説明

フッ素含有モノイソシアネート組成物およびその用途

【課題】活性水素を有する基材表面にフッ素原子を低コストで効率的に固定化することができ、優れた表面撥水能力を付与することができる、表面処理剤用の新規なフッ素含有モノイソシアネート組成物、それを含有する表面処理剤、及びその表面処理剤を使用する基材の表面処理方法の提供。
【解決手段】下式(1)で示され、かつ分子中にフッ素原子を少なくとも4個含むフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含有するイソシアネート組成物を表面処理剤として用いる。


[上記式中、Rfは各々独立して、炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表し、−X−はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた2価の有機基を表し、nは1〜3の整数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素含有モノイソシアネート化合物およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、含フッ素化合物による撥水性コーティング材料が数多く知られている。中でも、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂又は半フッ素樹脂がよく利用され、これらのコーティング材料により処理された被着体は、表面に50%以上のフッ素を含有することにより、高い撥水性を発現する。ところが、この方法は、フッ素成分が基材表面に物理的に密着しているだけの状態であり、適当な溶剤によって容易に溶出する。このため、撥水性や撥油性を持続させるには、例えば金属の表面への固定化の場合は、200度以上の高温で焼付け処理を繰返す必要がある。
【0003】
一方、ジイソシアネート化合物に一価のフッ素含有アルコール化合物を等モル反応させて得られるフッ素含有モノイソシアネート化合物が知られている(特許文献1参照)。このフッ素含有モノイソシアネート化合物は、イソシアネート基が基材表面の活性水素含有官能基と反応することにより、簡便に基材表面へフッ素を固定化することが可能である。
【0004】
しかしながら、特許文献1に示される一価のフッ素含有アルコールは、炭素数が4以上のパーフルオロ基が、炭素数2以上のメチレン基、アミド基、又はスルホアミド基を介してジイソシアネート化合物の一方のイソシアネート基と連結した構造をとっており、フッ素の含有率も高いが、分子量も500を超える巨大分子となる。このため、特許文献1に記載のフッ素含有モノイソシアネートは、1個の活性水素に対して十分なフッ素量を導入できるものの、多くの活性水素を有する基材に対してフッ素を固定化する場合、多量のモノイソシアネート体が必要となる。また、高フッ素含量と高分子量化により、例えば、トルエン等の溶剤に対する溶解性が低下するため、表面処理において作業条件が制約されるという問題がある。さらには、特許文献1に示される一価の含フッ素アルコール化合物は極めて高価であり、工業的に有用なものとは言い難い。
【0005】
これに対し、本発明者は、工業的に入手容易かつ安価なトリフルオロメチル基のみ有する炭素数2〜4の直鎖一級アルコールと、工業的に入手可能かつ安価なジイソシアネート化合物からなるフッ素含有モノイソシアネートを既に提案している(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2に記載のフッ素含有モノイソシアネートは、低分子量のモノイソシアネート体であるため、少量で基材表面の活性水素をフッ素原子で広く均一に覆うことができ、一定の撥水性を持続的に得ることが可能となる。また、フッ素含有量が少なく、かつ低分子量であるため、トルエン等の溶剤に対する溶解性にも優れる。ただし、特許文献2に記載のフッ素含有モノイソシアネートは、分子中に元々含まれるフッ素原子の数が3個と少ないため、さらに高い撥水性を求められる用途については十分に対応できていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−63646号公報
【特許文献2】特開2009−292778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、活性水素を有する基材表面にフッ素原子を低コストで効率的に固定化することができ、優れた表面撥水能力を付与することができるフッ素含有モノイソシアネート組成物、そのフッ素含有モノイソシアネート組成物を含有する表面処理剤、及びその表面処理剤を使用する基材の表面処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、特定のフッ素含有モノイソシアネート化合物を含有する組成物が、上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのフッ素含有モノイソシアネート組成物、それを用いた表面処理剤、及びそれを用いた基材の表面処理方法である。
【0011】
[1]下記一般式(1)
【0012】
【化1】

[上記式中、Rfは各々独立して、炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表し、−X−はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた2価の有機基を表し、nは1〜3の整数である。]
で示され、かつ分子中にフッ素原子を少なくとも4個含むフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含有すること、及び下式で示されるNCO含有率が10重量%以上であることを特徴とするフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【0013】
NCO含有率=[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量(g)]/[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネートの合計量(g)]×100(重量%)。
【0014】
[2]一般式(1)における−X−が、2,4−トリレンジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価のトリレン基であることを特徴とする上記[1]に記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【0015】
[3]一般式(1)におけるRfがトリフルオロメチル基(−CF)であり、かつnが2であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【0016】
[4]一般式(1)におけるRfがテトラフルオロエチル基(−CFCHF)又はペンタフルオロエチル基(−CFCF)であり、かつnが1であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【0017】
[5]さらにフッ素含有モノイソシアネート化合物(B)を含有する組成物であって、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と、炭素数4以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有モノイソシアネート化合物(B)とを合計で80重量%以上含有することを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【0018】
[6]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物を含有することを特徴とする表面処理剤。
【0019】
[7]上記[6]に記載の表面処理剤を、基材表面の活性水素と反応させることを特徴とする基材の表面処理方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、フッ素源として、高価な炭素数4以上のパーフルオロ炭化水素系アルコールではなく、工業的に入手可能な一価のフッ素含有アルコールを主に使用するため、工業的に安価に製造することができる。
【0021】
また、本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、溶剤への溶解性に優れ、活性水素を有する基材表面に塗布することで、少量で高い撥水性を有する表面を得ることができる。しかも、その表面撥水性は、洗浄や時間経過によって失われることはなく、半永続的に効果を発現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、上記一般式(1)で示され、かつ分子中にフッ素原子を少なくとも4個含むフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含有すること、及び下式で示されるNCO含有率が10重量%以上であることをその特徴とする。
【0023】
NCO含有率=[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量(g)]/[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネートの合計量(g)]×100(重量%)。
【0024】
上記一般式(1)において、−X−としては、特に限定するものではないが、後述するとおり、2,4−トリレンジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価のトリレン基が好ましい。
【0025】
上記一般式(1)においてRfとしては、特に限定するものではないが、例えば、nが2の場合は、トリフルオロメチル基(−CF)であり、nが1の場合は、テトラフルオロエチル基(−CFCHF)又はペンタフルオロエチル基(−CFCF)であることが好ましい。
【0026】
本発明において、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)としては、特に限定するものではないが、具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPA)モノ付加体(分子量:382.4)、MDIの2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(PFPA)モノ付加体(分子量:400.4)、MDIの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFPA)モノ付加体(分子量:418.3)、トリレンジイソシアネート(TDI)のTFPAモノ付加体(分子量306.3)、TDIのPFPAモノ付加体(分子量324.3)、TDIのHFPAモノ付加体(分子量:342.2)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のTFPAモノ付加体(分子量:300.3)、HDIのPFPAモノ付加体(分子量:318.3)、HDIのHFPAモノ付加体(分子量:336.2)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のTFPAモノ付加体(分子量:354.4)、HDIのPFPAモノ付加体(分子量:372.4)、HDIのHFPAモノ付加体(分子量:390.3)等が例示される。
【0027】
本発明において、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)は、例えば、下記一般式(2)
【0028】
【化2】

[式中、Rf、nは、上記一般式(1)と同じ定義である。]
で示され、かつ分子中にフッ素原子を少なくとも4個含む一価のフッ素含有アルコールと、
下記一般式(3)
【0029】
【化3】

[式中、Xは、上記一般式(1)と同じ定義である。]
で示されるジイソシアネート化合物との反応によって得ることができる。
【0030】
このような一価のフッ素含有アルコールとしては、例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPA)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(PFPA)、2−(パーフルオロブチル)エタノール(PFBEA)、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(PFHEA)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFPA)、ノナフルオロ−tert−ブタノール等を挙げることができる。これらのうち、本発明においては、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の分子量が高くなりすぎないようにするため、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ノナフルオロ−tert−ブタノール等の、より低分子量のアルコールの使用が好ましい。
【0031】
また、上記反応において使用されるジイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、通常のポリウレタン合成に用いられるものの中から適宜選択することができる。具体的には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が例示される。
【0032】
上記した一価のフッ素含有アルコールとジイソシアネート化合物との反応は、[一価のフッ素含有アルコール]:[ジイソシアネート化合物](モル比)を、通常0.3:1〜1:1の範囲内で反応させることによって実施される。
【0033】
ここで、ジイソシアネート化合物中の2つのイソシアネート基の反応性の差が小さいと、ジイソシアネート化合物1分子に対してフッ素含有アルコールが2分子付加したビスウレタン化合物が副生するとともに、副生ビスウレタン化合物と同モルの未反応ジイソシアネートが系内に残留するおそれがある。このため、ジイソシアネート化合物としては、分子中の2つのイソシアネート基の反応性差が大きい2,4−トリレンジイソシアネートを特に好適に用いることができる。
【0034】
また、一価のフッ素含有アルコールとジイソシアネート化合物の反応においては、溶媒を使用することができる。ここで使用される溶媒は、反応に不活性であるという観点から、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル化合物、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系化合物、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系化合物、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系化合物等が挙げられる。これらのうち、原料であるフッ素含有アルコール及びジイソシアネートにとって良溶媒であって、1段階目の付加反応で生成するフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)にとって貧溶媒となるヘキサン、ヘプタン等の非極性溶媒の使用は、目的のフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を高純度で得ることができるため特に好適である。
【0035】
なお、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の製造においては、系内に触媒を添加して反応を促進させることができる。添加する触媒の種類は、ウレタン化反応に通常使用されるものを制限なく使用することができる。例えば、ジアルキル錫系化合物、鉛系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、三級アミン化合物等を挙げることができる。触媒の使用量は、反応させる基質の総重量に対して0.001〜0.5重量%の範囲で十分に反応が促進されるが、触媒の残留は、得られたフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の貯蔵安定性を阻害するおそれがあるので、その使用量はできるだけ少なく抑制するか、もしくは、反応終了後に洗浄除去することが望ましい。
【0036】
また、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の製造においては、精製操作を加えて該化合物の純度を向上させることができる。例えば、薄膜蒸留装置を用いて比較的低沸点のジイソシアネート化合物を留去したり、ウレタン化合物に対する貧溶剤中で一価のフッ素含有アルコールとジイソシアネート化合物を反応させることにより、反応生成物を優先的に反応系中から晶出させて固液分離する方法等が挙げられる。また得られるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)が結晶性である場合、再結晶などの晶析操作を行うことによっても高純度品を製造することができる。
【0037】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、上記したフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含む組成物であり、上記フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)からなる群より選ばれる化合物を一種又は二種以上含有することができる。フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)からなる群より選ばれる化合物を一種又は二種以上含有する場合は、その合計量として80重量%含有していれば良い。
【0038】
本発明において、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含む組成物としては、例えば、上記の反応により得られた、純度が80重量%以上のフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)やその混合物が挙げられる。フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の含有量が80重量%未満である組成物は、未反応のジイソシアネートやイソシアネートを含まないフッ素含有ウレタン化合物等が多く残留しているおそれがあるため、活性水素点を無駄に消費し、基材表面のフッ素固定量が低下する。
【0039】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は下式で示されるNCO基含有率が10重量%以上である。
【0040】
NCO含有率=[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量(g)]/[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物の合計量(g)]×100(重量%)。
【0041】
本発明において、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量は、例えば、[NCOの分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物の合計のモル数]により求められる。
【0042】
また、本発明において、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれる当該フッ素含有モノイソシアネート化合物の合計量は、例えば、[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物の平均の分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物の合計のモル数]により求められる。
【0043】
よって、フッ素含有モノイソシアネート化合物として、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)しか含まない場合は、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量は、[NCOの分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の合計のモル数]により求められ、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれる当該フッ素含有モノイソシアネート化合物の合計量は、[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の平均の分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)の合計のモル数]により求められる。
【0044】
NCO含有量が10重量%未満であると、フッ素含有モノイソシアネート組成物を表面処理剤として用いた場合に、基材表面の活性水素にフッ素を固定化するために多量のモノイソシアネートを要することになり、非効率で不経済である。
【0045】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、上記したフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を含有するものであるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分をさらに含有させてもよい。例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールや1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等を原料とする上記したフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と、2−(パーフルオロブチル)エタノールや2−(パーフルオロヘキシル)エタノール等の高フッ素含量・高分子量アルコールを原料とした炭素数4以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有モノイソシアネート(B)とを、合計で80重量%以上含有し、かつNCO含有率が10重量%を下回らない範囲で含有するフッ素含有モノイソシアネート組成物も本発明の一形態として含まれる。この場合、フッ素含有モノイソシアネート(B)からなる群より選ばれる化合物を一種又は二種以上含有させることができる。
【0046】
なお、この場合のNCO含有率の計算において、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量は、[NCOの分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と(B)との合計のモル数]により求められ、フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれる当該フッ素含有モノイソシアネート化合物の合計量は、[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と(B)との平均の分子量]×[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と(B)との合計のモル数]により求められる。
【0047】
フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)とフッ素含有モノイソシアネート(B)とを含有する組成物を表面処理剤として用いた場合、例えば、ろ紙表面に適用したときの濡れ性を更に改善させることができる。
【0048】
フッ素含有モノイソシアネート(B)としては、2−(パーフルオロブチル)エタノールや2−(パーフルオロヘキシル)エタノール等の高フッ素含量・高分子量アルコールを原料とした炭素数4以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有モノイソシアネートであればよく、特に限定するものではない。2−(パーフルオロブチル)エタノール(PFBEA)を例にとると、MDIのPFBEAモノ付加体(分子量:514.4)、TDIのPFBEAモノ付加体(分子量:438.3)、HDIのPFBEAモノ付加体(分子量:432.3),IPDIのPFBEAモノ付加体(分子量:486.4)等が挙げられる。これらの化合物は、上記した一価のフッ素含有アルコールとジイソシアネート化合物の反応と同様の方法により得られる。
【0049】
本発明の、フッ素含有モノイソシアネート組成物は、表面に活性水素を有する各種基材に対して、共有結合を介する化学結合型の表面処理剤として用いることができる。
【0050】
本発明の表面処理剤は、上記した本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物を含むことをその特徴とする。
【0051】
表面処理剤の成分としては、上記した本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物が必須である一方、基材表面への固定化率を向上させる観点から、全てのNCO基にアルコールが付加して固定化能力を失ったフッ素含有ウレタン化合物や、固定化能力はあってもフッ素が全く導入されていない原料イソシアネート等の不純物を極力排除することが必要となる。このため、本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、上記したフッ素含有モノイソシアネート化合物を80重量%以上含有することが好ましい。
【0052】
本発明の表面処理剤の成分としては、溶剤を含んでもよい。溶剤としては、特に限定するものではないが、例えば、一価のフッ素含有アルコールとジイソシアネート化合物の反応において使用される溶媒が挙げられ、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル化合物、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系化合物、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系化合物、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系化合物等が例示される。プロセスを簡略化させる観点から、副生物を含んだ反応溶液をそのまま表面処理剤として用いても良いし、上記した溶剤で希釈して用いても良い。
【0053】
本発明の表面処理剤が適用可能な基材の種類は、表面に活性水素を有するものであれば特に限定されるものではないが、フッ素に起因する撥水性を十分に発現させる目的を考慮すると、基材表面において活性水素を有する官能基の占める比率が一定以上あるものが好ましい。具体的には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、紙、木材等セルロース系の基材等を挙げることができる。
【0054】
本発明において、基材を表面処理する方法には、スプレー法、スピンコート法、浸漬法、蒸着法等、本発明の表面処理剤を基材表面にくまなく接触させるために必要なあらゆる方法を適用することができる。必要に応じて、基材への固定化を確実にするため触媒を添加したり、熱を加えたりしても良い。また、基材表面に固定化されなかった成分については、適当な溶剤で洗浄除去させても良いし、そのまま表面に付着させておいても良い。
【実施例】
【0055】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
製造例1(TDI−TFPAモノ付加体の調製).
100mlナス型フラスコに、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI、東京化成社製)5.54g(31.8mmol)を秤量し、ヘキサン30gに溶解した。この溶液にジラウリル酸ジブチル錫8mgを添加した後、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPA、東京化成社製)3.26g(24.6mmol)を4時間かけて徐々に添加した。反応は、TFPAの付加に伴い白色沈殿の生成が観察され、5時間経過後に、該沈殿をろ過により回収した。沈殿は、約100gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥して、6.76gの白色粉末を得た。
【0057】
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、TDIに1個のTFPAが付加することにより形成されるウレタン結合のNH基に由来するピークが観測された。また、2付加体の特徴である2個目のNH基のピークが観測されなかったことから、得られた白色粉末はTDI−TFPAモノ付加体(分子量:306.3)であると同定された。
【0058】
H−NMR(200MHz、CDCl):2.2−2.3ppm(3H、s)、4.5−4.7ppm(2H,m)、5.6−6.2ppm(1H,m)、6.6−6.8ppm(1H、br−s)、7.0−7.3ppm(3H,m)。
【0059】
液体クロマトグラフィー(東ソー社製8020シリーズ、カラム:Intersil/GLサイエンス社製、溶離液:THF)によって純度分析を行ったところ、未反応のジイソシアネート成分及び2付加体のピークが若干量観察されたが、ほぼ単一のピークを示し、ピーク面積比からモノ付加体の純度は97.0重量%、NCO含有量は13.3重量%と決定された。
【0060】
製造例2(TDI−HFPAモノ付加体の調製).
製造例1におけるTFPAを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFPA、東京化成社製)4.23g(25.1mmol)に変更した以外は、製造例1と同様の操作で、4.57gの白色粉末を得た。
【0061】
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、製造例1と同様に、TDIに1個のHFPAが付加することにより形成されるウレタン結合のNH基に由来するピークが観測された。また、2付加体の特徴である2個目のNH基のピークが観測されなかったことから、得られた白色粉末の主成分はTDI−HFPAモノ付加体(分子量:342.2)であると同定された。
【0062】
製造例1と同様に液体クロマトグラフィーによって純度分析を行ったところ、未反応のジイソシアネート成分及び2付加体のピークが若干量認められたが、ほぼ単一のピークが観察され、モノ付加体の純度はピーク面積比から89.3重量%、NCO含有量は11.0重量%であった。
【0063】
製造例3(TDI−PFBEAモノ付加体の調製).
製造例1におけるTFPAを、2−(パーフルオロブチル)エタノール(PFBEA、東京化成社製)6.63g(25.1mmol)に変更した以外は、製造例1と同様の操作で、8.83gの白色粉末を得た。
【0064】
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、製造例1と同様に、TDIに1個のPFBEAが付加することにより形成されるウレタン結合のNH基に由来するピークが観測された。また、2付加体の特徴である2個目のNH基のピークが観測されなかったことから、得られた白色粉末の主成分はTDI−PFBEAモノ付加体(分子量:438.3)であると同定された。
【0065】
製造例1と同様に液体クロマトグラフィーによって純度分析を行ったところ、未反応のジイソシアネート成分及び2付加体のピークが若干量認められたが、ほぼ単一のピークが観察され、モノ付加体の純度はピーク面積比から97.7重量%、NCO含有量は9.4重量%であった。
【0066】
製造例4(TDI−TFPA低純度品の調製).
100mlナス型フラスコに、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI、東京化成社製)5.54g(31.8mmol)を秤量し、メチルエチルケトン30gに溶解した。この溶液にジラウリル酸ジブチル錫8mgを添加した後、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPA、東京化成社製)4.93g(37.3mmol)を4時間かけて徐々に添加した。反応終了後、メチルエチルケトンをエバポレーターで留去し、析出した白色固形物を約100gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥して、8.86gの白色粉末を得た。
【0067】
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、NCO基にTFPAが付加することにより形成されるウレタン結合のNH基が2つに分離し、一部が2付加体化していることが示された。
【0068】
製造例1と同様に液体クロマトグラフィーによって組成分析を行ったところ、2付加体のピークが増大し、モノ付加体の純度はピーク面積比から76.5重量%、NCO含有量は10.5重量%であった。
【0069】
製造例5(TDI−TFEAモノ付加体の調製).
製造例1におけるTFPAを、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFEA、東ソーエフテック社製)2.63g(26.3mmol)に変更した以外は、製造例1と同様の操作で、6.10gの白色粉末を得た。
【0070】
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、製造例1と同様に、TDIに1個のHFPAが付加することにより形成されるウレタン結合のNH基に由来するピークが観測された。また、2付加体の特徴である2個目のNH基のピークが観測されなかったことから、得られた白色粉末の主成分はTDI−TFEAモノ付加体であると同定された(分子量:274.2)。
【0071】
製造例1と同様に液体クロマトグラフィーによって純度分析を行ったところ、未反応のジイソシアネート成分及び2付加体のピークが若干量認められたが、ほぼ単一のピークが観察され、モノ付加体の組成比はピーク面積比から96.6%であった。組成比より、得られた白色粉末のNCO含有量は14.6重量%である。
【0072】
製造例6(TDI−TFPA二付加体の調製).
製造例4におけるTFPAの仕込み量を8.59g(65.0mmol)に変更した以外は、製造例4と同様の操作で、12.15gの白色粉末を得た。
この白色粉末をH−NMRで測定したところ、NCO基に水酸基が付加することにより形成されるウレタン結合のNH基が同じ強度で2つ現われし、二付加体が形成していることが示された。
【0073】
H−NMR(200MHz、CDCl3):2.2−2.3ppm(3H、s)、4.4−4.7ppm(4H,m)、5.6−6.2ppm(2H,m)、6.5−6.7ppm(1H、br−s)、6.8−7.0ppm(1H、br−s)7.0−7.4ppm(3H,m)。
【0074】
製造例1と同様に液体クロマトグラフィーによって組成分析を行ったところ、モノ付加体よりも先に二付加体に相当するピークが現われ、モノ付加体のピークは殆ど観察されなかった。二付加体の純度はピーク面積比から96.3重量%、NCO含有量は0.5重量%であった。
【0075】
実施例1(TDI−TFPAによるろ紙の表面処理と撥水性評価).
100mlナス型フラスコ中に、製造例1で合成したTDI−TFPA付加体0.46g(モノ付加体1.47mmol含有)を秤量し、メチルエチルケトン20gに溶解した。この溶液に、短冊状に切ったろ紙(東洋濾紙社製、5C)0.47gを浸し、ジラウリル酸ジブチル錫8mgを添加した後、60℃に温度調整したオイルバス中で3時間撹拌することで表面処理を行った。表面処理操作後、ろ紙を取り出し、20gのメチルエチルケトンで5回洗浄を繰り返し、固定化されていないフッ素含有成分を除去した。乾燥後、TDI−TFPAで表面処理されたろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙表面の一部が濡れたものの、ろ紙は3日経過後も沈降することなく水表面に浮いたままであった。
【0076】
実施例2(TDI−TFPAによるろ紙の表面処理と撥水性評価).
製造例1で調製したTDI−TFPAモノ付加体と製造例6で調製したTDI−TFPA二付加体を、85/15の重量比で混合した。この混合組成物0.48g(TDI−TFPAモノ付加体成分83.5重量%、NCO含有量11.4重量%)を、実施例1におけるTDI−TFPA付加体に置き換えて、同様の操作でろ紙の表面処理を行った。洗浄及び乾燥後、TDI−TFPA/TDI−PFBEAで表面処理されたろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙表面の一部が濡れたものの、ろ紙は3日経過後も沈降することなく水表面に浮いたままであった。
【0077】
実施例3(TDI−HFPAによるろ紙の表面処理と撥水性評価).
TDI−TFPAの代わりに製造例2で合成したTDI−HFPA付加体0.49g(モノ付加体1.33mmol)を用いて、実施例1と同様の操作でろ紙の表面処理を行った。洗浄及び乾燥後、TDI−HFPAで表面処理されたろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙に濡れは認められず、3日経過後も沈降することなく水表面に浮いたままであった。
【0078】
実施例4(TDI−TFPA/TDI−PFBEA混合系によるろ紙の表面処理と撥水性評価).
製造例1で調製したTDI−TFPA付加体と製造例3で調製したTDI−PFBEA付加体を、50/50の重量比で混合した。この混合組成物0.48g(TDI−TFPAモノ付加体0.76mmol、TDI−PFBEAモノ付加体0.53mmol、フッ素含有モノイソシアネート成分97.4重量%、NCO含有量11.2重量%)を、実施例1におけるTDI−TFPA付加体に置き換えて、同様の操作でろ紙の表面処理を行った。洗浄及び乾燥後、TDI−TFPA/TDI−PFBEAで表面処理されたろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙に濡れは認められず、3日経過後も沈降することなく水表面に浮いたままであった。
【0079】
比較例1(未処理ろ紙の撥水性評価).
短冊状に切断したろ紙(東洋濾紙社製、5C)をイオン交換水の表面に置いた。ろ紙は、たちどころに湿潤し、15秒で水面下に沈降した。
【0080】
比較例2(TDI−TFPA低純度品によるろ紙の表面処理と撥水性評価).
実施例1のTDI−TFPAの代わりに製造例4で合成したTDI−TFPA低純度品0.48g(モノ付加体1.20mmol含有)を用いて、実施例1と同様の操作でろ紙の表面処理を行った。洗浄及び乾燥後、低純度のTDI−TFPAで表面処理したろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙に濡れが認められ、1日経過後にろ紙は沈降した。
【0081】
比較例3(TDI−TFEAによるろ紙の表面処理と撥水性評価).
実施例1のTDI−TFPAの代わりに製造例5で合成したTDI−TFEAモノ付加体組成物0.47g(TDI−TFEAモノ付加体1.71mmol)を用いて、実施例1と同様の操作でろ紙の表面処理を行った。洗浄及び乾燥後、TDI−TFEAで表面処理したろ紙をイオン交換水の表面に置いたところ、ろ紙の一部に濡れが認められ、3日経過後にろ紙は沈降した。
【0082】
実施例及び比較例の結果を、表1及び表2にあわせて示す。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

表1及び表2から明らかなように、本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物を含む表面処理剤は、優れた溶解性と、水酸基又はアミノ基等の活性水素を有する基材に対する優れた固定化能力を示し、従来のパーフルオロアルキル系モノイソシアネートと同等の高い撥水性を発現する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のフッ素含有モノイソシアネート組成物は、例えば、紙、セルロースファイバー等のセルロース系材料や、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等を含む水酸基含有樹脂、メラミン等のアミノ樹脂等によって形成されるフィルム、シート等に撥水性を付与する表面処理剤として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

[上記式中、Rfは各々独立して、炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表し、−X−はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた2価の有機基を表し、nは1〜3の整数である。]
で示され、かつ分子中にフッ素原子を少なくとも4個含むフッ素含有モノイソシアネート化合物(A)を80重量%以上含有すること、及び下式で示されるNCO含有率が10重量%以上であることを特徴とするフッ素含有モノイソシアネート組成物。
NCO含有率=[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるNCO基の合計量(g)]/[フッ素含有モノイソシアネート組成物中に含まれるフッ素含有モノイソシアネートの合計量(g)]×100(重量%)。
【請求項2】
一般式(1)における−X−が、2,4−トリレンジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価のトリレン基であることを特徴とする請求項1記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【請求項3】
一般式(1)におけるRfがトリフルオロメチル基(−CF)であり、かつnが2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【請求項4】
一般式(1)におけるRfがテトラフルオロエチル基(−CFCHF)又はペンタフルオロエチル基(−CFCF)であり、かつnが1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【請求項5】
さらにフッ素含有モノイソシアネート化合物(B)を含有する組成物であって、フッ素含有モノイソシアネート化合物(A)と、炭素数4以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有モノイソシアネート化合物(B)とを合計で80重量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のフッ素含有モノイソシアネート組成物を含有することを特徴とする表面処理剤。
【請求項7】
請求項6に記載の表面処理剤を、基材表面の活性水素と反応させることを特徴とする基材の表面処理方法。

【公開番号】特開2013−60409(P2013−60409A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201730(P2011−201730)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】