説明

フルオロカーボン塗料組成物で使用するためのアクリル樹脂、及びそれらの形成方法

アクリル樹脂、及びフルオロカーボン塗料組成物における使用のためのアクリル樹脂を形成する方法を開示する。該フルオロカーボン塗料組成物は、一般に、フルオロカーボン樹脂、架橋剤及びアクリル樹脂を含有する。該アクリル樹脂は、(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマー、(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマー、及び(3)少なくとも1つの(2)とは異なる官能性アクリルモノマーの反応生成物を含有する。第一級もしくは第二級アミン基で置換された、環式、複素環式、アルキル、又はヘテロアルキル構造を有する少なくとも1つのアミノ化合物は、第一級もしくは第二級アミン基が、エポキシ基を開き、アミン官能性及びヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂を得るような、エポキシ官能性アクリルモノマー(2)と反応される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題発明は、一般に、アクリル樹脂及びアクリル樹脂の形成方法に関する。よりいっそう詳述すれば、本主題発明のアクリル樹脂は、フルオロカーボン塗料組成物において有用である。
【0002】
関連技術の説明
フルオロカーボン樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、優れた耐候性を有する塗料の配合において有用である。バインダー樹脂をフルオロカーボン塗料組成物に添加することは一般である。それというのも、フルオロカーボン樹脂は、乏しいレオロジー及び顔料の湿潤性を有するからである。以前にフルオロカーボン塗料組成物で使用されてきた典型的なバインダー樹脂は、アクリル樹脂を含む。かかるアクリル樹脂は、アクリル樹脂をその中に取り込んだ結果としてもたらされる改良された機械抵抗及び耐薬品性のために、多くの用途として好まれる。
【0003】
最適な耐候性及び耐薬品性を得るために、高いフルオロカーボン樹脂の含有量が、塗料組成物において所望される。多くの塗料用途は、フルオロカーボン樹脂70質量%以上を有する塗料組成物を要求し、かつ残りは、バインダー樹脂である。フルオロカーボン樹脂、特にPVDF、及びバインダー樹脂としてアクリル樹脂を含有する塗料組成物は、比較的高い粘度を有する傾向がある。いくつかの塗料用途、特にコイル被覆用途について、高いフルオロカーボン樹脂の含有量をアクリル樹脂と一緒に有するが、現在、関連技術の組成物で可能となっている物より低い粘度を有することが所望される。
【0004】
所望の顔料の湿潤性を提供するために、いくつかの関連技術の方法は、製造中にアクリル樹脂を扱っている。例えば、該アクリル樹脂は、追加の官能性を有さないアクリル酸及びアクリルエステル、追加の官能性を有するアクリル酸及びアクリルエステル、並びにアクリルオキシアルキルオキサゾリジンから重合されている。官能性アクリル酸/エステルは、架橋剤との架橋箇所を提供する。アクリルオキシアルキルオキサゾリジンは、フルオロカーボン樹脂とアクリル樹脂の粘度を低減する。以前に使用されてきたある特定のアクリルオキシアルキルオキサゾリジンは、3−(2−メタクリルオキシエチル)−2,2−スピロシクロヘキシルオキサゾリジン(MESO)である。MESOモノマーは、高い製造費のために入手することがますます難しく及び/又はより高価になっている。アクリル樹脂の粘度を低くする他の試みは、アクリル樹脂と、ポリイミド、アミノ基、エポキシ基等との重合及び/又は反応を含んでいる。しかしながら、それらの改質されたアクリル樹脂は、MESOで改質されたアクリル樹脂と同様に機能しない。
【0005】
従って、塗料組成物中に取り込まれる場合に、十分に低い粘度であり、かつ所望の顔料の湿潤性を提供するアクリル樹脂を提供することが好ましい。さらに、市販されており、かつアクリル樹脂を含有する塗料組成物の製造が、ひどく高い費用ではないように比較的安価なモノマー及び開始成分から、アクリル樹脂を形成する方法を提供することが好ましい。
【0006】
本発明の要約及び利点
本主題発明は、アクリル樹脂の形成方法を提供する。該方法は、(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマーと、(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマーとの重合を含む。第一級または第二級アミノ基で置換された環式、複素環式、アルキル、もしくはヘテロアルキルの構造を有する少なくとも1つのアミノ化合物は、第一級又は第二級アミンが、エポキシ基を開き、アミン官能性及びヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂を得るように、エポキシ官能性アクリルモノマーと反応される。
【0007】
それらから形成されたアクリル樹脂は、特にフルオロカーボン塗料組成物における使用に適している。フルオロカーボン塗料組成物は、フルオロカーボン樹脂、架橋剤及びアクリル樹脂を含有する。該アクリル樹脂は、フルオロカーボン樹脂の分散を補助するためのアミノ化合物からのアミン官能性、及び架橋剤との架橋を高めるためのエポキシ基の開裂からのヒドロキシル官能性を有する。言い換えれば、アミノ化合物からのアミン官能性は、塗料組成物の粘度を低くするため、本主題発明が、アクリルオキシアルキルオキサゾリジンを使用するアクリル樹脂を交換することがある
【0008】
本主題発明は、関連技術のアクリル樹脂及びフルオロカーボン塗料組成物に特徴的な欠点を克服する。特に、本主題発明は、アクリル樹脂を市販の及び比較的安価なモノマーから製造するため、製造費用が塗料組成物中にアクリル樹脂を取り込むことによって低下させることができる。さらに、塗料組成物の粘度は、本主題発明によって形成されるアクリル樹脂の取り込みの結果として、十分に低くなる。他の利点は、エポキシ基の開裂が、架橋剤との架橋の増加をもたらすことである。
【0009】
発明の詳細な説明
アクリル樹脂及びアクリル樹脂の形成方法は、開示されている。よりいっそう詳述すれば、該アクリル樹脂は、特に、フルオロカーボン塗料組成物における使用に適している。該フルオロカーボン塗料組成物は、一般に、フルオロカーボン樹脂、架橋剤、アクリル樹脂、溶剤及び添加剤を含有する。
【0010】
本主題発明における使用のための好適なフルオロカーボン樹脂は、Kynarの商標で販売されているような、ポリフッ化ビニリデン(PVDF);ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン;Kynar SLの商標で販売されているような、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンのコポリマー;Fluonateの商標で販売されているフルオロエチレン/ビニルエステル/ビニルエーテル;Kynar500及びKynar SLの商標で販売されている有標のフッ化ビニリデンを基礎とするポリマー;及び前記フルオロカーボン樹脂の混合物を含む。該フルオロカーボン樹脂は、典型的に分子量(質量平均)約100000〜約500000の範囲を有する高分子量を有する。該フルオロカーボン樹脂は、有利には、粉末形で使用される。その粉末は、本発明の塗料組成物中で使用される溶剤中に不溶性であるが、しかし溶剤によって膨潤され、塗料組成物の粘度を増加する。
【0011】
該フルオロカーボン樹脂は、塗料組成物の全質量に対して、約30〜約99%、典型的に約45〜約85%、及び有利には約55〜約75%の量で存在する。最適な耐薬品性及び機械抵抗を得るために、フルオロカーボン樹脂は、約70%の量で存在することが望ましい。フルオロカーボン樹脂の量が約70%である場合に、耐薬品性及び機械抵抗における低い改善だけが、達成されうるが、しかしその費用は、フルオロカーボン樹脂の高い費用のために極めて増加する。
【0012】
前記の架橋剤は、アミノプラスト樹脂、例えばメラミン/ホルムアルデヒド樹脂又はメラミン尿素樹脂であってよい。他の好適な架橋剤は、イソシアネート、ブロックトイソシアネート、カルバメート、オルガノシラン、及びグリコール尿素を含有する。一般に、該架橋剤は、実質的に室温でアクリル樹脂と反応しないが、しかし高い硬化温度、例えば塗料組成物が適用されるための基材の硬化温度でアクリル樹脂と架橋するように選択される。典型的に、該架橋剤は、塗料組成物の全質量に対して、約0.2〜約20%の量で使用される。典型的に、触媒は、塗料の焼き付けの間に硬化を促進するために使用される。かかる触媒は、当該技術分野でよく知られており、かつ制限されることなく、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、モノブチルマレエート、ブチルホスフェート、モノアルキル及びジアルキル酸ホスフェート、並びにヒドロキシホスフェートエステルを含有する。強酸触媒は、例えばアミンで、ブロックされてよい。本発明の組成物において有用であってよい他の触媒は、ルイス酸、亜鉛塩及びスズ塩を含有する。触媒は、一般に、結合剤の質量に対して、約0.1〜約5.0質量%の量で含まれる。
【0013】
前記のアクリル樹脂は、多数のアクリル又はアクリルモノマーの反応生成物を含む。該アクリル樹脂は、一般に、塗料組成物の全質量に対して、約10〜約60%の量で存在する。第一のタイプのアクリルモノマーは、(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマーである。該非官能性アクリルモノマーは、アルクアクリルモノマー、アルキルアクリルモノマー、及び/又はアルキルアルクアクリルモノマーも含んでもよい。該非官能性アクリルモノマーは、一般式:
【化1】

[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、並びにH及びC1〜C3のアルキルからそれぞれ選択され、かつR3は、C1〜C6のアルキルである]を有する。このタイプの非官能性アクリルモノマー(1)の例は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、及びtert−ブチルメタクリレートを含む。
【0014】
第一のタイプのアクリルモノマー(1)は、アクリル樹脂の全質量に対して、約80〜約95%の量で存在する。理論によって制限されることを意図することなしに、第一のタイプのアクリルモノマー(1)は、耐候性及び靱性を有する硬化させた塗料組成物を提供すると考える。
【0015】
第二のタイプのアクリルモノマーは、(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマーである。該エポキシ官能性アクリルモノマーは、アルクアクリルモノマー、アルキルアクリルモノマー及び/又はアルキルアルクアクリルモノマーも含んでもよい。このタイプ(2)のアクリルモノマーは、グリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリレートの少なくとも1つから選択されてよい。グリシジルエーテルは、エポキシ官能性アクリルモノマーとしても使用されてよいことが認識されている。好適なグリシジルエーテルは、制限されないが、グリシジルビニルエーテル及びグリシジルビニルベンジルエーテルを含む。第二のタイプのアクリルモノマー(2)は、アクリル樹脂の全質量に対して、約0.5〜約15%の量で存在する。
【0016】
本主題発明においてアクリル樹脂を形成するために選択できる第三のタイプのアクリルモノマーは、(3)架橋剤と架橋させる少なくとも1つの官能性アクリルモノマーである。該官能性モノマーは、アルクアクリルモノマー、アルキルアクリルモノマー及び/又はアルキルアルクアクリルモノマーも含んでもよい。このタイプ(3)のアクリルモノマーは、一般式:
【化2】

[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、H及びC1〜C3のアルキルからそれぞれ選択され、かつR4は、付加的なOH又はベータ−ジケトン官能性を有するアルコールの残基である]を有することが認識されている。このタイプのアクリルモノマー(3)の例は、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートを含む。
【0017】
第三のタイプのアクリルモノマー(3)は、アクリル樹脂の全質量に対して、約0.1〜約30%の量で存在する。理論によって制限されることを意図することなしに、第三のタイプのアクリルモノマー(3)は、塗料組成物において使用される場合に、アクリル樹脂を架橋剤と架橋させることを可能にすると考えられる。
【0018】
該アクリル樹脂は、第一級又は第二級アミン基で置換された少なくとも1つのアミノ化合物も有してよい。該アミノ化合物は、複素環式、環式の、アルキル、又はヘテロアルキル構造を有してよい。該アミノ化合物は、第一級又は第二級アミン基が、エポキシ基を開裂し、アミン官能性及びヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂を得るように、エポキシ官能性アクリルモノマー(2)と反応させる。アクリル樹脂は、(2)とアミノ化合物との反応が、架橋のための位置を担いうるヒドロキシ基をもたらすため、(3)なしに形成できることが認識されている。
【0019】
複素環式化合物は、炭素の代わりに少なくとも1つの窒素を有し、さらに炭素の代わりに少なくとも1つの酸素を含有してもよい。アミノ化合物が複素環式構造を有する場合に、該アミノ化合物は、一般の環状構造を有する。好適な複素環式アミノ化合物は、制限されないが、少なくとも1つのエチレン尿素、ピロリジン、2−ピロリドン、ピペリジン、全てのオキサゾリジン及びモルホリンから選択されてよい。該アミノ化合物が環式構造を有する場合に、該アミノ化合物は、少なくとも1つの第一級又は第二級アミンを有する環式炭化水素を有する。1つの好適な環式アミノ化合物は、ジシクロヘキシルアミンを含む。該アミノ化合物がアルキル構造を有する場合に、アルキル構造は、少なくとも1つの第一級又は第二級アミンを有する分枝鎖状又は直鎖であってよい、炭化水素鎖を含む。好適なアルキルアミノ化合物は、t−ブチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及びエタノールアミンを含む。ヘテロアルキル構造は、炭化水素鎖を含み、かつ少なくとも1つの第一級又は第二級アミン、及び/又は炭化水素鎖の一部として酸素を有してよい。好適なヘテロアルキルアミノ化合物は、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルアミン及びジエタノールアミンを含む。
【0020】
エポキシ環と反応させることができる他の好適なアミノ化合物は、第三級アミンを含むヒドロキシ(又はチオール)官能性化合物である。それら化合物は、一般式:
【化3】

[式中、R1は、OH又はSHであり、R2は、アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル又はアラルキルである]を有してよい。それらの場合において、ヒドロキシル(又はチオール)は、エポキシ環を開裂する。ヒドロキシ(又はチオール)官能性tert−アミノ化合物は、複素環式の、へテロアルキル又はヘテロアルケニルであってよい。複素環式化合物の例は、制限されないが、ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシキナゾリン、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを含む。ヘテロアルキル化合物の例は、制限されないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、及びN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを含む。ヒドロキシ官能性tert−アミンとエポキシ環との反応は、典型的に自触媒的である。反応の困難さが生じる場合に、このタイプの反応を促進することを知られている触媒が、おそらく使用されてよい。
【0021】
該アミノ化合物は、アクリル樹脂の全質量に対して、約0.1〜約15%の量で使用される。アミノ化合物と第二のタイプのアクリルモノマー(2)との反応生成物は、塗料組成物の粘度を低減する。さらに、反応生成物は、アクリル樹脂にフルオロカーボン樹脂とのより高い適合性を与えるのに役立ち、かつそれによって塗料組成物の粘度を安定化する。
【0022】
該アミノ化合物は、(1)と(2)とが重合された後に、又は(1)と(2)との重合前に、(2)と反応させてよい。アクリル樹脂が(1)と(2)とから形成される場合に、アクリル樹脂の形成は非常に感温性であることが見出されている。アミノ化合物が(2)のエポキシ基を開裂することを確実にするために、温度は、約60〜約140℃の温度の範囲内で維持されるべきである。そうすることによって、存在する他の反応性基と反応するアミン基又はエポキシ基の尤度は、低減又は除去される。
【0023】
前記のアクリル樹脂が(3)を含む場合に、アミノ化合物は、(1)、(2)及び(3)が重合された後に、又は(1)、(2)及び(3)を重合する前に、(2)と反応させてよい。該アクリル樹脂が(1)、(2)及び(3)から形成される場合に、温度は、約30〜170℃、より有利には60〜130℃、及び最も有利には70〜110℃の温度の範囲内であってよい。50℃未満の温度での開環は、このタイプの反応を促進すると知られている触媒をおそらく必要とする。該温度は、反応性基、例えば(3)のヒドロキシル基と(2)のエポキシ基との反応を低減又は除去するように調整されるべきである。さらに、該温度は、アミノ化合物のアミン基を、反応性基とエポキシ基との不要な反応のための触媒としての作用から妨げるために調整させる必要がある。しかしながら、当業者により、エポキシ基がアミン基と反応する後に、該温度を、有害作用、例えば不要な副反応を招くことなく、高めることができると解されるべきである。
【0024】
アクリル樹脂の形成は、開始剤の使用を必要とすることがある。様々な公知の開始剤は、本主題発明で使用されてよい。典型的な開始剤は、アゾ又は有機過酸化物の形から選択されてよい。アゾを基礎とする開始剤の実例は、DuPont社又はAkzo社から市販されているVazo(登録商標)67であってよい。ほとんどあらゆる過酸化物を基礎とする開始剤を、使用のために考慮できる。典型的な過酸化物の例は、tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルアミルペルオキシド等であってよい。
【0025】
樹脂の分子量(質量平均)は、5000〜約120000の範囲でありうる。典型的に、樹脂は、約10000〜60000の、及びより典型的には、15000〜45000の範囲の分子量を有する。
【0026】
本発明の塗料組成物は、有機溶剤又は溶剤の混合物に基づいてよい。好適な溶剤は、制限されないが、グリコール、エステル、エーテル−エステル、グリコール−エステル、エーテル−アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びフタレート可塑剤を、一次溶剤として組み合わせて又は個々に含有する。固形濃度は、一般に、約30〜約70%である。約45〜約65%の固形濃度が、最も典型的である。好適な溶剤の例は、aromatic100、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性のエステル、メチルアミルケトン、及びイソホロンを含有する。
【0027】
該塗料組成物は、例えば色塗を覆うクリアコートとして使用される場合に、透明であってよい。該組成物また、塗料組成物の全質量に対して、約30%までの顔料及び充填剤を含有してもよい。この塗料系において使用されてよい顔料のタイプは、色、物理的要求、耐久性及び耐薬品性に応じて、塗料産業において使用される全ての顔料を包含する。好適な顔料は、無機金属酸化物、有機化合物、金属フレーク、及びマイカ顔料、体質顔料又はフィラー顔料、並びに腐食防止剤顔料、例えばクロメート、シリカ、シリケート、ホスフェート、及びモリブデートを含有する。下塗りの色塗と上塗りのクリアコートとの双方は、本主題発明によって製造することができる。塗料組成物は、むき出しの金属表面に、有利には金属に適用されてよいが、しかし前記表面は、プライマー塗料で最初に被覆され、又は電着塗装を含む他の公知の方法によって処理されている。好適なプライマーは、アクリル、ポリエステル、並びにメラミン、ブロックトイソシアネート及びフェノール樹脂で架橋されたエポキシを含有する。
【0028】
本発明による塗料組成物は、様々な方法によって下地に適用されてよい。しかしながら、該塗料組成物は、特に、コイル被覆及び、又は噴霧方法のために製造され、かつ有用である。リバースロールのコイル被覆において、該塗料組成物は、典型的に約400〜500゜Fの最高到達金属温度(peak metal temperatures、PMT)で適用される。PMTでの滞留時間は、約10秒〜約5分の範囲である。該塗料組成物が噴霧によって適用される場合に、硬化温度は同様であるが、しかし実質的により長い硬化温度は、より大きい金属の質量によって、例えば約20分、要求される。
【0029】
噴霧方法を使用して適用された被覆は、0.6〜2.5milの範囲の塗膜構造を有しうる。典型的に、ほとんど方法のために噴霧のための塗膜構造は、1.2〜1.4milの範囲内である。コイル方法を使用して適用された被覆は、0.2〜1.2milの範囲の塗膜構造を有し、有利には、ほとんどのコイル線は、0.7〜0.9milの範囲で行ってよい。
【0030】
アクリル樹脂及び塗料組成物の形成を説明し、並びにアクリル樹脂及び塗料組成物の確実な特性を説明している、本明細書で示したような次の実施例は、本発明の説明を意図し、かつ制限されない。
【0031】
実施例
アクリル樹脂は、以下の表で挙げられた組成物によって形成された。第1表における量は、特に指定がない限り、グラムである。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例1において、非官能性モノマー(1)はメチルメタクリレートであり、エポキシ官能性アクリルモノマー(2)はグリシジルメタクリレートであり、官能性アクリルモノマー(3)は2−ヒドロキシエチルメタクリレートであり、かつアミノ化合物はモルホリンである。開始剤は、DuPont社から市販されている、Vazo(登録商標)67である。Aromatic100(549.3グラム)とメチルn−アミルケトン(MAK)(364.9グラム)との混合液を、攪拌機、凝縮器、温度計、不活性ガス注入口、及び添加漏斗を装備した3リットルの樹脂反応フラスコに装入した。その反応器を、窒素でフラッシュし、そして装入物を105℃まで加熱した。(1)、(2)、(3)及び17.3グラムのAromatic100のプレミックスを製造し、そして添加漏斗に入れ、そして4時間にわたって105℃での温度に保ちつつ反応器に添加した。プレミックスに加えて、26.0グラムのVazo(登録商標)67とMAK128.8グラムも、4時間にわたって添加した。
【0034】
添加が完了した後に、反応器の内容物を、MAK26.5グラムでフラッシュし、そして該内容物を、30分間105℃で保った。次に、10.5グラムのVazo(登録商標)67とMAK57.2グラムとを、1/3ずつ60分にわたって添加し、そして30分間105℃で保った。その反応器を、MAK19グラムで再びフラッシュし、モノマーのポリマーへの転化を完了した。その樹脂を、80℃まで冷却し、そしてモルホリンを添加し、MAK19グラムと32.2グラムのAromatic100でフラッシュした。温度を80℃まで低くすることによって、アミノ化合物のアミン基と(2)のエポキシ基との反応を調整し、そして不要な反応を減少又は除去した。そしてその樹脂を、30分間保ち、冷却した。
【0035】
得られた樹脂は、固形分49.7%、アミン価7.1(mgKOH/グラム 樹脂 固形)、25℃でのY−Z(ガードナー−ホルトバブル(Gardner−Holdt bubble))の粘度、及びガロン比重量8.16LBを有した。
【0036】
実施例2において、MESO96%(比較例1との比較として)を取り除き、そして(2)とアミノ化合物との反応と置き換えた。本主題発明の1つの目的は、MESOに依存する使用を低減又は除去することが評価されるべきだが、しかしさらに、より少ない量で使用されてよい。他のシクロオキサゾリジンを、費用を減少するためにMESOを置き換えてよい。非官能性モノマー(1)はメチルメタクリレートであり、エポキシ官能性アクリルモノマー(2)はグリシジルメタクリレートであり、官能性アクリルモノマー(3)は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであり、かつアミノ化合物はモルホリンである。開始剤は、DuPont社から市販されている、Vazo(登録商標)67である。Aromatic100(549.3グラム)とメチルn−アミルケトン(MAK)(364.9グラム)との混合液を、攪拌機、凝縮器、温度計、不活性ガス注入口、及び添加漏斗を装備した3リットルの樹脂反応フラスコに装入した。その反応器を、窒素でフラッシュし、そして装入物を、105℃まで加熱した。(1)、(2)、(3)、MESO及び17.3グラムのAromatic100のプレミックスを製造し、そして添加漏斗に入れ、4時間にわたって温度105℃で保ちつつ反応器に添加した。そのプレミックスに加えて、26.0グラムのVazo(登録商標)67とMAK128.8グラムも、4時間にわたって添加した。
【0037】
添加が完了した後に、反応器の内容物を、MAK26.5グラムでフラッシュし、そしてその内容物を30分間105℃で保った。次に、10.5グラムのVazo(登録商標)67とMAK57.2グラムとを、1/3ずつ60分にわたって添加し、そして30分間105℃で保った。その反応器を、MAK19グラムで再びフラッシュし、モノマーのポリマーへの転化を完了した。その樹脂を80℃まで冷却し、そしてモルホリンを添加し、そしてMAK19グラムと32.2グラムのAromatic100でフラッシュした。温度を80℃まで低くすることによって、アミノ化合物のアミン基と(2)のエポキシ基との反応を調整し、そして不要な反応を減少又は除去した。そしてその樹脂を、30分間保ち、冷却した。
【0038】
得られた樹脂は、固形分50%、アミン価7.0(mgKOH/グラム 樹脂 固形)、25℃でのW−Z(ガードナー−ホルトバブル)の粘度、及びガロン比重量8.16lbを有した。
【0039】
実施例3において、非官能性モノマー(1)は、メチルメタクリレート1008.5グラム及びブチルメタクリレート2.1グラムであり、エポキシ官能性アクリルモノマー(2)は、グリシジルメタクリレートであり、官能性アクリルモノマー(3)は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであり、かつアミノ化合物は、t−ブチルアミンである。開始剤は、DuPont社から市販されている、Vazo(登録商標)67である。Aromatic100(523.1グラム)とメチルn−アミルケトン(MAK)(364.9グラム)との混合液を、攪拌機、凝縮器、温度計、不活性ガス注入口、及び添加漏斗を装備した3リットルの樹脂反応フラスコに装入した。その反応器を、窒素でフラッシュし、そして装入物を、110℃まで加熱した。(1)、(2)、(3)及び17.3グラムのAromatic100のプレミックスを製造し、そして添加漏斗に入れ、4時間にわたって温度110℃で保ちつつ反応器に添加した。そのプレミックスに加えて、23.5グラムのVazo(登録商標)67とMAK128.8グラムも、4時間にわたって添加した。
【0040】
添加が完了した後に、反応器の内容物を、MAK26.5グラムでフラッシュし、そしてその内容物を30分間110℃で保った。次に、10.7グラムのVazo(登録商標)67とMAK57.2グラムとを、1/3ずつ60分にわたって添加し、そして30分間110℃で保った。その反応器を、MAK19グラムで再びフラッシュし、モノマーのポリマーへの転化を完了した。その樹脂を、80℃まで冷却し、そしてt−ブチルアミンを添加し、MAK19グラムと32.2グラムのAromatic100でフラッシュした。温度を80℃まで低くすることによって、アミノ化合物のアミン基と(2)のエポキシ基との反応を調整し、そして不要な反応を減少又は除去した。そしてその樹脂を、30分間保ち、そしてその温度を、120℃まで上昇させ、15分間保った。そしてその樹脂を、冷却し、濾過した。
【0041】
得られた樹脂は、固形分50.0%、アミン価7.0(mgKOH/グラム 樹脂 固形)、25℃でのW−Z(ガードナー−ホルトバブル)の粘度、及びガロン比重量8.16LBを有した。
【0042】
比較例1において、非官能性モノマー(1)は、メチルメタクリレートであり、官能性アクリルモノマー(3)は、アセトアセトキシエチルメタクリレートであり、かつ開始剤は、DuPont社から市販されている、Vazo(登録商標)67である。イソホロン(150.0グラム)、キシレン(641.5グラム)及びプロピレンカーボネート(600.6グラム)の混合液を、攪拌機、凝縮器、温度計、不活性ガス注入口、及び添加漏斗を装備した3リットルの樹脂反応フラスコに装入した。その反応器を、窒素でフラッシュし、そして装入物を、103℃まで加熱した。メチルメタクリレート、3−(2−メタクリルオキシエチル)−2,2−スピロシクロヘキシルオキサゾリジン、アセトアセトキシルエチルメタクリレート及び6.8グラムのVazo67のプレミックスを製造し、そして添加漏斗に入れ、3時間にわたって温度103℃で保ちつつ反応器に添加した。
【0043】
添加が完了した後に、反応器の内容物を、30分間107℃で保った。そしてその反応混合液を、99℃まで冷却し、そしてモノマーのポリマーへの転化を、30分ごとに、それぞれ2.0グラムのVazo67とキシレン3.5グラムからなる、6回の添加をすることによって仕上げた。最終の30分間の後加熱の後に、その樹脂を冷却し、装填した。
【0044】
得られた樹脂は、固形分2.6%、アミン価11.6(mgKOH/グラム 樹脂 固形)、25℃でZ1(ガードナー−ホルトバブル)の粘度、及びガロン比重量8.85lbを有した。
【0045】
それぞれの3つのアクリル樹脂は、フルオロカーボン塗料組成物中に取り込まれてよい。その構成要素は、特に指定がない限り、グラムで列挙される。
【0046】
【表2】

【0047】
実施例1において、顔料分散液を、アクリル樹脂5gと溶剤(イソホロン)20gとの混合液中で分散させた酸化チタン顔料15.8gを分散することによって形成する。アクリル樹脂を溶剤で低減させ、そして粉末の二酸化チタン顔料を撹拌下で添加する。顔料を、高速ブレードを使用して完全に分散する。そして樹脂、溶剤及び顔料混合液を、媒体ミル(Media mill)に通過させ、完全な分散液を得る。フルオロカーボンの基礎材料を、フルオロカーボン樹脂(ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF))22.1gをアクリル樹脂4.2gと溶剤20g中で分散することによって製造する。再度、アクリル樹脂を溶剤で低減させ、粉末のPVDFを撹拌下で添加し、そしてPVDFを、高速ブレードを使用して完全に分散する。
【0048】
中間体の基礎材料を、残っている構成要素をフルオロカーボンの基礎材料中に添加することによって製造する。例えば、酸触媒0.1gとメラミン(架橋剤)0.5gとを、フルオロカーボンの基礎材料に添加する。同様に、脱泡剤0.3g、蝋溶液0.2g及び酸化防止剤0.2gを、フルオロカーボンの基礎材料に添加した。
【0049】
塗料組成物を、顔料分散液とフルオロカーボンの基礎材料とを混合し、そして粘度を残っている溶剤11.8gで調整することによって仕上げる。様々な試験、例えば粘度及び密度を、最終の配合に対してその組成の完全性を確実にするために行う。該塗料組成物を、塗膜を下地に適用し、そして200〜260℃で6〜10分間焼き付けることによって硬化させる。
【0050】
実施例2において、顔料分散液を、アクリル樹脂6gと溶剤14gとの混合液中で分散させた酸化チタン顔料23.3gを分散することによって形成する。アクリル樹脂を、溶剤で低減させ、そして粉末の二酸化チタン顔料を撹拌下で添加する。顔料を、高速ブレードを使用して完全に分散させる。そして樹脂、溶剤及び顔料混合液を、媒体ミルに通過し、完全な分散液を得る。フルオロカーボンの基礎材料を、アクリル樹脂6.4g及び溶剤14g中でフルオロカーボン樹脂(ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF))29.4gを分散するとによって製造する。再度、アクリル樹脂を、溶剤で低減させ、粉末のPVDFを、撹拌下で添加し、そしてPVDFを、高速ブレードを使用して完全に分散させる。
【0051】
中間体の基礎材料を、残っている構成要素をフルオロカーボンの基礎材料中に添加することによって製造する。例えば、酸触媒0.1gとメラミン(架橋剤)0.7gとを、フルオロカーボンの基礎材料に添加する。同様に、脱泡剤0.3g、蝋溶液0.2g及び酸化防止剤0.2gを、フルオロカーボンの基礎材料に添加した。
【0052】
塗料組成物を、顔料分散液とフルオロカーボンの基礎材料とを混合し、そして粘度を残っている溶剤5.4gで調整することによって仕上げる。様々な試験、例えば粘度及び密度を、最終の配合に対してその組成の完全性を確実にするために行う。該塗料組成物を、塗膜を下地に適用し、そして200〜260℃で6〜10分間焼き付けることによって硬化する。
【0053】
比較例1において、顔料分散液を、アクリル樹脂、顔料、及び溶剤から形成する。次に、フルオロカーボンの基礎材料を、フルオロカーボン樹脂、アクリル樹脂1.4g、及び溶剤7.2gから形成する。残っている構成要素を、フルオロカーボンの基礎材料に添加する。架橋剤は、ヘキサメトキシメチルメラミンである。
【0054】
塗料組成物を、顔料分散液とフルオロカーボンの基礎材料とを混合し、そして粘度を残っている溶剤で調整することによって仕上げる。様々な試験、例えば粘度及び密度を、最終の配合に対してその組成の完全性を確実にするために行う。該塗料組成物を、塗膜を下地に適用し、そして200〜260℃で6〜10分間焼き付けることによって硬化する。
【0055】
実施例1及び2並びに比較例1の塗料組成物を、鋼板に適用し、そして305℃で55秒焼き付け、0.75〜0.85mil(0.019〜0.022mm)の塗膜を生じた。そして塗膜のメチルエチルケトン(MEK)の耐性を、塗膜の欠損までの二重摩擦(double rub)の数として測定した。実施例1は、200+摩擦としてよく機能し、実施例2は、200+摩擦としてよく機能し、及び比較例1は、100+摩擦としてよく機能した。それらの結果は、実施例1及び2が、MESOに基づく塗料組成物と少なくとも同等に、そうでない場合により良く機能することを示す。前記で討議されたように、MESOは、ますます得ることが難しく及び高価になっている。そのため、本主題発明の目的は、よく機能し、かつ製造費用が少ない、代わりの塗料組成物を提供することであった。
【0056】
明らかに、本発明の多くの修正及び変更は、前記の技術を考えることが可能である。本発明は、特許請求の範囲内で特に記載されたものと別の方法で実施されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂の形成方法であって、
(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマーと(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマーとを重合させること、並びに
第一級又は第二級アミン基で置換された、環式、複素環式、アルキル又はヘテロアルキル構造を有する少なくとも1つのアミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとを反応させ、第一級又は第二級アミンがエポキシ基を開裂し、アミン官能性及びヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂を得ること
を含む、アクリル樹脂の形成方法。
【請求項2】
アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとの反応工程が、さらに、(1)と(2)との重合後に、アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとを反応させることとして定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミノ化合物の反応工程が、約60〜約140℃の温度の範囲内で起こる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとの反応工程が、さらに、(1)と(2)との重合前に、アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとを反応させることとして定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アミノ化合物の反応工程が、約60〜約140℃の温度の範囲内で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(1)と(2)との重合工程が、さらに、(1)及び(2)と、(3)少なくとも1つの(2)とは異なる官能性アクリルモノマーとの重合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(3)が、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びヒドロキシエチルアクリレートの少なくとも1つから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとの反応工程が、さらに、(1)と(2)と(3)との重合後に、アミノ化合物とエポキシ官能性アクリルモノマーとを反応させることとして定義される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(1)と(2)と(3)との重合工程が、約70〜約90℃の温度の範囲内で起こる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アミノ化合物が、エチレン尿素、ピロリジン、2−ピロリドン、ピペリジン、モルホリン、t−ブチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルアミン及びジエタノールアミンの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アミノ化合物が、さらに、複素環式構造を有するとして定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
複素環式アミノ化合物が、少なくとも1つの、エチレン尿素、ピロリジン、2−ピロリドン、ピペリジン及びモルホリンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
(1)が、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート及びtert−ブチルメタクリレートの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
(2)が、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルビニルエーテル及びグリシジルビニルベンジルエーテルの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
フルオロカーボン塗料組成物における使用のためのアクリル樹脂であって、
(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマー、
(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマー、及び
前記のエポキシ基と反応し、かつ該エポキシ基を開くための、第一級もしくは第二級アミン基で置換された、環式、複素環式、アルキル又はヘテロアルキル構造を有する、少なくとも1つのアミノ化合物
の反応生成物を含有し、
その際、該アクリル樹脂は、フルオロカーボン塗料組成物中のフルオロカーボン樹脂の分散を補助するためのアミノ化合物からのアミン官能性、及びフルオロカーボン塗料組成物中の架橋剤との架橋を高めるためのエポキシ基の開裂からのヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂。
【請求項16】
該アクリル樹脂が、さらに、(3)少なくとも1つの(2)とは異なる官能性アクリルモノマーの反応生成物を含む、請求項15に記載のアクリル樹脂。
【請求項17】
(3)が、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びヒドロキシエチルアクリレートの少なくとも1つから選択される、請求項16に記載のアクリル樹脂。
【請求項18】
(1)が、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート及びtert−ブチルメタクリレートの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載のアクリル樹脂。
【請求項19】
(2)が、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルビニルエーテル及びグリシジルビニルベンジルエーテルの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載のアクリル樹脂。
【請求項20】
前記のアミノ化合物が、エチレン尿素、ピロリジン、2−ピロリドン、ピペリジン及びモルホリンの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載のアクリル樹脂。
【請求項21】
それぞれ、該アクリル樹脂の全質量に対して、(1)は、約80〜約96%の量で存在し、(2)は、約0.5〜約15%の量で存在し、かつ(3)は、約0.1〜約20%の量で存在する、請求項16に記載のアクリル樹脂。
【請求項22】
前記のアミノ化合物が、該アクリル樹脂の全質量に対して、約0.1〜約15%の量で存在する、請求項21に記載のアクリル樹脂。
【請求項23】
フルオロカーボン塗料組成物であって、
フルオロカーボン樹脂、
架橋剤、及び
(1)少なくとも1つの非官能性アクリルモノマー、(2)エポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ官能性アクリルモノマー及び、前記のエポキシと反応し、かつ前記のエポキシ基を開くための、第一級もしくは第二級アミン基で置換された環式、複素環式、アルキル又はヘテロアルキル構造を有する少なくとも1つのアミノ化合物の反応生成物を含有するアクリル樹脂
を含有し、
その際、該アクリル樹脂は、フルオロカーボン樹脂の分散を補助するためのアミノ化合物からのアミン官能性、及び架橋剤との架橋を高めるためのエポキシ基の開裂からのヒドロキシル官能性を有するアクリル樹脂。
【請求項24】
該アクリル樹脂が、さらに、(3)少なくとも1つの(2)とは異なる官能性アクリルモノマーの反応生成物を含有する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項25】
それぞれ、該アクリル樹脂の全質量に対して、(1)は、約80〜約95%の量で存在し、(2)は、約0.5〜約15%の量で存在し、かつ(3)は、約0.1〜約30%の量で存在する、請求項24に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項26】
前記のアミノ化合物が、該アクリル樹脂の全質量に対して、約0.1〜約15%の量で存在する、請求項25に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項27】
(3)が、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びヒドロキシエチルアクリレートの少なくとも1つから選択される、請求項24に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項28】
(1)が、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルアミン及びジエタノールアミンの少なくとも1つから選択される、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項29】
(2)が、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルビニルエーテル及びグリシジルビニルベンジルエーテルの少なくとも1つから選択される、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項30】
前記のアミノ化合物が、エチレン尿素、ピロリジン、2−ピロリドン、ピペリジン、モルホリン、t−ブチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルアミン及びジエタノールアミンの少なくとも1つから選択される、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項31】
さらに前記のフルオロカーボン樹脂中に分散された顔料を含有する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項32】
固形分約30〜約70%を有する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項33】
前記のフルオロカーボン樹脂が、フルオロカーボン塗料組成物の全質量に対して、約30〜約99%の量で存在する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項34】
前記のアクリル樹脂が、フルオロカーボン塗料組成物の全質量に対して、約10〜約60%の量で存在する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。
【請求項35】
前記の架橋剤が、フルオロカーボン塗料組成物の全質量に対して、約0.2〜約10%の量で存在する、請求項23に記載のフルオロカーボン塗料組成物。

【公表番号】特表2009−526094(P2009−526094A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553441(P2008−553441)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/060749
【国際公開番号】WO2007/092663
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【住所又は居所原語表記】100 Campus Drive, Florham Park, New Jersey 07932, USA
【Fターム(参考)】