説明

フラン脂肪酸の製造方法

【課題】ジヒドロキシ脂肪酸の前駆体から7,10−EODAを製造する簡便な方法の提供。
【解決手段】7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(7,10−dihydroxy−8(E)−octadecenoic acid、DOD)をヘキサンと混合する段階と、前記混合物を熱処理する段階と、を含むフラン脂肪酸の製造方法である。本発明は、ペルオキシルラジカルによる攻撃、少量であることによる自然のフラン脂肪酸を精製する際の難しさ、及び複雑で高コストの化学的合成の短点、などを考慮する場合、本発明は、費用−効率的な方法で大規模に生物学的活性のF−acidを生産するための有用な情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラン脂肪酸の製造方法に関し、より具体的には、7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(7,10−dihydroxy−8(E)−octadecenoic acid;以下、「DOD」と称することがある。)をヘキサンで熱処理することを含むフラン脂肪酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラン脂肪酸(Furan fatty acids;以下、「F−acid」と称することがある。)は、フラン環で特定される大規模なグループの脂肪酸であり、一のα−位置で、炭素数9、11、又は13を有する分岐していない脂肪酸鎖(unbranched fatty acid chain)、及び他のα−位置で、炭素数3又は5を有する短い直線型鎖アルキル基(straight−chain alkyl group)を有している(非特許文献1)。通常、前記のフラン環の2つのβ−位置は、1つ又は2つのメチル残基、又は他の基のいずれかに置換される。また、フラン環のβ−位置において何らの置換もないF−acidは、Exocarpus cupressiformisの種油(seed oil)から発見された。F−acidは、植物、魚類、両生類、爬虫類、微生物や人間を含む哺乳動物の微量成分(trace component)として、自然界に広く分布している(非特許文献1−6)。
【0003】
生物学的システムにおいて、F−acidの生物学的役割は、完全に知られてはいないが、F−acidが、抗酸化剤、抗腫瘍剤及び抗血栓剤(antithrombotic)として作用する、多様で重要な生物学的機能に関連していることが知られている(非特許文献7−9)。一部の魚類で、F−acidは、間脂質(liver lipids)で25%まで含まれ、産卵期の間に蓄積されることで、F−acidと受精過程(fertilization process)との間の可能な相関関係を示す(非特許文献10)。F−acidの豊富な魚類の消費と冠状動脈性心臓病(coronary heart disease)の死亡率との相関関係は、幾つかの研究で確認された(非特許文献11)。また、F−acidは、血小板凝集に対する阻害効果を有し(非特許文献8)、潜在的抗腫瘍活性を有すると報告されている(非特許文献7)。F−acidは、リノール酸(linoleic acid)の酸化を防止し(非特許文献12)、植物で抗酸化剤として作用していることが知られている(非特許文献13)。一部の研究では、F−acidが、補助基質(co−substrate)として、リノール酸が存在する際に、開環(ring opening)により酸化して、ダイオクセン(dioxoenes)を形成することで(非特許文献14−15)、F−acidが、ラジカルスカベンジャー(radical scavenger)として作用することを報告している(非特許文献16−17)。
【0004】
F−acidの生合成は、複雑で、ソースによって非常に異なる。大部分のF−acidの生合成の前駆体は、リノール酸として知られている。植物が、F−acidの基本骨格を合成すると知られている(非特許文献18)。しかしながら、魚類に放射性−標識された飼料供給(feeding)で行われた研究によれば、魚類が前記アルキル側鎖と前記F−acidのフラン環とを合成できないことが分かる(非特許文献1)。よって、魚類で、F−acidは、食品(diet)、特に鳥類(algae)から起源していると考えられる。その結果、F−acidは、野菜類、魚類などの食品を介して人体に流れ込まれる。食品−由来のF−acidは、哺乳動物の組織や血液、特にリン脂質に流れ込まれるが(非特許文献19)、ラジカルスカベンジャーとして作用して、血小板の凝集を阻害することができる(非特許文献8)。
【0005】
これらの研究は、F−acidが、哺乳動物のための必須栄養因子(essential nutritional factor)であるため、機能性食品の有効成分として使用できることを示している。しかしながら、F−acidの生物学的ソースが何であれ、フラン環の形成及び異なるアルキル置換物のために、多段階反応を必要とする。よって、F−acidの化学合成は、複雑な多段階の反応及び化学触媒が必要であるので、産業上の利用には容易ではなく、多くの生産コストが必要である。
【0006】
最近、本発明者らは、微生物変換(microbial conversion)により、オレイン酸(oleic acid)を含む植物性油からDOD(7,10−dihydroxy−8(E)octadecenoic acid)を製造した(非特許文献20)。DODは、炭素7、10で2つのヒドロキシル基と炭素8、9との間のトランス二重結合(trans double bond)を唯一に伴うジヒドロキシモノエンC18脂肪酸(dihydroxy monoenoic C18 fatty acid)である。独特の構造的特徴に基づいて、化学的又は物理的方法を通じて分子内や分子間相互作用によって、DOD分子を変形することが非常に可能であると考えられる。生物学的及び産業上の利用の目的で、DODを変換するための努力の一環として、本発明者らは、単一の熱処理過程を介して、DODから新規な生物学的活性F−acidを製造する、簡易な方法を開発した。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の主な目的は、植物性油から微生物生転換によって製造された7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸を用いて、単一の熱処理過程で新規な生物学的活性フラン脂肪酸を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の方法で製造された新規なフラン脂肪酸を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、前記のフラン脂肪酸を含む抗酸化剤を提供することにある。
【0008】
本発明の一様態によれば、本発明は、7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(7,10−dihydroxy−8(E)− octadecenoic acid;以下、「DOD」と称することがある。)をヘキサンと混合する段階と、前記混合物を熱処理する段階と、を含むフラン脂肪酸の製造方法を提供する。
前記の7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸は、下記式1を有する。
【化1】

【0009】
本発明において、前記の7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸は、化学的に合成したり、微生物により生産されることができるが、好ましくは、オレイン酸(oleic acid)やオレイン酸(oleic acid)を含む植物性油を基質として利用して、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)微生物により生産されることを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記微生物は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に属する何れの菌株も用いることができるが、好ましくは、緑膿菌PR3(Pseudomonas aeruginosa PR3、NRRL strain B−18602)であることを特徴とする。
【0011】
前記緑膿菌PR3は、米国の農産部研究所の微生物保管所(Agricultural Research Service Culture Collection、Peoria、IL、USA)に受託番号NRRL B−18602として寄託されている。
【0012】
本発明において、前記の7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸は、ヒドロキシ脂肪酸の一種で、炭素数18の脂肪酸鎖の上に7番炭素と10番炭素にそれぞれ1つずつ計2つのヒドロキシル基を有し、8番炭素と9番炭素との間に1つのトランス二重結合を含んでいる構造を特徴とする。
【0013】
本発明において、前記の7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸を生産するために使用される基質は、オレイン酸やオレイン酸を含む天然植物性油もよいが、好ましくは、オリーブ油、紅花油、大豆油、トウモロコシ油、ゴマ油、エゴマ油、ブドウ種子油、唐辛子種油、キャノーラ油、ヒマワリ種子油、甜瓜油、菜種油、米糠油などが使用できる。
【0014】
前記の天然植物性油は、従来、天然の植物の種子や実から油を抽出するために多く使われてきた溶媒抽出法や加圧抽出法などの方法でも準備することができ、市場で手軽に購入することもできる。
【0015】
本発明において、前記フラン脂肪酸(Furan fatty acids;以下、「F−acid」と称することがある。)は、フラン環で特定される大規模なグループの脂肪酸で、植物、魚類、両生類、爬虫類、微生物及び人間を含む哺乳動物の微量成分(trace component)として自然界に広く分布している。前記背景技術で述べたように、フラン脂肪酸の様々な生物学的機能により、フラン脂肪酸は、哺乳動物のための必須栄養因子(essential nutritional factor)で、機能性食品の有効成分として使用できるという事実は、非常に重要である。
【0016】
本発明に係るフラン脂肪酸は、7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−epoxy−octadeca−7,9−dienoic acid;以下、「7,10−EODA」と称することがある。)である。以前に知られているフラン脂肪酸の場合、自然界では、主に魚から僅かに発見されているが、ほとんどフラン環にメチル基を1つ又は2つ持っている形態で現れている。側鎖の長さは、多様に示されているが、人の血液中にも少量含まれていることが知られている。しかしながら、メチル基を持っていない形は、自然界ではほとんど知られていないため、リノール酸をリポキシゲナーゼ(lipoxygenase)で処理する場合、中間生成物として少量生産され得ると報告されている。しかしながら、この場合に生成されるフラン脂肪酸の構造は、本発明で確認されたものとはフラン環の位置が異なって示されている。つまり、10番炭素と13番炭素との間でエポキシ構造をしている。このように、本発明により製造された新たなフラン脂肪酸は、まだ学界に報告されていない新たな物質である。
【0017】
本発明において、前記DODとヘキサンの混合段階では、DODとヘキサンの混合比率は、適切に選択可能であるが、DODの円滑な混合及び生成反応を円滑にするために使用されたDOD量の0.001倍〜1,000倍に相当するヘキサンを使用することができる。好ましくは、DODの10mgあたり10μl〜1,000μlのヘキサンを混合することができる。
【0018】
本発明のフラン脂肪酸の製造方法では、前記熱処理は30℃〜150℃で1時間〜150時間の間に実行されることを特徴とする。好ましくは、85℃〜95℃で36時間〜96時間行うことができる。本発明の実験結果から、85℃〜95℃で、7,10−EODA生成率は、70%〜80%の範囲で非常に高い。また、反応時間を増やすことは、温度の上昇と同じ結果を示す。このように、7,10−EODAの形成は、12時間から96時間までで開始まり、36時間から96時間まででピークを示した(図6及び7を参照)。
【0019】
本発明の別の様態によれば、本発明は、7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(DOD)をヘキサンで熱処理することにより、製造される7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−EODA)を提供する。
【0020】
本発明の方法で製造されたフラン脂肪酸は、7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−EODA)である。自然界に存在する知られているフラン脂肪酸は、ほとんどフラン環にメチル基を1つ又は2つ持っている形態で示されている一方、本発明のフラン脂肪酸は、メチル基を持っていない。また、本発明の方法で製造されたフラン脂肪酸は、化学的触媒を使用せず、単一の熱処理段階でDODから新規なフラン脂肪酸を製造するのに十分である。
【0021】
本発明の実施例によれば、本発明者らは熱処理を行うことにより、DODから新規な生理活性の化合物を製造できることを初めて発見した。精製された生成物の化学的分析は、新規なフラン脂肪酸が生成されたことを証明している。フラン脂肪酸は、7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−EODA)で確認された(図5及び実験結果2参照)。
【0022】
本発明の別の様態によれば、本発明は、前記7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−EODA)を含む抗酸化剤を提供する。前記背景技術で詳述したように、フラン脂肪酸が抗酸化活性を含んでいることが報告されているので、本発明の7,10−EODAの抗酸化活性をラジカル消去活性として表すDPPH分析を利用して確認し、その結果、7,10−EODAのラジカル消去活性は、処理用量依存的に増加した。前記の活性が、α−トコフェロール又はアスコルビン酸と比較して相対的に低かったが、7,10−EODAは、処理容量−依存的に明らかなラジカル消去活性を示した(図8参照)。したがって、本発明に係るフラン脂肪酸は、抗酸化活性を持つ抗酸化剤として様々な産業分野に適用することができる。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、植物性油から微生物生転換によって製造された7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(DOD)から、単一の熱処理段階を経て新規な生物学的活性フラン脂肪酸を製造することができる。ペルオキシルラジカル(peroxyl radicals)による攻撃、少量であることによる自然のフラン脂肪酸を精製する際の難しさ、及び複雑で高コストの化学的合成の短点を考慮すると、本発明は、費用−効率的な方法で大規模に生物学的活性のフラン脂肪酸を製造するのに有効である。
【実施例】
【0024】
以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳細に説明することにする。これらの実施例は、単に本発明を例示するものであるため、本発明の範囲が、これらの実施例によって制限されるものと解釈されない。
【0025】
実験材料
オリーブ油(extra virgin grade)は、国内市場で購入した。ヘプタデカン酸(Heptadecanoic acid.、C17:0)は、Nu−Chek Prep(Elysian MN、USA)から購入した。トリメチルシリルイミダゾール(trimethylsilylimidazole、TMSI)とピリジン(pyridine、1:4、v/v)との混合物は、Supelco(Bellefonte、PA.USA)から購入した。薄層プリコートされたKieselgel 60F254プレートは、EM Science(Cherry Hill、NJ、USA)から入手した。シリカゲル、DavisilTM、grade 635、60−100mesh、60A、99%及び他の化学剤は、特に言及しない限り、Sigma−Aldrich(St. Louis、MO、USA)から購入した。他の全ての化学剤は、試薬級で追加の精製なしに使用された。
【0026】
実施例1. DODの製造
DOD(7,10−dihydroxy−8(E)− octadecenoic acid)は、本発明者の以前の報告書(21)に基づいて製造した。簡単に説明すると、オリーブ油(1%、v/v)を振とう培養機で28℃、200 rpmで好気性に培養されたPseudomonas aeruginosa PR3(NRRL strain B−18602)の24時間培養物に基質として添加した後、72時間の間追加培養した。同量のエチルアセテートで前記培養物を抽出して得られたDOD粗抽出物(crude DOD extract)を精製するために、シリカゲルカラム(1.5cm I.D×30cm)を使用している。分画は、ヘキサンとエチルアセテートの様々な比率で、2倍カラム容量の溶媒混合物で行われた。
【0027】
実施例2.熱処理によるDODからEODAの生産
熱処理によるDODの転換は、10mg DODと、溶媒として500μlヘキサンを含む4mlのガラスバイアルで行われた。前記混合物を90℃で24時間加熱ブロック(heat block;Barnstead / Thermolyne Type 176000 Dri−Bath)で反応させた。前記の処理後、窒素フラッシング(nitrogen flushing)を利用して溶媒を除去し、反応生成物をクロロホルムとメタノール(1:1、v/v)との混合物に溶かした。時間による(time−coursed)生成物の分析のために、10mgのDODを含むバイアルを90℃で熱処理し、提示された時間後に回収した。
【0028】
実施例3.反応生成物の分析
反応生成物は、TLCで解析され、内部標準(internal standard)であるヘプタデカン酸(heptadecanoic acid)でGC分析して定量された。TLC分析は、溶媒システム(toluene:1,4 dioxane:acetic acid.、79:14:7、v/v/v)で行い、スポット(spots)を50%硫酸(sulfuric acid)でプレートに噴射し、95℃で10分間熱処理することにより可視化した。GC分析のために、室温で5分間ジアゾメタン(diazomethane)にメチル化されたサンプルを炎イオン化検出器(flame−ionization detector)と毛細管カラム(capillary column、SPB−1TM、15mx0.32mm i.d.、0.25μmthickness、 Supelco Inc.、Bellefonte、PA、USA)を装備されたガスクロマトグラフィー(ACME 6100 Series Gas Chromatography System;Younlin Co.、Korea)で分析した。GCは、100℃で150℃まで20℃/min、150℃で200℃まで5℃/min、及び200℃で210℃まで0.5℃/minの温度勾配で行った後、300℃で10分間維持することにより進行した。インジェクターとディテクターの温度は、それぞれ270及び280℃に設定した。
【0029】
精製された目的生成物の化学的構造は、GC/MS、NMR、FTIRで決定された。電子衝撃質量分析(Electron−impact(EI)mass spectra)は、Hewlett Packard 5972 Series Mass Selective Detectorと繋がっているHewlett Packard 5890 GC(Avondale、PA、USA)を得た。コラム排出口は、イオンソースに直接繋がっている。分離は、70℃から130℃まで20℃/min、170℃で1分間保持、及び250℃まで5℃/minの温度勾配に続き、15分間保持することで、メチルシリコーンカラム(methylsilicone column、30m×0.25mm i.d.、膜厚:0.25μm)で行われた。H−NMR及び13C−NMR spectraは、それぞれ400及び100 MHzの周波数で動作する、Varian−500 spectrometer(Billerica、MA、USA)を用いて、重水素化されたクロロホルム(deuterated chloroform)で測定された。精製された生成物のFTIR分析は、Perkin Elmer Infrared Fourier Transform Model 1750 spectrometer(Perkin Elmer、Oakbrook、IL、USA)のKBr上のフィルムで行われた。
【0030】
抗酸化活性は、以前の研究によってDPPH(2,2−Diphenyl−1−picryhydrazyl)を用いて分析された(22)。簡単に説明すると、96ウェルプレートで50μlのサンプル溶液を含むDMSOに200μlの200μM DPPHラジカル溶液を添加した。L−アスコルビン酸及びα−トコフェロールが対照群として使用された。37℃で反応30分後、515nmで吸光度を測定した。DPPHフリーラジカル消去能は、次の式を用いて計算した:DPPHフリーラジカル消去能(%)=[1−(Asample−Ablank)/(Acontrol−Ablank)]x100。DMSOは、対照群として使用された。
【0031】
実験結果1.主生成物の製造と分離
90℃で24時間、ヘキサンでDODの熱処理で得られた一つの主生成物を含んでいる幾つかの混合物は、TLC(Rf=7.2、図1のB)とGC(peak retention time=8.2−8.4min、図1のA)で分析された。これらの生成物は、シリカゲルカラムを用いて精製された。ターゲット化合物(unknown)は、ヘキサン:エチルアセテート(8:2、v/v)の分画から得られた。白色の結晶質−類似粉末(white crystal−like powder)を持つ精製した生成物は、GC(図2のA)により96%以上の純度を持つ、単一の主なピークとして確認され、TLC分析(図2のB)で、1つの主なスポットとして示された。
【0032】
実験結果2.構造決定
精製したターゲットの生成物の構造決定のために、GC/MS、FTIR及びNMRが使用された。メチル化された生成物の電子衝撃質量分析(electron−impact GC/MS spectrum)とそれに伴う構造は、図3に示した。精製された生成物の質量分析は、フラグメントグラム(fragmentogram)で6つの主要ピークとして示された。フラン環の両側面でβ切断から95m/zでフラン断片を獲得し、193m/z及び209m/zで強いピーク(intense peak)を示すイオンは、それぞれメチル及びメチル化されたカルボキシル末端の方向にフラノイド環(furanoid ring)のβ切断(beta−cleavage)によって形成された。メトキシ基の消失の証拠は、277m/zで示された。このようなGC/MS分析のパターンは、化学的に合成された9,12−エポキシ−オクタデカ−9,11−ジエン酸(9,12−epoxy−octadeca−9,11−dienoic acid)の場合と非常に類似している(23)。9,12−エポキシ−オクタデカ−9,11−ジエン酸は、7,10−EODAとは全く異なる物質であるが、7,10−EODAに比べて、カルボキシル基から離れているフラン環の位置が、2つの炭素分だけ更に遠くに存在する物質である。
【0033】
前記GC−MS分析で得られたスペクトラムを用いて、目標生成物の構造を推定した結果、図3に示すような構造が導出された。つまり、7番炭素と10番炭素との間で酸素原子で接続されたエポキシ構造を含んでおり、7〜8番炭素間と9〜10番炭素間に2つの二重結合を持つ形でフラン脂肪酸の構造をしていると推定した。GC−MS スペクトラムのフラグメントパターンが、推定された構造と正確に一致していることが分かる。
【0034】
フラン脂肪酸の場合、自然界で、主に魚から少量発見されているが、ほとんどフラン環にメチル基を1つ又は2つ持っている形態で示されている。側鎖の長さは、多様に示されており、人の血液中にも少量含まれていることが知られている。しかしながら、メチル基を持たない形は、自然界ではほとんど知られていないため、リノール酸をリポキシゲナーゼで処理する場合、中間生成物として少量生産され得ると報告されている。また、この場合に生成されるフラン脂肪酸の構造は、本発明で確認されたものとはフラン環の位置が異なって示されている。つまり、10番炭素と13番炭素との間でエポキシ構造をしている。
【0035】
以上の結果から、本発明により製造された新たなフラン脂肪酸は、まだ学界に報告されていない新たな物質であることを確認することができた。したがって、新たな生成物の推定の構造を検証するために、NMRとFTIRを用いて構造解析を実施した。
【0036】
FTIR分析は、1710(carbonyl)、780(out of planeδCH)、1250(in planeδCH)、及び1567(C=C、furan)で幾つかの特徴的なピーク(characteristic absorptions)(cm−1)を示した(図4)。全体のピークのパターンは、合成フラン分子に対する他の研究者らのデータと非常に類似している(24)。NMR分析で精製した生成物の確認された構造を検証した。共鳴信号(ppm)とそれに伴う分子指定(molecular assignments)は、次の通りである。H−NMR(400MHz、CDCl):2.34(2H、CHCOOH)、5.84(2H、furan)、2.57(4H、2xCH−furan)、0.89(3H、CH)、1.28−1.61(18H、9−CH−)、及び13C−NMR(100MHz、CDCl)は、104.81、105.02、154.09及び154.81(それぞれC7、C8、C9、及びC10)で、フラン環、14.11(C18)で、−CH、及び178.64(C1)のカルボキシル炭素(carboxyl carbon)の存在が確認された。他の炭素は、33.78(C2)、24.45(C3)、27.22(C4)、29.71(C5)、33.78(C6)、31.87(C11)、29.35(C12)、27.84(C13)、28.58(C14)、29.24(C15)、31.94(C16)、及び22.67(C17)にあった。GC−MS、FTIR及びNMR解析から得たデータは、精製した生成物が、分子量が294(GC/MS分析により分子量を確認)である7,10−epoxy−octadeca−7,9−dienoic acidであることを確認した(図5)。前記の構造に基づいて、これらの化合物を7,10−EODAと命名した。
【0037】
置換基のないフラン脂肪酸の化学的合成は、一部の異性質体C18フランを含む脂肪酸が、複雑な段階と複数の触媒を用いてフランから化学的に合成されるということが、Lie Ken Jie等によって最初に報告された(24)。また、Alaizなどは、9,12−epoxy−octadeca−9,11−dienoic acidの化学的触媒で複数の化学的段階を経てリシノル酸(recinoleic acid)から合成されることを報告した(25)。しかしながら、本発明では、化学的触媒は、使用されなかった。代わりに、単一の熱処理段階でDODから新規なフラン脂肪酸を製造するのに十分であった。これは、熱処理により、DODから新規なフラン脂肪酸が単一の段階(one−step)で混合され得ることを初めて発見したものである。本発明者は、データベース検索(NIST MS Search 2.0 and Cambridge Soft Chem Office ver.5)によって、EODAが新たに合成されたフラン脂肪酸であることを確認し、他のF−acidと比較して、本発明の化合物についての情報がないことを確認した。
【0038】
実験結果3.時間による生成物と抗酸化活性
実施例2の方法で反応温度を変化させながら反応温度に応じて生成されるEODA量を図6に示した。図6に示されるように、反応温度が高いほど、反応時間が長くなるほど、EODAの生産量が増加すると示されているが、最大の生成効率は、80%程度を示した。最大の生成効率を得るためには、反応温度が85℃以上を維持し、反応時間も48時間程度を保持しなければならないことがわかった。
【0039】
したがって、7,10−EODAの時間による生成は、90℃で96時間の間研究された。図7に示されているように、7,10−EODAの生成は、時間に比例して48時間まで増加し、その後の上昇が止まった。これらの条件下で、最大の生成収率は、82%を示した。
【0040】
フラン脂肪酸が抗酸化活性を含むと報告されているため、7,10−EODAの抗酸化活性をラジカル消去活性で示すDPPH分析を利用して確認し、DODと比較した(図8)。7,10−EODAのラジカル消去活性は、濃度−依存的に増加して試験された最高濃度(100μg/ml)で23%を示した一方、DODは、いずれの活性も認められなかった。前記の活性がα−トコフェロール又はアスコルビン酸と比較して相対的に低かったが、7,10−EODAは、濃度−依存的に明白なラジカル消去活性を示した。これらの結果は、F−acidが抗酸化活性を示すという以前の推定を確認した。フラン脂肪酸は、ヒドロキシルラジカルの強力なスカベンジャーであり、一重項酸素(singlet oxygen)によって誘導される赤血球の溶血(erythrocyte hemolysis)を阻害し、サケのフォスファチジルコリンのsn1の位置のみで発見される(26)。食品由来のF−acidは、哺乳動物の組織や血液、特にリン脂質に供給されるが、部分的に多価不飽和脂肪酸(PolyUnsaturated Fatty Acid;PUFA)を取り替える(27)。このようなF−acidの生化学的、生物学的研究に基づいて、F−acidが、ヒトを含む哺乳動物で決定的に重要な抗酸化物質として作用できると思うのは当然なことである。このため、F−acidの低コスト−高効率生産のための簡便な方法の新たな発見は、意味がある。
【0041】
纏めると、本発明は、ジヒドロキシ脂肪酸の前駆体から7,10−EODAを生産する簡便な方法を提示する。ペルオキシルラジカルによる攻撃、少量であることによる自然のフラン脂肪酸を精製する際の難しさ、及び複雑で高コストの化学的合成の短点を考慮する場合、本発明は、費用−効率的な方法で大規模に生物学的活性のF−acidを生産するための有用な情報を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0042】
【非特許文献1】Glass,R.L.;Krick,T.P.;Sand,D.M.;Rahn,C.H.;Schlenk,H. Furanoid Fatty Acids from Fish Lipids. Lipids,1975,10,695702.
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【0043】
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【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、熱処理によるDODの転換から得た粗抽出物(crude extract)を分析した結果である。分析は、GC(A)とTLC(B)で行った。GC分析で同定されていない主な生成物は、TLC分析で矢印で表示される。レーン1;標準DOD、レーン2;熱処理されたDODの粗抽出物。他の実験条件は、実施例に示した。
【図2】図2は、熱処理によるDODの転換から得た粗抽出物と同定されていない精製した生成物を分析した結果である。分析は、GC(A)とTLC(B)で行った。上部と下部のGCクロマトグラムは、それぞれ粗抽出物と精製されたサンプルを示す。GC分析で同定されていない主な生成物は、TLC分析で矢印で表示される。レーン1;標準DOD、レーン2;熱処理されたDODの粗抽出物、レーン3;同定されていない精製した生成物。他の実験条件は、実施例に示した。
【図3】図3は、図2で同定されていないメチル化された生成物の電子衝撃質量分析(electron−impact GC / MS spectrum)を行った結果である。主な断片は、矢印で表示した。分析条件は、実施例に示した。
【図4】図4は、精製した7,10−EODAのFTIR分析の結果である。分析条件は、実施例に示した。
【図5】図5は、7,10−EODAの形成を誘導する熱処理によるDODの転換についての概略的な経路である。
【図6】図6は、7,10−EODAの反応温度に応じて生成されるEODA量を示す。
【図7】図7は、7,10−EODAの時間による生成を示す。実験条件は、実施例に示した。
【図8】図8は、精製した7,10−EODAのラジカル消去活性を示す。黒い棒と灰色の棒は、それぞれ7,10−EODAとDODを示す。分析条件は、実施例に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(7,10−dihydroxy−8(E)−octadecenoic acid、DOD)をヘキサンと混合する段階と、前記混合物を熱処理する段階と、を含むフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項2】
前記7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸が、オレイン酸及びオレイン酸を含む植物性油の少なくともいずれかを基質として利用して、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)微生物によって生産されることを特徴とする請求項1に記載のフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項3】
前記植物性油が、オリーブ油、紅花油、大豆油、トウモロコシ油、ゴマ油、エゴマ油、ブドウ種子油、唐辛子種油、キャノーラ油、ヒマワリ種子油、甜瓜油、菜種油及び米糠油で構成された群から選ばれたことを特徴とする請求項2に記載のフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項4】
前記微生物が、緑膿菌PR3(Pseudomonas aeruginosa PR3,NRRL strain B−18602)であることを特徴とする請求項2に記載のフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項5】
前記7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸10mgあたり10μlから1,000μlのヘキサンを混合することを特徴とする請求項1に記載のフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項6】
前記熱処理が、30℃から150℃で1時間から150時間で行うことを特徴とする請求項1に記載のフラン脂肪酸の製造方法。
【請求項7】
7,10−ジヒドロキシ8(E)−オクタデセン酸(7,10−dihydroxy−8(E)−octadecenoic acid、DOD)をヘキサンで熱処理することにより製造される7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸(7,10−epoxy−octadeca−7,9−dienoic acid)。
【請求項8】
請求項7に記載の7,10−エポキシ−オクタデカ−7,9−ジエン酸を含む抗酸化剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−246285(P2012−246285A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166902(P2011−166902)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年3月2日 キョンブク国際大学大学院発行の「農学修士学位論文 キョンブク国際大学大学院」に発表
【出願人】(510229201)キョンブク ナショナル ユニバーシティ インダストリー−アカデミック コーオペレーション ファウンデーション (3)
【Fターム(参考)】