説明

フッ素化アミノトリアゾール誘導体

【課題】炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、HIV−介在レトロウイルス感染、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害等の予防又は治療に有効なフッ素化アミノトリアゾール誘導体の提供。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物(式中、Aは、フラニル基、オキサゾリル基及びチアゾリル基から選択される基を表し、R及びRは水素、又は特定の置換基を表す)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)のフッ素化アミノトリアゾール誘導体及び医薬としてのこれらの使用に関する。本発明はまた上記化合物の製造方法、式(I)の化合物を1又は2以上含有する医薬組成物、及び特にALX受容体アゴニストとしてのそれらの使用を含む関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
ALXR(別名Lipoxin A4 受容体、FPRL1、FPR2;国際公開公報第2003/082314号にヌクレオチド配列SEQ ID NO:1及びアミノ酸配列SEQ ID NO:2として開示)は、G−タンパク質結合受容体ファミリーの一員である。ALXAは、高濃度のホルミル−メチオニン−ロイシル−フェニルアラニンペプチドに反応するカルシウム動員を介在することが見出された。さらに、ALXR導入細胞において、脂質代謝物、lipoxin A4(LXA4)及びそのアナログが、ALXRと高い親和性で結合し、アラキドン酸産生及びG−タンパク質の活性化を増大させることが見出された(Chiang et al.、Pharmacol.Rev.、2006、58、463−487)。LXA4の効果は、種々の病態動物モデルで評価され、そしてLXA4が、高い抗炎症及び消散促進活性を有することが示された。LXA4、又は誘導体、又は安定なアナログがin vivo活性を示した病態モデルは、例えば、皮膚炎、背部空気嚢、虚血/再灌流損傷、腹膜炎、大腸炎、メサンギウム増殖性腎炎、胸膜炎、喘息、嚢胞性線維症、敗血症、角膜損傷、血管新生、歯周炎、カラゲナン誘発痛覚過敏及び移植片対宿主病(GvHD)である(Schwab及びSerhan、Current Opinion in Pharmacology、2006、414−420)。ALXRはまた、プリオンタンパク質のフラグメント、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1LAI株のgp120由来ペプチド及びアミロイド−ベータ 1−42(Ab42)を含む種々のペプチドの機能受容体としても同定され(概説については、Leら、Protein Pept Lett.、2007、14、846−853)、アルツハイマー病の病因における重要な関与が示唆されている(Yazawaら、FASEB J.、2001、15、2454−2462)。マクロファージ及び小膠細胞上でのALXRの活性化は、細胞の指向性移動、食作用及び伝達物質の遊離を増大させるG−タンパク質介在シグナル伝達カスケードを開始させる。これらは、Ab42が過剰生産され、蓄積するAD脳の病変領域における老人班周辺に、単核細胞が濃縮される現象を説明するかもしれない。組織損傷部位における白血球の蓄積は、有害な物質の除去を目的とする本来の宿主応答と考えられるが、活性化した単核食細胞もまた、ニューロンに対して有毒な過酸化物アニオン等の種々の物質を放出する。従って、ALXRは、SD脳中のAb42によって誘起された炎症促進反応を仲介し、病態の進行を促進するのかもしれない。また、神経保護能力を有するペプチド、ヒューマニン(HUMANIN)(HN)は、ヒトALXRを、Ab42と単核食細胞及び神経細胞株上で共有していることが報告されており、HNの神経保護作用が、そのALXRの競合的な占有に関連することが示唆されている(Yingら、J.Immunol.、2004、172、7078−7085)。
【0003】
ALXRアゴニストの生物学的特性は、単核球/マクロファージ/小膠細胞/樹状細胞の移動/活性化、好中球の移動/活性化、リンパ球の活性化、増殖及び分化の調節、炎症の調節、サイトカイン産生及び/又は放出の調節、炎症誘発性メディエーターの産生及び/又は放出の調節、免疫応答の調節を含むが、これらに限定されるものではない。
【0004】
本発明は、ヒトALX受容体の非ペプチド性アゴニストであるフッ素化アミノトリアゾール誘導体を提供する。本発明の化合物は、炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、
HIV−介在レトロウイルス感染、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害(特に、アルツハイマー病)等のALX受容体の調節に反応する疾病の予防又は治療に有用である;加えて、本発明の化合物は、自己免疫疾患の予防又は治療並びに免疫応答(特に、免疫化によって誘起される免疫応答。)の調節に有用である。
【0005】
WO2009/077990に開示された、ALX受容体アゴニストでもあるアミノトリアゾール誘導体と比較して、本出願の化合物は、改善された安全性プロファイルに合致すると期待されるcovalent binding アッセイにおいて、顕著に改善されたプロファイルを示した(Evansら、Chem.Res.Toxicol.、2004、17、3−16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2003/082314号
【特許文献2】国際公開第2009/077990号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Pharmacol. Rev., 58, (2006) 463-487
【非特許文献2】Current Opinion in Pharmacology (2006) 414-420
【非特許文献3】Protein Pept. Lett., 14, (2007) 846-853
【非特許文献4】FSEB J., 15, (2001) 2454-2462
【非特許文献5】J. Immunol., 172, (2004) 7078-7085
【非特許文献6】Chem. Res. Toxicol., 17, (2004) 3-16
【発明の概要】
【0008】
本発明の種々の態様を以下に記述する:
1) 本発明は、式(I)のフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する:
【0009】
【化1】

【0010】
式中、
Aはヘテロアリール−基を表し、当該ヘテロアリール−基の2つの結合点は1,3−配置にあり;
は、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(特に、未置換であるか又は1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基はハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択され;そして
は、水素、メチル、エチル又はシクロプロピル(特に、水素又はメチル)を表す。
【0011】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしており、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用されることを意図している。
【0012】
ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくはフルオロ、クロロ又はブロモを、そして最も好ましくはフルオロ又はクロロを意味する。
【0013】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、酸素、窒素及び硫黄から成る群より独立に選択される1、2又は3個の(好ましくは1又は2個の)ヘテロ原子を含む、5員の単環式芳香環を意味する。そのようなヘテロアリール基の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルである。好ましい例は、フラニル(特にフラン−2,5−ジイル)、オキサゾリル(特にオキサゾール−2,4−ジイル)及びチアゾリル(特にチアゾール−2,4−ジイル)である。最も好ましい例は、フラン−2,5−ジイル、1,1−ジフルオロエチルが4位に結合したオキサゾール−2,4−ジイル及び1,1−ジフルオロエチルが4位に結合したチアゾール−2,4−ジイル(そして特に、1,1−ジフルオロエチルが4位に結合したオキサゾール−2,4−ジイル)である。最も好ましいさらなる例は、1,1−ジフルオロエチルが2位に結合したオキサゾール−2,4−ジイルである。
【0014】
「A」の記述において使用される「1,3−配置」という用語は、トリアゾール−メチル部分に、そして1,1−ジフルオロエチル部分に結合するヘテロアリール−基の2つの原子が、1個の原子により互いに隔てられていることを意味し;例えば、「A」がフラン−2,5−ジイルを表す場合には、置換基の配置は下図に示す通りである。
【0015】
【化2】

【0016】
2) 本発明のさらなる態様は、
Aが、フラニル(特にフラン−2,5−ジイル)、オキサゾリル(特にオキサゾール−2,4−ジイル)及びチアゾリル(特にチアゾール−2,4−ジイル)から選択される基を表し、当該基の2つの結合点は1,3−配置にあり;
が、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(特に、未置換であるか又は1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基がフルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択され;そして
が、水素、メチル又はエチル(特に水素又はメチル)を表す;
態様1)に従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0017】
3) 本発明のさらなる態様は、
Aが、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは5位に結合した)フラン−2,5−ジイ
ル、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)オキサゾール−2,4−ジイル又は(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)チアゾール−2,4−ジイルを表し;
が、未置換であるか又は1個の置換基により置換されたフェニルを表し、当該置換基が、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より選択され;そして
が、水素又はメチルを表す;
態様1)又は2)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0018】
4) 本発明のさらなる態様は、
Aが、フラニル(特にフラン−2,5−ジイル)、オキサゾリル(特にオキサゾール−2,4−ジイル)及びチアゾリル(特にチアゾール−2,4−ジイル)から選択され、当該基の2つの結合点が1,3−配置にある;
態様1)又は2)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0019】
5) 本発明のさらなる態様は、
Aが、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは5位に結合した)フラン−2,5−ジイル、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)オキサゾール−2,4−ジイル又は(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)チアゾール−2,4−ジイルを表す;
態様1)〜4)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0020】
6) 本発明のさらなる態様は、Aがフラニル−基(特にフラン−2,5−ジイル)を表し、当該基の2つの結合点が1,3−配置にある;態様1)〜4)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0021】
7) 本発明のさらなる態様は、Aがフラン−2,5−ジイルを表す;態様1)〜5)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0022】
8) 本発明のさらなる態様は、Aがオキサゾリル−基(特にオキサゾール−2,4−ジイル)を表し、当該基の2つの結合点が1,3−配置にある;態様1)〜4)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0023】
9) 本発明のさらなる態様は、
Aが、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)オキサゾール−2,4−ジイルを表す;態様1)〜5)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0024】
10) 本発明のさらなる態様は、Aが、チアゾリル−基(特にチアゾール−2,4−ジイル)を表し、当該基の2つの結合点が1,3−配置にある;態様1)〜4)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0025】
11) 本発明のさらなる態様は、Aが、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4
位に結合した)チアゾール−2,4−ジイルを表す;態様1)〜5)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0026】
12) 本発明のさらなる態様は、
が、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換された(特に、未置換であるか又は1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基がフルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択される;
態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0027】
13) 本発明のさらなる態様は、Rが未置換のフェニルを表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0028】
14) 本発明のさらなる態様は、
が、1又は2個の置換基により置換された(特に1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基がハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択される;
態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0029】
15) 本発明のさらなる態様は、
が、1個のフルオロ、クロロ、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されたフェニル(そして特に、3位において、1個のフルオロ、クロロ、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されたフェニル)を表す;
態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0030】
16) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のフルオロ又はクロロにより置換されたフェニル(そして特に、3−フルオロ−フェニル又は3−クロロ−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0031】
17) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のメチルにより置換されたフェニル(そして特に3−メチル−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0032】
18) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のメトキシにより置換されたフェニル(そして特に3−メトキシ−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0033】
19) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のトリフルオロメチルにより置換されたフェニル(そして特に3−トリフルオロメチル−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0034】
20) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のトリフルオロメトキシにより置換されたフェニル(そして特に3−トリフルオロメトキシ−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0035】
21) 本発明のさらなる態様は、Rが、1個のジメチルアミノにより置換されたフェニル(そして特に3−ジメチルアミノ−フェニル)を表す;態様1)〜11)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0036】
22) 本発明のさらなる態様は、Rが、水素、メチル又はエチルを表す;態様1)、2)又は4)〜21)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0037】
23) 本発明のさらなる態様は、Rが、水素又はメチルを表す;態様1)〜21)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0038】
24) 本発明のさらなる態様は、Rが水素を表す;態様1)〜21)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0039】
25) 本発明のさらなる態様は、Rが、メチル又はエチル(特にメチル)を表す;態様1)〜21)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0040】
26) 本発明のさらなる態様は、
Aが、(1,1−ジフルオロエチルが好ましくは4位に結合した)オキサゾール−2,4−ジイルを表し;
が、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換されたフェニルを表し、当該置換基がフルオロ、メチル及びジメチルアミノから成る群より独立に選択され;そして
が、水素又はメチルを表す;
態様1)に従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0041】
27) 本発明のさらなる態様は、Aが、2位に1,1−ジフルオロエチルが結合したオキサゾール−2,4−ジイルを表す;態様1)〜5)、8)又は12)〜26)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0042】
28) 本発明のさらなる態様は、Rが3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニルを表す;態様1)、2)、4)〜12)、14)又は22)〜27)のいずれか1つに従うフッ素化アミノトリアゾール誘導体及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0043】
29) 態様1)に定義した式(I)の好ましい化合物は、以下の化合物から成る群より選択される:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−シクロプロピル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1
,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−エチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;又は
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
又はそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)。
【0044】
30) 態様1)に定義した式(I)のさらなる好ましい化合物は、以下の化合物から成る群より選択される:
N−(2−((2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−メチル−5−(m−トリル)オキサゾール−4−カルボキサミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸
{2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;及び
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
又はそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)。
【0045】
31) 態様1)に定義した式(I)の最も好ましい化合物は:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
又はそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)である。
【0046】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式(I)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式Iの化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式Iの化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0047】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。文献、例えば、「Salt selection for basic drugs」、Int. J. Pharm.(1986)、33、201−217。
【0048】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等に対して複数形が使用される場合には、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0049】
態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、医薬としての使用に適切である。特に、式(I)の化合物はALX受容体を調節し、すなわち、ALX受容体アゴニストとして作用し、炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、HIV−介在レトロウイルス感染、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害(特に、アルツハイマー病)等のALX受容体の活性化に反応する疾患の予防又は治療に有用である;加えて、これらは、免疫反応(特に、免疫化によって惹起される免疫反応)の調節に有用である。特に、式(I)の化合物は、炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害(特に、アルツハイマー病)等の疾患の予防又は治療に有用である。
【0050】
特に、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーから選択される疾患の予防又は治療に適切である。
【0051】
炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーは、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてを含むが、これらに限定されるものではない:
【0052】
1) 急性肺障害(ALI);成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS);慢性気管支炎若しくはそれに関連する呼吸困難を含む慢性閉塞性肺(pulmonary)、気道又は肺(lung)疾患(COPD,COAD又はCOLD);肺気腫;及び他の薬物治療、特に他の吸入薬物治療に起因する気道過敏性の悪化。特に、炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーは、COPD,COAD及びCOLDを含む。
【0053】
2) さらに、炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーは、いかなるタイプの、又はいかなる病因による気管支炎をも包含する。
【0054】
3) さらに、炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーは、いかなるタイプの、又はいかなる病因による気管支拡張症及び塵肺症をも包含する。
【0055】
4) さらに、炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギーは、内因性(非アレルギー性)喘息若しくは外因性(アレルギー性)喘息、軽度の喘息、中等度の喘息、重症喘息、気管支炎性喘息、運動誘発喘息、職業性喘息及び細菌感染に続いて誘発される喘息を含む、いかなるタイプの、又はいかなる病因による喘息をも包含する。
【0056】
5) さらなる態様において、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、特に炎症性疾患の予防又は治療に適切である。炎症性疾患は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてを含む:
【0057】
5a) 特に、炎症性疾患は、好中球関連障害、特に、過剰−好中球増多症を含む、気道及び/又は肺に影響を与えるような気道の好中球関連障害を含む。さらに、好中球関連障害はまた、歯周炎、糸球体腎炎、嚢胞性線維症をも含む。
【0058】
5b) さらに、炎症性疾患は、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、硬皮症、過敏性血管炎、じんましん、紅斑性狼瘡及び表皮剥離等の皮膚疾患を含む。
【0059】
5c) さらに、炎症性疾患はまた、炎症相を有する疾患又は状態にも関連する。炎症相を有する疾患又は状態は、ぶどう膜炎(前部、中間部及び後部)、ベーチェット症候群に伴うぶどう膜炎、結膜炎、角膜乾燥症、シェーグレン症候群に伴う角膜乾燥症及び春季カタル(そして特に、結膜炎、角膜乾燥症及び春季カタル)等の眼に影響を与える疾患及び状態;鼻炎及びアレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を与える疾患(そして特にアレルギー性鼻炎);並びに全身性紅斑性狼瘡、強直性せきつい炎、ベーチェット症候群、シェーグレン症候群、多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、膠原病、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンス・ジョンソン症候群、突発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、バセドウ病眼症、慢性過敏性肺炎、原発性胆汁性肝硬変、角膜乾燥症及び春季カタル、間質性肺線維症、乾癬性関節炎及び糸球体腎炎等の自己免疫反応が関連し、又は自己免疫相若しくは自己免疫的な病因を有する炎症性疾患(そして特に、全身性紅斑性狼瘡、多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、膠原病、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンス・ジョンソン症候群、突発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、バセドウ病眼症、慢性過敏性
肺炎、原発性胆汁性肝硬変、角膜乾燥症及び春季カタル、間質性肺線維症、乾癬性関節炎及び糸球体腎炎);を含むが、これらに限定されるものではない。
【0060】
5d) さらに、自己免疫反応が関連し、又は自己免疫相若しくは自己免疫的な病因を有する炎症性疾患は、間接リウマチ、橋本病及びI又はII型糖尿病を含む。
【0061】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、臓器又は組織移植拒絶の予防又は治療、例えば、心臓、肺、心肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚又は角膜の被移植者の治療並びに、特に、急性又は慢性の自家−及び異種移植拒絶の治療において又はインスリン産生細胞、例えば膵島細胞の移植において、骨髄移植に続いて時々起るような移植片対宿主病の予防に適している。
【0062】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、HIV−介在レトロウイルス感染の予防又は治療に適切である。
【0063】
HIV−介在レトロウイルス感染は、GUN−4v、GUN−7wt、AG204、AG206、AG208、HCM305、HCM308、HCM342、mSTD104及びHCM309等のHIV−1及びHIV−2株によって引き起こされる疾患及び障害の群の1つ、幾つか又はすべてを含むが、これらに限定されるものではない。
【0064】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、心血管障害の予防又は治療に適切である。
【0065】
心血管障害は、(心臓を含む)心血管系統の1又は2以上の病的状態及び依存性組織の疾患を意味する。心血管系統の病的状態及び依存性組織の疾患は、突発性心筋症、糖尿病性心筋症を含む代謝性心筋症、アルコール性心筋症、薬剤誘発性心筋症、虚血性心筋症及び高血圧性心筋症等の心筋の障害(心筋症又は心筋炎);大動脈、冠動脈、頸動脈、脳動脈、腎動脈、腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈等の主要血管のアテローム性疾患(大血管性疾患);網膜細動脈、糸球体細動脈、神経栄養血管、心細動脈、及び目、腎臓、心臓及び中枢及び末梢神経系の関連する毛細血管等の細血管の中毒性、薬剤誘発性及び(高血圧性及び/又は糖尿病性疾患を含む)代謝疾患(微小血管障害);並びに大動脈、冠動脈、頸動脈、脳動脈、腎動脈、腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈等の主要血管のアテローム病変のプラーク破裂を含むが、これらに限定されるものではない。
【0066】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、神経炎症の予防又は治療に適切である。神経炎症は、細胞情報伝達分子の産生、グリア(glia、glial)の活性化経路及び反応の活性化、炎症促進性サイトカイン又はケモカイン、アストロサイトの活性化経路及び反応の活性化、ミクログリアの活性化経路及び反応の活性化、一酸化窒素合成酵素の産生及び一酸化窒素の蓄積、急性期タンパク質、シナプトフィジン及びシナプス後肥厚部タンパク95(PSD−95)の喪失、補体カスケードの構成要素、シナプス機能の喪失又は減少、プロテインキナーゼ活性(例えば、細胞死関連プロテインキナーゼ活性)、行動障害、細胞損傷(例えば、神経細胞損傷)、細胞死(例えば、神経細胞死)及び/又はアミロイド班のアミロイドβ沈着等の酸化ストレス関連反応を意味する。
【0067】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、神経障害の予防又は治療に適切である。
【0068】
特に、神経障害は、てんかん、発作、脳虚血、脳性麻痺、再発型多発性硬化症、進行型多発性硬化症、視神経脊髄炎、臨床的に孤発した症候群(clinically iso
lated syndrome)、アルパース病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、老年認知症、レビー小体型認知症、レット症候群、脊髄外傷、外傷性脳損傷、三叉神経痛、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン−バレー症候群、舌咽神経痛、ベル麻痺、重症筋無力症、筋ジストロフィー、進行型筋萎縮症、進行型延髄遺伝性筋萎縮症、ヘルニア性、破裂性若しくは脱出性椎間板症候群、頸椎症、神経叢疾患、胸郭出口破壊症候群、末梢神経障害、軽度の認知機能低下、認知機能低下、アルツハイマー病、パーキンソン病及びハンチントン舞踏病(そして特に、てんかん、発作、脳虚血、脳性麻痺、再発型多発性硬化症、進行型多発性硬化症、アルパース病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、老年認知症、レビー小体型認知症、レット症候群、脊髄外傷、外傷性脳損傷、三叉神経痛、舌咽神経痛、ベル麻痺、重症筋無力症、筋ジストロフィー、進行型筋萎縮症、進行型延髄遺伝性筋萎縮症、ヘルニア性、破裂性若しくは脱出性椎間板症候群、頸椎症、神経叢疾患、胸郭出口破壊症候群、末梢神経障害、軽度の認知機能低下、認知機能低下、アルツハイマー病、パーキンソン病及びハンチントン舞踏病)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0069】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、疼痛の予防又は治療に適切である。疼痛は、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、有痛性糖尿病性多発神経障害、卒中後痛、切断後痛、骨髄障害性若しくは神経根性疼痛、非定形顔面痛及びカウザルギー様症候群等の状態を例とする神経因性疼痛を含むが、これらに限定されるものではない。
【0070】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、プリオン介在疾患の予防又は治療に適切である。プリオン介在疾患は、伝達性海綿状脳症(TSEs)としても知られており、クールー、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI)及びクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0071】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、アミロイド介在障害の治療に適切である。アミロイド介在障害は、アミロイド又はアミロイド様タンパク質により引き起こされ、又はこれらと関連する疾患又は障害と定義される。アミロイド又はアミロイド様タンパク質により引き起こされ、又はこれらと関連する疾患又は障害は、軽度の認知障害(MCI)等の認知記憶能力の喪失により特徴づけられる疾患又は状態を含む、アルツハイマー病(AD);レビー小体型認知症;ダウン症;アミロイドーシスを伴う脳内出血を含むが、これらに限定されるものではない。別の態様においては、アミロイド又はアミロイド様タンパク質により引き起こされ、又はこれらと関連する疾患又は障害は、進行性核上性麻痺、アミロイド軽鎖アミロイド症、家族性アミロイドニューロパチー、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、HIV−関連痴呆、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、封入体筋炎(IBM)、成人発症型糖尿病及び老人性心アミロイドーシス(そして特に、アミロイド又はアミロイド様タンパク質により引き起こされ、又はこれらと関連する疾患又は障害は、進行性核上性麻痺、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、HIV−関連痴呆、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、封入体筋炎(IBM)、成人発症型糖尿病及び老人性心アミロイドーシス)を含む。
【0072】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、免疫応答の調節に適切である。
【0073】
免疫応答の調節は、少なくとも1つの抗原と少なくとも1つの態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組成物を対象に投与することを含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合においては、抗原含
有組成物を最初に投与し、次いで、少なくとも1つの態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組成物を投与する。他の場合においては、抗原含有組成物が最後に投与される。異なる組成物の投与は、同時に行ってもよく、連続的に行ってもよく、又は異なる時間に行ってもよい。これらの方法及び組成物は、治療的及び予防的免疫化(すなわち、獲得及び/又は自然免疫反応の意図的な誘発、増強(enhancement)、強化(intensification)又は調節)のために供されるものである。特記すべき利点は、以下の1又は2以上を含む:
【0074】
1) 抗原を単独で投与した場合と比較した、態様1)〜31)に従う少なくとも1つの式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び抗原の投与に続く免疫反応の促進;
【0075】
2) 少量の抗原(例えば、毒素又は病原体)、又は通常強い免疫反応を惹起しない抗原に対する感受性の増強;及び
【0076】
3) より効果的な抗腫瘍治療。
【0077】
さらに、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、嚢胞性線維症、肺線維症、肺高血圧、創傷治癒、糖尿病性腎症、移植組織における炎症の減少、病原微生物により引き起こされる炎症性疾患の予防又は治療に適切である。
【0078】
特に、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適切である:
【0079】
1) 急性肺障害(ALI);成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS);慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎及びそれに伴う呼吸困難を含む気道又は肺疾患(COPD、COAD又はCOLD)、並びに内因性(非アレルギー性)喘息及び外因性(アレルギー性)喘息、軽度の喘息、中等度の喘息、重症喘息、気管支炎性喘息、運動誘発喘息、職業性喘息及び細菌感染に続いて誘発される喘息を含む、いかなるタイプの、又はいかなる病因によるかを問わない喘息;等の炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギー(そして特に、急性肺障害(ALI);成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS);並びに内因性(非アレルギー性)喘息及び外因性(アレルギー性)喘息、軽度の喘息、中等度の喘息、重症喘息、気管支炎性喘息、運動誘発喘息、職業性喘息及び細菌感染に続いて誘発される喘息を含む、いかなるタイプの、又はいかなる病因によるかを問わない喘息;等の炎症性疾患、閉塞性気道疾患及びアレルギー);
【0080】
2) 好中球関連障害、特に、過剰−好中球増多症を含む、気道及び/又は肺に影響を与えるような気道の好中球関連障害;歯周炎;糸球体腎炎;嚢胞性線維症;等の炎症性疾患及び乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、硬皮症、過敏性血管炎、じんましん、紅斑性狼瘡及び表皮剥離;等の皮膚病;
【0081】
3) 結膜炎、角膜乾燥症及び春季カタル等の眼に影響を与える疾患及び状態;自己免疫反応が関連し、又は自己免疫相若しくは自己免疫的な病因を有する炎症性疾患;並びに自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病);等の炎症相を有する疾患;
【0082】
4) GUN−4v、GUN−7wt、AG204、AG206、AG208、HCM305、HCM308、HCM342、mSTD104及びHCM309等のHIV−1
及びHIV−2株によって引き起こされる疾患及び障害等のHIV−介在レトロウイルス感染;
【0083】
5) 細胞情報伝達分子の産生、グリア(glia、glial)の活性化経路及び反応の活性化、炎症促進性サイトカイン又はケモカイン、アストロサイトの活性化経路及び反応の活性化、ミクログリアの活性化経路及び反応の活性化、アミロイド班のアミロイドβ沈着等の酸化ストレス関連反応に関連する神経炎症;
【0084】
6) 発作、脳虚血、アルツハイマー病及びパーキンソン病等の神経障害;
【0085】
7) 伝達性海綿状脳症(TSEs)としても知られている、クールー、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI)及びクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)等のプリオン介在疾患;
【0086】
8) アミロイド介在障害;
【0087】
9) 嚢胞性線維症、創傷治癒及び病原微生物により引き起こされる炎症性疾患。
【0088】
本発明はまた、上記の疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物の製造のための態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の使用に関する。
【0089】
本発明はまた、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の薬学的に許容される塩並びに医薬組成物及び製剤に関する。
【0090】
本発明に従う医薬組成物は、活性成分として、態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の少なくとも1つ(又は、その薬学的に許容される塩)を、そして任意に、担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントを含む。
【0091】
態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、たとえば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0092】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を見よ。)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上適合性のある固体又は液体の担体材料、及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0093】
本発明はまた、薬学的に活性な量の態様1)〜31)のいずれか1つに従う式(I)の化合物を患者に投与することを含む、本明細書に言及した疾患又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0094】
本明細書における、式(I)の化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ文脈に応じて、そのような化合物の塩(そして特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。式(I)の化合物に対して示した好適性は、当然のことながら、式(I)の化合物の塩及び薬学的に許容される塩にも準用される。同様のことが、医薬としてのこれらの化合物に、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物に、又は疾患
の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用に適用される。
【0095】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」(あるいは「およそ」)という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」(あるいは「およそ」)という用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。さらに、ここで使用される「室温」(rt)という用語は、約25℃の温度を意味する。
【0096】
式(I)の化合物は、以下の方法によって、実施例に示された方法によって、又は類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物又は溶媒によって変わるが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。
【0097】
別段の記載がない限り、包括的な基、A、R及びRは、式(I)に定義した通りである。使用される他の略語は、実験の部に定義する。下記の構造6で使用される包括的な基Rは、水素又はメチルを表す。下記の構造4で使用される包括的な基Rは、メチル又はエチルを表すか又は両方のRが一緒にエタン−1,2−ジイル架橋を形成する。下記のスキームにおける、そして実験の部の一般的手順における、例えば構造5において使用される包括的なカルボキシl保護基Rは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルを、そして好ましくはメチル又はエチルを表す。下記の構造6で使用される包括的な基SiPGは、TMS、TIPS、TBDMS又はTBDPS等の適宜なシリル保護基を表し、好ましくはTBDMSである。
【0098】
アルコールのメタンスルフォニルクロリドとの反応により、使用する反応条件に応じて、各塩化物又は各メシレート誘導体が形成される;そのような反応条件にわずかに変更を加えるだけで、当該反応の結果に影響を与えるかもしれないことは、当該技術分野においてよく知られている;通常は、塩化物及びメシレートの両反応物は共に、下記の反応における求電子試薬として有用であることが理解されるべきである。
【0099】
幾つかの場合においては、包括的な基、A、R及びRは、下記のスキームに図示した製法に適合しないため、保護基(PG)の使用が必要となるだろう。保護基の使用は、技術分野においてよく知られている(例えば、「Protective Groups in Organic synthesis」、T.W. Greene、P.G.M.
Wuts、Wiley−Interscience、1999を見よ。)。この議論の目的のために、そのような必要な保護基が適切に導入されているものと仮定する。
【0100】
A. 最終化合物の合成
以下のセクションA)に、式(I)の化合物を製造するための一般的方法を記載する。
【0101】
A) 式(I)の化合物は、EtN又はDIPEA等の塩基の存在下、CHCl等の適宜な溶媒中、rt付近の温度にて、適宜なカルボン酸クロリドと反応させることにより、構造1のアミンから製造することができる。適宜なカルボン酸クロリドは、トルエン等の適宜な溶媒中、rt付近の温度にて、DMFの存在下、対応する構造7のカルボン酸から、塩化オキサリル等の試薬との反応により製造することができる。あるいは、構造1のアミンは、rt付近の温度にて、CHCl等の適宜な溶媒中、DIPEA又はEtN等の塩基の存在下、EDC/HOBt/DMAP、TBTU、HBTU又はPyBOP等の標準的アミドカップリング条件を用いて、構造7の適宜なカルボン酸とカップリングすることができ、式(I)の化合物を与える。
【0102】
【化3】

【0103】
構造1の化合物は、MeOH又はEtOH等の適宜な溶媒中、rt付近の温度における、Pd/C、Pt/C又はPtO等の金属触媒の存在下、水素化による、あるいはHO/EtOH等の溶媒混合物中、rtから95℃の範囲の温度における、アンモニウムクロリドの存在下での、鉄等の金属を用いた還元による、ニトロ基の還元により、構造2の化合物から得ることができる。
【0104】
B. 中間体の合成
構造2の化合物は、トルエン等の溶媒中、約60℃の温度にて、EtOH等の触媒量のアルコールの存在下、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド又は(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)サルファートリフルオリド等のフッ素化剤を用いたフッ素化により、構造3の化合物から製造してもよい。
【0105】
【化4】

【0106】
あるいは、構造2の化合物は、アセトン又はAcCN等の溶媒中、rt又は80℃付近の温度にて、KCO又はCsCO等の塩基の存在下(テトラブチルアンモニウムブロミドを添加し又は添加せずに)、Aがオキサゾール−2,4−ジイルを表す場合には、(2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル メタンスルフォネート等のオキサゾール誘導体又は式Ms−O−CH−A−CF−CH又はCl−CH−A−CF−CHの適宜な別の試薬を用いて、Ms−O−CH−A−CF−CH又はCl−CH−A−CF−CHを、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(T.E.Eaglesら、Organic preparations
and procedures 2(2)、117−119、1970;P.N.Neuman J.heterocycl.Chem. 8、51−56、1971)と反応させることにより製造してもよい。あるいは、反応は、DMF、アセトン等の溶媒又は両者の混合物中、rt又は50℃付近の温度にて、DIPEA等の塩基の存在下で行ってもよい。
【0107】
構造3の化合物は、アセトン又はAcCN等の溶媒中、rt又は80℃付近の温度にて、KCO又はCsCO等の塩基の存在下(テトラブチルアンモニウムブロミドを添加し又は添加せずに)、Aがフラン−2,5−ジイルを表す場合には、1−(5−クロ
ロメチル−フラン−2−イル)−エタノン等のフラン誘導体を、又はAがオキサゾール−2,4−ジイルを表す場合には、メタンスルホン酸 4−アセチル−オキサゾール−2−イルメチルエステル等のオキサゾール誘導体を、又はAがイソキサゾール−2,4−ジイルを表す場合には、1−(5−クロロメチル−イソキサゾール−3−イル)−エタノン等のイソキサゾール誘導体を、又は式Ms−O−CH−A−C(O)−CH又はCl−CH−A−C(O)−CHの適宜な別の試薬を用いて、Ms−O−CH−A−C(O)−CH又はCl−CH−A−C(O)−CHを、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(T.E.Eaglesら、Organic preparations and procedures 2(2)、117−119、1970;P.N.Neuman J.heterocycl.Chem. 8、51−56、1971)と反応させることにより製造してもよい。あるいは、反応は、DMF、アセトン等の溶媒又は両者の混合物中、rt又は50℃付近の温度にて、DIPEA等の塩基の存在下で行ってもよい。
【0108】
あるいは、構造3の化合物は、下記のような標準的な条件を用いて、構造4のケタールを脱保護することにより製造してもよい:
−THF等の溶媒中、rt付近の温度にて、希釈HCl水溶液を用いて;又は
−MeOH等の溶媒中、SCXシリカゲルを用いて;又は
−MeOH等の溶媒中、トシル酸等のシリカゲル結合酸を用いて;又は
−水等の溶媒中、約0℃から約50℃の範囲の温度にて、ギ酸等の酸を用いて。
【0109】
【化5】

【0110】
あるいは、構造3の化合物は、構造5の各化合物を出発物質として、下記のシークェンスにより製造することができる:
−MeOH等の溶媒中、rt付近の温度にて、NaBH等の試薬を用いた、あるいはTHF等の溶媒中、約−78℃とrtの範囲の温度にて、DiBAL等の試薬を用いた標準的な還元条件下における、構造5のエステルの対応するアルコールへの還元;
−AcCN又はCHCl等の溶媒中、rt付近の温度にて、MnO、クロロクロム酸ピリジニウム又はNMO/TPAP等の試薬を用いた標準的な酸化条件下での、アルコールの対応するアルデヒドへの酸化;
−rt未満の温度(好ましくは約−78℃)での、THF等の溶媒中における、アルキルGrignard試薬の添加、あるいは約0℃の温度での、CHCl等の溶媒中における、トリアルキルアルミニウム試薬の添加による、対応する第二アルコールの供給;そして
−CHCl又はAcCN等の溶媒中、rt付近の温度における、TPAP/NMO又はMnO等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの酸化による、構造3の化合物の供給。
【0111】
【化6】

【0112】
あるいは、構造3の化合物は、構造6の各化合物(Rはメチルを表す。)を出発物質として、下記のシークェンスにより製造することができる:
−THF等の溶媒中、rt付近の温度における、TBAF等のフッ素化剤を用いたシリルエーテル誘導体の脱保護;そして
−AcCN又はCHCl等の溶媒中、rt付近の温度における、MnO、クロロクロム酸ピリジニウム又はNMO/TPAP等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの対応するケトンへの酸化;
あるいは、構造3の化合物は、構造6の各化合物(Rは水素を表す。)を出発物質として、下記のシークェンスにより製造することができる:
−THF等の溶媒中、rt付近の温度における、TBAF等のフッ素化剤を用いたシリルエーテル誘導体の脱保護;
−AcCN又はCHCl等の溶媒中、rt付近の温度における、MnO、クロロクロム酸ピリジニウム又はNMO/TPAP等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの対応するアルデヒドへの酸化;
−rt未満の温度(好ましくは約−78℃)での、THF等の溶媒中における、アルキルGrignard試薬の添加、あるいは約0℃の温度での、CHCl等の溶媒中における、トリアルキルアルミニウム試薬の添加により、対応する第二アルコールの供給;そして
−CHCl又はAcCN等の溶媒中、rt付近の温度における、TPAP/NMO又はMnO等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの酸化による構造3の化合物の供給。
【0113】
【化7】

【0114】
構造4の化合物は、アセトン又はAcCN等の溶媒中、rt又は80℃付近の温度にて、KCO又はCsCO等の塩基の存在下(テトラブチルアンモニウムブロミドを添加し又は添加せずに)、Aがフラン−2,5−ジイルを表す場合には、2−(5−クロロメチル−フラン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソラン等の適宜な保護フ
ラン誘導体を、又はAがチオフェン−2,5−ジイルを表す場合には、2−(5−クロロメチル−チオフェン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソラン等の適宜な保護チオフェン誘導体を、又はAがチアゾール−2,4−ジイルを表す場合には、メタンスルホン酸 4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチルエステル若しくは4−クロロメチル−2−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール等の適宜な保護チアゾール誘導体を、又はAがチオフェン−2,4−ジイルを表す場合には、2−(4−クロロメチル−チオフェン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソラン若しくは2−(5−クロロメチル−チオフェン−3−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソラン等の適宜な保護チオフェン誘導体を、又はAがチアゾール−2,5−ジイルを表す場合には、メタンスルホン酸 5−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチルエステル若しくは5−クロロメチル−2−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール等の適宜な保護チアゾール誘導体を、又はAがオキサゾール−2,5−ジイルを表す場合には、2−クロロメチル−5−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−オキサゾール等の適宜な保護オキサゾール誘導体を、又は式Ms−O−CH−A−C(OR−CH若しくはCl−CH−A−C(OR−CHの適宜な別の試薬を用いて、Ms−O−CH−A−C(OR−CH又はCl−CH−A−C(OR−CHを、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾールと反応させることにより製造してもよい。あるいは、反応は、DMF、アセトン等の溶媒又は両者の混合物中、rt又は50℃付近の温度にて、DIPEA等の塩基の存在下で行ってもよい。
【0115】
構造5の化合物は、例えば、市販の5−クロロメチル−フラン−2−カルボン酸 メチルエステル(Aはフラン−2,5−ジイルを表す。)又は4−クロロメチル−チアゾール−2−カルボン酸 エチルエステル(Aはチアゾール−2,4−ジイルを表す。)を用いて、Ms−O−CH−A−C(O)−O−R又はCl−CH−A−C(O)−O−Rを、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾールと反応させることにより、構造4の化合物と同様に製造してもよい。
【0116】
構造6の化合物は、
Aがオキサゾール−2,5−ジイルを表す場合には、2−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−5−クロロメチル−オキサゾール等のオキサゾール誘導体を、又はAがオキサゾール−2,4−ジイルを表す場合には、メタンスルホン酸 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イルメチルエステル等の適宜な保護オキサゾール誘導体を、又は式Ms−O−CH−A−CH(OSiPG)−R若しくはCl−CH−A−CH(OSiPG)−Rの適宜な別の試薬を用いて、Ms−O−CH−A−CH(OSiPG)−R又はCl−CH−A−CH(OSiPG)−Rを、市販の4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾールと反応させることにより、構造4の化合物と同様に製造してもよい。
【0117】
1−(5−クロロメチル−フラン−2−イル)−エタノンは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) CHCl等の溶媒中、ピリジニウム トルエン−4−スルフォネートの存在下、3,4−ジヒドロ−2H−ピランを用いた、市販の5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの保護;b) THF等の溶媒中、約0℃の温度での、例えばメチルマグネシウムクロリドを用いたアルデヒドのメチル化;c) CHCl等の溶媒中、約45℃の温度での、MnO等の酸化剤を用いた、得られた第二アルコールの酸化;d) MeOH等の適宜な溶媒中、約35℃の温度での、Amberlyst15等の酸を用いた保護基の除去;及びe) CHCl等の溶媒中、0℃からrtの範囲の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばMs−Clを用いた、アルコールの塩素化。
【0118】
2−(5−クロロメチル−フラン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソランは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) エチレングリコール等の溶媒中、約95℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下における、市販の1−フラン−2−イル−エタノンの保護;b) THF等の溶媒中、約−78℃の温度での、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬によるリチウム化及び続くDMFの添加;c) MeOH等の溶媒中、約0℃の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;及びd) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばメタンスルフォニルクロリドを用いたアルコールの塩素化。
【0119】
1−(5−クロロメチル−イソキサゾール−3−イル)−エタノンは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) イミダゾール等の塩基の存在下、THF等の溶媒中における、例えばtert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いた、5−ヒドロキシメチル−イソキサゾール−3−カルボン酸 エチルエステルの保護;b) THF等の溶媒中、rt未満の温度における、DiBAL等の還元剤を用いた還元;c) AcCN等の溶媒中、rt付近の温度での、MnO等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの酸化;d) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、トリメチルアルミニウムの添加;e) AcCN等の溶媒中、rt付近の温度での、MnO等の試薬を用いた標準的な酸化条件下でのアルコールの酸化;f) THF等の溶媒中、rt付近の温度における、TBAF等のフッ素化剤を用いたシリルエーテル誘導体の脱保護;及びg) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばメタンスルフォニルクロリドを用いたアルコールの塩素化。
【0120】
2−(5−クロロメチル−チオフェン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソランは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) THF等の溶媒中、約−78℃の温度での、N,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミンの存在下における、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を用いた、市販の2−メチル−2−チオフェン−2−イル−[1,3]ジオキソランのリチウム化及び続くDMFの添加;b) MeOH等の溶媒中、約0℃の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;及びc) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばメタンスルフォニルクロリドを用いたアルコールの塩素化。
【0121】
メタンスルホン酸 4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチルエステルは、下記のシークェンスにより製造してもよい:a) エーテル等の溶媒中、約−78℃の温度での、市販の2,4−ジブロモ−チアゾールの、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬との反応及び−78℃からrtの範囲の温度での、N,N−ジメチル−ホルムアミドを用いたその後のホルミル化;b) MeOH等の溶媒中、rt付近の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;c) イミダゾール等の塩基の存在下、ジクロロメタン等の溶媒中での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;d) エーテル等の溶媒中、約−78℃の温度での、保護アルコールの、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬との反応、及び−78℃からrtの範囲の温度での、N,N−ジメチルアセタミドを用いた続くアセチル化;e) エチレングリコール等の溶媒中、約95℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下におけるケタール形成;f) THF等の溶媒中、rt又は0℃付近の温度での、TBAF等の標準的な条件下におけるシリル保護基の脱保護;及びg) CHCl等の溶媒中、EtN及びDMAP等の塩基の存在下、約0℃の温度での、メタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いたメシル化。
【0122】
2−(4−クロロメチル−チオフェン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソランは、市販の1−(4−ブロモ−2−チエニル)−エタン−1−オンを出発物質とする
以外は、2−(5−クロロメチル−フラン−2−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソランについて記載した通りに製造してもよい。
【0123】
4−クロロメチル−チアゾール−2−カルボン酸 エチルエステルは、下記のシークェンスにより製造してもよい:a) トルエン等の溶媒中、約80℃の温度での、市販のオキサミン酸 エチルエステルの、Lawesson試薬との反応;及びb) トルエン等の溶媒中、約110℃の温度での、1,3−ジクロロアセトンを用いた環化。
【0124】
4−クロロメチル−2−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾールは、構造5の化合物からの構造3の化合物の合成について記載したシークェンス、続くエチレングリコール等の溶媒中、約90℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下におけるケタール形成により、4−クロロ−メチル−チアゾール−2−カルボン酸 エチルエステルから製造してもよい。
【0125】
メタンスルホン酸 5−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチルエステルは、下記のシークェンスにより製造してもよい:a) ジクロロメタン等の溶媒中、約0℃の温度での、市販の2−ブロモ−チアゾール−5−カルバルデヒドのトリメチルアルミニウムとの反応;b) アセトニトリル等の溶媒中、rt付近の温度での、MnO等の酸化剤を用いた酸化;c) エチレングリコール等の溶媒中、約95℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下におけるケタール形成;d) エーテル等の溶媒中、約−78℃の温度での、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を用いたリチウム化及びN,N−ジメチルホルムアミドを用いた続くホルミル化;e) MeOH等の溶媒中、rt付近の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;及びf) CHCl等の溶媒中、EtN及びDMAP等の塩基の存在下、約0℃の温度での、メタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いたメシル化。
【0126】
5−クロロメチル−2−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾールは、下記のシークェンスにより製造してもよい。:a) MeOH等の溶媒中、rt付近の温度での、NaBH等の還元剤を用いた市販の2−ブロモ−チアゾール−5−カルバルデヒドの還元;b) CHCl等の溶媒中、イミダゾール等の塩基の存在下での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;c) エーテル等の溶媒中、約−78℃の温度での、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を用いたリチウム化及びN,N−ジメチルアセタミドを用いた続くアセチル化;d) エチレングリコール等の溶媒中、約95℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下におけるケタール形成;e) THF等の溶媒中、rt付近の温度における、TBAF等のフッ素化剤を用いたシリルエーテル誘導体の脱保護;及びf) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばメタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いた塩素化。
【0127】
2−(5−クロロメチル−チオフェン−3−イル)−2−メチル−[1,3]ジオキソランは、市販の4−ブロモ−チオフェン−2−カルバルデヒドを出発物質とする以外は、5−クロロメチル−2−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾールについて記載した通りに製造してもよい。
【0128】
メタンスルホン酸 4−アセチル−オキサゾール−2−イルメチルエステルは、下記のシークェンスにより製造してもよい:a) NaHCO等の塩基の存在下、THF等の溶媒中、約60℃の温度での、市販の3−フェニル−アクリルアミドを3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステルと反応させるオキサゾール形成;b) ジクロロメタン等の溶媒中、rt付近の温度での、例えば、シリカゲル担持NaIOとRuCl水和物等の金属錯体を用いた酸化的開裂;c) EtOH等の溶媒中、約0℃の温度で
の、NaBH等の還元剤を用いた還元;d) CHCl等の溶媒中、イミダゾール等の塩基の存在下での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;e) CHCl等の溶媒中、約−78℃の温度での、DiBAL等の還元剤を用いたアルデヒドへの還元;f) ジクロロメタン等の溶媒中、約0℃の温度での、トリメチルアルミニウムとの反応;g) アセトニトリル等の溶媒中、rt付近の温度での、MnO等の酸化剤を用いた酸化;h) THF等の溶媒中、rt付近の温度における、TBAF等のフッ素化剤を用いたシリルエーテル誘導体の脱保護;及びi) CHCl等の溶媒中、EtN及びDMAP等の塩基の存在下、約0℃の温度での、メタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いたメシル化。
【0129】
メタンスルホン酸 2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イルメチルエステルは、下記のシークェンスにより製造してもよい:a) NaHCO等の塩基の存在下、THF等の溶媒中、約60℃の温度での、市販の3−フェニル−アクリルアミドを3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステルと反応させるオキサゾール形成;b) CHCl等の溶媒中、rt付近の温度での、例えば、シリカゲル担持NaIOとRuCl水和物等の金属錯体を用いた酸化的開裂;c) EtOH等の溶媒中、約0℃の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;d) CHCl等の溶媒中、イミダゾール等の塩基の存在下での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;e) THF等の溶媒中、約0℃の温度での、DiBAL等の還元剤を用いたアルコールへの還元;及びf) CHCl等の溶媒中、EtN及びDMAP等の塩基の存在下、約0℃の温度での、メタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いたメシル化。
【0130】
2−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−5−クロロメチル−オキサゾールは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) THF等の溶媒中、約−15℃の温度での、市販のオキサゾールの、イソプロピルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム試薬との反応、及び−15℃からrtの範囲の温度での、N−メトキシ−N−メチルアセタミドを用いたその後のアセチル化;b) MeOH等の溶媒中、rt付近の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;c) THF等の溶媒中、イミダゾール等の塩基の存在下での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;d) THF等の溶媒中、−78℃から−40℃の範囲の温度での、保護アルコールの、t−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬との反応、及び−78℃からrtの範囲の温度での、N,N−ジメチル−ホルムアミドを用いたその後のホルミル化;e) MeOH等の溶媒中、rt付近の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;及びf) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、メタンスルフォニルクロリド等の試薬を用いた塩素化。
【0131】
2−クロロメチル−5−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−オキサゾールは、下記のシークェンスを用いて製造してもよい:a) THF等の溶媒中、約−78℃の温度での、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を用いた市販のオキサゾールのリチウム化、及び続くDMFの添加;b) MeOH等の溶媒中、約0℃の温度での、NaBH等の還元剤を用いた還元;c) THF等の溶媒中、イミダゾール等の塩基の存在下での、tert−ブチルジメチルシリルクロリドを用いたアルコールの保護;d) THF等の溶媒中、−78℃から−40℃の範囲の温度での、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を用いたリチウム化、及び−78℃からrtの範囲の温度での、DMFを用いたその後のホルミル化;e) ジクロロメタン等の溶媒中、約0℃の温度での、トリメチルアルミニウムとの反応;f) アセトニトリル等の溶媒中、rt付近の温度での、MnO等の酸化剤を用いた酸化;g) エチレングリコール等の溶媒中、約95℃の温度での、オルトギ酸トリメチル及びLiBF等の触媒の存在下におけるケタール形成及びシリル保護基の脱保護;及びh) CHCl等の溶媒中、約0℃の温度での、
EtN及びDMAP等の塩基の存在下における、例えばメタンスルフォニルクロリドを用いたアルコールの塩素化。
【0132】
(2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル メタンスルフォネートは、実験の部に記載したシークェンスを用いて製造してもよい。
【0133】
構造7の酸は、市販されているか、当該技術分野において周知であるか又は下記の方法に従って製造される。
【0134】
【化8】

【0135】
がMeを表す構造7の化合物は、氷酢酸等の酸の存在下、3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を亜硝酸ナトリウムの水溶液と反応させることにより、スキーム1に記載の通りに製造してもよい。そして、氷酢酸等の酸及び触媒量の塩化水銀又は塩化亜鉛等の金属酸化物及び亜鉛粉末の存在下、無水酢酸を用いてオキシムを変換し、次いで、クロロホルム中塩化チオニル等の脱水条件下で環化し、さらに、エタノール/水又はTHF等の溶媒又は溶媒混合物中におけるNaOH等の塩基での処理等の、当該技術分野で知られた方法を用いてエステル官能基をけん化することにより、所望の酸誘導体が得られる。各3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体は、市販されているか又は当該技術分野において周知である。
【0136】
【化9】

【0137】
あるいは、構造7の化合物は、3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を、4−アセタミド−ベンゼンスルフォニルアジドとEtN等の塩基の溶液と反応させることにより
、スキーム2に記載の通りに製造してもよい。続いて、カルボキサミド誘導体とテトラキス(アセタート)ジロジウム(II)二水和物等の触媒によって処理し、さらにEtN等の塩基の存在下、トリフェニルホスフィンとヨウ素を用いて環化することにより、各エステル誘導体が得られる。エタノール/水又はTHF等の溶媒又は溶媒混合物中におけるNaOH等の塩基での処理等の、当該技術分野で知られた方法を用いてエステル官能基をけん化することにより、所望の酸誘導体が得られる。各3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体は、市販されているか又は当該技術分野において周知である。
【0138】
【化10】

【0139】
あるいは、Rが水素を表す構造7の化合物は、DMF等の溶媒中で、炭酸カリウム1.5水和物又はDIPEA及びDPPA等の塩基の存在下、式RCOOHの酸誘導体の溶液を、イソシアノ酢酸メチルと反応させることにより、スキーム2bに記載の通りに製造してもよい。エタノール/水又はTHF等の溶媒又は溶媒混合物中におけるNaOH等の塩基での処理等の、当該技術分野で知られた方法を用いてエステル官能基をけん化することにより、各酸誘導体が得られる。各酸RCOOHは、市販されているか又は当該技術分野において周知である。
【0140】
【化11】

【0141】
あるいは、構造7の化合物は、MeOH等の溶媒中、約0℃の温度にて、塩化チオニル等の試薬を用いて3−フェニルセリン誘導体をエステル化し、次いで、CHCl等の溶媒中、約0℃の温度にて、HOBt、DCC、N−メチルモルフォリン等の標準的な条件を用いて、カルボン酸誘導体R−COOHとカップリングすることにより、スキーム3に記載の通りに製造してもよい。CHCl等の溶媒中、Dess−Martinペルヨージナン等の酸化試薬を用いてアルコールを酸化し、次いで、EtN等の塩基の存在下、トリフェニルホスフィンとヨウ素を用いて環化することにより、各オキサゾール誘導体が得られる。ジオキサン等の溶媒中、aq.LiOH等の塩基での処理等の当該技術
分野で知られた方法を用いてエステル官能基をけん化することにより、所望の酸誘導体が得られる。
【0142】
【化12】

【0143】
あるいは、構造7の化合物は、下記のシークェンスを用いてスキーム4に記載の通りに製造してもよい。:a) 1,2−ジクロロエタン等の溶媒中、rt付近の温度で、式RCOOHの適宜な酸を塩化オキサリルと触媒性DMFで処理することによる、酸塩化物の形成;b) EtN及びDMAP等の塩基の存在下、THF等の溶媒中、約75℃の温度での、イソシアノ酢酸エチルを用いた、得られた酸塩化物の環化;c) EtOH等の溶媒中、10℃と85℃の間の温度での、得られたオキサゾールのアセチルクロリドを用いた開環;d) 酢酸ナトリウム等の塩基の存在下、水等の溶媒中における、アミンの式RC(O)−O−C(O)Rの無水物との反応;あるいは、アミンは、トリエチルアミン等の塩基の存在下、式RC(O)Clの適宜な酸塩化物と反応させてもよい;e) rt付近の温度における、濃硫酸等の酸の添加による環化;及びf) THF等の溶媒中における、aq.NaOH等の塩基による処理等の、当該技術分野で知られた方法を用いたエステル官能基のけん化。
【0144】
【化13】

【0145】
実験の部(この項において、及び明細書の上記の部分において使用される)略語:
Ac アセチル
AcCl 塩化アセチル
AcCN アセトニトリル
AcOH 酢酸
AlMe トリメチルアルミニウム
aq. 水性
atm 雰囲気
Boc tert−ブトキシカルボニル
bp 沸点
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
BuLi n−ブチルリチウム
ca. 約
cat. 触媒
Cbz ベンジルオキシカルボニル
COAD 慢性閉塞性気道疾患
COLD 慢性閉塞性肺疾患
COPD 慢性閉塞性肺疾患
DAD ダイオードアレイ検出器
DC 樹状細胞
DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
PL−DCC ポリマー支持N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE 1,2−ジクロロエタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DiBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP 4−N,N−ジメチルアミノピリジン
DMEM ダルベッコ修正イーグル培地
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルフォキシド
DPPA ジフェニルリン酸アジド
EA 酢酸エチル
EC50 半数効果濃度
EIA 酵素免疫測定法
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−
エチル−カルボジイミド塩酸塩
ELSD 蒸発光散乱検出器
eq. 当量
ES+ 電子スプレー、陽イオン化
Et エチル
エーテル又はEtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
EtOH エタノール
FA ギ酸
FAD 家族性常染色体優性遺伝
FC シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー
FPRL1 ホルミルペプチド受容体like−1
FPRL2 ホルミルペプチド受容体like−2
GSH グルタチオン
h 時間
HATU 2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−
1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−
テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBSS ハンクス平衡塩類溶液
hept ヘプタン
HIV ヒト免疫不全ウイルス
HLM ヒト肝ミクロソーム
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOAt 7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IU 国際単位
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
lem 発光波長
Lex 励起波長
LPS リポ多糖
m−CPBA メタクロロ過安息香酸
Me メチル
MeOH メタノール
min 分
mM ミリモル
μM マイクロモル
mRNA 伝令リボ核酸
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
MS 質量分析
Ms メタンスルホニル
NADPH ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
nm ナノメーター
nM ナノモル
NMO N−メチル−モルホリン−N−オキシド
NMR 核磁気共鳴
OAc アセテート
org. 有機
p パラ
p−TsOH パラ−トルエンスルホン酸
PG 保護基
PL−Deta ポリスチレン支持ジエチレントリアミン
PL−HCO3 ポリスチレン支持炭酸水素塩、MP(マクロポーラス)
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスフォニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート
ロッシェル塩 酒石酸カリウムナトリウム
RCP 放射化学的純度
rf 保持係数
rpm 分当たりの回転数
rt 室温
sat. 飽和
SCX 強カチオン交換体
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
Si−DCC silicycle社のシリカ結合DCC
sol. 溶液
TBA テトラ−n−ブチルアンモニウム
TBAF テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
TBME tert−ブチルメチルエステル
TBDMS tert−ブチル−ジメチル−シリル
TBDPS tert−ブチル−ジフェニル−シリル
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−
テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
tBu tert−ブチル、第三ブチル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS トリ−イソプロピル−シリル
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチル−シリル
TPAP 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム
保持時間
TsOH p−トルエンスルホン酸一水和物
UV 紫外線
Vis 可視
【0146】
I−化学
全般。すべての温度は摂氏温度(℃)で示す。別段の記載が無い限り、反応はrtで行う。
【0147】
SCX物質として、SilicycleのSiliaBond(登録商標) SCXを用いた。
【0148】
ポリマー支持DCCとして、Polymer LaboratoriesのPL−DCCを使用した。
【0149】
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.2mmプレート:Merck、シリカゲル 60 F254を用いて行った。分取用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.2又は0.5mmプレート:Merck、シリカゲル 60 F254を用いて行った。検出は、UV、又はKMnO(3g)、KCO(20g)、NaOH5%(3mL)及びHO(300mL)の溶液を用い、次いで加熱することにより行った。
【0150】
フラッシュカラムクロマトグラフィー(FC)及びろ過は、シリカゲル 60 Merck(0.063−0.200mm)又はMacherey−Nagel シリカゲル(0.063−0.200mm)を用いて行った:溶出は、EA、hept、CHCl、CHCl、MeOH又はこれらの混合物を用いて行った。
【0151】
MPLCは、international sorbent technologyの、isolute(登録商標) SPE Flash SI IIカラムを用いて、溶出は、EA、EtO、hept、ヘキサン、CHCl、CHCl、MeOH、NHOH又はこれらの混合物を用いて行った。
【0152】
LC−MS−条件01(別段の記載が無い限り):分析用:Agilent 1100
Binary Pump及びDADを備えたThermo Finnigan MSQ
Surveyor MS。カラム:Agilent TechnologiesのZorbax SB−AQ 5μm、4.6x50mm ID。溶出液:A:HO+0.04%TFA;B:AcCN;勾配:1分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:4.50mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD+MS、tはmin.で示す。
【0153】
LC−MS−条件02(別段の記載が無い限り):分析用:Agilent 1100
Binary Pump及びDADを備えたThermo Finnigan MSQ
Plus MS。カラム:Agilent TechnologiesのZorbax
SB−AQ 5μm、4.6x50mm ID。溶出液:A:HO+0.04%TFA;B:AcCN;勾配:1分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:4.50mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD及びMS、tはmin.で示す。
【0154】
LC−MS−条件05c(別段の記載が無い限り):分析用:Dionex GHP 3200 Binary Pump、MS:Thermo MSQ Plus、DAD:Dionex PDA 3000、ELSD:Sedere Sedex 85。カラム:Dionex TCC−3200コンパートメント内で温度制御された、Agilent TechnologiesのZorbax SB−AQ1.8μm、4.6x20mm ID。溶出液:A:HO+0.04%TFA;B:AcCN。方法:勾配:1分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:4.5mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD、及びMS、tはmin.で示す。
【0155】
LC−MS−条件06(別段の記載が無い限り):分析用:Dionex HPG−3000 Binary Pump、MS:Thermo MSQ MS、DAD:Dionex PDA 3000、ELSD:PolymerLab ELS 2100。カラム:Dionex TCC−3000コンパートメント内で温度制御された、Sigma−AldrichのAscentis C18 2.7μm、3x30mm ID。溶出液:A:HO+0.05%TFA;B:AcCN。方法:勾配:2.40分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:3.0mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD、及びMS、tはmin.で示す。
【0156】
LC−MS−条件07(別段の記載が無い限り):分析用:Dionex HPG−3200RS Binary Pump、MS:Thermo MSQ Plus、DAD:Dionex DAD−3000RS、ELSD:Sedere Sedex 85。カラム:Dionex TCC−3200コンパートメント内で温度制御された(40℃)、Agilent TechnologiesのZorbax SB−AQ3.5μm、4.6x50mm ID。溶出液:A:HO+0.04%TFA;B:AcCN。方法:勾配:1分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:4.5mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD、及びMS、tはmin.で示す。
【0157】
LC−MS−条件08(別段の記載が無い限り):分析用:Dionex HPG−3000 Binary Pump、MS:Thermo MSQ MS、DAD:Dionex PDA 3000、ELSD:PolymerLab ELS 2100。カラム:Dionex TCC−3000コンパートメント内で温度制御された(50℃)、XBridge C18 2.5μm、2.1x20mm。溶出液:A:HO+0.05%TFA;B:AcCN。方法:勾配:2.00分に渡り5%Bから95%Bへ。流速:1.4mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD、及びMS、tはmin.で示す。
【0158】
分取用HPLC:WatersのX−Bridge C18 5μm、50x19mm
ID。溶出液:A:HO+0.5%NHOH;B:AcCN;勾配:5minに渡って10%Bから90%Bへ。流速:40.0mL/min。検出:UV/Vis及び/又はELSD、及びMS、tはmin.で示す。
【0159】
NMR:Bruker Avance 400(400MHz);Varian Mercury 300(300MHz);化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示す;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、hex=六重項、hept=七重項、m=多重項、br=広域、結合定数はHzで示す。
【実施例】
【0160】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではまったくない。
【0161】
一般的手順一般的手順A:アミドカップリング:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、酸(1.0eq.)のCHCl中の0.2M溶液を、DMAP(0.25eq.)、HOBt(1.2eq.)、EDC(2.5又は1.0eq.)及びDIPEA(4.0eq.)で処理し、そして得られた混合物をrtにて30min攪拌した。アミノトリアゾール誘導体(1.0eq.)のCHCl中の0.2M溶液を添加し、有機相を水と塩水(brine)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。FC又はHPLCにより残渣を精製して、所望の化合物を得た。
【0162】
一般的手順E:エステルの加水分解:
それぞれのカルボン酸エステル(1.0eq.)の、THFと、対応するアルキルアルコール、例えばMeOH又はEtOHの、3:1混合物中の0.5M溶液を、1M aq.NaOH(2.0eq.)で処理した。3h攪拌した後、白色の懸濁液が生成し、そして有機揮発物を減圧下で除去した。残った混合物を、水(THFとMeOHの3:1混合物の半分の量)で希釈し、氷浴で冷却し、そして1M aq.HClの添加により酸性化(pH=3−4)した。懸濁液をろ過し、そして残渣を冷水で洗浄し、乾燥後に、所望のカルボン酸誘導体を得た。
【0163】
一般的手順F:2−アセチルアミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体の合成:
【0164】
【化14】

【0165】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、それぞれの3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体(1.0eq.)の氷酢酸中の2.5M溶液を、10℃に冷却し、そして、この温度にて、NaNO(1.16eq.)の8.2M水溶液を添加した。添加完了後(15min)、溶液をrtに温め、そして2h攪拌した。次いで、溶液を水(氷酢酸の体積の5.3倍)に注ぎ、そして数分後、結晶が現れ始めた。この懸濁液を氷浴で冷却し、そして結晶をろ過により集めた。ケークを冷水で数回洗浄し、そして、減圧下、トルエンを用いた共沸蒸留で水を除き、それぞれの2−ヒドロキシイミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を得、それを無水酢酸と氷酢酸(それぞれの3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体1.0mmolに対し、0.6
6mL)の1:1.3混合物に溶解した。この溶液に、酢酸ナトリウム(0.06eq.)及びHgCl(0.002eq.)を添加した。混合物を1h還流し、次いでrtに冷却し、そしてろ過した。固形物をエーテルでリンスし、有機性のろ液を回収し、水で3回、1M aq.KCOで1回洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。粗生成物をFCで精製し、所望の2−アセチルアミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を得た。
【0166】
一般的手順G:環化(1):
【0167】
【化15】

【0168】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、それぞれの2−アセチルアミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体(1.0eq.)のクロロホルム中の1.6M溶液を、氷/NaCl浴中で約0℃に冷却した。SOCl(1.4eq.)を、攪拌下で溶液に添加し、そして温度を30分間、約0℃に維持した。次いで、溶液を1時間還流攪拌した。さらに0.25eq.のSOClを添加し、そして反応混合物をさらに1時間還流した。過剰のSOClを、1M aq.KCOでクエンチした。水層をエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を水で1回洗浄し、そしてMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除き、所望のオキサゾール誘導体を得、それはFCにより精製してもよい。
【0169】
一般的手順H:環化(2):
【0170】
【化16】

【0171】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、EtN(4.1eq.)、次いでそれぞれの2−(カルボニル−アミノ)−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体(1.0eq.)のCHCl中の0.1M溶液を、トリフェニルホスフィン(2.0eq.)及びヨウ素(2.0eq.)の、CHCl中の0.2M溶液に添加した。反応混合物をrtにて2h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣をFCで精製して、所望のオキサゾール誘導体を得た。
【0172】
一般的手順I:N−挿入:
【0173】
【化17】

【0174】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、ジアゾ誘導体(1.0eq.)の1,2−ジクロロエタン中の0.5M溶液を、カルボキサミド誘導体(1.0eq.)及び酢酸ロジウム(II)テトラキス(アセタート)ジロジウム(II)二水和物(0.05eq.)の、1,2−ジクロロエタン(カルボキサミド誘導体1mmol当たり3ml)中の還流溶液に、1.5hに渡って添加した。次いで、反応混合物を2h還流攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣をFCで精製して、所望の2−(カルボニル−アミノ)−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を得た。
【0175】
一般的手順J:ジアゾ化:
【0176】
【化18】

【0177】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体(1.0eq.)のAcCN中の0.17M溶液を、0℃にて、4−アセタミドベンゼンスルフォニルアジド(1.0eq.)、次いでEtN(3.0eq.)で処理した。反応混合物をrtにて2h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、残渣をエーテル−石油エーテル(light petroleum)中で粉砕し、そしてろ過した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣をFCで精製して、所望のジアゾ誘導体を得た。
【0178】
一般的手順K:Claisen縮合:
【0179】
【化19】

【0180】
A) 磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、酸誘導体(1.0eq.)の1,2−ジクロロエタン中の1.3M溶液を、rtにて、数滴のDMF、次いでオキサリルクロリド(1.3eq.)で処理した。反応混合物をrtにて3h、そして80℃にて20min攪拌した。溶媒を減圧下で除いた。
【0181】
B) 磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、マロン酸エチルカリウム(2eq.)のアセトニトリル中の0.83M溶液を、10℃にて、マグネシウムクロリド(2.5eq.)で処理し、そして懸濁液を、10℃にて
30min、そしてrtにて3h攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、そして、Aで製造した酸塩化物の溶液、次いでEtN(2eq.)で、15minに渡り滴下処理した。得られた懸濁液をrtにて2h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣をトルエンを用いてはがした。残渣をトルエン(マロン酸エチルカリウム1mmol当たり1.5mL)中に取り、そして、トルエンと同量の4M HClで、10℃にて処理した。有機層を、4M HCl、水で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFCで精製し、所望の誘導体を得た。
【0182】
一般的手順M:環化(3):
【0183】
【化20】

【0184】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、酸(1.0eq.)のDMF中の0.5M溶液を、rtにて、炭酸カリウム1.5水和物、又はDIPEA(1.2eq.〜1.5eq.)、次いで、イソシアノ酢酸メチル(1.5eq.〜3.2eq.)のDMF中の2.0M溶液で処理し、混合物をrtにて5min攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、そしてDPPA(1.1eq.)のDMF中の0.67M溶液で処理した。得られた懸濁液を0℃にて2h攪拌した。次いでEAとトルエンの1:1混合物中に注ぎ、そして有機層を、水、10%クエン酸、水、そして飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFCで精製し、所望の誘導体を得た。
【0185】
一般的手順N:環化(4):
【0186】
【化21】

【0187】
A) 磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、酸誘導体(1.0eq.)の1,2−ジクロロエタン中の1.0M溶液を、rtにて、数滴のDMF、次いでオキサリルクロリド(1.3eq.)で処理した。反応混合物をrtにて3h、そして80℃にて20min攪拌した。溶媒を減圧下で除いた。
【0188】
B) 磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、イソシアノ酢酸エチル(1eq.)のTHF中の0.7M溶液を、DMAP(0.1eq.)とEtN(2.2eq.)で処理し、そして反応混合物60℃に加熱した後、Aで製造した酸塩化物のTHF溶液(イソシアノ酢酸エチル溶液で用いた量の5分の1)を滴下し、次いで、混合物を75℃にて1.5h攪拌した。25%HCl、次いでTBDMEを添加した。有機層をsat.aq.NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥し
、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFCで精製して、所望の誘導体を得た。
【0189】
一般的手順O:オキサゾールの開環及びN−アセチル化:
【0190】
【化22】

【0191】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、温度を10℃未満に維持しながら、オキサゾール誘導体(1.0eq.)のEtOH中の0.43M溶液を、0℃にて塩化アセチル(9eq.)で処理した。次いで、反応混合物を50℃にて一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣を、0℃にて、酢酸ナトリウム(2eq)の1.3M水溶液で処理した。次いで、無水物(2eq.)を滴下した。30min後、TBDMEを添加し、そして有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFCで精製して、所望の誘導体を得た。
【0192】
一般的手順P:環化(5):
【0193】
【化23】

【0194】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、アミドの濃硫酸中の0.65M溶液を、rtにて一晩攪拌した。次いで、反応混合物をアイスの上に注ぎ、そして4−メチル−3−ペンタノンで数回抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFCで精製することにより、所望の誘導体が得られる。
【0195】
一般的手順Q:2−アセチルアミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体の合成:
【0196】
【化24】

【0197】
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、各3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体(1.0eq.)の氷酢酸中の2.5M溶液を、10℃に冷却し、そしてこの温度にて、NaNO(1.16eq.)の8.2M水溶液を添加した。添加完了後(15min)、溶液をrtに温め、そして2h攪拌した。次いで、溶液を水中(氷酢酸の5.3倍量)に注ぐと、数分後に結晶が現れはじめた。この懸濁液を氷浴で冷却し、そして結晶をろ過により集めた。ケークを冷水で数回洗浄し、そしてトルエンを用いた減圧下での共沸蒸留により水を除き、各2−ヒドロキシイミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を得、それを無水酢酸(3.0eq.)と酢酸(各2−ヒドロキシイミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体1g当たり1mL)中に溶解した。この溶液に酢酸ナトリウム(0.06eq.)とZnCl(0.002eq.)を添加した。次いで、混合物を、Zn粉末(3.0eq)で15minに渡って少しずつ処理した。反応混合物を0.5h還流し、次いでrtに冷却し、そしてろ過した。固形物をエーテルでリンスし、有機性のろ液を回収し、水で3回、そして1M aq.KCOで1回洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除去して、所望の2−アセチルアミノ−3−オキソ−プロピオン酸エステル誘導体を得た。
【0198】
一般的手順Z2:アミドカップリング:
DMF/DCM、1/1(500μL)中に溶解した酸(0.15mmol)を含むバイアル中に、DMF(50μL;0.05mmol)中の1MHOATを0.5eq.、そしてSi−カルボジイミド(Si−DCC)、1.08mmol/gを2eq.添加した。次いで、DMF/DCM、1/1(200μL)に溶解したアミン(1eq.)を添加した。混合物をrtにて一晩攪拌した。PL−DETA樹脂2eqを各バイアルに添加し、そして混合物をrtにて22h攪拌した。2mlのDCM/DMF、1/1を、反応混合物に添加し、そしてそれを、2mlのDCM/MeOH(1/1)、3mlのMeOH及び2mlのDCM/MeOH(1/1)で洗浄した、前処理したシリンジ(1gのPL−HCO及び1mLのDCM)に入れた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をHPLCで精製することにより、所望の化合物を得た。
【0199】
中間体の合成
4−ブロモ−チアゾール−2−カルバルデヒド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、市販の2,4−ジブロモ−チアゾール(3.50g、14.41mmol)の乾燥EtO(120mL)中の溶液を、−78℃にて、n−BuLi(ヘキサン中の2.5M溶液を5.9mL、14.72mmol)で処理した。反応混合物をこの温度にて30min攪拌した。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド(1.35mL、14.47mmol)を添加し、そして1hの間に渡って混合物をrtに温めた。反応をsat.aq.NHCl(50mL)の添加によりクェンチした。層を分離し、そして水層をEtO(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、10:1から3:1へ)で精製して、表題化合物を薄黄色の固体として得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.21。LC−MS−条件02:t=0.81min。
【0200】
(4−ブロモ−チアゾール−2−イル)−メタノール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、4−ブロモ−チアゾール−2−カルバルデヒド(1.68g、8.75mmol)をMeOH(10mL)中に溶解した。NaBH(428mg、10.86mmol)を0℃にて少しずつ添加し、そして反応混合物をrtにて1h攪拌した。水(10mL)を添加し、そして混合物をEA(3x20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO
で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、6:1から2:1へ)で精製して、表題化合物を薄黄色の固体として得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.31。LC−MS−条件02:t=0.62min、[M+H]=194.31。
【0201】
4−ブロモ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−チアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、(4−ブロモ−チアゾール−2−イル)−メタノール(1.37g、7.06mmol)を乾燥CHCl(21mL)中に溶解した。tert−ブチルジメチルシリルクロリド(1.17g、7.77mmol)、次いでイミダゾール(985mg、14.47mmol)を0℃にて添加した。反応混合物をrtにて2h攪拌した。10% Aq.KCO(10mL)を添加し、相を分離し、そして水層をCHCl(2x20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除き、表題化合物を無色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.80。
【0202】
1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−チアゾール−4−イル]−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、4−ブロモ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−チアゾール(1.94g、6.29mmol)の乾燥EtO(50mL)中の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中の2.5M溶液を2.76mL、6.92mmol)を−78℃にて添加した。次いで、反応混合物を−78℃にて30min攪拌した後、N,N−ジメチルアセタミド(1.17mL、12.58mmol)を滴下した。反応混合物を1hの間に渡ってrtに温め、そしてこの温度にて20min攪拌した。Sat.aq.NHCl(20mL)を添加し、相を分離し、そして水層をEtO(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、20:1から5:1へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.51。LC−MS−条件02:t=1.11min;[M+H]=272.39。
【0203】
2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−チアゾール−4−イル]−エタノン(1.77g、6.52mmol)のエチレングリコール(7mL)中の溶液を、オルトギ酸トリメチル(1.46mL、13.29mmol)、次いでLiBF(125mg、1.30mmol)で処理した。反応混合物を95℃にて4h加熱した。Sat.aq.NaCO(5mL)を添加し、そして混合物をEtO(2x20mL)で抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、20:1から3:1へ)で精製して表題化合物を茶色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.56。LC−MS−条件02:t=1.11min;[M+H]=316.36。
【0204】
[4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イル]−メタノール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール(1.30g、4.12mmol)の乾燥TH
F(10mL)中の溶液を、0℃にてTBAF(THF中の1M溶液を6.2mL、6.20mmol)で処理した。反応混合物を0℃にて5min、そしてrtにて1h30攪拌した。次いで、混合物をEA(10mL)で希釈し、塩水(3x10mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をFC(hept−EA、5:1から1:3へ)で精製して、表題化合物を黄色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.20。LC−MS−条件02:t=0.59min;[M+H]=202.48。
【0205】
2−[4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、[4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イル]−メタノール(18.460g、91.73mmol)の乾燥CHCl(300mL)中の溶液を、EtN(16.59mL、118.62mmol)、次いでDMAP(1.132g、9.17mmol)とMs−Cl(9.17mL、115.83mmol)で、0℃にて処理した。0℃にて1h攪拌した後、反応を水(80mL)でクェンチした。層を分離し、そして水層をCHCl(3x)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、粗製メタンスルホン酸 4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチルエステルを茶色のオイルとして得た。DMF(20mL)中のこの粗製物質の一部(2.756g、9.87mmol)を、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(アセトン中の10%溶液を10.60g、9.29mmol)のDMF(20mL)中の、DIPEA(3.18mL、18.59mmol)で30min前処理した溶液に添加し、そして反応混合物を50℃にて一晩攪拌した。水(25mL)、次いでEA(50mL)を添加した。水層をEA(50mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、1:2)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.52。LC−MS−条件02:t=0.88min、[M+H]=297.84。
【0206】
1−[2−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−チアゾール−4−イル]−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−[4−(2−メチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−チアゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(2.360g、7.94mmol)のTHF(40.0mL)中の溶液を、1N HCl(21.4mL、21.4mmol)で処理し、そして反応混合物をrtにて一晩攪拌した。反応混合物を1N NaOHで中和した。水層をEA(20mL)で2回抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、6:4)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、6:4)=0.29。LC−MS−条件02:t=0.81min、[M+H]=254.35。
【0207】
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−[2−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−チアゾール−4−イル]−エタノン(1.000g、3.95mmol)を、Deoxo−Fluor(トルエン中の50%溶液を17.47g、39.49mmol)、次いでEtOH(0.2mL)で処理した。反応混合物を60℃にて一晩攪拌した。反応混合物をsat.aq.NaCO(60mL)に注いだ。水層をEA(60mL)で2回抽出し、そして合
わせた有機抽出物をsat.aq.NaCO(60mL)、水(60mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、7:3)で精製して、表題化合物をオレンジ色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、7:3)=0.32。LC−MS−条件02:t=0.96min。
【0208】
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(491mg、1.78mmol)、鉄粉末(302mg、5.35mmol)及びNHCl(482mg、8.92mmol)の、EtOH(8.0mL)と水(4.0mL)の混合物中の混合物を、85℃にて20min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(20mL)、次いで水(20mL)を添加した。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件02:t=0.76min;[M+H]=246.16。
【0209】
(E)−2−スチリル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、3−フェニル−アクリルアミド(10.31g、67.95mmol)とNaHCO(28.47g、339.73mmol)の、THF(260mL)中の懸濁液を、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステル(13.04mL、88.33mmol)で処理し、そして反応混合物を還流下で15h攪拌した。3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステル(13.04mL、88.33mmol)を再び添加し、そして反応混合物を還流下で15h攪拌した。次いで、反応混合物をセライト上でろ過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF(30mL)中に溶解し、そして0℃にて、トリフルオロ無水酢酸(30.0mL、215.83mmol)で滴下処理した。次いで、反応混合物をrtにて一晩攪拌した。Sat.aq.NaCOを添加し、そして混合物をEA(3×150mL)で抽出し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(EA−Hept、1:9)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。TLC:rf(EA−Hept、1:9)=0.1。LC−MS−条件02:t=1.01min;[M+H]=244.48。
【0210】
2−ホルミル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、NaIO(3.21g、15.00mmol)の水(26.0)mL中の溶液を、シリカゲル(15.0g)のアセトン(60.0mL)中の、激しく攪拌した懸濁液にゆっくりと添加した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、そして粒状の固体をCHCl中に懸濁し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。CHCl(40.0mL)を添加し、そして反応混合物を、rtにて、(E)−2−スチリル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル(1.22g、5.00mmol)とRuCl水和物(82mg、0.15mmol)で処理した。反応混合物を、暗室内で、rtにて30min攪拌し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をFC(EA−Hept、1:9から1:2へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。TLC:rf(EA−Hept、3:2)=0.21。LC−MS−条件02:t=0.51min;[M+HO+H]=188.50。
【0211】
2−ヒドロキシメチル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−ホルミル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル(272mg、1.61mmol)をEtOH(5.0mL)中に溶解した。NaBH(112mg、2.84mmol)を0℃にて少しずつ添加し、そして反応混合物を0℃にて1h攪拌した。Sat.aq.NHClを添加し、そして混合物をEA(5×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。TLC:rf(EA)=0.50。LC−MS−条件02:t=0.58min;[M+H]=172.03。
【0212】
2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−ヒドロキシメチル−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル(275mg、1.61mmol)を乾燥CHCl(5.0mL)中に溶解した。tert−ブチルジメチルシリルクロリド(510mg、3.22mmol)、次いでイミダゾール(221mg、3.22mmol)を、rtにて添加した。反応混合物をrtにて30min攪拌した。水を添加し、層を分離し、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(EA−Hept、1:20から1:9へ)で精製して、表題化合物を無色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、9:1)=0.15。LC−MS−条件02:t=1.10min;[M+H]=286.38。
【0213】
2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−カルバルデヒド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−カルボン酸 エチルエステル(283mg、0.99mmol)のCHCl(5.0mL)中の溶液を、−78℃にてDiBAL(トルエン中の1M溶液を1.85mL、1.85mmol)で処理し、そして反応混合物を−78℃にて1h攪拌した。MeOH(70μL)とHO(100μL)を添加し、そして反応混合物をrtに温めた。反応混合物をろ過し、そして溶媒を減圧下で除き、表題化合物を無色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.61。LC−MS−条件02:t=1.03min;[M+HO+H]=260.50。
【0214】
1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−カルバルデヒド(223mg、0.92mmol)のCHCl(8.0mL)中の溶液を、0℃にて、トリメチルアルミニウム(トルエン中の2M溶液を2.50mL、5.00mmol)で処理した。次いで、反応混合物を0℃にて45min攪拌した。次いで、Sat.aq.NHClを添加し、そして水相をCHClで2回、そしてEAで2回抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を無色のオイルとして得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.32。LC−MS−条件02:t=0.97min、[M+H]=258.30。
【0215】
1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−
[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノール(193mg、0.75mmol)のAcCN(5.0mL)中の溶液を、rtにてMnO(362mg、3.75mmol)で処理した。反応混合物をrtにて16h攪拌した後、セライトを通してろ過した。溶媒を減圧下で除き、表題化合物を白色の固体として得た。TLC:rf(hept−EA、1:1)=0.69。LC−MS−条件02:t=1.04min、[M+H]=255.84。
【0216】
1−(2−ヒドロキシメチル−オキサゾール−4−イル)−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノン(192mg、0.75mmol)の乾燥THF(5.0mL)中の溶液を、rtにてTBAF(THF中の1M溶液を1.1mL、1.10mmol)で処理した。応混合物をrtにて1.5h攪拌した。次いで、混合物をEA(10mL)で希釈し、塩水(3x10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をFC(EA−Hept、1:1から2:1へ)で精製して、表題化合物を薄黄色の固体として得た。TLC:rf(EA)=0.37。LC−MS−条件02:t=0.34min、[M+H]=142.46。
【0217】
メタンスルホン酸 4−アセチル−オキサゾール−2−イルメチルエステル:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−(2−ヒドロキシメチル−オキサゾール−4−イル)−エタノン(75mg、0.53mmol)の乾燥CHCl(5.0mL)中の溶液を、EtN(0.10mL、0.71mmol)、次いでDMAP(6mg、0.05mmol)とMs−Cl(0.05mL、0.66mmol)で、0℃にて処理した。0℃にて30min攪拌した後、反応混合物を水(10mL)でクェンチし、CHCl(10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。TLC:rf(EA)=0.63。LC−MS−条件02:t=0.64min;[M+H]=220.22。
【0218】
1−[2−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、メタンスルホン酸 4−アセチル−オキサゾール−2−イルメチルエステル(116mg、0.53mmol)のDMF(3.0mL)中の溶液を、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(62mg、0.53mmol)のDMF(2.0mL)中の、DIPEA(0.20mL、1.17mmol)で30min前処理した溶液に添加し、そして反応混合物を、50℃にて20h攪拌した。水(10mL)、次いでEA(10mL)を添加した。水層をEA(10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、3:1から1:1へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.49。LC−MS−条件01:t=0.76min。
【0219】
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−[2−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−オキサゾール−4−イル]−エタノン(170mg、0.72mmol)を、Deoxo−Fluor(トルエン中の50%溶液を3.17g、7.17mmol)、次いでEtOH(0.2mL)で処理した。反応混合物をrtにて16h攪拌した。反応混合物をsat.aq.NaCO(5mL)に注いだ。水層をジクロロメタン(6mL)で2回抽出し、そして
合わせた有機抽出物をsat.aq.NaCO(6mL)、水(6mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(CHCl−MeOH−NHOH、1000:12.2:1から1000:100:8へ)で精製して、表題化合物を黄色のオイルとして得た:TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.58。LC−MS−条件05c:t=0.45min。
【0220】
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(130mg、0.50mmol)、鉄粉末(85mg、1.41mmol)及びNHCl(136mg、2.51mmol)の、EtOH(2.0mL)と水(1.0mL)の混合物中の混合物を、70℃にて60min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(10mL)、次いで水(10mL)を添加した。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件05c:t=0.47min。
【0221】
1−(5−ヒドロキシメチル−フラン−2−イル)−エタノン:
火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒド(100g、0.79mol)とピリジニウムトルエン−4−スルフォネート(10g、0.04mol)の、CHCl(1L)中の混合物に、内部温度を28℃未満に維持しながら(水浴)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(150mL、1.62mol)を添加した。反応混合物をrtにて5h攪拌した。水(1L)を添加し、相を分離し、そして有機層を水(500mL)で洗浄し、そして蒸発乾固して、粗製5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)−フラン−2−カルバルデヒドを黄色のオイル(171g、quantとして得た。)。
【0222】
粗製5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)−フラン−2−カルバルデヒド(171g)をTHF(1L)中に溶解し、そして1℃に冷却した。次いで、内部温度を5℃未満に維持しながら、メチルマグネシウムクロリド(THF中3M、325mL、0.97mol)を添加した。添加後、反応混合物をrtにて1h攪拌した。水(1L)、TBME(1L)及び40%aq.クエン酸(200mL)を添加し、相を分離し、そして有機層を水(500mL)で洗浄し、そして蒸発乾固して、174gの粗製1−[5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)−フラン−2−イル]−エタノール(収率95%)を得た。粗製物質の一部(96g、0.43mol)をCHCl(1L)中に溶解し、そしてrtにてMnO(371g、4.26mol)で処理した。反応混合物を45℃に加熱し、そしてこの温度にて24h攪拌した。次いで、混合物をセライト上でろ過し、そしてフィルターケークをCHClで洗浄した。ろ液を蒸発乾固して、粗製1−[5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)−フラン−2−イル]−エタノン(89g、93%)を黄色のオイルとして得た。
【0223】
粗製1−[5−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)−フラン−2−イル]−エタノン(89g、0.40mol)をMeOH(500mL)中に溶解し、そしてrtにてAmberlyst 15(15g)で処理した。反応混合物を35℃にて1h攪拌し、rtに冷却し、そしてセライト上でろ過した。EtN(1mL)を添加し、そして混合物を蒸発乾固した。残渣をメチルシクロヘキサンを用いて剥がし、そして1−(5−ヒドロキシメチル−フラン−2−イル)−エタノン(55g、99%)を、放置すると固化する黄色のオイルとして得た。
【0224】
1−[5−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−フラン−2−イル]−エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−(5−ヒドロキシメチル−フラン−2−イル)−エタノン(2.00g、14.27mmol)の乾燥CHCl(29mL)中の溶液を、EtN(2.58mL、18.55mmol)、次いでDMAP(178mg、1.43mmol)とMs−Cl(1.33mL、17.13mmol)で、0℃にて処理した。rtにて3h攪拌した後、反応を水でクェンチした。層を分離し、そして水層をCHCl(3x)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、3.93g(quant.)の粗製1−(5−クロロメチル−フラン−2−イル)−エタノンを茶色のオイルとして得た。DMF(10.3mL)中のこの粗製物質の一部(1.718g、10.83mmol)を、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(アセトン中の10%溶液を10.30g、9.03mmol)のDMF(10.3mL)中の、DIPEA(3.09mL、18.06mmol)で30min前処理した溶液に添加し、そして反応混合物を50℃にて一晩攪拌した。水(32mL)、次いでEA(65mL)を添加した。水層をEA(65mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、2:1)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、2:1)=0.20。LC−MS−条件02:t=0.85 min、[M+H]=237.46。
【0225】
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−[5−(4−ニトロ−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル)−フラン−2−イル]−エタノン(1.000g、4.23mmol)を、Deoxo−Fluor(トルエン中の50%溶液を18.73g、42.34mmol)、次いでEtOH(0.2mL)で処理した。反応混合物を2日間攪拌した。反応混合物をsat.aq.NaCO(50mL)に注いだ。水層をジクロロメタン(60mL)で2回抽出し、そして合わせた有機抽出物をsat.aq.NaCO(60mL)、水(60mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、7:3)で精製して、表題化合物をオレンジ色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、7:3)=0.42。LC−MS−条件02:t=1.00min。
【0226】
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(471mg、1.82mmol)、鉄粉末(309mg、5.47mmol)及びNHCl(493mg、9.12mmol)の、EtOH(7.0mL)と水(3.5mL)の混合物中の混合物を、85℃にて20min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(10mL)、次いで水(10mL)を添加した。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件02:t=0.82min;[M+H+AcCN]=270.24。
【0227】
(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアミド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、(E
)−2−メチル−3−フェニルアクリル酸(19.0g、116mmol)とEtN(17.1mL、122mmol)のTHF(500mL)中の溶液を、0℃にて、エチルクロロギ酸エステル(11.4mL、117mmol)で処理し、そして反応混合物を0℃にて15min攪拌した。次いで、NHOH(25%水溶液を250mL)のTHF(150mL)中の溶液を添加し、そして反応混合物をrtにて90min攪拌した。水層をCHClで2回抽出し、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を白色の固体として得た。TLC:rf(CHCl−MeOH−NHOH、1000:50:4)=0.25。
【0228】
(E)−エチル 2−(1−フェニルprop−1−エン−2−イル)オキサゾール−4−カルボキシレート:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、(E)−2−メチル−3−フェニルアクリルアミド(29.4g、182mmol)とNaHCO(68.72g、820mmol)のTHF(500mL)中の懸濁液を、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステル(45.74mL、309mmol)で処理し、そして反応混合物を還流下で20h攪拌した。3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸 エチルエステル(10.0mL、68mmol)を再び添加し、そして反応混合物を還流下で10h攪拌した。次いで、反応混合物をセライト上でろ過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をTHF(500mL)中に溶解し、そして0℃にて、トリフルオロ無水酢酸(78.0mL、555mmol)で滴下処理した。次いで、反応混合物をrtにて一晩攪拌した。Sat.aq.NaCO(250mL)を添加し、そして混合物をEA(4×250mL)で抽出し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(EA−Hept、0:1から1:9へ)で精製して、表題化合物を茶色のオイルとして得た。TLC:rf(EA−Hept、1:9)=0.13。
【0229】
エチル 2−アセチルオキサゾール−4−カルボキシレート:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、NaIO(23g、108mmol)の水(150)mL中の溶液を、シリカゲル(110g)のアセトン(500mL)中の、激しく攪拌した懸濁液にゆっくりと添加した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、そして粒状の固形物をCHClに懸濁し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。CHCl(500mL)を添加し、そして反応混合物を、rtにて、(E)−エチル 2−(1−フェニルプロプ−1−エン−2−イル)オキサゾール−4−カルボキシレート(8.3g、32.5mmol)とRuCl水和物(550mg、1.0mmol)で処理した。反応混合物を、暗室内で、rtにて60min攪拌し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をFC(石油エーテル:EtO、1:0から1:5へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。TLC:rf(EA−Hept、1:1)=0.52。
【0230】
エチル 2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−カルボキシレート:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、エチル 2−アセチルオキサゾール−4−カルボキシレート(1.15g、6.28mmol)を、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(7.31g、31.39mmol)、次いでEtOH(0.2mL)で処理した。反応混合物を60℃にて一晩攪拌した。反応混合物をsat.aq.NaCO(25mL)に注いだ。水層をEAで2回抽出し、そして合わせた有機抽出物をsat.aq.NaCO(25mL)、水(25mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、5:1から1:1へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.8。LC−MS−
条件01:t=0.85min;[M+H]=205.98。
【0231】
(2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メタノール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、エチル 2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−カルボキシレート(1.23g、6.00mmol)のTHF(15.0mL)中の溶液を、0℃にて、水素化リチウムアルミニウム(THF中の1M溶液を6.7mL、6.70mmol)のTHF(5.0mL)中の溶液に滴下し、そして反応混合物を、0℃にて1h攪拌した。水(2.0mL)、次いで1M NaOH(2.0mL)と水(2.0mL)を添加し、そして反応混合物をrtに温めた。溶媒を減圧下で除き、表題化合物を無色のオイルとして得た。TLC:rf(EA)=0.18。LC−MS−条件01:t=0.57min;[M+H]=164.04。
【0232】
2−(1,1−ジフルオロエチル)−4−((4−ニトロ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)オキサゾール:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、(2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メタノール(505mg、3.10mmol)の乾燥CHCl(15mL)中の溶液を、EtN(0.56mL、4.03mmol)、次いでDMAP(38mg、0.31mmol)とMs−Cl(0.31mL、3.91mmol)で、0℃にて処理した。0℃にて1.5h攪拌した後、反応を水でクェンチした。層を分離し、そして水層をCHCl(3x)で抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、695mgの粗製(2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル メタンスルフォネートを黄色の固体として得た。この粗製物質のDMF(8mL)中の溶液を、4−ニトロ−2H−[1,2,3]トリアゾール(アセトンの10%溶液を3.08g、2.70mmol)のDMF(10mL)中の、DIPEA(0.9mL、5.39mmol)で30min前処理した溶液に添加し、そして反応混合物を50℃にて一晩攪拌した。水(30mL)、次いでEA(50mL)を添加した。水層をEA(50mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、5:1から2:1へ)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、1:2)=0.4。LC−MS−条件01:t=0.89min、[M]=259.11。
【0233】
2−((2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、2−(1,1−ジフルオロエチル)−4−((4−ニトロ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)オキサゾール(130mg、0.50mmol)、鉄粉末(85mg、1.51mmol)及びNHCl(136mg、2.51mmol)の、EtOH(2.0mL)と水(1.0mL)の混合物中の混合物を、70℃にて60min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(10mL)、次いで1N NaOH(10mL)を添加した。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件01:t=0.66min;[M+H]=230.03。
【0234】
1−(2−((4−ニトロ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)チアゾール−4−イル)エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−2−((4−ニトロ−2H−1,2
,3−トリアゾール−2−イル)メチル)チアゾール(WO2009077990A1)(5610mg、18.87mmol)のTHF(190mL)中の溶液を、1N HCl(51.0mL)で処理し、そして反応混合物をrtにて一晩攪拌した。1N NaOHを添加して中性pHに到達させ、そして生成物をEA(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いた。残渣をFC(hept−EA、6:4)で精製して、表題化合物を黄色の固体として得た:TLC:rf(hept−EA、6:4)=0.29。LC−MS−条件02:t=0.82min。
【0235】
1−(2−((4−アミノ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)チアゾール−4−イル)エタノン:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−(2−((4−ニトロ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)チアゾール−4−イル)エタノン(343mg、1.35mmol)、鉄粉末(229mg、4.06mmol)及びNHCl(366mg、6.77mmol)の、EtOH(6.0mL)と水(3.0mL)の混合物中の混合物を、85℃にて20min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(20mL)、次いで水(20mL)を添加した。水層をCHCl(2×20mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件02:t=0.62min;[M+H]=224.36。
【0236】
1−(5−((4−アミノ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)フラン−2−イル)エタノン
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、1−(5−((4−ニトロ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)フラン−2−イル)エタノン(WO2009077990A1)(500mg、2.12mmol)、鉄粉末(358mg、6.35mmol)及びNHCl(572mg、10.59mmol)の、EtOH(8.0mL)と水(4.0mL)の混合物中の混合物を、85℃にて30min攪拌した。反応混合物を熱いうちにろ過し、そして減圧下で濃縮した。CHCl(15mL)、次いで1N NaOH(15mL)を添加した。水層をCHCl(2×15mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物を黄色のオイルとして得た。LC−MS−条件02:t=0.64min;[M+H]=207.49。
【0237】
N−(2−((4−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
2−((4−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン及び5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件07:tR=1.03min;[M+H]=555.03。
【0238】
N−(2−((4−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−トリチウム−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N2)、N−(2−((4−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド(6.0mg、10.8μmol)、Et
N(3.0μl、22μmol)及びPd(2.35mg、木炭上10%)の、DMF(0.6mL)中の懸濁液を、3回脱気し、そして、トリチウムガス雰囲気下(11Ci)、23℃にて6h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして溶液を攪拌しながら、0.7mLのMeOHを添加することにより、不安定なトリチウムを交換し、そして溶媒を減圧下で除いた。この工程を3回繰り返した。最後に、よく乾燥した固体をEtOH(10mL)で抽出し、そして懸濁液を0.2μmのナイロン膜を通してろ過し、黄色の溶液を得た。粗製生成物の活性は261mCiであった。下記のHPLC系を用いた測定により、RCPは93%であった:Macherey+Nagel Nucleodur C18
Gravity(5μm、4.6x150mm);溶媒:A。水、0.05%TFA;B:アセトニトリル、0.05%TFA;0−4.5min 65%B;5−9.5min 95%B;10min 65%B;254nM;流速、1.4mL/min。
【0239】
74mCiの粗製の生成物を、下記のHPLC条件を用いて精製した:Macherey+Nagel Nucleodur C18 Gravity(5μm、8x150mm);溶媒:A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.1%TFA;0−5.5min 65%B;6−9.5min 95%B;10min 65%B;254nm、流速4.0ml/min。
【0240】
生成物画分を水で希釈し、そしてNaHCO3を添加した後、水で2回洗浄したSPEカートリッジ(Phenomenex StrataX、3mL、100mg)上にロードし、そしてEtOH(10mL)で溶出した。生成物は97%を超える放射化学的純度を示し、そして比活性は23Ci/mmolであった。
【0241】
N−(2−((4−アセチルチアゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
1−(2−((4−アミノ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)チアゾール−4−イル)エタノン及び5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件02:tR=1.12min;[M+H]+=549.20。
【0242】
N−(2−((4−アセチルチアゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−トリチウム−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N2)、N−(2−((4−アセチルチアゾール−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド(3.2mg、5.8μmol)、EtN(1.6μl、11.6μmol)及びPd(1.55mg、木炭上10%)の、EtOH(0.46mL)とジオキサン(0.24mL)中の懸濁液を、3回脱気し、そして、トリチウムガス雰囲気下(12Ci)、21℃にて5.5h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして溶液を攪拌しならが1.0mLのMeOHを添加することにより、不安定なトリチウムを交換し、そして溶媒を減圧下で除いた。この工程を3回繰り返した。よく乾燥した固体をEtOH(5mL)で抽出し、そして懸濁液を0.2μmのナイロン膜を通してろ過し、無色の溶液を得た。粗製生成物の活性は111mCiであった。下記のHPLC系を用いた測定により、RCPは90%であった:Macherey+Nagel Nucleodur C8 Gravity(5μm、4.6x150mm);溶媒:A。水、0.05%TFA;B:アセトニトリル、0.05%TFA;0min 30%B;10−14.5min
95%B;15min 30%B;290nM;流速、1.0mL/min。
【0243】
60mCiの粗製生成物を下記のHPLC条件を用いて精製した:Macherey+Nagel Nucleodur C18 Gravity(5μm、8x150mm);溶媒:A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.1%TFA;53%B;254nm、流速3.1ml/min。
【0244】
生成物画分を濃縮し、NaHCOを添加した後、水で2回洗浄したSPEカートリッジ(Phenomenex StrataX、3mL、100mg)上にロードし、そしてEtOHで溶出した。生成物は98%を超える放射化学的純度を示し、そして比活性は19Ci/mmolであった。
【0245】
N−(2−((5−アセチルフラン−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
1−(5−((4−アミノ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)メチル)フラン−2−イル)エタノン及び5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件02:t=1.12min;[M+H]=549.20。
【0246】
N−(2−((5−アセチルフラン−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−トリチウム−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N2)、N−(2−((5−アセチルフラン−2−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド(3.0mg、5.6μmol)、DIPEA(0.05mL)及びPd(10mg、木炭上10%)の、EtOH(3.0mL)とDMF(1.0mL)中の懸濁液を、3回脱気し、そして、トリチウムガス雰囲気下(5Ci)、rtにて2.0h攪拌した。触媒をろ過により除き、そして、EtOHから繰り返し蒸発乾固させることにより、不安定なトリチウムを除いた。下記のHPCL条件を用いた精製:Hypersil BDS C18(5μm、4.6x250mm);溶媒:A:水、0.1%TFA;B:アセトニトリル、0.1%TFA;勾配、30minに渡って100%Aから100%Bへ、流速1.0ml/min。
【0247】
メチル 3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロベンゾエート:
磁気攪拌棒を備えた、火炎乾燥した丸底スラスコ中にて、不活性雰囲気下(N)、メチル 3−アミノ−4−フルオロベンゾエート(1.55g、9.16mmol)、パラホルムアルデヒド(8.25g、91.63mmol)及びNaBHCN(1.73g、27.49mmol)の混合物を、酢酸(90mL)で処理し、そして得られた混合物をrtにて4h攪拌した。Sat.aq.NaCOを反応混合物に添加し、そしてpHを7−8に調整した。混合物をCHCl(3x55mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除いて、表題化合物をオレンジ色のオイルとして得た。Waters Atlantis T3、5μm、4.6X30mmカラムを用いたLC−MS−条件05c:t=0.76min;[M+H]=198.38。
【0248】
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−オキソ−3−m−トリル−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順F、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.85min;[M+H]=218.46。
【0249】
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−クロロ−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、F、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.87min;[M+H]=238.06。
【0250】
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順F、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.76min;[M+H]=204.03。
【0251】
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−トリフルオロメチル−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、F、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.91min;[M+H]=272.05。
【0252】
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−トリフルオロメトキシ−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、F、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.93min;[M+H]=288.06。
【0253】
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
4−フルオロ−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.80min;[M+AcCN+H]=249.04。
【0254】
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−オキソ−3−m−トリル−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.83min;[M+H]=204.17。
【0255】
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−(3−メトキシ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.80min;[M+H]=220.13。
【0256】
2−エチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.85min;[M+H]=218.19。
【0257】
2−シクロプロピル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸 エチルエステルを出発物質として、一般的手順J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.87min;[M+H]=230.17。
【0258】
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−フルオロ−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.80min;[M+AcCN+H]=249.09。
【0259】
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−クロロ−安息香酸を出発物質として、一般的手順K、J、I、H及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.85min;[M+AcCN+H]=265.23。
【0260】
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−ジメチルアミノ−安息香酸を出発物質として、一般的手順M及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.60min;[M+H]=233.36。
【0261】
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3−フルオロ−5−メチル安息香酸を出発物質として、一般的手順N、O、P及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.88min;[M+H]=277.28。
【0262】
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸:
3,5−ジフルオロ−安息香酸を出発物質として、一般的手順N、O、P及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.86min;[M+AcCN+H]=281.19。
【0263】
5−(4−ヨード−3−メチルフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸:
4−ヨード−3−メチル安息香酸を出発物質として、一般的手順K、Q、G及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.94min;[M+H]=344.24。
【0264】
5−(3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−カルボン酸:
メチル 3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロベンゾエートを出発物質として、一般的手順E、M及びEに順番に従って製造。LC−MS−条件02:t=0.94min;[M+H]=344.24。
【0265】
5−(3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸
メチル 3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロベンゾエートを出発物質として、一般的手順E、M、O、H、Eに順番に従って製造。Waters Atlantis T3、5μm、4.6X30mmカラムを用いたLC−MS−条件05c:t=0.59min;[M+H]=265.25。
【0266】
実施例の製造
実施例1:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件02:t=1.12min;[M+H]=427.83。
【0267】
実施例2:
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件01:t=1.01min;[M+H]=416.90。
【0268】
実施例3:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件02:t=1.10min;[M+H]=445.09。
【0269】
実施例4:
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.08min;[M+H]=413.79。
【0270】
実施例5:
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.62min;[M+H]=466.70。
【0271】
実施例6:
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.68min;[M+H]=498.74。
【0272】
実施例7:
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.58min;[M+H]=433.72。
【0273】
実施例8:
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.40min;[M+H]=446.75。
【0274】
実施例9:
2−シクロプロピル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−シクロプロピル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.68min;[M+H]=456.74。
【0275】
実施例10:
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.49min;[M+H]=430.72。
【0276】
実施例11:
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.48min;[M+H]=417.76。
【0277】
実施例12:
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.53min;[M+H]=450.67。
【0278】
実施例13:
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.65min;[M+H]=462.74。
【0279】
実施例14:
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.72min;[M+H]=514.74。
【0280】
実施例15:
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.70min;[M+H]=447.75。
【0281】
実施例16:
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.47min;[M+H]=417.76。
【0282】
実施例17:
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.49min;[M+H]=430.73。
【0283】
実施例18:
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1
,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.66min;[M+H]=449.74。
【0284】
実施例19:
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.55min;[M+H]=442.5。
【0285】
実施例20:
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.42min;[M+H]=434.74。
【0286】
実施例21:
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.46min;[M+H]=429.79。
【0287】
実施例22:
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.50min;[M+H]=459.89。
【0288】
実施例23:
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.54min;[M+H]=413.79。
【0289】
実施例24:
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.72min;[M+H]=481.8。
【0290】
実施例25:
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.42min;[M+H]=434.74。
【0291】
実施例26:
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.70min;[M+H]=445.79。
【0292】
実施例27:
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.76min;[M+H]=497.74。
【0293】
実施例28:
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.49min;[M+H]=399.78。
【0294】
実施例29:
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.71min;[M+H]=464.70。
【0295】
実施例30:
2−エチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−エチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Z2に従って。LC−MS−条件06:t=1.69min;[M+H]=444.72。
【0296】
実施例31:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件01:t=1.05min;[M+H]=429.06。
【0297】
実施例32:
N−(2−((2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−メチル−5−(m−トリル)オキサゾール−4−カルボキサミド:
2−((2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン及び2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件01:t=1.05min;[M+H]=429.06。
【0298】
実施例33:
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び2−メチル−5−フェニルオキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件08:t=1.28min;[M+H]=415.00。
【0299】
実施例34:
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。LC−MS−条件08:t=1.29min;[M+H]=444.04。
【0300】
実施例35:
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸
{2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。Waters Atlantis T3、5μm、4.6X30mmカラムを用いたLC−MS−条件05c:t=0.91min;[M+H]=462.14。
【0301】
実施例36:
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド:
2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルアミン及び5−(3−(ジメチルアミノ)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸を出発物質として、一般的手法Aに従って。Waters Atlantis T3、5μm、4.6X30mmカラムを用いたLC−MS−条件05c:t=0.95min;[M+H]=476.18。
【0302】
II. 生物学的アッセイ
In vitro アッセイ
式(I)の化合物のALX受容体作働活性を、下記の実験法に従って測定する。
【0303】
実験方法
細胞内カルシウムの測定:
リコンビナントヒトALX受容体及びG−タンパク質Gα16(HEK293−hALXR−Gα16)発現細胞を、Growing Medium(GM)中で、80%の培養密度になるまで培養した。細胞解離バッファー(Invitrogen、13151−014)を用いて、細胞を培養皿からはがし、そしてRTにて5min、アッセイバッファー(AB)(同量のハンクス平衡塩溶液(Hank’s BSS)(Gibco、14065−049)と、Phemol Redを含まないDMEM(Gibco、11880−028))中にて1’000rpmで遠心して集めた。5%のCO下、1μMのFluo−4(AM)(Invitrogen、F14202)及び20mMのHEPES(Gibco、15630−056)を添加したAB中で、37℃にて60minインキュベートした後、細胞を洗浄し、そしてABに再懸濁した。次に、それらを、384−穴のFLIPRアッセイプレート(Greiner、781091)上に、1穴当たり70μl、50’000個を播種し、そして1’000rpmで1min遠心して沈殿させた。被検化合物の保存溶液はDMSO中に10mMの濃度で調製し、ABで段階希釈することにより活性用量反応曲線に必要な濃度とした。対照アゴニストとしては、WKYMVm(Phoenix Peptides)を用いた。FLIPR テトラ装置(Molecular Devices)は製造元の標準使用説明書に従って操作し、DMSO中に10mMの濃度で溶解し、所望の最終濃度を得るために実験に先立ってアッセイバッファーで希釈した被検化合物を4μl添加した。被検化合物添加の前後における蛍光の変化を、lex=488nm、lem=540nmにてモニターした。化合物添加後の、ベースレベルを超える発光強度のピーク値を、ベースラインを差し引いた後に出力した。値は、ベースラインの値(ABの添加)を差し引いた後、ハイレベルコントロール(WKYMVm化合物、10nMの最終濃度)に基づいて調整した。
【0304】
例示化合物のALX受容体に対するアゴニスト活性(EC50値)を表1に示す。
【0305】
【表1】

【0306】
【表2】

【0307】
【表3】

【0308】
【表4】

【0309】
ヒト肝ミクロソームを用いた、反応性代謝物とタンパク質の間の共有結合に関するアッセイ
記載した共有結合アッセイの目的は、NADPH再生系(NADPH regenerating system)の存在下におけるインキュベーションに続く、反応性代謝物とヒト肝ミクロソーム(HLM)のタンパク質の間の1時間当たりの共有結合の量を測定することにある。測定した共有結合率は、結合薬剤の当量pmol/タンパク質mg/hで表す。化合物がタンパク質に共有結合する傾向が低いことは利点であることはよく知られている。
【0310】
インキュベーション
放射性標識した化合物(H又は14C)を、シングル96穴プレート内で、1.0mg/mLのヒト肝ミクロソームとともに、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中で、10μMの濃度でインキュベートした。この目的のために、各溶媒(エタノール)中に調製した1mMのストック溶液2.5μLを、最終容量である250μLに添加した。インキュベーションは、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いたNADPH−再生系(0.1Mトリス緩衝液(pH7.4)中、20IU/mlのデヒドロゲナーゼ、11mMのNADPナトリウム塩を25μl、100mMのグルコース−6−リン酸二ナトリウム塩、100mMのMgCl)の非存在下又は存在下、加えて反応性中間体をトラップするための5mMのGSHの非存在下又は存在下で行った。急速な非特異性結合を測定するために、非NADPH、非インキュベーション下での初期ブランク値も測定した。260μLの氷冷アセトニトリルを含むmultiscreen deep well solvinert 96 hydrophobic PTFE filter plate(Millipore、ツーク、スイス)上にて、25μLのNADPH−再生系の添加により反応を開始し、そして1時間後に200μLのインキュベーション混合物を添加する
ことにより反応を終了した。15℃の温度で15min、プレートを600rpmで振とうすることにより、ミクロソームタンパク質の沈殿を完了させた。最後に、沈殿したインキュベーションを、冷蔵庫内に、4℃にて15min保存した。
【0311】
10℃にて20min、1800gで遠心することにより、タンパク質とろ液を分離した。非特異的結合を除くために、800μLのメタノール/0.1%硫酸(v/v)と共に、10℃で2min、1500gで遠心することにより、タンパク質のペレットを洗浄した。洗浄工程を6回繰り返した。0.1%(w/v)NaOH/1%(w/v)SDS水溶液500μLの添加により、洗浄したタンパク質のペレットを再溶解した。filter plateを、60℃、400rpmにて45min振とうし、そして35℃、2000gで20min遠心した。この工程をもう一度繰り返し、そしてタンパク質溶液を合わせた。
【0312】
総放射線量を測定するために、400μLのタンパク質溶液を4mLの液体シンチレーションカクテル(Irga Safe plus、Perkin Elmer、チューリヒ、スイス)と混合し、そして外部標準(133Ba)を使った蛍光補正及びオンライン
クェンチ補正(on−line quenching correction)を備えたTricarb 2300TR液体シンチレーション分析機(Perkin Elmer)を用いて分析した。総タンパク質含量を測定するために、20μLのタンパク質溶液を、BCAタンパク質アッセイキット(Perbio Science Switzerland SA、ローザンヌ、スイス)を用いて分析した。ミクロソームタンパク質への共有結合の量は、下記のように算出した:各ウェルにおいて、NADPH存在下で結合した薬剤当量の測定値(NADPH非存在下で結合した薬剤当量の量によりバックグラウンドを差し引いた)を、再溶解洗浄タンパク質ペレットのタンパク質の算出量で割ることにより、1時間当たりの結合薬剤の当量pmol/タンパク質mgの値が得られる。
【0313】
下記の結果は、本出願の実施例31が、WO2009/077990の実施例18及び75と比較して、より優れた共有結合プロファイルを持つことを示しており、有害な副作用の危険性がより低いことを示している;トリチウム標識化合物の製造については、実験の部に記載する。
【0314】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
Aはヘテロアリール−基を表し、当該ヘテロアリール−基の2つの結合点は1,3−配置にあり;
は、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換されたフェニルを表し、当該置換基はハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択され;そして
は、水素、メチル、エチル又はシクロプロピルを表す。
【請求項2】
Aが、フラニル、オキサゾリル及びチアゾリルから選択される基を表し、当該基の2つの結合点は1,3−配置にあり;
が、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換されたフェニルを表し、当該置換基がフルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びジメチルアミノから成る群より独立に選択され;そして
が、水素、メチル又はエチルを表す;
請求項1に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項3】
Aが、フラン−2,5−ジイル、オキサゾール−2,4−ジイル又はチアゾール−2,4−ジイルを表す;請求項1又は2のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
Aがフラン−2,5−ジイルを表す;請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
Aがオキサゾール−2,4−ジイルを表す;請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
Aがチアゾール−2,4−ジイルを表す;請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
が未置換のフェニルを表す;請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
が、1個のフルオロ、クロロ、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されたフェニルを表す;請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
が水素を表す;請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項10】
が、メチル又はエチルを表す;請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項11】
下記の化合物からなる群より選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物:
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−シクロプロピル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[
5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−フルオロ−5−メチル−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[5−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フラン−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−クロロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
2−エチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−チアゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;及び
2−メチル−5−m−トリル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
又はそのような化合物の塩。
【請求項12】
下記の化合物からなる群より選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物:
N−(2−((2−(1,1−ジフルオロエチル)オキサゾール−4−イル)メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−メチル−5−(m−トリル)オキサゾール−4−カルボキサミド;
2−メチル−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸
{2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;及び
5−(3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸 {2−[4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−オキサゾール−2−イルメチル]−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル}−アミド;
又はそのような化合物の塩。
【請求項13】
医薬としての、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
活性成分として、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、そして少なくとも1種の治療上不活性な賦型剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、HIV−介在レトロウイルス感染、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害から選択される疾患の予防又は治療のための;及び免疫応答の調節のための医薬の製造のための、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
炎症性疾患、閉塞性気道疾患、アレルギー、HIV−介在レトロウイルス感染、心血管障害、神経炎症、神経障害、疼痛、プリオン介在疾患及びアミロイド介在障害から選択される疾患の予防又は治療のための;及び免疫応答の調節のための、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公開番号】特開2012−255002(P2012−255002A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171081(P2012−171081)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2012−514570(P2012−514570)の分割
【原出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】