フットマッサージャー
【課題】サブユニットを本体ユニットに対して上下に移動可能とすることで、広い範囲にマッサージを施すことのできるフットマッサージャーを提供する。
【解決手段】被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部22,22の形成された本体ケーシング21を有する本体ユニット20と、本体ケーシング21に支持されるサブケーシング41と、該サブケーシング41に形成された左右一対の凹部42,42を有するサブユニット40と、を具えたフットマッサージャーであって、本体ケーシング21に対してサブケーシング42を上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構60を有する。
【解決手段】被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部22,22の形成された本体ケーシング21を有する本体ユニット20と、本体ケーシング21に支持されるサブケーシング41と、該サブケーシング41に形成された左右一対の凹部42,42を有するサブユニット40と、を具えたフットマッサージャーであって、本体ケーシング21に対してサブケーシング42を上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構60を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の脚部、具体的には、被施療者の膝から下と大腿をマッサージすることのできるフットマッサージャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の脚部をマッサージするフットマッサージャーが知られている。この種フットマッサージャーとして、被施療者のふくらはぎと足先(くるぶしより下)を挿入する左右一対の凹部を有し、該凹部にエアバッグ等のマッサージ手段を配備したものが提案されており、マッサージ手段を作動させることで、被施療者のふくらはぎと足先にマッサージを施す。
【0003】
また、被施療者のふくらはぎ及び足先に加えて、被施療者の大腿をマッサージできるようにしたフットマッサージャーも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のフットマッサージャーは、ふくらはぎ及び足先を挿入する本体ユニットと、該本体ユニットの上端に前後方向に平行な面内で回動可能に軸支されたサブユニットを有しており、サブユニットを前方に回動させたときには、膝関節の周囲のマッサージを施すことができ、後方にサブユニットを回動させたときには、大腿のマッサージを施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公告第201342077号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本体ユニットに対してサブユニットを単に前後に回動させるだけでは、大腿の希望する位置にサブユニットを位置合わせすることができず、効果の高いマッサージを施すことは困難であった。
また、例え、大腿にサブユニットを位置合わせできたとしても、サブユニットの回動可能範囲は軸支部分を中心とした円弧範囲に限られるため、大腿の膝に近い部分から股に近い部分までの広い範囲を自由に位置合わせしてマッサージすることはできなかった。
大腿の広い範囲をマッサージ可能とするには、サブユニットを大型化すればよいが、使い勝手が悪くなるばかりでなく、収納性の悪化、高コスト等の問題があり、商品化が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、サブユニットを本体ユニットに対して上下に移動可能及び/又は前後に傾動可能とすることで、広い範囲にマッサージを施すことのできるフットマッサージャーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフットマッサージャーは、
被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングを有する本体ユニットと、
本体ケーシングに支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングに対してサブケーシングを上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構を有する。
【0008】
スライド機構は、サブケーシングを前後方向に平行な面内で回動可能に支持することが望ましい。
【0009】
スライド機構は、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後に平行な面内で傾動可能に支持する傾動機構を具えることがさらに望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフットマッサージャーによれば、スライド機構は、本体ユニットに対してサブユニットを上下方向にスライド可能に連繋しているから、被施療者の脚の長さに応じてサブユニットの位置合わせを行なうことができる。
従って、脚の長さが異なる被施療者に対しても、サブユニットを大腿に当ててマッサージすることができる。
【0011】
また、上記スライドによる高さ調節に加えて、サブユニットは、スライド機構に対して回動可能とすることで、大腿の所望の患部位置までサブユニットを移動させることができる。
従って、被施療者の大腿の所望の患部にサブユニットをフィットさせることができ、可及的に効果の高いマッサージを施すことができる。
【0012】
さらに、サブユニットをスライド機構に具備された傾動機構により、本体ユニットに対して前後に傾動可能とすることで、大腿の腰近くまでサブユニットの施療範囲を広げることができ、大腿の所望の患部にサブユニットをフィットさせることができ、可及的に効果の高いマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】同フットマッサージャーの正面図である。
【図3】同フットマッサージャーの側面図である。
【図4】本発明の第2実施例のフットマッサージャーを斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図4の線A−Aに沿う矢視断面図である。
【図6】サブユニットを本体ユニットに対して上方にスライド移動させた第2実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図7】図6のフットマッサージャーを斜め後方から見た斜視図である。
【図8】サブユニットを上方にスライド移動させ、さらに後方に回動させたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図9】(a)は小柄な被施療者、(b)は大柄な被施療者がフットマッサージャーによりマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図10】(a)は小柄な被施療者、(b)は大柄な被施療者が本体ユニットをリクライニングさせてマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図11】サブユニットを本体ユニットに接近させた状態におけるスライド機構の拡大図である。
【図12】図11の斜視図である。
【図13】スライド機構の分解斜視図である。
【図14】サブユニットを本体ユニットに対してスライドさせた状態におけるスライド機構の拡大図である。
【図15】(a)〜(c)は、サブユニットのスライド方向を後傾させたフットマッサージャーの説明図である。
【図16】本発明の第3実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図であって、サブユニットを上方にスライドさせた状態を示している。
【図17】図16の状態からサブユニットを後傾且つ後方に回動させたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図18】第3実施例のフットマッサージャーの通常状態を示す側面図である。
【図19】サブユニットを上方にスライドさせたフットマッサージャーの側面図である。
【図20】サブユニットを上方へスライド且つ後傾させたフットマッサージャーの側面図である。
【図21】図20のサブユニットを後方に回動させたフットマッサージャーの側面図である。
【図22】図21の状態から本体ユニットを後傾させたフットマッサージャーの側面図である。
【図23】サブユニットを支持する傾動機構を具えるスライド機構を示す分解斜視図である。
【図24】スライド機構の上フレームにサブユニットを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図25】スライド機構の傾動機構を示す拡大図である。
【図26】本体ユニットの斜視図であって、凹部の底面にヒータユニットを配設した実施例を示している。
【図27】ヒータユニットの拡大断面図である。
【図28】ヒータ取付部材の斜視図である。
【図29】本体ユニットの斜視図であって、凹部の底面にヒータユニットを配設した異なる実施例を示している。
【図30】ヒータユニットの拡大断面図である。
【図31】異なるヒータユニットの拡大断面図である。
【図32】さらに異なるヒータユニットの拡大断面図である。
【図33】ヒータユニットの斜視図である。
【図34】ヒータユニットの左側ヒータ及び取付部材(ヒータプレート)の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図3は、本発明の第1実施例のフットマッサージャー(10)、図4乃至図8は第2実施例のフットマッサージャー(10)を夫々示している。
フットマッサージャー(10)は、床面に載置されるベース(11)に本体ユニット(20)を具え、該本体ユニット(20)にサブユニット(40)を上下にスライド可能に配備して構成される。
【0015】
ベース(11)は、内部中空の樹脂製のベースケーシング(12)から形成され、上部に本体ユニット(20)を支持し、下面にて安定してフットマッサージャー(10)を床面に載置する。
【0016】
本体ユニット(20)は、ベース(11)の上部にリクライニング可能に配備又はベース(11)と一体に形成されている。
本体ユニット(20)は、図1、図6等に示すように、下側が前方に向けて突出し、後側が上向きに突出した形状の本体ケーシング(21)から構成され、該本体ケーシング(21)には、前面及び上面が開口した左右一対の凹部(22)(22)を有する。凹部(22)(22)には、被施療者の足先とふくらはぎが挿入される。
本体ユニット(20)の凹部(22)(22)には、底面(23)、後面(24)、内側面(25)及び/又は外側面(26)にエアバッグ等のマッサージ手段(足裏用のマッサージ手段を符号(30)にて図9及び図10に示す)を具える。
【0017】
サブユニット(40)は、本体ユニット(20)の上端に、後述するスライド機構(60)により上下にスライド可能に配備される。
サブユニット(40)は、図1、図6等に示すように、サブケーシング(41)を有しており、該サブケーシング(41)には、左右一対の凹部(42)(42)が形成されている。凹部(42)(42)の内面には、エアバッグ等のサブマッサージ手段(図示せず)が配備される。
【0018】
上記本体ユニット(20)とサブユニット(40)をスライド可能に連繋するスライド機構(60)は、図1乃至図8に示すように、先端がサブユニット(40)に連繋され、基端が本体ユニット(20)にスライド可能、望ましくは、スライド可能且つ位置決め可能なスライド機構(60)(アーム(61))により構成することができる。
本発明の図4乃至図8に示す第2実施例では、図8に示すように、サブユニット(40)は、さらにアーム(61)に前後方向に平行な面内で回動可能となっている。
なお、スライド機構(60)の具体例は後述する。
【0019】
サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下にスライド可能とすることで、図9に示すように、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の高さを調整することができる。
【0020】
例えば、被施療者の脚が短い場合には、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に最も接近させた状態で使用することにより(図1乃至図4参照)、被施療者の膝関節の周囲のマッサージを行なうことができ、又、サブユニット(40)を後方に回動させることで、図9(a)に示すように、被施療者の大腿にサブユニット(40)を位置合わせしてマッサージを施すことができる。
【0021】
また、被施療者の脚が長い場合には、サブユニット(40)を上方に引き上げることで、アーム(61)が本体ユニット(20)に対して上方にスライドし(図6及び図7参照)、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上方に移動させることができる。これにより、被施療者の膝関節の周囲のマッサージを行ない、又、図8、図9(a)に示すようにサブユニット(40)を後方に回動させることで、被施療者の大腿にサブユニット(40)を位置合わせしてマッサージを施すことができる。
【0022】
図10は、本体ユニット(20)をベース(11)に対して後方にリクライニングさせた状態を示している。図10に示すように、本体ユニット(20)をリクライニングさせることで、被施療者は寝転んだ状態でマッサージを受けることができる。
図10(a)は、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して最も接近させた状態であり、脚の短い被施療者に好適にマッサージを施すことができる。
図10(b)は、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して離間する方向にスライドさせた状態であり、脚の長い被施療者に好適にマッサージを施すことができる。
【0023】
図11乃至図14は、スライド機構(60)の一実施例を示している。
図11及び図12は、スライド機構(60)を最も短くした状態、即ち、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して最も接近させた状態を示しており、図13は、スライド機構(60)の分解斜視図、図14は、スライド機構(60)を伸長した状態、即ち、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して離間させる方向に移動させた状態を示している。
【0024】
図に示すように、スライド機構(60)は、本体ケーシング(21)から突設された上下一対の立上壁(62)(62)に配備される。立上壁(62)(62)には、開口が形成されており、該開口には、外側から摺動スリーブ(63)(63)が夫々嵌め込まれている。立上壁(62)(62)の開口は、上下の開口の中心を結ぶ線が本体ケーシング(21)の凹部(22)の後面(24)と略平行(図4の線α)となるように開設されている。
【0025】
摺動スリーブ(63)(63)には、図11及び図13に示すように、金属製のボール(64)を突出する方向にスプリング(65)により付勢したボール収容室(66)を有し、摺動スリーブ(63)(63)のボール収容室(66)の外側には、コ字状のスリット(67)が形成されている。
【0026】
両摺動スリーブ(63)(63)のスリット(67)には、コ字状のスライドフレーム(68)がスライド可能に挿入されている。
スライドフレーム(68)には、複数の位置決め用孔(68a)(68a)が開設されており、該位置決め用孔(68a)は、スライドフレーム(68)を摺動スリーブ(63)に嵌めたときにボール(64)が嵌合可能となっている。
【0027】
ボール(64)がスプリング(65)により付勢されて、位置決め用孔(68a)に嵌まっている状態では、スライドフレーム(68)は、摺動スリーブ(63)に対して位置決めされているが、被施療者が後述のとおり、サブユニット(40)を上方に引き上げたり、下方に押し下げることで、スライドフレーム(68)が移動しようとすると、ボール(64)がスプリング(65)の付勢力に抗して位置決め用孔(68a)から外れる方向に後退し、スライドフレーム(68)が移動可能となる。
スライドフレーム(68)が移動して、隣りの位置決め用孔(68a)にボール(64)が対向すると、スプリング(65)の付勢力により、ボール(64)が前記隣りの位置決め用孔(68a)に嵌まる。
これにより、スライドフレーム(68)は、摺動スリーブ(63)に対してスライド可能且つ位置決め可能となる。
【0028】
スライドフレーム(68)には、図11及び図14に示すように、フレームカバー(69)が被せられており、アーム(61)を形成している。
【0029】
アーム(61)(スライドフレーム(68))の先端には、サブユニット(40)が取り付けられており、アーム(61)の上下スライドと一体に、サブユニット(40)が上下に移動する。
【0030】
本発明の第2実施例では、サブユニット(40)のサブケーシング(41)は、スライドフレーム(68)の先端に枢支された枢軸(47)を有し、アーム(61)に対してサブユニット(40)を回動可能としている。
【0031】
アーム(61)とサブユニット(40)は、スライドフレーム(68)と枢軸(47)との間にラチェット機構等を配備することで、サブユニット(40)をアーム(61)に対して回動可能且つ位置決め可能とすることが望ましい。
【0032】
上述したとおり、アーム(61)は、本体ユニット(20)にスライド可能且つ位置決め可能に連繋され、サブユニット(40)は、アーム(61)と一体に上下移動可能に連繋されるから、被施療者がサブユニット(40)を上方に引き上げることで、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に対して上方に離間して位置決めされ、サブユニット(40)を下方に押し下げることで、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に対して接近して位置決めされる。
【0033】
従って、図9及び図10を用いて説明したように、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の高さを調節することができ、被施療者の所望する大腿の患部に好適なマッサージを施すことができる。
【0034】
また、サブユニット(40)をアーム(61)に対して回動可能とすることで、サブユニット(40)の施療範囲を広くすることができる。例えば、サブユニット(40)を後方へ回動するほど、大腿の腰(臀部)寄りをマッサージすることができる。
【0035】
上記では、アーム(61)を本体ユニット(20)の凹部(22)の後面(24)と略平行とし(図3の線α)、サブユニット(40)を高さ調節可能としているが、図15(a)に示すように、アーム(61)のスライド方向を本体ユニット(20)の凹部(22)の後面(24)よりも後傾させてもよい(図15(a)のβ)。
これにより、図15(a)〜図15(c)に示すように脚の長さの異なる被施療者が、脚の長さに応じてサブユニット(40)を上方に引き上げたときに、サブユニット(40)を被施療者の臀部側に移動させることができ、結果的に適切な位置でのマッサージを施すことができ、大腿へのマッサージ効果を高めることができる。
【0036】
サブユニット(40)のスライド方向が、凹部(22)の後面(24)と略平行であると、サブユニット(40)を引き上げたときに、図15(c)で点線γで示すように、サブユニット(40)がやや前方に寄りすぎて大腿から外れてしまう。大腿からサブユニット(40)が外れないようにするには、サブユニット(40)を後方へ回動させる必要がある。しかしながら、スライド方向を図15(a)のβのように後傾させれば、そのようなことはない。
【0037】
上述のとおり、本発明のフットマッサージャー(10)によれば、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下動可能としたことで、被施療者の脚の長さに応じてサブユニット(40)を高さ調節することができ、マッサージ効果を高めることができる利点がある。
【0038】
図16乃至図25は、第3実施例のフットマッサージャー(10)を示している。
第3実施例では、本体ユニット(20)とサブユニット(40)を連繋するスライド機構(60)を上下方向に高さ調節できるだけでなく、前後方向に傾動可能としたものである。
【0039】
サブユニット(40)は、図16及び図17に示すように、本体ユニット(20)に対して、スライド機構(60)を介して連繋されている。スライド機構(60)は、サブユニット(40)を上下方向に高さ調節可能且つ回動可能に支持している。また、スライド機構(60)は、本体ケーシング(21)の後面に形成された凹部(21a)に下端が軸支(77)され(図25参照)、凹部(21a)から後方に向けて出没可能とする傾動機構を具え、本体ユニット(20)に対して前後方向に傾動可能となっている。なお、傾動機構を具えたスライド機構(60)の具体的な一構成例を、図23乃至図25を用いて後で説明する。
【0040】
図18乃至図21は、第3実施例のフットマッサージャー(10)のサブユニット(40)の上下方向の高さ調節と前後方向の傾動動作を示す図である。
図18に示すように、通常状態(初期状態)のフットマッサージャー(10)は、サブユニット(40)が本体ユニット(20)に接近している。この状態から、サブユニット(40)を上方に引き上げると、スライド機構(60)が伸長して、図16及び図19に示すように、サブユニット(40)が本体ユニット(20)に対して上方にスライドし、サブユニット(40)の高さを調節することができる。これによって、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の位置を調節することができ、被施療者の所望する高さ位置にて好適なマッサージを施すことができる。
【0041】
また、図19の状態からサブユニット(40)を後方に引くことで、スライド機構(60)は、図20に示す如く、本体ユニット(20)に対して後方に傾動する。これによって、被施療者の大腿に沿ってサブユニット(40)の位置を調節することができ、被施療者の所望する大腿の患部に対して好適なマッサージを施すことができる。
なお、必要に応じて、図17、図20及び図21に示すようにサブユニット(40)をスライド機構(60)に対して回動させることにより、サブユニット(40)の凹部(42)(42)を被施療者の大腿Lに対してフィットさせることができ、マッサージ効果を高めることができる。
【0042】
なお、図22に示すように、本体ユニット(20)をベース(11)に対して後方にリクライニングさせ、サブユニット(40)を高さ調節及び傾動させることで、被施療者は寝転んだ状態で、本体ユニット(20)及びサブユニット(40)により、所望の患部に好適なマッサージを受けることができる。
【0043】
図23及び図24は、傾動機構を具えたスライド機構(60)の分解斜視図を表わしている。図に示すように、スライド機構(60)は、サブユニット(40)が先端に回動可能に取り付けられる取付フレーム(70)と、該取付フレーム(70)に取り付けられる上フレーム(71)と、該上フレーム(71)がスライド可能に嵌まる下フレーム(75)から構成される。
【0044】
サブユニット(40)は、図24に示すように、サブユニット(40)の内部に挿入された左右一対の取付フレーム(70)(70)を有しており、該取付フレーム(70)(70)に上フレーム(71)が把持されている。取付フレーム(70)(70)は、断面略矩形のフレームであり、対向する面の略中央に長手方向に沿ってスリット(70a)(70a)が夫々開設されている。
なお、サブユニット(40)は、取付フレーム(70)に対して図示省略する回動機構を介して回動且つ位置決め可能に取り付けられており、必要に応じて、サブユニット(40)は、図17及び図20に示すように回動する。
【0045】
上フレーム(71)は、図23に示すように、後方に向けて開口したコ字状の左右2本の杆体(72)(72)を横杆(73)にて接続した略H型のフレームであり、杆体(72)(72)が上記取付フレーム(70)(70)に嵌まっている。
杆体(72)(72)のコ字状凹部には、図23に拡大して示すように、ローラ(74)(74)がローラ軸(74a)(74a)により転動可能に軸支されている。
【0046】
下フレーム(75)は、本体ユニット(20)に傾動可能に支持される略H型のフレームであり、左右2本の杆体(76)(76)を横杆(78)にて接続して構成される。
杆体(76)(76)の下端近傍には、図25に示すように、本体ユニット(20)に軸支(77)されている。
【0047】
下フレーム(75)の杆体(76)(76)は、取付フレーム(70)に取り付けられた上フレーム(71)のコ字状の杆体(72)(72)にスライド可能に嵌まる。下フレーム(75)を上フレーム(71)に取り付けたときに、下フレーム(75)の杆体(76)は、前面及び両側面が上フレーム(71)の杆体(72)に当接し、後面が取付フレーム(70)に当接するよう嵌まっている。
また、上フレーム(71)を下フレーム(75)に嵌めたときに、下フレーム(75)の横杆(78)は、取付フレーム(70)のスリット(70a)を通過可能となっている。
【0048】
下フレーム(75)を上フレーム(71)に嵌めた状態で、前記上フレーム(71)のローラ(74)は、下フレーム(75)の杆体(76)(76)の前面に押しつけられている。
図23の拡大図等に示すように、杆体(76)(76)の前面には、複数の凹み(76a)(76a)が形成されており、該凹み(76a)には、ローラ(74)の周面の一部が嵌まり込むことができるようになっている。
【0049】
ローラ(74)が凹み(76a)に嵌まり込むことで、無負荷の状態では、上フレーム(71)は、下フレーム(75)に対して位置決めされており、サブユニット(40)を本体ユニット(20)から遠ざかるように引っ張ったり、本体ユニット(20)に近づくように押し下げることで、ローラ(74)が回転して凹み(76a)から脱して杆体(76)上を転動し、上又は下方向に隣り合う他の凹み(76a)に嵌まり、位置決めされる。これによって、下フレーム(75)に対して上フレーム(71)は上下方向にスライドし、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下方向に高さ調節及び位置決めすることができる。
【0050】
サブユニット(40)の前後方向の傾動は、上記のとおり、軸支部分(77)を中心として行なわれる。このとき、サブユニット(40)を所望の位置で位置決めできるよう位置決め機構を有している。図25に示すように下フレーム(75)の軸支部分(77)よりも上方に、前方に向けて突設されたフランジ(79)から内向きに位置決め軸(79a)が突設されており、該位置決め軸(79a)は、本体ケーシング(21)の凹部(21a)の内側面に形成された下側に段部を有する位置決め溝(21b)に嵌まっている。
被施療者がサブユニット(40)を前方又は後方に傾動させると、位置決め軸(79a)が位置決め溝(21b)の段部を乗り越えて隣り合う段部に達し、傾動を止めると、位置決め軸(79a)は位置決め溝(21b)の段部間で位置決めされるから、サブユニット(40)を傾動方向に位置決めすることができる。
【0051】
上記構成の傾動機構を具えたスライド機構(60)を具備することにより、図18乃至図21を用いて説明したように、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して高さ調節及び傾動させることができるから、被施療者の大腿の広い範囲に好適なマッサージを施すことができる。
【0052】
図26乃至図34は、フットマッサージャー(10)にヒータユニット(80)を配設した実施例を示している。
特に冬場など、フットマッサージャー(10)が冷えた状態で、被施療者がフットマッサージャー(10)に脚を挿入すると、不快なだけでなく、筋肉が緊張し、マッサージ効果が十分に得られない。また、患部が冷えていると、血流が停滞し、血行促進効果も不十分となる。
【0053】
このため、フットマッサージャー(10)にヒータユニット(80)を配設することが望まれるが、ヒータユニット(80)は、消費電力を抑えて、より高効率にフットマッサージャー(10)を昇温させる必要がある。
【0054】
従来は、本体ユニット(20)の本体ケーシング(21)の底面(23)の裏側にヒータユニット(80)を配設していたが、本体ケーシング(21)が被施療者の足裏との間に介在しているため、効率が不十分であった。
【0055】
そこで、本発明では、本体ケーシング(21)の底面(23)の表側、即ち、被施療者の足裏と接する側にヒータユニット(80)を配設するようにした。
【0056】
図26は、本体ユニット(20)の斜視図である。図に示すように、本体ケーシング(21)の底面(23)には、ヒータユニット(80)のヒータ線(81)が前後方向に往復するように配備されている。
ヒータ線(81)は、図27及び図28に示すように、ヒータ線(81)の嵌まる凹み(83)と、本体ケーシング(21)に取り付け可能な爪(84)(84)を有するヒータ取付部材(82)により本体ケーシング(21)に取り付けられる。
ヒータ取付部材(82)は、ABS樹脂やポリプロピレン等から作製することができ、これら材料から作製することで、熱損失を小さくすることができる。ヒータ取付部材(82)は、凹部(22)の底面(23)を大きくカバーすることで、均熱効果を具備でき、局部的な昇温、過温を防止するようにしている。
また、ヒータ取付部材(82)は、ヒータ線(81)を上から覆っているので、ヒータ線(81)を外力から保護し、断線等を防止できる効果がある。
【0057】
ヒータ線(81)を本体ケーシング(21)の凹部(22)の底面(23)の表側に配設したことで、本体ユニット(20)を効率よく且つ急速に昇温させることができる。
なお、図27中、符号(28)は、本体ユニット(20)を覆う布製のカバーである。
また、必要に応じてサーミスタ等の温度センサを設置したり、温度センサとヒート線(81)を兼ねる電熱線を用いることもできる。
【0058】
図29乃至図34は、本体ケーシング(21)の底面(23)の表側に、ヒータ線(81)を内蔵したヒータユニット(80)を配備した異なる実施例である。
ヒータユニット(80)は、図に示すように、中央に略矩形の開口(91)が形成されたヒータプレート(92)にヒータ線(81)を収容している。ヒータプレート(92)の開口(91)には、例えば、足裏用のマッサージ手段(図示せず)が出没可能に配備できる。
【0059】
ヒータプレート(92)は、本体ケーシング(21)の底面(23)の凹みの深さに合わせて、図30乃至図32に示すように、ヒータプレート(92)の裏面周縁及び開口周縁から突設された枠(93)の高さを変えている。
【0060】
ヒータプレート(92)は、ABS樹脂やポリプロピレン等から作製することができ、ヒータプレート(92)は、本体ユニット(20)の凹部(22)の形状に適合し、隙間が生じないように密着した形状とすることが望ましい。これにより、熱の逃げを防止でき、効率を高めることができる。
【0061】
ヒータプレート(92)の裏面には、図30乃至図32及び図34に示すように、突条(94)を突設し、突条(94)(94)間又は突条(94)と枠(93)との間に、ヒータ線(81)が嵌まる凹み(95)が形成されている。
ヒータ線(81)は、ヒータプレート(92)の長手方向は二重に、また、前方(つま先側)は一重、後方(かかと側)にはヒータ線(81)が配設されないようにすることで、冷えやすいつま先側を温めるようにしている。また、長手方向は内側(土踏まず側)と外側で共に二重としているが、内側を二重、外側を三重にして、底面(23)に接触する面積の小さい土踏まず側のヒータ線(81)の本数を少なくし、外側のヒータ線(81)の本数を多くして、効果的に足裏を温めるようにしてもよい。
【0062】
本体ユニット(20)の左右の凹部(22)(22)には、図29及び図33に示すように、夫々ヒータユニット(80)(80)が配備され、図33に示すように、ヒータ線(81)は、左右のヒータユニット(80)(80)を通るように配設され、ヒータ線(81)の両端は、電源ユニット(図示せず)に接続され、通電を受けて昇温する。勿論、ヒータ線(81)への通電は、被施療者の操作やプログラム、タイマー動作などにより制御される。
【0063】
上記のように、ヒータユニット(80)をヒータ線(81)を内蔵したヒータプレート(92)により構成することで、ヒータ線(81)は被施療者の足裏に近接させることが可能となり、熱伝達効率の向上、省電力の効果を得られ、また、ヒータプレート(92)が全体的に昇温することで、均熱効果を具備して、局部的な昇温を防止でき、従来よりも温度勾配を小さくできるので、より制度の高い温度制御が可能となる。
また、本体ケーシング(21)への熱損失を抑えて、効率よく急速に昇温でき、マッサージ効果を可及的に高めることができる。
【0064】
なお、図31に示すように、本体ケーシング(21)の底面(23)の凹凸が大きい場合には、ヒータプレート(92)の枠(93)間に空気層が形成されるから、空気層によりヒータ線(81)から発せられた熱が本体ケーシング(21)に伝達することを防止できる。さらに、図32に示すように、ヒータプレート(92)の枠(93)間に断熱材(96)を挿入することで、本体ケーシング(21)への伝熱を防止でき、熱損失を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、サブユニットを本体ユニットに対して上下にスライド可能及び/又は前後に傾動可能とすることで、被施療者の患部に位置合わせしやすくし、マッサージ効果を高めることのできるフットマッサージャーとして有用である。
【符号の説明】
【0066】
(10) フットマッサージャー
(11) ベース
(20) 本体ユニット
(21) 本体ケーシング
(22) 凹部(本体ユニット)
(40) サブユニット
(41) サブケーシング
(42) 凹部(サブユニット)
(60) スライド機構
(61) アーム
(68) スライドフレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の脚部、具体的には、被施療者の膝から下と大腿をマッサージすることのできるフットマッサージャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の脚部をマッサージするフットマッサージャーが知られている。この種フットマッサージャーとして、被施療者のふくらはぎと足先(くるぶしより下)を挿入する左右一対の凹部を有し、該凹部にエアバッグ等のマッサージ手段を配備したものが提案されており、マッサージ手段を作動させることで、被施療者のふくらはぎと足先にマッサージを施す。
【0003】
また、被施療者のふくらはぎ及び足先に加えて、被施療者の大腿をマッサージできるようにしたフットマッサージャーも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のフットマッサージャーは、ふくらはぎ及び足先を挿入する本体ユニットと、該本体ユニットの上端に前後方向に平行な面内で回動可能に軸支されたサブユニットを有しており、サブユニットを前方に回動させたときには、膝関節の周囲のマッサージを施すことができ、後方にサブユニットを回動させたときには、大腿のマッサージを施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公告第201342077号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本体ユニットに対してサブユニットを単に前後に回動させるだけでは、大腿の希望する位置にサブユニットを位置合わせすることができず、効果の高いマッサージを施すことは困難であった。
また、例え、大腿にサブユニットを位置合わせできたとしても、サブユニットの回動可能範囲は軸支部分を中心とした円弧範囲に限られるため、大腿の膝に近い部分から股に近い部分までの広い範囲を自由に位置合わせしてマッサージすることはできなかった。
大腿の広い範囲をマッサージ可能とするには、サブユニットを大型化すればよいが、使い勝手が悪くなるばかりでなく、収納性の悪化、高コスト等の問題があり、商品化が困難であった。
【0006】
本発明の目的は、サブユニットを本体ユニットに対して上下に移動可能及び/又は前後に傾動可能とすることで、広い範囲にマッサージを施すことのできるフットマッサージャーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフットマッサージャーは、
被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングを有する本体ユニットと、
本体ケーシングに支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングに対してサブケーシングを上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構を有する。
【0008】
スライド機構は、サブケーシングを前後方向に平行な面内で回動可能に支持することが望ましい。
【0009】
スライド機構は、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後に平行な面内で傾動可能に支持する傾動機構を具えることがさらに望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフットマッサージャーによれば、スライド機構は、本体ユニットに対してサブユニットを上下方向にスライド可能に連繋しているから、被施療者の脚の長さに応じてサブユニットの位置合わせを行なうことができる。
従って、脚の長さが異なる被施療者に対しても、サブユニットを大腿に当ててマッサージすることができる。
【0011】
また、上記スライドによる高さ調節に加えて、サブユニットは、スライド機構に対して回動可能とすることで、大腿の所望の患部位置までサブユニットを移動させることができる。
従って、被施療者の大腿の所望の患部にサブユニットをフィットさせることができ、可及的に効果の高いマッサージを施すことができる。
【0012】
さらに、サブユニットをスライド機構に具備された傾動機構により、本体ユニットに対して前後に傾動可能とすることで、大腿の腰近くまでサブユニットの施療範囲を広げることができ、大腿の所望の患部にサブユニットをフィットさせることができ、可及的に効果の高いマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】同フットマッサージャーの正面図である。
【図3】同フットマッサージャーの側面図である。
【図4】本発明の第2実施例のフットマッサージャーを斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図4の線A−Aに沿う矢視断面図である。
【図6】サブユニットを本体ユニットに対して上方にスライド移動させた第2実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図7】図6のフットマッサージャーを斜め後方から見た斜視図である。
【図8】サブユニットを上方にスライド移動させ、さらに後方に回動させたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図9】(a)は小柄な被施療者、(b)は大柄な被施療者がフットマッサージャーによりマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図10】(a)は小柄な被施療者、(b)は大柄な被施療者が本体ユニットをリクライニングさせてマッサージを受けている状態を示す説明図である。
【図11】サブユニットを本体ユニットに接近させた状態におけるスライド機構の拡大図である。
【図12】図11の斜視図である。
【図13】スライド機構の分解斜視図である。
【図14】サブユニットを本体ユニットに対してスライドさせた状態におけるスライド機構の拡大図である。
【図15】(a)〜(c)は、サブユニットのスライド方向を後傾させたフットマッサージャーの説明図である。
【図16】本発明の第3実施例のフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図であって、サブユニットを上方にスライドさせた状態を示している。
【図17】図16の状態からサブユニットを後傾且つ後方に回動させたフットマッサージャーを斜め前方から見た斜視図である。
【図18】第3実施例のフットマッサージャーの通常状態を示す側面図である。
【図19】サブユニットを上方にスライドさせたフットマッサージャーの側面図である。
【図20】サブユニットを上方へスライド且つ後傾させたフットマッサージャーの側面図である。
【図21】図20のサブユニットを後方に回動させたフットマッサージャーの側面図である。
【図22】図21の状態から本体ユニットを後傾させたフットマッサージャーの側面図である。
【図23】サブユニットを支持する傾動機構を具えるスライド機構を示す分解斜視図である。
【図24】スライド機構の上フレームにサブユニットを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図25】スライド機構の傾動機構を示す拡大図である。
【図26】本体ユニットの斜視図であって、凹部の底面にヒータユニットを配設した実施例を示している。
【図27】ヒータユニットの拡大断面図である。
【図28】ヒータ取付部材の斜視図である。
【図29】本体ユニットの斜視図であって、凹部の底面にヒータユニットを配設した異なる実施例を示している。
【図30】ヒータユニットの拡大断面図である。
【図31】異なるヒータユニットの拡大断面図である。
【図32】さらに異なるヒータユニットの拡大断面図である。
【図33】ヒータユニットの斜視図である。
【図34】ヒータユニットの左側ヒータ及び取付部材(ヒータプレート)の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図3は、本発明の第1実施例のフットマッサージャー(10)、図4乃至図8は第2実施例のフットマッサージャー(10)を夫々示している。
フットマッサージャー(10)は、床面に載置されるベース(11)に本体ユニット(20)を具え、該本体ユニット(20)にサブユニット(40)を上下にスライド可能に配備して構成される。
【0015】
ベース(11)は、内部中空の樹脂製のベースケーシング(12)から形成され、上部に本体ユニット(20)を支持し、下面にて安定してフットマッサージャー(10)を床面に載置する。
【0016】
本体ユニット(20)は、ベース(11)の上部にリクライニング可能に配備又はベース(11)と一体に形成されている。
本体ユニット(20)は、図1、図6等に示すように、下側が前方に向けて突出し、後側が上向きに突出した形状の本体ケーシング(21)から構成され、該本体ケーシング(21)には、前面及び上面が開口した左右一対の凹部(22)(22)を有する。凹部(22)(22)には、被施療者の足先とふくらはぎが挿入される。
本体ユニット(20)の凹部(22)(22)には、底面(23)、後面(24)、内側面(25)及び/又は外側面(26)にエアバッグ等のマッサージ手段(足裏用のマッサージ手段を符号(30)にて図9及び図10に示す)を具える。
【0017】
サブユニット(40)は、本体ユニット(20)の上端に、後述するスライド機構(60)により上下にスライド可能に配備される。
サブユニット(40)は、図1、図6等に示すように、サブケーシング(41)を有しており、該サブケーシング(41)には、左右一対の凹部(42)(42)が形成されている。凹部(42)(42)の内面には、エアバッグ等のサブマッサージ手段(図示せず)が配備される。
【0018】
上記本体ユニット(20)とサブユニット(40)をスライド可能に連繋するスライド機構(60)は、図1乃至図8に示すように、先端がサブユニット(40)に連繋され、基端が本体ユニット(20)にスライド可能、望ましくは、スライド可能且つ位置決め可能なスライド機構(60)(アーム(61))により構成することができる。
本発明の図4乃至図8に示す第2実施例では、図8に示すように、サブユニット(40)は、さらにアーム(61)に前後方向に平行な面内で回動可能となっている。
なお、スライド機構(60)の具体例は後述する。
【0019】
サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下にスライド可能とすることで、図9に示すように、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の高さを調整することができる。
【0020】
例えば、被施療者の脚が短い場合には、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に最も接近させた状態で使用することにより(図1乃至図4参照)、被施療者の膝関節の周囲のマッサージを行なうことができ、又、サブユニット(40)を後方に回動させることで、図9(a)に示すように、被施療者の大腿にサブユニット(40)を位置合わせしてマッサージを施すことができる。
【0021】
また、被施療者の脚が長い場合には、サブユニット(40)を上方に引き上げることで、アーム(61)が本体ユニット(20)に対して上方にスライドし(図6及び図7参照)、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上方に移動させることができる。これにより、被施療者の膝関節の周囲のマッサージを行ない、又、図8、図9(a)に示すようにサブユニット(40)を後方に回動させることで、被施療者の大腿にサブユニット(40)を位置合わせしてマッサージを施すことができる。
【0022】
図10は、本体ユニット(20)をベース(11)に対して後方にリクライニングさせた状態を示している。図10に示すように、本体ユニット(20)をリクライニングさせることで、被施療者は寝転んだ状態でマッサージを受けることができる。
図10(a)は、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して最も接近させた状態であり、脚の短い被施療者に好適にマッサージを施すことができる。
図10(b)は、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して離間する方向にスライドさせた状態であり、脚の長い被施療者に好適にマッサージを施すことができる。
【0023】
図11乃至図14は、スライド機構(60)の一実施例を示している。
図11及び図12は、スライド機構(60)を最も短くした状態、即ち、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して最も接近させた状態を示しており、図13は、スライド機構(60)の分解斜視図、図14は、スライド機構(60)を伸長した状態、即ち、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して離間させる方向に移動させた状態を示している。
【0024】
図に示すように、スライド機構(60)は、本体ケーシング(21)から突設された上下一対の立上壁(62)(62)に配備される。立上壁(62)(62)には、開口が形成されており、該開口には、外側から摺動スリーブ(63)(63)が夫々嵌め込まれている。立上壁(62)(62)の開口は、上下の開口の中心を結ぶ線が本体ケーシング(21)の凹部(22)の後面(24)と略平行(図4の線α)となるように開設されている。
【0025】
摺動スリーブ(63)(63)には、図11及び図13に示すように、金属製のボール(64)を突出する方向にスプリング(65)により付勢したボール収容室(66)を有し、摺動スリーブ(63)(63)のボール収容室(66)の外側には、コ字状のスリット(67)が形成されている。
【0026】
両摺動スリーブ(63)(63)のスリット(67)には、コ字状のスライドフレーム(68)がスライド可能に挿入されている。
スライドフレーム(68)には、複数の位置決め用孔(68a)(68a)が開設されており、該位置決め用孔(68a)は、スライドフレーム(68)を摺動スリーブ(63)に嵌めたときにボール(64)が嵌合可能となっている。
【0027】
ボール(64)がスプリング(65)により付勢されて、位置決め用孔(68a)に嵌まっている状態では、スライドフレーム(68)は、摺動スリーブ(63)に対して位置決めされているが、被施療者が後述のとおり、サブユニット(40)を上方に引き上げたり、下方に押し下げることで、スライドフレーム(68)が移動しようとすると、ボール(64)がスプリング(65)の付勢力に抗して位置決め用孔(68a)から外れる方向に後退し、スライドフレーム(68)が移動可能となる。
スライドフレーム(68)が移動して、隣りの位置決め用孔(68a)にボール(64)が対向すると、スプリング(65)の付勢力により、ボール(64)が前記隣りの位置決め用孔(68a)に嵌まる。
これにより、スライドフレーム(68)は、摺動スリーブ(63)に対してスライド可能且つ位置決め可能となる。
【0028】
スライドフレーム(68)には、図11及び図14に示すように、フレームカバー(69)が被せられており、アーム(61)を形成している。
【0029】
アーム(61)(スライドフレーム(68))の先端には、サブユニット(40)が取り付けられており、アーム(61)の上下スライドと一体に、サブユニット(40)が上下に移動する。
【0030】
本発明の第2実施例では、サブユニット(40)のサブケーシング(41)は、スライドフレーム(68)の先端に枢支された枢軸(47)を有し、アーム(61)に対してサブユニット(40)を回動可能としている。
【0031】
アーム(61)とサブユニット(40)は、スライドフレーム(68)と枢軸(47)との間にラチェット機構等を配備することで、サブユニット(40)をアーム(61)に対して回動可能且つ位置決め可能とすることが望ましい。
【0032】
上述したとおり、アーム(61)は、本体ユニット(20)にスライド可能且つ位置決め可能に連繋され、サブユニット(40)は、アーム(61)と一体に上下移動可能に連繋されるから、被施療者がサブユニット(40)を上方に引き上げることで、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に対して上方に離間して位置決めされ、サブユニット(40)を下方に押し下げることで、サブユニット(40)は、本体ユニット(20)に対して接近して位置決めされる。
【0033】
従って、図9及び図10を用いて説明したように、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の高さを調節することができ、被施療者の所望する大腿の患部に好適なマッサージを施すことができる。
【0034】
また、サブユニット(40)をアーム(61)に対して回動可能とすることで、サブユニット(40)の施療範囲を広くすることができる。例えば、サブユニット(40)を後方へ回動するほど、大腿の腰(臀部)寄りをマッサージすることができる。
【0035】
上記では、アーム(61)を本体ユニット(20)の凹部(22)の後面(24)と略平行とし(図3の線α)、サブユニット(40)を高さ調節可能としているが、図15(a)に示すように、アーム(61)のスライド方向を本体ユニット(20)の凹部(22)の後面(24)よりも後傾させてもよい(図15(a)のβ)。
これにより、図15(a)〜図15(c)に示すように脚の長さの異なる被施療者が、脚の長さに応じてサブユニット(40)を上方に引き上げたときに、サブユニット(40)を被施療者の臀部側に移動させることができ、結果的に適切な位置でのマッサージを施すことができ、大腿へのマッサージ効果を高めることができる。
【0036】
サブユニット(40)のスライド方向が、凹部(22)の後面(24)と略平行であると、サブユニット(40)を引き上げたときに、図15(c)で点線γで示すように、サブユニット(40)がやや前方に寄りすぎて大腿から外れてしまう。大腿からサブユニット(40)が外れないようにするには、サブユニット(40)を後方へ回動させる必要がある。しかしながら、スライド方向を図15(a)のβのように後傾させれば、そのようなことはない。
【0037】
上述のとおり、本発明のフットマッサージャー(10)によれば、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下動可能としたことで、被施療者の脚の長さに応じてサブユニット(40)を高さ調節することができ、マッサージ効果を高めることができる利点がある。
【0038】
図16乃至図25は、第3実施例のフットマッサージャー(10)を示している。
第3実施例では、本体ユニット(20)とサブユニット(40)を連繋するスライド機構(60)を上下方向に高さ調節できるだけでなく、前後方向に傾動可能としたものである。
【0039】
サブユニット(40)は、図16及び図17に示すように、本体ユニット(20)に対して、スライド機構(60)を介して連繋されている。スライド機構(60)は、サブユニット(40)を上下方向に高さ調節可能且つ回動可能に支持している。また、スライド機構(60)は、本体ケーシング(21)の後面に形成された凹部(21a)に下端が軸支(77)され(図25参照)、凹部(21a)から後方に向けて出没可能とする傾動機構を具え、本体ユニット(20)に対して前後方向に傾動可能となっている。なお、傾動機構を具えたスライド機構(60)の具体的な一構成例を、図23乃至図25を用いて後で説明する。
【0040】
図18乃至図21は、第3実施例のフットマッサージャー(10)のサブユニット(40)の上下方向の高さ調節と前後方向の傾動動作を示す図である。
図18に示すように、通常状態(初期状態)のフットマッサージャー(10)は、サブユニット(40)が本体ユニット(20)に接近している。この状態から、サブユニット(40)を上方に引き上げると、スライド機構(60)が伸長して、図16及び図19に示すように、サブユニット(40)が本体ユニット(20)に対して上方にスライドし、サブユニット(40)の高さを調節することができる。これによって、被施療者の脚の長さに合わせて、サブユニット(40)の位置を調節することができ、被施療者の所望する高さ位置にて好適なマッサージを施すことができる。
【0041】
また、図19の状態からサブユニット(40)を後方に引くことで、スライド機構(60)は、図20に示す如く、本体ユニット(20)に対して後方に傾動する。これによって、被施療者の大腿に沿ってサブユニット(40)の位置を調節することができ、被施療者の所望する大腿の患部に対して好適なマッサージを施すことができる。
なお、必要に応じて、図17、図20及び図21に示すようにサブユニット(40)をスライド機構(60)に対して回動させることにより、サブユニット(40)の凹部(42)(42)を被施療者の大腿Lに対してフィットさせることができ、マッサージ効果を高めることができる。
【0042】
なお、図22に示すように、本体ユニット(20)をベース(11)に対して後方にリクライニングさせ、サブユニット(40)を高さ調節及び傾動させることで、被施療者は寝転んだ状態で、本体ユニット(20)及びサブユニット(40)により、所望の患部に好適なマッサージを受けることができる。
【0043】
図23及び図24は、傾動機構を具えたスライド機構(60)の分解斜視図を表わしている。図に示すように、スライド機構(60)は、サブユニット(40)が先端に回動可能に取り付けられる取付フレーム(70)と、該取付フレーム(70)に取り付けられる上フレーム(71)と、該上フレーム(71)がスライド可能に嵌まる下フレーム(75)から構成される。
【0044】
サブユニット(40)は、図24に示すように、サブユニット(40)の内部に挿入された左右一対の取付フレーム(70)(70)を有しており、該取付フレーム(70)(70)に上フレーム(71)が把持されている。取付フレーム(70)(70)は、断面略矩形のフレームであり、対向する面の略中央に長手方向に沿ってスリット(70a)(70a)が夫々開設されている。
なお、サブユニット(40)は、取付フレーム(70)に対して図示省略する回動機構を介して回動且つ位置決め可能に取り付けられており、必要に応じて、サブユニット(40)は、図17及び図20に示すように回動する。
【0045】
上フレーム(71)は、図23に示すように、後方に向けて開口したコ字状の左右2本の杆体(72)(72)を横杆(73)にて接続した略H型のフレームであり、杆体(72)(72)が上記取付フレーム(70)(70)に嵌まっている。
杆体(72)(72)のコ字状凹部には、図23に拡大して示すように、ローラ(74)(74)がローラ軸(74a)(74a)により転動可能に軸支されている。
【0046】
下フレーム(75)は、本体ユニット(20)に傾動可能に支持される略H型のフレームであり、左右2本の杆体(76)(76)を横杆(78)にて接続して構成される。
杆体(76)(76)の下端近傍には、図25に示すように、本体ユニット(20)に軸支(77)されている。
【0047】
下フレーム(75)の杆体(76)(76)は、取付フレーム(70)に取り付けられた上フレーム(71)のコ字状の杆体(72)(72)にスライド可能に嵌まる。下フレーム(75)を上フレーム(71)に取り付けたときに、下フレーム(75)の杆体(76)は、前面及び両側面が上フレーム(71)の杆体(72)に当接し、後面が取付フレーム(70)に当接するよう嵌まっている。
また、上フレーム(71)を下フレーム(75)に嵌めたときに、下フレーム(75)の横杆(78)は、取付フレーム(70)のスリット(70a)を通過可能となっている。
【0048】
下フレーム(75)を上フレーム(71)に嵌めた状態で、前記上フレーム(71)のローラ(74)は、下フレーム(75)の杆体(76)(76)の前面に押しつけられている。
図23の拡大図等に示すように、杆体(76)(76)の前面には、複数の凹み(76a)(76a)が形成されており、該凹み(76a)には、ローラ(74)の周面の一部が嵌まり込むことができるようになっている。
【0049】
ローラ(74)が凹み(76a)に嵌まり込むことで、無負荷の状態では、上フレーム(71)は、下フレーム(75)に対して位置決めされており、サブユニット(40)を本体ユニット(20)から遠ざかるように引っ張ったり、本体ユニット(20)に近づくように押し下げることで、ローラ(74)が回転して凹み(76a)から脱して杆体(76)上を転動し、上又は下方向に隣り合う他の凹み(76a)に嵌まり、位置決めされる。これによって、下フレーム(75)に対して上フレーム(71)は上下方向にスライドし、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して上下方向に高さ調節及び位置決めすることができる。
【0050】
サブユニット(40)の前後方向の傾動は、上記のとおり、軸支部分(77)を中心として行なわれる。このとき、サブユニット(40)を所望の位置で位置決めできるよう位置決め機構を有している。図25に示すように下フレーム(75)の軸支部分(77)よりも上方に、前方に向けて突設されたフランジ(79)から内向きに位置決め軸(79a)が突設されており、該位置決め軸(79a)は、本体ケーシング(21)の凹部(21a)の内側面に形成された下側に段部を有する位置決め溝(21b)に嵌まっている。
被施療者がサブユニット(40)を前方又は後方に傾動させると、位置決め軸(79a)が位置決め溝(21b)の段部を乗り越えて隣り合う段部に達し、傾動を止めると、位置決め軸(79a)は位置決め溝(21b)の段部間で位置決めされるから、サブユニット(40)を傾動方向に位置決めすることができる。
【0051】
上記構成の傾動機構を具えたスライド機構(60)を具備することにより、図18乃至図21を用いて説明したように、サブユニット(40)を本体ユニット(20)に対して高さ調節及び傾動させることができるから、被施療者の大腿の広い範囲に好適なマッサージを施すことができる。
【0052】
図26乃至図34は、フットマッサージャー(10)にヒータユニット(80)を配設した実施例を示している。
特に冬場など、フットマッサージャー(10)が冷えた状態で、被施療者がフットマッサージャー(10)に脚を挿入すると、不快なだけでなく、筋肉が緊張し、マッサージ効果が十分に得られない。また、患部が冷えていると、血流が停滞し、血行促進効果も不十分となる。
【0053】
このため、フットマッサージャー(10)にヒータユニット(80)を配設することが望まれるが、ヒータユニット(80)は、消費電力を抑えて、より高効率にフットマッサージャー(10)を昇温させる必要がある。
【0054】
従来は、本体ユニット(20)の本体ケーシング(21)の底面(23)の裏側にヒータユニット(80)を配設していたが、本体ケーシング(21)が被施療者の足裏との間に介在しているため、効率が不十分であった。
【0055】
そこで、本発明では、本体ケーシング(21)の底面(23)の表側、即ち、被施療者の足裏と接する側にヒータユニット(80)を配設するようにした。
【0056】
図26は、本体ユニット(20)の斜視図である。図に示すように、本体ケーシング(21)の底面(23)には、ヒータユニット(80)のヒータ線(81)が前後方向に往復するように配備されている。
ヒータ線(81)は、図27及び図28に示すように、ヒータ線(81)の嵌まる凹み(83)と、本体ケーシング(21)に取り付け可能な爪(84)(84)を有するヒータ取付部材(82)により本体ケーシング(21)に取り付けられる。
ヒータ取付部材(82)は、ABS樹脂やポリプロピレン等から作製することができ、これら材料から作製することで、熱損失を小さくすることができる。ヒータ取付部材(82)は、凹部(22)の底面(23)を大きくカバーすることで、均熱効果を具備でき、局部的な昇温、過温を防止するようにしている。
また、ヒータ取付部材(82)は、ヒータ線(81)を上から覆っているので、ヒータ線(81)を外力から保護し、断線等を防止できる効果がある。
【0057】
ヒータ線(81)を本体ケーシング(21)の凹部(22)の底面(23)の表側に配設したことで、本体ユニット(20)を効率よく且つ急速に昇温させることができる。
なお、図27中、符号(28)は、本体ユニット(20)を覆う布製のカバーである。
また、必要に応じてサーミスタ等の温度センサを設置したり、温度センサとヒート線(81)を兼ねる電熱線を用いることもできる。
【0058】
図29乃至図34は、本体ケーシング(21)の底面(23)の表側に、ヒータ線(81)を内蔵したヒータユニット(80)を配備した異なる実施例である。
ヒータユニット(80)は、図に示すように、中央に略矩形の開口(91)が形成されたヒータプレート(92)にヒータ線(81)を収容している。ヒータプレート(92)の開口(91)には、例えば、足裏用のマッサージ手段(図示せず)が出没可能に配備できる。
【0059】
ヒータプレート(92)は、本体ケーシング(21)の底面(23)の凹みの深さに合わせて、図30乃至図32に示すように、ヒータプレート(92)の裏面周縁及び開口周縁から突設された枠(93)の高さを変えている。
【0060】
ヒータプレート(92)は、ABS樹脂やポリプロピレン等から作製することができ、ヒータプレート(92)は、本体ユニット(20)の凹部(22)の形状に適合し、隙間が生じないように密着した形状とすることが望ましい。これにより、熱の逃げを防止でき、効率を高めることができる。
【0061】
ヒータプレート(92)の裏面には、図30乃至図32及び図34に示すように、突条(94)を突設し、突条(94)(94)間又は突条(94)と枠(93)との間に、ヒータ線(81)が嵌まる凹み(95)が形成されている。
ヒータ線(81)は、ヒータプレート(92)の長手方向は二重に、また、前方(つま先側)は一重、後方(かかと側)にはヒータ線(81)が配設されないようにすることで、冷えやすいつま先側を温めるようにしている。また、長手方向は内側(土踏まず側)と外側で共に二重としているが、内側を二重、外側を三重にして、底面(23)に接触する面積の小さい土踏まず側のヒータ線(81)の本数を少なくし、外側のヒータ線(81)の本数を多くして、効果的に足裏を温めるようにしてもよい。
【0062】
本体ユニット(20)の左右の凹部(22)(22)には、図29及び図33に示すように、夫々ヒータユニット(80)(80)が配備され、図33に示すように、ヒータ線(81)は、左右のヒータユニット(80)(80)を通るように配設され、ヒータ線(81)の両端は、電源ユニット(図示せず)に接続され、通電を受けて昇温する。勿論、ヒータ線(81)への通電は、被施療者の操作やプログラム、タイマー動作などにより制御される。
【0063】
上記のように、ヒータユニット(80)をヒータ線(81)を内蔵したヒータプレート(92)により構成することで、ヒータ線(81)は被施療者の足裏に近接させることが可能となり、熱伝達効率の向上、省電力の効果を得られ、また、ヒータプレート(92)が全体的に昇温することで、均熱効果を具備して、局部的な昇温を防止でき、従来よりも温度勾配を小さくできるので、より制度の高い温度制御が可能となる。
また、本体ケーシング(21)への熱損失を抑えて、効率よく急速に昇温でき、マッサージ効果を可及的に高めることができる。
【0064】
なお、図31に示すように、本体ケーシング(21)の底面(23)の凹凸が大きい場合には、ヒータプレート(92)の枠(93)間に空気層が形成されるから、空気層によりヒータ線(81)から発せられた熱が本体ケーシング(21)に伝達することを防止できる。さらに、図32に示すように、ヒータプレート(92)の枠(93)間に断熱材(96)を挿入することで、本体ケーシング(21)への伝熱を防止でき、熱損失を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、サブユニットを本体ユニットに対して上下にスライド可能及び/又は前後に傾動可能とすることで、被施療者の患部に位置合わせしやすくし、マッサージ効果を高めることのできるフットマッサージャーとして有用である。
【符号の説明】
【0066】
(10) フットマッサージャー
(11) ベース
(20) 本体ユニット
(21) 本体ケーシング
(22) 凹部(本体ユニット)
(40) サブユニット
(41) サブケーシング
(42) 凹部(サブユニット)
(60) スライド機構
(61) アーム
(68) スライドフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングを有する本体ユニットと、
本体ケーシングに支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングに対してサブケーシングを上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構を有することを特徴とするフットマッサージャー。
【請求項2】
スライド機構は、サブケーシングを前後方向に平行な面内で回動可能に支持する請求項1に記載のフットマッサージャー。
【請求項3】
スライド機構は、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後に平行な面内で傾動可能に支持する傾動機構を具える請求項1又は請求項2に記載のフットマッサージャー。
【請求項4】
床面に載置されるベースを有し、本体ケーシングは、ベースに対して、前後方向に平行な面内でリクライニングさせるリクライニング機構を介して接続される請求項1乃至請求項3の何れかに記載のフットマッサージャー。
【請求項1】
被施療者のふくらはぎ及び足先を挿入可能な左右一対の凹部の形成された本体ケーシングを有する本体ユニットと、
本体ケーシングに支持されるサブケーシングと、該サブケーシングに形成された左右一対の凹部を有するサブユニットと、
を具えたフットマッサージャーであって、
本体ケーシングに対してサブケーシングを上下方向にスライド可能に連繋するスライド機構を有することを特徴とするフットマッサージャー。
【請求項2】
スライド機構は、サブケーシングを前後方向に平行な面内で回動可能に支持する請求項1に記載のフットマッサージャー。
【請求項3】
スライド機構は、サブケーシングを本体ケーシングに対して前後に平行な面内で傾動可能に支持する傾動機構を具える請求項1又は請求項2に記載のフットマッサージャー。
【請求項4】
床面に載置されるベースを有し、本体ケーシングは、ベースに対して、前後方向に平行な面内でリクライニングさせるリクライニング機構を介して接続される請求項1乃至請求項3の何れかに記載のフットマッサージャー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2012−71093(P2012−71093A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266487(P2010−266487)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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