説明

フック固定構造

【課題】本発明の目的は、インストルメントパネルの内部にある高強度の構造材からブラケットを延出することなく、高い取付強度を得ることが可能なインストルメントパネル用のフック固定構造を提供することである。
【解決手段】本発明においては、インストルメントパネル2には、開口部5が設けられ、フックブラケット7が、インストルメントパネル2の裏面側から開口部5に配置され、フックブラケット7が、開口部5から車室側に露出するフック取付面8と、インストルメントパネルの裏面側に向かって延在する固定面9,10とを備え、固定面9,10は、インストルメントパネル2の内部において固定面9,10の端部9a,10aが開口部5の周縁部より外側に位置するように傾斜しており、固定面9,10が、インストルメントパネル2の裏面側において固定され、荷掛けフック11が、フック取付面8に取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のインストルメントパネルのような樹脂製の内装部品にビニール袋などの持ち手を引っ掛けることが可能な荷掛けフックを固定するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビニール袋などを吊り下げることができる荷掛けフックをインストルメントパネルに固定するためのフック固定構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、インストルメントパネルの表面に荷掛けフックを配設するための凹部を設け、この凹部に荷掛けフックを配置している。荷掛けフックの縁部にはネジ用の孔が設けられており、荷掛けフックは、この孔にスピードナットを差込むことによりインストルメントパネルに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−115604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の特許文献1のフック固定構造では、荷掛けフックの取付強度を樹脂製のインストルメントパネルの表面(壁面)のみで担っており、しかも、荷掛けフックが1箇所のみでインストルメントパネルに固定されているので、軽量の荷物しか荷掛けフックに吊り下げることができなかった。
【0006】
例えば、荷掛けフックの取付強度を高めるためには、ステアリングサポートメンバにフック用のブラケットを直接固定し、このブラケットに荷掛けフックを取付けるような構造が考えられる。しかし、この構造を採用すると、荷掛けフックは乗員の着席位置の近くに配置されるため、ブラケットをステアリングサポートメンバから乗員の着席位置まで延びるように形成する必要がある。このような構成では、ブラケットの長さが長くなり、インストルメントパネルの内部のレイアウトに制約を与えるだけでなく、フック固定構造の部品の重量も大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インストルメントパネルの内部にある高強度の構造材からブラケットを延出することなく、高い取付強度を得ることが可能なインストルメントパネル用のフック固定構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明によれば、インストルメントパネルにフックブラケットを介して荷掛けフックを固定するフック固定構造において、前記インストルメントパネルには、ステアリングサポートメンバから離間した位置に開口部が設けられ、前記フックブラケットが、前記インストルメントパネルの裏面側から前記開口部に配置され、前記フックブラケットが、前記開口部から車室側に露出するフック取付面と、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在する固定面とを備え、該固定面は、前記インストルメントパネルの内部において前記固定面の端部が前記開口部の周縁部より外側に位置するように傾斜しており、前記固定面が、前記インストルメントパネルの裏面側において固定され、前記荷掛けフックが、前記フック取付面に取付けられている。
【0009】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記開口部は、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在するフランジ部を備え、前記固定面は、前記開口部の前記フランジ部に沿って傾斜するように形成され、前記固定面には孔が穿設されており、前記固定面は、差込みリブ又は締結部材を前記固定面の前記孔に差込むことにより前記フランジ部に固定されている。
【0010】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記固定面が、前記フック取付面を挟んで上下一対になるように設けられている。
【0011】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記一対の固定面のうちの下方の固定面が、前記開口部の前記フランジ部の裏面側まで延在するように湾曲しており、前記固定面の湾曲した部分の端部が、前記フランジ部の裏面側で固定されている。
【0012】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記差込みリブ又は前記締結部材の固定部材の周辺には、補強用リブが設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るフック固定構造によれば、インストルメントパネルにフックブラケットを介して荷掛けフックを固定するフック固定構造において、前記インストルメントパネルには、ステアリングサポートメンバから離間した位置に開口部が設けられ、前記フックブラケットが、前記インストルメントパネルの裏面側から前記開口部に配置され、前記フックブラケットが、前記開口部から車室側に露出するフック取付面と、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在する固定面とを備え、該固定面は、前記インストルメントパネルの内部において前記固定面の端部が前記開口部の周縁部より外側に位置するように傾斜しており、前記固定面が、前記インストルメントパネルの裏面側において固定され、前記荷掛けフックが、前記フック取付面に取付けられているので、荷掛けフックに高い引っ張り荷重が入力された場合でも、インストルメントパネルの裏面側に延在する固定面が開口部の周縁部に引っ掛かることになり、フックブラケットがインストルメントパネルから脱落することがない。
また、本発明によれば、インストルメントパネルの内部にある高強度の構造材(例えば、ステアリングサポートメンバ)にフックブラケットを直接固定する必要がなくなるので、フックブラケットの形状を最小限の大きさに形成することができ、インストルメントパネルの内部における部品のレイアウトが制約されることもない。また、フックブラケットが最小限の大きさとなるので、フック固定構造の部品の重量も低減することができる。
【0014】
また、本発明に係るフック固定構造によれば、前記開口部は、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在するフランジ部を備え、前記固定面は、前記開口部の前記フランジ部に沿って傾斜するように形成され、前記固定面には孔が穿設されており、前記固定面は、差込みリブ又は締結部材を前記固定面の前記孔に差込むことにより前記フランジ部に固定されているので、荷掛けフックにかかる引っ張り荷重の方向に対して交差する方向に差込リブ又は締結部材が差込まれるような構造となり、フックブラケットの取付強度をより高くすることができる。これにより、フックブラケットがインストルメントパネルから脱落するのを効果的に防止することができる。
【0015】
また、本発明に係るフック固定構造によれば、前記固定面が、前記フック取付面を挟んで上下一対になるように設けられているので、荷掛けフックに高い引っ張り荷重が入力された場合でも、フックブラケットがフック取付面の上下両側で突っ張って引っ張り荷重を支えることになり、フックブラケットがインストルメントパネルから脱落するのをより効果的に防止することができる。
【0016】
また、本発明に係るフック固定構造によれば、前記一対の固定面のうちの下方の固定面が、前記開口部の前記フランジ部の裏面側まで延在するように湾曲しており、前記固定面の湾曲した部分の端部が、前記フランジ部の裏面側で固定されているので、より大きな荷重がかかる下方の固定面が、広い面でインストルメントパネルに支持されることになる。これにより、荷掛けフックに高い引っ張り荷重が入力された場合でも、フックブラケットがインストルメントパネルから脱落するのを確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るフック固定構造によれば、前記差込みリブ又は前記締結部材の固定部材の周辺には、補強用リブが設けられているので、フックブラケットの固定面の周辺部の強度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインストルメントパネルの全体図を示した図であり、車室内側から見た図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るインストルメントパネルの分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るフック固定構造をインストルメントパネルの内部側から見た斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るフック固定構造をインストルメントパネルの内部側から見た斜視図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るインストルメントパネル用フック固定構造を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るインストルメントパネルの全体図を示した斜視図であり、図2は、本実施形態に係るインストルメントパネルの分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るフック固定構造をインストルメントパネルの内部側から見た斜視図であり、図4は、図3のA−A線断面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るフック固定構造1は、車室内のインストルメントパネル2の助手席側に設けられるものであり、開閉式のグローブボックス3に隣接して配置されている。
【0022】
図2に示すように、インストルメントパネル2は、表面2aを覆うためのセンターカバー4を備えており、このセンターカバー4は、インストルメントパネル2と別体で構成されている。
【0023】
図2及び3に示すように、インストルメントパネル2には、矩形状の開口部5が設けられている。この開口部5の周囲には、インストルメントパネル2の裏面側に向かって延在するフランジ部6が形成されている。そして、開口部5には、インストルメントパネル2の裏面側からフックブラケット7が配置されている。
【0024】
図4に示すように、フックブラケット7は、開口部5から車室側に露出するフック取付面8と、インストルメントパネル2の裏面側に向かって延在する上部固定面9及び下部固定面10とを備えている。
【0025】
図4に示すように、フック取付面8には、矩形状のフック用開口部8aが設けられている。このフック用開口部8aには、荷掛けフック11が取付けられており、荷掛けフック11は、ツメ等(図示せず)をフック取付面8に係合させて固定されている。
【0026】
図4に示すように、フックブラケット7の上部固定面9及び下部固定面10は、フック取付面8を挟んで上下に対向して配置されている。そして、上部固定面9及び下部固定面10は、インストルメントパネル2の内部に向かうにつれて、上部固定面9と下部固定面10との間の距離が徐々に広がるように傾斜している。すなわち、図4に示すように、上部固定面9の端部9aと下部固定面10の端部10aとの間の距離Lは、開口部5の縦方向の長さLよりも大きくなっている。このように、フックブラケット7は、上部固定面9の端部9aと下部固定面10の端部10aとが開口部5の周縁部よりも外側に位置するような形状となっており、フックブラケット7が開口部5から脱落しないような構成となっている。
【0027】
また、図4に示すように、下部固定面10は、開口部5のフランジ部6に沿って傾斜している。そして、下部固定面10は、開口部5のフランジ部6に沿って延在して、フランジ部6の先端部6aを回り込むような形状で湾曲している。そして、下部固定面10の湾曲した部分の端部10aは、フランジ部6の裏面6b側まで延在している。
【0028】
また、図3に示すように、上部固定面9には、第1の孔12及び第2の孔13が穿設されている。一方、開口部5の上縁部5aには、上部固定面9の第1の孔12に対応する位置に第1の十字状リブ14が設けられている。また、開口部5の上縁部5aには、上部固定面9の第2の孔13に対応する位置に第1のボス15が設けられている。これら第1の十字状リブ14及び第1のボス15の周囲は、インストルメントパネル2に一体的に設けられた第1の補強用リブ16によって補強されている。
そして、上部固定面9の第1の孔12には、第1の十字状リブ14が上部固定面9に対して垂直となるように差し込まれている。また、上部固定面9の第2の孔13には、第1の締結部材(図示せず)が差し込まれ、第1締結部材が第1のボス15に締結されるようになっている。
【0029】
また、図3に示すように、下部固定面10の湾曲した部分の端部10aには、第3の孔17及び第4の孔18が穿設されている。一方、開口部5の下方のフランジ部6の裏面6bには、下部固定面10の第3の孔17に対応する位置に第2の十字状リブ19が設けられている。また、図4に示すように、開口部5の下方のフランジ部6の裏面6bには、下部固定面10の第4の孔18に対応する位置に第2のボス20が設けられている。図3に示すように、これら第2の十字状リブ19及び第2のボス20の周囲は、インストルメントパネル2と一体的に設けられた第2の補強用リブ21によって補強されている。
そして、下部固定面10の第3の孔17には、第2の十字状リブ19が下部固定面10に対して垂直となるように差し込まれている。また、下部固定面10の第4の孔18には、第2の締結部材22が下部固定面10に対して垂直となるように差し込まれ、第2の締結部材22が第2のボス20に締結されている。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係る荷掛けフック11をインストルメントパネル2に取付ける手順を説明する。
【0031】
まず、フックブラケット7をインストルメントパネル2の裏面側から開口部5に近づけて、フックブラケット7のフック取付面8が開口部5から車室側に露出するように配置する。
次に、上部固定面9の第1の孔12に第1の十字状リブ14を差込み、その後、第2の孔13に第1の締結部材を差込み、第1の締結部材を第1のボス15に締結する。同様に、下部固定面10の第3の孔17に第2の十字状リブ19を差込み、その後、第4の孔18に第2の締結部材22を差込み、第2の締結部材22を第2のボス20に締結する。
そして、荷掛けフック11をフック取付面8のフック用開口部8aに取付ける。最後に、センターカバー4の矩形状孔から荷掛けフック11が露出するようにセンターカバー4をインストルメントパネル2に取付ける。
以上の手順により、荷掛けフック11をインストルメントパネル2に取付ける手順が完了する。
【0032】
このように本実施形態に係るフック固定構造によれば、インストルメントパネル2にフックブラケット7を介して荷掛けフック11を固定するフック固定構造1において、インストルメントパネル2には、ステアリングサポートメンバから離間した位置に開口部5が設けられ、フックブラケット7が、インストルメントパネル2の裏面側から開口部5に配置され、フックブラケット7が、開口部5から車室側に露出するフック取付面8と、インストルメントパネル2の裏面側に向かって延在する上部固定面9及び下部固定面10とを備え、上部固定面9及び下部固定面10は、インストルメントパネル2の内部において、端部9a,10aが開口部5の周縁部より外側に位置するように傾斜しており、上部固定面9及び下部固定面10が、インストルメントパネル2の裏面側において固定され、荷掛けフック11が、フック取付面8に取付けられているので、荷掛けフック11に高い引っ張り荷重が入力された場合でも、インストルメントパネル2の裏面側に延在する上部固定面9及び下部固定面10が開口部5の周縁部に引っ掛かることになり、フックブラケット7がインストルメントパネル2から脱落することがない。
【0033】
また、本実施形態によれば、インストルメントパネル2の内部にあるステアリングサポートメンバにフックブラケット7を直接固定する必要がなくなるので、フックブラケット7の形状を最小限の大きさに形成することができ、インストルメントパネル2の内部における部品のレイアウトが制約されることもない。また、フックブラケット7が最小限の大きさとなるので、フック固定構造1の部品の重量も低減することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、第1及び第2の十字状リブ14,19や第1及び第2の締結部材を上部固定面9及び下部固定面10に対して垂直に差込んで固定しているので、荷掛けフック11の引っ張り荷重に対しての耐性をより高めることができる。
また、上部固定面9及び下部固定面10は、インストルメントパネル2の内部において、端部9a,10aが開口部5の周縁部より外側に位置するように傾斜しているので、荷掛けフック11に高い引っ張り荷重が入力された場合でも、上下の広い面で荷重を支えることができ、フックブラケット7がインストルメントパネル2から脱落しにくい構造となっている。
【0035】
また、本実施形態によれば、下部固定面10が、開口部5のフランジ部6の裏面6b側まで延在するように湾曲しており、下部固定面10の湾曲した部分の端部10aが、フランジ部6の裏面6bで固定されているので、より大きな荷重がかかる下部固定面10が、より広い面でインストルメントパネル2に支持されることになる。これにより、荷掛けフック11に高い引っ張り荷重が入力された場合でも、フックブラケット7がインストルメントパネル2から脱落するのをより確実に防止することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、フックブラケット7は、上部固定面9における2箇所と下部固定面10における2箇所とでインストルメントパネル2に直接固定されるような構成となっているので、組付けも容易である。
【0037】
また、本実施形態によれば、第1の十字状リブ14及び第1のボス15の周囲は、インストルメントパネル2に一体的に設けられた第1の補強用リブ16によって補強され、第2の十字状リブ19及び第2のボス20の周囲は、インストルメントパネル2と一体的に設けられた第2の補強用リブ21によって補強されているので、フックブラケット7の上部固定面9及び下部固定面10の周辺部の強度をより高めることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、衝突時などに乗員の脚が車室側からインストルメントパネル2にぶつかった場合には、フックブラケット7がステアリングサポートメンバから独立した構成となっているので、ぶつかった衝撃に追従してインストルメントパネル2が変形及び移動がし易く、衝撃をインストルメントパネル2と共に容易に吸収することができる。
【0039】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るインストルメントパネル用フック固定構造を、図面を参照しながら説明する。
【0040】
図5は、本発明の第2実施形態に係るフック固定構造をインストルメントパネルの内部側から見た斜視図であり、図6は、図5のB−B線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0041】
本実施形態においては、図5及び図6に示すように、フックブラケット7の下部固定面10が、フランジ部6に沿ってインストルメントパネル2の裏面側に向かって延在している。そして、本実施形態では、下部固定面10の端部10aを、フランジ部6を回り込むように湾曲させず、平坦な形状としている。
【0042】
本実施形態においては、図5及び図6に示すように、下部固定面10には、第3の孔23が穿設されている。すなわち、第1実施形態と異なり、本実施形態では、下部固定面10の固定箇所が1箇所となっている。
また、開口部5の下方のフランジ部6には、下部固定面10の第3の孔23に対応する位置にネジ用孔24が設けられている。そして、下部固定面10の第3の孔23及びフランジ部6のネジ用孔24には、第2の締結部材25がフランジ部6の裏面6b側から差し込まれている。
【0043】
このように本実施形態に係るフック固定構造1によれば、フックブラケット7の上部固定面9を2箇所でインストルメントパネル2に固定するとともに、下部固定面10を1箇所でインストルメントパネル2に固定するような構成となっているので、荷掛けフック11に高い引っ張り荷重が入力された場合でも、フックブラケット7がフック取付面8の上下両側で突っ張って引っ張り荷重を支えることになり、フックブラケット7がインストルメントパネル2から脱落するのを防止することができる。
また、本実施形態によれば、第1実施形態に比べて下部固定面10が小さくなるので、フックブラケット7が小型で且つ軽量となり、インストルメントパネル2の内部のスペースを確保し、フック固定構造1の部品の重量も低減することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0045】
上述の第1及び第2実施形態では、荷掛けフック11はツメなどによりフックブラケット7に取付けられているが、別の形態でフックブラケット7に取付けられてもよい。例えば、フックブラケット7の幅方向の軸を中心に回転することによりインストルメントパネル2内に収納可能な構造としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 フック固定構造
2 インストルメントパネル
3 グローブボックス
4 センターカバー
5 開口部
6 フランジ部
7 フックブラケット
8 フック取付面
9,10 固定面
11 荷掛けフック
12,13,17,18 孔
14,19 十字状リブ
15,20 ボス(締結部材の固定部材)
16,21 補強用リブ
22 締結部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネルにフックブラケットを介して荷掛けフックを固定するフック固定構造において、
前記インストルメントパネルには、ステアリングサポートメンバから離間した位置に開口部が設けられ、前記フックブラケットが、前記インストルメントパネルの裏面側から前記開口部に配置され、前記フックブラケットが、前記開口部から車室側に露出するフック取付面と、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在する固定面とを備え、該固定面は、前記インストルメントパネルの内部において前記固定面の端部が前記開口部の周縁部より外側に位置するように傾斜しており、前記固定面が、前記インストルメントパネルの裏面側において固定され、前記荷掛けフックが、前記フック取付面に取付けられていることを特徴とするフック固定構造。
【請求項2】
前記開口部は、前記インストルメントパネルの裏面側に向かって延在するフランジ部を備え、前記固定面は、前記開口部の前記フランジ部に沿って傾斜するように形成され、前記固定面には孔が穿設されており、前記固定面は、差込みリブ又は締結部材を前記固定面の前記孔に差込むことにより前記フランジ部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のフック固定構造。
【請求項3】
前記固定面が、前記フック取付面を挟んで上下一対になるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフック固定構造。
【請求項4】
前記一対の固定面のうちの下方の固定面が、前記開口部の前記フランジ部の裏面側まで延在するように湾曲しており、前記固定面の湾曲した部分の端部が、前記フランジ部の裏面側で固定されていることを特徴とする請求項3に記載のフック固定構造。
【請求項5】
前記差込みリブ又は前記締結部材の固定部材の周辺には、補強用リブが設けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のフック固定構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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