説明

フラット屋根

【課題】歩行安定性や防水性の低下を防止し、しかも、気密性や施工性を高くすることができるフラット屋根を提供する。
【解決手段】二枚の金属外皮1、2の間に断熱材3を介在させて断熱パネル4を形成する。複数枚の断熱パネル4、4…を建物躯体5に載設すると共に隣接する断熱パネル4、4を接続する。断熱パネル4の上面を覆って防水シート6を敷設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、倉庫、事務所、店舗、体育館、劇場、マンションなどの広範囲の屋根(リニューアルの屋根を含む)として利用可能なフラット屋根に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9に従来のフラット屋根の一例を示す。このフラット屋根は、H形鋼などの屋根下地30の上に折板(デッキプレート)31を配設し、折板31の上に発泡パネル32を載設すると共に発泡パネル32の上に防水シート33を敷設するようにして形成されている(特許文献1参照)。上記の発泡パネル32はポリエチレンやポリスチレンやポリウレタンなどの発泡体で形成されており、また、防水シート33としては塩化ビニル樹脂製シートやポリオレフィンシートなどが用いられている。このようなフラット屋根としては、折板31の代わりに、図10に示すような断面形状を有するフラットデッキ35を用いたものもある。
【0003】
しかし、上記のフラット屋根では、発泡パネル32と防水シート33の両方とも強度が大きくないために、空調機や水タンクなどのメンテナンス等の際にフラット屋根上を歩行したり、現場搬入時・施工時及び施工後の軽歩行をしたりすると、発泡パネル32と防水シート33に割れや凹みが生じて歩行安定性や防水性が低下する恐れがあった。また、発泡パネル(断熱材)の吸湿、劣化による断熱性能の低下が問題となっていた。また、折板31と発泡パネル32と防水シート33を順番に三工程で施工しなければならず、工期が長くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−242382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、歩行安定性や防水性の低下を防止し、しかも、気密性や施工性を高くすることができるフラット屋根を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフラット屋根は、上下二枚の金属外皮1、2の間に断熱材3を介在させて断熱パネル4を形成し、複数枚の断熱パネル4、4…を建物躯体5に載設すると共に隣接する断熱パネル4、4を接続させ、断熱パネル4に防水シート6を敷設して成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明にあっては、断熱パネル4の上面が平面であることが好ましい。
【0008】
また、本発明にあっては、隣接する断熱パネル4,4を嵌合により接続するのが好ましい。
【0009】
また、本発明にあっては、嵌合部分に熱膨張性のパッキン12を設けるのが好ましい。
【0010】
また、本発明にあっては、隣接する断熱パネル4,4を、断熱パネル4,4の嵌合凸部10と嵌合凹部11との嵌合により接続することが好ましい。
【0011】
また、本発明にあっては、断熱材3は樹脂断熱材であり、各金属外皮1,2の一端側を嵌合凸部10の先端面で樹脂断熱材上に配置すると共にこの先端面において金属外皮1,2の一端部間を離間させ、各金属外皮1,2の他端側を嵌合凹部11の底面で樹脂断熱材上に配置すると共にこの底面において金属外皮1,2の他端部間を離間させることが好ましい。
【0012】
また、本発明にあっては、熱膨張性のパッキン12を、嵌合凸部10の先端面と嵌合凹部11の底面との間で、一方の金属外皮1に嵌合方向に重なる位置から、他方の金属外皮
2に嵌合方向に重なる位置に亘って、配置することが好ましい。
【0013】
また、本発明にあっては、各金属外皮1,2の他端側を断熱材3側に間隔をあけて折り返すことで、折り返し部分同士の間に嵌合凹部11を形成することが好ましい。
【0014】
また、本発明にあっては、嵌合凸部10を上下対称形状に形成すると共に、嵌合凹部11も上下対称形状に形成することが好ましい。
【0015】
また、本発明にあっては、上方に突出する周囲部40が、内壁断熱パネル42と外壁断熱パネル41と上部断熱パネル43とから形成されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明にあっては、断熱パネル4は、この断熱パネル4から建物躯体5まで固定具13aが打ち込まれることで建物躯体5に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、上下二枚の金属外皮1,2で断熱材3をサンドイッチした断熱パネル4を用いるので、現場搬入時、施工時及び施工後に、その上を歩いても断熱パネル4に割れや凹みを生じないようにすることができ、歩行安定性や断熱性能や防水性を確保することができるものである。また、隣接する断熱パネル4、4を嵌合により接続するので、嵌合しない場合に比べて、通気性を低くすることができ、気密性を高くすることができるものである。さらに、従来のフラット屋根のシート防水の構成は、折板(デッキプレート)の載設と発泡パネルの載設と防水シートの載設の三工程が必要なのに対して、本発明では、断熱パネル4の載設と防水シート6の載設の二工程となり、施工性が高く、且つ工期短縮も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す一部が破断した斜視図である。
【図2】同上の一部の断面図である。
【図3】同上の本発明で用いる断熱パネルを示す斜視図である。
【図4】同上の許容スパンを示すグラフである。
【図5】同上の本発明で用いる固定ディスクを示す斜視図である。
【図6】(a)(b)は同上の本発明を示す断面図である。
【図7】同上の本発明で用いる他の断熱パネルを示す断面図である。
【図8】(a)は同上の他の防水シートの固定方法を示す断面図、(b)は座金を示す断面図、(c)は座金を示す平面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】他の従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0020】
本発明で用いる断熱パネル4は、図3に示すように、上下二枚の金属外皮1、2の間に断熱材3を充填して介在させることによって、サンドイッチパネルとして形成したものである。金属外皮1、2は厚み0.27〜1.6mm程度の金属板をロール加工や折り曲げ加工するなどして形成されるものである。この場合、金属板としてはステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板(商品名「ガルバリウム鋼板」)、塗装鋼板、塩化ビニル樹脂被覆鋼板などの各種の金属板を用いることができる。金属外皮1と金属外皮2の厚みは同一であっても異なっていても良い。また、断熱材3としては厚み20〜120mm程度のものを用いることができる。この場合、無機質断熱材としてはロックウールやグラスウールなどを用いることができ、樹脂断熱材としてはウレタンフォームやスチレンフォームやフェノールフォームやポリイソシアヌレートフォームなどを用いることができる。金属外皮1、2と断熱材3とは接着して一体化することができる。さらに、断熱パネル4の一つの端部には嵌合凸部10が全長に亘って形成されていると共に断熱パネル4の他の一つの端部には嵌合凹部11が全長に亘って形成されている。残りの二つの端部には嵌合凸部10や嵌合凹部11が形成されておらず、その端面は平坦に形成されている。
【0021】
本発明では施工時及び施工後に歩行しても破損せず、デッキプレートと断熱材の二工程の材料を使うことなくフラット屋根を形成するために、断熱材3を金属外皮1、2で補強した断熱パネル4を用いる。断熱パネル4としては母屋等の建物躯体5,5間の荷重に耐え得る断面性能のものを用いる。断熱パネル4の断面性能は断面二次モーメントと断面係数とで表すことができ、本発明では断面二次モーメントが11cm4/m以上、断面係数が20cm3/m以上であることが好ましい。また、本発明のフラット屋根の断熱性能を確保するために、熱抵抗値は1.5m2K/W以上、熱伝導率0.02W/m・K以下であることが好ましい。尚、断面性能(断面二次モーメント及び断面係数)は大きいほど、母屋などの建物躯体5の間隔を広げることができて好ましいので、特に上限は設定されず、例えば、下面に突条25を設けて断面形状を有利にした図7のような断熱パネル4を用いることができる。また、断熱性能(熱抵抗値)も大きい方が好ましい。
【0022】
図4には、母屋の許容スパンのグラフを示す。この場合、断熱パネル4としては、金属外皮1、2を厚み0.35mmのガルバリウム鋼板で形成し、断熱材3としてポリイソシアヌレートフォームを用い、一枚当たりの断熱パネル4の大きさが幅910mm、厚さ35mm、重量8.0kg/m2のものを用いた。
【0023】
防水シート6としては、防水性を有する軟質高分子材料、例えば、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等の軟質熱可塑性合成樹脂の他、アスファルトや改質アスファルトや合成ゴム等により形成したものを用いることができる。これらの樹脂材料等を単独で形成するようにしても、1種以上の複数の樹脂材料を積層状態にして形成するようにしても良い。防水シート6は長期間の防水性や紫外線及びオゾンに対する耐久性などに優れたものであるが、中でも特に、軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなるものは、圧延等を利用することにより成形を容易に行え、熱融着できるので、経済性や施工性に優れ、好適に用いることができる。防水シート6の厚みは1〜3mmとすることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
そして、本発明のフラット屋根は以下のようにして形成することができる。まず、複数枚の断熱パネル4、4…を建物躯体5に略水平に、すなわち、断熱パネル4の面方向が略水平になるように載設する。建物躯体5は屋根の梁や母屋などであり、C型鋼やH型鋼などを配設して形成することができる。また、建物躯体5の長手方向と平行な方向において隣り合う断熱パネル4、4は、嵌合凸部10と嵌合凹部11とを嵌合することにより接続される。ここで、嵌合凸部10の先端面と嵌合凹部11の底面との間にパッキン12を介在させることにより、気密性や防水性を高めることができる。建物躯体5の長手方向と直交する方向において隣り合う断熱パネル4、4は、互いの端面を突き合わせて接続する。この時、施工誤差の吸収のために若干の隙間をあけて接続してもよい。また、隣接する断熱パネル4、4の接続された端部の上面間にはアルミニウム箔を用いた断熱テープ17(幅寸法は約50mm)を全長に亘って貼着することが望ましい。これにより、隣接する断熱パネル4、4の接続された端部間の隙間を断熱テープ17で塞いで気密性や断熱性を高めることができる。
【0025】
また、断熱パネル4の上側から建物躯体5までビスや釘などの固定具13aを打ち込むことにより、断熱パネル4を建物躯体5に固定することができる。また、固定された断熱パネル4に固定ディスク14を通して他の固定具13bを打ち込むことより断熱パネル4の上面に固定ディスク14を取り付ける。図5に示すように、固定ディスク14は、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂やフッ素樹脂等のホットメルト接着層16を表面に設けた金属製の円板であり、例えば、ステンレス鋼板製で直径約50mmの円板を用いることができる。そして、複数個の固定ディスク14を所定の間隔(約70cmピッチ)で配置した後、固定ディスク14の貫通孔14aに上側から固定具13bを通し、この固定具13bを断熱パネル4の上側から建物躯体5にまで打ち込むようにする。
【0026】
次に、図6(a)(b)に示すように、建物躯体5に固定した断熱パネル4、4…をシート下地として、その上面を覆うように防水シート6を敷設する。この場合、防水シート6を全ての断熱パネル4、4…の上に被せた後、固定ディスク14に対応する部分を熱風や電磁誘導等で加熱してホットメルト接着層16を溶融し、この後、再びホットメルト接着層16を固化又は硬化させることによって、防水シート6を固定ディスク14に接着して固定する。また、複数枚の防水シート6、6…を用いる場合は、隣接する防水シート6、6の端部同士(30〜60mm)を重ね合せ、この部分を加熱した後、再びホットメルト接着層を固化又は硬化させることによって、防水シート6、6の端部を接着するのが好ましい。また、アスファルトや改質アスファルトを防水シート6として用いる場合は、断熱パネル4の上面と接着剤で接着する接着工法を採用することができる。このようにして防水シート6、6…を接合して一体化したシームレス工法により自由度が高く雨水などの浸入を完全に防止することができる。尚、防水シート6の接着には、公知の自動溶着機や溶剤溶着などを併用することができる。
【0027】
図8(a)に防水シート6の固定方法の他例を示す。この方法では、図8(b)(c)に示すように、下面に突出する突起20を有する座金21を用いる。そして、まず、建物躯体5に固定した断熱パネル4、4…の上に防水シート6を敷設し、その端部の上に座金21を載せた後、座金21の中央部の貫通孔21aから防水シート6を貫通するようにして断熱パネル4に固定具13bを打ち込む。これにより、座金21の突起20を防水シート6に食い込ませながら防水シート6を断熱パネル4に固定する。この後、座金21及び固定具13bで固定した防水シート6に隣接させて他の防水シート6を敷設するが、この時、固定した防水シート6の端部の上に他の防水シート6の端部を重ね合わせることによって、座金21と固定具13b及びこれらで固定した防水シート6の端部を、他の防水シート6の端部で覆うようにする。この後、上下に重なった防水シート6、6の端部同士を熱融着等で接着する。このようにして防水シート6、6の端部を隙間なく接着することができる。
【0028】
また、図1、2に示すように、本発明のフラット屋根の周囲の一例を示すと、上方に突出する周囲部40が形成されている。周囲部40は内壁断熱パネル42と外壁断熱パネル41と上部断熱パネル43とを建物躯体5に固定具44で取り付けることにより形成されている。内壁断熱パネル42と外壁断熱パネル41と上部断熱パネル43は上記シート下地用の断熱パネル4と同様のサンドイッチパネルで形成されている。内壁断熱パネル42の表面には上記と同様の防水シート6が設けられている。また、略水平の断熱パネル4と略鉛直の内壁断熱パネル42の接合部分には断面略L字状の接着金具45が設けられており、接着金具45のホットメルト接着層に断熱パネル4を覆う防水シート6の端部と内壁断熱パネル42を防水シート6の端部とを重ね合せて熱融着する。さらに、周囲部40の上端にアルミニウム製などの笠木46を取り付ける。このようにして本発明のフラット屋根を形成することができる。
【0029】
本発明のフラット屋根では、他の金属屋根材と同様に、屋根の軽量化を実現し、シンプルな平面・断面構成により高い意匠性・断熱性を実現することができる。また、金属外皮1、2で断熱材3をサンドイッチしていることにより、現場搬入時、施工時及び施工後の軽歩行による断熱材3の凹み、割れ、欠けといった懸念が大幅に低減される。また、金属外皮1、2によって断熱材3を保護するため、断熱材(イソシアヌレートフォーム)3の吸湿による断熱性能の低下を大幅に低減することができる。また、断熱パネル4の優れた防耐火性能(不燃材料、屋根耐火30分)により、制限の厳しい防火地域を含むさまざまな地域の屋根として適応可能である。また、建物躯体5の挙動が大きいS造(鉄骨を構造材料としてつくった構造のこと)に適した工法で、地域・建物寸法に合わせた耐風圧力を考慮して安全率のコントロールも容易に行うことができる。また、隣接する断熱パネル4、4の嵌合部分はパッキン12入りであり、継ぎ手、取合部表面にアルミニウム製などの断熱テープ17を貼付することにより良好な気密性が得られ、断熱性に優れた断熱パネル4をシート下地として用いて建物躯体5の外側に施工するので、外断熱工法により屋根の断熱性能を高くすることができ、空調費の低減を図ることができる。特に、壁も断熱パネルを形成すると、外断熱の快適な空間を形成することができる。また、従来のシート防水下地の構成はデッキプレート敷設と断熱材敷設と防水シート敷設を順番に三工程で施工しなければならないが、本発明では断熱パネル4の敷設と防水シート6の敷設の二工程となり、迅速施工により工期の短縮を図ることができる。また、断熱パネル4は軽量であり、ビス等の固定具13aで止めつけることにより簡単に施工することができる。
【0030】
また、断面性能が大きくて剛性が高い断熱パネル4の凹凸のないフラットな面で防水シート6を全面に亘って支持しているので、施工時やメンテナンス時の歩行に対して割れや凹みなどが生じず、安定して歩行することができるものであり、特に、空調設備の室外機などをメンテナンスする際に有効である。
【0031】
また、従来の折板31と発泡パネル32に相当する断熱パネル4を一度に施工することができ、施工性を高くすることができるものであり、しかも、断熱パネル4は軽量でビスなどの固定具13aで締め付けることにより、簡単に施工することができ、また、断熱材3も金属外皮1、2で保護しており、風などで飛ばされないようにすることができる。
【0032】
また、台風等で万一防水シート6に疵や裂け目ができた場合でも、防水シート6の熱溶着により簡単に確実に補修することができる。また、断熱パネル4の表面は金属外皮1、2で硬質のために、カラスなどの鳥が防水シート6をくちばしでつつかないようになって、鳥害を防止することができる。
【0033】
本発明において、パッキン12としては火災時の熱で発泡して膨張するものを用いることができ、例えば、厚み1〜6mmのシート状の膨張フェルトで形成することができる。膨張フェルトは一般名称が「グラファイト配合型加熱膨張・不燃性ロックウールフェルト」と称されるものであって、例えば、商品名が「BLGR(ブルーライトグラファイト)」などを称されるものを用いることができる(BLはロックウールフェルトの商品名)。また、膨張フェルトとしては、その組成がロックウール:83%、バインダー:7%、グラファイト:10%のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、膨張フェルトとしては、膨張開始温度が200〜250℃、膨張終了温度が500〜550℃であり、加熱発泡倍率が厚み方向において300℃で250〜300%、400℃で300〜350%、500℃で350〜400%、600℃で450〜500%のものを使用することができる。さらに、膨張フェルトはロックウールフェルトと同等の不燃性を有するものである。そして、火災時の加熱により、パッキン12が膨張することにより、嵌合凸部10と嵌合凹部11の嵌合部分に火災の加熱により隙間が生じても、この隙間を膨張したパッキン12が充填(又は充満)して隙間を閉塞することができる。従って、パッキン12による隙間の閉塞によって、断熱パネル4の一方の表面側で生じた火災の炎が、断熱パネル4の他方の表面側に通り抜けないようにすることができ、隣接する断熱パネル4、4の接続部分の耐火性を向上させることができるものであり、飛び火性能などを高くすることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 金属外皮
2 金属外皮
3 断熱材
4 断熱パネル
5 建物躯体
6 防水シート
12 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下二枚の金属外皮の間に断熱材を介在させて断熱パネルを形成し、複数枚の断熱パネルを建物躯体に載設すると共に隣接する断熱パネルを接続させ、断熱パネルに防水シートを敷設して成ることを特徴とするフラット屋根。
【請求項2】
隣接する断熱パネルを、断熱パネルの嵌合凸部と嵌合凹部との嵌合により接続して成ることを特徴とする請求項1に記載のフラット屋根。
【請求項3】
断熱材は樹脂断熱材であり、各金属外皮の一端側を嵌合凸部の先端面で樹脂断熱材上に配置すると共にこの先端面において金属外皮の一端部間を離間させ、各金属外皮の他端側を嵌合凹部の底面で樹脂断熱材上に配置すると共にこの底面において金属外皮の他端部間を離間させることを特徴とする請求項2に記載のフラット屋根。
【請求項4】
嵌合部分に熱膨張性のパッキンを設けて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載のフラット屋根。
【請求項5】
熱膨張性のパッキンを、嵌合凸部の先端面と嵌合凹部の底面との間で、一方の金属外皮に嵌合方向に重なる位置から、他方の金属外皮に嵌合方向に重なる位置に亘って、配置することを特徴とする請求項4に記載のフラット屋根。
【請求項6】
各金属外皮の他端側を断熱材側に間隔をあけて折り返すことで、折り返し部分同士の間に嵌合凹部を形成することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のフラット屋根。
【請求項7】
嵌合凸部を上下対称形状に形成すると共に、嵌合凹部も上下対称形状に形成することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載のフラット屋根。
【請求項8】
断熱パネルが、この断熱パネルから建物躯体まで固定具が打ち込まれることで建物躯体に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフラット屋根。
【請求項9】
断熱パネルの上面が平面であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフラット屋根。
【請求項10】
上方に突出する周囲部が、内壁断熱パネルと外壁断熱パネルと上部断熱パネルとから形成されている請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフラット屋根。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−57241(P2013−57241A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280582(P2012−280582)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2006−86943(P2006−86943)の分割
【原出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)