説明

フラクションコレクタ

本発明は装置のX軸及びY軸方向に部品を配置する装置に関する。前記装置は第1及び第2のモータ、前記部品を担持するキャリッジ、前記キャリッジを前記装置の第1の軸に位置決めするためのリードスクリュー、及び前記装置の第2の軸にコンポーネントを位置決めするためのキー溝付きシャフトを備える。第1のモータはリードスクリューを駆動し、第2のモータはフラットシャフトを駆動する。本願明細書に記載の実施形態において、フラットシャフトは第1のプリーを回転させ、これはベルトにより第2のプリーに接続する。位置決めされるコンポーネントは前記ベルトに接触し、ベルトの移動により前記装置の第2の軸に沿って移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についてのクロス・リファレンス]
適用せず。
【0002】
[連邦後援研究又は開発に係る記載]
適用せず。
【0003】
[コンパクトディスクにて提出の参考材料の編入]
適用せず。
【0004】
本発明は、一般的にはフラクションコレクタの技術に係り、より具体的には最小限の移動ワイヤ又はモータを有してエネルギー使用を最小化するX−Yフラクションコレクタに係る。
【背景技術】
【0005】
フラクションコレクタは、通常、クラマトグラフィ・カラム又は他の分離手段から液体フラクションを集めるために用いられるが、液体が分離手段から現れるにつれてその組成は変化する。典型的には、フラクションコレクタは液体試料のフラクションを受けるための複数の試験管と共に、液体試料フラクションを種々のチューブに向かわせるための分配手段も備える。フラクションコレクタは、フラクション又はその内容物をさらなる利用のために回収するよう、液体試料の個々のフラクションを独立した試験管に分配するために用いられる。
【0006】
公知のフラクションコレクタは、典型的には、2つの構成の1つである。いわゆる「X−Yコレクタ」は試験管を長方形に配列して用い、分配器が直線状に移動して個々の試験管にフラクションを分配する。第2の構成においては、試験管は円形ターンテーブル状に配置され、フラクションが分配されるにつれて回転し、これによりそれぞれ所望のフラクションが分配されるように別個の試験管が分配器に差し出される。
【0007】
上述のフラクションコレクタの構成はいずれも通常に用いられるが、それぞれに欠点があることが当業に知られている。ターンテーブル式フラクションコレクタは便利である一方、X−Yコレクタが好適な例もある。例えば、多数の試験管を充填する場合、X−Yコレクタはターンテーブル式コレクタと比較してベンチ空間を有効利用する。さらに、マイクロタイタープレート等の汎用容器は一般的に矩形X−Yパターンに配置されるウェルを有する。そのような容器に対してはターンテーブル式コレクタでは試料を分配できない結果となる。
【0008】
X−Yコレクタに関しても不利な点は存在する。例えば、分配器がマイクロタイタープレート又は試験管の列を移動する際に、X−Yコレクタは一般的にワイヤの移動を必要とする。特に、弾性が失われて経時的に脆くなると、この移動はワイヤの破壊につながりうる。さらに、このような分配器のキャリッジは、一般的に、第1の軸方向に適切に位置決めされた後に第2の軸に沿って分配器が移動できるように、備えたモータが第1の軸に沿って移動しなければならない。モータを上方位置に有するフラクションコレクタの部分が移動することによりモータの位置誤差を招く可能性があり、キャリッジの位置決めに用いるモータの負荷も増加し、エネルギー消費の増加及び当該モータ部の故障につながる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、移動ワイヤもモータも無く、エネルギー消費が最小で、軸方向の微少移動制御を備えるフラクションコレクタが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、装置のX及びY軸に沿ってコンポーネントを位置決めするための装置を目的とする。当該装置は、第1及び第2のモータ、位置決めされるコンポーネントを担持するキャリッジ、キャリッジを装置の第1の軸に沿って位置決めするためのリードスクリュー、及び前記装置の第2の軸にコンポーネントを位置決めするためのキー溝付きシャフトを備える。第1のモータはリードスクリューを駆動し、第2のモータはキー溝付きシャフトを駆動する。本願明細書に記載の実施形態において、キー溝付きシャフトは第1のプリーを回転させ、これはベルトにより第2のプリーに接続する。位置決めされるコンポーネントは前記ベルトに取り付けられ、ベルトの移動により前記装置の第2の軸に沿って移動する。本願明細書のキー溝付きシャフトに関して用いられる用語「キー溝付き」は、後述のように、溝付きシャフト又は他のシャフトと同様にフラットシャフトを備え、シャフトの構成はキー溝付きシャフトの回転が第1のプリーの回転となるようにする第1のプリー(後述)の構成に対応する。
【0011】
本発明の好適な実施形態は、フラクションコレクタを目的とし、位置決めされるコンポーネントは分配器である。フラクションコレクタは、好適には背面部を有して2つのモータを保持し、またリードスクリュー及びフラットシャフトのための貫通穴、前記リードスクリューのための貫通穴を有する第1の前方保持部、フラットシャフトのための貫通穴を有する第2の前方保持部、及び装置の安定性を増すための基部を有する。別の好適な実施形態においては、フラクションコレクタは前記リードスクリューに平行な支持シャフトを備え、背面部及び前面支持部は当該支持シャフトに適合する貫通穴を有する。本実施形態においては、キャリッジは支持シャフトに適合する貫通穴を有し、相互に摺動可能に係合する。
【0012】
本発明の別の実施形態においては、2つのセンサーアセンブリが提供される。第1のセンサーアセンブリはリードスクリューの回転量を決定するために取り付けられ、これにより装置は第1の軸に沿ってキャリッジの(すなわち分配器の)移動量を計測することができる。第2のセンサーアセンブリはフラットシャフトの回転量を計測するために取り付けられ、これにより装置は第2の軸に沿って分配器の移動量を決めることができる。
【0013】
本発明の好適な実施形態においては、両方のセンサーアセンブリとも、(第1のセンサーアセンブリの場合には)リードスクリュー、及び(第2のセンサーアセンブリの場合には)フラットシャフトに取り付けられるエンコーダディスクを備える。センサーアセンブリは、また、エンコーダディスクの回転量を計測できる光学センサを備え、これによりリードスクリュー又はフラットシャフトの回転量を決定できる。
【0014】
好適な実施形態においては、本発明はさらに過剰又は不要試料を分配しうる廃液容器を備える。
【0015】
別の実施形態においては、本発明の分配器は試料を供給すると同様に抽出するために取り付けられ、これにより試料は本装置によって1つの容器から他の容器に転送されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
部品を表す数字と共に図面を参照すると、図1は、本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタ10の前方斜視図である。フラクションコレクタ10は、支持シャフト14が固定付装される背面支持部12を備える。支持シャフト14は背面支持部12から第1前方支持部28に延び、ここで支持シャフト14は同様に固定付装される。基部26により装置は追加支持される。図1に示すように、背面支持部12は、液滴等によるダメージから光センサ(後述)等の装置10の一部を遮蔽する板を備える。これらの板は、装置の他の特徴を隠してしまうので図2〜5には示さない。本発明の装置はこれらの板を適宜備える。
【0017】
背面支持部12にはリードスクリュー16が回転可能に取り付けられる。リードスクリュー16は第1のモータ40(図2に図示)等の駆動手段に結合する。モータ40はリードスクリュー16に回転力を提供してキャリッジ20をY軸に沿って移動する。キャリッジ20は、リードスクリュー16の回転が時計回りか反時計回りかによってキャリッジ20がY軸に沿って前進又は後退するように、リードスクリュー16が通過する旋溝付き貫通穴(図示せず)を備える。リードスクリュー16のねじピッチは、キャリッジ20のリードスクリュー16方向の移動しやすさを決定する。リードスクリュー16のねじピッチは広範でありうるので、所与の目的に適するピッチを用いてよい。一例としては、ねじピッチは約0.8mmから約30mmでもよい。本発明の一実施態様においては、フラクションコレクタ10は384ウェルプレートを接続して使用され、約3mmのピッチが好適である。384ウェルプレートに換えて96ウェルプレートを用いるならば、リードスクリュー16のピッチは好適には約9mmまで増やす。あるいは、マイクロタイタープレート等の容器が、例えば1536ウェルプレート等のより多くのウェルを備えて、微調整の度合いを高めるためには、リードスクリュー16のピッチを好適には約1mm又はさらに約0.8mmに減らす。上述のピッチ値が所与の例において好適であっても、上述の容器によっては他のピッチ値が適切でありうる。本発明は、本願明細書において具体的に数値が設定されることにはかかわらず、任意のピッチ値の使用を意図している。
【0018】
フラットシャフト18は、背面支持部12に回転可能に付装され、キャリッジ20の第2の貫通穴36を通過して延長する。フラットシャフト18は第2前方支持部30に延長し、これもまた回転可能に付装される。フラットシャフト18は、フラットシャフト18への回転力を提供する第2モータ42等の駆動手段に結合し、これにより分配器24をX軸に沿って移動させる。キャリッジ20は、これに固定付装される支持シャフト14を備える。支持シャフト22は支持シャフト14及びフラットシャフト18に対して垂直となるように向くので、支持シャフト14及びフラットシャフト18が装置10のY軸を定義するならば、支持シャフト22は装置10のX軸を定義する。分配器24はキャリア38に移動可能に付装され、さらにキャリアは支持シャフト22に摺動付装される。フラットシャフト18が時計回り又は反時計回りに回転すると、キャリア38は後述のようにX軸に沿って後退及び前進し、これにより分配器24をこの軸上に位置決めする。
【0019】
フラクションコレクタ10のキャリッジ20は、リードスクリュー16の長さ方向に装置10のY軸を移動するために取り付けられる。リードスクリュー16はキャリッジ20の旋溝穴(図示せず)を通過し、リードスクリュー16が時計回り又は反時計回りに回転すると、キャリッジ20の旋溝穴32に対するリードスクリュー16のその動作によって、キャリッジ2はリードスクリュー16の長さ方向に対応する後退又は前進の移動を行う。キャリッジ20は分配器24を運ぶので、キャリッジ20が装置10のY軸方向に動くことは、分配器24が装置10のY軸方向に動くことと等価である。分配器24はキャリア38に取り付けられ、これは装置10のX軸に沿った支持シャフト22の長さ方向に移動しうる。キャリア38の移動、及び分配器24の支持シャフト22方向の移動はフラットシャフト18の回転により制御される。
【0020】
図3に明示のように、フラットシャフト18は嵌め合わせ、すなわち、フラットシャフト18の平坦な構造が第1プリー46の対応する構成とかみ合うように、第1のプリー46を通過して延長する。フラットシャフト18が時計回りに回転すると、その回転により第1のプリー46の同じ方向への対応する回転が生じる。同様に、フラットシャフト18が反時計回りに回転すると、第1のプリー46の回転はフラットシャフト18の回転方向と一致する。図示の装置10の実施形態においてはD字型のフラットシャフト18が用いられるが、勿論任意の適切な嵌め合わせのシャフトを用いてよい。
【0021】
図3に明示のように、第1のプリー46は第2のプリー48とベルト44により動作が連動する。従って、第1のプリー46がフラットシャフト18の回転動作により時計回り又は反時計回りに回転すると、ベルト44はその動きを第2のプリー48に伝え、これにより第2のプリー48は対応する回転を行う。ベルト44は、好適には、第1及び第2のプリー46、48の回転により正確に制御されるよう、頑丈でトレッド付きの構造である。第1及び第2のプリー46、48はベルト44のトレッドを受けるために溝が付けられている。ベルト44は好適には高級ゴム又は合成ポリマーから構成されるが、勿論任意の材料を当該構成に用いてもよい。
【0022】
フラットシャフト18は、好適にはこれと結合する第2のモータ42により駆動される。第2のモータ42は好適にはステッピングモータであるが、勿論任意のモータを用いてよい。
【0023】
分配器24はその上端で配管(図示せず)を受けるよう取り付けられる。配管は、マイクロタイタープレート58等の容器に分配される試料流体を、分配器24に供給する。流体試料は遠心分離器、クロマトグラフィーカラム、又は他の供給源からもたらされうる。好適な実施形態においては、試料はキャリッジ20が装置10のX軸及びY軸方向に移動できるフレキシブル配管を用いて分配器24に供給されるが、金属配管の使用を含み任意の試料送達方法を利用してよい。分配器24に試料を供給する構造は、装置101のX軸及びY軸方向の分配器24の動作と共に移動可能であればよく、任意のアプリケーションにおいて装置10に適用しうる。
【0024】
マイクロタイタープレート58等の容器に分配器24から液体フラクションを正確に分注するためには、装置10が分配器24をそのX軸及びY軸方向に位置決めする方法を備えることが必要である。装置10の好適な実施形態においては、図2、図4及び図5に明示するように、リードスクリュー16及びフラットシャフト18はエンコーダディスク50及び52に結合し、エンコーダディスクはリードスクリュー16及びフラットシャフト18それぞれの動きと共に回転する。エンコーダディスク50及び52はその辺縁に切り欠き部を備える。第1のエンコーダディスク50の隣に第1の光学センサ54を備える。第1の光学センサ54は、エンコーダディスク50の切り欠き部がその視野内で回転したかどうかを検出する。この情報を用い、エンコーダディスク50の周囲及びディスク辺縁の切り欠き部の配置から、装置10はリードスクリュー16の回転量を計測し、ここから装置10のY軸方向において前進又は後退のいずれかのキャリッジ20の移動量を計測できる。光学センサ及びエンコーダディスクの組み合わせをセンサアセンブリとして取り入れてもよい。
【0025】
図1に、支持構造62、64、及び廃液トレー64を示す。本発明のこれらの態様は、装置が単体装置として用いられる場合等に、本発明の実施形態として装置10に含まれてもよい。図2〜5には本発明のこれらの特徴は示さず、多くのアプリケーションにおいてこれらの構造物は用いられない。本発明の装置を適用するいかなるアプリケーションにも、適宜これらの構造物は用いられる。
【0026】
これまで装置10の一実施形態として一般的な構造を記載してきた。ここで装置10の操作の詳細を示す。特に、図示のように装置10の一実施形態としての操作の詳細を示す。しかし、本発明に内在する発明としての概念は種々の実施形態に適用しうるものであり、図示する装置10の一実施形態としての操作に係る一般的な記載は装置10の他の実施形態に適用しうるものであり、本願明細書に記載のものであるか本開示書を読むことによって当業者に直ちに明らかになるものであるかは問わない。
【0027】
図中の装置10の実施形態は96ウェルのマイクロタイタープレートとの使用に適用され、これを図1に示す。例えば、遠心分離器又はクロマトグラフィーカラム等の試料源からの液体試料は、分配器24の上端に向けられる。液体試料は分配器24を通過し、その下端から出てマイクロタイタープレート58内のウェル内に入る。装置10は、好適にはコンピュータ(図示せず)との電子的通信状態にあり、マイクロタイタープレート58のウェルへ分配される試料の種々のフラクションに対し、ユーザは保持時間を入力しておく。また、ユーザは試料フラクションが分配されるウェルの順番をコンピュータに入力してもよい。次いで分配器24は、正しい試料フラクションが正しいウェルに分配されるように、正しいウェルの上方に位置決めされる。さらに、分配器24が所与のウェルの上方に位置決めされている時間は、フラクション全体又はその一部が特定のウェルに供給されるように割り当てられる。装置10は、各試料フラクションが正しいウェルに供給されることを確認するために、上述の光センサ54、56、及びエンコーダディスク50、52を用いてマイクロタイタープレート58に対する分配器24の正確な位置を計測できる。さらに、装置10は、エンコーダディスク50、52と組み合わせて光センサ54、56を用いることにより、例えば、リードスクリュー16又はフラットシャフト18を回転させるために第1及び第2のモータ40、42の一方に信号が送られても、システムの欠陥によりキャリッジ20、さらに分配器24が実際には移動しない等の状況によるエラーを低減し、分配器24が実際に移動しているかどうかを確認できる。装置10は任意の所与の時刻において分配器24の位置を知るので、装置10は誤って分配された試料がどのウェルに入っているかという情報をユーザに提供することもできる。
【0028】
ユーザの保持時間入力に頼ることに加えて、装置10は手操作、体積を計測するセンサー、又は前記試料から読み取られる吸光度を含む他の適切な方法により計測される時間(及び分配された体積)に従って分配してもよい。当業界に公知の他の多くの方法を任意に用いてもよい。
【0029】
試料取り込みの種々の時刻において、分配器24に供給される液体試料の一量を処分することが要望されてもよい。そのような場合に、装置10は、上述のように分配器24を移動してその位置を計測する同じ方法を用い、廃棄容器60に試料を分配できる。このようにして、除去が要望される試料の一部に、数が限られたマイクロタイタープレート58のいかなるウェルをも占有させる必要はなくなる。
【0030】
本発明の装置は、試料が分配される容器の種類又は数量、試料を分配する順序等、ある種の情報をユーザが入力可能なコンピュータと共に操作できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、容器又は一連の容器のX軸方向に続けて試料を分配するよう装置をプログラムしてもよく、容器又は一連の容器のY軸方向に続けて試料を分配するよう装置をプログラムしてもよい。ユーザは、試料が所与の軸方向を移動する際に全ての容器(又はマイクロタイタープレートの全てのウェル)に分配するよう装置をプログラムしてもよく、1以上の容器又はウェルを通過させてもよい。さらに、ユーザは1つの容器への試料分配の時間を次の容器よりも長い期間とするよう装置をプログラムできる。ユーザは、分配される試料の順序又は構成、あるいは所与の容器に分配される保持時間においてユーザが所望しうるいかなる程度のカスタマイゼーションもプログラムしてよい。
【0031】
本発明は、その構成に用いる材料においては何の制約もないことを意図している。例えば、種々のシャフトはステンレス鋼又はアルミニウム又は任意の他の適切な材料で構成しうる。同様に、基部、背面部、及び前方指示部は、金属又はカーボンファイバ等の他の適切な材料から構成しうる。本発明の装置をある種の化学物質のアプリケーションへ利用することを意図するならば、使用される化学物質の性質から、本発明のある部品に用いられる材料を指定してもよい。所与のアプリケーションにおいて使用されてよい材料は当業者であれば明白であろう。本発明のいかなる種々の部分の構成においても任意に適切な材料を用いてよいことを、本願明細書は意図している。
【0032】
部品のマウント法、ボールベアリングの使用法等、フラクションコレクタの種々の部品に係る詳細は本願明細書に記載していない。本発明のフラクションコレクタにおいて個々の部品を多様に設計しうることは、本開示書を読むことで当業者には明らかであろう。さらに、ステッピングモータ等の制御方法は周知であり、電気的又は電子的駆動回路の詳細は本願明細書に記載しない。本発明の種々の態様に用いうるソフトウェア部品についても同様である。本発明がいったん理解されれば、当該装置の操作を制御するために種々の形式においてソフトウェアを供給することは、当業者であれば直ちに達成しうることである。
【0033】
本願明細書に記載の本発明の範囲を離れることなく本発明の種々の変形が可能であることは、本開示書を読むことにより当業者には明かであろう。そのような変形には、種々の移動シャフトのための駆動手段の形式、種々のモータの配置及び位置、及びシャフトを含むがこれらに限定されない。例示として、これに限定する訳ではなく、本発明の装置のフラットシャフト及び支持シャフトは相対的な位置において交換してもよい。さらに、リードスクリュー及び支持シャフトは、本発明の範囲を離れることなく入れ替えてもよい。ネジ溝付き延長ナット32を、装置のY軸方向の分解能を上げるために、リードスクリュー16の通路としてキャリッジ20に追加してもよい。さらに、本発明の装置の動作が縦列するよう、リードスクリュー及び支持シャフトからいずれかの方向に延長する1本のリードスクリュー及び支持シャフトが、装置の中心に設置されうる。本願明細書に記載の装置は、一台を他の前に置き、同一の延長リードスクリュー及びフラットシャフトにより制御される縦列の設置でもよい。本発明の装置に対する修飾の数及び種類は多様かつ広範であり、そうした修飾もまた本発明の範囲にあると意図される。本願明細書に記載の特定の実施形態は例示のみのためのものであり、本発明は添付の請求範囲のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタアセンブリの前方斜視図である。
【図2】本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタの左上方斜視図である。
【図3】本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタの左平面図である。
【図4】本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタの右平面図である。
【図5】本発明の教示に従って構成されるフラクションコレクタの上方平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X軸及びY軸方向に部品を位置決めするための装置であって、
第1のモータと、
前記第1のモータと結合し前記装置の第1の軸方向に延長するリードスクリューと、
第2のモータと、
前記第2のモータと結合し前記装置の第1の軸方向に延長するキー溝付きシャフトと、
前記リードスクリューの長さ方向に移動するためにねじ係合するキャリッジ部分であって、さらに前記キー溝付きシャフトの長さ方向に移動するために摺動係合されるキャリッジ部分と、
前記キャリッジに固定付設され、前記第1の軸に対して垂直である前記装置の第2の軸を定義するシャフト部分と、
前記装置の前記第1及び第2の軸方向に位置決めされる位置決め可能部分であって、前記シャフト部に摺動付設される位置決め可能部分と、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記キー溝付きシャフトが前記シャフト部の長さ方向に前記位置決め可能部分を移動せしめるように、前記キー溝付きシャフトに対して操作可能に結合される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リードスクリューに平行な支持シャフトをさらに含んでなり、ここに前記キャリッジ部は前記支持シャフトと共にその長さ方向の移動のために摺動可能に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記リードスクリューと結合してその場の回転量を計測するための第1のセンサアセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその場の回転量を計測するための第2のセンサアセンブリとをさらに含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のセンサアセンブリは前記リードスクリューに固定付装される第1のエンコーダディスク及び前記第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサを含んでなり、
前記第2のセンサアセンブリは前記キー溝付きシャフトに固定付装される第2のエンコーダディスク及び前記第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサを含んでなり、ここに前記装置は前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて前記第1及び第2の軸方向の前記位置決め可能部分の位置を計測しうる、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のモータが固定付装される背面部をさらに含んでなり、前記背面部は前記リードスクリュー延長の少なくとも1の部分が通過する第1の貫通穴を有し、前記背面部は前記キー溝付きシャフト延長の少なくとも1の部分が通過する第2の貫通穴をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記リードスクリューに平行な支持シャフトをさらに含んでなり、ここに前記キャリッジ部は前記支持シャフトと共にその長さ方向の移動のために摺動可能に係合し、前記背面部は前記シャフト延長の少なくとも1の部分が通過する第3の貫通穴を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記リードスクリュー延長の少なくとも1の部分が通過する第1の貫通穴を有する第1の前方支持部をさらに含んでなり、前記第1の前方支持部は前記支持シャフト延長の少なくとも1の部分が通過する第2の貫通穴をさらに有し、前記第1の前方支持部は前記背面部に対して前記リードスクリューの遠位端及び前記支持シャフトの遠位端に位置決めされる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記キー溝付きシャフトの少なくとも1の部分が通過する貫通穴を有する第2の前方支持部をさらに含んでなり、前記第2の前方支持部は前記背面部に対して前記キー溝付きシャフトの遠位端に位置決めされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記背面部に固定付装されここから延長する基部をさらに含んでなり、前記基部は前記第1及び第2の前方支持部にも固定付装される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リードスクリューと結合してその場の回転量を計測するための第1のセンサアセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその場の回転量を計測するための第2のセンサアセンブリとをさらに含んでなる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のセンサアセンブリは、前記リードスクリューに固定付装される第1のエンコーダディスク及び前記第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサを含んでなり、
前記第2のセンサアセンブリは、前記キー溝付きシャフトに固定付装される第2のエンコーダディスク及び前記第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサを含んでなり、
前記装置は前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて前記第1及び第2の軸方向の前記位置決め可能部分の位置を計測しうる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記分配器は容器への液体試料の供給に加えて容器から液体試料を抽出するために取り付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、
第1のプリーであって、前記フラットシャフトの回転が前記第1のプリーの対応する回転を生じせしめるように、前記フラットシャフトと動作が連動する第1のプリーと、
ベルト部であって、前記第1のプリーの回転が前記ベルトの対応する運動を生じせしめるように、前記第1のプリーと動作が連動するベルト部と、
第2のプリーであって、前記ベルトの運動が前記第2のプリーの対応する回転を生じせしめるように、前記ベルトと動作が連動する第2のプリーと、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記ベルト部の運動が前記位置決め部分の運動を生じせしめるように、前記ベルト部に固定付装される、装置。
【請求項18】
フラクションコレクタであって、
第1の貫通穴及び第2の貫通穴を有する背面部と、
前記背面部に固定付装される第1のモータと、
リードスクリューであって、前記背面部の前記第1の貫通穴の少なくとも1の部分を通過して延長して前記背面部に回転可能に付装され、前記フラクションコレクタの第1の軸方向に延長し、さらに前記リードスクリューは前記第1のモータに結合する、リードスクリューと、
前記背面部に固定付装される第2のモータと、
フラットシャフトであって、前記背面部の第2の貫通穴の少なくとも1の部分を通過して延長して前記背面部に回転可能に付装され、前記フラクションコレクタの第1の軸方向に延長し、さらに前記フラットシャフトは前記第2のモータに結合する、フラットシャフトと、
前記リードスクリューの長さ方向に移動するためにこれとねじ係合するねじ溝付きボアを有するキャリッジ部であって、前記フラットシャフトの長さ方向に移動するためにこれと摺動係合する貫通穴をさらに有するキャリッジ部と、
前記キャリッジ部に固定付装され前記フラクションコレクタの第2の軸を定義するシャフト部であって、前記第2の軸は前記第1の軸と垂直であるシャフト部と、
前記フラクションコレクタの第1及び第2の軸方向に位置決めされる位置決め部であって、前記位置決め部は前記シャフト部に摺動付装され、かつ前記キー溝付きシャフトが前記位置決め部を前記シャフト部に沿う動きを生じせしめるように前記キー溝付きシャフトに操作可能に結合され、前記位置決め部は液体試料のフラクションを容器内に分配するための分配器を含んでなる位置決め部と、
前記リードスクリューに固定付装される第1のエンコーダディスク及び前記リードスクリューの回転量を計測するための第1の光センサを含んでなる第1のセンサアセンブリと、
前記フラットシャフトに固定付装される第2のエンコーダディスク及び前記フラットシャフトの回転量を計測するための第2の光センサを含んでなる第2のセンサアセンブリと、
前記背面部に固定付装されここから延長する基部であって、前記基部は前記第1及び第2の先方支持部にも固定付装される基部と、
を含んでなる、フラクションコレクタ。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
第1のプリーであって、前記フラットシャフトの回転が前記第1のプリーの対応する回転を生じせしめるように、前記フラットシャフトと動作が連動する第1のプリーと、
ベルト部であって、前記第1のプリーの回転が前記ベルトの対応する運動を生じせしめるように、前記第1のプリーと動作が連動するベルト部と、
第2のプリーであって、前記ベルトの運動が前記第2のプリーの対応する回転を生じせしめるように、前記ベルトと動作が連動する第2のプリーと、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記ベルト部の運動が前記位置決め部分の運動を生じせしめるように、前記ベルト部に固定付装される、装置。
【請求項20】
前記リードスクリューに平行な支持シャフトをさらに含んでなり、ここに前記キャリッジ部は前記支持シャフトと共にその長さ方向の移動のために摺動可能に係合し、前記背面部は前記シャフト延長の少なくとも1の部分が通過する第3の貫通穴を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記分配器は容器への液体試料の供給に加えて容器から液体試料を抽出するために取り付けられる、請求項20に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−542750(P2008−542750A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514611(P2008−514611)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/019586
【国際公開番号】WO2006/132620
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(503310350)アルファ ワッサーマン インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ALFA WASSERMANN,INC.
【Fターム(参考)】