説明

フラットケーブル余長吸収装置

【課題】フラットケーブル余長吸収装置において、フラットケーブルの引出し長さを十分に確保しつつケースを小型化する。
【解決手段】フラットケーブル余長吸収装置10は、フラットケーブル6と、ケース1と、固定ガイド2と、可動ガイド3と、を備える。固定ガイド2は、フラットケーブル6を巻き掛けるためにケース1の内部において固定される。可動ガイド3は、フラットケーブル6を巻き掛けるためにケース1の内部において移動可能に支持されるとともに、固定ガイド2から離れる方向の力が加えられる。フラットケーブル6は、固定ガイド2に対して折返し状に巻き掛けられつつ、当該巻掛け部分を挟んだ両側を厚み方向に重ね合わせることで重ね部6aを形成し、この重ね部6aが可動ガイド3に対して折返し状に巻き掛けられている。フラットケーブル6の一側の端部6xはケース1から引き出され、他側の端部6yはケース1側に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、配線体としてのフラットケーブルをケース内に屈曲させた状態で収容する余長吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルは、一般的な電線(ワイヤハーネス)に比べて優れた対屈曲性能を有しており、電線よりも小さな屈曲半径で同等以上の耐久性を確保することができる。このフラットケーブルの特長を活かすべく、特に機械の可動部やその周辺部等において、フラットケーブルが配線体として用いられることが多くなってきている。
【0003】
上記の事情に伴い、例えば自動車用部品の分野においても、フラットケーブルに適用可能な余長吸収構造が従来から多数提案されている。特許文献1は、この種の余長吸収装置を開示する。
【0004】
特許文献1のハーネス余長吸収装置は、フラットワイヤハーネスを略U字状に折り返した状態で収容するプロテクタを備える。プロテクタの内部には、フラットワイヤハーネスを折り返すようにガイドするためのハーネスガイド部材が配置される。このハーネスガイド部材は、ハーネス引出し方向及び逆方向に移動することができる。
【0005】
フラットワイヤハーネスの一端側(基端側)はプロテクタに固定され、他端側はプロテクタから引き出される。また、プロテクタの内部には、ハーネスガイド部材をハーネス引込み方向に付勢するコイルばねが配置されている。
【0006】
この特許文献1のハーネス余長吸収装置によれば、フラットワイヤハーネスの引出し長さに対し、ハーネスガイド部材の移動距離を1/2とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4235097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、自動車において搭載部品や補機の数がますます増加しており、また、部品の省スペース化、軽量化が一層求められている。このことから、フラットケーブルの余長吸収装置においても小型化をより追求することが望まれている。
【0009】
ところで、特許文献1に示すような余長吸収装置では、ケースであるプロテクタの大きさは、ハーネスガイド部材の移動ストロークと、フラットワイヤハーネスの固定シロを含むように定める必要がある。従って、必要なフラットケーブルの引出し量が決まれば、それに応じてケースの大きさも決定することとなる。
【0010】
しかし、車両の搭載空間が小さいためにケースの外形の大きさが制限されている場合、特許文献1の構成では、本来必要なフラットケーブルの引出し長さを確保できないことが考えられる。このように、より小型化を図ったケースから、従来と同等の長さのフラットケーブルを引き出すことが可能な構成が求められていた。
【0011】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、フラットケーブル余長吸収装置において、フラットケーブルの引出し長さを十分に確保しつつ、ケースの小型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0013】
本発明の観点によれば、以下の構成のフラットケーブル余長吸収装置が提供される。即ち、このフラットケーブル余長吸収装置は、配線体としてのフラットケーブルと、ケースと、固定側ガイド部と、可動側ガイド部と、を備える。前記ケースには、前記フラットケーブルの引出し/引込みが可能な開口部が形成される。前記固定側ガイド部は、前記フラットケーブルを巻き掛けるために前記ケースの内部において固定される。前記可動側ガイド部は、前記フラットケーブルを巻き掛けるために前記ケースの内部において移動可能に支持されるとともに、前記固定側ガイド部から離れる方向の力が加えられる。前記フラットケーブルは、前記固定側ガイド部に対して折返し状に巻き掛けられつつ、当該巻掛け部分を挟んだ両側を厚み方向に重ね合わせることで重ね部を形成する。前記フラットケーブルの前記重ね部が前記可動側ガイド部に対して折返し状に巻き掛けられる。前記フラットケーブルの一端は、前記開口部を介して前記ケースから引き出される。前記フラットケーブルの他端は、前記ケース側に固定される。
【0014】
これにより、可動側ガイド部材が移動する距離は、フラットケーブルがケースの開口部から引き出される長さ(あるいは、フラットケーブルがケースの開口部から引き込まれる長さ)の4分の1とすることができる。従って、フラットケーブルの引出し可能な長さを良好に確保したままケースの小型化を図ることができるので、装置全体の省スペース化を実現することができる。
【0015】
前記のフラットケーブル余長吸収装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このフラットケーブル余長吸収装置は、前記固定側ガイド部から離れる方向の力を前記可動側ガイド部に常時作用させる弾性部材を備える。前記可動側ガイド部が前記固定側ガイド部に近づくのに連動して、前記フラットケーブルが前記ケースの内部から前記開口部を介して引き出される。前記可動側ガイド部が前記固定側ガイド部から離れるのに連動して、前記フラットケーブルが前記開口部から前記ケースの内部に引き込まれる。
【0016】
これにより、弾性部材の弾性力により、フラットケーブルに常時適切な張力を安定して与えることができるので、フラットケーブルのケースからの引出し(あるいはケースへの引込み)を円滑に行うことができる。
【0017】
前記のフラットケーブル余長吸収装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記フラットケーブルは2本以上が厚み方向に重ねられた状態で用いられる。前記フラットケーブルが曲げられる部分を数えたときに、当該フラットケーブルが向きを一側に反転させる回数と、他側に反転させる回数と、が互いに等しい。
【0018】
これにより、複数本のフラットケーブルについて長さを揃えることが容易になるので、材料の長いフラットケーブルを複数本用意した上で同一の長さで1度に切断するような製造工程を採用でき、加工コストを低減できる。また、そのような製造工程を採用することで、フラットケーブルを複数本重ねる工程におけるミスの発生も未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラットケーブル余長吸収装置の全体的な構成を示す平面断面図。
【図2】フラットケーブルをケース内に配置する際に固定ガイドに巻き掛けられる様子を示す側面模式断面図。
【図3】図2の状態から、フラットケーブルに形成された重ね部が可動ガイドに巻き掛けられる様子を示す側面模式断面図。
【図4】フラットケーブルがケースに収容された状態を示す側面模式断面図。
【図5】フラットケーブルの引出し長さに対する可動ガイドの移動距離を従来技術と比較して示す説明図。
【図6】フラットケーブルが曲げられる向きを説明する側面模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフラットケーブル余長吸収装置10の全体的な構成を示す平面断面図である。
【0021】
図1に示すフラットケーブル余長吸収装置10は、自動車に搭載されるものであって、ケース1と、固定ガイド(固定側ガイド部)2と、可動ガイド(可動側ガイド部)3と、シャフト4と、バネ(弾性部材、付勢部材)5と、フラットケーブル(配線体)6と、を備える。
【0022】
ケース1は合成樹脂により中空状に構成されており、その内部空間に、固定ガイド2、可動ガイド3、シャフト4、バネ5、フラットケーブル6を収容することができるようになっている。また、ケース1には、フラットケーブル6を通過させることが可能な開口部1aが形成されている。
【0023】
フラットケーブル6は、細いケーブルを複数本並べて平面状にまとめた公知の構成であり、良好に屈曲させることが可能なリボン状に形成されている。フラットケーブル6の両端は、自動車に搭載される図示しない補機や電源等に対して電気的に接続される。
【0024】
ケース1の内部には、丸棒状の1対のシャフト4,4が互いに平行に配置されている。シャフト4,4の端部には固定ガイド2が固定される。固定ガイド2は、断面円形に形成されており、この外周面にフラットケーブル6を巻き掛けることができる。
【0025】
また、1対のシャフト4,4には、可動ガイド3がスライド可能に支持されている。この可動ガイド3は、シャフト4の長手方向に沿って、固定ガイド2に近づく方向、及び、固定ガイド2から離れる方向に移動することができる。可動ガイド3は固定ガイド2と同様に断面円形に形成されており、この外周面にフラットケーブル6を巻き掛けることができる。
【0026】
可動ガイド3と固定ガイド2との間には、1対のバネ5,5が設置される。それぞれのバネ5はコイルスプリングとして構成されており、シャフト4に差し込まれるようにして配置されている。このバネ5は、可動ガイド3と固定ガイド2との間で押し縮められるようにして配置される。従って、バネ5は、可動ガイド3に対し、固定ガイド2から離れる方向の力(バネ力、付勢力)を常時作用させている。
【0027】
次に、ケース1内におけるフラットケーブル6の配置について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、フラットケーブル6をケース1内に配置する際に固定ガイド2に巻き掛けられる様子を示す模式断面図である。図3は、図2の状態から、フラットケーブル6に形成された重ね部6aが可動ガイド3に巻き掛けられる様子を示す模式断面図である。図4は、フラットケーブル6がケース1に収容された状態を示す模式断面図である。なお、図面をわかり易くするために、図2及び図3においてケース1の図示は省略されている。
【0028】
まず、図2で示すように、フラットケーブル6のほぼ中央部を固定ガイド2に略180°にわたって(折返し状に)巻き掛け、フラットケーブル6の両側の端部6x,6yの向きを一致させるようにする。次に、図3で示すように、固定ガイド2に巻き掛けられた部分を挟んで両側のフラットケーブル6を重ね合わせ、重ね部6aを形成しながら、当該重ね部6aを可動ガイド3に対して略180°にわたって(折返し状に)巻き掛ける。
【0029】
この状態でフラットケーブル6をケース1に収納した状態が図4に示される。なお、前記重ね部6aを構成する2枚のフラットケーブル6のうち1枚(フラットケーブル6の一端側)は、その端部6xが開口部1aから真っ直ぐ引き出される。一方、2枚のフラットケーブル6のうち残りの1枚(フラットケーブル6の他端側)は、開口部1aにおいて180°折り返され、その端部6yがケース1の表面に固定される。
【0030】
次に、上記のようにして構成される本実施形態のフラットケーブル余長吸収装置10が奏する効果について、図5を参照しながら説明する。図5は、フラットケーブル6の引出し長さに対する可動ガイド3の移動距離を従来技術と比較して示す説明図である。
【0031】
本実施形態のフラットケーブル余長吸収装置10において、フラットケーブル6の一端が引き出される前の状態が図5(a1)に示され、引き出された後の状態が図5(a2)に示される。図5(a1)の状態からケース1の外側へ引き出す方向の力をフラットケーブル6に与えると、フラットケーブル6が引き出されるのと連動して、可動ガイド3が(図1に示すバネ5のバネ力に抗して)固定ガイド2に近づく向きに移動する。この可動ガイド3の移動距離は、図5(a2)に示すように、フラットケーブル6の引出し量(長さA)の4分の1に相当する。
【0032】
なお、図5(a2)の状態からフラットケーブル6への引張り力を解除すると、バネ5の弾性力が作用する可動ガイド3が固定ガイド2から離れる向きに移動するので、フラットケーブル6がケース1内に引き込まれる。
【0033】
以上に示すように、図1に示すバネ5は、バネ力を可動ガイド3に常時作用させることにより、フラットケーブル6に安定した張力を与えている。これにより、フラットケーブル6をケース1から引き出す際には当該フラットケーブル6の弛みを防止することができ、フラットケーブル6がケース1に引き込まれる際には当該フラットケーブル6を円滑に引き込むことができる。
【0034】
なお、参考例として、フラットケーブル36を可動ガイド33に対して180°巻き掛けた状態でケース31に配置した、従来の構成のフラットケーブル余長吸収装置30の構成が図5(b1)及び図5(b2)に示されている。なお、フラットケーブル36をケース31の開口部31aから引き出す前の状態が図5(b1)であり、引き出した後の状態が図5(b2)である。また、本実施形態と従来技術を比較し易くするために、図5(a2)と図5(b2)とで、フラットケーブル6,36は、互いに等しい長さAだけ引き出された状態を図示している。
【0035】
図5(b2)に示すように、従来のフラットケーブル余長吸収装置30における可動ガイド33の移動距離は、フラットケーブル36の引出し量の2分の1である。言い換えれば、本実施形態のフラットケーブル余長吸収装置10は、従来技術と同等のケーブル引出し長さ(長さA)を確保しつつ、可動ガイド3の移動ストロークを従来の半分にできるので、ケース1を効果的に小型化することができる。
【0036】
次に、本実施形態でフラットケーブル6が曲げられる向きについて、図6を参照して説明する。図6は、フラットケーブル6が曲げられる向きを説明する側面模式断面図である。
【0037】
図6に示すように、フラットケーブル余長吸収装置10においてフラットケーブル6は何回も折り曲げられており、この曲げについて、フラットケーブル6の一側の端部6yから他側の端部6xに向かって順に説明していく。先ず、フラットケーブル6は、開口部1aを介してケース1の内部に入る際に、図6の時計回りにほぼ180°曲げられる(cw1)。その後、フラットケーブル6は、可動ガイド3の周囲に巻き掛けられることで、図6の反時計回りにほぼ180°曲げられる(ccw1)。
【0038】
続いて、フラットケーブル6は、固定ガイド2に巻き掛けられることで、図6の反時計回りにほぼ180°曲げられる(ccw2)。最後に、フラットケーブル6は、可動ガイド3に巻き掛けられることで、図6の時計回りにほぼ180°曲げられ(cw2)、最後に開口部1aを通過してケース1の外部に至る。
【0039】
このように、本実施形態においてフラットケーブル6は、その向きが図6の時計回りに反転させられる部分の数(cw1,cw2の2箇所)と、反時計回りに反転させられる部分の数(ccw1,ccw2の2箇所)と、が互いに等しくなっている。従って、仮にフラットケーブル6を複数本厚み方向に重ねて設置したフラットケーブル余長吸収装置を製造する場合でも、図6のレイアウトとすることでそれぞれのフラットケーブル6の長さを揃えることが容易であるので、材料の長いフラットケーブルを複数本重ねた状態で1度に切断するような製造工程を採用できる。この結果、加工コストを低減できるとともに、組立時におけるフラットケーブル6の組付けミス(例えば、フラットケーブル6を重ねる向きのミス)を効果的に防止することができる。
【0040】
以上に説明したように、本実施形態のフラットケーブル余長吸収装置10は、フラットケーブル6と、ケース1と、固定ガイド2と、可動ガイド3と、を備える。ケース1には、フラットケーブル6の引出し/引込みが可能な開口部1aが形成される。固定ガイド2は、フラットケーブル6を巻き掛けるためにケース1の内部において固定される。可動ガイド3は、フラットケーブル6を巻き掛けるためにケース1の内部において移動可能に支持されるとともに、固定ガイド2から離れる方向の力が加えられる。フラットケーブル6は、固定ガイド2に対して折返し状に巻き掛けられつつ、当該巻掛け部分を挟んだ両側を厚み方向に重ね合わせることで重ね部6aを形成している。そして、フラットケーブル6の重ね部6aが可動ガイド3に対して折返し状に巻き掛けられている。フラットケーブル6の一側の端部6xは、開口部1aを介してケース1から引き出される。フラットケーブル6の他側の端部6yは、ケース1側に固定される。
【0041】
このようにフラットケーブル6を配置することで、可動ガイド3が移動する距離は、フラットケーブル6がケース1の開口部1aから引き出される長さ(あるいは、フラットケーブル6がケース1の開口部1aから引き込まれる長さ)の4分の1とすることができる。従って、フラットケーブル6の引出し可能な長さを良好に確保したままケース1の小型化を図ることができるので、装置全体の省スペース化を実現することができる。
【0042】
また、本実施形態のフラットケーブル余長吸収装置10は、固定ガイド2から離れる方向のバネ力を可動ガイド3に常時作用させるバネ5を備える。可動ガイド3が固定ガイド2に近づくのに連動して、フラットケーブル6がケース1の内部から開口部1aを介して引き出される。可動ガイド3が固定ガイド2から離れるのに連動して、フラットケーブル6が開口部1aからケース1の内部に引き込まれる。
【0043】
これにより、バネ5の弾性力により、フラットケーブル6に常時適切な張力を安定して与えることができるので、フラットケーブル6のケース1からの引出し(あるいはケース1への引込み)を円滑に行うことができる。
【0044】
なお、フラットケーブル余長吸収装置において、2本以上のフラットケーブル6を厚み方向に重ねて用いた構成とすることもできるが、この場合、フラットケーブル6が曲げられる部分を数えたときに、当該フラットケーブル6が向きを一側に反転させる部分の数と、他側に反転させる部分の数とを、互いに等しくすることが好ましい。
【0045】
このようなフラットケーブル6のレイアウトを採用することにより、複数本のフラットケーブル6について長さを揃えることが容易になるので、材料の長いフラットケーブルを複数本用意した上で同一の長さで1度に切断するような製造工程を採用でき、加工コストを低減できる。また、そのような製造工程を採用することで、フラットケーブル6を複数本重ねる工程におけるミスの発生も未然に防止することができる。
【0046】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0047】
上記実施形態において、固定ガイド2及び可動ガイド3は、断面円形状のものが採用されている。しかしながらこれに代えて、例えば断面が半円状となるように変更することもできる。
【0048】
可動ガイド3をスライド可能に支持する構成は、シャフト4を使用するものに限定されず、例えば細長い溝や長孔を使用した構成に変更することができる。
【0049】
フラットケーブル6の固定側の端部6yは、引出し側の端部6xと同じ開口部1aを通過して引き出される必要はなく、開口部を別途設けて、当該開口部を通過するように変更することができる。また、図6においてフラットケーブル6に形成されている曲げ箇所(cw1)の曲げを省略することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 ケース
1a 開口部
2 固定ガイド(固定側ガイド部)
3 可動ガイド(可動側ガイド部)
5 バネ(弾性部材)
6 フラットケーブル
6a 重ね部
6x,6y フラットケーブルの端部
10 フラットケーブル余長吸収装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線体としてのフラットケーブルと、
前記フラットケーブルの引出し/引込みが可能な開口部が形成されたケースと、
前記フラットケーブルを巻き掛けるために前記ケースの内部において固定される固定側ガイド部と、
前記フラットケーブルを巻き掛けるために前記ケースの内部において移動可能に支持されるとともに、前記固定側ガイド部から離れる方向の力が加えられる可動側ガイド部と、
を備え、
前記フラットケーブルは、前記固定側ガイド部に対して折返し状に巻き掛けられつつ、当該巻掛け部分を挟んだ両側を厚み方向に重ね合わせることで重ね部を形成し、
前記フラットケーブルの前記重ね部が前記可動側ガイド部に対して折返し状に巻き掛けられており、
前記フラットケーブルの一端は、前記開口部を介して前記ケースから引き出され、
前記フラットケーブルの他端は、前記ケース側に固定されることを特徴とするフラットケーブル余長吸収装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフラットケーブル余長吸収装置であって、
前記固定側ガイド部から離れる方向の力を前記可動側ガイド部に常時作用させる弾性部材を備え、
前記可動側ガイド部が前記固定側ガイド部に近づくのに連動して、前記フラットケーブルが前記ケースの内部から前記開口部を介して引き出され、
前記可動側ガイド部が前記固定側ガイド部から離れるのに連動して、前記フラットケーブルが前記開口部から前記ケースの内部に引き込まれることを特徴とするフラットケーブル余長吸収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフラットケーブル余長吸収装置であって、
前記フラットケーブルは2本以上が厚み方向に重ねられた状態で用いられ、
前記フラットケーブルが曲げられる部分を数えたときに、当該フラットケーブルが向きを一側に反転させる回数と、他側に反転させる回数と、が互いに等しいことを特徴とするフラットケーブル余長吸収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−55808(P2013−55808A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192732(P2011−192732)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】