説明

フランジ部の加熱処理方法、フランジ部の加熱処理装置及びフランジ付き樹脂製容器の製造方法

【課題】
フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させることができるフランジ部の加熱処理方法、フランジ部の加熱処理装置及びフランジ付き樹脂製容器の製造方法を提供する。
【解決手段】
プリフォーム5の天地を逆にして、プリフォーム5の内面を治具11に支持させるとともに、フランジ部4の天面4aを台座12の載置面12aに対向させて、フランジ部4を台座12に載置し、フランジ部4の裏面に向けて、斜め上方から熱源15からの熱を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させることができるフランジ部の加熱処理方法、フランジ部の加熱処理装置及びフランジ付き樹脂製容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PETボトルに代表されるように、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂からなる容器が、種々の用途に広く用いられている。特に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂は、機械的強度に優れるだけでなく、ガスバリヤー性、耐圧耐クリープ性、耐落下衝撃性、透明性にも優れ、また、自身の無臭性、内容物の保香性、食品衛生上の安全性も良好であることから、食料品、飲料品などの食品類の充填密封容器として好適に利用されている。
【0003】
ところで、結晶性熱可塑性樹脂を用いたこの種の樹脂製容器にあっては、例えば、特許文献1にもあるように、容器の開口部に加熱処理を施して開口部の樹脂を結晶化すると、樹脂の密度が高まり、開口部の強度や耐熱性が高くなることが知られている。また、開口部の樹脂を結晶化させると、開口部の強度や耐熱性を高めることができる反面、ヒートシール温度を高くする必要があるなど、ヒートシール性に劣るという不具合があることも知られている。このような不具合を解消するために、例えば、特許文献2や特許文献3では、開口部の樹脂を結晶化させる一方で、ヒートシール部の樹脂を選択的に非晶状態とする技術を開示し、開口部の強度や耐熱性の向上と、ヒートシール性とを両立させようとしている。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術は、いずれも飲料品用のボトルを対象とするものである。このため、一般に、開口部にヒートシールのためのフランジ部が形成されたカップ状の容器を用いる、例えば、ゼリーやプリンなどのような食料品の充填密封容器に対しては、以下に説明するように、上記従来技術をそのまま適用して、フランジ部の強度や耐熱性を高めるのは困難である。
【0005】
特許文献1では、開口部(口栓部)を加熱するにあたり、倒立状態のボトルなどを開口部以外で支持するが、フランジ付き容器のフランジ部は、蓋材をヒートシールして内容物を密封するために、開口部の周縁に沿って水平方向に張り出した形状を呈している。このため、特許文献1のようにしてフランジ部を加熱すると、図9に破線で示すように、軟化したフランジ部104が自身の重みで垂れ下がって変形し、形状的に蓋材をヒートシールできなくなってしまう。なお、図9は、特許文献1の技術をそのまま適用し、フランジ部104が形成されたプリフォーム105を治具111に支持させて、遮蔽板114を設けてフランジ部104をヒーター115で加熱する例を、従来例として示す概略断面図である。
【0006】
また、フランジ部のヒートシール性を確保するには、上述したように、フランジ部の天面(ヒートシール面)の樹脂を結晶化させずに、非晶状態としておく必要がある。特許文献2では、ヒーターから加熱対象に対して垂直に加熱するとともに、ヒーターからの熱が結晶化させたくない部分に伝わらないように、開口部(口筒部)の開口端縁部を円筒状の遮蔽筒で覆っている。飲料品用のボトルの開口部のように、加熱対象が高さ方向にある程度の面積を有していれば、ヒーターからの熱を遮蔽筒で遮って、開口端縁部を選択的に結晶化させないようにすることも可能である。
【0007】
しかしながら、フランジ部のように水平方向に張り出し、高さ方向の面積がほとんどないものに、特許文献2の技術をそのまま適用しようとして、遮蔽筒の位置決めを高い精度で行ったとしても、通常、0.5〜2.5mm程度の厚みしかないフランジ部では、内部からの熱伝達によって容易に全体が結晶化温度に達してしまい、ヒートシール面のみを非晶状態に保つことは困難である。なお、図10は、特許文献2の技術をそのまま適用し、ヒーター115からの熱を遮蔽筒113で部分的に遮蔽する例を、他の従来例として示す概略断面図である。図10(a)は遮蔽筒113の位置が上すぎる場合を示し、図10(b)は遮蔽筒113の位置が下すぎる場合を示している。このように、上記範囲の厚みしかないフランジ部に特許文献2の技術をそのまま適用するには、遮蔽筒113の位置決めに高い精度が求められる。
【0008】
また、特許文献3は、ボトルの開口部(口元部)の天面に冷却リングを被せた状態で開口部を加熱し、天面の樹脂の結晶化を避けるというものである。特許文献3の技術も、飲料品用のボトルの開口部のように筒状に形成されているものには適しているが、水平方向に張り出し、下側にささえのないフランジ部にそのまま適用したのでは、図11に破線で示すように、加熱により軟化したフランジ部104が自身の重みで垂れ下がってしまう。これにより、フランジ部104が変形するだけでなく、フランジ部104と冷却リング119との間に隙間が生じ(この隙間から熱風が入り込んで)、フランジ部104の天面140aの樹脂を結晶化させてしまう。なお、図11は、特許文献3の技術をそのまま適用して、プリフォーム105に形成されたフランジ部104の天面104aに冷却リング119を被せ、ヒーター115によりフランジ部104を加熱する例を、他の従来例として示す概略断面図である。
【0009】
このように、特許文献1〜3の技術は、いずれもフランジ付き容器に適用するには不適当である。一方、特許文献4には、結晶状態にある樹脂を加熱し、加熱後に急冷することにより、当該樹脂を非晶化することができることを利用して、炭酸ガスレーザーの照射により、結晶化されたフランジ部の天面の樹脂を選択的に非晶状態とすることで、ヒートシール性を確保する技術が開示されている。このような特許文献4の技術は、フランジ部のヒートシール性を確保する方法として非常に優れたものである。
【0010】
しかしながら、結晶状態にある樹脂を熱処理で非晶状態とするには、結晶化のための加熱処理よりも高温で処理しなければならず、また、加熱後の急冷処理も必要となるため、エネルギー効率の面での不利がある。このため、フランジ部の樹脂を非晶状態のまま成形したものに処理を施し、フランジ部の天面の樹脂を選択的に非晶状態としつつ、フランジ部のその他の部分の樹脂を結晶化させることができる技術が望まれている。
【0011】
【特許文献1】特開昭59−201824号公報
【特許文献2】実開昭63−88912号公報
【特許文献3】特開2000−015691号公報
【特許文献4】特開平2−258577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させることができるフランジ部の加熱処理方法、フランジ部の加熱処理装置及びフランジ付き樹脂製容器の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法は、フランジ部が形成された、フランジ付き樹脂製容器又は前記樹脂製容器のプリフォームにおいて、前記フランジ部の樹脂を選択的に熱結晶化させる方法であって、前記樹脂製容器又は前記プリフォームの天地を逆にして、前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を治具にて支持するとともに、前記フランジ部を天面を対向させて台座に載置し、前記フランジ部の裏面に向けて熱を加える構成としてある。
【0014】
このように構成することで、フランジ部に加熱処理を施して、フランジ部の樹脂を選択的に熱結晶化させることにより、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器が得られる。
【0015】
本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法にあっては、前記台座に温度調整機能を備え、前記台座に接触する樹脂を熱結晶化が進行しない温度に維持するようにすれば、フランジ部の樹脂の選択的な熱結晶化をより容易に実現することができる。また、前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を、前記治具に面で支持させることにより、治具の放熱効果によって、熱結晶化させたくない部分の熱結晶化の進行をより効果的に抑えることもできる。この際、前記治具に温度調整機能を備え、前記治具に接触する樹脂を熱結晶化が進行しない温度に、積極的に維持するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法では、前記治具の前記台座側の端部を、樹脂の熱結晶化を抑えたい部分と、樹脂の熱結晶化を進行させたい部分との境界に位置させるのが好ましい。これにより、加熱処理により熱結晶化が進行した部分と、熱結晶化が抑えられた部分との境界が明確に形成され、成形上の不具合を有効に回避できる。また、加熱対象の部分以外に、前記熱源からの熱が加わらないように遮蔽板を設ければ、フランジ部の部分的な加熱がより容易になるとともに、前記遮蔽板の前記台座側の端部と前記台座の載置面との距離が、前記治具の前記台座側の端部と前記台座の載置面との距離とほぼ同一となるようにすれば、加熱処理により熱結晶化が進行した部分と、熱結晶化が抑えられた部分との境界をより明確に形成することができる。
【0017】
また、本発明に係るフランジ部の加熱処理装置は、フランジ部が形成された、フランジ付き樹脂製容器又は前記樹脂製容器のプリフォームにおいて、前記フランジ部を加熱処理するための装置であって、天地を逆にした前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を支持する治具と、前記フランジ部の天面を対向させて前記フランジ部を載置する台座と、前記フランジ部の裏面に向けて熱を加える熱源とを備えた構成としてある。
【0018】
このような加熱処理装置を用いることにより、フランジ部に加熱処理を施すにあたって、フランジ部の樹脂を選択的に熱結晶化させることができ、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器を得ることができる。
【0019】
一方、本発明に係るフランジ付き樹脂製容器の製造方法は、周縁に沿ってフランジ部が形成されたプリフォームを、結晶性熱可塑性樹脂により樹脂が結晶化しない条件で成形し、前記プリフォームの天地を逆にして、前記プリフォームの内面を治具にて支持するとともに、前記フランジ部を天面を対向させて台座に載置し、前記フランジ部の裏面に向けて熱を加えた後に、前記プリフォームに延伸加工を施して容器形状に成形する構成としてある。
【0020】
このように構成することで、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器が得られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、フランジ部の樹脂を選択的に熱結晶化させることにより、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法により、フランジ部の樹脂が選択的に熱結晶化された、フランジ付き樹脂製容器の一例の概略を示す斜視図である。
【0023】
図1に示す例において、容器1は、開口部3を有する容器本体2と、容器本体2の開口部3に形成されたフランジ部4とからなっている。フランジ部4は、開口部3の周縁に沿って水平方向に張り出し、フランジ部4の天面4aには、図示しない蓋材がヒートシールされる。フランジ部4に蓋材をヒートシールすることにより、容器1には内容物が充填密封される。
【0024】
このような容器1は、押出成形などによりシート状に成形された、未延伸の結晶性熱可塑性樹脂シートに、延伸ブロー成形などの延伸加工を施して所望の容器形状に成形し、しかる後に加熱処理を施して、フランジ部4の樹脂を選択的に熱結晶化させることにより得ることができる。
【0025】
また、容器1は、図2に示すような、ある程度の形状が付与されたプリフォーム(成形中間体)5に加熱処理を施して、フランジ部4の樹脂を選択的に熱結晶化させ、しかる後に延伸加工を施して所望の容器形状とすることによっても得ることができる。プリフォーム5は、射出成形や圧縮成形などにより所定の形状に成形される。プリフォーム5を成形するに際しては、結晶性熱可塑性樹脂が用いられ、樹脂が結晶化しない条件で成形を行う。
【0026】
プリフォーム5から容器1を得る場合、プリフォーム5の周縁には、予めフランジ部4を形成しておく。プリフォーム5に延伸加工が施されると、フランジ部4を除く部分により容器本体2が形成される。プリフォーム5に形成されたフランジ部4は、ほぼそのままの形態で容器1のフランジ部4となり、延伸加工により形成された容器本体2とともに容器1を構成する。
【0027】
結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂などを用いることができる。また、これらのポリエステル系樹脂は、イソフタル酸、アジピン酸などの二塩基酸や、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのジオールとの共重合体などであってもよい。本実施形態では、加熱による結晶化速度が比較的遅く、結晶化の制御が容易なポリエチレンテレフタレートを用いるのが特に好ましい。
【0028】
これらの結晶性熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤などを適宜配合してもよい。また、これらの結晶性熱可塑性樹脂が容器1の内面(フランジ部4の天面4aを含む)に位置すれば、前述の結晶性熱可塑性樹脂シートやプリフォームは、延伸加工性を損なわない範囲で、ガスバリヤー性樹脂、酸素吸収性樹脂などからなる他の樹脂層を積層した多層構造とすることもできる。
【0029】
本実施形態では、フランジ部4に加熱処理を施して、フランジ部4の樹脂の熱による結晶化(熱結晶化)を選択的に進行させるが、このような加熱処理を施すのは、所望の容器形状に成形された後の容器1に対してでもよく、また、所望の容器形状に成形される途中の段階にあるプリフォーム5に対してでもよい。
【0030】
いずれに加熱処理を施す場合であっても、その処理はほぼ同様の工程にしたがって行われる。しかし、加熱処理における搬送工程などを考慮すると、プリフォーム5の方が、所望の容器形状に成形された容器1に比べて嵩張らないなどの理由から、プリフォーム5に対して加熱処理を施すのが好ましい。以下、プリフォーム5に対して加熱処理を施す例を挙げて、本実施形態を説明する。
【0031】
本実施形態により、プリフォーム5に形成されたフランジ部4に加熱処理を施すには、まず、図3に示すように、プリフォーム5の天地を逆にして、加熱処理装置10にプリフォーム5をセットする。加熱処理装置10は、天地を逆にしたプリフォーム5の内面を支持する治具11と、フランジ部4が載置される台座12と、フランジ部4を加熱する熱源15とを備えている。治具11や台座12は、ステンレス、アルミ、鋼などの金属素材により形成される。
【0032】
このような加熱処理装置10において、プリフォーム5は、内面が治具11に支持されるとともに、フランジ部4が台座12に載置される。このとき、フランジ部4の天面4aは、台座12の載置面12aに対向している。
【0033】
フランジ部4を加熱する熱源15は、図3に示すように、フランジ部4における天面4aと対向する側の面(以下、「裏面」という)4bに向けて、図中斜め上方から熱を加えることが可能となるように設置する。すなわち、熱源15は、フランジ部4が載置される台座12の載置面に対して、熱を加える方向が一定の角度をなすように設置される。熱源15をこのように設置することで、フランジ部4を部分的に加熱することが容易になり、これに伴って、フランジ部4の樹脂の選択的な熱結晶化が容易になる。
【0034】
熱源15を加熱処理装置10内に設置するにあたり、熱源15から熱を加える方向(熱量最大となる方向)と台座12の載置面12aとのなす角度や、熱源15とフランジ部4との距離などは、熱源15から熱が発せられる範囲(角度)、熱量(熱量の角度分布)、プリフォーム5(フランジ部4)の形状や大きさなどを考慮して適宜決定される。
【0035】
熱源15としては、例えば、炭酸ガスレーザー、近赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーター、温風ヒーターなどを用いることができる。熱源15として炭酸ガスレーザーを用いれば、レーザーのスポット径や出力などを調整することで、フランジ部4の部分的な加熱がより容易になる。また、赤外線ヒーターや温風ヒーターなどのように、加熱範囲(角度)の制御が比較的困難なものを熱源15に用いる場合には、図3に示すような遮蔽板14を設けて、加熱対象の部分以外に熱が加わるのを防ぐようにするのが好ましい。遮蔽板14は、通常、台座12の載置面12aに対して垂直に設ければよいが、熱源15からの熱が加わるのを防ぎたい部分と平行に設けることで、遮蔽効果をより有効に発揮できる場合もある。なお、図示する例では、熱源15として近赤外線ヒーターを用いている。
【0036】
このような熱源15から加えられた熱により、フランジ部4を加熱するに際しては、プリフォーム5の全周にわたって熱源15や遮蔽板14を設けてもよい。また、フランジ部4の周方向に沿う一部に対して部分的に熱を加えることができる程度の大きさの熱源15や、そのような熱源15に対する遮蔽板14が、プリフォーム5の周りを回転するように構成することもできる。装置の大型化を避けるためには、図3に示す例のように、このような熱源15や遮蔽板14を固定して、治具11及び台座12を、同一の回転中心をもって一体に回転するように構成し、プリフォーム5の方を回転させるようにするのが好ましい。
【0037】
また、本実施形態では、プリフォーム5の内面を治具11に支持させるが、これは、台座12に載置したフランジ部4に負荷がかからないようにするためである。これにより、フランジ部4に加熱処理を施した際に、フランジ部4及びその近傍が軟化しても、フランジ部4及びその近傍が変形するのを避けることができる。したがって、治具11と台座12との相対的な位置関係は、プリフォーム5の形状や大きさに応じて、フランジ部4に負荷がかからない範囲で適宜決定される。また、フランジ部4は台座12に載置されているので、加熱処理により軟化しても自身の重みで垂れ下がるということもない。
【0038】
図3に示す例では、治具11の支持面11aをプリフォーム5の内面とほぼ同一の面形状に形成している。これにより、プリフォーム5は、プリフォーム5の内面に沿って面で支持されている。プリフォーム5を治具11に支持させるにあたり、フランジ部4に負荷がかからないようにプリフォーム5を支持できれば、プリフォーム5の中央部分を点で支持するようにしてもよい。しかし、後述するような放熱効果により、少なくともフランジ部4を除く、その他の部分の熱結晶化をより効果的に抑えるには、プリフォーム5の内面に沿って面で支持するのが好ましい。
【0039】
また、本実施形態において、治具11は、台座12側の端部11bが、樹脂の熱結晶化を抑えたい部分と、樹脂の熱結晶化を進行させたい部分との境界に沿って位置するような形状とするのが好ましい。図3は、フランジ部4及びその近傍の樹脂を熱結晶化させ、その他の部分の樹脂の熱結晶化を抑える例であり、熱結晶化させる部分を網点で示し、その他の部分の断面を示すハッチングを省略している。図中、治具11の台座12側の端部11bは、フランジ部4及びその近傍と、その他の部分との境界に沿って位置している。
【0040】
これにより、熱源15からフランジ部4に向けて発せられた熱が、例えば、遮蔽板14で遮ぎれなかった場合や、樹脂そのものの熱伝導などによって、熱結晶化を抑えたい部分に伝わってきても、熱伝導性の高い金属素材からなる治具11の接触面(支持面11a)から熱を逃がす(放熱する)ことができる。
【0041】
このような放熱効果により、少なくともフランジ部4を除く、その他の部分の熱結晶化を抑えることができれば、治具11は、例えば、図4に示すように、治具11の台座12側の端部11bが、樹脂の熱結晶化を抑えたい部分と、樹脂の熱結晶化を進行させたい部分との境界に沿って位置するとともに、少なくともその近傍を面(支持面11a)で支持するような形状とすることもできる。なお、図4は、図3と同様に、フランジ部4及びその近傍の樹脂を熱結晶化させ、その他の部分の樹脂の熱結晶化を抑える例であり、図4においても熱結晶化させる部分を網点で示し、その他の部分の断面を示すハッチングを省略している。
【0042】
また、治具11には、温度調整機能を備えることもできる。治具11に温度調整機能を備えることにより、治具11の支持面11aによって支持される面の樹脂の温度を、積極的に熱結晶化を進行させない温度に維持することができる。温度調整機能は、例えば、治具11に放熱フィンを形成するか、治具11の内部に冷却水を循環させるなどすればよい。
【0043】
本実施形態では、治具11をこのような構成とすることで、加熱処理により熱結晶化が進行した部分と、熱結晶化が抑えられた部分との境界を明確に形成することができる。さらに、前述したような遮蔽板14を設け、遮蔽板14の台座12側の端部14aの位置を適宜調整することで、当該境界がより明確に形成されるようにすることもできる。遮蔽板14の台座12側の端部14aの位置は、具体的には、図3に示す例のように、遮蔽板14の台座12側の端部14aと台座12の載置面12aとの距離が、治具11の台座12側の端部11bと台座12の載置面12aとの距離とほぼ同一となるようにするのが好ましい。
【0044】
プリフォーム5に延伸加工を施すと、熱結晶化を抑えた部分が延伸される。この際、加熱処理により熱結晶化が進行した部分と、熱結晶化が抑えられた部分との境界が明確に形成されず、延伸されるべき部分が部分的に熱結晶化していると、熱結晶化によりその部分の軟化点が局所的に高くなり、延伸加工に支障をきたすおそれがある。また、延伸により配向結晶化されて透明度が高められた部分に、熱結晶化により白色に変化した部分が混ざり込むと、熱結晶化された部分が白いすじ状に観察されるなどして、容器1の外観に悪影響を及ぼすこともある。当該境界が明確に形成されれば、このような延伸加工上の不具合を有効に回避できる。
【0045】
また、本実施形態では、熱源15からフランジ部4の裏面4bに向けて熱を加えるとともに、フランジ部4の天面4aを台座12の載置面12aに対向させて、フランジ部4を台座12に載置させている。これにより、フランジ部4に加熱処理を施すと、フランジ部4の樹脂は裏面4b側から温度が上昇する一方、天面4a側の樹脂に伝わる熱は、熱伝導性の高い金属素材からなる台座12との接触面(載置面12a)から放熱される。
【0046】
したがって、本実施形態によれば、熱源15から発せられる熱の熱量や加熱時間、台座12の載置面12aからの放熱量などを適宜調整することで、フランジ部4の裏面4b側の樹脂を熱結晶化させつつ、フランジ部4の天面4aの樹脂の温度を熱結晶化が進行しない温度に調整して、フランジ部4の樹脂を選択的に熱結晶化させることができる。このとき、台座12には、温度調整機能を備えることもできる。台座12に温度調整機能を備え、台座12の載置面12aに接触するフランジ部4の天面4aの樹脂の温度を、積極的に熱結晶化を進行させない温度に維持すれば、フランジ部4の樹脂の選択的な熱結晶化をより容易に実現することができる。温度調整機能は、治具11に備えるものと同様に、例えば、台座12に放熱フィンを形成するか、台座12の内部に冷却水を循環させるなどすればよい。
【0047】
本実施形態にあっては、このようにしてフランジ部4の樹脂を選択的に熱結晶化させることで、フランジ部4の強度や耐熱性を向上させるとともに、フランジ部4の天面4aの樹脂の熱結晶化を抑えることができる。これにより、フランジ部4の天面4aの樹脂の熱結晶化によってヒートシール性が損なわれるのを防止することができ、フランジ部4のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部4の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、フランジ部4の天面4aに、例えば、図5に示すような突起部6を形成することもできる。突起部6は、フランジ部4の周方向に沿って、1又は2以上形成してもよい。また、突起部6は、通常、フランジ部4の全周にわたって環状に連続するように形成するが、必要に応じて、フランジ部4の周方向に沿って一部を切り欠いて断続的に形成してもよく、フランジ部4の周方向に沿って蛇行させてもよい。さらに、突起部6を形成する位置は、図示するように、フランジ部4の幅方向中央であってもよいが、フランジ部4の外周側、内周側のいずれかの位置又はその他の位置から適宜選択され、突起の断面形状も、図示するような矩形状に限らず、適宜、台形、三角形、半円形状などとすることもできる。
【0049】
このような突起部6は、フランジ部4の天面4aにおいて、少なくとも突起部6を含む部分がヒートシール部となるように形成される。したがって、突起部6の樹脂の熱結晶化の進行を抑えることさえできれば、フランジ部4の天面4aの全面にわたって樹脂の熱結晶化を抑える必要はない。これにより、熱結晶化を抑えるために樹脂の温度を調整しなければならない部分が減少し、より容易にフランジ部4のヒートシール性を確保することができる。
【0050】
また、フランジ部4の天面4aに前述したような突起部6を形成する場合であっても、突起部6を含むフランジ部4の天面4aの全面にわたって樹脂の結晶化を抑えることができれば、より有効にフランジ部4のヒートシール性を確保することができる。このような場合には、台座12の載置面12aに突起部6に対応する溝を設け、突起部6及びフランジ部4の天面4aの他の部分が載置面12aに接触するようにして、フランジ部4の天面4aの全面にわたって樹脂の温度を調整できるようにすればよい。
【0051】
本実施形態において、フランジ部4の天面4aにおけるヒートシール部の樹脂の結晶化度は、ヒートシール性が損なわれない範囲で適宜制御されるが、具体的には、10%未満であるのが好ましい。このような結晶化度の範囲で熱結晶化が抑えられた部分は、十分なヒートシール性を確保するために、フランジ部4の天面4aの表層から測定して、少なくとも0.1mm程度の厚みで形成されるのが好ましい。一方、フランジ部4の強度を向上させる観点からは、フランジ部4の裏面4bの表層から測定して、フランジ部4の厚みの60%以上の範囲は、結晶化度20%以上で熱結晶化されているのが好ましい。
【0052】
また、フランジ部4の天面4aに前述したような突起部6を形成する場合には、突起部6の厚みは0.1〜2.0mmであるのが好ましく、幅は0.5〜3.0mmであるのが好ましい。突起部6をこのような範囲で形成すれば、少なくとも突起部6の樹脂の熱結晶化を抑えることにより、十分なヒートシール性を確保することができる。
【0053】
ここで、フランジ部4の樹脂の結晶化度は、例えば、密度法により、以下の式(1)から算出できる。
Xcv=ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)・・・(1)
Xcv:測定樹脂試料の結晶化度[%]
ρ:測定樹脂試料の密度[g/cm
ρa:完全非晶質の樹脂の密度[g/cm
ρc:完全結晶質の樹脂の密度[g/cm
【0054】
なお、ポリエステル系樹脂では、ρa=1.335、ρc=1.455の値が一般に用いられる。また、フランジ部4の天面4aの樹脂の微小領域の密度は、レーザーラマン分光装置を用いて、以下の式(2)から算出できる。
ρ=(Δν1/2−k1)/k2・・・(2)
Δν1/2:レーザーラマン分光スペクトル上の波長1730cm−1に現れるピークの半値幅[cm−1
k1:上記半値幅を縦軸、密度を横軸とした検量線から求められる切片
k2:上記半値幅を縦軸、密度を横軸とした検量線から求められる勾配
【0055】
本実施形態では、以上のようにしてフランジ部4に加熱処理を施すが、熱結晶化により樹脂が収縮するなどして、フランジ部4の形状に多少の変形がみられることもある。このような場合には、フランジ部4が軟化状態にあるうちに、図6に示すような上型17及び下型18からなる狭持具によりフランジ部4を狭圧して、フランジ部4の形状を整えるのが好ましい。
【0056】
図6に示す例は、前述したような突起部6を形成したフランジ部4を狭圧するものである。このため、下型18の狭圧面18aには突起部6に対応した溝18bが形成されている。下型18の狭圧面18aに形成される溝18bは、フランジ部4の形状を整えるに際して、突起部6の形状も整えられるように形成してもよいが、突起部6を潰さないためだけの単なる逃げ部として、突起部6よりも大きめに形成してもよい。すなわち、フランジ部4は、少なくともその厚みや水平方向に張り出す長さの寸法規制がなされるように、形状が整えられればよい。
【0057】
また、必要に応じて熱源15及び遮蔽板14を移動させてから、図7に示すように、内径規制部材16を上昇させるとともに、上型17を台座12に向けて下降させるなどして、台座12と上型17とによりフランジ部4を狭圧することもできる。このようにすると、加熱処理装置10における治具11を利用して、フランジ部4の内径寸法を正確に保ちつつ形状を整えることができる。
【0058】
このようにしてフランジ部4に加熱処理が施されたプリフォーム5には、延伸加工が施され、所望の容器形状に成形される。以下、プリフォーム5に施す延伸加工の一例として、延伸ブロー成形の例を挙げて説明する。なお、結晶性熱可塑性樹脂シートに延伸加工を施して、所望の容器形状に成形する場合においても、ほぼ同様の工程にしたがって延伸加工が行われる。
【0059】
プリフォーム5に施す延伸加工は、例えば、図8に示すような雄型プラグ21、雌型22及びクランプ型23を備えた延伸加工装置20により行われる。雄型プラグ21の外周面は、容器本体2の内形形状を有する形状賦形面となっている。また、雄型プラグ21には、内部を貫通する気体通路21aが設けられており、雌型22の中心部にも気体通路22aが形成されている。クランプ型23は、雌型22の円筒状内面とほぼ同じ径の内面を有しており、図示するように、雌型22の上端面とクランプ型23の下端面とにより、プリフォーム5の周縁に形成されたフランジ部4をクランプする。これらの雄型プラグ21、雌型22及びクランプ型23は同軸に配置され、軸方向の相対移動が可能となるように構成されている。
【0060】
このような延伸加工装置20において、プリフォーム5は、雌型22の上端面とクランプ型23の下端面とによりフランジ部4がクランプされて、装置20内にセットされる。このとき、プリフォーム5の延伸加工が施される部分は、樹脂のTg(ガラス転移点)〜[Tg+60]℃、好ましくは、[Tg+15]〜[Tg+30]℃の成形温度に加熱される。成形温度が、[Tg+60]℃を超えると、配向結晶化が十分でなく、後述のヒートセット工程において熱結晶化により球晶を生じ、白化してしまうおそれがある。また、成形温度がTg℃より低いと、高い成形力を必要とするばかりでなく、延伸不能となってしまったり、また、過延伸状態になって白化してしまったりするおそれがある。なお、熱可塑性樹脂シートに延伸加工を施す場合、雌型22の上端面とクランプ型23の下端面とで樹脂シートの周縁をクランプすることにより、フランジ部4の成形が同時に行われる。
【0061】
プリフォーム5が装置20内にセットされると、雄型プラグ21をストロークエンドまで雌型22内に挿入し、プリフォーム5を延伸成形して、配向結晶化された延伸部26を形成する。次に、図8(b)に示すように、雄型プラグ21の気体通路21aから圧縮空気などを供給して延伸部26を膨らませることにより、延伸部26を加熱された雌型22に接触させる。これにより、延伸部26をヒートセット(熱固定)して、延伸成形時の残留応力を除去する。
【0062】
その後、圧縮空気の供給を停止して、延伸部26に自己収縮を起こさせる。そして、図8(c)に示すように、延伸部26が雄型プラグ21の外表面まで収縮したら、雄型プラグ21の気体通路21aから真空吸引して、延伸部26を雄型プラグ21の表面に密着させる。これにより、延伸部26には雄型プラグ21の外表面の形状(容器本体2の内形形状)が賦形される。この際、雄型プラグ21の表面温度は、好ましくは70〜120℃であり、特に好ましくは80〜100℃である。また、賦形性を向上させるために、雌型22の気体通路22aから圧縮空気などを供給してもよい。
【0063】
次いで、一定時間冷却させた後、型開きをして延伸成形された容器1を取り出す。これにより、フランジ部4に加熱処理が施されたプリフォーム5に、延伸加工を施してなる所望の容器形状に成形されたフランジ付き樹脂製容器が得られる。
【0064】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、プリフォームに対して加熱処理を施す例について示したが、同様の工程にしたがって、所望の容器形状に成形された後の容器に対して加熱処理を施してもよい。また、プリフォームに施す延伸加工として、延伸ブロー成形の例を示したが、例えば、マッチモールド成形など、その他の延伸加工によりプリフォームを所望の容器形状に成形してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上説明したように、本発明は、フランジ部のヒートシール性を確保しつつ、フランジ部の強度や耐熱性を向上させたフランジ付き樹脂製容器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法により、フランジ部の樹脂が選択的に熱結晶化された、フランジ付き樹脂製容器の一例の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るフランジ部の熱結晶化方法により、加熱処理が施されるプリフォームの一例の概略を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るフランジ部の加熱処理装置の一例の概略を示す断面図である。
【図4】本発明に係るフランジ部の加熱処理装置の他の一例の概略を示す断面図である。
【図5】フランジ部に形成する突起部の一例の概略を示す要部端面図である。
【図6】フランジ部を狭圧する狭持具の一例における作動状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係るフランジ部の加熱処理装置の一例を利用して、フランジ部を狭圧する作動状態例を示す概略断面図である。
【図8】プリフォームに施す延伸加工の一例の概略を示す工程図である。
【図9】従来技術の一例の概略を示す断面図である。
【図10】従来技術の他の一例の概略を示す断面図である。
【図11】従来技術の他の一例の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 容器
2 容器本体
3 開口部
4 フランジ部
4a 天面
4b 裏面
5 プリフォーム
10 加熱処理装置
11 治具
11a 支持面
11b 端部
12 台座
12a 載置面
14 遮蔽板
14a 端部
15 熱源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部が形成された、フランジ付き樹脂製容器又は前記樹脂製容器のプリフォームにおいて、前記フランジ部の樹脂を選択的に熱結晶化させる方法であって、
前記樹脂製容器又は前記プリフォームの天地を逆にして、前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を治具にて支持するとともに、
前記フランジ部を、天面を対向させて台座に載置し、
前記フランジ部の裏面に向けて熱を加えることを特徴とするフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項2】
前記台座に温度調整機能を備え、前記台座に接触する樹脂を熱結晶化が進行しない温度に維持する請求項1に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項3】
前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を、前記治具に面で支持させる請求項1又は2に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項4】
前記治具に温度調整機能を備え、前記治具に接触する樹脂を熱結晶化が進行しない温度に維持する請求項3に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項5】
前記治具の前記台座側の端部を、樹脂の熱結晶化を抑えたい部分と、樹脂の熱結晶化を進行させたい部分との境界に位置させる請求項3又は4に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項6】
加熱対象の部分以外に前記熱源からの熱が加わらないように遮蔽板を設けた請求項1〜5に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項7】
加熱対象の部分以外に前記熱源からの熱が加わらないように遮蔽板を設け、前記遮蔽板の前記台座側の端部と前記台座の載置面との距離が、前記治具の前記台座側の端部と前記台座の載置面との距離とほぼ同一となるようにした請求項5に記載のフランジ部の熱結晶化方法。
【請求項8】
フランジ部が形成された、フランジ付き樹脂製容器又は前記樹脂製容器のプリフォームにおいて、前記フランジ部を加熱処理するための装置であって、
天地を逆にした前記樹脂製容器又は前記プリフォームの内面を支持する治具と、
前記フランジ部の天面を対向させて前記フランジ部を載置する台座と、
前記フランジ部の裏面に向けて熱を加える熱源と
を備えることを特徴とするフランジ部の加熱処理装置。
【請求項9】
周縁に沿ってフランジ部が形成されたプリフォームを、結晶性熱可塑性樹脂により樹脂が結晶化しない条件で成形し、
前記プリフォームの天地を逆にして、前記プリフォームの内面を治具にて支持するとともに、
前記フランジ部を天面を対向させて台座に載置し、
前記フランジ部の裏面に向けて熱を加えた後に、
前記プリフォームに延伸加工を施して容器形状に成形することを特徴とするフランジ付き樹脂製容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−62353(P2006−62353A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216705(P2005−216705)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】