説明

フックセット

【課題】補助ウエイトを用意するユーザの費用的な負担を抑制できるフックセットを提供する。
【解決手段】吊り上げ容量が異なる2つのフック100,200のそれぞれに、凹部11とピン12とを設け、補助ウエイト300に凸部301とピン303とを設けるように構成した。これにより、吊り上げ容量が異なる2つのフック100,200のそれぞれに同一の補助ウエイト300を着脱できるので、ユーザが用意する補助ウエイト300が1種類で済み、補助ウエイト300を用意するユーザの費用的な負担を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばクローラクレーン、タワークレーン、トラッククレーン等に用いて好適なフックセットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、資材の積み降ろしや高所への資材の運搬を行なう場合には、クローラクレーン、タワークレーン、トラッククレーン等が用いられている。たとえば、クローラクレーンは、下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体の前部に設けられた作業装置とからなり、上部旋回体には、たとえば主巻ドラムや起伏ドラムなどの巻上げドラムが設けられている。また、作業装置は、基端側が上部旋回体に俯仰動可能に取り付けられたブームと、一端側が主巻ドラムに巻回され、他端側がブームの先端部から垂下された主巻ロープと、主巻ロープの他端部に取り付けられたフック装置とから大略構成されている。
【0003】
そして、クレーン用のフック装置は、フックケースと、このフックケースの上側に設けられ、クレーンのブームから垂下された主巻ロープに連結される連結具と、フックケースの下側に取り付けられた荷吊具と、主巻ロープに所定の張力を与えるため、フックケースに取り付けられたフックウェイト等とから構成されている。
【0004】
ここで、主巻ドラムから巻出されている主巻ロープの巻出し長さが長ければ、この主巻ロープの重量は大となり、一方、主巻ロープの巻出し長さが短ければ、この主巻ロープの重量は小となる。したがって、ブームを最長に設定した状態で、この最長ブームの背面側に位置する主巻ロープの重量に抗して自由落下でき、かつ主巻ロープに所定の張力を与えることができるようにフック全体の重量を設定する必要がある。しかし、ブームを短くした状態で作業を行なう場合には、短くしたブームの背面側に位置する主巻ロープの重量に対してフック全体の重量が過大となってしまう。そのため、ブームを短くして作業を行なっているときには、このときの吊上げ可能重量(定格荷重)が、最長ブームに適したフック重量から短いブームに適したフック重量を差し引いた重量の分だけ小さくなってしまい、クローラクレーンの吊上げ能力の低下を招くという問題があった。
【0005】
この問題を解決するために、補助ウエイトを着脱可能に構成し、ブーム長に応じて補助ウエイトを着脱するようにしたクレーン用のフック装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−139363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献に記載のフック装置では、フック装置の吊り上げ容量が異なるとフックウェイトの形状(外径)が異なるため、フックウェイトの外側に取り付ける補助ウエイトの形状も異なる。そのため、吊り上げ容量が異なるフック装置毎に補助ウエイトを用意する必要があり、ユーザの費用的な負担が少なくなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 請求項1の発明によるフックセットは、第1のフック装置と、第1のフック装置とは吊り上げ容量が異なる第2のフック装置と、第1のフック装置および第2のフック装置の双方に装着可能な補助ウエイトとを備えるフックセットであって、第1のフック装置は、少なくとも対向する一対の第1の板状部材を有する第1のフック本体と、第1のフック本体に装着される第1の鉤と、第1の板状部材の表面に補助ウエイトを着脱可能に装着する第1の着脱機構とを有し、第2のフック装置は、少なくとも対向する一対の第2の板状部材を有する第2のフック本体と、第2のフック本体に装着される第2の鉤と、第2の板状部材の表面に補助ウエイトを着脱可能に装着する第2の着脱機構とを有することを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載のフックセットにおいて、補助ウエイトは、第1のフック装置および第2のフック装置に装着される際に第1および第2の板状部材の表面に対向する面に設けられた凸部を有し、第1の着脱機構は、第1の板状部材の表面に設けられて、第1のフック装置に補助ウエイトが装着された際に凸部が嵌合する第1の凹部を有し、第2の着脱機構は、第2の板状部材の表面に設けられて、第2のフック装置に補助ウエイトが装着された際に凸部が嵌合する第2の凹部を有することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のフックセットにおいて、補助ウエイトは、板状部材状の部材であって、側面から突出する補助ウエイトピンを有し、第1の着脱機構は、第1の板状部材の側面に設けられて、第1のフック装置に補助ウエイトが装着された際に補助ウエイトピンと結合されて第1の板状部材の表面から離間する方向へ補助ウエイトが移動することを禁止する第1のピンを有し、第2の着脱機構は、第2の板状部材の側面に設けられて、第2のフック装置に補助ウエイトが装着された際に補助ウエイトピンと結合されて第2の板状部材の表面から離間する方向へ補助ウエイトが移動することを禁止する第2のピンを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1のフック装置と、第1のフック装置とは吊り上げ容量が異なる第2のフック装置との双方に同じ補助ウエイトを装着可能に構成した。これにより、複数のフック装置の吊り上げ容量がそれぞれ異なっていても、用意する補助ウエイトが1種類で済むため、補助ウエイトを用意するユーザの費用的な負担を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態に係るフックセットを適用した作業機械の一例としてのクローラクレーンの外観側面図である。
【図2】フック装置の外観を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。
【図3】図2に示したフック装置よりも吊り上げ容量が大きいフック装置の外観を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。
【図4】補助ウエイトの外観図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。
【図5】図2に示すフック装置に補助ウエイトを取り付けた状態を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図であり、(c)が斜視図である。
【図6】補助ウエイトを図2に示すフック装置に複数枚重ねて取り付けた状態を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図であり、(c)が斜視図である。
【図7】図3に示すフック装置に補助ウエイトを取り付けた状態を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図であり、(c)が斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜7を参照して、本発明によるフックセットの一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係るフックセットを適用した作業機械の一例としてのクローラクレーンの外観側面図である。このクローラクレーン(以下、単にクレーンと呼ぶ)は、走行体1と、旋回輪2を介して走行体1上に旋回可能に設けられた旋回体3と、旋回体3に回動可能に軸支されたブーム4とを有する。旋回体3には運転室8が設けられている。旋回体3には巻き上げ用のウインチドラムである巻上ドラム5と、起伏用のウインチドラムである起伏ドラム6が搭載されている。
【0012】
巻上ドラム5には巻上ロープ5aが巻回され、巻上ドラム5の駆動により巻上ロープ5aが巻き取りまたは繰り出され、フック装置(フック)100,200が昇降する。起伏ドラム6には起伏ロープ6aが巻回され、起伏ドラム6の駆動により起伏ロープ6aが巻き取りまたは繰り出され、ブーム4が起伏する。巻上ドラム5は巻上用油圧モータにより駆動され、起伏ドラム6は起伏用油圧モータにより駆動される。これら油圧モータの回転は不図示のブレーキ装置によって制動可能である。
【0013】
図2は、フック100の外観を示す図であり、図2(a)が正面図であり、図2(b)が側面図である。図3は、フック200の外観を示す図であり、図3(a)が正面図であり、図3(b)が側面図である。フック100は、たとえば吊り上げ容量が35tのフック装置であり、フック200は、たとえば吊り上げ容量が80tのフック装置である。フック100は、一対のハンガープレート10,10に挟まれて配設された、たとえば1枚のシーブ20と、フック(鉤)30とを備える。ハンガープレート10は、略ホームベース形状を呈する板状部材であり、上端には元付金物50が取り付けられている。ハンガープレート10の下部では、トラニオン60が2枚のハンガープレート10,10に挟まれて固定され、このトラニオン60にフック30がボールベアリング61を介して回動可能に配設される。
【0014】
ハンガープレート10の上部では、シーブシャフト70が2枚のハンガープレート10,10に挟まれて固定され、このシーブシャフト70にシーブ20が不図示のローラベアリングを介して回転可能に配設される。ハンガープレート10の表面には、凹部11が、たとえば2箇所に設けられている。凹部11は、略円柱形状の浅い凹みであり、後述する補助ウエイト300がフック100に取り付けられると、補助ウエイト300の凸部301が嵌合する。また、ハンガープレート10の側面には、後述するように補助ウエイト300の外れ止めに用いるためのピン12が側方外側に向かって立設されている。なお、ピン12の、他の物体との衝突による破損を防止するため、ピン12が設けられているハンガープレート10の側面部分は、他の側面部分よりも側方から内側に向かって凹んでいる。ピン12には、後述するように割りピンを挿入するための貫通孔12aが設けられている。ハンガープレート10の表面の下部には、吊り上げ容量を示す銘板13が取り付けられている。
【0015】
フック200の構成は、フック100と略同じである。フック200におけるフック100と同様の部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、フック200では、フック100に比べて大きな吊り上げ容量に対応するため、各部の強度を確保するように構成されている。また、フック200では、一対のハンガープレート10,10に挟まれて、たとえば3枚のシーブ20が配設されている。
【0016】
フック200のハンガープレート10の表面には、凹部11が、フック100と同様にたとえば2箇所に設けられている。略円形断面の凹部11の直径は、フック100とフック200とで略同一であり、ハンガープレート10の表面における2つの凹部11の離間距離は、フック100とフック200とで略同一である。また、凹部11に対するピン12の相対位置は、フック100とフック200とで略同一である。
【0017】
図4は、補助ウエイト300の外観図であり、図4(a)が正面図であり、図4(b)が側面図である。補助ウエイト300は、フック100,200の重量を調節するためにフック100,200に着脱可能に構成された略板状のウエイトである。補助ウエイト300は、凸部301と、凹部302と、ピン303と、銘板用開口304と、吊りラグ305とを備えている。凸部301は、略板状の補助ウエイト300の一方の表面に突設された、たとえば2箇所の突部であり、補助ウエイト300をフック100,200に取り付けた際に、フック100,200の凹部11と嵌合するように構成されている。すなわち、凸部301は、背が低い円柱状の凸部であり、その直径が凹部11の内径に略等しい。また、2つの凸部301の離間距離は、ハンガープレート10の表面における2つの凹部11の離間距離と略等しい。
【0018】
凹部302は、略板状の補助ウエイト300の他方の表面に設けられた、たとえば2箇所の略円柱形状の浅い凹みである。略円形断面の凹部302の直径は、ハンガープレート10の表面における凹部11の直径と略等しく、2つの凹部302の離間距離は、ハンガープレート10の表面における2つの凹部11の離間距離と略同一である。したがって、2枚の補助ウエイト300を重ね合わせると、一方の補助ウエイトの凸部301が他方の補助ウエイトの凹部302に嵌合する。
【0019】
ピン303は、後述するように補助ウエイト300がフック100,200から外れないように固定する際に用いられるピン状の部位であり、補助ウエイト300の側方外側に向かって立設されている。なお、ピン303の、他の物体との衝突による破損を防止するため、ピン303が設けられている補助ウエイト300の側面部分は、他の側面部分よりも側方から内側に向かって凹んでいる。ピン303には、後述するように割りピンを挿入するための貫通孔303aが設けられている。
【0020】
銘板用開口304は、補助ウエイト300をフック100,200に取り付けた際に、フック100,200の銘板13と対応する位置に設けられた開口である。補助ウエイト300をフック100,200に取り付けた際、銘板用開口304を介してフック100,200の銘板13が視認可能である。吊りラグ305は、補助ウエイト300をフック100,200に着脱する際に補助ウエイト300を吊るための部位であり、補助ウエイト300の上部に設けられている。
【0021】
このように構成されるフック100,200および補助ウエイト300では、クレーンのブーム4の長さに応じて、すなわち、ブーム4の背面側に位置する巻上ロープ5aの重量に応じて、フック100,200の重量を補助ウエイト300の着脱によって調節できる。
【0022】
ブーム4の長さが短く、ブーム4の背面側に位置する巻上ロープ5aの重量がそれほど大きくない場合、フック100,200に補助ウエイト300を取り付けなくてもよい。逆にブーム4の長さが長く、ブーム4の背面側に位置する巻上ロープ5aの重量が大きい場合、フック100,200に補助ウエイト300を取り付ける必要がある。以下に、フック100に補助ウエイト300を取り付ける手順を説明するが、フック200に補助ウエイト300を取り付ける場合も、取り付け手順は同じである。
【0023】
図5は、フック100に補助ウエイト300を取り付けた状態を示す図であり、図5(a)が正面図であり、図5(b)が側面図であり、図5(c)が斜視図である。図5には現れていないが、フック100のハンガープレート10の表面と、補助ウエイト300の凸部301が設けられた面とを対向させてハンガープレート10と補助ウエイト300とを重ね合わせると、フック100のハンガープレート10の表面と、補助ウエイト300の凸部301が設けられた面とが当接するとともに、ハンガープレート10の凹部11に補助ウエイト300の凸部301が嵌合する。
【0024】
この状態で、ハンガープレート10の側面のピン12と、補助ウエイト300の側面のピン303とを外れ止めリンク80で連結して固定する。そして、外れ止めリンク80がピン12,303から抜けないように、貫通孔12a,303aに割りピン81を挿入する。これにより、補助ウエイト300がハンガープレート10から離れなくなり、フック100に補助ウエイト300が取り付けられて固定される。なお、外れ止めリンク80は、ピン12およびピン303を挿通させる2つの孔が設けられた板状の部材である。
【0025】
このように、フック100に補助ウエイト300を着脱可能に取り付ける着脱機構には凹部11と、凸部301と、ピン12,303と、外れ止めリンク80とが含まれる。
【0026】
図6に示すように、補助ウエイト300をフック100に複数枚重ねて取り付けることができる。図2では、フック100に片側2枚、合計4枚の補助ウエイト300を取り付けているが、片側に3枚以上の補助ウエイト300を取り付けることもできる。なお、重量バランスの観点から、補助ウエイト300は、フック100の一対のハンガープレート10,10のそれぞれに同数ずつ取り付けられる。
【0027】
上述したように、2枚の補助ウエイト300を重ね合わせると、一方の補助ウエイトの凸部301が他方の補助ウエイトの凹部302に嵌合する。そこで、上述したようにフック100に1枚の補助ウエイト300を取り付けて外れ止めリンク80を仮止めする。そしてさらに、既に取り付けられている補助ウエイト300に重ねてもう1枚の補助ウエイト300を重ね、2枚の補助ウエイト300の側面のピン303同士を外れ止めリンク80で固定する。そして、2つの外れ止めリンク80,80がピン12,303,303から抜けないように、貫通孔12a,303a,303aに割りピン81を挿入する。
【0028】
上述したように、凹部11の直径は、フック100とフック200とで略同一であり、ハンガープレート10の表面における2つの凹部11の離間距離は、フック100とフック200とで略同一であるので、図7に示すように、補助ウエイト300をフック200にも取り付け可能である。すなわち、同一の補助ウエイト300を、吊り上げ容量の異なる2種類のフック100,200にそれぞれ取り付け可能である。
【0029】
なお、補助ウエイト300をフック100,200から取り外す場合には、上述した取り付けの手順と逆の手順で取り外し作業をすればよい。
【0030】
上述したフック100,200および補助ウエイト300では、次の作用効果を奏する。
(1) 吊り上げ容量が異なる2つのフック100,200のそれぞれに、凹部11とピン12とを設け、補助ウエイト300に凸部301とピン303とを設けるように構成した。これにより、吊り上げ容量が異なる2つのフック100,200のそれぞれに同一の補助ウエイト300を着脱できるので、ユーザが用意する補助ウエイト300が1種類で済み、補助ウエイト300を用意するユーザの費用的な負担を抑制できる。また、同じ吊り上げ容量で重量の異なる複数のフックをユーザが用意する必要がなくなるので、ユーザのフックの所有数を削減でき、ユーザの費用的な負担を抑制できる。さらに、フック自体の重量を抑制できるので、作業で想定される吊り荷の重量よりも吊り上げ容量が十分以上に大きいフックであっても、フックの重量が小さいことからクローラクレーンの吊上げ能力の低下を抑制できる。したがって、ユーザが用意する吊り上げ容量が小さいフックの種類を削減でき、ユーザの費用的な負担を抑制できる。
【0031】
また、従来は複数のフック装置に対してそれぞれ補助ウエイトを用意しなければならず、どの補助ウエイトが、どのフック装置のものであるのかというヒモ付けが必要で管理が煩雑であった。しかし、上述した本実施の形態によれば、同一の補助ウエイト300を複数種類のフック100,200に用いることができるので、上述したような従来のフック装置および補助ウエイトのような煩雑な管理が不要である。
【0032】
(2) フック100,200に補助ウエイト300を取り付けると、ハンガープレート10の凹部11に補助ウエイト300の凸部301が嵌合するように構成した。また、ハンガープレート10の側面のピン12と、補助ウエイト300の側面のピン303とを外れ止めリンク80で固定するように構成した。これにより、簡単な構成で補助ウエイト300をハンガープレート10に取り付けて固定することが可能となり、製造コスト面で有利である他、耐久性があるのでランニングコストも低減できる。
【0033】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ハンガープレート10に凹部11を設け、補助ウエイト300に凸部301を設けるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、上述の説明とは逆に、ハンガープレート10に凸部を設け、補助ウエイト300をフック100,200に取り付けた際にハンガープレート10の凸部と嵌合する凹部を補助ウエイト300に設けるように構成してもよい。なお、外来物との接触による破損防止の観点から、補助ウエイト300を取り付けない状態では常に外部に露出するハンガープレート10の表面には、凸部ではなく、上述の説明のように凹部11を設けることが望ましい。
【0034】
(2) 上述の説明では、ハンガープレート10に設けられた凹部11、および補助ウエイト300に設けられた凸部301がそれぞれ2箇所ずつであるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ハンガープレート10に設けられた凹部11、および補助ウエイト300に設けられた凸部301がそれぞれ1箇所ずつであってもよく、3箇所以上ずつであってもよい。
【0035】
(3) 上述の説明では、凹部11に対するピン12の相対位置が、フック100とフック200とで略同一であったが、本発明はこれに限定されない。同一の補助ウエイト300をフック100およびフック200に着脱可能に取り付けおよび固定可能であれば、凹部11に対するピン12の相対位置は、フック100とフック200とで異なっていてもよい。この場合、補助ウエイト300をフック100に固定する場合とフック200に固定する場合とで、形状が異なる外れ止めリンク80を用いることになる。
【0036】
(4) 上述の説明では、シーブ20を有するフック100,200について説明したが、本発明は、シーブ20を有さないフック装置にも適用できる。たとえば、フック装置の本体の側面に平行な2つの平面を形成し、当該平面に、上述した凹部11と同様の凹部を設ける。そして、当該平面に補助ウエイト300を重ねて、当該平面に設けた凹部に補助ウエイト300の凸部301を嵌合させればよい。なお、補助ウエイト300がフック装置から離脱しないようにするために、たとえば、フック装置の本体の側面に上述したピン12と同様のピンを設け、外れ止めリンク80を取り付けるように構成すればよい。
(5) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0037】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、第1のフック装置と、第1のフック装置とは吊り上げ容量が異なる第2のフック装置と、第1のフック装置および第2のフック装置の双方に装着可能な補助ウエイトとを備えるフックセットであって、第1のフック装置は、少なくとも対向する一対の第1の板状部材を有する第1のフック本体と、第1のフック本体に装着される第1の鉤と、第1の板状部材の表面に補助ウエイトを着脱可能に装着する第1の着脱機構とを有し、第2のフック装置は、少なくとも対向する一対の第2の板状部材を有する第2のフック本体と、第2のフック本体に装着される第2の鉤と、第2の板状部材の表面に補助ウエイトを着脱可能に装着する第2の着脱機構とを有することを特徴とする各種構造のフックセットを含むものである。
【符号の説明】
【0038】
4 ブーム 10 ハンガープレート
11 凹部 12 ピン
13 銘板 30 フック(鉤)
80 外れ止めリンク 100,200 フック装置(フック)
300 補助ウエイト 301 凸部
302 凹部 303 ピン
304 銘板用開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフック装置と、
前記第1のフック装置とは吊り上げ容量が異なる第2のフック装置と、
前記第1のフック装置および前記第2のフック装置の双方に装着可能な補助ウエイトとを備えるフックセットであって、
前記第1のフック装置は、
少なくとも対向する一対の第1の板状部材を有する第1のフック本体と、
前記第1のフック本体に装着される第1の鉤と、
前記第1の板状部材の表面に前記補助ウエイトを着脱可能に装着する第1の着脱機構とを有し、
前記第2のフック装置は、
少なくとも対向する一対の第2の板状部材を有する第2のフック本体と、
前記第2のフック本体に装着される第2の鉤と、
前記第2の板状部材の表面に前記補助ウエイトを着脱可能に装着する第2の着脱機構とを有することを特徴とするフックセット。
【請求項2】
請求項1に記載のフックセットにおいて、
前記補助ウエイトは、前記第1のフック装置および前記第2のフック装置に装着される際に前記第1および第2の板状部材の表面に対向する面に設けられた凸部を有し、
前記第1の着脱機構は、前記第1の板状部材の表面に設けられて、前記第1のフック装置に前記補助ウエイトが装着された際に前記凸部が嵌合する第1の凹部を有し、
前記第2の着脱機構は、前記第2の板状部材の表面に設けられて、前記第2のフック装置に前記補助ウエイトが装着された際に前記凸部が嵌合する第2の凹部を有することを特徴とするフックセット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のフックセットにおいて、
前記補助ウエイトは、板状部材状の部材であって、側面から突出する補助ウエイトピンを有し、
前記第1の着脱機構は、前記第1の板状部材の側面に設けられて、前記第1のフック装置に前記補助ウエイトが装着された際に前記補助ウエイトピンと結合されて前記第1の板状部材の表面から離間する方向へ前記補助ウエイトが移動することを禁止する第1のピンを有し、
前記第2の着脱機構は、前記第2の板状部材の側面に設けられて、前記第2のフック装置に前記補助ウエイトが装着された際に前記補助ウエイトピンと結合されて前記第2の板状部材の表面から離間する方向へ前記補助ウエイトが移動することを禁止する第2のピンを有することを特徴とするフックセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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