説明

フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類の製造方法

フッ素含有−ヒドロキシニトリルをニトリラーゼの存在下に加水分解することによるフッ素含有−ヒドロキシカルボン酸の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類の製造方法に関する。特に、本発明は、対応するフッ素含有α−ヒドロキシニトリル類の、酵素によって触媒される加水分解による、フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類の製造方法に関する。フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類は、エナンチオピュア(エナンチオマー的に純粋)な形態で得ることが可能である。
【背景技術】
【0002】
(S)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸は、治療的に有用なアミド類を製造するための重要な中間生成物である(例えば(特許文献1)を参照されたい)。
【0003】
これは、例えば、以下のものの製造に用いられることが可能である。
【化1】

尿失禁の治療用の候補薬物であるKW7158。
【0004】
対応するラセミ体の製造、およびエナンチオピュアな化合物へのその分離は公知であるが、しかしながら、分離のために用いられる方法は費用がかかる。例えば、(特許文献1)には、(S)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸の製造方法が開示されており、これによれば、対応するラセミ体は、(S)−(−)−α−メチルベンジルアミンにより、所望される(S)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸に転換される。多量のアミンが必要とされ、これがこの方法を費用がかかるものにしている。
【0005】
(特許文献2)には、最初に、トリフルオロ酢酸エステルと鉱酸とを反応させて1,1,1−トリフルオロアセトンを得、これを、次いで、シアン化物と反応させて(S)−および(R)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルを得ることによる、(S)−または(R)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸の製造方法が開示されている。このニトリルはC〜Cアルコールと反応させられてプロピオン酸エステルが得られ、これが、次いで、さらなるステップにおいてエステラーゼまたはリパーゼによって反応させられて(R)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸とされる。生体内変換においては、後者の化合物に加えて、(S)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸エステルもまた得られ、これは、次いで、その後のステップにおいて(S)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸を得るために加水分解され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第A−0 524 781号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第197 25 802 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従って、フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類の改良された製造方法を提供することを目的とする。この方法は、特にエナンチオピュアなフッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸、特に(S)−1,1,1−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸の製造を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は、フッ素含有α−ヒドロキシニトリル類をニトリラーゼの存在下で加水分解することによるフッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸類の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、フッ素含有α−ヒドロキシニトリルは、α−ヒドロキシα−C〜C−アルキルニトリルである。より具体的には、フッ素含有α−ヒドロキシα−C〜C−アルキルニトリルは、(S)−および/または(R)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルである。
【0010】
ニトリラーゼは、NIT−102、NIT−104、NIT−106、NIT−107、およびNIT−108からなる群から好適に選択される。本発明による方法において用いられるべきニトリラーゼは、好ましくは、NIT−104、NIT−106、NIT−107、およびNIT−108からなる群から、より好ましくはNIT−104、NIT−106、およびNIT−107からなる群から選択される。最も好ましいニトリラーゼはNIT−106である。
【0011】
ニトリラーゼNIT−102、NIT−104、NIT−106、NIT−107、およびNIT−108は市販されている幅広い範囲ニトリラーゼであって、これらは、これらの呼称で、米国カリフォルニア州パサデナ(Pasadena,California,USA)のバイオキャタリティックス社(Biocatalytics Inc.)から入手し得る(ニトリラーゼ:EC3.5.5.1CAS[9024−90−2])。
【0012】
これらのニトリラーゼは、中性pHおよび環境温度で、ニトリルのカルボン酸への加水分解を触媒し得る。普通、プロトンの純消費または生成はなく、すなわち、pH変化はない。
【0013】
本発明による方法は、一般に、6.5〜8、好ましくは7.2〜7.8のpHで実施される。反応温度は、通常は、20〜40℃の範囲内、好ましくは25〜35℃の範囲内である。
【0014】
他の実施形態において、反応温度は、一般に少なくとも0℃であり、より好ましくは10℃以上である。この実施形態において、この温度は、一般に、20℃未満である。この実施形態は、用いられるシアノヒドリンが反応媒体中で分解する潜在的なリスクを有する場合に、反応収率の最適化を可能にする。
【0015】
本発明の方法は、種々の反応媒体中において実施されることが可能である。本発明の方法は、しかしながら、緩衝溶液中で実施されることが好ましい。水性緩衝液が最も好ましい。
【0016】
他の実施形態において、本発明による方法は、有機溶剤中において実施されることが可能である。好適な溶剤としては、例えば、特に塩化メチレンまたはクロロホルムといったクロロカーボン溶剤などのハロゲン化溶剤;ジエチルエーテル、メチル−tertブチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル;特にアセトニトリルなどの有機ニトリル;および酢酸エチルなどのエステル;ジメチルホルムアミドなどのアミドタイプ溶剤;トルエンなどの芳香族溶剤が挙げられる。グリコール類などのアルコールも使用可能である。
【0017】
本発明による方法の特定の実施形態において、フッ素含有α−ヒドロキシニトリルは光学的に活性であり、ならびに加水分解は、フッ素含有α−ヒドロキシニトリルが少なくとも部分的にラセミ化される条件下で実施される。このような条件は、例えば本明細書中で既述のものである。
【0018】
この実施形態において、ラセミ化は、ニトリラーゼ、例えば特にNIT−106によって触媒されることができる。
【0019】
本発明の方法において、ニトリラーゼは、固定化形態および凍結乾燥形態で用いられ得る。
【0020】
「エナンチオピュアな」という用語は、本明細書において用いられるところ、普通、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%および最も好ましくは少なくとも99%の鏡像体過剰率(ee)値を指す。
【0021】
本発明による方法における好ましい出発化合物である、3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリル(それぞれ、ラセミ混合物として、Rエナンチオマーおよび/またはSエナンチオマー;以下においては、単に「基質」とも称する)は、数々の方法によって得ることが可能である。本発明によれば、1,1,1−トリフルオロアセトンとシアン化物との反応により得ることが好ましい(例えば独国特許出願公開第197 25 802 A1号明細書を参照されたい)。シアン化物としては、HCN、NHCN、NaCNまたはKCNが好適に用いられ得る。この反応は、例えば硫酸または塩酸などの鉱酸の存在下に実施されることが好ましい。一実施形態についての全反応スキームは以下のとおり表すことができる:
【化2】

【0022】
本発明による方法においては、α−ヒドロキシニトリルを出発化合物として用いることが特に有利であり、これは実質的に、その合成および本発明による方法におけるその使用の期間の間0℃未満の温度で保管される。好ましくは、保管温度は、−10℃以下であり、最も好ましくは−20℃以下である。
【0023】
α−ヒドロキシニトリルは、固体形態であるかまたは任意により溶液であることが可能である出発化合物の呈色が、保管に供された初期出発化合物に比して、2以下、好ましくは1以下であるガードナースケールに準拠して測定された色差を示すような様式で一般に保管される。最も好ましい保管は、ガードナースケールに準拠して測定された色差が約0に等しいような様式で行なわれる。
【0024】
本発明はまた、本明細書において上述のとおり保管されたα−ヒドロキシニトリル、特に3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルの、化学反応、特にニトリラーゼの存在下での加水分解用の出発材料としての使用に関する。
【0025】
本発明による方法の他の実施形態において、(a)α−ヒドロキシニトリルの製造および(b)ニトリラーゼの存在下でのα−ヒドロキシニトリルの加水分解は、1つの容器内(ワンポット)で実施される。この実施形態においては、α−ヒドロキシニトリルの製造を7未満のpHで実施することが好ましく、これにより得られたα−ヒドロキシニトリルを含有する溶液が7以上のpHとされ、次いで、任意により好適な緩衝剤溶液中にあってもよいニトリラーゼが添加される。
【0026】
本発明の方法は、用いられるニトリラーゼが、高いエナンチオ選択性、化学的選択性および位置選択性を示すために数々の利点を提供する。加水分解は穏やかな反応条件下で起こり得るため、保護の必要性が低減される。しかも、触媒効率は高い。廃棄物が低減されると共に、多くの有機溶剤が用いられ得る。
【0027】
本発明を、実施例により非限定的に以下に例示する。
【実施例】
【0028】
実施例1〜8および10〜14において、ラセミ3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルを、米国カリフォルニア州パサデナ(Pasadena,California,U.S.A.)のバイオキャタリティックス社(Biocatalytics Inc.)から入手したニトリラーゼNIT−101〜NIT−108のうちの1種の存在下に、30℃で加水分解した。KP緩衝液(50mM、pH7.5、ジチオスレイトールDTT 2.0mM、EDTA 1.0mM)を各実施例において用いた。
【0029】
〔実施例1〜9〕
ラセミ3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリル(13.9mg、100mM)を、KPi緩衝液(0.80ml)中にpH7.5で溶解させた。この溶液に、KPi緩衝液(0.2ml)中に溶解させた対応するニトリラーゼ(2mg)を添加した。これらの試験における基質の濃度は、従って、100mMであり、ニトリラーゼの濃度は2mg・ml−1であった。
【0030】
ニトリラーゼの各々を用いて得られた溶液の化学組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。サンプル調製を以下のとおり行った:ジクロロメタン(0.4ml)を反応混合物(1.0ml)に添加した。次いで、この混合物を30秒激しく攪拌し、その後遠心分離した。有機相(0.2ml)をビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセタミド(BSTFA)(0.05ml)で変換した。15分後、ガスクロマトグラフィーを実施した。
【0031】
転化率(表1を参照されたい)ならびに鏡像体過剰率(実施例10〜14;表2を参照されたい)の判定は、以下のとおりガスクロマトグラフィーにより測定した:
カラム: CP−キラシル(Chirasil)−DEX CB、
フロー: ヘリウム(一定、17psi[1.17bar])、
インジェクタ温度: 250℃、
スプリット: 1:150、
検出器温度: 275℃(FID)
温度プログラム:
t=0分:70℃、保持15分間;t=15分:速度20℃分−1;t=19.5分:160℃、保持5.5分間。
【0032】
(基質、第1のエナンチオマー、TMS−誘導体): 2.56分、
(基質、第2のエナンチオマー、TMS−誘導体): 2.61分、
(生成物、第1のエナンチオマー、TMS−誘導体): 8.44分、
(生成物、第2のエナンチオマー、TMS−誘導体): 8.79分、
(副生成物): 2.81分(おそらくはビス−TMS−誘導体)。
【0033】
ニトリラーゼNIT−101〜NIT−108を用いた上記条件下で実施したすべての反応の、5分間後、5時間後、24時間後、および48時間後の転化率が表1にまとめられている。基質濃度の低減の観点からの転化を、すべての酵素反応について検出した(実施例1〜8)。しかしながら、基質転化における低減はまた、ニトリラーゼが用いられなかった実施例9についても観察された。従って、この基質は水中では不安定である。高い転化は、それぞれ、酵素NIT−102、NIT−104、NIT−106、NIT−107およびNIT−108を用いた実施例2、4、6、7および8において観察された。特に、酵素NIT−104およびNIT−107は、基質が5時間以内に90%超で転化されたことから、転化の明らかな増大を示した(それぞれ実施例4および7を参照されたい)。残りの実施例においては、5時間後に初期転化率の増大が少なくとも観察された。
【0034】
【表1】

【0035】
実施した反応のいずれにおいても、基質のエナンチオマーの一方が他方より速くカルボン酸に転化されることはなかった。反応時間とは無関係に、基質の鏡像体過剰率(酵素を含有しない反応を含む)は、常に10%未満であった。この現象は、例えば、用いた反応条件下での基質のラセミ化により説明され得る。このようなラセミ化は、所望の生成物の高い化学収率の達成が可能な限りにおいて有利である。
【0036】
[実施例10〜14]
完全な転化の後の反応混合物の組成を明らかにするために、ニトリラーゼNIT−102、NIT−104、NIT−106、NIT−107、およびNIT−108のそれぞれとの反応を、半プレパラティブスケール(5.0ml)で、30℃で、溶剤としてKP緩衝液(50mM、pH7.5、DTT2.0mM、EDTA1.0mM)中で以下のとおり反復した。
【0037】
基質(ラセミ3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリル;70.0mg、100mM)を、KP緩衝液(4.00ml)中に溶解した。この溶液に、KPi緩衝液(1.0ml)中に溶解させた対応するニトリラーゼ(10mg)を添加した。これらの試験における基質の濃度は、従って、100mMであり、ニトリラーゼの濃度は2mg・ml−1であった。転化が完了した後、反応混合物をHCl(pH1.0)で酸性化した。反応混合物を、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(MtBE)で2回抽出した。一緒にした有機相をNaSOで乾燥させ、溶剤を減圧下で除去した。
【0038】
ニトリラーゼの各々を用いて得られた溶液の化学組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。サンプル調製を以下のとおり行った。粗生成物(5mg)をMtBE(0.2ml)中に溶解させ、次いで、BSTFA(0.05ml)を添加した。15分後、ガスクロマトグラフィー分析を実施した。結果を表2に示す。
【0039】
単離した粗生成物を実施例1〜9について上述した条件下でGCにより分析した。生成物は、すべての反応において非対称的に生じたように思われた。比較的低い鏡像体過剰率(enantiomeric access)で基質の高転化率が達成された実施例10を除き、得られた鏡像体過剰率は、中程度〜高いものであった。最良の結果はNIT−106を用いて得られた(ee>99%、高単離収率)。
【0040】
NIT−106により触媒された反応から単離した粗生成物について、融点および比旋光度を測定した:
融点=102.5〜104℃
比旋光度=[α]20=−15.3°±2
【0041】
所望の生成物である、3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸が得られたことを融点により確めた。比旋光度の値は、得られた化合物が[S]配置を有することを示す。これはまた、この酵素的に生成された化合物のGCデータを、市販されている[S]−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸から得られたものと比較することによっても確めることができる。
【0042】
NIT106は、Sエナンチオマーについて>99%の鏡像体過剰率値(ee−値)をもたらした。驚くべきことに、NIT106は、しかも、残存しているR−エナンチオマーのラセミ化を触媒することができる。NIT−106は、それ故、Sエナンチオマーを選択的に生成するために理想的なニトリラーゼである(Sエナンチオマーに対する非対称的な方法)。
【0043】
【表2】

【0044】
実施例15
ラセミ3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルを、1,1,1−トリフルオロアセトンとNaCN水溶液との、40%硫酸の存在下における15℃未満の温度での反応により調製した。生成物をジクロロメタンで抽出し、後者を蒸発させて、所与の呈色を有する生成物を得た。この生成物を−20℃で6日間保持した。この生成物は、ガードナースケールに準拠して測定される呈色差を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素含有α−ヒドロキシニトリルをニトリラーゼの存在下に加水分解する工程を含む、フッ素含有α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
【請求項2】
前記フッ素含有α−ヒドロキシニトリルがα−ヒドロキシα−C〜C−アルキルニトリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フッ素含有α−ヒドロキシα−C〜C−アルキルニトリルが(S)−および/または(R)−3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ニトリラーゼが、NIT−102、NIT−104、NIT−106、NIT−107、およびNIT−108からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ニトリラーゼが、NIT−104、NIT−106およびNIT−107から好ましく選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ニトリラーゼがNIT−106である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加水分解が、20〜40℃の温度で実施される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記加水分解が、0〜20℃の温度で実施される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記加水分解が、6.5〜8のpHで実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記加水分解が、有機溶剤中で実施される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フッ素含有α−ヒドロキシニトリルが光学活性であり、ならびに前記加水分解が、前記フッ素含有α−ヒドロキシニトリルが少なくとも部分的にラセミ化される条件下で実施される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ラセミ化が前記ニトリラーゼによって触媒される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
生成物の呈色が、2以下であるガードナースケールに準拠して測定された色差を示すような様式で保管されたα−ヒドロキシニトリル、特に3,3,3−トリフルオロ2−ヒドロキシ2−メチルプロピオン酸ニトリルの、化学反応、特にニトリラーゼの存在下での加水分解用の出発材料としての使用。

【公表番号】特表2009−543571(P2009−543571A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519981(P2009−519981)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057444
【国際公開番号】WO2008/009710
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(592165314)ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Fluor GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans−Boeckler−Allee 20,D−30173 Hannover,Germany
【Fターム(参考)】