説明

フライパン型調理器具

【課題】加熱プレート部の側壁部の一部に平坦(たん)部を形成し、該平坦部によって自立可能とすることにより、狭いスペースに保管することができ、収納コストを低減することができ、使い勝手が良好で、コストが低く、耐久性が高く、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】平板状の底部11aと、該底部11aの周縁から立ち上がり、前記底部11aの周囲を囲繞(にょう)する側壁部11bとを備える加熱プレート部11と、前記側壁部11bに基端が固定された棒状の柄部12と、前記側壁部11bの一部に形成された平坦部11eとを有し、該平坦部11eが水平面に当接した状態で自立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材の加熱調理に使用するフライパン型調理器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭、料理店等において、飯、肉、野菜等の各種の食材を加熱調理するための調理器具の一つとして、フライパンが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一般的なフライパンは、鋼、アルミニウム合金等の金属から成り、円形で平板状の底部の周囲を側壁部が囲繞(にょう)し、上面が開放された浅底容器としての加熱プレート部と、該加熱プレート部の側壁部の外面に基端が固定された棒状の1本の柄部とを有する。そして、食材の加熱調理の際には、調理人が片手で柄部を把持して使用する。これにより、ガスコンロ、電気コンロ等の加熱器具上における加熱プレート部の位置、姿勢等を容易に調整することができ、食材の加熱調理を適切に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3054557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のフライパンや中華鍋(なべ)のようなフライパン型調理器具は、長い1本の柄部を有するので保管用に広いスペースを必要とする。そのため、例えば、加熱プレート部の底部を収納戸棚の棚板上に載置した場合、長い柄部の先端が棚板の外方へ突出するので、収納戸棚の蓋(ふた)を閉じることが困難になる。また、蓋を閉じるために、フライパンの姿勢を変えて、柄部の延在方向が棚板の長手方向にほぼ一致するようにすると、棚板上の広いスペースを専有し、他の調理器具等を棚板上に載置することが困難となる。
【0006】
もっとも、一般的なフライパンや中華鍋では、柄部の先端近傍には、吊(つ)り下げ用の孔(あな)が形成されているので、厨(ちゅう)房の壁等に配設されたフックに前記孔を係止させ、吊り下げた状態で保管することができる。しかし、一般家庭の厨房では、壁等にフックが配設されていないことが多い。また、吸盤等を利用して簡便に壁等に取付可能なフックも市販されているが、フライパンや中華鍋の加熱プレート部は、熱容量を大きくするために、厚肉の板材から成り、相当の重量があるので、このようなフックでは、フライパンや中華鍋を長時間に亘(わた)って確実に保持することは困難である。そのため、フライパンや中華鍋を吊り下げた状態で保管するためには、専門家によって強固に配設されたフックが必要であり、コストがかかってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、加熱プレート部の側壁部の一部に平坦(たん)部を形成し、該平坦部によって自立可能とすることにより、狭いスペースに保管することができ、収納コストを低減することができ、使い勝手が良好で、コストが低く、耐久性が高く、信頼性の高いフライパン型調理器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明のフライパン型調理器具においては、平板状の底部と、該底部の周縁から立ち上がり、前記底部の周囲を囲繞する側壁部とを備える加熱プレート部と、前記側壁部に基端が固定された棒状の柄部と、前記側壁部の一部に形成された平坦部とを有し、該平坦部が水平面に当接した状態で自立する。
【0009】
本発明の他のフライパン型調理器具においては、さらに、前記平坦部は、前記側壁部における前記柄部の基端が固定された部位と対向する部位、又は、前記基端が固定された部位の側方に形成される。
【0010】
本発明の更に他のフライパン型調理器具においては、さらに、前記加熱プレート部の裏面が垂直面に対して傾斜した状態で、又は、前記加熱プレート部の裏面が垂直となった状態で自立する。
【0011】
本発明の更に他のフライパン型調理器具においては、さらに、前記柄部の一部が、前記加熱プレート部の上端縁よりも裏面と反対側に突出した位置において水平面に当接した状態で、自立する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フライパン型調理器具は、加熱プレート部の側壁部の一部に平坦部を形成し、該平坦部によって自立可能となっている。これにより、狭いスペースに保管することができ、収納コストを低減することができ、使い勝手が良好で、コストが低く、耐久性が高く、信頼性の高いフライパン型調理器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるフライパンの構造を示す三面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態を示す二面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態の要部拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるフライパンの平坦部を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における中華鍋の構造を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における中華鍋を自立させた状態の斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるフライパンの構造を示す三面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態を示す二面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるフライパンの斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における中華鍋を自立させた状態を示す側面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態における中華鍋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるフライパンの構造を示す三面図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態を示す二面図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態の要部拡大図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態の斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるフライパンの平坦部を示す図である。なお、図1において、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)は側面図であり、図2において、(a)は背面図、(b)は側面図であり、図3において、(a)は図2(a)の要部拡大図、(b)は図2(b)の要部拡大図であり、図5において、(a)は斜め下から観た前面図、(b)は斜め側方から観た要部拡大図である。
【0016】
図において、10は本実施の形態におけるフライパン型調理器具としてのフライパンであり、上面が開放された容器としての加熱プレート部11と、該加熱プレート部11に基端が固定された棒状の1本の柄部12とを有する。ここで、フライパン型調理器具とは、典型的には、前記フライパン10のように、加熱プレート部11が上面が開放された浅底の容器であって、該容器に柄部12の基端が固定された調理器具であるが、例えば、中華鍋のように加熱プレート部11が深底の容器である調理器具も含むものである。なお、本実施の形態においては、加熱プレート部11が浅底の容器であるフライパン10について説明する。そして、前記加熱プレート部11は、鋼、アルミニウム合金等の金属から一体的に形成された部材であり、円形で平板状の底部11aと、該底部11aの周縁から立ち上がり、前記底部11aの周囲を囲繞する側壁部11bとを備える。
【0017】
本実施の形態におけるフライパン10は、一般的なフライパンと同様に、家庭、料理店等において、各種の食材を加熱調理するための調理器具として使用される。前記フライパン10は、例えば、ガスコンロ、電気コンロ等の加熱器具上に載置され、加熱プレート部11内に収容された食材を加熱調理するために使用されるが、いかなる種類の加熱器具によって加熱されてもよい。また、前記食材は、例えば、肉、魚、野菜、穀物、スープ、牛乳、油脂等であり、固形物であっても流動物であってもよく、自然食材であっても加工食材であってもよく、いかなる種類のものであってもよい。
【0018】
なお、本実施の形態において、フライパン10における各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記フライパン10における各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0019】
前記底部11aの裏面側には、円形の裏面部11cが形成されている。該裏面部11cは、ガスコンロ等の五徳、電気コンロの加熱部等の上に載置される部分であり、平面であることが望ましい。なお、図に示される例において、前記裏面部11cは、裏面方向(図1(c)における下方向)に突出しているが、必ずしも突出している必要はない。
【0020】
また、側壁部11bの一部には平坦部11eが形成され、側壁部11bの上端縁11dは、上面から観て、平坦部11eに対応する部分が欠落した、円形である。そして、前記上端縁11dにおける平坦部11eに対応する部分は、上面から観て、直線となっている。なお、前記上端縁11dにおける平坦部11e以外の部分の上面から観た形状は、必ずしも厳密な円形である必要はなく、例えば、楕(だ)円形等であってもよい。また、前記上端縁11dは、図に示される例において、側面から観て加熱プレート部11の裏面、すなわち、裏面部11cの裏面と平行な直線であるが、必ずしも、裏面部11cの裏面と平行な直線である必要はない。
【0021】
一方、前記柄部12は、その基端に位置し、加熱プレート部11の側壁部11bに固着された固着部12aと、該固着部12aに連結された把持部12bと、該把持部12bにおける前記固着部12aと反対側端、すなわち、柄部12の先端近傍に形成された貫通孔(こう)としての柄部係止孔12cとを備える。前記固着部12a及び把持部12bは、鋼、アルミニウム合金等の金属から一体的に形成された部材であることが望ましい。
【0022】
そして、前記固着部12aは、加熱プレート部11の側壁部11bにおける前記平坦部11eと対向する部位、すなわち、前記平坦部11eの反対側に固着されている。なお、前記固着部12aは、溶接、リベット接合、ねじ等の固着手段によって強固に固着されていることが望ましい。また、前記把持部12bは、少なくとも一部の外周が樹脂によって覆われ、調理人等が手で把持しやすくなっていることが望ましい。前記柄部係止孔12cは、貫通孔なので、例えば、厨房に配設されたフック等の吊り下げ用部材を挿通させることができ、これにより、該吊り下げ用部材に係止させた状態でフライパン10を保管することができる。なお、前記柄部係止孔12cは省略することもできる。
【0023】
さらに、前記柄部12は、図1(c)に示されるように、加熱プレート部11の側壁部11bから後方斜め上方向に向けて延出するような側面形状を備えることが望ましい。すなわち、固着部12aは側壁部11bの上端縁11dよりも下側に固着されているが、把持部12bの上面における少なくとも先端近傍の部分は、側壁部11bの上端縁11dよりも上側に位置するような側面形状を備えることが望ましい。これにより、調理人等が片手で把持部12bを把持しながら、加熱器具上における加熱プレート部11の位置、姿勢等を容易に調整することが可能となり、食材の加熱調理を適切に行うことができる。
【0024】
前記平坦部11eは、図3(a)及び(b)に詳細に示されるように、少なくともその外面が加熱プレート部11の裏面、すなわち、裏面部11cの裏面の延在する方向に対して交差する方向、具体的には、前記裏面の延在する方向に対してほぼ直交する(厳密には直交していない)方向に延在する。
【0025】
そして、図2(b)等に示されるように、前記平坦部11eの外面を水平面としての床面21に当接させることによって、フライパン10は、倒立した状態で床面21上に静止することができる。すなわち、フライパン10は、柄部12を上にし、加熱プレート部11を下にした姿勢で自立することができる。この場合、フライパン10の重心10Gから床面21に下ろした垂線Dの足は、図3(a)及び(b)に示されるように、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの間、かつ、平坦部11eの右端11eRと左端11eLとの間に位置する。
【0026】
そのため、前記上端11eUと下端11eDとの距離、及び、右端11eRと左端11eLとの距離が大きいほど、自立したフライパン10の安定性が向上する。したがって、前記上端11eUの位置は、側壁部11bの上端縁11dと一致していることが望ましく、かつ、前記下端11eDの位置は、裏面部11cの裏面の位置に近接していることが望ましい。
【0027】
前記平坦部11eの外面は、前述のように裏面部11cの裏面に対して厳密には直交しておらず、図2(b)に示されるように、平坦部11eが床面21に当接してフライパン10が自立した状態で、加熱プレート部11全体が裏面部11cの裏面方向(図2(b)においては左方向)にわずかに傾斜した姿勢となるように、すなわち、後に倒れた姿勢となるように、形成されている。つまり、加熱プレート部11の裏面が垂直面に対して傾斜した状態で自立するようになっている。更に換言すれば、裏面部11cの裏面の延長線を示す線Aが、水平面である床面21に対して直交する垂直面を示す線Bと角度θで交差するように、前記平坦部11eの外面は形成されている。
【0028】
柄部12が、加熱プレート部11の側壁部11bから後方斜め上方向(図2(b)においては上方斜め右方向)に向けて延出するような側面形状を備えているので、フライパン10の重心10Gは、加熱プレート部11自体の重心よりも、上方向、すなわち、裏面部11cと反対方向(図2(b)においては右方向)に偏心している。そのため、フライパン10が自立した状態で、加熱プレート部11全体が裏面部11cの裏面方向にわずかに傾斜した姿勢とすることによって、フライパン10の重心10Gから床面21に下ろした垂線Dの足を、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの中間に近付けることができ、自立したフライパン10の安定性を向上させることができる。
【0029】
また、自立したフライパン10の傾斜の程度は、図2(b)に示されるように、柄部12が加熱プレート部11の上端縁11dの下端より上方向、すなわち、裏面部11cと反対方向(図2(b)においては右方向)に突出しない程度である。つまり、柄部12のすべての部分が、加熱プレート部11の平坦部11eの上端11eUを通る垂直面を示す線Cよりも、裏面部11cの裏面方向(図2(b)においては左方向)に位置するようになっている。これにより、フライパン10の重心10Gから床面21に下ろした垂線Dの足を、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの中間に近付けることができ、自立したフライパン10の安定性を向上させることができる。
【0030】
そして、柄部12が加熱プレート部11の平坦部11eの上端11eUより上方向に突出しないので、自立したフライパン10全体の上下方向(図2(b)においては左右方向)の寸法を小さくすることができ、床面21の専有面積を小さくすることができる。したがって、例えば、厨房における壁面とガスコンロ、電気コンロ等の加熱器具との間の空間のように、幅の狭い空間にも、フライパン10を自立させた状態で収納することができる。
【0031】
さらに、前記平坦部11eの外面は、平滑であり、角部を含んでおらず、加熱プレート部11の外面との接続箇所も曲面であることが望ましい。これにより、例えば、フライパン10を清掃するために調理人等が手で加熱プレート部11を擦ったときでも、手を傷付けることがない。
【0032】
さらに、前記平坦部11eの外面は、平面でなく、その周縁部以外の部分がわずかに凹入し、前記周縁部のみが床面21と接触するような形状であることが望ましい。これにより、例えば、床面21に付着した塵(ちり)等の異物が前記平坦部11eと床面21との間に介在していても、自立したフライパン10の安定性を向上させることができる。
【0033】
このように、本実施の形態において、フライパン10は、柄部12と対向する側における加熱プレート部11の側壁部11bに形成された平坦部11eを有し、該平坦部11eは、少なくともその外面が加熱プレート部11の裏面と交差する方向に延在する。
【0034】
これにより、フライパン10は、平坦部11eを床面21に当接させた状態で自立することができる。したがって、床面21の専有面積が小さくなるので、狭いスペースにフライパン10を保管することができ、収納コストを低減することができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0036】
図6は本発明の第2の実施の形態における中華鍋の構造を示す側面図、図7は本発明の第2の実施の形態における中華鍋を自立させた状態の斜視図である。
【0037】
図において、50は本実施の形態におけるフライパン型調理器具としての中華鍋である。該中華鍋50は、前記第1の実施の形態におけるフライパン10と同様に、上面が開放された容器である加熱プレート部11と、該加熱プレート部11に基端が固定された柄部12とを有する調理器具であるが、加熱プレート部11が深底の容器である点において、前記第1の実施の形態におけるフライパン10と相違する。
【0038】
このように、本実施の形態における中華鍋50は、加熱プレート部11が深底の容器であるため、すなわち、加熱プレート部11の上端縁11dから裏面部11cまでの距離が長くなっているため、平坦部11eの上下方向の寸法、すなわち、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの距離を、前記第1の実施の形態におけるフライパン10よりも長くすることができる。
【0039】
したがって、自立した中華鍋50の安定性は、前記第1の実施の形態におけるフライパン10よりも高くなる。
【0040】
なお、その他の点の構成及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0041】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0042】
図8は本発明の第3の実施の形態におけるフライパンの構造を示す三面図、図9は本発明の第3の実施の形態におけるフライパンを自立させた状態を示す二面図、図10は本発明の第3の実施の形態におけるフライパンの斜視図である。なお、図8において、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)は側面図であり、図9において、(a)は背面図、(b)は側面図であって(a)のX−X矢視図である。
【0043】
図において、10は本実施の形態におけるフライパン型調理器具としてのフライパンであり、上面が開放された容器としての加熱プレート部11と、該加熱プレート部11に基端が固定された棒状の1本の柄部12とを有する。
【0044】
そして、本実施の形態においては、加熱プレート部11の側壁部11bの一部に、平坦部11eが形成されている。該平坦部11eは、加熱プレート部11における柄部12の固着部12aが固定された部位の少なくとも左右いずれか一方、すなわち、一側方、図に示される例においては、左右両方、すなわち、両側方における側壁部11bに形成されている。
【0045】
そのため、側壁部11bの上端縁11dは、上面から観て、平坦部11eに対応する部分が欠落した、円形である。そして、前記上端縁11dにおける平坦部11eに対応する部分は、上面から観て、直線となっている。なお、前記上端縁11dにおける平坦部11e以外の部分の上面から観た形状は、必ずしも厳密な円形である必要はなく、例えば、楕円形等であってもよい。
【0046】
前記平坦部11eは、フライパン10の背面から観て、すなわち、裏面部11c側から観て、図9(a)に示されるように、円形である底部11aの中心点Oから柄部12の軸方向に延在する柄部中心線Eとの角度が90度よりも小さな鋭角となる方向に延在するように形成されることが望ましい。
【0047】
また、本実施の形態においては、柄部12の先端の左右両側角には、平板状の隅部12dが形成されている。そのため、図9に示されるように、左右いずれか一方の平坦部11e及び隅部12dを水平面としての床面21に当接させることによって、フライパン10は、自立した状態で床面21上に静止することができる。すなわち、フライパン10は、柄部12の一部及び加熱プレート部11の側壁部11bの一部を下にし、加熱プレート部11の裏面部11cが横を向いた姿勢で自立することができる。この場合、前記隅部12dが平坦部11eを補助する補助脚として機能しているとも、前記隅部12dが平坦部11eの一部として機能しているとも、言える。
【0048】
なお、図に示される例においては、柄部12の先端における隅部12dの一方が床面21に当接しているが、床面21に当接するのは、柄部12の一部であれば、必ずしも、隅部12dである必要はなく、柄部12の先端におけるいずれの部分でもよいし、柄部12の先端以外の部分であってもよい。しかし、ここでは、説明の都合上、隅部12dが床面21に当接する場合についてのみ説明する。
【0049】
前記柄部12の側面形状が、前記第1の実施の形態と同様に、加熱プレート部11の側壁部11bから後方斜め上方向に向けて延出するようなものである場合、図9(b)に示されるように、隅部12dは、側壁部11bの上端縁11dよりも裏面部11cと反対側(図9(b)における右側)に突出した位置において、床面21に当接する。
【0050】
この場合、自立している状態において、フライパン10の重心10Gから床面21に下ろした垂線Dの足は、図9に示されるように、平坦部11eの下端11eDと柄部12の隅部12dとの間、かつ、平坦部11eの右端11eR(図に示される例と反対側の平坦部11eが床面21に当接している場合には左端11eL)と柄部12の隅部12dとの間に位置していればよいこととなる。なお、図に示される例においては、フライパン10の重心10Gから床面21に下ろした垂線Dの足は、図9に示されるように、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの間、かつ、平坦部11eの右端11eRと左端11eLとの間に位置している。
【0051】
このように、柄部12の隅部12dが平坦部11eから離れた位置において床面21に当接するので、平坦部11eの下端11eDと柄部12の隅部12dとの距離、及び、平坦部11eの右端11eR(図に示される例と反対側の平坦部11eが床面21に当接している場合には左端11eL)と柄部12の隅部12dとの距離が大きくなり、自立したフライパン10の安定性が向上する。
【0052】
前記平坦部11eの外面は、裏面部11cの裏面に対してほぼ直交しており、図9(b)に示されるように、平坦部11eが床面21に当接してフライパン10が自立した状態で、裏面部11cが床面21に対してほぼ直交するように、形成されている。つまり、加熱プレート部11の裏面部11cが横を向いた姿勢でフライパン10が自立することができる。更に換言すれば、裏面部11cの裏面の延長線を示す線Aが、水平面である床面21に対してほぼ直交するように、前記平坦部11eの外面は形成されている。
【0053】
柄部12が、加熱プレート部11の側壁部11bから後方斜め上方向に向けて延出するような側面形状を備えているので、フライパン10の重心10Gは、加熱プレート部11自体の重心よりも、上方向、すなわち、裏面部11cと反対方向(図9(b)においては右方向)に偏心している。そのため、フライパン10が自立した状態で、加熱プレート部11全体が裏面部11cの裏面方向にわずかに傾斜した姿勢とすることもできる。
【0054】
なお、背面から観て、柄部12を含むフライパン10の重心10Gは、円形である底部11aの中心点Oから柄部12の方向にわずかに変位しているが、柄部12の重量が加熱プレート部11の重量と比較して軽い場合には、前記重心10Gの中心点Oからの変位を無視することもできる。
【0055】
このように、フライパン10の背面から観て、加熱プレート部11の平坦部11eが床面21に当接する位置と柄部12の隅部12dの一方が床面21に当接する位置との距離が非常に大きいので、加熱プレート部11の裏面部11cに沿った方向に関して、自立したフライパン10の安定性は極めて高いものとなる。また、図9(b)に示されるように、柄部12の隅部12dの一方が床面21に当接する位置が、側壁部11bの上端縁11dよりも裏面部11cと反対側(図9(b)における右側)に突出しているので、加熱プレート部11の表裏方向に関しても、自立したフライパン10の安定性は極めて高いものとなる。
【0056】
また、フライパン10が自立した状態で、裏面部11cが床面21に対してほぼ直交する、すなわち、裏面が垂直となっているので、自立したフライパン10全体の上下方向(図9(b)においては左右方向)の寸法を小さくすることができ、床面21の専有面積を小さくすることができる。したがって、例えば、厨房における壁面とガスコンロ、電気コンロ等の加熱器具との間の空間のように、幅の狭い空間にも、フライパン10を自立させた状態で収納することができる。
【0057】
なお、その他の点の構成及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0058】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0059】
図11は本発明の第4の実施の形態における中華鍋を自立させた状態を示す側面図、図12は本発明の第4の実施の形態における中華鍋の斜視図である。
【0060】
図において、50は本実施の形態におけるフライパン型調理器具としての中華鍋である。該中華鍋50は、前記第3の実施の形態におけるフライパン10と同様に、上面が開放された容器である加熱プレート部11と、該加熱プレート部11に基端が固定された柄部12とを有する調理器具であるが、加熱プレート部11が深底の容器である点において、前記第3の実施の形態におけるフライパン10と相違する。
【0061】
このように、本実施の形態における中華鍋50は、加熱プレート部11が深底の容器であるため、すなわち、加熱プレート部11の上端縁11dから裏面部11cまでの距離が長くなっているため、平坦部11eの上下方向の寸法、すなわち、平坦部11eの上端11eUと下端11eDとの距離を、前記第3の実施の形態におけるフライパン10よりも長くすることができる。
【0062】
したがって、自立した中華鍋50の安定性は、前記第3の実施の形態におけるフライパン10よりも高くなる。
【0063】
なお、その他の点の構成及び効果については、前記第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、食材の加熱調理に使用するフライパン型調理器具に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 フライパン
11 加熱プレート部
11a 底部
11b 側壁部
11d 上端縁
11e 平坦部
12 柄部
21 床面
50 中華鍋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)平板状の底部と、該底部の周縁から立ち上がり、前記底部の周囲を囲繞する側壁部とを備える加熱プレート部と、
(b)前記側壁部に基端が固定された棒状の柄部と、
(c)前記側壁部の一部に形成された平坦部とを有し、
(d)該平坦部が水平面に当接した状態で自立することを特徴とするフライパン型調理器具。
【請求項2】
前記平坦部は、前記側壁部における前記柄部の基端が固定された部位と対向する部位、又は、前記基端が固定された部位の側方に形成される請求項1に記載のフライパン型調理器具。
【請求項3】
前記加熱プレート部の裏面が垂直面に対して傾斜した状態で、又は、前記加熱プレート部の裏面が垂直となった状態で自立する請求項1又は2に記載のフライパン型調理器具。
【請求項4】
前記柄部の一部が、前記加熱プレート部の上端縁よりも裏面と反対側に突出した位置において水平面に当接した状態で、自立する請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライパン型調理器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−200298(P2012−200298A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65169(P2011−65169)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(597006861)株式会社オリエント (10)
【Fターム(参考)】