説明

フッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材

【課題】電子材料分野において用いられる回路基板上に、低吸湿性であって耐熱性及び基板との密着性に優れ、基板の保護層や接着剤として使用することができる層形成材等を提供する等を提供する。
【解決手段】フッ素含有芳香族系重合体を含む層を基材上に形成するための層形成材であって、該層形成材は、分解開始温度まで融点が観測されないものであるフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材等に関する。より詳しくは、電子材料分野等の用途に用いられるフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの電気製品が電子制御されるようになるに従い、これらの電子制御を支える回路基板も、より多くの様々な製品に用いられているようになってきている。このような回路基板の一種であるフレキシブルプリント回路基板は、ポリイミド等のプラスチックフィルムと銅箔等の金属とを接着させて形成される回路基板であるが、フレキシブルプリント回路基板は、使用時に比較的高温にさらされることになるため、回路基板の形成に用いられる接着剤組成物には、優れた接着性に加えて、耐熱性も要求されることになる。
【0003】
従来、このフレキシブルプリント回路基板用の接着剤組成物としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム−エポキシ樹脂等が用いられてきたが、これらの接着剤組成物は、用いる樹脂自身の耐熱性が低く、フレキシブルプリント回路基板用の接着剤組成物に必要なハンダリフローを充分に満足させるものではなかった。これに対し、近年、比較的高い耐熱性を有する芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド系樹脂等を用いた接着剤組成物が用いられ始めている。しかしながら、これら耐熱性を考慮して芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド系樹脂等を用いた接着剤組成物接着剤組成物は、樹脂自身が高い吸湿性を有するために、ハンダ付けが行われるときに、接着剤組成物中の吸湿水分が加熱され、接着剤にフクレを生じ、接着力が劣化する場合があった。
【0004】
このような接着剤組成物に用いることができる樹脂組成物に関し、フッ素化ポリエーテルニトリルおよび/またはフッ素含有ポリエーテルケトンと、エポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂とを特定の配合割合で含むフッ素化合物含有樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この樹脂組成物の耐熱性を低下させることなく基材への密着性を更に高め、各種基材により好適に用いることができる接着剤組成物を与える樹脂組成物とする工夫の余地があった。
【特許文献1】特開2003−183495号公報(第1−3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、電子材料分野において用いられる回路基板上に、低吸湿性であって耐熱性及び基板との密着性に優れ、基板の保護層や接着剤として使用することができる層形成材等を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、回路基板等の基材上に、低吸湿性であって耐熱性及び基材との密着性に優れ、接着剤としても使用することができる層形成材について種々検討した。通常、熱可塑性重合体を用いてデバイス上に積層体や接着フィルムを形成する場合、重合体を融点以上の温度で処理すればデバイスに密着させることが可能であるが、デバイスを作製する工程における温度が重合体の融点以上の温度である場合には、重合体を含む層が液状となって流れやすくなることに起因して積層体や接着フィルムの位置が大きくずれる可能性がある。本発明者等は、層形成材として分解開始温度まで融点が観測されないフッ素含有芳香族系重合体を含む材料を用いて、ガラス転移温度以上の温度で加熱処理することにより、層形成材を用いて得られる積層体の位置ずれによる不具合を抑制し、耐熱性、低吸湿性及び基材への密着性に優れた層形成材となることを見出した。
【0007】
更に本発明者等は、フッ素含有芳香族系重合体として、フッ素含有アリールエーテル系重合体を用いると、ガラス転移温度以上の温度で加熱処理することにより、フッ素含有アリールエーテル系重合体の特徴である耐熱性、低吸湿性に加えて、回路基板として用いられるポリイミドや銅箔への密着性が充分でないフッ素含有アリールエーテル系重合体をこれらの基板材料への密着性にも優れたものとすることができ、これにより、フレキシブルプリント回路基板にも接着剤として好適に用いることができる層形成材とすることが可能となることを見いだした。更に本発明者等は、分解開始温度まで融点が観測されないフッ素含有芳香族系重合体をフィルムの形態とすることにより、このフィルムが各種基材において接着層の役割をする接着フィルムとなることも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、フッ素含有芳香族系重合体を含む層を基材上に形成するための層形成材であって、該層形成材は、分解開始温度まで融点が観測されないものであるフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材は、フッ素含有芳香族系重合体を含んでなるものである限り、その他の成分を含んでいてもよい。また、含まれるフッ素含有芳香族系重合体は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
【0010】
本発明の層形成材は、分解開始温度まで融点が観測されないもの、すなわち、TGAで重合体の融点を観測した場合に、融点ピークが観測される前に重合体の分解が起こるものであればよいが、分解開始温度は350℃以上であることが好ましい。より好ましくは、400℃以上である。分解開始温度がこのような好ましい温度であると、層形成材を回路基板においてより好適に用いることができるものとすることができる。
【0011】
本発明の層形成材を用いてフッ素含有芳香族系重合体を含む重合体層を基材上に形成する方法としては、層形成材を溶媒に溶解した後、基材に塗布して塗膜を形成し、加熱乾燥して塗膜の溶媒を除去する方法等を用いることができる。
本発明の層形成材の溶解に用いられる溶媒は、フッ素含有芳香族系重合体が溶解するものであれば何でもよい。フッ素を含有することで、芳香族系重合体でありながら様々な溶媒への溶解性が発現できる。例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒や二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等を用いることができる。これらの溶媒は1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明の層形成材を溶解する溶媒としては、上記溶媒の中でも、ケトン系溶媒やエステル系溶媒等の極性溶媒とトルエン等の疎水性溶媒とを混合したものを用いることが好ましい。親水性の高い極性溶媒は、重合体の溶解度が高いため、極性溶媒を用いると層形成材溶液の濃度調整がしやすくなるが、吸湿性があるためフッ素含有芳香族系重合体の塗膜が吸湿し空隙のある塗膜になり、欠点が生じたりする場合がある。極性溶媒と疎水性溶媒とを混合して用いることにより、このような塗膜の吸湿を防ぐことが可能となる。より好ましくは、疎水性溶媒として、極性溶媒よりも沸点が高いものを用いることである。極性溶媒と疎水性溶媒とを混合して用いる場合、両者の混合比率は、求められる層形成材溶液の濃度等により適宜選択されることになる。
【0013】
上記層形成材を溶媒に溶かした溶液中におけるフッ素含有芳香族系重合体の濃度としては、1質量%以上であることが好ましく、また、50質量%以下であることが好ましい。50質量%を超えると、フッ素含有芳香族系重合体が溶媒に充分に溶解せず、1質量%未満であると、充分な厚みをもつ重合体層を作成できないおそれがある。より好ましくは、5質量%以上であり、また40質量%以下である。
【0014】
上記基材上に形成される重合体層の厚みとしては、1μm以上が好ましく、100μm以下が好ましい。より好ましくは、3μm以上、60μm以下である。溶媒に可溶化しキャストできることから膜厚の調整が任意であることから、任意な集合体層を形成できることも本発明の層形成材の特徴のひとつである。
【0015】
上記基材上に層形成材溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、ドクターブレード法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、オフセットグラビアコート法、リップコート法、スプレーコート法等を用いることができる。
【0016】
上記基材上に塗布した塗膜の溶媒を加熱乾燥して除去する方法としては、後述する本発明の積層体の製造方法において、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理する工程と同時に行う方法、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度より低い温度として溶媒を乾燥除去した後、ガラス転移温度以上の温度として重合体層の加熱処理を行う方法のいずれの方法を用いてもよい。
【0017】
本発明はまた、上記フッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材を基材上に積層して得られる積層体でもある。
本発明の積層体の形成に用いられる基材は、後述する本発明の積層体の製造方法におけるフッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度での処理によって変形等しないものであれば特に制限されず、電子材料分野において、回路基板として用いられる各種材料等を用いることができ、基材の厚み、大きさ等も特に制限されないが、フレキシブルプリント回路基板に用いられるポリイミドや銅箔等の基材を用いることが好ましい。銅箔上に重合体層を形成した積層体は、絶縁層を有する銅箔として用いることができる。
なお本発明において積層体とは、基材の上に本発明の層形成材を積層したものを意味し、基材の上に積層される層形成材の層は、1層であってもよく、2種以上の異なる層形成材を2層以上積層するものであってもよい。
【0018】
本発明はまた、上記積層体の製造方法であって、該製造方法は、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理する工程を含んでなるフッ素含有芳香族系重合体を含む積層体の製造方法でもある。本発明の積層体の製造方法は、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理する工程を含んでなるものである限り、その他の工程を含むものであってもよい。フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理する工程において、フッ素含有芳香族系重合体を処理する温度としては、ガラス転移温度より高い温度であればよく、層形成材が2種以上のフッ素含有芳香族系重合体を含むものである場合、それらのうち少なくとも1種のフッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度よりも高い温度であればよいが、より多くのフッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度よりも高い温度であることが好ましい。また、加熱処理は、ガラス転移温度より30℃以上高い温度で行うことが好ましい。より好ましくは、ガラス転移温度より50℃以上高い温度で行うことである。また処理温度の上限は、フッ素含有芳香族系重合体の分解開始温度である。
また、ガラス転移温度以上の温度で処理する時間は、5分以上が好ましく、より好ましくは、10分以上である。
なお、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度は、DSCやTMA等を用いて測定することができる。
【0019】
本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材は、接着剤として用いられることが好ましい。本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材は、ガラス転移温度以上の温度で加熱処理することにより回路基板等の基材との密着性に優れたものとなることから、基材の保護層としてだけでなく、耐熱性と低吸湿性とを兼ね備えた接着剤として好適に用いることができる。
【0020】
上記フッ素含有芳香族系重合体は、フッ素含有アリールエーテル系重合体であることが好ましい。フッ素含有アリールエーテル系重合体は、耐熱性及び低吸湿性を有する重合体であるが、通常、フレキシブルプリント回路基板に使用されるポリイミドや銅箔への密着性が充分ではないものである。しかしながら、フッ素含有アリールエーテル系重合体をガラス転移温度以上の温度で処理することにより、耐熱性や低吸湿性を損なうことなく、フレキシブルプリント回路基板の材料として用いられるポリイミドや銅箔に対しても密着性を有するものとすることができることから、フレキシブルプリント回路基板にも好適に用いることができる層形成材とすることが可能となる。
【0021】
また上述したように、本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材は、接着剤として用いることができるものであることから、本発明の積層体は、接着層を有するものとなり、その上に銅箔やポリイミドを貼り合わせることができる。例えば、ポリイミドや銅箔に積層した材は、カバーレイフィルムや樹脂付き銅箔のようなものとなる。このようにして作成される本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材を用いてなり、銅箔、フッ素含有芳香族系重合体を含む層及びポリイミドの層構造を有する銅張板もまた、本発明の1つである。このような銅張板は、本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材が耐熱性、低吸湿性及び電気絶縁性を有していることから、高い信頼性が期待できる。
【0022】
本発明はまた、分解開始温度まで融点が観測されないフッ素含有芳香族系重合体を含む接着フィルムでもある。上述したように各種基板上で重合体の接着層を形成する場合には、重合体の溶液を塗布して溶媒を加熱乾燥する工程を基材上で行うことが必要となるが、フッ素含有芳香族系重合体をフィルムの形態とすると、このフィルムを基材に貼り付けることにより、基材上で接着層を作成する際に必要となる溶媒除去のための加熱等を行うことなく基材上に接着性の層を形成することが可能となる。この接着フィルムは、ポリイミドや銅箔等の同種又は異種の基材どおしを接着するフィルムとして用いることができる。更に、フッ素含有芳香族系重合体が分解開始温度まで融点が観測されないものであることから、このフィルムをデバイス上の接着層として用いると、デバイスの作成工程における加熱によってフッ素含有芳香族系重合体が融解して液状化することがなく、接着フィルムの位置がずれる不具合の発生を防止することができる。フッ素含有芳香族系重合体を含む接着フィルムは、フッ素含有芳香族系重合体を含むものである限り、その他の材料を含むものであってもよい。
【0023】
上記接着フィルムの作成方法としては、上述した重合体層を基材上に形成する場合と同様に、フッ素含有芳香族系重合体を含む材料を溶媒に溶解して溶液とし、フィルム作成用の基材に塗布して塗膜を形成した後、加熱により溶媒を除去する方法等により得ることができる。フッ素含有芳香族系重合体を含む材料を溶解する溶媒、接着フィルムの厚み、及び、フッ素含有芳香族系重合体を含む材料の溶液を基材上に塗布する方法としては、上述した基材上に重合体層を形成する場合の溶媒、重合体層の厚み、及び、重合体溶液を塗布する方法と同様である。
【0024】
上記基材上に塗布したフッ素含有芳香族系重合体を含む材料の溶液の塗膜を乾燥させる方法としては、予備乾燥させた後、塗膜を基材から剥離し、その後に更に加熱乾燥(アフターヒート)させてフィルムを得る方法が好ましい。予備乾燥においては、塗膜からすべての溶媒が揮発しないよう、ある程度の溶媒が残留した状態まで乾燥させることになる。基材に塗膜が付着した状態で溶媒をすべて揮発させると、塗膜に反り等が生じたり、乾燥時に基材から剥がれたりするおそれがある。予備乾燥後における残留溶媒量としては、3〜20%が好ましい。残留溶媒量が3%より少ないと、塗膜が基材から一気に剥離しやすく、剥離してできるフィルムに反りが生じやすくなるおそれがある。残留溶媒量が20%より多いと、基材からの剥離が困難となり、また塗膜剥離後の加熱乾燥(アフターヒート)時にフィルムが延伸するように伸び、厚みが均一でなくなるおそれがある。より好ましくは、予備乾燥後における残留溶媒量が5〜15%であることである。
【0025】
上記塗膜の予備乾燥、及び、剥離後のフィルムのアフターヒート時のフィルムの乾燥時の加熱温度は、フィルムの厚みや使用する溶媒の種類等により適宜設定されることになるが、予備乾燥時の加熱温度としては、30℃以上が好ましく、また150℃以下が好ましい。より好ましくは、50℃以上であり、また、120℃以下である。アフターヒート時の加熱温度としては、80℃以上が好ましく、また200℃以下が好ましい。より好ましくは、120℃以上である。また予備乾燥時の加熱時間としては、1分以上が好ましい。より好ましくは3分以上である。また、アフターヒートの方法としては、加熱乾燥する方法ならばどのような条件でもよいが、フィルム中の残存溶媒量が1%以下になるようにするための条件の下で行うことが好ましい。アフターヒートの方法としては、1回のアフターヒートで溶媒を除去してもよいし、アフターヒートを多段にわけて2回、3回行ってもよい。また、多段でアフターヒートを行う場合、乾燥温度も同じでもよいし夫々異なってもよい。アフターヒート時の加熱時間としては、5分以上が好ましい。より好ましくは10分以上である。
アフターヒートは、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度として、接着フィルムの加熱処理と同時に行ってもよく、アフターヒート後に別にフッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度とする加熱処理を行ってもよいが、接着フィルムとして用いる場合、良好な接着性を発現させるためには、接着する段階でフィルムの残存溶媒量が少ないほうが好ましいことから、アフターヒート後に接着フィルムの加熱処理後を行うことが好ましい。
【0026】
上記フッ素含有芳香族系重合体を溶媒に溶かした溶液を塗布するフィルム作成用の基材としては、特に制限されず、ガラス基材、プラスチックフィルム等のプラスチック基材、ステンレスベルトやステンレスドラム、銅箔等の金属基材等を用いることができる。これらの中でも、プラスチックフィルム等のプラスチック基材、ステンレスベルトやステンレスドラム等の金属基材を用いることが好ましい。
【0027】
上記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンチン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等から形成されるフィルム等を用いることができる。
【0028】
上記プラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートや、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド等のように100℃以上の耐熱性を有するプラスチックフィルムを基材として用いることが好ましい。耐熱性の低いプラスチックフィルムを用いると、塗膜の乾燥時の加熱により変形等を起こすおそれがある。また、ポリエチレンテレフタレート等を基材として用いる場合には、易接着処理を行っていない未処理のものを用いることが好ましい。易接着処理の内容次第ではあるが、易接着処理されたフィルムを用いると、剥離基材に対してフッ素含有アリールエーテル系重合体が密着性を発現し、上手く剥離できない場合がある。
【0029】
上記基材となるプラスチックフィルムの厚みは、30μm以上であることが好ましい。厚みが30μm未満であると、プラスチックフィルムの製造時等にフィルムが切れたり、損傷したりする等、製造工程において、不具合が生じるおそれがある。より好ましくは、50μm以上であり、更に好ましくは、80μm以上である。
【0030】
上記接着フィルムは、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理されるものであることが好ましい。フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理されることにより、上述したようにフッ素含有芳香族系重合体が電子材料分野において用いられる各種基板に対してより優れた密着性を有するフィルムとなる。
また、上記接着フィルムにおいて、フッ素含有芳香族系重合体は、フッ素含有アリールエーテル系重合体であることが好ましい。フッ素含有芳香族系重合体がフッ素含有アリールエーテル系重合体であると、ポリイミドや銅箔に対しても優れた接着性を示す接着フィルムとなる。
【0031】
基材上に形成された本発明の層形成材から形成される重合体層、及び、基材上に貼り付けられた本発明の接着フィルムは、再度溶媒に浸漬すると、フッ素含有芳香族系重合体が溶媒に可溶であることに起因して基材から剥離することが可能となる。このことから、本発明の層形成材から形成される重合体層、及び、本発明の接着フィルムは、材料の仮止め剤としても用いることができる。
【0032】
本発明の層形成材が含むフッ素含有芳香族系重合体としては、上述したようにフッ素含有アリールエーテル系重合体が好ましいが、フッ素含有アリールエーテル系重合体は、フッ素原子を含有し、繰り返し単位の主鎖がアリールエーテル構造を必須とする繰り返し単位を含むものである限り、重合体中にその他の構造を有していてもよい。また、異なるフッ素含有アリールエーテル構造を有する2種類以上の繰り返し単位を有していてもよく、その場合、繰り返し単位はブロック状、ランダム状のいずれの形態で重合していてもよい。繰り返し単位中におけるフッ素原子の数や、フッ素原子が結合している部位には制限はないが、アリールエーテル構造中の芳香環にフッ素原子が置換した構造であることが好ましい。より好ましくは、アリールエーテル構造中に全ての水素原子がフッ素原子に置換された芳香環を有していることである。
【0033】
上記フッ素含有アリールエーテル系重合体の数平均分子量(Mn)としては、要求される特性、用途等に合わせて適宜設定すればよいが、5000以上であることが好ましく、また500000以下であることが好ましい。より好ましくは、10000以上、200000以下である。数平均分子量は、GPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)を用いて、標準サンプルにポリスチレン、展開溶媒にTHFを用いて測定することができる。
【0034】
本発明におけるフッ素含有アリールエーテル系重合体は、芳香環及びエーテル結合を有する重合体であって、フッ素原子を必須とするものであればよく、その結合順序やフッ素原子の結合している位置には特に制限はないが、芳香環、エーテル結合により構成される繰り返し単位を必須として、該繰り返し単位における芳香環の少なくとも一つにフッ素原子を有する重合体が好ましい。
これらのなかで、下記式(1);
【0035】
【化1】

【0036】
(式中のZは、2価の有機基又は直接結合を示す。mは、同一又は異なって、芳香環に付加しているフッ素原子の数を表し、1〜4の整数である。式中のRは、2価の有機基である。)及び/又は、下記式(2);
【0037】
【化2】

【0038】
(式中のRは、2価の有機基である。またRは、同一又は異なって、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基を表す。)で表される構造の繰り返し単位を有する重合体であることがより好ましい。
これらの繰り返し単位は、同一であっても異なっていてもよく、異なる繰り返し単位により構成される場合には、ブロック状、ランダム状等のいずれの形態であってもよい。
これらの繰り返し単位を必須とするフッ素含有アリールエーテル系重合体を含む層形成材は、高い耐熱性、低吸湿性等の各種特性に優れたものとなる。フッ素含有アリールエーテル系重合体がフッ素含有アリールエーテルケトン構造を含む繰り返し単位、フッ素含有アリールエーテルニトリル構造を含む繰り返し単位の両方を有するものである場合、両者の構成比率は特に制限されない。
【0039】
上記一般式(1)で表されるものについて以下に説明する。
上記一般式(1)中、Rで示す2価の有機基としては、下記に示す(3−1)〜(3−19)等がある。
【0040】
【化3】

【0041】
上記(3−1)〜(3−19)中、Y、Y、Y及びYにおける置換基として、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシル基が好適である。より好ましくは、炭素原子数1〜30であって、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシル基である。
これらの中でもRとしては、下記(4−1)〜(4〜20)がより好ましい。
【0042】
【化4】

【0043】
上記一般式(1)中、Zとしては、2価の有機基又はベンゼン環が直接結合していることを表す。2価の有機基としては、C、S、N、及び/又は、O原子を含むことが好ましい。より好ましくは、カルボニル基、メチレン基、スルフィド基、スルホン基、複素環等を含有することである。より好ましくは、例えば下記の(5−1)〜(5−17)である。
【0044】
【化5】

【0045】
上記(5−1)〜(5〜13)中、Xは、例えば、上記(3−1)〜(3−19)である。
本発明におけるフッ素含有アリールエーテル系重合体としては、上述したものの中でも、フッ素含有ポリアリールエーテルケトン構造の繰り返し単位を有するものであることが好ましい。より好ましくは、下記一般式(6)で表される構造の繰り返し単位を有するものである。
【0046】
【化6】

【0047】
次に上記一般式(2)に表されるものについて以下に説明する。
上記一般式(2)中、Rで示す2価の有機基としては、上記(3−1)〜(3−19)等があり、(3−1)〜(3−19)中、Y、Y、Y及びYにおける置換基として、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシル基が好適である。より好ましくは、炭素原子数1〜30であって、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシル基である。これらの中でもRとしては、上記(4−1)〜(4〜20)がより好ましい。
【0048】
上記一般式(2)中、Rは、同一又は異なって、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基を表す。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。
上記アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
【0049】
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記Rとしては、これらのうち、置換基を有してもよいアルコキシル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アリールチオ基が好ましい。ただし、Rには、2重結合若しくは3重結合が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0050】
上記Rにおける置換基としては、上述のような炭素原子数1〜12のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基、カルボキシエステル基等が好適ある。また、これら置換基の水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよい。これらの中でも、好ましくは、ハロゲン原子、水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びカルボキシエステル基である。
【0051】
本発明における上記一般式(1)で表される繰り返し単位及び/又は、上記式(2)で表される繰り返し単位を必須とするフッ素含有アリールエーテル系重合体は、特開2001−64226号公報や、特開2002−12662号公報に記載の方法等により製造することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材は、上述の構成よりなり、各種溶媒への溶解性が高く、この層形成材を用いて基材上に形成される重合体層、及び、接着フィルムは、低吸湿性であって、耐熱性、電気絶縁性、及び、基材への密着性に優れたものであることから、電子材料分野において用いられる各種の回路基板の保護層として、また、接着剤として好適に用いることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
実施例1〜3及び比較例1〜3
フッ素含有ポリアリールエーテルケトンA(F・PEK−A)をメチルエチルケトン(MEK)/トルエンの混合溶媒に溶解して調製した25%溶液をポリイミドフィルムであるカプトンフィルム(商品名 東レ・デュポン株式会社)(50μm)にバーコーターを用いて塗布した。80℃で10分加熱乾燥した後、表1に示す所定の温度で加熱乾燥し、F・PEK−Aを載せたポリイミドフィルム(サンプルA)を得た。同様にして、フッ素含有ポリアリールエーテルケトンB(F・PEK−B)を載せたポリイミドフィルム(サンプルA)、フッ素含有ポリアリールエーテルニトリルC(F・PEN−C)を載せたポリイミドフィルム(サンプルC)を得た。これらの重合体のフィルムの融点測定を行ったが、いずれも重量減少を開始する前に融解ピークが見られず、いずれの重合体も分解開始温度まで融点が観測されないものであった。
得られたフィルムの膜厚から基材であるカプトンフィルムの膜厚を除いて求めたカプトンフィルム上のF・PEK−A、F・PEK−B及びF・PEN−Cの膜の膜厚は、いずれも約12μmであった。
その密着性をセロテープ(登録商標)剥離を行い評価した。また、F・PEK−A、F・PEK−B及びF・PEN−Cのガラス転移温度、吸水率を測定した。融点、膜厚、ガラス転移温度及び吸水率の測定方法は以下に示す。なお、F・PEK−A、F・PEK−B及びF・PEN−Cは、それぞれ以下に示す繰り返し単位を必須とする重合体である。
【0055】
【化7】

【0056】
〔融点〕
TG−DTA(島津製作所社製 DTG−50)を用いて、窒素雰囲気下10℃/分で測定した。
〔膜厚〕
マイクロメーター(ERICHSEN社製)を用いて測定した。
〔ガラス転移温度〕
示差走査型熱量計(セイコー電子工業製 DSC6200)を用いて窒素雰囲気下20℃/分で行った。
〔吸水率〕
実施例記載の組成物のMEK/トルエン溶液をPET上に塗工して80℃で10分間乾燥し、そのフィルムを剥離した。その後、F・PEK−A及びF・PEK−Bは170℃、F・PEN−Cは150℃で乾燥してフィルムを得た。
得られたフィルムの乾燥重量測定後、脱イオン水に3日間浸漬し、浸漬後のフィルム重量を測定し、フィルムの吸水率を得た。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例4及び比較例4
F・PEK−Aの25%溶液(MEK/トルエンの混合溶媒使用)を電解銅箔(三井金属社製)の鏡面側にバーコーターを用いて塗布した。80℃で10分加熱乾燥した後、表2に示す所定の温度で加熱乾燥し、鏡面側にF・PEK−Aを載せた銅箔を得た。同様にして、電解銅箔の粗面側にF・PEK−Aの25%溶液を塗布し、粗面側にF・PEK−Aを載せた銅箔を得た。
これらの銅箔の密着性をセロテープ(登録商標)剥離を行い評価した。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
実施例5
実施例1で得られたF・PEK−Aを載せたカプトンフィルムに電解銅箔の粗面を重ねて、250℃で1時間で熱圧着した。得られた銅箔/カプトンの90°方向の剥離性を評価したところ、ポリイミドフィルムが破断した。
【0061】
実施例6
F・PEK−Aの25%溶液(MEK/トルエンの混合溶媒使用)をポリエチレンテレフタレート(PET)にアプリケーターを用いて塗布した。80℃で10分加熱乾燥した後、剥離し、更に150°で60分加熱乾燥し、20μmのF・PEK−Aを用いたフィルムを得た。得られたフィルムを、圧延銅箔(日鉱マテリアル社製)とカプトンフィルム(50μm)の間に挟んで、250℃で1時間熱圧着した。得られた銅箔/カプトンの90°方向の剥離性を評価したところ、ポリイミドフィルムが破断した。
【0062】
実施例7
実施例5で得られたカプトン/FPEK−A/銅箔の構成の材料をアセトンに浸漬した。少し放置した後、引き剥がすと、きれいにカプトンと銅箔が剥離した。
【0063】
上記実施例の結果から、本発明のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材を用いると、低吸湿性であり、基材への密着性の良好なフッ素含有芳香族系重合体の重合体層を作成することができること、及び、重合体層は、基材の接着剤して用いることができることが確認された。また、重合体層は、溶剤に浸漬することにより容易に剥離することから、材料の仮止め剤としても用いることができることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素含有芳香族系重合体を含む層を基材上に形成するための層形成材であって、
該層形成材は、分解開始温度まで融点が観測されないものである
ことを特徴とするフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材。
【請求項2】
前記層形成材は、接着剤として用いられることを特徴とする請求項1記載のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材。
【請求項3】
前記フッ素含有芳香族系重合体は、フッ素含有アリールエーテル系重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材を基材上に積層して得られることを特徴とする積層体。
【請求項5】
請求項4記載の積層体を製造する方法であって、該製造方法は、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上の温度で加熱処理する工程を含んでなる
ことを特徴とするフッ素含有芳香族系重合体を含む積層体の製造方法。
【請求項6】
前記基材は、ポリイミド又は銅箔であることを特徴とする請求項4記載の積層体。
【請求項7】
請求項1、2又は3記載のフッ素含有芳香族系重合体を含む層形成材を用いてなり、銅箔、フッ素含有芳香族系重合体を含む層及びポリイミドの層構造を有することを特徴とする銅張板。
【請求項8】
分解開始温度まで融点が観測されないフッ素含有芳香族系重合体を含むことを特徴とする接着フィルム。
【請求項9】
前記接着フィルムは、フッ素含有芳香族系重合体のガラス転移温度以上で加熱処理されるものであることを特徴とする請求項8記載の接着フィルム。
【請求項10】
前記フッ素含有芳香族系重合体は、フッ素含有アリールエーテル系重合体であることを特徴とする請求項8又は9記載の接着フィルム。

【公開番号】特開2006−328384(P2006−328384A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124155(P2006−124155)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】