説明

フッ素ポリマー積層体の製造方法、それにより得られるフッ素ポリマー積層体、及び、非フッ素ゴム組成物

【課題】燃料低透過性、耐低温脆化性に優れ、フッ素ポリマー層と非フッ素ゴム層との接着性に優れたフッ素ポリマー積層体の製造方法、それにより得られるフッ素ポリマー積層体、及び、非フッ素ゴム組成物を提供する。
【解決手段】フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層する工程を有するフッ素ポリマー積層体の製造方法であって、
上記フッ素ポリマー層(A)は、フッ素ポリマー及び架橋剤を含むフッ素ポリマー組成物により形成されるものであり、
上記非フッ素ゴム層(B)は、非フッ素ゴム及び接着用配合剤を含む非フッ素ゴム組成物により形成されるものであり、
上記接着用配合剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種であるフッ素ポリマー積層体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素ポリマー積層体の製造方法、それにより得られるフッ素ポリマー積層体、及び、非フッ素ゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素ゴムは、優れた耐薬品性、耐溶剤性及び耐熱性を示すことから、自動車工業、半導体工業、化学工業等の各種分野において広く使用されており、例えば、自動車産業においては、エンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置等のホース、シール材等として使用されている。しかし、近年の環境規制に伴い、これらのフッ素ゴムからなる材料にも耐老化性、耐候性、加工性、耐油性、耐燃料油性、燃料低透過性等の諸特性においてよりいっそう厳しい要求がされているのが現状である。
【0003】
フッ素ゴムは、前述のような優れた諸特性を示すものの、その価格が通常のゴム材料と比較して非常に高価であり、フッ素ゴムのみでホース等の材料を作ることはコストの点で問題があった。また、従来、燃料輸送用ホースとして用いられていた、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムは、耐熱性、耐油性、耐老化性等の諸特性の点でフッ素ゴムに劣るものであり、その改善が要求されていた。
【0004】
そこで、フッ素ゴムを内層として薄く使用し、外層としてはエピクロロヒドリンゴム等の非フッ素ゴムからなるホース類が開発されている(特許文献1参照)。しかしながら、フッ素ゴム層とエピクロロヒドリンゴム等の非フッ素ゴム層との接着性は乏しく、実用上問題があった。
【0005】
フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層との接着性を改善するため、非フッ素ゴム層に接着用配合剤として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン塩(DBU塩)を配合する方法や、非フッ素ゴム層にエポキシ樹脂を配合する方法等も検討されてきた。しかしながら、これらの方法を用いても、充分な接着性を付与することはできなかった。
【0006】
さらに、非フッ素ゴム層にN,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン等のアミン化合物を配合する方法も検討されている。しかしながら、このようなアミン化合物を配合すると、架橋時の臭気や発泡の原因となり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/082843号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、燃料低透過性、耐低温脆化性に優れ、フッ素ポリマー層と非フッ素ゴム層との接着性に優れたフッ素ポリマー積層体の製造方法、それにより得られるフッ素ポリマー積層体、及び、非フッ素ゴム組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層する工程を有するフッ素ポリマー積層体の製造方法であって、
上記フッ素ポリマー層(A)は、フッ素ポリマー及び架橋剤を含むフッ素ポリマー組成物により形成されるものであり、
上記非フッ素ゴム層(B)は、非フッ素ゴム及び接着用配合剤を含む非フッ素ゴム組成物により形成されるものであり、
上記接着用配合剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とするフッ素ポリマー積層体の製造方法に関する。
上記フッ素ポリマーは、フッ素ゴムであってもよい。
上記フッ素ポリマーは、フッ素樹脂及びフッ素ゴムを含み、
上記フッ素ゴムは、上記フッ素樹脂及び架橋剤の存在下に、上記フッ素樹脂の溶融条件下にて動的に架橋処理したものであってもよい。
上記置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールは、2−メチルイミダゾールであることが好ましい。
【0010】
接着用配合剤は、配合量が非フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
上記非フッ素ゴム組成物は、さらにエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記非フッ素ゴム組成物は、さらに8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリドを含むとが好ましい。
上記非フッ素ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物であることが好ましい。
上記フッ素ゴムは、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び/又はフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体であることが好ましい。
上記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体及びポリビニリデンフルオライドからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0011】
上記フッ素ポリマー積層体の製造方法は、さらに、フッ素ポリマー層(A1)及び非フッ素ゴム層(B1)のうち少なくとも一層を積層する工程を有することが好ましい。
上記非フッ素ゴム層(B1)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、並びに、α,β−不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム及びその水素化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む非フッ素ゴム組成物(B1)により形成されるものであることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記フッ素ポリマー積層体の製造方法により得られたことを特徴とするフッ素ポリマー積層体でもある。
本発明は、非フッ素ゴム及び接着用配合剤を含む非フッ素ゴム組成物であって、
上記接着用配合剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、イミダゾール化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする非フッ素ゴム組成物でもある。
上記非フッ素ゴム組成物は、さらに、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記非フッ素ゴム組成物は、さらに、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリドを含むことが好ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、非フッ素ゴムと接着用配合剤として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種とを含む非フッ素ゴム組成物により形成された非フッ素ゴム層(B)をフッ素ポリマー層(A)に積層することにより、フッ素ポリマーの優れた諸特性を示しつつ、架橋時の臭気や発泡を引き起こすことなく、良好な接着性を有するフッ素ポリマー積層体を得ることができるフッ素ポリマー積層体の製造方法である。
【0014】
すなわち、従来接着用配合剤として使用されてきた8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(DBU−B)等のDBU塩又はアミン化合物ではなく、DBUのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種を配合することにより、本発明の効果を得ることができるものである。
【0015】
非フッ素ゴム組成物
上記非フッ素ゴム組成物は、非フッ素ゴムと少なくとも一種の接着用配合剤とを含むものである。上記接着用配合剤としては、上述の化合物を複数組み合わせて使用してもよい。
【0016】
上記置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールとしては特に限定されず、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等を挙げることができる。なかでも2−メチルイミダゾールが好ましい。
【0017】
上記接着用配合剤は、配合量が上記非フッ素ゴム組成物における非フッ素ゴム100質量部に対して、下限0.1質量部、上限20質量部の範囲内であることが好ましい。上記配合量が0.1質量部未満であると、充分な接着強度が得られないおそれがある。上記配合量が20質量部を超えると、それ以上の効果が得られず不経済であるばかりでなく、架橋特性や機械物性を低下させる可能性がある。
【0018】
上記接着用配合剤のうち、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールは、特に少ない配合量でも優れた効果を得ることができる。このため、上記置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールは、下限1質量部、上限10質量部であることがより好ましい。
【0019】
上記接着用配合剤のうち、上記DBUのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩のうち少なくとも一種は、下限1質量部、上限20質量部であることがより好ましい。
上記接着用配合剤として複数の化合物を使用する場合、その合計量が上記範囲内となることが好ましい。
【0020】
上記接着用配合剤は、後述のフッ素ポリマー組成物に含まれるフッ素ゴムの架橋系により選択されることが好ましい。具体的には、使用されるフッ素ゴムがポリオール架橋系である場合、DBUのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、フェノール塩及び置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールのうち少なくとも一種であることが好ましく、DBUのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩及び置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールのうち少なくとも一種であることがより好ましく、DBUのオルトフタル酸塩及び置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールのうち少なくとも一種であることが更に好ましい。
【0021】
また、上記フッ素ゴムがパーオキサイド架橋系である場合、DBUのオルトフタル酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェノール塩及び置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールのうち少なくとも一種であることが好ましく、DBUのオルトフタル酸塩及び置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールのうち少なくとも一種であることがより好ましい。
【0022】
上記非フッ素ゴム組成物は、さらに、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。上記エポキシ樹脂を含むことにより、接着性をさらに高めることができる。上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのうちビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、式(1):
【0023】
【化1】

【0024】
で表わされる化合物等があげられる。ここで、式(1)において、nは0.1〜3が好ましく、0.1〜0.5がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。nが0.1未満であると、フッ素ポリマー層(A)との接着力が低下する傾向がある。一方、nが3をこえると、粘度が高くなり、非フッ素ゴム組成物中での均一な分散が困難になる傾向がある。
【0025】
上記エポキシ樹脂の配合量は、非フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。エポキシ樹脂の配合量が0.1質量部未満であると、他材との接着力が低下する傾向がある。一方、エポキシ樹脂の配合量が20質量部をこえると、非フッ素ゴム層の機械物性が損なわれる傾向がある。
【0026】
上記非フッ素ゴム組成物は、上記接着用配合剤としてのDBU塩以外のDBU塩を含んでもよく、その種類は特に限定されず、例えば、炭酸塩、長鎖脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、フェノール樹脂塩、ノボラック樹脂塩等を挙げることができるが、なかでも8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)が特に好ましい。上記DBU−Bは、配合量が非フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
【0027】
上記非フッ素ゴムとしては特に限定されず、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、α,β−不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム及びその水素化物等を挙げることができる。これらの中でも、耐熱性、耐油性、耐候性、押し出し成型性の点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、及び、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物であることがより好ましい。
【0028】
上記非フッ素ゴム組成物は、さらに、架橋剤を含むことが好ましい。上記架橋剤としては、通常の非フッ素ゴム組成物に使用される架橋剤であれば特に限定されず、例えば、イオウ系架橋剤、パーオキサイド系架橋剤、ポリチオール系架橋剤、キノイド系架橋剤、樹脂系架橋剤、金属酸化物、ジアミン系架橋剤、ポリチオール類、2−メルカプトイミダゾリン等を挙げることができる。なかでも、パーオキサイド系架橋剤、イオウ系架橋剤等が接着特性の点から好ましい。上記イオウ系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物等を挙げることができる。
【0029】
非フッ素ゴム組成物中に配合される架橋剤の配合量としては、非フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。架橋剤が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
【0030】
また、上記非フッ素ゴム組成物は、さらに、その他必要に応じて受酸剤、補強剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤等の当該技術分野において常用される配合剤を添加することができる。
【0031】
上記非フッ素ゴム組成物は、非フッ素ゴム及び接着用配合剤、必要に応じて、エポキシ樹脂、DBU及びその他のDBU塩、並びに、その他の添加剤を、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得られる。上記ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機等を用いることができる。
上記非フッ素ゴム組成物も本発明の一つである。
【0032】
フッ素ポリマー組成物
本発明におけるフッ素ポリマー組成物は、フッ素ポリマー及び架橋剤を含むものである。上記フッ素ポリマーとしては特に限定されないが、フッ素ゴムを含むものであることが好ましい。
【0033】
上記フッ素ゴムとしては特に限定されないが、例えば、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム、ポリアミン架橋可能なフッ素ゴム等を挙げることができる。
上記パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子、臭素原子等を挙げることができる。
上記ポリオール架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。
上記架橋部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
【0034】
上記フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、VdF/TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)系フッ素ゴム、VdF/CTFE系フッ素ゴム等を挙げることができる。
【0035】
上記フッ素ゴムは、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF単位を含むフッ素ゴムであることが好ましく、VdF系フッ素ゴムがより好ましく、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴムがとくに好ましい。
上記フッ素ゴムは、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
【0036】
また、本発明に使用されるフッ素ゴムは、フッ素含有率64質量%以上のフッ素ゴムであることが好ましく、フッ素含有率66質量%以上のフッ素ゴムであることがより好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率が、64質量%未満であると耐薬品性、耐燃料油性、燃料透過性が劣る傾向がある。
【0037】
上記フッ素ポリマーは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含むものであってもよく、上記フッ素ゴムは、上記フッ素樹脂及び架橋剤の存在下、未架橋のフッ素ゴムを溶融条件下にて動的に架橋処理した架橋フッ素ゴムであってもよい。このように、上記フッ素ゴムを動的に架橋処理することにより、上記フッ素ポリマー組成物から形成されるフッ素ポリマー層(A)の柔軟性が向上することから好ましい。
【0038】
ここで、動的に架橋処理するとは、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、未架橋のフッ素ゴムを溶融混練と同時に動的に架橋させることをいう。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、二軸押出機等の押出機であることが好ましい。動的に架橋処理することで、フッ素樹脂と架橋フッ素ゴムの相構造を制御することができる。
【0039】
また、溶融条件下とは、フッ素樹脂が溶融する温度以上であることを意味する。好適な温度範囲はフッ素樹脂の融点や未架橋のフッ素ゴムのガラス転移温度により異なるが、120〜330℃であることが好ましく、130〜320℃であることがより好ましい。温度が、120℃未満であると、フッ素樹脂とフッ素ゴムの間の分散が粗大化する傾向があり、330℃をこえると、フッ素ゴムが熱劣化する傾向がある。
【0040】
得られたフッ素ポリマー組成物は、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造、またはフッ素樹脂と架橋フッ素ゴムが共連続を形成する構造を有することができるが、その中でも、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造を有することが好ましい。
【0041】
未架橋のフッ素ゴムが、分散当初マトリックスを形成していた場合でも、架橋反応の進行に伴い、未架橋のフッ素ゴムが架橋フッ素ゴムとなることで溶融粘度が上昇し、架橋フッ素ゴムが分散相になるか、またはフッ素樹脂との共連続構造を形成する。
【0042】
また、フッ素ポリマー組成物は、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造の一部に、フッ素樹脂と架橋フッ素ゴムとの共連続構造を含んでいても良い。
【0043】
このような構造を形成すると、優れた燃料バリア性、耐熱性、耐薬品性及び耐油性を示すフッ素ポリマー層(A)を得ることができる。上記架橋フッ素ゴムの平均分散粒子径は、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。平均分散粒子径が、0.01μm未満であると、流動性が低下する傾向があり、30μmをこえると、成形品の強度が低下する傾向がある。
【0044】
上記フッ素樹脂としては特に限定されないが、少なくとも1種の含フッ素エチレン性重合体を含むフッ素樹脂であることが、VdF系フッ素ゴムとの相溶性が良好な点から好ましい。上記含フッ素エチレン性重合体としては特に限定されず、例えば、少なくとも1種の含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位を有するものが好ましい。上記含フッ素エチレン性単量体としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、式(2):
CF=CF−R (2)
(式中、Rは、−CF又は−OR(Rは炭素原子数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表す。)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物等のパーフルオロオレフィン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル、式(3):
CH=CX(CF (3)
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは1〜10の整数を表す。)等のフルオロオレフィン等をあげることができる。
【0045】
上記含フッ素エチレン性重合体は、上記含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の構造単位を有してもよく、このような単量体としては、上記フルオロオレフィン、パーフルオロオレフィン以外の非フッ素エチレン性単量体を挙げることができる。上記非フッ素エチレン性単量体としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル類等を挙げることができる。ここで、アルキルビニルエーテルは、炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルをいう。
【0046】
これらの中でも、得られる積層体の燃料低透過性と耐寒性が良好な点から、つぎの含フッ素エチレン性重合体が好ましい。
(1)TFEとエチレンとからなるエチレン/TFE系共重合体(ETFE)
(2)TFEと式(2)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物とからなるTFE−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、又は、TFE/HFP系共重合体(FEP)
(3)TFE、VdF及び式(2)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるTFE/VdF/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、又は、TFE/HFP/VdF共重合体
(4)ポリビニリデンフルオライド(PVdF)
(5)CTFE−TFE共重合体、又は、CTFE、TFE及び式(2)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるCTFE/TFE/パーフルオロエチレン性不飽和化合物系共重合体
のいずれかであることが好ましく、(1)、(2)、(5)で表される含フッ素エチレン性重合体であることがより好ましい。
【0047】
次に(1)、(2)、(5)の好ましい含フッ素エチレン性重合体について説明する。
(1)ETFE
ETFEの場合、優れた燃料低透過性が発現する点で好ましい。TFE単位とエチレン単位との含有モル比は20:80〜90:10が好ましく、37:63〜85:15がより好ましく、38:62〜80:20が特に好ましい。また、第3成分を含有していてもよく、第3成分としてはTFE及びエチレンと共重合可能なものであればその種類は限定されない。第3成分としては、通常、下記式
CH=CX、CF=CFR、CF=CFOR、CH=C(R
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子、Rはエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す)
で示されるモノマーが用いられ、これらの中でも、CH=CXで示される含フッ素ビニルモノマーがより好ましく、Rの炭素数が1〜8のモノマーが特に好ましい。
【0048】
上記式で示される含フッ素ビニルモノマーの具体例としては、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、1,1,5−トリヒドロパーフルオロペンテン−1、1,1,7−トリヒドロパーフルオロへプテン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロブテン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロペン−1、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCFH)等を挙げることができる。
【0049】
上記第3成分の含有量は、含フッ素エチレン性重合体に対して0.1〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%がより好ましく、0.2〜4モル%が特に好ましい。
【0050】
(2)PFA又はFEP
PFA又はFEPの場合、とりわけ耐熱性が優れたものとなり、また優れた燃料低透過性が発現する点で好ましい。PFA又はFEPとしては特に限定されないが、TFE単位70〜99モル%と式(2)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位1〜30モル%からなる共重合体であることが好ましく、TFE単位80〜97モル%と式(2)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位3〜20モル%からなる共重合体であることがより好ましい。TFE単位が70モル%未満では機械物性が低下する傾向があり、99モル%をこえると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。また、TFE及び式(2)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなる含フッ素エチレン性重合体は、第3成分を含有していてもよく、第3成分としてはTFE及び式(2)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物と共重合可能なものであればその種類は限定されない。
【0051】
(5)CTFE−TFE共重合体、又は、CTFE/TFE/パーフルオロエチレン性不飽和化合物系共重合体
CTFE−TFE共重合体の場合、CTFE単位とTFE単位の含有モル比は、CTFE:TFE=2:98〜98:2であることが好ましく、5:95〜90:10であることがより好ましい。CTFE単位が2モル%未満であると燃料低透過性が悪化しまた溶融加工が困難になる傾向があり、98モル%をこえると成形時の耐熱性、耐薬品性が悪化する場合がある。また、パーフルオロエチレン性不飽和化合物を共重合することが好ましく、CTFE単位とTFE単位の合計に対して、パーフルオロエチレン性不飽和化合物単位は0.1〜10モル%であり、CTFE単位及びTFE単位は合計で90〜99.9モル%であることが好ましい。パーフルオロエチレン性不飽和化合物単位が0.1モル%未満であると成形性、耐環境応力割れ性及び耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%をこえると、燃料低透過性、耐熱性、機械特性、生産性等に劣る傾向にある。また、CTFE/TFE/パーフルオロエチレン性不飽和化合物系共重合体としては、パーフルオロエチレン性不飽和化合物が式(2)で示されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物であるCTFE/TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体がより好ましい。
【0052】
これらのうちETFEが、上記フッ素ゴムとして好ましく用いられるVdF系フッ素ゴムとの相溶性に特に優れる点から好ましい。
【0053】
上記含フッ素エチレン性重合体の融点は、120〜340℃であることが好ましく、150〜330℃であることがより好ましく、170〜320℃であることがさらに好ましい。含フッ素エチレン性重合体の融点が、120℃未満であると、フッ素ポリマー層(A)の架橋成形時にブリードアウトする傾向があり、340℃を超えると、VdF系フッ素ゴムとの混合が困難になる傾向がある。
【0054】
上記フッ素ポリマー組成物は、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)との接着性向上のため、少なくとも1種の多官能化合物を添加してもよい。上記多官能化合物とは、1つの分子中に同一又は異なる構造の2つ以上の官能基を有する化合物である。
【0055】
上記多官能化合物が有する官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アミド基、オレフィン基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基等、一般に反応性を有することが知られている官能基であれば任意に用いることができる。これらの官能基を有する化合物は、フッ素ゴムとの親和性が高いだけではなく、フッ素樹脂の上記官能基とも反応しさらに接着性が向上することが期待される。
【0056】
上記フッ素ポリマー組成物におけるフッ素ゴムとフッ素樹脂の質量割合は、3/97〜80/20(フッ素ゴム/フッ素樹脂)であることが好ましい。フッ素樹脂の質量割合が80/20(フッ素ゴム/フッ素樹脂)よりも小さくなると、燃料低透過性や耐低温脆化性の改善効果が小さくなり、一方、フッ素樹脂の質量割合が3/97よりも大きくなると、本来のゴム弾性が著しく損なわれ、圧縮永久歪みが著しく悪化したり、硬度が著しく高くなり、好ましくない。燃料低透過性、耐低温脆化性とゴム弾性をバランスよく向上させる点から、上記質量割合(フッ素ゴム/フッ素樹脂)は、5/95〜70/30がより好ましく、10/90〜50/50がさらに好ましい。
【0057】
上記フッ素ポリマー組成物は、さらに架橋剤を含むものである。上記架橋剤としては、配合するフッ素ゴムの架橋系により、適宜選択することができる。具体的には、パーオキサイド系架橋剤、ポリオール系架橋剤等を目的に応じて選択することができる。上記パーオキサイド系架橋剤としては特に限定されず、例えば、有機過酸化物を挙げることができる。上記有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生するものが好ましく、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を例示することができる。なかでも、ジアルキル化合物が好ましい。一般に、使用量は、活性−O−O−の量、分解温度等から適宜選択される。使用量は通常、フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であるが、好ましくは0.3〜5質量部である。
【0058】
有機過酸化物を架橋剤として使用する場合は、架橋助剤や共架橋剤を併用してもよい。上記架橋助剤又は共架橋剤としては特に限定されず、例えば、上述の架橋助剤及び共架橋剤を挙げることができる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
【0059】
上記架橋助剤や共架橋剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。架橋剤が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
【0060】
上記ポリオール系架橋剤としては特に限定されず、例えば、ポリヒドロキシ化合物、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては特に限定されず、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールA等を挙げることができる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。
【0061】
上記ポリオール系架橋剤としては、架橋フッ素ゴムの圧縮永久歪みが小さく、成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れることからポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましく、ビスフェノールAFがさらに好ましい。
【0062】
上記ポリオール架橋剤は、配合量がフッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部であることが好ましく、0.5〜6質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることがさらに好ましい。上記配合量が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
【0063】
また、ポリオール系架橋剤と併用して、架橋促進剤を用いてもよい。架橋促進剤を用いると、フッ素ゴム主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の形成を促進することにより架橋反応を促進することができる。
【0064】
本発明におけるフッ素ポリマー組成物は、必要に応じてフッ素ポリマー組成物中に配合される通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、受酸剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤等の各種添加剤を配合することができ、上述のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種又はそれ以上配合してもよい。
【0065】
本発明におけるフッ素ポリマー組成物は、フッ素ポリマー、架橋剤、並びに、必要に応じて架橋助剤、共架橋剤、架橋促進剤、充填材等のその他添加剤を、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得ることができる。上記ゴム混練り装置としては、前述のものを挙げることができる。
【0066】
本発明のフッ素ポリマー積層体の製造方法は、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層する工程を有するものである。上記積層する工程としては、次の方法を挙げることができる。
(1)架橋あるいは未架橋フッ素ポリマー層(A)と未架橋非フッ素ゴム層(B)とを架橋接着する方法。具体的には、フッ素ポリマー組成物と、非フッ素ゴム組成物を、押出機により2層同時押出し、又は2基の押出機により内側層上に外側層を押出しすることにより内側層と外側層からなる未架橋の積層体を押出機により押出して一体化し、ついで架橋接着させて製造する方法があげられる。
(2)架橋あるいは未架橋フッ素ポリマー層(A)と未架橋非フッ素ゴム層(B)を重ねた後、あるいはいずれか一方を架橋したのち他層を重ね、加圧架橋し積層する方法。
(3)架橋フッ素ポリマー層(A)と架橋非フッ素ゴム層(B)とを接着剤を用いて接着し積層する方法。
【0067】
上記接着剤としては、例えばジエン系重合体の酸無水物変性物;ポリオレフィンの酸無水物変性物;高分子パーオキサイド(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール化合物とアジピン酸等の二塩基酸とを重縮合して得られるポリエステルパーオキサイド;酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体の部分ケン化物等)とポリイソシアネート化合物(例えば1,6−ヘキサメチレングリコール等のグリコール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対2の反応生成物;トリメチロールプロパン等のトリオール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対3の反応生成物等)との混合物等の公知の接着剤が使用できる。
上記積層方法のうち、加工の自由度が高い点から、上記(1)の架橋接着法が好ましい。
【0068】
また架橋条件としては、使用する架橋剤等の種類により適宜決めればよいが、通常、150〜300℃の温度で、1分〜24時間加熱することで行う。
【0069】
また、架橋方法としては、スチーム架橋等通常用いられている方法はもちろんのこと、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、どのような条件下においても架橋反応を行うことができる。
【0070】
本発明のフッ素ポリマー積層体の製造方法は、さらに、フッ素ポリマー層(A1)を積層する工程を有するものであってもよく、さらに、非フッ素ゴム層(B1)を積層する工程を有するものであってもよい。このような製造方法としては、例えば、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層し、さらに非フッ素ゴム層(B)と接していないフッ素ポリマー層(A)の片面に非フッ素ゴム層(B1)を積層する製造方法(B−A−B1)、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層し、さらに非フッ素ゴム層(B)と接していないフッ素ポリマー層(A)の片面にフッ素ポリマー層(A1)を積層する製造方法(A1−A−B)、また、例えば、上記積層体(A1−A−B)にさらに非フッ素ゴム層(B1)を積層する行程を有してもよく、非フッ素ゴム層(B)にさらに非フッ素ゴム層(B1)を積層する製造方法(A1−A−B−B1)等を挙げることができる。
【0071】
上記フッ素ポリマー層(A1)及び非フッ素ゴム層(B1)を形成するフッ素ポリマー組成物及び非フッ素ゴム組成物としては特に限定されず、上記フッ素ポリマー層(A)及び非フッ素ゴム層(B)を形成するフッ素ポリマー組成物及び非フッ素ゴム組成物と同一であっても異なっていてもよいが、上述の条件を満たすものであることが好ましい。
上記フッ素ゴム層(A1)、及び/又は、非フッ素ゴム層(B1)を積層することにより、耐薬品性、燃料低透過性等を向上させることができる。
【0072】
本発明のフッ素ポリマー積層体の形成方法により得られるフッ素ポリマー積層体も本発明の一つである。
本発明の積層体は、燃料低透過性、耐低温脆化性、耐薬品性、耐油性、耐熱性を兼ね備える積層体であり、燃料周りのホースや容器、シール材等として有用であり、特には自動車のエンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置等の燃料輸送用ホース(チューブ)として有用なものである。
【0073】
燃料輸送用ホース(チューブ)は、チューブの最内層にフッ素ポリマー層(A)を、その外層に非フッ素ゴム層(B)を配置した積層構造を有するものであり、必要に応じて、フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)との間に接着剤層を介在させてもよい。
【発明の効果】
【0074】
本発明により、燃料低透過性、耐低温脆化性に優れ、特に工業用ホース、工業用チューブ、燃料用ホース、燃料チューブとして好適なフッ素ポリマー積層体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
各配合量は、質量部に基づくものである。
【0076】
また、表及び明細書中の各商品名は、それぞれ次に示すものである。
NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム、NIPOL 1041L 日本ゼオン(株)製)
パーオキサイド架橋系フッ素ゴム(ダイエルG902 ダイキン工業(株)製)
ポリオール架橋系フッ素ゴム(ダイエルG558 ダイキン工業(株)製)
SA102(U−CAT SA102、サンアプロ(株)製、DBUのオクチル酸塩)
SA106(U−CAT SA106、サンアプロ(株)製、DBUのオレイン酸塩)
SA1(U−CAT SA1、サンアプロ(株)製、DBUのフェノール塩)
SA506(U−CAT SA506、サンアプロ(株)製、DBUのトルエンスルホン酸塩)
SA810(U−CAT SA106、サンアプロ(株)製、DBUのオルトフタル酸塩)
DBU−B(8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド)
【0077】
エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製)
ZnO#1(堺化学工業(株)製)
フィラー(シリカ)(Nipsil VN3、東ソーシリカ(株)製)
オイル(Thiokol TP95、勝田化工(株)製)
老化防止剤(アンテージRD、川口化学工業(株)製)
WAX(サンワックス171P、三洋化成工業(株)製)
パークミルD(ジクミルパーオキサイド、日油(株)製)
パーヘキサ25B(ジアルキルパーオキサイド、日油(株)製)
【0078】
N990カーボンブラック(ThermaxMT N−990、Cancarb Ltd.製)
N770カーボンブラック(シーストS 東海カーボン(株)製)
Ca(OH)(カルディック2000、近江化学工業(株)製)
MgO(キョーワマグ150、協和化学工業(株)製)
BAPP(和歌山精化(株)製)
ETFE(EP610、ダイキン工業(株)製)
CTFE系共重合体(組成比CTFE/TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)=34.5/63.4/2.1、融点230℃)
【0079】
製造例1(未架橋非フッ素ゴムシートの調製)
表1の配合に従いNBR−A練り品をニーダーを用いて混練した。次に表2に従い、このNBR−A練り品に各種接着用配合剤、エポキシ樹脂を加え、オープンロールにて混練して非フッ素ゴム組成物1〜24を調製し、2.5mm厚で分出しを行い、未架橋非フッ素ゴムシート1〜24を得た。
【0080】
製造例2(未架橋フッ素ポリマーシートの調製)
表3の配合例に従いFKMの混練をオープンロールにて行いフッ素ポリマー組成物1(パーオキサイド架橋系)及び2(ポリオール架橋系)を調製し、同様に2.5mm厚で分出しを行い、未架橋フッ素ポリマーシート1及び2を得た。
【0081】
製造例3(フッ素樹脂含有フッ素ポリマーシート3の調製)
フッ素樹脂ETFEとフッ素ゴムフルコンパウンド(フッ素ゴムプレコンパウンド100質量部とMgO 3質量部を、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で25〜70℃で混練りしたもの。フッ素ゴムプレコンパウンドはポリオール架橋可能な3元フッ素ゴム(VdF/TFE/HFP=50/20/30モル%)100質量部、GP21(ビスフェノールAFとBTPPCの溶融混合物(質量比2対1))3質量部を加圧型ニーダーを100℃で混練りしたもの)をラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて混練した。混練するETFEとフッ素ゴムフルコンパウンドは、それらの合計体積が、ラボプラストミルの混練部全容積の77体積%となるように全量を調整し、ラボプラストミルの温度は、組成物に用いたEP610の融点(220℃)より40℃高い温度(260℃)に設定した。ラボプラストミルの温度が安定した後、ETFE、フッ素ゴムフルコンパウンドを質量比70/30で添加し、添加後即、撹拌数を80rpmに上昇させた。トルクが最大の値を示した時点(キュラストII型のT90に対応する)から、10分後まで撹拌し、ETFEとフッ素ゴムフルコンパウンド動的架橋組成物を得た。また、ヒートプレスによりこの組成物の0.5mm厚シート(フッ素ポリマーシート3)を作製した。
【0082】
製造例4(フッ素樹脂含有フッ素ポリマーシート4の調製)
フッ素樹脂であるCTFE系共重合体とフッ素ゴムフルコンパウンド(フッ素ゴムプレコンパウンド100質量部とMgO 3質量部を、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で25〜70℃で混練りしたもの。フッ素ゴムプレコンパウンドはポリアミン架橋可能な3元フッ素ゴム(VdF/TFE/HFP=50/20/30モル%)100質量部、BAPP 3質量部を加圧型ニーダーを100℃で混練りしたもの)をラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて混練した。混練するCTFE系共重合体とフッ素ゴムフルコンパウンドは、それらの合計体積が、ラボプラストミルの混練部全容積の77体積%となるように全量を調整し、ラボプラストミルの温度は300℃に設定した。ラボプラストミルの温度が安定した後、CTFE系共重合体、フッ素ゴムフルコンパウンドを質量比80/20で添加し、添加後即、撹拌数を80rpmに上昇させた。トルクが最大の値を示した時点(キュラストII型のT90に対応する)から、10分後まで撹拌し、CTFE系共重合体とフッ素ゴムフルコンパウンド動的架橋組成物を得た。また、ヒートプレスによりこの組成物の0.5mm厚シート(フッ素ポリマーシート4)を作製した。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
実施例及び比較例 (フッ素ゴムシートと非フッ素ゴムシートの接着)
未架橋フッ素ポリマーシート1及び2と、未架橋非フッ素ゴムシート1〜16とを重ね合わせて加熱した金型に挿入し、160℃で30分間加圧することで架橋を施しシート状の積層体を得た。得られた積層体を幅25mm×長さ100mmの短冊状に切断して試験片とし、23℃にて、50mm/分の剥離速度でT剥離試験を行い、接着強度を測定した。試験を3回行い、平均値を表4に示す。
【0087】
実施例及び比較例 (フッ素樹脂含有フッ素ポリマーシートと非フッ素ゴムシートの接着)
フッ素ポリマーシート3及び4と、未架橋非フッ素ゴムシート17〜24とを重ね合わせて加熱した金型に挿入し、170℃で20分間加圧することで架橋を施しシート状の積層体を得た。得られた積層体を幅10mm×長さ50mmの短冊状に切断して試験片とし、23℃にて、5mm/分の剥離速度でT剥離試験を行い、接着強度を測定した。試験を3回行い、平均値を表4に示す。
【0088】
【表4】

【0089】
本願の接着用配合剤を使用することにより、接着強度に優れた積層体を得ることができた。特に、フッ素ポリマーシート1(パーオキサイド架橋系)の場合、SA810、SA506、SA1、又は、2−メチルイミダゾールの配合量を増加すると高い効果が得られることがわかった。さらに、フッ素ポリマーシート2(ポリオール架橋系)の場合、SA810、SA102、SA1、又は、2−メチルイミダゾールの配合量を増加すると高い効果が得られることがわかった。また、フッ素ポリマーシート3及び4においても、本発明の接着用配合剤を使用することにより、良好な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の製造方法により得られるフッ素ポリマー積層体は、フッ素ポリマー層と非フッ素ゴム層との接着性に優れた積層体であるため、工業用ホース、工業用チューブ、燃料用ホース、燃料チューブとして好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素ポリマー層(A)と非フッ素ゴム層(B)とを積層する工程を有するフッ素ポリマー積層体の製造方法であって、
前記フッ素ポリマー層(A)は、フッ素ポリマー及び架橋剤を含むフッ素ポリマー組成物により形成されるものであり、
前記非フッ素ゴム層(B)は、非フッ素ゴム及び接着用配合剤を含む非フッ素ゴム組成物により形成されるものであり、
前記接着用配合剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種である
ことを特徴とするフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項2】
フッ素ポリマーは、フッ素ゴムである請求項1記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項3】
フッ素ポリマーは、フッ素樹脂及びフッ素ゴムを含み、
前記フッ素ゴムは、前記フッ素樹脂及び架橋剤の存在下に、前記フッ素樹脂の溶融条件下にて動的に架橋処理したものである請求項1記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項4】
置換基を有する又は置換基を有さないイミダゾールは、2−メチルイミダゾールである請求項1、2又は3記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項5】
接着用配合剤は、配合量が非フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項1、2、3又は4記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項6】
非フッ素ゴム組成物は、さらにエポキシ樹脂を含む請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項7】
非フッ素ゴム組成物は、さらに8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリドを含む請求項1、2、3、4、5又は6記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項8】
非フッ素ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項9】
フッ素ゴムは、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び/又はフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体である請求項2、3、4、5、6、7又は8記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項10】
フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体及びポリビニリデンフルオライドからなる群から選択される少なくとも一種である請求項3、4、5、6、7、8又は9記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項11】
さらに、フッ素ポリマー層(A1)及び非フッ素ゴム層(B1)のうち少なくとも一層を積層する工程を有する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項12】
非フッ素ゴム層(B1)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、並びに、α,β−不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム及びその水素化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む非フッ素ゴム組成物(B1)により形成されるものである請求項11記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のフッ素ポリマー積層体の製造方法により得られたことを特徴とするフッ素ポリマー積層体。
【請求項14】
非フッ素ゴム及び接着用配合剤を含む非フッ素ゴム組成物であって、
前記接着用配合剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのオルトフタル酸塩、オクチル酸塩、トルエンスルホン酸塩及びフェノール塩、並びに、イミダゾール化合物からなる群より選択される少なくとも一種である
ことを特徴とする非フッ素ゴム組成物。
【請求項15】
さらに、エポキシ樹脂を含む請求項14記載の非フッ素ゴム組成物。
【請求項16】
さらに、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリドを含む請求項14又は15記載の非フッ素ゴム組成物。

【公開番号】特開2011−116004(P2011−116004A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274524(P2009−274524)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】