説明

フッ素アパタイトの製造方法

【課題】高い活性の可視光応答型光触媒が得られるように、ヒドロキシアパタイト粉体からフッ素アパタイトを製造する。
【解決手段】天然骨由来のヒドロキシアパタイトとしての骨灰を遊星ボールミルによりフッ素含有化合物と共粉砕する。これにより、例えばチタニアをさらに共粉砕すれば、フッ素アパタイト、チタンアパタイトおよび可視光型光触媒チタニアの3つの機能性材料の製造を、チタニアとアパタイトとを原料に、メカノケミカル反応の制御で単一の工程で達成し、さらにそれらをナノレベルで複合化した材料を得ることができる。また、廃棄物を原料に、有機溶媒、酸、アルカリ等の危険および有害な薬品を使用せずに簡便かつ安全にフッ素アパタイトを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素アパタイトの製造方法に関し、特にヒドロキシアパタイト粉体からのフッ素アパタイトの製造に適用して有効な技術である。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシアパタイト系ナノ粒子および多孔質体は、吸着剤等の環境浄化材料として広く用いられているが、耐酸性が低いため酸性雨にさらされる屋外等では使用できない。そのため、耐酸性の高いフッ素アパタイトが代替物として用いられる。フッ素アパタイトは例えば、種々のカルシウム化合物を前駆体としたアパタイト合成時に化学量論比に合うようにフッ化カルシウムを添加して得られる。
【0003】
また、良質なフッ素アパタイトを得るために、例えば特許文献1および2では、フッ化カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、さらにはリン酸水素カルシウム二水和物を原料としてメカノケミカル法でフッ素アパタイトを合成する方法が提案されている。
【0004】
特許文献3では、CaHPO4・2H2O粉末、CaCO3粉末およびCaF2粉末を、水懸濁状態で70℃以上に加温かつ保持して反応させる方法でフッ素アパタイトを合成する方法が提案されている。
【0005】
アパタイトのカルシウム原子がチタンに置き換わったチタンアパタイトは、光触媒として機能する。また、チタニアにフッ素と窒素がともにドープされた場合には、高い活性の可視光応答型光触媒となる。
【0006】
チタンアパタイトの合成方法としては、例えば特許文献4および5で、共沈法や含浸法によりチタンアパタイトを合成する方法が提案されている。また、窒素をドープするドープチタニアのメカノケミカル法による合成法としては、例えば特許文献6で、窒素と硫黄によるメカノケミカルドープ法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−85709号公報
【特許文献2】特開平5−85710号公報
【特許文献3】特開平9−40409号公報
【特許文献4】特開2007−252983号公報
【特許文献5】特開2007−260587号公報
【特許文献6】特開2004−243212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の提案は、原料とするのは水酸化カルシウムやリン酸カルシウム等のフッ素アパタイト前駆体であり、ヒドロキシアパタイトを原料とする合成方法ではない。つまり、既存のヒドロキシアパタイト、特に食肉からの産業廃棄物である生体骨に由来する天然骨由来アパタイトを原料とすることができず、溶媒や酸・アルカリ等の有害物質を使用する問題がある。
【0008】
また、特許文献4および5に記載の提案は、粒子の比表面積の増加を伴い得るようなメカノケミカル法による手法ではない。また、チタニアとアパタイトを単純に粉砕しただけでは、カルシウムとチタンによる置換(カチオン交換)は進行しない。さらに、特許文献6の提案は、チタニアへの窒素とフッ素がともにドープされることにより得られる方法ではない。
【0009】
本発明の目的は、高い活性の可視光応答型光触媒が得られるように、ヒドロキシアパタイト粉体からフッ素アパタイトを製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
すなわち、ヒドロキシアパタイト粉体をフッ素含有化合物と共粉砕する。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
すなわち、ヒドロキシアパタイト粉体をフッ素含有化合物と共粉砕する。
【0014】
つまり、ヒドロキシアパタイト粉体とフッ素含有化合物との共粉砕により、ヒドロキシアパタイト粉体からフッ素アパタイトを製造することができるので、例えばチタニアをさらに共粉砕すれば、高い活性の可視光応答型光触媒を得ることができる。
【0015】
また、ヒドロキシアパタイト粉体からフッ素アパタイトを製造することができるので、例えば天然骨等の廃棄物を原料に、有機溶媒、酸、アルカリ等の危険および有害な薬品を使用せずに簡便かつ安全に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施の形態であるフッ素アパタイトの製造方法では、天然骨由来のヒドロキシアパタイト粉体としての骨灰(エクセラ 焼成骨粉 平均粒径500nm)3gを遊星ボールミル(Fritch Premum mill P-7)を用い回転数800rpmでフッ素含有化合物とともに3時間共粉砕する。
【0017】
湿式粉砕の場合には粉砕時に蒸留水1mLを添加し、乾式粉砕の場合には添加しない。乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行う場合には、90分間乾式粉砕した後、蒸留水1mLを加えてさらに90分間湿式粉砕する。
【0018】
フッ素含有化合物は、化合物粉体を骨灰に対して10重量%(本形態で例では0.3g)添加して粉砕を行う。チタニアを添加する場合は、骨灰とチタニアとを任意の割合で共存させて粉砕する。回収した粉体は真空乾燥する。
【0019】
これにより、ヒドロキシアパタイト粉体からフッ素アパタイトが製造できる。得られたフッ素アパタイトは例えば、窒素吸着による吸脱着等温線の測定、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いた形態観察、EDX(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)による元素分析、真空拡散反射赤外分光(IR)スペクトルを用いた表面水酸基の分析などにより確認できる。
【0020】
粉砕方法としては、乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行うことが好ましい。IRスペクトルおよびBET法による比表面積によれば、乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行った場合には、高いF(フッ素原子)置換率を維持したまま、比表面積低下を押さえることができる。
【0021】
フッ素含有化合物としては、無機化合物として例えば、フッ化カルシウム(CaF2)、有機化合物として例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、トリフルオロアセトアミド(FAA)が挙げられる。
【0022】
これらのフッ素含有化合物の中でも、有機化合物が好ましい。IRスペクトルによれば、有機物であるPTFEやFAAではFの置換が速やかである。また、有機化合物は、焼成や洗浄により不純物となる未反応添加物や副生成物を簡単に除去できる点でも有利である。
【0023】
さらに、有機化合物の中でも、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、カテコール基およびピロガロール基の少なくともいずれかを有する有機化合物を用いると、上述したいずれの粉砕方法によっても、フッ素化合物を添加しない場合と比較して、得られた粒子のBET法による比表面積が増大するので、より好ましい。つまり、例示したフッ素含有化合物の中では、FAAが特に好ましい。
【0024】
骨灰とチタニアとFAAとを共粉砕すると、フッ素と窒素のアニオン交換(ドープ)が同時に起こり、カルシウムとチタンの置換をすることができる。このことは、例えば、アパタイト[002]面の格子定数の変化、UV-Visスペクトルに現れた600〜800nmの吸収により確認できる。また、UV-Visスペクトルの400〜500nm付近の吸収によれば、チタニアを可視光応答型光触媒にできるとともに、アパタイトとチタニアの粒子のナノレベルでの微細化および複合化が達成できる。
【0025】
共粉砕により得られたフッ素アパタイトとチタニアとの複合体のBET法による比表面積は最大で168m2/gまで増大し、1〜10nm程度のミクロ孔とメソ孔とを有する多孔質なアパタイト−可視光応答型光触媒チタニア複合粒子とすることができる。
【0026】
これにより、フッ素アパタイト、チタンアパタイトおよび可視光型光触媒チタニアの3つの機能性材料の製造を、チタニアとアパタイト、特に安価で大量廃棄されている天然骨を由来とするアパタイトを原料に、メカノケミカル反応の制御で単一の工程で達成し、さらにそれらをナノレベルで複合化した材料を得ることができる。
【0027】
このように、骨灰をフッ素含有化合物フッ素と共粉砕してフッ素アパタイトを製造し、さらにチタニアを共粉砕してアパタイト-可視光応答光触媒チタニア複合体を製造するに至ったのは、以下の知見が得られたからである。
【0028】
つまり、ヒドロキシアパタイト材料は、タンパク質、ウイルス、花粉、揮発性有機化合物(VOC)などの吸着剤として多く用いられる。吸着剤が効果的に機能するためには、大きな比表面積を有し、かつ大きな容積の細孔が形成されていることが必要である。特に、排気処理や空気清浄機などの流通空気下で吸着剤として用いるためには、直径数nmのミクロ孔およびメソ孔を有していることが好ましい。また、屋外での利用にはフッ素化による耐酸性の向上が望まれる。さらに、揮発性有機化合物(VOC)などの有害成分を除去および分解するためには、光触媒とのナノレベルでの複合化が望まれ、太陽光をエネルギー源とするためには可視光応答型光触媒との複合化が望まれる、という知見である。
【0029】
そして、これまで述べてきた廃棄骨を原料とした多孔質フッ素アパタイト、およびフッ素アパタイト-可視光応答型チタニア光触媒複合体では、合成ナノアパタイト以上の細孔容積を有することから、揮発性有機化合物(VOC)などの吸着剤として高い性能を発揮することができる。また、添加したチタニアは、フッ素と窒素のドープにより可視光応答型光触媒になる。さらに、フッ素アパタイトは耐酸性を獲得し、それ自体が光触媒として機能して揮発性有機化合物(VOC)などの有害成分を分解できるようになる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例によって、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されない。
(フッ素アパタイトの調製および性状分析)
【0031】
「発明を実施するための最良の形態」の欄で説明した条件で、骨灰を遊星ボールミルにより、フッ素含有化合物としてCaF2、PTFEまたはFAAを添加し、共粉砕してフッ素アパタイトをそれぞれ得た。なお、フッ素含有化合物を添加しないアパタイトも同様にして得た。また、乾式粉砕の代わりに湿式粉砕を行い、同様に4種のフッ素アパタイトおよびアパタイトをそれぞれ得た。さらに、乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行い、フッ素含有化合物として、CaFまたはFAAを添加したフッ素アパタイトを、同様にしてそれぞれ得るとともに、フッ素含有化合物を添加しないアパタイトも得た。これらのアパタイトを真空乾燥して性状分析用の試料を調製した。
【0032】
調製した試料について、EDXによる元素分析、IRスペクトルを用いた表面水酸基の分析、BET法による比表面積および平均細孔径の測定を行った。
(1)まず、乾式粉砕によりFAAと共粉砕し、500℃で焼成した試料のEDXによる元素分析を行った。結果を図1に示す。FAAは350℃付近で燃焼するため、図1より、粉砕および焼成後の試料から検出されたフッ素は、アパタイト構造中のものであることが分かる。つまり、フッ素アパタイトが得られていることが確認できた。
【0033】
(2)次に、乾式粉砕による場合および湿式粉砕による場合のそれぞれにおける、CaF2、FAA、PTFEを添加した試料と、乾式粉砕と湿式粉砕との双方による場合のFAAを添加した試料について、IRスペクトルを用いた表面水酸基の分析を行った。
【0034】
図2は乾式粉砕により調製した試料の結果であり、(a)はCaF2、(b)はFAA、(c)はPTFEを添加した試料のスペクトルを示す。図3は湿式粉砕により調製した試料の結果であり、(a)はCaF2、(b)はFAA、(c)はPTFEを添加した試料のスペクトルを示す。図4はFAAを添加した試料の結果であり、(a)は乾式粉砕によりFAAを添加して調製した試料、(b)は乾式粉砕と湿式粉砕との双方によりFAAを添加して調製した試料のスペクトルを示す。なお、図4(a)の試料は、乾式粉砕を1時間半のみ行って調製している。
【0035】
また、全試料についてBET法による比表面積の測定を行うとともに、この比表面積に基く平均細孔径を測定した。結果を表1および表2に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
図2〜図4の結果から、アパタイトの水酸基ピークのシフトと現象度合いとを指標に、フッ素(F)置換率を見積もったところ、湿式粉砕では約20%しかF置換が起こらないことが分かった。乾式粉砕ではほぼ100%近く円滑にF置換が進むが、表1に示したように比表面積の低下が顕著であった。一方、乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行うと、高いF置換率を維持したまま、表2に示したように比表面積の低下を押さえることができ、F置換率が高いことと、大きな比表面積を維持できることとの双方の点で有効であった。
【0039】
また、図2および図3の結果では、無機化合物のCaF2よりも有機化合物であるPTFEやFAAの方がFの置換が速やかであった。焼成や洗浄により不純物となる未反応添加物や副生成物を簡単に除去できる点も有機添加物を使用する利点となる。
【0040】
さらに、表1および表2に示したように、FAAを添加した場合には、フッ素含有化合物を添加しない場合と比較して、得られた粒子の比表面積は増大したが、CaF2やPTFEの場合は逆に減少することがあった。FAAを添加した場合には、一部表2に示したように、最終的に比表面積93m2/g、細孔容積0.17cm3/g、平均細孔径20nmのメソポーラス(多孔質)フッ素アパタイトを得ることができた。
【0041】
(フッ素アパタイト-可視光応答型チタニア光触媒複合体の性状分析)
(1)まず、骨灰(アパタイト)とチタニアとFAAとを乾式粉砕と湿式粉砕との双方を行って共粉砕して得た粒子について、アパタイト[002]面の格子定数の変化と、UV−Visスペクトルに現れた600〜800nmの吸収とを調べた。図5に格子定数の変化の結果を、図6にUV−Visスペクトルの結果を、それぞれ示す。
【0042】
なお、図5において、HAp−FAA−Cは共粉砕後に500℃で焼成した試料であり、NFTxApy−C(x、yは整数)はアパタイトの比率をx:yにし、共粉砕後に500℃で焼成した試料である。また、図6において、NFT−C500は共粉砕後に500℃で焼成した試料であり、NFTxApy−C(x、yは整数)はアパタイトの比率をx:yにし、共粉砕後に500℃で焼成した試料である。
【0043】
また、比較として、チタニアのみ、骨灰のみ、チタニアと骨灰とを共粉砕した試料についても、UV−Visスペクトルに現れた600〜800nmの吸収を調べた。結果を図7に示す。なお、図7において、(a)はチタニアと骨灰とを共粉砕した試料(TAp)、(b)はチタニア(TiO2)のみ、(c)は骨灰(Ap)のみのスペクトルである。
【0044】
図5〜図7の結果から、骨灰とチタニアとFAAとの共粉砕により、カルシウムとチタンの置換が起こっていることが確認された(Journal of Molecular Catalysis A: Chemical 267(2007) p.p79-85参照)。つまり、図7(a)に示したように、チタニアと骨灰のみを粉砕しただけでは600〜800nmの吸収はほとんど増加しないことから、カルシウムとチタンの置換がメカノケミカル法で進行するためには、フッ素や窒素のアニオン交換(ドープ)が同時に起こる必要があることが分かる。
【0045】
また、図6のUV−Visスペクトルの400〜500nm付近の吸収の増大より、チタニアが可視光応答光触媒となっていることが確認できた。同時に、アパタイトとチタニアの粒子のナノレベルでの微細化および複合化が達成できること明らかになった。
【0046】
(2)次に、共粉砕により得られたフッ素アパタイトとチタニアとの複合体のBET法による比表面積を行うとともに、比表面積に基く平均細孔径を測定した。チタニアとFAAとを共粉砕して得られた試料、骨灰とFAAとを共粉砕して得られた試料についても、同様にして比表面積と平均細孔径を測定した。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
表3に示したように、得られたフッ素アパタイトとチタニアとの複合体の比表面積は、骨灰やチタニアを個々に粉砕した場合に達成できる比表面積の約2倍である168m2/gまで増大した。また、平均細孔径10nmのミクロ孔とメソ孔とを有し、細孔容積0.218cm3/g(表3には掲載せず)の多孔質なアパタイト−可視光応答型光触媒チタニア複合粒子であることが明らかになった。このような複合体が得られたのは、チタニアのナノ研磨剤としての効果と、メカノケミカルなイオン交換反応とがナノ粒子化に効果的に寄与したためと考えられる。
【0049】
(3)最後に、得られたフッ素アパタイトとチタニアとの複合体について、SEMを用いて形態観察をした。図8に複合体のSEM像の1700倍の拡大写真、図9に複合体の22000倍の拡大写真を示す。
【0050】
図8では数μmの球状粒子が観測されたが、これらの球状粒子を図9に示したように拡大すると、さらに細かいナノ粒子の集合体であることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、ヒドロキシアパタイト粉体からのフッ素アパタイトの製造に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】乾式粉砕によりFAAと共粉砕し、焼成した試料のEDXによる元素分析の結果を示すグラフである。
【図2】乾式粉砕により調製した試料のIRスペクトルを示すグラフであり、(a)はCaF2、(b)はFAA、(c)はPTFEを添加した試料のスペクトルを示す。
【図3】湿式粉砕により調製した試料のIRスペクトルを示すグラフであり、(a)はCaF2、(b)はFAA、(c)はPTFEを添加した試料のスペクトルを示す。
【図4】FAAを添加した試料のIRスペクトルを示すグラフであり、(a)は乾式粉砕によりFAAを添加して調製した試料、(b)は乾式粉砕と湿式粉砕との双方によりFAAを添加して調製した試料のスペクトルを示す。
【図5】格子定数の変化の結果を示すグラフである。
【図6】骨灰とチタニアとFAAとを共粉砕して得た粒子のUV−Visスペクトルの結果を示すグラフである。
【図7】UV−Visスペクトルの結果を示すグラフであり、(a)はチタニアと骨灰とを共粉砕した試料(TAp)、(b)はチタニア(TiO2)のみ、(c)は骨灰(Ap)のみのスペクトルである。
【図8】フッ素アパタイトとチタニアとの複合体のSEM像の1700倍の拡大写真である。
【図9】フッ素アパタイトとチタニアとの複合体のSEM像の22000倍の拡大写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシアパタイト粉体をフッ素含有化合物と共粉砕することを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、前記ヒドロキシアパタイト粉体として天然骨を焼成して得られたアパタイトを用いることを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、前記フッ素含有化合物が、有機化合物であることを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、前記有機化合物が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、カテコール基およびピロガロール基の少なくともいずれかを有することを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、前記有機化合物が、トリフルオロアセトアミドであることを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、前記アパタイト粉体の粉砕時にチタニアを添加することを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のフッ素アパタイトの製造方法において、研磨剤を添加することを特徴とするフッ素アパタイトの製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−89040(P2010−89040A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263687(P2008−263687)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】