説明

フラッシュ光分解システム

【課題】既存のフラッシュ光分解分光計より性能が優れたフラッシュ光分解システムを提供する
【解決手段】ポンプ・プローブ式LFPシステムは、ポンプ光源及びプローブ光源のエネルギー要件を実質的に低くするように適合される。LFPシステムは、フォトニック結晶ファイバ・ベースのプローブ光源と、ナノジュール又はそれより高いエネルギーで光パルスを発生させるように適合されたポンプ光源と、プローブ光源への第1のビーム部分と、ポンプ光源への第2のビーム部分とを生成するためのメイン・レーザ源と、遅延発生器と、コンピュータと、光学変調器と、検出器と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ・フラッシュ光分解に関し、より具体的には、既存のフラッシュ光分解分光計に優る改善された性能を有するフラッシュ光分解システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ・フラッシュ光分解(LFP)は、化学及び生体プロセスの反応メカニズムを研究するのに用いられる技術である。この技術は1966年、フランスのCNRSにおいて、Lindqvistにより導入され、世界中の種々の研究グループにより速やかに開発された。LFPは1960年代初頭におけるレーザの発明によりもたらされた。LFPの技術は、研究対象のサンプル内に化学種を生成するパルス化されたレーザ源と、サンプル内の光学的変化を検知することができる光及び電子システムと、データを選択的に取り込み、処理し、表示するための適切に装備されたコンピュータとから成る。光及び電子システムは、「中間体」と呼ばれる短命な化学種のスペクトルを取得することができる高速分光計を構成する。次いで、光及び電子システムは、時間の経過に伴う中間体の進化を記録する。かかる高速分光計における時間解像度は、2つの主要な方法により達成することができる。
【0003】
第1の方法は、高速エレクトロニクスを使用して、リアルタイムで、又は検出器に対して電子ゲーティングが適用されるときに、高速検出器の読み出しをデジタル化し記録することを含む。電子ゲーティングは、リアルタイムのデータ取得を行うほど十分迅速に出力を処理することができないアレイ・ベースの分光計に対して、典型的に使用される。両技術は、プローブ光源として、典型的には連続波(CW)又はパルス化されたキセノン・アーク・ランプを用いる。プローブ光源により生成されるプローブ・ビームに固有の輝度の低さ及びコリメーションの悪さに起因して、プローブとポンプ(励起)ビームの間の光学的重なりが約1cm2の面積にわたって発生し、それにより、サンプル内に化学変化を誘導するのに必要なレーザ・パルスに関するエネルギー要件が生じる。対応するポンプ・レーザ・パルスは、典型的には数ミリジュールのエネルギーを有する。パルス・エネルギー要件により、キセノン・アーク・ランプのプローブ光源と併せて使用し必要なエネルギーを生成できるのは、Qスイッチ・レーザとして知られる限られた数のレーザのみである。
【0004】
第2の方法は、光学ゲーティング又は「ポンプ・プローブ」法と呼ばれる。この方法では、サンプルの化学変化のダイナミクスは、レーザからの一連の光パルスについて光パルス(ポンプ・ビーム)がサンプルを通過する際の異なる時点で調べることにより、モニタされる。プローブ・ビーム及びポンプ・ビームは同体積の対象サンプルを透過する。ポンプ・ビームのパルスは、サンプル内で、サンプルの光学的特性に影響を与える過渡的な化学変化を誘導する。サンプルを通過するプローブ・ビームのパルスのスペクトルは、ポンプ・ビームによりサンプルに生じた変化により、ポンプ・パルスとの関係でいつプローブのパルスがサンプルに到達したかに従って変容する。
【0005】
プローブ・ビームがポンプ・ビームの前を通る場合、プローブ・ビームは励起イベント前のサンプルのみを測定する。プローブ・ビームは遅延されるので、プローブ・ビームはポンプ・ビームと同時にサンプルに到達し、これが時間ゼロに対応する。プローブ・ビームの遅延は、所望の時間間隔にわたり、徐々に増加する。従って、検出器によりモニタされるプローブ・ビームの対応する変化は、励起イベントの後の特定の遅延(時間)に割り当てられる。種々の遅延における一連のプローブ・ビームは、ポンプ・ビームにより引き起こされたサンプル内の変化のダイナミクスについての情報を表す。
【0006】
プローブ・ビームの各遅延において、プローブ・ビームの2つのスペクトルが検出器により記録される。第1のスペクトルは、ポンプ・ビームと共にサンプルを透過するプローブ・ビームに対応する。第2のスペクトルは、基準スペクトルであり、ポンプ・ビームなしでサンプルを透過したプローブ・ビームに対応する。通常は、ポンプ・プローブの特定の遅延において、十分な信号対雑音比を得るために、一連のかかるプローブスペクトル対の平均が取られる。かかる実験設定におけるポンプ・ビームのエネルギーは、数マイクロジュールに制限されることが多い。従って、励起ビームにおいて同等の機器感度及び同様の光子束を達成するために、ポンプ・ビームとプローブ・ビームとは、サンプルにおいて1mm2未満の面積にわたり空間的に重ね合わされる。上記の要件を満たすことができるプローブ・ビームの生成は、レーザなどの高度にコリメートされたビームが使用される場合に限り、可能である。
【0007】
光学ゲーティングはフェムト秒及びピコ秒レーザについては成功裡に使用されてきた。フェムト秒又はピコ秒レーザの出力が幾つかの部分に分割され、そのうちの1つを使用して、通常はスーパーコンティニューム生成又は光学パラメトリック増幅を通して、所望の波長仕様を有するプローブ・ビームを生成する。スーパーコンティニューム生成に使用される材料は、典型的にはバルク材料、即ちサファイア、フッ化カルシウムなどの結晶、又は水などの液体である。次いで、結果として得られたビームを使用して、サンプル内の光誘導された変化を調べる。時間解像度は、ポンプ・ビームに対するプローブ・ビームの移動経路長を変えることにより実現され、これにより、数フェムト秒に至る極めて高い時間的解像度が可能になる。しかしながら、サファイアなどのバルク材料内でスーパーコンティニュームを生成するには、増幅フェムト秒レーザなどの限られた数のレーザのみが発生させることができる、高いピーク出力(メガW)を有するレーザ・パルスを得る必要がある。かかる増幅フェムト秒レーザは高価であり、広いフットプリントを有する(8−10ft2)。
【0008】
同一出願人による特許文献1は、ポンプ光源及びプローブ光源のエネルギー要件を実質的により低くするように適合されたナノ秒のポンプ・プローブ式LFPシステムを示す。LFPシステムは、フォトニック結晶ファイバ・ベースのプローブ光源と、ナノジュール又はそれより高いエネルギーで光パルスを発生させるように適合されたポンプ光源と、遅延発生器と、コンピュータと、検出器と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,817,270号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
レーザ・フラッシュ光分解を実施するためのLFPシステムは、驚くほど開発され、ポンプ光源及びプローブ光源のエネルギー要件を実質的に低くするように適合されている。LFPシステムは、プローブ光源と、ナノジュール又はそれより高いエネルギーで光パルスを発生させるように適合されたポンプ光源と、遅延発生器と、光学変調器と、検出器と、を含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
フラッシュ光分解のためのシステムにおいて、メイン・レーザ源が光のビームを生成し、ビーム・スプリッタが光のビームから第1のビーム部分及び第2のビーム部分を生成する。プローブ光源は、第1部分のビームに応答して、フラッシュ光分解の適用においてサンプルを透過する第1のパルス化された光のビームを生成するが、ここでプローブ光源は、レーザ励磁されたフォトニック結晶ファイバである。遅延発生器は、フラッシュ光分解の適用全体を通じて、第1のパルス化されたビームの生成と第2のパルス化されたビームの生成との間の時間遅延を調節するための、光学遅延ライン又は光学遅延発生器のうちの1つである。ポンプ光源は、遅延発生器からの第2部分のビームに応答して、サンプルを透過し、サンプル内の化学反応を開始する第2のパルス化された光のビームを生成する。検出器はサンプルを出た第1のパルス化されたビームを受け入れ、第2のパルス化されたビームにより生じたサンプル内の第1のパルス化されたビームの吸収における変化を検出する。
【0012】
本発明の実施形態によるLFPシステムの概略的なレイアウトが示される添付図面に照らして考慮されたときに、以下の本発明の詳細な説明を読むことにより、当業者には、本発明の上記及び他の目的及び有利な点が容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるフラッシュ光分解システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明及び添付図面は、本発明の種々の例示的な実施形態を説明し、例示する。説明及び図面は、当業者が本発明を作成し利用することを可能にする役目を果たし、いかなる形であれ本発明の範囲を限定することを意図するものではない。開示される方法に関して、提示されるステップは本質的に例示的なものであり、従って、ステップの順序は必須ではなく重要でもない。
【0015】
図面(図1)を参照すると、プローブ光源12と、ポンプ光源14と、検出器16と、遅延発生器18とを含むLFPシステム10が図示される。示されるプローブ光源12は、レーザ51によりポンプされるフォトニック結晶ファイバである。プローブ光源12は、数平方ミクロン程度の狭い面積にフォーカスされるように適合される。プローブ光源12は、例えばフォトニック・ファイバに結合されたパルス化されたフェムト秒レーザ発振器などの、数平方ミクロン程度の狭い面積にフォーカスするように適合された任意の従来のプローブ光源とすることができると理解される。
【0016】
ポンプ光源14は、典型的には、レーザ51によりポンピングされる調波発生器又は光パラメトリック発振器であり、少なくとも数ナノジュールのエネルギー・レベルを有するコリメートされたビームを発生するように適合され、励起光源と呼ばれる。また、ポンプ光源14は、所望に応じて、増幅フェムト秒レーザ、非増幅フェムト秒レーザ発振器、ピコ秒レーザ、Qスイッチ・ナノ秒レーザ、ダイ・レーザ、窒素レーザ、又はナノ秒マイクロチップ・レーザとすることができる。
【0017】
検出器16は、サンプル20による光吸収の変化を測定するように適合された、CCDベースの分光計などのブロードバンド検出器である。検出器16は、測定信号をコンピュータ23に送信するように、さらに適合することができる。検出器16は、電磁スペクトルの特定部分にわたる光の特性を測定するように適合された任意のデバイスとすることができると理解される。
【0018】
遅延発生器18は、典型的には、光学遅延発生器である。遅延発生器18はコンピュータ23と電気的に通信し、プローブ光源12により生成されるプローブ・ビームとポンプ光源14により生成されるポンプ・ビームとの間の時間遅延を光学的に制御するように適合される。遅延発生器18は、ポンプ・ビームとプローブ・ビームとの間の遅延を任意の量で選択的に変えるようにさらに適合されるが、典型的なLFP実験で10ナノ秒を超える遅延を必要とすることは稀である。遅延発生器18はポンプ光源14の前又は後、若しくはプローブ光源12の前又は後に取り付けることができると理解される。
【0019】
LFPシステム10は、ビーム・ブロック22と、複数のレンズ光学部品24、26、28、29と、複数の反射光学部品32、34、36、53と、ビーム・スプリッタ52とをさらに含む。ビーム・ブロック22は、コリメートされた光のビームなどの電磁エネルギーを取り込み及び吸収するように適合される。
【0020】
レンズ光学部品24、26、28、29は、第1のレンズ24と、第2のレンズ26と、第3のレンズ28と、第4のレンズ29とを含む。第1のレンズ24はプローブ光源12により生成されるビームの経路に配置され、プローブ・ビームをサンプル20にフォーカスするように適合される。第2のレンズ26はポンプ光源14により生成されるビームの経路に配置され、ポンプ・ビームをサンプル20にフォーカスするように適合される。第3のレンズ28及び第4のレンズ29は、プローブ光源12により生成されるビームを収集し、検出器16に案内するように適合される。LFPシステム10は4つのレンズ光学部品24、26、28、29を有するものとして示されるが、所望に応じて、任意の数のレンズ光学部品を使用することができると理解される。代替的に、レンズの代わりに曲面鏡を用いることができる。
【0021】
反射光学部品32、34、36、53は、光のビームを向けるための従来の任意の反射光学部品、例えば鏡などとすることができる。反射光学部品32、34、36、53は、プローブ光源12及びポンプ光源14により生成されるビームの経路に配置され、ビームの所望の方向に影響を与える。LFPシステム10は、4つの反射光学部品32、34、36、53を有するものとして示されるが、任意の数の反射光学部品を使用してビームの所望の方向に影響を与えることができると理解される。
【0022】
ビーム・スプリッタ52は、メイン・レーザ源51により生成されるビームの経路に配置され、メイン・ビームの2つの部分を所望の方向に反射する。メイン・ビームは、スプリッタ52により、プローブ光源12に向けられる第1のビーム部分と、光学変調器54に向けられる第2のビーム部分とに分割される。次いで、変調器54は、第2のビーム部分をポンプ光源14に供給する。
【0023】
使用中に、プローブ光源12は、第1のレンズ24により、サンプル20内の約0.1mm2の面積にフォーカスされるプローブ・ビームのパルスを生成し、一方、ポンプ光源14は、第2のレンズ26により、サンプル20内の同じく約0.1mm2の面積にフォーカスされ、数ナノジュールのエネルギー・レベルを有するポンプ・ビームのパルスを生成する。従って、プローブ・ビームとポンプ・ビームは、サンプル20において空間的に重なるようにされている。ポンプ・ビームは、サンプル20を通過した後で、ビーム・ブロック22に取り込まれる。プローブ・ビームは、第3のレンズ28及び第4のレンズ29により収集され、検出器16内に案内される。反射光学部品32、34、36は、光源12、14からのビームを方向付けるために設けられる。次いで、サンプル20の変化、及びサンプル20の吸光における変化の相違が検出器16により測定され、コンピュータ23により記録される。
【0024】
プローブ・ビームのパルスは、約50kHzの一定周波数で生成される。所望に応じて任意の周波数を使用することができると理解される。コンピュータ23は、遅延発生器18を通じて、ポンプ光源14からのパルスのタイミングを制御する。ポンプ光源14からのパルスは、ポンプ・パルスがプローブ・パルスを所望の時間間隔だけ先行し、それにより所望のポンプ・プローブ遅延を生成するように、サンプル20に送られる。
【0025】
光学変調器54は、ポンプ光源14からのポンプ・パルスを変調するために使用される。変調器54は、光学チョッパ、音響光学変調器、電子光学変調器などとすることができる。変調器54は、PC23により制御される。サンプル20内におけるポンプ・ビームのパルスなしでプローブ・ビームのパルスのスペクトルを得るために、プローブ・ビームのパルスを1つおきのレートで、ポンプ・パルスをブロックする信号が変調器54に送られる。
【0026】
遅延発生器18を用いて、プローブ・ビームとパルス・ビームのタイミングを変えることにより、LFPシステム10によるサンプル20に対する実験に利用可能なパルス間の遅延を所望に応じて変えることができるが、典型的には、実験のための時間間隔は10ナノ秒より短い。LFPシステム10の付加的な利点は、レンズ光学部品24、26、28、29及びビームを方向付けるための反射光学部品32、34、36、53などの光学部品を含むことにより、LFPシステム10の全体的なサイズを約4−6ft2を下回る面積まで低減し、それにより、LFPシステム10の全体的なコストを、他の市販のLFPシステムに比べて最小化することを含む。
【0027】
本発明によるLFPシステム10は、メイン・レーザ源51と、プローブ光源12と、ポンプ光源14と、検出器16と、遅延発生器18と、光学変調器54とを含む。プローブ光源12は、レーザ51により生成されたメイン光ビームの第1のビーム部分によりポンプされるフォトニック結晶ファイバである。プローブ光源12は、数平方ミクロン程度の狭い面積にフォーカスするように適合される。プローブ光源12は、例えばフォトニック・ファイバに結合されたQスイッチ・サブ・ナノ秒マイクロチップ・パルス・レーザなどの、数平方ミクロン程度の狭い面積にフォーカスするように適合された任意の従来のプローブ光源とすることができると理解される。
【0028】
ポンプ光源14は、メイン・レーザ51からのビームの第2のビーム部分であり、少なくとも数ナノジュールのエネルギー・レベルを有するコリメートされたビームを発生させるように適合され、励起光源と呼ばれる。また、ポンプ光源14は、所望に応じて、増幅フェムト秒レーザ、ピコ秒レーザ、Qスイッチ・ナノ秒レーザ、ダイ・レーザ、窒素レーザ、ナノ秒マイクロチップ・レーザ、フェムト秒レーザ発振器、調波発生器、又は光学パラメトリック発振器とすることができる。
【0029】
遅延発生器18は、光学遅延ライン又は光学遅延発生器である。遅延発生器18は、コンピュータ23と電気的に通信し、プローブ光源12により生成されるプローブ・ビームとポンプ光源14により生成されるポンプ・ビームとの間の時間遅延を光学的に制御するように適合される。遅延発生器18は、ポンプ・ビームとプローブ・ビームとの間の遅延を任意の量だけ選択的に変えるようにさらに適合されるが、典型的なLFP実験が10ナノ秒を超える遅延を必要とすることは稀である。
【0030】
LFPシステム10は、ビーム・スプリッタ52と、反射光学部品53とをさらに含む。メイン・レーザ源51により生成されたメイン・ビームは、ビーム・スプリッタ52に衝突し、2つの部分に分割される。第1部分のビームは、プローブ光源12に向けられる。メイン・レーザ源ビームの第2の部分は、反射光学部品53に向けられ、第2部分のビームを遅延生成器18に向け直す。
【0031】
使用中に、システム10は、遅延発生器18を用いてプローブ・ビーム及びポンプ・ビームのタイミングを変えることにより、サンプル20に対する実験に利用可能なパルス間の遅延を所望に応じて変えるが、典型的には、実験のための時間間隔は、10ナノ秒より短い。
【0032】
当業者であれば、上記の記述から、本発明の本質的な特徴を容易に確かめることができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の変更及び修正を行い、添付の特許請求の範囲に従った種々の用途及び条件に適合させることができる。
【符号の説明】
【0033】
10:LFPシステム
12:プローブ光源
14:ポンプ光源
16:検出器
18:遅延発生器
20:サンプル
22:ビーム・ブロック
24、26、28、29:レンズ光学部品
23:コンピュータ
32、34、36、53:反射光学部品
51:メイン・レーザ源
52:ビーム・スプリッタ
54:光学変調器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光のビームを生成するためのメイン・レーザ源と、
前記光のビームから第1のビーム部分及び第2のビーム部分を生成するためのビーム・スプリッタと、
前記第1のビーム部分に応答して、フラッシュ光分解の適用においてサンプルを透過するパルス化された光のプローブ・ビームを生成するための、レーザ・エネルギーを与えられたフォトニック結晶ファイバである、プローブ光源と、
前記第2のビーム部分に応答して、前記サンプルを透過し、前記サンプル内の化学反応を開始するためのパルス化された光のポンプ・ビームを生成するためのポンプ光源と、
前記フラッシュ光分解の適用を通じて、前記パルス化されたプローブ・ビームの生成と前記パルス化されたポンプ・ビームの生成との間の時間の遅延を調節するための遅延発生器と、
前記サンプルを出た前記パルス化されたプローブ・ビームを受け入れ、前記パルス化されたポンプ・ビームにより生じた前記サンプル内の前記パルス化されたプローブ・ビームの吸収の変化を検出するための検出器と、
を備えることを特徴とする、フラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項2】
前記ビーム・スプリッタと前記遅延発生器との間に、前記パルス化されたポンプ・ビームを変調するための光学変調器をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項3】
前記光学変調器は、前記ポンプ・パルスの幾つかをブロックして、非ポンプ時に前記サンプルを透過する前記プローブ・ビーム・パルスのスペクトルを得るように操作されることを特徴とする、請求項2に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項4】
前記光学変調器は、前記プローブ・ビーム・パルスの1つおきのレートで前記ポンプ・パルスをブロックして、非ポンプ時に前記サンプルを透過する前記プローブ・ビーム・パルスのスペクトルを得るように操作されることを特徴とする、請求項3に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項5】
前記光学変調器は、前記ポンプ・パルスの幾つかを通過させて、ポンプ時に前記サンプルを透過する前記プローブ・ビーム・パルスのスペクトルを得るように操作されることを特徴とする、請求項2に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項6】
前記光学変調器は、前記プローブ・ビーム・パルスの1つおきのレートで前記ポンプ・パルスを通過させて、ポンプ時に前記サンプルを透過する前記プローブ・ビーム・パルスのスペクトルを得るように操作されることを特徴とする、請求項5に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項7】
前記遅延発生器は、光学遅延ライン又は光学遅延発生器のうちの1つであることを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュ光分解のためのシステム。
【請求項8】
光のメイン・ビームを生成するためのメイン・レーザ源と、
前記光のメイン・ビームから第1のビーム部分及び第2のビーム部分を生成するためのビーム・スプリッタと、
前記第1のビーム部分に応答して、フラッシュ光分解の適用においてサンプルを透過するパルス化された光のプローブ・ビームを生成するための、レーザ・エネルギーを与えられたフォトニック結晶ファイバである、プローブ光源と、
前記第2のビーム部分に応答して、前記サンプルを透過し、前記サンプル内の化学反応を開始するためのパルス化された光のポンプ・ビームを生成するためのポンプ光源と、
前記フラッシュ光分解の適用の全体を通じて、前記パルス化されたプローブ・ビームの生成と前記パルス化されたポンプ・ビームの生成との間の時間の遅延を調節するための、光学遅延ライン及び光学遅延発生器のうちの1つである遅延発生器と、
前記サンプルを出た前記パルス化されたプローブ・ビームを受け入れ、前記パルス化されたポンプ・ビームにより生じた前記サンプル内の前記パルス化されたプローブ・ビームの吸収の変化を検出するための検出器と、
を備えることを特徴とする、フラッシュ光分解のためのシステム。

【図1】
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