に記載の17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンの製造方法:
a)フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)ATCC 46829株の初代種培養物を調製し;
b)工程a)の培養物から二次種培養物を調製し;
c)生物変換培地に工程b)の培養物を接種し;
d)微細化した4-アンドロステン-3,17-ジオンを前記の生物変換培地に添加し;
e)生物変換の完了をモニターし;
f)生物変換培地の固体を採集し;
g)該固体を抽出し;そして
h)17α-オキソ-D-ホモ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオンを単離する。
【請求項10】
生物変換培地が界面活性剤および天然油を含有する、請求項1〜9に記載の方法。
【請求項11】
界面活性剤がオクチルフェノキシポリエトキシエタノールであり、天然油が大豆油である、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2007−507219(P2007−507219A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530724(P2006−530724)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002993
【国際公開番号】WO2005/030977
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】