説明

フラットケーブルチューブ材料

本発明は、互いに重なった複数のサブケーブルアセンブリ(20、120、220、320、620、720)を有する電気信号ケーブルアセンブリ(10、110、210、710)を開示する。各サブケーブルアセンブリ(20、120、220、320、630、720)は、絶縁体(40a、40b)に包まれた複数の同一平面上の電気信号導体(30、130、230、330、730)を含み、それらは互いに第1ピッチ距離(a)で離れており、それによって第1ピッチ距離(a)は0.1mm〜10mmである。電気信号ケーブルアセンブリ(10、110、210、710)の特性インピーダンスの範囲は、50Ω〜200Ωの範囲である。電気信号ケーブルアセンブリ(10、110、210、710)の好ましい実施態様では、絶縁体(40a、340a、640a、740a、40b、640b、740b)は、下部絶縁体(40b、340b、640b、740b)に積層された上部絶縁体(40a、340a、640a、740a)を含み、延伸ポリテトラフルオロエチレンから作られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号線ケーブルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号線は、例えば、Hewlett-Packard Companyに譲渡された欧州特許出願公開EP−A−0735544(Cartierら)から知られている。この特許出願には、変換器と表示処理装置との間に電気的接続を提供するための変換器ケーブルを備えた超音波システムが記載されている。この出願の変換器ケーブルの第3実施態様では、むき出しの銅の薄い細片を含むシールド導体によって互いに分離された、3層の押出リボンアセンブリが使用されている。積み重ねたリボンアセンブリとシールド導体を、リボンジャケット(ribbon jacket)を用いて押し出して、所望の長さの変換器ケーブルを形成する。
【0003】
Amphenol Corporationに譲渡されたUS−A−4847443(Basconi)には、連結した関係で一緒に積み重ねられた複数の略平坦な電気信号線部分(segments)から形成された、電気信号線ケーブルの他の例が教示されている。この先行技術のケーブルのそれぞれの電気信号線部分は、接地導体によって両側が囲まれた少なくとも1つの信号導体を含む。複数の接地導体は、隣接する信号導体間のクロストークを抑制する接地面を効果的に形成する。導体が中に配置される絶縁性材料は、個々の信号導体の上に押し出される。
【0004】
Minnesota Mining and Manufacturing Companyに譲渡された欧州特許EP−B−0605600(Springerら)には、リボンケーブルと、そのリボンケーブルを製造する積層方法が教示されている。製造されたリボンケーブルは、微多孔質ポリプロピレンの絶縁体によって囲まれた、複数の等間隔のフレキシブル導体を含む。
【0005】
W.L. Gore & Associatesに譲渡された米国特許US−A−4847443(Crawleyら)には、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなる絶縁体の内部に配置された複数の導電体を備えた多導体フラットリボンケーブルが教示されている。
【0006】
PCT特許出願WO−A−91/09406(Ritchieら)には、細長い導電性金属ホイル細片から構成される電気配線が教示されており、その導電性金属ホイル細片は、積層用フィルムの間にホイル細片を固定する接着剤を用いて、向かい合った絶縁フィルム層の間に積層されている。
【0007】
Siemensに譲渡されたドイツ国特許出願DE−A−2424442には、絶縁フィルムの間に積層された複数のフラットケーブルを含む、ケーブルアセンブリが教示されている。
【0008】
Square D company, Palatine, Illinoisに譲渡されたPCT特許出願WO−A−80/00389(Clarke)には、プログラマブルコントローラと一緒に使用するための入出力データケーブルが教示されている。そのケーブルは、接地導体、ロジックレベル電圧導体、及び数多くの信号トラックを有している。混信に対する高い耐性及び低誘導損失を与えるため、導体は特定の方法で2層又は3層の可撓性プラスチック材料上に配置される。層は一緒に接着されて、積層構造体を形成する。
【0009】
W.L. Gore & Associates, Inc., Newark, Delawareは、スズめっき銅の編組シールド及びPVCのジャケットチューブの内部に封入された132の微細な同軸ケーブルを含む、品番02−07605の丸形ケーブルを販売している。
【0010】
軽量で、十分な性能特性を提供し、そして成端の複雑さを軽減する、複数のリボンケーブルを備えた電気信号ケーブルアセンブリを開発することが、本技術分野で引き続き必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、改良された信号ケーブルアセンブリを開発することである。
【0012】
さらに、本発明の目的は、高インピーダンス及び低キャパシタンスを有する複数のリボンケーブルを備えた信号ケーブルアセンブリを開発することである。
【0013】
さらに、本発明の目的は、信号ケーブルアセンブリの成端を簡単にすることである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、同等の微細な同軸ケーブルアセンブリと比較して軽量の、複数のリボンケーブルを備えた信号ケーブルアセンブリを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のこれらの目的及びその他の目的は、円筒状スペーサの周りで少なくとも1つの第1の同心円配列に配置された少なくとも1つのリボンケーブルを含む電気信号ケーブルアセンブリを提供することによって達成される。第1の同心円配列の周りに分離用同心円要素が配置され、そして、少なくとも1つのさらなるリボンケーブルが、その分離用同心円要素の周りで少なくとも1つのさらなる同心円配列に配置される。
【0016】
分離用同心円要素は、誘電体スペーサ、導電面又はこの2つの組み合わせのいずれかから形成できる。その役割は多重にする(many-fold)ことである。分離用同心円要素は、信号分離の改善及び同心円配列間のクロストークの低減のために使用される。誘電体スペーサは、インピーダンスを増加してキャパシタンスを減少させるために使用される。導電面は接地面として使用され、異なる同心円配列におけるリボンケーブル間のクロストークをさらに低減する。
【0017】
本発明のある実施態様は分離用同心円要素としてリボンケーブルを使用し、そこではリボンケーブル内部の全ての導電体がAC接地電位に接続されている。この構造体は、ケーブルを折り曲げている最中に、分離用同心円要素とリボンケーブルとの間の摩擦静電気の生成をなくすという点で、金属接地面を使用した場合と比べて利点を有している。知られているように、摩擦静電気は、導電性金属材料が誘電絶縁体と擦れたときに生成する。摩擦静電気は電気信号ケーブルアセンブリ内部に信号ノイズを生成し、アセンブリ上を伝送する信号の品質を劣化させる。リボンケーブルを分離用同心円要素として使用すると、分離用同心円要素の誘電絶縁性材料が、同心円配列のうち1つのリボンケーブルの同じ又は同様の誘電絶縁性材料と確実に擦れるため、この実施態様のケーブルにおいて摩擦静電気は生成せず、その結果、電気信号ケーブルアセンブリの信号伝送能力が高められる。
【0018】
本発明のある実施態様では、同心円配列のリボンケーブルの少なくともいくつかが、複数の導電体から構成されており、導電体のいくつかがAC接地電位に接続可能であって、他の導電体が信号に接続可能である。これらの信号伝送導体と同じリボンケーブル内部で導電体の少なくともいくつかをAC接地電位に接続することは、AC接地伝送導体が信号伝送導体を互いにシールドし、そうして同じリボンケーブル内部の信号伝送導体間のクロストークを低減する。AC接地とは、AC接地伝送導体が、交流信号を伝送することではなく、0ボルトであってもなくてもよい不変の電圧レベルを担うことを意味する。
【0019】
いくつかの同心円配列では、2つ以上のリボンケーブルが互いに隣接して配置される。このことは、同じ同心円配列の内部で互いに対して移動するためケーブルの可撓性に寄与する、より細幅のリボンケーブルを使用可能であるため、電気信号ケーブルアセンブリの可撓性を改善する。
【0020】
電気信号ケーブルアセンブリのリボンケーブルは、円筒状スペーサの周りで、第1の同心円配列に加えて、それに続くさらなる同心円配列において提供される。また、ケーブルを編み組みする、あるいは他の方法でケーブルを包むことも考えられる。リボンケーブルは、全ての同心円配列において同じ方向で提供することもでき、リボンケーブルを隣接する同心円配列において反対向きに提供することもできる。
【0021】
隣接する同心円配列におけるリボンケーブルと反対向きになるように、分離用同心円要素を提供することが有利である。そのことにより、リボンケーブルの安定性を維持する分離用同心円要素の能力が高まることが理由である。
【0022】
電気信号ケーブルアセンブリでは、外部シールドが、さらなる同心円配列の周りに優先的に配置されて、電気信号ケーブルアセンブリ内部の導電体を外部からの信号からシールドするための電磁気シールドとして作用する。さらに、外部バインダーをさらなる同心円配列と外部シールドとの間に配置して、電気信号ケーブルアセンブリ内部のリボンケーブルを所定位置に保持することも可能である。
【0023】
ジャケットは、電気信号ケーブルアセンブリの外側の周りに配置されて、電気信号ケーブルアセンブリを機械的損傷から保護する。
【0024】
電気信号ケーブルアセンブリは、2つより多い同心円配列を有してもよい。それぞれの同心円配列は、さらなる分離用同心円要素によって互いに分離される。
【0025】
電気信号ケーブルアセンブリに、第1の同心円配列の内部に張力緩和材又は強度部材を組み入れて、アセンブリの長手方向の強度を改善することも可能である。さらに、例えば電力又はさらなる信号をアセンブリに沿って伝送可能な円筒状スペーサの内部に、絶縁された信号配線又は信号同軸ケーブルを組み入れることも可能である。そのような場合、内部円筒状シールドを、その絶縁された配線とその少なくとも1つの第1の同心円配列との間に組み入れて、第1の同心円配列内部の信号伝送導体を、絶縁された配線によって生じるいかなる電磁場からもシールドすることが有利である。あるいは、円筒状スペーサは中空のチューブを形成する。
【0026】
リボンケーブルの絶縁性材料を、パーフルオロアルコキシ、フルオロエチレン−プロピレン、ポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン、ポリメチルペンテン、高密度ポリテトラフルオロエチレンからなる絶縁性材料の群から作ることができ、延伸ポリテトラフルオロエチレンから作ることが最も好ましい。発泡又は押出ポリマーも使用できる。
【0027】
リボンケーブルは、両方とも延伸PTFEで作られて互いに焼結されている上部及び下部絶縁体から両方とも作られている、上部絶縁体及び下部絶縁体から作ることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明の第1実施態様を示す。そこには、円筒状スペーサ90の周りにらせん状に巻き付けられた複数のリボンケーブル20を含む電気信号線10が示されている。リボンケーブル20のそれぞれの層又はバランス(valence)は、分離用スペーサ50によって分離されている。図1には、サブケーブルアセンブリ20の4つのバランスが示されている。しかしながら、この図は本発明を単に説明するものであって、限定することは意図していない。
【0029】
各リボンケーブル20は、ある面内に配置されていて上部絶縁層40a及び下部絶縁層40bによって囲まれた、複数の個々の信号導体30を含む。上部絶縁層40a及び下部絶縁層40bは、以下説明するように合わせて積層される。個々の信号導体30は、例えば、銅、ニッケルめっき銅、スズめっき銅、銀めっき銅、スズめっき合金、銀めっき合金又は銅合金などの任意の導電性材料から作ることができる。個々の信号導体30は丸形の銅ワイヤで作られていることが好ましい。平板導体を使用することも可能である。
【0030】
図1に描かれた個々の信号導体30の数は、本発明を限定することを意図していない。個々の信号導体30の軸は、範囲が0.1〜1mmの第1ピッチ距離aで、その面内で分離している。上部絶縁層40a及び下部絶縁層40bは、ポリエチレン、ポリエステル、パーフルオロアルコキシ、フルオロエチレン−プロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン又は延伸ポリテトラフルオロエチレンなどの、任意の絶縁誘電性材料で作ることができる。US−A−3953556、US−A−4187390又はUS−A−4443657に記載されているような延伸ポリテトラフルオロエチレンを使用することが好ましい。
【0031】
分離用スペーサ50は、例えば、金属ホイル、金属編組、導電性テープ、金属化した布地又は誘電体スペーサから作られる。以下の金属:銅、スズ、銀、アルミニウム又はこれらの合金が使用可能である。誘電体スペーサは、ポリエチレン、パーフルオロアルコキシ、フルオロエチレン−プロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のような誘電性材料から作ることができる。
【0032】
本発明のある実施態様では、分離用スペーサ50は、Statex company, Hamburg, Germanyの供給するKasselタイプの銅コーティングポリアミド布帛から作られており、その厚さはおよそ0.1mm、幅は約9mmであった。本発明の他の実施態様では、分離用スペーサ50はePTFEから作られていた。また、誘電性材料の層及び導電性材料の層を含む分離用スペーサ50も考えられる。
【0033】
第1シールド手段60はリボンケーブル20の配列の周りに巻き付けられている。次に、既知のワイヤラップ技術を用いて、絶縁層65を第1シールド手段60の周りに巻き付けた。絶縁層65を、例えば、PTFE、FEP、ePTFE又はポリエステルから作ってもよい。絶縁層65が、W.L. Gore & Associatesから入手可能な、焼結したGORE−TEX(登録商標)テープから作られることが好ましい。
【0034】
第2シールド手段70は絶縁層54を取り囲む。第1シールド手段60及び第2シールド手段70は、銅、アルミニウム、スズめっき銅、銀めっき銅、ニッケルめっき銅又はアルミニウム化ポリエステルのような金属又は金属化ポリマーから作られた、編組、ホイル又はワイヤのシールドである。
【0035】
ジャケット80は第2シールド手段70を覆って配置される。ジャケット80は、シリコーン、又はポリエチレン、ポリプロピレンもしくはポリエチルペンテンのようなポリオレフィン;フッ素化エチレン/プロピレン(FEP)のようなフッ素化ポリマー;パーフルオロ(アルコキシ)アルキレン、例えばTFEとパーフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマー(PFA)のようなフッ素化アルコキシポリマー;ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくは延伸PTFEから作られる。本発明のある実施態様ではジャケット80はPVCから作られていた。
【0036】
円筒状スペーサ90は、ePTFE、PTFE、ポリアミド、ポリウレタン、パーション(persion)又は他の適当な任意の材料から作られる。円筒状スペーサ90は、中実であってよく、あるいは冷却流体、電気制御又は電力線、ガスなどを運ぶための中空内部を有してもよい。円筒状スペーサ90を編組材料又はストランド材料から作ってもよい。円筒状スペーサ90に、張力緩和材及び/又は強度部材を組み入れることもできる。「円筒状」とは、円筒状スペーサ90が正確な円筒状でなければならないことを意味せず、リボンケーブル20の支持体として機能する程度の実質的な円筒状であればよいことを意味する。
【0037】
上部絶縁層140a及び下部絶縁層140bが延伸PTFEから作られている実施態様について、リボンケーブル20の製造を図2に図示する。この方法は、US−A−3082292(Gore)に教示されているものと実質的に同じである。100を足したことを除いて本発明の第1実施態様(図1)におけるリボンケーブル20の構成要素について使用したのと同じ参照番号を使用して、リボンケーブル20(120)の構成要素を示す。複数の個々の信号導体130、その複数の個々の信号導体130の上方に位置する上部絶縁体140a、及びその複数の個々の信号導体130の下方に位置する下部絶縁体140bを、下部絶縁体140b及び上部絶縁体140aの間を接着するのに十分な積層温度、例えば327℃〜410℃で、2つの反対回転する加圧ローラ200a及び200bの間を一緒に通した。こうしてリボンケーブル120が形成された。このために、上部加圧ローラ200aには数多くの上部周縁溝210aが設けられ、それぞれが、加圧ローラ200aの円周に沿って互いにある距離で離れて並んでいる上部周縁リブ220aによって区切られている。同様に、下部加圧ローラ200bには数多くの下部周縁溝210bが設けられ、それぞれが、加圧ローラ200bの円周に沿って互いにある距離で離れて並んでいる下部周縁リブ220bによって区切られている。隣接する上部周縁リブ220aと一緒に上部加圧ローラ200aの上部周縁溝210aのそれぞれが、下部加圧ローラ200bの隣接する下部周縁リブ220bと一緒に下部周縁溝210bのうち1つと並んで、個々の信号導体130のうち1つのための通路管(passageway channel)を形成する。2つの加圧ローラ200a、200b及び周縁溝210a、210bの間の距離は、単一の導体130並びに上部絶縁体140a及び下部絶縁体140bが、上部周縁溝210aの1つと下部周縁溝210bの1つとからなる対の間を連続的に通過するように、それらの加圧ローラ及び溝の寸法に関して設計される。上部周縁リブ220a及び下部周縁リブ220bは互いに少々離れており、上部絶縁体140a及び下部絶縁体140bがこれらのリブの位置でしっかりと圧着されて、リボンケーブル120における中間区域240を形成する。
【0038】
リボンケーブル120内で、上部絶縁体140aと下部絶縁体140bの個々の信号導体130に対する接着及び互いの接着を改善するために、リボンケーブル120を焼結装置に通した。その焼結装置内では、リボンケーブル120の中間区域240が密接に接合されるようにリボンケーブル120が加熱される。PTFEで作られた上部絶縁体140a及び下部絶縁体140bを使用する場合、焼結温度は327℃〜410℃の範囲を使用する。
【0039】
塩浴を備えた焼結オーブン250の形状の焼結装置の実施態様例を、図3に概略的かつ簡略化した形式で図示する。この例では、リボンケーブル120は焼結オーブン250に連続的に通される。
【0040】
試験方法:試験は2.0m長又は2.5m長の電気信号ケーブルアセンブリについて行った。
【0041】
アセンブリの電気特性を確認するために、ケーブル内部の全てのリボンケーブルをプリント回路基板へ終端処理した。ケーブル内部の全ての接地導体を、共通のAC接地に一緒に接続した。
【0042】
インピーダンス、キャパシタンス及び減衰の測定は、単一の信号導体について行った。他の全ての信号導体は開放にした。他の試験については、信号導体を抵抗器により末端処理した。
【0043】
ねじり試験は、ケーブルアセンブリの一端をしっかりと握って、ケーブルアセンブリの他端で時計回り及び反時計回りの両方にケーブルを回すのに必要なトルクを測定することによって行った。
【実施例】
【0044】
以下の例では、本発明を使用して製造可能なケーブル構造体を説明する。使用したリボンケーブルは、Phelps Dodge, Irvine, California, USAから入手可能なPD135合金から作られた、16、24又は32の個々の導体をそれぞれ有していた。例1〜4及び6では、AWG 4201の導体を使用し、導体の間隔は0.254mmであった。例5では、間隔が0.3556mmのAWG 4001の導体を使用した。リボンケーブルを30°〜35°の角度で供給した。
【0045】
個々の導体を、説明した方法を用いてePTFEで作られた第1絶縁層及び第2絶縁層の間に積層した。例1〜4及び6では、絶縁層の厚さはそれぞれ0.0762mmであった。例5では、絶縁層の厚さはそれぞれ0.1016mmであった。
【0046】
使用したバインダーはePTFEで作られており、厚さ0.08mmのテープから作られていた。これらを互いの上に重ねて巻いて、層の合計厚さの平均を0.12mmとした。バインダーをフラットケーブルの方向と反対方向に30°〜38°の角度で巻いた。
【0047】
例1〜7で使用した外部シールドを、AWG4401のスズめっき銅線から作った。例8では、AWG4401の銀めっき銅線を使用した。
【0048】
外部ジャケットを押出PVCから作り、その厚さは0.76mmであった。
【0049】
例1:本発明に従って作った48エレメントケーブル10を図4及び5に図示する。スペーサ400を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は1.5±0.1mmであった。第1フラットケーブル410をスペーサ400の周りに第1方向で巻いた。第2フラットケーブル420を第1リボンケーブル410の周りに巻いた。ePTFEで作られた厚さ0.12mmの第1バインダー430を、第2フラットケーブル420の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル440を、第2フラットケーブル420のように、第1バインダー430の周りに巻いた。第4フラットケーブル450を第3フラットケーブル440の周りに巻いた。第2バインダー460を、第4フラットケーブル450の周りに第4フラットケーブル450と反対方向で巻いた。第5フラットケーブル470を、第2バインダー460と反対方向に、従って第1フラットケーブル410及び第2フラットケーブル420のように、第2バインダー460の周りに巻いた。第3バインダー480を第5フラットケーブル470の周りに巻いた。外部シールド485を、第5フラットケーブル480を覆って配置し、ジャケット490を外部シールド485の上に押し出した。外部シールド485は、16のボビン及び縦糸13本を横糸6本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度19°の編組ワイヤから作られていた。
【0050】
この例では、第1フラットケーブル410、第2フラットケーブル420、第3フラットケーブル440、第4フラットケーブル450を、16の個々の導体を用いて作った。第5フラットケーブル470は、32の個々の導体を用いて作った。
【0051】
ケーブルの呼び外径は5.5mmであった。
【0052】
例2:本発明に従って作った96エレメントケーブル10を図6に図示する。スペーサ500を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は1.5±0.1mmであった。第1フラットケーブル510をスペーサ500の周りに巻いた。第2フラットケーブル520を第1リボンケーブル510の周りに同じ方向で巻いた。第1バインダー530を第2フラットケーブル520の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル540を第1バインダー530の周りに反対方向で巻いた。第4フラットケーブル545を第3フラットケーブル540の周りに同じ方向で巻いた。第5フラットケーブル550を第4フラットケーブル545の周りに同じ方向で巻いた。第2バインダー560を第5フラットケーブル550の周りに反対方向で巻いた。第6フラットケーブル565を第2バインダー560の周りに反対方向で巻いた。第3バインダー567を第6フラットケーブル565の周りに反対方向で巻いた。第7フラットケーブル570を第3バインダー567の周りに反対方向で巻いた。第8フラットケーブル573を第7フラットケーブル570の周りに同じ方向で巻いた。第9フラットケーブル576を第8フラットケーブル573の周りに同じ方向で巻いた。第4バインダー580を第9フラットケーブル576の周りに反対方向で巻いた。外部シールド585を、第4バインダー580を覆って配置し、ジャケット590を外部シールド585の上に押し出した。外部シールド585は、16のボビン及び縦糸26本を横糸4.5本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度19.5°の編組ワイヤから作られていた。
【0053】
この例では、第1フラットケーブル510、第2フラットケーブル520、第3フラットケーブル540を、16の個々の導体を用いて作った。第4フラットケーブル545及び第5フラットケーブル550を、24の個々の導体を用いて作った。第6フラットケーブル565、第7フラットケーブル570、第8フラットケーブル573及び第9フラットケーブル576は、32の個々の導体を用いて作った。
【0054】
ケーブル40の呼び外径は6.9mmであった。
【0055】
例3:本発明に従って作った128エレメントケーブル10を図7に図示する。スペーサ600を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は1.5±0.1mmであった。第1フラットケーブル610をスペーサ600の周りに巻いた。第2フラットケーブル620を第1リボンケーブル610の周りに同じ方向で巻いた。ePTFEで作られた第1バインダー630を第2フラットケーブル620の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル640を第1バインダー630の周りに反対方向で巻いた。第4フラットケーブル650を第3フラットケーブル640の周りに同じ方向で巻いた。第2バインダー660を第4フラットケーブル650の周りに巻いた。第5フラットケーブル670を第2バインダー660の周りに反対方向で巻いた。第6フラットケーブル675を第5フラットケーブル670の周りに巻いた。第3バインダー677を第6フラットケーブル675の周りに反対方向で巻いた。第7フラットケーブル680を第3バインダー677の周りに巻いた。第4バインダー682を第7フラットケーブル680の周りに反対方向で巻いた。第8フラットケーブル684及び第9フラットケーブル686を、第4バインダー682の周りに同じ円筒状のやり方で並べて互いに隣り合わせて巻いた。第10フラットケーブル688及び第11フラットケーブル690を、第8フラットケーブル684及び第9フラットケーブル686の周りに互いに隣り合わせて同じ方向で巻いた。第12フラットケーブル692及び第13フラットケーブル694を、第10フラットケーブル688及び第11フラットケーブル690の周りに同じ方向で巻いた。第5バインダー696を第12フラットケーブル692及び第13フラットケーブル694の周りに反対方向で巻いた。
【0056】
外部シールド697を、第5バインダー696を覆って配置し、ジャケット698を外部シールド697の上に押し出した。外部シールド697は、16のボビン及び縦糸26本を横糸4本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度20°の編組ワイヤから作られていた。
【0057】
この例では、第1フラットケーブル610、第2フラットケーブル620、第8フラットケーブル684、第10フラットケーブル688及び第12フラットケーブル692を、16の個々の導体から作った。第3フラットケーブル640、第4フラットケーブル650、第5フラットケーブル670、第6フラットケーブル675及び第11フラットケーブル690を、24の個々の導体を用いて作った。第7フラットケーブル680及び第13フラットケーブル694は、32の個々の導体を用いて作った。
【0058】
動作中、個々の導体が接地するように、第7フラットケーブル680を設計した。
【0059】
例4:本発明に従って作った196エレメントケーブル10を図8に図示する。スペーサ700を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は1.5±0.1mmであった。第1フラットケーブル710をスペーサ700の周りに巻いた。第2フラットケーブル720を第1リボンケーブル710の周りに同じ方向で巻いた。第1バインダー730を第2フラットケーブル720の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル740を第1バインダー730の周りに反対方向で巻いた。第4フラットケーブル750を第3フラットケーブル740の周りに巻いた。第2バインダー770を第4フラットケーブル750の周りに反対方向で巻いた。第5フラットケーブル780を第2バインダー770の周りに反対方向で巻いた。第6フラットケーブル790を第5フラットケーブル780の周りに同じ方向で巻いた。第3バインダー800を第6フラットケーブル790の周りに反対方向で巻いた。第7フラットケーブル810を第3バインダー800の周りに反対方向で巻いた。第8フラットケーブル820を第7フラットケーブル810の周りに巻いた。次の層で、2つのフラットケーブル、第9フラットケーブル830及び第10フラットケーブル835を、互いに隣り合わせて同じ方向で巻いた。引き続き、第11フラットケーブル840及び第12フラットケーブル845を、互いに隣り合わせて同じ層において同じ方向で巻いた。第4バインダー850を第11フラットケーブル840及び第12フラットケーブル845の周りに反対方向で巻いた。引き続き、第13フラットケーブル860及び第14フラットケーブル865を、互いに隣り合わせて第4バインダー850の周りに反対方向で巻いた。第15フラットケーブル870及び第16フラットケーブル875を、第13フラットケーブル860及び第14フラットケーブル865の周りに、互いに隣り合わせて同じ方向で巻いた。第5バインダー880を第15フラットケーブル870及び第16フラットケーブル875の周りに反対方向で巻いた。
【0060】
外部シールド885を、第5バインダー880を覆って配置し、ジャケット890を外部シールド885の上に押し出した。外部シールド885は、16のボビン及び縦糸26本を横糸4本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度22.5°の編組ワイヤから作られていた。
【0061】
この例では、第1フラットケーブル710、第2フラットケーブル720、第3フラットケーブル740、第4フラットケーブル750、第9フラットケーブル830、第11フラットケーブル840、第13フラットケーブル860及び第15フラットケーブル870を、16の個々の導体から作った。第5フラットケーブル780、第6フラットケーブル790、第7フラットケーブル810、第8フラットケーブル820、第10フラットケーブル835、第12フラットケーブル845、第14フラットケーブル865及び第16フラットケーブル875は、32の個々の導体を用いて作った。
【0062】
例5:本発明に従って作った196エレメントケーブル10を図9に図示する。スペーサ1000を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は2.1±0.1mmであった。第1フラットケーブル1010をスペーサ1000の周りに巻いた。第2フラットケーブル1020を第1フラットケーブル1010の周りに同じ方向で巻いた。第1バインダー1030を第2フラットケーブル1020の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル1040を第1バインダー1030の周りに反対方向で巻いた。第4フラットケーブル1050を第3フラットケーブル1040の周りに同じ方向で巻いた。第2バインダー1060を第4フラットケーブル1050の周りに反対方向で巻いた。第5フラットケーブル1070を第2バインダー1060の周りに反対方向で、従って第1フラットケーブル1010及び第2フラットケーブル1020のように巻いた。第6フラットケーブル1080を第5フラットケーブル1070の周りに巻いた。第7フラットケーブル1090を第6フラットケーブル1080の周りに同じ方向で巻いた。第3バインダー1100を第7フラットケーブル1090の周りに反対方向で巻いた。第8フラットケーブル1110を第3バインダー1100の周りに反対方向で巻いた。第9フラットケーブル1120を第8フラットケーブル1110の周りに同じ方向で巻いた。第10フラットケーブル1130を第9フラットケーブル1120の周りに同じ方向で巻いた。第4バインダー1140を第10フラットケーブル1130の周りに反対方向で巻いた。次の層で、2つのフラットケーブル、第11フラットケーブル1150及び第12フラットケーブル1155を、互いに隣り合わせて反対方向で巻いた。引き続き、第13フラットケーブル1160及び第14フラットケーブル1165を、互いに隣り合わせて同じ層において同じ方向で巻いた。次に、第16フラットケーブル1175と隣り合った第15フラットケーブル1170を、第13フラットケーブル1160及び第14フラットケーブル1165を含む層の周りに同じ方向で巻いた。第5バインダー1180を第15フラットケーブル1170及び第16フラットケーブル1175の周りに反対方向で巻いた。
【0063】
外部シールド1185を、第5バインダー1180を覆って配置し、ジャケット1190を外部シールド1185の上に押し出した。外部シールド1185は、24のボビン及び縦糸26本を横糸4.5本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度21.5''の編組ワイヤから作られていた。
【0064】
この例では、第1フラットケーブル1010、第2フラットケーブル1020、第3フラットケーブル1040、第4フラットケーブル1050、第5フラットケーブル1070、第11フラットケーブル1150、第13フラットケーブル1160及び第15フラットケーブル1170を、16の個々の導体から作った。第6フラットケーブル1080、第7フラットケーブル1090、第8フラットケーブル1110、第9フラットケーブル1120、第10フラットケーブル1130、第12フラットケーブル1155、第14フラットケーブル1165及び第16フラットケーブル1175は、32の個々の導体を用いて作った。
【0065】
例6:本構造体による192のエレメントを含むケーブル10のさらなる例を、図10に示す。
【0066】
スペーサ1200を織ったKevlarヤーンから作り、その呼び外径は0.6±0.1mmであった。8つのリード1203をスペーサ1200の周りに配置した。これらのリードは、AWG 3601のスズめっき銅の導体から作られ、ポリエステル絶縁体を備えていた。第1バインダー1205をリードの周りに配置した。第1フラットケーブル1210を第1バインダー1205の周りに反対方向で巻いた。第2フラットケーブル1220を第1フラットケーブル1210の周りに同じ方向で巻いた。第2バインダー1230を第2フラットケーブル1220の周りに反対方向で巻いた。第3フラットケーブル1240を第2バインダー1230の周りに反対方向で巻いた。第4フラットケーブル1250を第3フラットケーブル1240の周りに同じ方向で巻いた。第5フラットケーブル1260を第4フラットケーブル1250の周りに同じ方向で巻いた。第3バインダー1270を第5フラットケーブル1260の周りに反対方向で巻いた。第6フラットケーブル1280を第3バインダー1270の周りに反対方向で巻いた。第7フラットケーブル1290を第6フラットケーブル1280の周りに同じ方向で巻いた。第8フラットケーブル1300を第7フラットケーブル1290の周りに巻いた。第4バインダー1310を第8フラットケーブル1300の周りに反対方向で巻いた。第9フラットケーブル1320を第4バインダー1310の周りに反対方向で巻いた。第5バインダー1330を第9フラットケーブル1320の周りに反対方向で巻いた。次の層で、2つのフラットケーブル、第10フラットケーブル1340及び第11フラットケーブル1345を、互いに隣り合わせて反対方向で巻いた。引き続き、第12フラットケーブル1350及び第13フラットケーブル1355を、互いに隣り合わせて同じ層において同じ方向で巻いた。第6バインダー1360を第12フラットケーブル1350及び第13フラットケーブル1355の周りに反対方向で巻いた。引き続き、第14フラットケーブル1370及び第15フラットケーブル1375を、互いに隣り合わせて第6バインダー1360の周りに反対方向で巻いた。第16フラットケーブル1380及び第17フラットケーブル1385を、第14フラットケーブル1370及び第15フラットケーブル1375の周りに互いに隣り合わせて同じ方向で巻いた。第7バインダー1390を第16フラットケーブル1380及び第17フラットケーブル1385の周りに反対方向で巻いた。
【0067】
外部シールド1395を、第7バインダー1390を覆って配置し、ジャケット1397を外部シールド1395の上に押し出した。外部シールド1395は、16のボビン及び縦糸26本を横糸5本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度29.5°の編組ワイヤから作られていた。
【0068】
この例では、第1フラットケーブル1210、第2フラットケーブル1220、第10フラットケーブル1340、第12フラットケーブル1350、第14フラットケーブル1370及び第16フラットケーブル1380を、16の個々の導体から作った。第3フラットケーブル1240、第4フラットケーブル1250、第5フラットケーブル1260及び第6フラットケーブル1280を、24の個々の導体から作った。第7フラットケーブル1290、第8フラットケーブル1300、第9フラットケーブル1320、第11フラットケーブル1345、第13フラットケーブル1355、第15フラットケーブル1375及び第17フラットケーブル1385は、32の個々の導体を用いて作った。
【0069】
例7:本発明に従って作った600エレメントケーブル10を図11に図示する。
【0070】
スペーサ1400を、PVC層が上に押し出された、織ったKevlarヤーンから作った。その呼び外径は1.5±0.1mmであった。第1層1410では、16導体のフラットケーブルをスペーサの周りに巻き、第2層1420では、さらなる16導体のフラットケーブルを、第1のフラットケーブルの周りに同じ方向で巻いた。第3層1430は、第2層1420にあるフラットケーブルの周りに反対方向で巻かれたバインダーを有する。第4層1440、第5層1450及び第6層1460は、第3層1430と反対方向であって、ある層を他の層の上に互いに重ねて同じ方向で巻かれた、24導体のフラットケーブルからそれぞれなっていた。第7層1470は、第6層1460の周りに反対方向で巻かれたバインダーを含む。第8層1480、第9層1490、第10層1500及び第11層1510は、第7層1470にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に重ねて同じ方向で巻かれた、32導体のフラットケーブルを含む。第12層1520は、第11層1510の周りに反対方向で巻かれたバインダーを含んでいた。第13層1530は、互いに隣り合って反対方向で第12層1520の周りに巻かれた16導体のフラットケーブル及び24導体のフラットケーブルを含む。第14層1540及び第15層1550は、ある層を他の層の上に重ねて、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、16導体のフラットケーブル及び32導体のフラットケーブルをそれぞれ含む。第16層1560は、第15層1550の周りに反対方向で巻かれたバインダーであった。第17層1570及び第18層1580は、第16層にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に重ねて、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、24導体のフラットケーブル及び32導体のフラットケーブルをそれぞれ含む。第19層1590は、第18層1580の周りに互いに隣り合って巻かれた、2つの32導体のフラットケーブルを含む。第19層1590の周りに、第20層1600にあるバインダーを反対方向で巻いた。第21層1610、第22層1620及び第23層1630はそれぞれ、第20層1600にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に互いに重ね、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、2つの32導体のフラットケーブルを含んでいた。第24層1640は、第23層1630の周りに反対方向で巻かれたバインダーを含む。第25層1650及び第26層1660はそれぞれ、第24層1640にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に重ねて、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、3つの32導体のフラットケーブルを含んでいた。第27層1670は、第26層1660の周りに反対方向で巻かれたバインダーを有していた。第28層1680及び第29層1690はそれぞれ、第26層1660にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に重ねて、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、2つの24導体のフラットケーブル及び32導体のフラットケーブルを有していた。第30層1700は、第29層1690の周りに反対方向で巻かれたバインダーを含んでいた。第31層1710及び第32層1720はそれぞれ、第30層1700にあるバインダーと反対方向であって、ある層を他の層の上に重ねて、互いに隣り合って同じ方向で巻かれた、2つの24導体のフラットケーブル及び1つの32導体のフラットケーブルを有していた。第33層1730は、第32層1720の周りに反対方向で巻かれたバインダーであった。
【0071】
外部シールド1740を、第33層を覆って配置し、ジャケット1750を外部シールド1740の上に押し出した。外部シールド1740は、24のボビン及び縦糸39本を横糸3.5本毎インチ(2.54cm)で用いた編組角度21.8°の編組ワイヤから作られていた。
【0072】
比較例:対照結果は、AWG 4001のPD135合金から作った導体を備えたマイクロ同軸ケーブルから得た。このケーブルは、指定記号J14B0596−Aで、W.L. Gore & Associates, GmbHから入手可能である。
【0073】
【表1】

【0074】
表1の結果の範囲は、測定をケーブル内部の異なる層について行ったことを示す。
【0075】
図12に示す好ましい実施態様では、上述の構造を有する複数の電気信号線10が、中心線2000の周りで単一ケーブルにひとまとめになっている。図示した好ましい実施態様では、4つの信号線10が中心線2000の周りでひとまとめになっている。各信号線10を半導体材料で個々にシールドしてもよい。これは、信号線10間のクロストークを低減する、例えばCWドップラー用途に有効である。代わりに、半導体材料2001を多コア構造体の周りに巻いてもよい。半導体層2001を、カーボン処理ePTFE、又はePTFE及びアルミニウムのハイブリッド、又はPTFE及びアルミニウムで代わりに構成することも可能である。編組シールド2002を複数の信号線10の周りに配置することが好ましい。好ましくはPVCで作られているジャケット2003を、編組シールド2002の周りに配置することが好ましい。複数の信号線10を用いてケーブルを形成することは、1つのより大きい信号線10を使用するよりも、本発明の用途において際立った優位性を提供する。詳細には、1つの大きな信号線ではなく複数のより小さい信号線10を提供すると、ケーブルの高い可撓性及び形状追随性(conformability)が提供される。また、そのようなケーブルは、単一のコードが互いに対して自由に動くことから、優れた曲げ寿命を示す。さらに、半導体層2001を使用しているため、ケーブル内部で摩擦電気のノイズが発生しない。
【0076】
追加例:同心円配列のバインダー及びリボンケーブルの交互層からなる、本発明のさらなる実施態様が考えられる。バインダー及びリボンケーブルは反対方向で巻かれている。リボンケーブルは、導電体が電気信号ケーブルアセンブリの全体にわたって互いに平行しないように、同心円配列ごとに若干異なる角度で巻かれている。
【0077】
本発明のいくつかの典型的な実施態様を上に詳細に説明したが、当業者であれば、本明細書に記載した新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの変形が可能であることを容易に理解する。従って、全てのそのような変形を、以下の特許請求の範囲に規定するように、本発明の範囲に含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施態様による電気信号線ケーブルを示す。
【図2】電気信号線ケーブルにおけるリボンケーブルを製造するための装置を示す。
【図3】リボンケーブルを製造する際に使用する焼結装置を示す。
【図4】本発明の第2実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図5】本発明の第2実施態様の電気信号ケーブルの端面図を示す。
【図6】本発明の第3実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図7】本発明の第4実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図8】本発明の第5実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図9】本発明の第6実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図10】本発明の第7実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図11】本発明の第8実施態様による電気信号ケーブルを示す。
【図12】本発明の他の典型的な実施態様によるケーブルアセンブリの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号線を含む電気信号ケーブルアセンブリであって、
該信号線がそれぞれ、
円筒状スペーサと、
該円筒状スペーサの周りで同心円配列に配置された複数のリボンケーブルと、
該リボンケーブルのそれぞれの間に配置された分離用同心円要素と
とを含むことを特徴とする、電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項2】
前記信号線を4本含む、請求項1に記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項3】
前記リボンケーブルが複数の導電体を有する、請求項1又は2に記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項4】
前記リボンケーブルが前記円筒状スペーサの周りに提供される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項5】
外部シールドが前記複数の信号線の周りに配置されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項6】
半導体層がそれぞれの前記信号線の周りに個別に配置されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項7】
半導体層がそれぞれの前記信号線の周りに集合的に配置されている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項8】
ジャケットが前記電気信号ケーブルの周りに配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項9】
張力緩和材が前記同心円配列の内部に配置されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項10】
前記円筒状スペーサが強度部材である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項11】
前記円筒状スペーサがチューブ状である、請求項1〜10のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項12】
前記円筒状スペーサが中実材料から構成される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項13】
前記円筒状スペーサがストランド材料を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項14】
前記円筒状スペーサの内部に配置された少なくとも1つの絶縁されたワイヤをさらに含む、請求項1〜13のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項15】
前記リボンケーブルの絶縁体が、パーフルオロアルコキシ、フルオロエチレンプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン、又はポリメチルペンテンからなる絶縁性材料からなる群から形成される、請求項1〜14のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項16】
前記リボンケーブルの絶縁体が延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1〜15のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項17】
前記リボンケーブルの絶縁体が高密度ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1〜16のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項18】
前記リボンケーブルの絶縁体が押出ポリマーを含む、請求項1〜17のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項19】
前記リボンケーブルの絶縁体が発泡ポリマーを含む、請求項1〜18のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項20】
前記導電体のキャパシタンスが22pF/フィート(72.2pF/m)未満である、請求項1〜19のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項21】
前記導電体のキャパシタンスが15pF/フィート(49.3pF/m)未満である、請求項1〜20のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項22】
前記リボンケーブルの1つの内部にある導体に沿って通過する信号の時間遅延が5.5ns/m未満である、請求項1〜21のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項23】
半導体層がそれぞれの前記信号線の周りに個別に配置され、該半導体層がePTFEを含む、請求項1〜22のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項24】
半導体層がそれぞれの前記信号線の周りに個別に配置され、該半導体層がePTFE及びアルミニウムを含む、請求項1〜23のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。
【請求項25】
半導体層がそれぞれの前記信号線の周りに個別に配置され、該半導体層がPTFE及びアルミニウムを含む、請求項1〜24のいずれか1つに記載の電気信号ケーブルアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−543006(P2008−543006A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514028(P2008−514028)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005303
【国際公開番号】WO2006/128724
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】