説明

フラットパネルディスプレイのための環境隔絶システム

【解決手段】本発明は、概略的には、フラットパネルディスプレイ材料の格納及び搬送を行うシステムに関する。フラットパネルディスプレイシステムは、環境保護能力、材料のトラッキング機能、及び/又はワークステーション装填能力を有している。フラットパネルディスプレイシステムの構成要素の1つとして、搬送可能でシール可能な容器がある。フラットパネルディスプレイシステムの他の構成要素として、シール可能な装填ポートがある。装填ポートに容器がドッキングされ、基板が加工される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、ワークの格納及びハンドリングを行う隔絶システムに関し、より詳しくは、フラットパネルディスプレイ基板を格納する容器、及び、その容器に作用する格納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用される液晶ディスプレイ(LCD)の品質及び生産量を高めることは挑戦的過程にある。この挑戦に加え、大形ワイドスクリーンテレビが一層ポピュラーになっているため、ガラスサイズも著しく大形化している。画質は市場において大きい競争的特徴であるため、FPD製造業者は、全てのパネルについて厳格な欠陥検出を行って入念に試験すると同時に、試験時間を短縮しかつ品質及び生産量を高めなくてはならない。
【0003】
粒子汚染のせいでガラスパネルが損傷を受けることにより、大面積FPDの生産量は、悪影響を受けている。この問題は、パネルサイズが増大し且つパターン寸法が減少するにつれて益々深刻になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FPD用の密封形容器は全く知られておらず、その理由の一部は、FPDのサイズにある。したがって、加工中のFPDの汚染を低減させるには、FPDを環境から隔絶する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの側面は、加工中のFPD基板を汚染から隔絶するシステムを提供することにある。1つの実施形態では、システムは、装填ポートを有し、装填ポートは、引込み可能な可撓性材料からなる装填ポートドアを有する。1つの実施形態では、可撓性材料は、装填ポートの上方に配置されたポケット又はゾーン内に引込められる。
【0006】
他の実施形態では、可撓性材料は、装填ポートの下方に配置されたポケット又はゾーン内に引込められる。また、可撓性材料が、側方のポケット又はゾーン内に引込められること、又は、装填ポート上に着座した容器の上方に配置されたポケット又はゾーン内に引込められることも本発明の範囲内にある。
【0007】
本発明の他の側面は、容器内に格納される基板に与える損傷を防止し又は最小にする容器を提供することにある。1つの実施形態では、容器は、引込み可能な可撓性材料からなるドアを有している。可撓性材料は、プラスチック、ポリマー及びステンレス鋼箔等(但しこれらに限定されるものではない)の任意の材料で形成できる。作動に順応し且つ開閉の反復曲げ及び応力に耐え得る任意適当な無開口可撓性材料を使用するのがよい。1つの実施形態では、可撓性材料は、容器の上方領域内に配置されたポケット内に引込められる。他の実施形態では、可撓性材料は、容器の下方領域内に配置されたポケット内に引込められる。また、材料が側方ポケット内に引込められることも、本発明の範囲内にある。
【0008】
本発明の他の側面は、格納、搬送、ツール装填及び検査を含む製造サイクル中に、FPD基板のための清浄な濾過空気又はガスの環境を提供することにある。1つの実施形態では、容器及び/又は装填ポートはまた、イオン化、湿度及び温度等の環境条件を調整できる。
【0009】
本発明の更に別の実施形態は、製造設備の全体を通して容器を搬送し且つ装填ポート上に容器を位置決めする。1つの実施形態では、容器は、ホイールを有する。ホイールは、被動ホイールであってもよいし、モータ駆動ホイールであってもよい。他の実施形態では、ベルトコンベア又はホイール形コンベアが、製造設備全体を通して、容器を移動し且つ装填ポート上に位置決めする。他の実施形態では、容器には、一機構(例えばAGV等)が容器を持上げる複数の持上げ箇所が設けられている。
【0010】
本発明の他の側面及び長所は、本発明の原理を例示する添付図面に関連して後で述べる詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
本発明の態様は、本発明の原理を例示する添付図面に関連して後で述べる詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態による基板容器、ツール装填ミニ環境、及びプロセスツール(例えば、製造ツール、測定ツール)を示す図である。
【図2】1つの実施形態の容器を示す斜視図である。
【図3】スロット付ドアを有する容器を示す図である。
【図4】スロット付ドアを有する容器を示す図である。
【図5A】シール隙間を最小にすべく包囲体の端部で容器フレームに向かって引かれる可撓性ドアの1つの実施形態を示す図である。
【図5B】シール隙間を最小にすべく包囲体の端部で容器フレームに向かって引かれる可撓性ドアの1つの実施形態を示す図である。
【図6】他の実施形態の可撓性膜ドアを有する容器を示す簡単化した概略図である。
【図7A】本発明の1つの実施形態による容器の他の形態を示す図である。
【図7B】本発明の1つの実施形態による容器の他の形態を示す図である。
【図8】基板容器の他の実施形態を示す図である。
【図9】開位置に配置された容器ドアを示す図である。
【図10A】容器がクリーン空気流システムを有することを示す図である。
【図10B】容器がクリーン空気流システムを有することを示す図である。
【図11A】FPD配送システムの1つの実施形態を示す図である。
【図11B】開位置に配置されたポートドア192及び容器ドアを示す図である。
【図12】容器搬送装填システムの1つの実施形態を示す図である。
【図13】可撓性ドアが底ポケット内に引込んでいることを示す図である。
【図14】可撓性ドアが底ポケット内に引込んでいることを示す図である。
【図15】可撓性ドアが底ポケット内に引込んでいることを示す図である。
【図16】プーリ駆動システムを同期させるために共通シャフトによってプーリ同士を連結する方法の1つの実施形態を示す図である。
【図17】ドッキング位置にある容器を示す図である。
【図18】ドッキング位置にある容器を示す図である。
【図19A−19B】基板搬送システムの他の実施形態を示す図である。
【図20A−20B】基板搬送システムの他の実施形態を示す図である。
【図21A−21B】基板搬送システムの他の実施形態を示す図である。
【図22A】非平面形態で容器内に格納された基板を示す図である。
【図22B】非平面形態で容器内に格納された基板を示す図である。
【図23】移動可能なシールを有する容器の1つの実施形態を示す図である。
【図24】移動可能なシールを有する容器の1つの実施形態を示す図である。
【図25】本発明の1つの実施形態による基板の共振又は振動を最小にする大面積基板用の格納輸送容器を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を、フラットパネルディスプレイ基板等の大面積基板用システム及び装置について説明する。しかしながら、これらの特別な細部の幾つか又は全てを用いなくても、本発明を実施できることは、当業者に明白であろう。他の場合には、本発明を不必要に不明瞭にしないために、良く知られている加工作業を詳細には説明しない。
【0014】
本発明は、概略的には、FPD(フラットパネルディスプレイ)材料の格納及び搬送のためのシステムを有する。FPDシステムは、環境保護能力、材料トラッキング能力、及び/又はワークステーション装填能力を有するのがよい。システムのための構成要素の1つは、搬送可能でシール可能な容器を有する。システムの他の構成要素は、シール可能な装填ポートを有し、容器が装填ポートにドッキングされ、基板が加工される。
【0015】
図1は、本発明の1つの実施形態による基板容器、ツール装填ミニ環境、及びプロセスツール(例えば、製造ツール、測定ツール)を示す。図1に示すように、容器1は、FPD基板を容器内に実質的に水平方向の向きに格納する。図1では、容器1は、ミニ環境100の前の載せ位置に配置されている。この実施形態では、容器1は、前方開口を除いて、閉鎖した包囲体を構成し、前方開口は、引込み可能な可撓性膜3(本明細書において、容器ドア、又は、容器シールドとも称する)によってシールされる。単なる例示として、可撓性膜3は、容器1内の基板にアクセスすることを可能にするために、ローラ(セグメント化されていても、いなくてもよい)又はホイールの上に引込められる。膜を引込める他の装置も、本発明の範囲内にある。1つの実施形態では、膜が、前方開口の周囲における全ての箇所で物理的に接触しないようにすることができ、それにより、膜を摩耗なしに引込める小さい隙間が構成される。他の実施形態では、この隙間は、後でより詳細に説明するように、最小され、又は、無くされる。
【0016】
容器1が着座する容器支持機構101は、例えば、在来の装填ポートのFOUP(front opening unified pod)前進プレートと同様、容器の前面をミニ環境100の前方開口の近くに移動させる機構を有していてもよいし、容器が最初から容器支持機構101の上の図1に示す位置に載せられてもよい。この載せ位置において、容器ドアは、好ましくは、2つのドアの間の近接シールを構成するために、ミニ環境の前方ドアに近接している。いずれにせよ、いったん容器1がこの載せ位置に載せされると、容器の容器ドア3及びミニ環境100のドアが両方が開かれ、それにより、ミニ環境内の搬送機構106がFPD基板にアクセスすることを可能にする。1つの実施形態では、後述するように、両方のドアが一緒に開閉されるように両方のドアの運動が同期される。1つの実施形態では、ミニ環境100のドア108は、ドア3と同様に引込み可能な可撓性膜であるのがよいことを理解すべきである。いずれのドアも、汚染される可能性のある外面が容器又はミニ環境の開放空間に露出されないので、同期されたドア運動は、粒子汚染を最小にする。1つの実施形態において、プロセスツール102がミニ環境を含まないことは、本発明の範囲内及び精神内にある。この場合、容器前方ドア(即ち、膜又はシールド)は、プロセスツール102のパネルハンドリングシステムのドア又はアクセスゾーンに近接して配置される。
【0017】
ミニ環境の前方ドア108はまた、両方のドア3、108を一緒に上昇させる前に、容器ドアと連結されるのがよい。FOUPドアと連結される従来のポートドアと同様、両方のドア3、108を互いに連結することにより、容器ドア3と前方ドア108との間において両方のドアの外面上に存在する粒子を捕捉する。前方ドア108は、容器ドア3とどの高さで連結されてもよい。1つの実施形態では、前方ドア108及び容器ドア3は、各ドアの底部近くで一体に連結される。容器ドア3は、基板ハンドリングロボット106が容器の一番上の棚に格納されたワークにアクセスできる位置まで上昇させられることができるように構成される。
【0018】
容器ドア3及びミニ環境ドア108が両方とも開かれると、外側環境に露出される小さい隙間が両方のドア間に形成される。外側環境からの汚染物質が容器又はミニ環境100内に入ることを防止するために、ミニ環境は、ファンフィルタユニット104を有するのがよく、ファンフィルタユニット104は、清浄な空気をミニ環境の内側に供給し、周囲圧力又は外部圧力よりも僅かに高い圧力をミニ環境内に生じさせる。この圧力差により、清浄な空気を隙間を通してミニ環境100の外に押しやり、外部からの汚染を防ぐ。変形例として、ミニ環境100又はプロセスツール102は、ファン及びフィルタを有しなくてもよく、その代わりに、容器1内のオプションのファンフィルタユニット110によって供給される清浄な空気流を利用してもよい。前述したように、ミニ環境(又はミニ環境が使用されない場合にはプロセスツール)のドアは、容器ドアと同様、ローリング膜(図示)であってもよいし、開閉するのに垂直方向に摺動する在来の剛性ドアであってもよい。また、両方のドアが開かれた後、容器1を前進させて容器1をミニ環境100に対してシールさせることによって、隙間をシールすることも可能である。
【0019】
動力又は運動力(例えば、機械的力)を容器ドア機構及びオプションのファンフィルタシステムに供給する種々の方法があることを認識すべきである。単なる例示として、動力を容器に供給するのは、
a)容器の持運び可能なエネルギー保存装置(例えば、バッテリ、スーパーキャップ、燃料電池)、
b)装填ステーションのところの電気接点、
c)装填ステーションの静止導体から容器のピックアップコイル及び回路に電磁場によって伝達される非接触動力、
d)加圧ガスを供給する装填ステーションの空気ポート、及び/又は、
e)容器が装填ステーションにあるときに、容器と組合わされる機械リンク装置である。動力供給部b)、c)、d)又はe)は、容器ドアの運動や例えば、ファン/フィルタユニットの作動/制御を制御するために、容器の外側の供給源によって直接制御されるのがよく、また、制御信号は、容器ドアの運動のタイミングやフィルタユニットの作動/制御を制御するために、装填ステーションで供給されるのがよい。1つ又は複数の制御信号を容器に伝達する多数の方法があり、かかる方法は、限定する訳ではないが、光学的に結合された発光ダイオード(LED)と装填ステーションのところの光センサ、又は無線周波数信号を含む。
【0020】
図2は、1つの実施形態における容器の斜視図である。容器1は、基板が通される前方開口14を有している。移動可能なドア3は、可撓性材料で作られ、移動可能なドア3の開閉中、ローラ2の上を通る。移動可能なドア3の下端部及び上端部はそれぞれ、バー4、5で終端している。バー4、5により、均一な張力がドア3の幅にわたって維持されることを可能にする。終端バー4、5の両端部は、ガイド又はスライド(図示せず)によって支持されるのがよく、ガイド又はスライドは、ドアの運動中、バー(したがって膜ドア)を容器本体から一定距離に維持する。各バーの各端部は、タイミング/同期ベルト7の端部に連結されている。ベルト7は、バー5に取付けられ、次いで、プーリ8、9、10の上を通ってから、終端バー4に取付けられる。同様に、ベルト6は、終端バー5の他方の端部に取付けられ、容器の他方の側の3つのプーリ(プーリ11、12を含む)の上を通り、次いで、バー4の他方の端部に連結されている。両方のベルト6、7の運動が同期するように、シャフト15がプーリ8、11に連結されている。他のプーリは、クロスシャフトなしに、自由に回転する。1つの実施形態では、両方のベルト6、7が、容器1の全周の周りではなく、容器1の側面を対角線方向に横切って進行してもよいことを認識すべきである。この場合、各側の1つのプーリが省略される。
【0021】
1つの関心事は、ドア3が開いている間又は開運動の間にドア3の内側に付着する粒子であろう。これらの粒子は、ドア3が閉じられた後にドアの内側から離脱し、容器1内に格納された基板を汚染することがある。この潜在的な粒子の問題を低減させる幾つかの方法がある。ファン及びフィルタが容器1に取付けられ且つ容器の上面13に小孔又は他の開口(例えばスロット、微孔)が設けられると、清浄な空気が小孔を通って容器の外に流れる。この清浄な空気流は、粒子が、容器1の上面の上に堆積することを防止し、それにより、ドア3を開いたときに粒子がドアの内面の上に移動されることを防止する。清浄な空気はまた、ドア3を開いたときに、ドア3の内面の上を(それに沿って)流れる。
【0022】
他の関心事は、可撓性ドア3とローラ2の間の界面における粒子の発生及び移動である。粒子の発生は、ローラ2とドア3の接触を少なくすることによって低減される。例えばローラ2は、ローラ2とドア3の接触面積を低減させるために、ローラの長さ全体に細い隆起部又は突出部を有する。変形例として、ドア3の内面が、接触面積を低減させる隆起部又は突出部を有していてもよい。容器ドア3は、種々の機構によって、開閉される。下方の終端バー4は、ミニ環境100又はプロセスツール102の垂直方向駆動機構に係合するのがよい。垂直方向駆動機構は、容器1にいかなる動力アクチュエータも設ける必要なしに、上昇してドア3を開き、下降してドア3を閉じる。変形例として、電気モータがシャフト15、ローラ2の端部、又は任意のタイミングベルトプーリに連結されていてもよい。モータの回転運動により、それに連結されたシャフト、ローラ、又はプーリを回転させ、タイミングベルト及びドアのリンクシステムを移動させる。同様に、ドアの運動を付与するリニアアクチュエータ(例えば、空気装置)が、ドア3又はベルト6、7に連結されてもよい。ドアを上昇させたり下降させたりする他の任意適当な機構も、本発明の範囲内にある。図2に示すドア3は、ローラ2の上を移動する。図6に示すように、容器が、ローラ2を包囲し且つドッキング界面を含むフレームを有することは、本発明の範囲内にある。
【0023】
図3及び図4は、スロット付ドアを有する容器を示す。ドア3は、上方ドア部分17と、下方ドア部分19を有し、これらのドア部分17、19はそれぞれ、バー4及びバー16のところで終端し、スロット開口18を形成している。バー4、16は、その端部同士が連結され、それにより、運動が1つの駆動装置で両方のドア部分17、19に伝達されることを可能にする。下方ドア部分19は、ローラ20の上を通り、終端バー21で終端している。タイミングベルト6、7を移動させると、スロット18が、両方のタイミングベルト6、7と一緒に上下に移動し、それにより、容器内の単一の格納位置へのアクセスを可能にする。スロット18が、容器1内に格納された2つ以上の基板へのアクセスを行うのに十分に大きいことは、本発明の範囲内にある。スロット18は、単一ピースの可撓性材料に切断された孔によって形成されてもよいし、孔あきプレート、即ち、ドア3の可撓性材料に取付けられた孔あきの単一プレートで形成されてもよい。図3及び図4の実施形態では、膜ドアは、取出すべき基板の位置に割出され、かくして、ドアは支持要素の前方に留まり、且つ、孔は1つ又は2つ以上の支持要素又は基板へのアクセスを可能にする。
【0024】
図3及び図4のスロット付ドア容器は、図2に示す容器のバーガイド、粒子低減、及び駆動機構の特徴と同じ特徴を有するのがよい。底面は、下方ドア部分の清浄度を向上させるために、清浄な空気流の孔を有するのがよい。ミニ環境又はプロセスツールの垂直方向駆動機構が、処理のために基板にアクセスするときにスロットを異なる位置に移動させるために、バー4又は16に係合するのがよい。図3は、オプションのファン110及びフィルタユニット112を有する容器1を示す。ファン110及びフィルタユニット112は、粒子が外側環境からスロット18を通して容器内に移動しないことを確保するために、充分に清浄な空気流を供給するのがよい。更に、容器1は、その前方開口の一部分を構成する壁領域を含むのがよい。スロット18を移動させて壁109を覆うと、容器開口は、有効に閉鎖される。容器開口の壁は、任意の高さに配置される。図3は、バリヤ又は壁が、容器開口14の一番上の部分に配置された1つの実施形態を示す。スロット18が壁109を覆うように配置されるまで、容器ドアを上昇させると、ドアの下方部分19は、容器開口14全体を覆う。同様に、ミニ環境又はプロセスツールのポートドアは、単一スロットを有する移動可能なドアを有するのがよい。この場合、いったん容器を載せ位置に着座させると、ポートドアが容器ドアと一体に移動し又は割出され、ポートドアが容器ドアのスロットと整列することが好ましい。他の実施形態では、ポートドアは、在来のポートドアと同様のドアを有していてもよい。
【0025】
図5A及び図5Bは、シール隙間を最小にするために、包囲体の端部のところで容器フレームに向かって引くことができる可撓性ドアの1つの実施形態を示す。この実施形態では、容器は、可動ローラ組立体25を有している。ローラ組立体25は、ローラ2と、枢動アーム26と、枢動ベアリング27と、ローラテンションスプリング28と、スプリング取付け部29と、ストップブロック30とを有している。枢動アーム26は、枢動バーの長手方向軸線に対して垂直な力ベクトルがスプリング28のスプリング張力を超えるまで、ストップブロック30に当接して保持される。次に、枢動アーム26は、枢動ベアリング27のところで枢動し、ストップブロック30から分離する。テンションスプリングの力は、好ましくは、ドアを閉じることにより生じるベルト張力及び任意の摩擦力よりも大きい。1つの実施形態では、容器ドアを閉じること及び容器ドアをストップブロック30に対してシールすることは、単一の運動を介して達成される。ローラ組立体がスライドベアリング組立体を含むことは、本発明の範囲内にある。
【0026】
図5Aの駆動システムは、図2の駆動システムと同様であることを理解すべきである。駆動システムは、タイミングベルト7及びプーリを有し、ドアは、上方バー5及び下方バー4のところで終端している。図5Aは、バー5、4にそれぞれ連結されたスライド部22、26を示し、スライド部22、26は、摺動支持部を形成している。ドアが容器の前方に向かって移動したときのベルト張力を使用範囲内に維持するために、ベルトスプリング23が追加されている。この運動は、ベルト/ドアの周囲距離を効果的に小さくし、ベルトスプリング23は、それに対応するベルトが緩まないように維持する。ベルト及びドアが、ドアを下降させる方向に移動させられるとき、バー4用の摺動支持部が、凹んだスライド輪郭部31内に入るので、上方バー5は端ブロック24に当る。凹んだスライド輪郭部31は、容器の前方に向かって僅かに傾斜したスライド部の部分であり、したがって、バー4は、そのガイド経路に沿って移動し、ドアの端部は、容器に向かって移動する。バー4が凹んだスライド輪郭部の中を移動する間、バー5は、端ストップ(端ブロック)に当接して動くことはなく、ローラ組立体が端ブロック24に向かって枢動するまで、ローラに加えられる力を増大させる。ローラ組立体の枢動は、凹んだスライド輪郭部を介するバー4の運動と組合わされ、ドア(ローラの下)の全表面を容器に向かって移動させ、かくして、隙間を最小にする。また、いったんドアが閉じられると、ローラの張力スプリングの変位の力によりバー4が上方に移動することを防止する保持機構もある。
【0027】
駆動ベルトは、任意の同様の可撓性カップリングに置換されてもよく、かかる可撓性カップリングは、例えば、ケーブル、コード、Vベルト、平ベルト、又はバンドである。図5A及び図5Bの可動ローラは、枢動ではなく、直線運動をするのがよい。プーリ8〜10は、異なる箇所に配置されてもよく、ベルト7は、それが可撓性ドアの2つの端部に連結されたままである限り、異なる経路をたどる。可撓性ドアの材料は、窓用のブラインド又はひよけが作動する仕方で、スプリングによる張力が付与されたローラに巻上げられるのがよい。
【0028】
図6は、他の実施形態の可撓性膜ドアを有する容器を示す簡単化した概略図である。容器1は、ドッキング界面150を有し、ドッキング界面150は、1つの実施形態では、駆動ピンを受入れるように構成されている。駆動ピンは、回転又は他の適当な機構のいずれかによって、ドッキング界面150に係合し且つそれとラッチ結合される。容器1は、ファン/フィルタ組立体110及び膜ドア3を有している。1つの実施形態では、駆動ピンとして、キーが使用されるのがよく、キーは、可撓性膜をロックしたりアンロックしたりするのに使用され、それにより、ドアは、ロックにより固定され、アンロックしているとき、上昇又は下降される。1つの実施形態では、キーは、一体化された保持手段を有する回転ラッチのように、容器と捕捉されたままになる。
【0029】
図7A及び図7Bは、本発明の1つの実施形態による容器の他の形態を示す。図7A及び図7Bにおいて、膜ドア3は、シャフト154、156の周りを通り又は巻くように構成されている。膜ドア3は、ドアがシャフトの回りを通るときの膜ドア同士の接触を最小にするための隆起部158又は突出部を有している。
【0030】
図8は、基板容器の他の実施形態を示す。容器は、包囲体を形成する容器シェルを有し、包囲体は、底壁(即ち、ベース)及び頂壁から延びる第1の側壁、第2の側壁、及び後壁を有している。図8に示す容器シェルは、基板が通ることができる前方開口を有している。容器ドアは、FOUPと異なり、可撓性材料を有する。容器ドアは、プロセス及びクリーンルーム環境に適合し且つ繰返しの開閉により誘起される曲げに耐えることが可能な任意適当な材料を含むのがよい。例示の材料は、ポリエステルフィルム、合成フルオロポリマー、繊維強化ポリエステルフィルム、及び繊維強化合成フルオロポリマーステンレス鋼箔等を含む。1つの実施形態では、容器ドアは、帯電防止のために導電性を有するのがよい。
【0031】
図8は、閉位置にある容器ドア3を示す。この実施形態では、容器はまた、底面に沿って配置されたベースを有している。後でより詳細に述べるように、容器ドア3は、容器1内に格納された基板へのアクセスを行うために、容器シェルの頂部分又は容器シェルの側部分の中に引込むのがよい。
【0032】
図9は、開位置に位置する容器ドアを示す。図9では、図示の目的で、容器の頂壁及び側方パネルを省略している。この実施形態では、容器ドア3は、容器シェルの頂ゾーン(領域)の中に(例えば、容器の内側の頂壁に沿って、又は、容器の外側の頂壁に沿って)引込む。例えば、容器ドア3は、容器シェルの頂壁のポケット内に引込んでもよいし、容器シェルの頂壁近くの容器の頂部内に引込んでもよい。それにもかかわらず、この実施形態では、容器ドア3は、前方開口の頂部を横切って延びるローラの上を通る。図示のように、容器ドアがローラの上を通るとき、容器ドア3は、ほぼ直角に曲るため、可撓性材料を必要とする。容器が、容器ドアを案内する2つ以上のローラを含むことは、本発明の範囲内にある。例えば、容器ドアの曲りの度合いを低減させるために、互いに45°の角度を隔てて配置された1対のローラを含んでいてもよい。空気入口プレナム170は、ドア3が引込んでいる領域に空気が流入することを可能にし、排出プレナムが頂面の側部に沿って構成される。
【0033】
図9は、容器ドアの下端部及び上端部がガイドバーと共に終端していることを示す。これらのガイドバーにより、均一な張力がドア3の全幅にわたって常に維持されることを可能にする。ガイドバーの両端部は、ドアの運動中にバーを容器本体からの固定距離に維持するガイド又はスライド(図示せず)によって支持されるのがよい。この実施形態では、各ガイドバーは、2つのタイミング/同期ベルトに連結されている。図9に示すベルト6は、その一方の端部がガイドバーに取付けられ、次に、前方開口の側部に沿って下方に延び、プーリの上を通り、次に、側方パネルの頂部後方のコーナまで対角線方向後方に延び、第2のプーリの上を通った後、他方の端部が他方のガイドバーに取付けられる。各ガイドバーの他方の端部に取付けられたベルトは、プーリの同様の組を通って延びている。プーリ8、11は、ベルトの運動が同期するように、シャフトによって連結されている。他のプーリは、クロスシャフトなしに、自由に回転する。
【0034】
図10A及び図10Bは、容器が清浄な(クリーン)空気流システムを含むことを示す。この実施形態では、容器は、空気入口プレナム170と、空気出口プレナムと、多くのクリーンエアブロワ110とを有している。ブロワ110は、外部空気を容器内に引き、清浄な空気の流れを容器内に生じさせる。図10Bは、プレナムとブロワとの間に位置するディフューザスクリーン180を示す。ブロワ110は、容器内への清浄な空気流を生じさせる。これにより、容器内の清浄な空気の僅かな圧力上昇が生じる。空気は、容器ドアと、ローラ及びベアリング等の汚染表面から粒子を掃き出すように設計された他のベントとによって形成された近接シールの外に流れる。ブロワパネルとディフューザスクリーン180との間の空間はプレナムであり、プレナムにより、空気がプレナムを出て容器に入る前に、圧力をより均一に分散させることを可能にする。換言すれば、プレナム出口は、空気を容器の内部に供給する出口である。プレナムのための空間が割当てられる場合、フィルタエレメントは、ミニ環境内に配置されるように別の仕方で配置されるのがよく、すなわち、ブロワは、プレナム容積を加圧し、且つ、フィルタは、ディフューザスクリーンとして示す箇所に配置される。これにより、フィルタはプレナムの均一な圧力による利益を得て、非乱流の空気流を形成する。フィルタをほぼ直接的にブロワに取付けて、清浄であるが幾分乱流である空気の流れを発生させ、スペースを節約すると同時に容器に清浄な加圧内部を形成することが可能である。
【0035】
図11Aは、FPD配送システムの1つの実施形態を示す。ここで、配送システムは、FPDハンドリングロボット106を収容するミニ環境100を有している。ミニ環境100は、概略的には、FPDハンドリングロボット106がFPD基板又はパネルを容器から取出し、次に基板を汚染させることなしに基板をプロセスツール又は他の容器に搬送することを可能にするクリーン搬送チャンバとして機能する。この実施形態では、ミニ環境は、ポートドア192と、ドア収納チャンバ、即ち、ドア収納ゾーン190を有している。ドア収納チャンバ190は、ミニ環境100の上方に配置されているので、ポートドア192は、上方に移動してチャンバ190内に入る。ドア収納チャンバ190は、ミニ環境のいずれかの側に配置されてもよい。図11Aは、更に、閉位置にあるポートドア192を示す。後でより詳細に述べるように、容器は、載せポート上に着座される。
【0036】
図11Bは、開位置にあるポートドア192及び容器ドアを示す。ポートドア192は、上昇させられ、清浄な環境であるドアチャンバ190内にある。容器ドアは、容器1の頂部内に引込んでいる。装填ポートドア及び容器ドアは一体に作動してもよいし、各ドアが個別に作動してもよい。例えば、ミニ環境100は、ポートドアを開位置と閉位置との間で移動させるためのポートドア駆動機構を有する。容器は、容器ドアを開位置と閉位置との間で移動させるための別の駆動機構を有する。変形例として、ポートドアが容器ドアに係合し、且つ、2つのドアを一体に移動させるために、容器ドアを移動させるための駆動手段を有していてもよい。また、容器ドア及びポートドアが2つの異なる方向に移動することは、本発明の範囲内にある。FPDハンドリングロボット106は、容器内に挿入される。ミニ環境ドア及び容器ドアが開位置に配置された後、FPDハンドリングロボットは、容器内の任意の基板にアクセスする。
【0037】
図12は、容器搬送/装填システムの1つの実施形態を示す。ここで、容器は、プロセスツール102に連結されているミニ環境100の装填ポートの上に載せられている。容器1は、搬送システムと装填ポートの間をベルトコンベアによって移動させられる。1つの実施形態では、容器は、ベルトコンベアによって装填ポート上に配置される。装填ポート及び搬送システムが、空気ベアリングシステム又はホイールを使用して容器1を移動させることは、本発明の範囲内にある。容器は、ドッキング位置で示されている。容器1は、頂部ハンドルを有するのではなく、2つの装填箇所174を有していてもよく、装填箇所174は、容器の各側面から延び、それにより、フォークリフト形装置が容器を持上げる。4つの持上げ箇所は、持上げ装置に作用する容器の重量を分散させる。容器は、任意数の持上げ箇所及び/又は容器を持上げて支持するための同様な手段を有するのがよい。
【0038】
図13は、装填ポートを有するプロセスツール又はミニ環境、及び装填ポート上に着座した容器を示す。図13は、単一の装填ポートを示しているが、プロセスツール又はミニ環境が多数の装填ポートを有することは、本発明の範囲内にある。多数の装填ポートは、垂直方向に積み重ねられでもよいし、水平方向に配置されていてもよい。この実施形態では、容器ドアは、容器シェルの底内に引込んでいる。例えば、容器ドアは、容器シェルの底壁のポケット204内に引込んでいてもよいし、容器シェルの底壁に近接した容器の底部内に引込んでいてもよい。それにもかかわらず、この実施形態では、容器ドアは、前方開口の底部を横切って延びるローラ200の上を移動する。容器が、容器ドアを案内する2以上のローラ200、202を有することは、本発明の範囲内にある。例えば、容器は、容器ドアの曲りの度合いを低減させるため、互いに45°の角度を隔てて配置された1対のローラを有していてもよい。容器ドアの上縁部及び下縁部は、ガイドバーで終端している。これらのガイドバーは、可撓性ドアの全幅にわたって常時均一の張力を維持することを可能にする。ガイドの端部は、ドアの運動中、バーを容器本体から一定距離に維持するガイド又はスライド(図示せず)によって支持される。後述するように、可撓性ドアは、駆動機構によって駆動される。図13は、可撓性ドアを開位置と閉位置との間で移動させる駆動機構、及び、容器の空気排出手段の1つの実施形態を示している。この実施形態では、容器ドア駆動機構は、容器の各側に配置された3つのプーリシステムを有している。第1のプーリ206は、前方開口の上方で容器の頂部前方に配置されている。第2のプーリ200は、容器開口の下の容器の底部前方に配置されている。第3のプーリ202は、容器の底部後方に配置され且つその両端部がガイドバーに取付けられている。
【0039】
2つのベルト(ベルトは、ガイドバーの両端部に1つずつ取付けられている)が、開位置と閉位置との間でドアを移動させる。ドアが開位置に配置されるとき、図14に示すベルト205は、その一端が頂部ガイドバーに取付けられ、前方開口の側部に沿って上方に延び、第1のプーリの上を通り、容器の裏面に沿って下方に戻り、第2のプーリに向かい、第2のプーリの下を通り、容器の後部に向かって戻り、第3のプーリの上を通り、底部ガイドバーに向かい、底部ガイドバーに取付けられている。各ガイドバーの他方の端部(容器の右側ダイ)に取付けられているベルトは、プーリの同様な組を通って延びている。第1のプーリ及び第3のプーリの組は、各ベルトの運動が同期するようにシャフトによって連結されることが好ましい。第2のプーリは共通のシャフトによって連結されていない。
【0040】
図13及び図15は、容器ドアが開位置に配置されているときに底ポケット内に引込められていないガイドバーを示す。その代わり、頂部ガイドが、外方に面する前方開口内に留まっている。しかしながら、頂部ガイドバーは、一番下の基板よりも下まで下降されており、その結果、頂部ガイドバーは、(例えば、基板ハンドリングロボットによる)一番下の基板へのアクセスを妨げない。
【0041】
図13〜図15は、可撓性ドアが底ポケット内に引込んでいることを示す。この底ポケットは、容器の一部であってもよいし、容器の下に配置された追加の構造体であってもよい。容器ドアを下方ポケット内に引込めることにより、容器が開かれている間、容器ドアを、制御された環境内に維持する。図13は、容器内の空気流により、空気が底ポケット内に移動して、底ポケットの後壁から出ることを可能にすることを示す。容器ドアが底ポケット内に引込んでいる間、容器ドアの「清浄な」側面(容器ドアが閉じられているときに、基板に面する側面)は、上を向いている。かくして、容器ドアが底ポケット内にある間、容器内の空気流は、容器ドアの「清浄な」側面の上を移動し、それにより、粒子が容器ドアを汚染することを防止し又は最小にする。底ポケットの後壁の孔あき面により、空気が底ポケットから移動して周囲環境に戻ることを可能にする。
【0042】
図16は、プーリ駆動システムを同期させるようにプーリを共通シャフト206によって連結する方法の実施形態を示す。可撓性ドアを同期させた仕方で移動させる(例えば、両方のベルトを同じ速度で移動させる)ことにより、ドアが傾斜し且つ/又は容器に接触することを防止するように、ドアの運動を制御する。
【0043】
図17〜図19は、基板搬送システムの実施形態を示す。このシステムは、装填ポートと、容器内に格納された基板にアクセスし且つ基板をプロセスツール(又は他の容器)に搬送するためのミニ環境とを有している。図17〜図19に示す容器は、容器ドアを有し、この容器ドアは、1つの実施形態では、底ポケット内に引込められることによって開く。装填ポートは、容器を装填ポート上に前進させ且つそこに支持するコンベアシステムを有している。この実施形態では、コンベアは、多数のローラとして示されている。しかしながら、コンベアシステムは、例えば、ベルトコンベアで構成されてもよい。
【0044】
図17及び図18は、ドッキング位置にある容器を示す。装填ポートは、容器支持体と、装填ポートドアと、駆動バーとを有している。この実施形態では、容器がドッキング位置にあるとき、駆動バーは、容器ドアに係合し、駆動バーは、容器ドアを開閉させるための駆動機構として機能する。この実施形態では、容器支持体は、在来の装填ポートと同様の容器前進機構を有していない。前述したように、容器は、コンベアによって前進させられる。したがって、容器支持体は、装填ポートドアを格納するのに使用される。図17に示すように、装填ポートドアは、容器支持体内に引込められることにより開く。ミニ環境によって(例えば圧力差によって)又は他の装置によって発生させられた空気流は、好ましくは、容器支持体内に移動して、清浄な空気流を、装填ポートのドアの「清浄な」側面(装填ポートドアの内面)上に形成する。図17は、ミニ環境、容器の内部及び周囲環境が異なる圧力を有し、その結果、空気流が図18に示すように移動することを示す。
【0045】
図19A,図19B、図20A及び図20Bは、基板搬送システムの他の実施形態を示す。この実施形態では、搬送システムは、装填ポートを有し、装填ポートは、基板をプロセスツールに搬送するためのスライド組立体を有している。図19A〜図20Bに示す装填ポートは、図17及び図18に示した装填ポートと同様であり、装填ポートドアは、容器支持体内に引込む。他の形式の装填ポート(例えば、装填ポートドアが上方又は側方に引込む装填ポート)も本発明の範囲内にある。この実施形態では、装填ポートは、基板を容器からプロセスツールに搬送するための垂直方向運動スライド組立体を有している。装填ポートは、単一のI/Oポートを有していてもよいし、多数のI/Oポートを有していてもよい。ここでは、単一のI/Oポートを有する装填ポートを説明する。
【0046】
図19A及び図19Bは、基板を支持するための3つの支持体を有するスライド組立体を示す。もちろん、スライド組立体は、任意の数の支持体を有していてもよい。図19は、垂直方向スライド組立体が、容器内に格納された基板と垂直方向に整列するように調節されることを示す。いったんスライド組立体と基板を整列させたら、基板を容器からスライド組立体の上に取出す。基板を容器から取出す多くの方法があり、かかる方法は、限定する訳ではないが、例えば、基板を空気ベアリングによって支持して基板が容器から組立体まで滑走させることを可能にする方法、基板をローラによって支持し、ローラを作動させ、基板を容器からスライド組立体まで移動させる方法、又は基板をベルトによって支持し、ベルトを作動させ、基板を容器からスライド組立体まで移動させる方法を含む。基板を支持し且つ搬送するのに空気ベアリングを使用する場合、容器支持体を容器の前方に向かって又は容器の前方から離れる方向に僅かに傾斜させて、基板を容器の外に滑走させる必要がある。スライド組立体は、基板の一部分を把持して、基板を容器の外に且つ空気ベアリング上に引くための機械的装置(例えば真空カップ)を有していてもよい。
【0047】
作動の際、容器ドア及び装填ポートドアを開いたら、スライド組立体を、容器内に格納された任意の基板と整列させる。次に、基板を容器からスライド組立体の上に取出す。必要ならば、次に、組立体は、基板をプロセスツール開口と整列させ、基板が組立体からツールに搬送されることを可能にする。基板を加工したら、基板を組立体に搬送して戻し、組立体は、それ自体を容器内の空の棚に整列させ、基板を容器内に搬送して戻す。図19A及び図19Bは、粒子による基板の汚染を最小にし又は無くすために、清浄な空気流を装填ポートとプロセスツールとの間の搬送ゾーン内に供給することが好ましいことを示す。搬送ゾーンは、包囲されてもよいし、制御された環境内の開放スペースを有していてもよい。
【0048】
図21A及び図21Bは、基板搬送システムの他の実施形態を示す。この搬送システムは、特に、装填ポート(図示せず)と、ウェーハ搬送装置とを有している。図21Bに示す容器は、基板を非直線形態又は非平面形態に格納する。ここで、容器は、各基板を凸形態に格納する。図22A及び図22Bは、容器が基板を他の非平面形態で格納すること、及び、各基板を同じ非平面形態で容器内に格納する必要がないことを示している。1つの実施形態では、各基板の撓みは、基板又はパネルの長さにわたって3〜4インチ(7.62〜10.16cm)である。もちろん、他の撓みは、本発明の範囲内にある。基板を非直線形態又は非平面形態で格納することは、基板に剛性を追加する。容器支持体は、単なる例示として、ローラ、空気ベアリング、パッド又はベルトを有する。基板を非平面形態で格納することにより、基板の撓みを大幅に低減させ、且つ、搬送中の支持及びハンドリングを簡単にすることが可能である。基板は、その長手方向中心線又はその水平方向中心線を中心に意図的に変形され又は撓まされる。中心線における変形は、例示であり、基板又はフラットパネルディスプレイは、任意の1つの線又は点に沿って又は多くの線又は点に沿って撓まされ又は変形されてもよい。変形は、支持点の位置及び基板に付与される他の力によって制御可能である。
【0049】
このシステムの搬送装置は、概略的には、エレベータ機構と、搬送組立体とを有する。エレベータ機構は、包囲体内に実質的に包囲された駆動機構を有する垂直方向タワー又はハウジングを有し、エレベータにより発生される粒子による基板の汚染を最小にする。搬送組立体は、エレベータの駆動機構に(永久的に又は着脱可能に)連結される。図21A及び図21Bには、基板を支持し且つ容器とプロセスツールとの間で基板を移動するための多くのホイールを有する搬送組立体が示されている。前述のように、搬送組立体は、単なる例示であるが、ローラ、空気ベアリング、ベルト等により基板を支持し且つ搬送してもよい。好ましい実施形態では、搬送組立体上の支持体は、容器内の支持体に整列する。搬送組立体は、基板を平坦化してもよいし、基板を非直線形態に維持してもよい。基板が平坦化される場合、搬送組立体は、基板を適正に支持するための追加の第3の支持体を設ける必要がある。
【0050】
搬送組立体は、水平方向静止フレーム又は水平方向調節可能フレームを有するのがよい。水平方向静止フレームは、容器内の基板と垂直方向に整列し、基板が水平方向静止フレーム上に搬送される。容器内のホイール、空気ベアリング又はベルト及び搬送組立体のみが移動する。変形例として、フレームは、Y方向軸線に沿って移動して、搬送組立体が容器内に入り且つ従来のエンドエフェクタと同様、基板を支持棚から持上げることを可能にする。
【0051】
エレベータ機構は、任意の高さを有し、例えば、単一のエレベータ機構を用いて、1つ又は2つ以上の容器にアクセスしてもよい。最低でも、搬送組立体は、容器内に格納された各基板にアクセスする一定の垂直運動範囲を有している。エレベータ機構は、装填ポートの一部を有していてもよいし、システムの別の要素を有していてもよい。図20A及び図20Bの実施形態と同様、粒子による基板の汚染を最小にするために、搬送ゾーンを通る清浄な空気の流れを維持することが好ましい。
【0052】
図22A及び図22Bは、非平面形態で容器内に格納される基板を示す。従来のウェーハ容器(例えばFOUP又はSMIFポッド)では、各格納棚は2つの支持体を有し、各支持体は、1つの容器壁に沿って配置され、ウェーハの外側縁部が支持される。従来の容器とは異なり、FPD容器内の各棚は、容器内に2つ以上の互いに間隔を隔てた支持部材を有している。支持部材の水平方向間隔及び垂直方向配置は、少なくとも一部が、容器内に格納される基板の形式及びサイズに基づいている。図22A及び図22Bは、支持部材の1つの実施形態が凸状又は凹状の基板形状支持し且つ生じさせることを示す。容器が基板を他の形態(例えば「S」形等)で格納することも本発明の範囲内にある。
【0053】
図23及び図24は、移動可能なシールを有する容器の1つの実施形態を示す。この実施形態では、移動可能な外側フレーム400(しなやかなシール面を有している)が、可撓性ドア3を容器シェル(これもしなやかなシール面を有している)の容器シール410の前面に押付け、外側環境に対する接触シールを形成する。換言すれば、移動可能なシールフレーム400は、可撓性ドア3を固定シール404に押付け、容器を有効にシールする。例えば、移動可能なシールフレーム400が開位置に配置されるとき、移動可能なシールフレーム400は、容器フレームのシール402から横方向に約4mm離れる。移動可能なシールフレーム400を閉じて容器をシールするとき、最初の2mmの移動により、移動可能なシールフレーム400を、可撓性ドア3に接触する位置に移動させる。移動可能なシールフレーム400が容器フレームに向かう移動を続けると、最後の2mmの移動により、容器ドア3が容器フレームの前面410の容器シール402に押付けられる。容器ドアの引張りシステムは、可撓性を有し、この可撓性により、容器ドアは前方に押付けられて僅かに歪む。変形例として、移動可能なシールフレーム400が開位置に配置されるとき、移動可能なシールフレームと可撓性ドア3との間に2mm(又は他の距離)の隙間が存在する。正確な距離であるか否かにかかわらず、移動可能なシールフレーム400と容器ドアとが分離され、可撓性ドア3をその開位置に移動させることができる。この実施形態では、可撓性ドアが、容器シェルの頂部ゾーン内へと上方に巻上げられる。前述のように、可撓性ドアは、開位置と閉位置との間で移動するとき、下方又はいずれかの側に移動するように構成されてもよい。
【0054】
移動可能なフレームの作動は、容器上に設けられたモータ406又はソレノイド(又は他の任意の駆動力)によって駆動されてもよいし、容器がツール又は装填ポートにドッキングされる場合、容器に連結される外部駆動力によって駆動されてもよい。この実施形態では、外部フレームは、リンク機構408によって2つの位置の間で移動される。他の機構を使用してもよい。図23及び図24は、容器の頂部ゾーン内に上方に巻上げられるように構成された可撓性ドアを示す。しかしながら、移動可能なシールは、可撓性ドアが容器の下まで下方に、又はいずれかの側壁の周りで側方に引込められる場合にも機能する。図23及び図24は更に、可撓性ドアの駆動システムとして容器上に設けられたモータ406を示している。このような駆動装置を容器の外部に設け、例えばドッキング位置で容器に連結することも本発明の範囲内にある。また、容器がもはやプロセスツール又は装填ポートに係合しない場合、移動可能なシール及び可撓性ドアを閉位置にロックして、外側環境への不意の露出をなくすことも付加的特徴である。
【0055】
可撓性ドア又はラッチが、容器に設けられた電気的機構によって駆動される場合、電気的機構は、種々の方法で駆動力を得ることができる。例えば、電気的機構は、容器がドッキング位置にある間又はツールからツールへと移動するときの全ての位置において、誘導非接触トランスミッションを介して連結されるのがよい。電気的機構はまた、容器がプロセスツール又は装填ポートでドッキングされるとき、導電接点を介して伝達される動力(電力)を受けてもよい。電気的機構はまた、容器自体の上に配置されたバッテリから動力(電力)を受けてもよい。他の動力源も本発明の範囲内にある。
【0056】
容器がプロセスツール又は装填ポートでドッキングされている間に容器に動力(電力)が供給される場合、作動機構は、装填ポートにおける容器の分離(アンロード)又は装填(ロード)の間、その種々の位置に駆動される。制御信号は、次の移動段階(例えば、基板ハンドリングロボットが基板にアクセスすることを試みる前に容器ドアが開かれていることを確認する段階)又はツール又は装填ポートからの容器の離脱(容器が装填ポートから移動される前に容器ドアが閉じられていることを確認する段階)の前に、機構の適正位置決めが達成されることを確保すべく容器に供給される。アクチュエータの状態を知らせ且つアクチュエータに指令する信号等の他の制御信号も容器に供給される。これらの制御信号(並びに他の制御信号)は、単なる例示であり、電気ガルバニック接点(electrical galvanic contact)、誘導非接触カップリング、又は送信器と検出器との間の光(赤外線、紫外線又は可視光線)の通信を介して容器に伝送されてもよい。容器とプロセスツールとの間の通信は、容器に設けられたマイクロコントローラによって受信され且つ処理される。マイクロコントローラは、アクチュエータの移動を制御し及び/又は状態信号を供給する。
【0057】
図25は、本発明の1つの実施形態にしたがって基板の共振又は振動を最小にする大面積基板用の格納/輸送容器を示す概略図である。容器1は、取外し可能なドアを有し、このドアは、基板(ウェーハとも呼ぶ)608を容器内に確実に密封し、ラッチを作動させ、及び基板を保持することが可能である。基板608は、支持部材602上に載せられる。支持部材602は、棚とも称し、ロッド、歯、平棚、引張りワイヤ又は他の支持要素等の独立部材を有し、これらの支持部材は、片持ちであるのがよい。また、図25は、支持部材602に対応する2つの箇所で支持された基板608を示しているけれども、使用される支持部材の数、支持部材の形態(例えば、形状及びサイズ)、基板の形状及びサイズ及び基板の所望の撓み点に基づいて、基板を任意の数の箇所で支持してもよい。基板は、ドアを取外すことによって形成される開口を通して容器1内に装填され、周囲支持部材600bに係合する。図25は、初期位置(把持延長部604が、支持部材602の頂面を通って形成される平面と実質的に同一平面内にある位置)から下がった位置にある周囲支持部材600bを示している。いったん基板608を容器1内に装填したら、ドアを容器に配置し、FOUP用として入手できる既知のラッチング機構を介して容器を密封する。次に、周囲支持部材600a、600bを下方(又は上方)に駆動すると、基板608が、周囲支持部材600bの把持延長部604及び周囲支持部材600aの凹面に接触していることにより、基板608は撓まされるか、変形される。周囲支持部材600aが、周囲支持部材600bと同様の把持延長部を有していてもよいこと、その逆でもよいこと、及び変形形態が設けられてもよいことを理解すべきである。周囲支持部材を下方に駆動する構造は、容器1内のレバーを含み、かかるレバーは、例えば、ドアが容器に配置されると下方に移動するドア作動形リテーナである。他の機構は、ラッチキーを含み、ラッチキーは、ドアをロックし、周囲支持部材又はドアとは別体の他の独立手段を昇降させる。1つの実施形態では、周囲支持部材600aは、ドアの内面に取付けられ、周囲支持部材600bは、容器の反対側に配置される。もちろん、周囲支持部材は、容器の任意の対向する側面の上に配置してもよく、ドア上に限定されるものではない。図25の実施形態では、基板608は、湾曲形状に変形されているが、支持部材602の数及び位置、及び周囲支持部材600a、600bの相対移動によっては他の多くの形状にしてもよい。周囲支持部材600a、600bは、同方向に移動するものが示されているが、一方の周囲支持部材は上方に並進運動し、他方の周囲支持部材は下方に並進運動するように構成してもよい。例えば図25の規制された湾曲形状は、輸送/搬送により引起される振動及び共振を最小にすることを理解すべきである。基板608は、円形、正方形、矩形又は他の任意の四辺形を含む任意の幾何学的形状にすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
上記容器及び隔絶システムは単なる例示であり、これにより本発明が限定されるものではないことを理解すべきである。FPDを格納し、搬送(輸送を含む)し、装填するための容器及びシステムの好ましい実施形態をしたことにより、当業者ならば、本発明のシステムが達成できる或る長所は明白であろう。例えば、容器及びシステムは、他の形式の基板の搬送、格納又は輸送に使用でき、又は半導体製造工場内の他の設備と関連して使用できる。上記多くの発明概念は、他の半導体製造プロセス、例えば450mm基板、又は単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜及び有機プロセス等のような全ての製造技術を含む太陽電池基板のような他の非半導体製造用途に等しく適用できる。本願に開示する容器は、異なる工場間での基板輸送用容器として、並びに工場内での基板の搬送用容器として使用できる。また、本発明の実施形態には、上記実施形態を通る単一基板又は多数の基板を支持するように構成された容器が含まれる。
【0059】
上記本発明は、理解を明瞭にする目的で幾分詳細に説明したが、或る変更は特許請求の範囲内で実施できるものであることは明白である。したがって、本発明の実施形態は例示のためのもので、限定するものではない。また、本発明は、本願に示した細部に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で変更できる。特許請求の範囲の記載において、要素及び/又は段階は、特許請求の範囲の記載において明示されていない限り、いかなる特定作動順序をも暗示するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルディスプレイ用の容器であって、
ベースと、
頂部と、
ベースと頂部との間を延びる側壁と、を有し、前記容器の側面に沿って開口が形成され、
更に、前記開口の上に移動可能に配置された可撓性ドアを有し、前記可撓性ドアは、剛性頂部材及び剛性底部材を有し、剛性頂部材の端部及び剛性底部材の端部は、それぞれの駆動部材に取付けられ、それぞれの駆動部材は、回転可能なシャフトを介して互いに同期される、容器。
【請求項2】
更に、フラットパネルディスプレイを支持するために容器内に配置された複数の支持要素を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記駆動部材は、ベルトであり、前記ベルトは、回転可能なシャフトのそれぞれの端部と接触し、それぞれの端部によって駆動される、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記複数の支持要素は、フラットパネルディスプレイが載る空気ベアリングを形成するように構成される、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記可撓性ドアは、孔が形成された剛性中間部材を有し、前記孔は、1つ又は2つ以上のフラットパネルディスプレイへのアクセスを可能にする、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記可撓性ドアは、剛性頂部材と剛性底部材との間で互いに間隔を隔てて配置された1対の剛性中間部材を有し、前記剛性中間部材は、容器内への開口を構成する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
容器は、フラットパネルディスプレイを加工するツールと互いに面するように構成され、前記ツールは、容器に係合する駆動バーを有し、前記駆動バーは、前記可撓性ドアを移動するように構成される、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記可撓性ドアは、固定シールと移動可能なシールとの間に配置され、前記可撓性ドアが開閉するとき、前記可撓性ドアは、前記固定シール及び前記移動可能なシールから間隔を隔てる、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記移動可能なシールは、アクチュエータに連結され、前記アクチュエータは、前記移動可能なシールを前記可撓性ドアの第1の面に押付け且つ前記可撓性ドアの第2の面を前記固定シールに押付けるように構成される、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
可撓性シール及び前記移動可能なシールは、前記可撓性ドアの周囲にわたって配置される、請求項8に記載の容器。
【請求項11】
フラットパネルディスプレイを搬送する容器であって、
フラットパネルディスプレイを支持するために容器内に構成された複数の互いに間隔を隔てた支持部材と、
容器の表面に沿って構成され且つ容器の内側領域へのアクセスを可能にする開口と、
前記開口の上に移動可能に配置された可撓性ドアと、を有し、前記可撓性ドアは、剛性頂部材及び剛性底部材を有し、剛性頂部材は、駆動部材を介して剛性底部材に連結され、
更に、容器の外面を横切るように配置された同期シャフトを有し、前記同期シャフトは、容器の内側領域へのアクセスを開放したり閉鎖したりするように前記可撓性ドアを移動させる駆動部材を駆動し、
更に、容器の表面に取付けられた空気供給部を有し、前記空気供給部は、容器の内側領域へのアクセス部を有し、外側環境からの粒子の侵入を防止する空気圧を容器内に発生させるように構成される、容器。
【請求項12】
前記空気供給部は、前記開口に対向するように容器の側面に取付けられたブロワである、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
更に、前記空気供給部の下流に配置されたフィルタを有する、請求項11に記載の容器。
【請求項14】
更に、前記空気供給部及びフィルタからの空気を容器の内部領域内に分散させるように構成されたディフューザを有する、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
更に、前記同期シャフトと対角線方向反対側に位置するように容器の外面に沿って配置された第2の同期シャフトを有する、請求項11に記載の容器。
【請求項16】
前記空気供給部は、更に、前記可撓性ドアが開状態にあるときに、前記可撓性ドアの内面の上の空気流の掃気を行うように構成される、請求項11に記載の容器。
【請求項17】
更に、前記内側領域の外面と容器の外面との間に配置された可撓性ドア受入れキャビティを有し、前記可撓性ドア受入れキャビティは、前記可撓性ドアが開状態にあるときに前記可撓性ドアを収容するように構成される、請求項11に記載の容器。
【請求項18】
前記可撓性ドア受入れキャビティは、容器の底面に沿って配置される、請求項17に記載の容器。
【請求項19】
容器は、フラットパネルディスプレイ加工ツールの装填ポートと互いに面するように構成される、請求項11に記載の容器。
【請求項20】
フラットパネルディスプレイ加工ツールと、
包囲体と、を有し、前記包囲体は、その内部に、制御された環境を有し、前記包囲体は、フラットパネル基板をフラットパネルディスプレイ加工ツールに及びそれから移動させるハンドリングロボットと、装填ポートとを収容し、フラットパネル基板を前記装填ポートを通して移動させるように構成され、
更に、フラットパネル基板を搬送するように構成された容器を有し、前記容器は、その表面に沿って形成された開口の上に移動可能に配置された移動可能なドアを通して装填ポートと互いに面するように構成され、
前記移動可能なドアは、剛性頂部材及び剛性底部材を有し、剛性頂部材は、複数の駆動部材を介して剛性底部材に連結され、
前記容器は、更に、その外面を横切るように配置された同期シャフトを有し、前記同期シャフトは、前記容器の内側領域へのアクセスを開放したり閉鎖したりするように前記可撓性ドアを移動させる複数の駆動部材を駆動し、
前記移動可能なドアは、前記容器の外面の周りを摺動可能に移動する、フラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項21】
前記ハンドリングロボットは、2次元で移動するように構成されたスライド組立体を有する、請求項20に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項22】
前記容器は、フラットパネル基板を支持する支持部材を有し、フラットパネル基板は、前記支持部材により支持されているときに非平面である、請求項20に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項23】
前記ハンドリングロボットは、前記移動可能なドアが開いているときに容器の内側領域にアクセスするように構成されたアーム延長部を有し、前記アーム延長部は、非平面フラットパネル基板と係合するように上方に湾曲する、請求項22に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項24】
前記移動可能なドアは、剛性頂部材と剛性底部材との間で互いに間隔を隔てて配置された1対の剛性中間部材を有し、前記1対の剛性中間部材は、前記容器内への開口を形成する、請求項20に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項25】
前記包囲体は、その表面から延びる駆動バーを介して前記容器の移動可能なドアと係合し、前記駆動バーは、前記移動可能なドアの運動と前記包囲体の移動可能なドアの運動とを同期させるように構成される、請求項24に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項26】
前記移動可能なドアは、ポリエステルフィルム及びステンレス鋼箔の一方で形成される、請求項20に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項27】
フラットパネルディスプレイ加工ツールと、
基板を搬送するように構成された容器と、を有し、前記容器は、その表面に沿って形成された開口の上に移動可能に配置された移動可能なドアを介して前記フラットパネルディスプレイ加工ツールに互いに面するように構成され、
前記移動可能なドアは、剛性頂部材及び剛性底部材を有し、剛性頂部材は、複数の駆動部材を介して剛性底部材に連結され、
前記容器は、更に、その外面を横切るように配置された同期シャフトを有し、前記同期シャフトは、容器の内側領域へのアクセスを開放したり閉鎖したりするように前記可撓性ドアを移動させる駆動部材を駆動し、
前記移動可能なドアは、前記容器の外面の周りを摺動可能に移動する、フラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項28】
前記容器は、基板の底面を支持するように構成された複数の支持要素を有する、請求項27に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項29】
更に、周囲支持部材を有し、前記周囲支持部材は、把持延長部を介して基板の周囲面を支持するように構成されると共に、基板の形状を非平面形状に変形させるために、複数の支持要素を介して構成された平面から並進移動するように構成される、請求項28に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。
【請求項30】
前記非平面形状は、湾曲形状であり、前記周囲支持部材は、垂直方向に並進移動する、請求項29に記載のフラットパネルディスプレイ加工システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A−19B】
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【図20A−20B】
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【図21A−21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2010−512292(P2010−512292A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540521(P2009−540521)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/087034
【国際公開番号】WO2008/070876
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(306029419)アシスト テクノロジーズ インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Asyst Technologies,Inc.
【住所又は居所原語表記】46897 Bayside Parkway,Fremont,California 94538,U.S.A.
【Fターム(参考)】