説明

フランジ継手およびその製造方法

【課題】 高圧に耐えることができる十分な強度を有しているフランジ継手およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 第1補強部材33を下型21の柱状部21c周面に沿わせて、切り目を入れた部分を折り曲げて下型21の平坦面21aに沿わせる。これにより、第1補強部材33の切り目を入れた部分が、複数の方形状フランジ部補強部33bおよび隣り合うフランジ部補強部33b間に形成された三角形状隙間部Gからなる形状となる。次いで、フランジ部補強部33bおよびその両側の三角形状隙間部Gを合わせた台形状とされた第2補強部材34A,34Bを隣り合う第2補強部材34A,34Bの三角形状部分34b同士が重なるように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フランジ継手およびその製造方法に関し、特に、外周面がガラス繊維強化樹脂(FRP)層で強化された硬質塩化ビニル樹脂管からなる複層管の結合に使用するのに適したフランジ継手およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外周面がガラス繊維強化樹脂層で強化された硬質塩化ビニル樹脂管からなる複層管の結合に際しては、充填型接着剤を使用することが知られている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1の結合においては、複層管からガラス繊維強化樹脂管を剥ぎ取るに当たっては、複層管におけるガラス繊維強化樹脂層に対し、硬質塩化ビニル間まで切り込まないように注意しながらノコギリ等で切込みを入れ、剥ぎ取る箇所をバーナー等で加熱した後、ペンチ等を用いてガラス繊維強化樹脂層を剥ぎ取るといった繁雑な作業工程を要する。特に、高圧配管として使用される複層管においては、ガラス繊維強化樹脂層が非常に厚く設けられており、剥ぎ取り作業をより困難なものにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−207087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラス繊維強化樹脂層の剥ぎ取り工程が不要な結合として、フランジ継手構造が知られているが、上記複層管の結合に使用されるフランジ継手は、高圧に耐えることができる十分な強度を有していることが必要であり、このようなフランジ継手は、従来知られていなかった。
【0006】
この発明の目的は、高圧に耐えることができる十分な強度を有しているフランジ継手およびその製造方法を提供することにある。.
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるフランジ継手は、筒部およびフランジ部を有し、筒部およびフランジ部を補強するためのガラス基材が配置されたガラス繊維強化樹脂製一体品とされたフランジ継手であって、ガラス基材は、筒部を形成する複数の筒部形成層と、各筒部形成層に連なりフランジ部を形成する複数のフランジ部形成層と、フランジ部形成層間に重ね合わされた複数のフランジ部補強用小片とからなり、各フランジ部形成層は、隣り合う方形状フランジ部補強部間に三角形状隙間部がある形状とされており、フランジ部補強用小片は、フランジ部補強部とその両側の隙間部とを合わせた台形状とされて、隣り合うフランジ部補強用小片の三角形状部分同士が重なるように配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
従来、外周面がガラス繊維強化樹脂層で強化された硬質塩化ビニル樹脂管からなる複層管の結合に際しては、ガラス繊維強化樹脂層を剥ぎ取って、充填型接着剤を使用する方法が採られていたが、このフランジ継手を使用することで、ガラス繊維強化樹脂層の剥ぎ取り工程が不要な結合(フランジ継手構造)が可能となる。この発明のフランジ継手によると、ガラス基材のフランジ部形成層が筒部形成層に連なっていることで、フランジ部と筒部との境界部分の強度が高められ、しかも、フランジ部補強用小片が隣り合うものの三角形状部分同士が重なるように配置されていることで、フランジ部が厚くしかも十分な量のガラス基材で補強され、高圧に耐えることができる十分な強度を有しているものとなる。
【0009】
この発明によるフランジ継手の製造方法は、筒部およびフランジ部を有するガラス繊維強化樹脂製一体品のフランジ継手を、筒部の内周面を形成する柱状部が形成された下型に筒部およびフランジ部を補強するガラス基材を配置して、真空注入成形によって樹脂を注入することによって製造するフランジ継手の製造方法であって、方形シート状のガラス基材からなり縁部に沿って所定間隔で切り目を入れた第1補強部材と、台形状の小片のガラス基材からなる第2補強部材とを使用し、まず、第1補強部材を下型の柱状部周面に沿わせて、切り目を入れた部分を折り曲げて下型の底面に沿わせ、これにより、第1補強部材の切り目を入れた部分が、複数の方形状フランジ部補強部および隣り合うフランジ部補強部間に形成された三角形状隙間部からなる形状となり、次いで、フランジ部補強部およびその両側の三角形状隙間部を合わせた台形状とされた第2補強部材を隣り合う第2補強部材の三角形状部分同士が重なるように配置することを特徴とするものである。
【0010】
真空注入成形法は、公知のもので、ガラス基材を成形型にセットした後、成形型を組み立てて、硬化剤などを加えて撹拌した樹脂を成形型に注入するとともに、成形型内の空気を吸引し、成形型内に配置したガラス基材に樹脂を含浸させて常温で硬化させることで、成形品を得るものである。
【0011】
この発明の製造方法によると、通常、ハンドレイアップで製造されるフランジ継手のガラス繊維強化樹脂製一体品を真空注入成形法で製造することができる。真空注入成形法による製造は、樹脂リッチに伴うクラックが発生しやすいが、筒部およびフランジ部を補強する第1補強部材とフランジ部だけを補強する第2補強部材とを使用することで、樹脂リッチの解消が図られる。すなわち、ガラス基材のフランジ部形成層が筒部形成層に連なるようにした場合、フランジ部形成層に凹凸が生じるところ、フランジ部補強部とその両側の三角形状隙間部とを合わせた台形状小片からなる第2補強部材を使用して、これを隣り合う第2補強部材の三角形状部分同士が重なるように配置することで、凹凸のないフランジ部の補強を可能とし、これにより、充填するガラス基材の割合を高めることができるとともに、部分的なガラス基材の過不足が抑えられ、樹脂リッチに伴うクラックの発生を防止することができる。
【0012】
ガラス基材としては、チョップドストランドマット、コンティニアスストランドマットなどのマットの形態であってもよく、ロービングクロスのようなクロスの形態であってもよく、異なる方向のロービングを積層したシートやマットとクロスとの積層シートのように複数の層からなる複層シートの形態であってもよい。このうち、ロービングクロス等長繊維の強化繊維編み物とチョップマット等短繊維マットとを積層して糸で編んで止めたものを使用すると特に好ましい。
【0013】
樹脂としては、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノールなどを適宜使用することができる。
【0014】
第1補強部材の長さは、例えば円周の半分とされ、2枚の第1補強部材を突き合わせて1つの層を形成し、1つの層に次の層を重ねる場合には、突き合わせ部をずらすことが好ましい。第1補強部材の長さは、円周分とされてもよく、円周の1/3などとされてもよい。いずれにしろ、1つの層に次の層を重ねる場合には、突き合わせ部をずらすことが好ましい。切り目の数は、特に限定されないが、例えば、円周分の長さに対して8〜24程度とすればよい。
【0015】
なお、この発明において、「方形」、「三角形」および「台形」は、各辺が直線の方形、三角形および台形だけでなく、一部の辺が曲線で置き換えられた方形、三角形および台形を含むものとする。
【発明の効果】
【0016】
この発明のフランジ継手によると、ガラス基材のフランジ部形成層が筒部形成層に連なっていることで、フランジ部と筒部との境界部分の強度が高められ、しかも、フランジ部補強用小片が隣り合うものの三角形状部分同士が重なるように配置されていることで、フランジ部が厚くしかも十分な量のガラス基材で補強され、高圧に耐えることができる十分な強度を有している。これにより、外周面がガラス繊維強化樹脂層で強化された硬質塩化ビニル樹脂管からなる複層管を結合する際に、ボルト等の締結部材を使用した締結が可能となり、ガラス繊維強化樹脂層を剥ぎ取る作業を不要とすることができ、結合作業を簡単なものとすることができる。
【0017】
この発明のフランジ継手の製造方法によると、ガラス基材のフランジ部形成層が筒部形成層に連なるようにした場合、フランジ部形成層に凹凸が生じるところ、第2補強部材を隣り合う第2補強部材の三角形状部分同士が重なるように配置することで、凹凸のないフランジ部の補強を可能とし、これにより、充填するガラス基材の割合を高めることができるとともに、部分的なガラス基材の過不足が抑えられ、樹脂リッチに伴うクラックの発生を防止することができる。こうして、従来困難であったフランジ継手のガラス繊維強化樹脂製一体品の製造を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明によるフランジ継手を示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明によるフランジ継手を使用した複層管結合構造を示す縦断面図である。
【図3】図3は、この発明によるフランジ継手の製造方法で使用される金型(下型および上型)の断面図である。
【図4】図4(a)は、この発明によるフランジ継手の製造方法で使用される上型を上下逆にして示す斜視図であり、図4(b)は、下型を示す斜視図である。
【図5】図5は、この発明によるフランジ継手の製造方法における下型へのガラス基材配置状態を示す斜視図である。
【図6】図6(a)は、フランジ継手の筒部およびフランジ部を補強するガラス基材(第1補強部材)を示す図であり、図6(b)は、フランジ部だけを補強するガラス基材(第2補強部材)を示す図である。
【図7】図7は、第1層目の第1補強部材を下型に配置した状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、第1補強部材の上に第2補強部材を配置していく工程を示す図で、(a)は、第1補強部材だけの状態を示し、(b)は、第1補強部材の上に第2補強部材を1枚配置した状態を示し、(c)は、第2補強部材をもう1枚配置した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、この発明によるガラス繊維強化樹脂(FRP)製フランジ継手を示しており、図2は、このフランジ継手(11)を使用した複層管結合構造(1)を示している。
【0021】
フランジ継手(11)は、筒部(12)と、筒部(12)の一端に設けられたフランジ部(13)と、フランジ部(13)の軸方向内側の面に周方向に所定間隔で設けられた複数の三角形状のリブ(14)と、フランジ部(13)の外周寄り部分にリブ(14)と同じ間隔で設けられた複数のボルト挿通孔(15)とを有している。
【0022】
各リブ(14)は、筒部(12)の外周面とフランジ部(13)の軸方向内側面とにまたがって形成されており、1対の三角形面(14a)と、三角形面(14a)の斜辺同士を連結する傾斜面(14b)とを有している。
【0023】
複層管結合構造(1)は、外周面がガラス繊維強化樹脂層で強化された硬質塩化ビニル樹脂管をフランジ継手を使用して結合する構造であって、硬質塩化ビニル樹脂管(3)およびその外周面に設けられたガラス繊維強化樹脂層(4)からなる複層管(2)と、複層管(2)の外周に嵌められた中子(5)と、中子(5)の外周面に嵌められたフランジ継手(11)とを備えている。
【0024】
複層管(2)のガラス繊維強化樹脂層(4)には、2本の環状溝(4a)が形成されており、中子(5)には、この環状溝(4a)に嵌め合わされる環状凸部(5a)が形成されている。中子(5)は、2つの半円筒状体からなる2つ割構造とされることで、複層管(2)に嵌め合わせ可能とされている。中子(5)の外周面は、テーパ面とされている。フランジ継手(11)の内周面は、中子(5)のテーパ面に対応するテーパ面とされており、フランジ継手(11)は、中子(5)を取り付ける前に、複層管(2)に嵌められて、中子(5)を取り付けた後に、複層管(2)に沿って軸方向外方に移動させられることで、中子(5)の外周に嵌め合わせられる。
【0025】
複層管結合構造(1)は、フランジ継手(11)と相手側のフランジ継手または継手部材のフランジ部(17)とが重ね合わされて、ボルト挿通孔(15)に挿通されたボルト(16)によって結合される。
【0026】
この発明によるフランジ継手の製造方法は、上記のガラス繊維強化樹脂製フランジ継手(11)を真空注入成形法により製造するものである。
【0027】
真空注入成形法は、ガラス基材を成形型に配置した後、成形型を組み立てて、硬化剤などを加えて撹拌した樹脂を成形型に注入するとともに、成形型内の空気を吸引し、成形型内に配置したガラス基材に樹脂を含浸させて常温で硬化させることで、成形品を得るものである。
【0028】
フランジ継手(11)の製造では、図3および図4に示す下型(21)と上型(22)とが使用される。
【0029】
下型(21)には、フランジ部(13)の軸方向外側面を形成するための環状平坦面(底面)(21a)と、フランジ部(13)の外周面を形成するための短円筒面(21b)と、筒部(12)の内周面(テーパ面)を形成するための柱状部(21c)とが形成されている。
【0030】
上型(22)には、フランジ部(13)の軸方向内側面を形成するための環状平坦面(底面)(22a)と、筒部(12)の外周面(テーパ面)を形成するための内周面(22b)と、筒部(12)の端面を形成するための頂面(22c)と、複数のリブ形成用凹部(23)とが設けられている。
【0031】
1対の三角形面(14a)および傾斜面(14b)を有している各リブ(14)に対応して、各リブ形成用凹部(23)は、図4に示すように、三角形面形成部(23a)および傾斜面形成部(23b)を有している。リブ形成用凹部(23)が設けられていることによって、上型(22)の平坦面(22a)には、リブ形成用凹部(23)の開口が存在し、平坦面(22a)の内周は、凹凸状になっている。
【0032】
下型(21)には、図5に示すように、筒部(12)を補強するためのガラス基材(31)およびフランジ部(13)を補強するためのガラス基材(32)が配置される。上型(22)には、図示省略するが、リブ(14)を補強するためのガラス基材が配置される。
【0033】
下型(21)および上型(22)にガラス基材(31)を配置した後、下型(21)に上型(22)が重ねられて、樹脂が注入される。樹脂注入は、図3に示す下型(21)に設けられた1つの注入口(21d)から行い、同図に示す上型(22)に設けられた2つの吐出口(22d)から内部空気が抜き出される。筒部(12)のフランジ部(13)が設けられていない方の端部は、図3に示すように、蓋(12a)付きで形成され、後加工で蓋(12a)が切除されることで、図1に示すような開放形状とされる。ボルト挿通孔(15)も後加工で形成される。なお、注入口(21d)と吐出口(22d)の数は、1つの注入口(21d)に対して2つの吐出口(22d)に限定されるものではなく、適宜設定可能であり、例えば2つの注入口および2つの吐出口とすることもでき、この場合、蓋(12a)を無くすようにしてもよい。注入口(21d)および吐出口(22d)の位置についても、適宜変更できる。
【0034】
次いで、図6から図8までを参照して、この発明によるフランジ継手およびその製造方法の要部である下型(21)へのガラス基材配置工程を詳しく説明する。
【0035】
図6は、下型(21)に配置される2種類の補強部材(33)(34)を示すもので、図6(a)は、第1補強部材(33)を示しており、第1補強部材(33)は、方形のシート状基材に切り目(S)を入れることにより、切り目(S)を入れていない長方形状筒部補強部(33a)の長手方向に沿って複数の方形状フランジ部補強部(33b)が並ぶ形状とされている。筒部補強部(33a)は、下型(21)の柱状部(21c)に沿って半周分を覆うことができる長さを有している。また、切り目(S)およびフランジ部補強部(33b)の数は、リブ(14)の数に対応するもの(この実施例では、フランジ部補強部(33b)が半周分の8つ)とされている。図6(b)は、第2補強部材(34)を示しており、第2補強部材(34)は、方形部(34a)およびその両側の三角形部(34b)からなる台形状の小片とされている。方形部(34a)は、第1補強部材(33)のフランジ部補強部(33b)と同じ大きさとされている。三角形部(34b)は、後述する三角形状隙間部(G)と同じ大きさとされている。
【0036】
ガラス基材配置工程では、まず、第1補強部材(33)を下型(21)に配置する。この際、図7に示すように、切り目を入れていない筒部補強部(33a)は、下型(21)の柱状部(21c)の周面に沿わせ、複数のフランジ部補強部(33b)が並ぶ切り目を入れた部分は、折り曲げて下型(21)の平坦面(21a)に沿わせる。ここで、平坦面(21a)側では、フランジ部補強部(33b)とフランジ部補強部(33b)との間が開いて、三角形状の隙間部(G)が生じる。したがって、このまま、第1補強部材(33)だけを使用して、積層していくと、フランジ部(13)のガラス補強部に凹凸が生じ、強度も不足する。そこで、この三角形状隙間部(G)をなくすために、第2補強部材(34)が使用される。第2補強部材(34)は、三角形状隙間部(G)に対応する三角形状とされているのではなく、2つの三角形状隙間部(G)およびにこれに挟まれた方形状フランジ部補強部(33b)を合わせた形状(台形状)とされている。
【0037】
第2補強部材(34)の配置工程では、図8(a)の状態となっている第1補強部材(33)の上に、図8(b)に示すように、第2補強部材(34A)を配置し、三角形状隙間部(G)を埋める。次に配置する第2補強部材(34B)は、先に配置した第2補強部材(34A)にオーバーラップするように配置される。すなわち、図8(c)に示すように、隣り合う第2補強部材(34A)(34B)の三角形状部分(34b)同士が重なるように配置する。これにより、第1補強部材(33)のフランジ部補強部(33b)と第2補強部材(34A)(34B)の方形部(34a)とが重なって2層分のガラス補強部が形成され、第2補強部材(34A)(34B)の三角形状部分(34b)同士が重なることによっても2層分のガラス補強部が形成され、全体として、筒部が1層からなり、フランジ部が2層からなる補強層が形成される。これを複数回繰り返すことで、筒部が数層から十数層補強され、フランジ部がその2倍補強されたフランジ継手が得られる。
【0038】
こうして得られたフランジ継手(11)は、筒部(12)からフランジ部(13)に連続するガラス基材(第1補強部材(33))で補強されるとともに、フランジ部(13)のガラス繊維補強層が筒部(12)の2倍あり、しかも、フランジ部(13)のガラス繊維補強層に凹凸がないものとなり、極めて強固であり、数MPaの高圧にも耐えることができる。
【0039】
なお、リブ(14)の数および形状やこれを補強するガラス基材は、特に限定されるものではなく、また、フランジ継手(11)は、リブ(14)付きであってもよいが、リブ(14)無しとしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
(11) フランジ継手
(12) 筒部
(13) フランジ部
(21) 下型
(22) 上型
(33) 第1補強部材
(33a) 筒部補強部(筒部形成層)
(33b) フランジ部補強部(フランジ部形成層)
(34)(34A)(34B) 第2補強部材(フランジ部補強用小片)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部およびフランジ部を有し、筒部およびフランジ部を補強するためのガラス基材が配置されたガラス繊維強化樹脂製一体品とされたフランジ継手であって、ガラス基材は、筒部を形成する複数の筒部形成層と、各筒部形成層に連なりフランジ部を形成する複数のフランジ部形成層と、フランジ部形成層間に重ね合わされた複数のフランジ部補強用小片とからなり、各フランジ部形成層は、隣り合う方形状フランジ部補強部間に三角形状隙間部がある形状とされており、フランジ部補強用小片は、フランジ部補強部とその両側の隙間部とを合わせた台形状とされて、隣り合うフランジ部補強用小片の三角形状部分同士が重なるように配置されていることを特徴とするフランジ継手。
【請求項2】
筒部およびフランジ部を有するガラス繊維強化樹脂製一体品のフランジ継手を、筒部の内周面を形成する柱状部が形成された下型に筒部およびフランジ部を補強するガラス基材を配置して、真空注入成形によって樹脂を注入することによって製造するフランジ継手の製造方法であって、
方形シート状のガラス基材からなり縁部に沿って所定間隔で切り目を入れた第1補強部材と、台形状の小片のガラス基材からなる第2補強部材とを使用し、まず、第1補強部材を下型の柱状部周面に沿わせて、切り目を入れた部分を折り曲げて下型の底面に沿わせ、これにより、第1補強部材の切り目を入れた部分が、複数の方形状フランジ部補強部および隣り合うフランジ部補強部間に形成された三角形状隙間部からなる形状となり、次いで、フランジ部補強部およびその両側の三角形状隙間部を合わせた台形状とされた第2補強部材を隣り合う第2補強部材の三角形状部分同士が重なるように配置することを特徴とするフランジ継手の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−44358(P2013−44358A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181061(P2011−181061)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】