説明

フルオロスルホニルイミド塩の製造方法

【課題】従来の設備を大幅に変更することなく、簡便な方法で、フルオロスルホニルイミド塩の収率を向上させることのできる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のフルオロスルホニドイミド塩の製造方法とは、クロロスルホニルイミドまたはその塩のフッ素化工程と、フルオロスルホニルイミドまたはその塩の抽出分離工程を含み、さらに、前記抽出分離工程において分離された抽残液より、フルオロスルホニルイミド塩を回収する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロスルホニルイミド塩、詳しくは、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ジ(フルオロスルホニル)イミドの塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドや、ジ(フルオロスルホニル)イミド等のフルオロスルホニルイミドの塩やその誘導体は、N(SO2F)基又はN(SO2F)2基を有する化合物の中間体として有用であり、また、電解質や、燃料電池の電解液への添加物や、選択的求電子フッ素化剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、近赤外線吸収色素等として使用されるなど、様々な用途において有用な化合物である。
【0003】
従来、フルオロスルホニルイミド類は、フッ素化剤を使用して、クロロスルホニルイミドをハロゲン交換する方法や(非特許文献1,2)、尿素の存在下で、フルオロスルホン酸(HFSO3)を蒸留することによってジ(フルオロスルホニル)イミドとする方法(特許文献1)などにより調製されてきた。また、本発明者らは、所定の元素を含むフッ化物を使用してフルオロスルホニルイミドを製造する方法を提案している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平8−511274号公報
【特許文献2】国際公開第2009/123328号パンフレット
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】John K. RuffおよびMax Lustig、Inorg.Synth. 11,138-140 (1968年)
【非特許文献2】Jean’ne M. Shreeveら、Inorg. Chem. 1998, 37 (24), 6295-6303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らは、従来法によっては、出発原料に対するフルオロスルホニルイミド塩の収量が低い場合があることを見出した。
【0007】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、従来の設備を大幅に変更することなく、簡便な方法で、目的物であるフルオロスルホニルイミド塩の収率を向上させることのできる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成し得た本発明のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法とは、クロロスルホニルイミドまたはその塩のフッ素化工程と、フルオロスルホニルイミド塩の抽出分離工程を含み、さらに、前記抽出分離工程において分離された抽残液より、フルオロスルホニルイミド塩を回収する工程を含むところに特徴を有する。
【0009】
本発明者らは、従来法、特に、生成物の精製に分液抽出法を採用する場合に、フルオロスルホニルイミド塩の収率が低下することを見出した。そこで、この点に着目し、目的物の収率低下を防ぐべく検討を重ねたところ、分液抽出工程において、生成物であるフルオロスルホニルイミド塩が、水層に流出し、廃水と共に廃棄処分されていることが明らかになった。そこで、本発明者らは、この水層に流出した生成物を回収することができれば、分液抽出法を採用する場合であっても、フルオロスルホニルイミドの収率を向上させられると考え、回収方法について検討を重ね、その結果、上記本発明の製造方法に想到したのである。
【0010】
前記回収工程は、前記抽残液を有機溶媒と接触させる工程であるのが好ましい。また、前記回収工程で得られた有機層は、前記抽出分離工程へと供給するのが好ましい。本発明は、さらに、前記フッ素化工程で生成したフルオロスルホニルイミドのカチオン交換工程を含むものであるのが好ましく、前記カチオン交換工程が、フルオロスルホニルイミド塩の交換可能なカチオンを、アンモニウムおよび/又はリチウムイオンと交換する工程であるのが望ましい。
【0011】
なお、本発明における「フルオロスルホニルイミド」との文言には、フルオロスルホニル基を2つ有するジ(フルオロスルホニル)イミドの他、フルオロスルホニル基と、フッ化アルキル基を有するN−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドが含まれる。出発原料である「クロロスルホニルイミド」も同様である。また、「フルオロアルキル」とは、炭素数1〜6のアルキル基において、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたものを意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来の設備を大幅に変更することなく、簡便な方法で、水層に流出したフルオロスルホニルイミド塩を回収でき、出発原料に対するフルオロスルホニルイミド塩の収率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法とは、クロロスルホニルイミドまたはその塩のフッ素化工程と、フルオロスルホニルイミド塩の抽出分離工程を含み、さらに、前記抽出分離工程において分離された抽残液より、フルオロスルホニルイミド塩を回収する工程を含む点に特徴を有するものである。
【0014】
上記各工程の実施順序は、回収工程が抽出分離工程の後に実施され、抽出分離工程が、少なくとも反応溶液から最終製品を分離する際に実施されるものである限り特に限定されない。また、各工程は複数回繰返し実施してもよい。
【0015】
また、上記工程に加えて、前記フッ素化工程で生成したフルオロスルホニルイミドまたはその塩のカチオン交換工程を含むことも、本発明の好ましい態様である。このカチオン交換工程の実施時期は特に限定されるものではなく、状況に応じて任意の段階で実施することができる。
【0016】
したがって、各工程を実施する好ましい実施態様としては、例えば、フッ素化工程、カチオン交換工程、抽出分離工程をこの順で実施する態様;カチオン交換工程、フッ素化工程、抽出分離工程をこの順で実施する態様;カチオン交換工程、フッ素化工程、カチオン交換工程、抽出分離工程をこの順で実施する態様;フッ素化工程、カチオン交換工程、カチオン交換工程、抽出分離工程をこの順で実施する態様;などが挙げられる。
【0017】
以下、本発明の製造方法について、まず、フッ素化工程から説明する。
【0018】
[フッ素化工程]
まず、フッ素化工程では、クロロスルホニルイミド又はその塩のフッ素化反応を行う。出発原料となるクロロスルホニルイミドは、市販のものを使用してもよく、また、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
【0019】
クロロスルホニルイミドを合成する方法としては、例えば、塩化シアンに無水硫酸を反応させた後、生成物(クロロスルホニルイソシアネート)とクロロスルホン酸とを反応させる方法、アミド硫酸と塩化チオニルとを反応させた後、さらにクロロスルホン酸を反応させる方法(以上、ジ(クロロスルホニル)イミドの合成方法);クロロスルホニルイソシアネートとフッ化アルキルスルホン酸またはフルオロスルホン酸とを反応させる方法(N−(クロロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド、または、N−(クロロスルホニル)−N−(フルオロスルホニル)イミドの合成方法);などが挙げられる。
【0020】
上記クロロスルホニルイミド(プロトン体)またはその塩(以下、クロロスルホニルイミド類と言う)をフッ素化する方法としては、従来公知の方法や、クロロスルホニルイミド類を、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物(好ましくはCuF2、ZnF2、SnF2、PbF2およびBiF3など)と反応させる方法が挙げられる。
【0021】
クロロスルホニルイミド類のフッ素化反応に上述のフッ化物を使用する場合には、クロロスルホニルイミド類のハロゲン(塩素→フッ素)、カチオン(プロトンまたは特定のカチオン→ 第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素)、それぞれの交換反応を1段階で行うことができる。
【0022】
なお、フッ素化反応の終了は、例えば、19F−NMRなどで確認することができる。すなわち、反応の進行によりフッ素に相当するケミカルシフトにピークが出現し、さらに、そのピークの相対強度(積分値)が増大する。したがって、19F−NMRにより反応の進行状態を追跡しながら、フッ素化反応の終了を確認すればよい。なお、反応時間が長すぎる場合には、副生物の生成が顕著となるので、目的物のピークの相対強度が最大となる時点(例えば、反応の開始から6時間〜12時間程度)でフッ素化反応を終了するのが好ましい。
【0023】
[カチオン交換工程]
次に、カチオン交換工程について説明する。クロロスルホニルイミド類またはフルオロスルホニルイミドまたはその塩(以下、フルオロスルホニルイミド類と言う場合がある)を、所望のカチオンを含む塩と反応させることで、カチオン交換することができる。カチオンとしては、Li,Na,K,Rb,Csなどのアルカリ金属、または、後述するオニウムカチオンが好ましい。アルカリ金属を含むフルオロスルホニルイミド塩は、高温で溶融、あるいは、適当な有機溶媒に溶解させることで、各種電気化学デバイスのイオン伝導体材料として使用することができる。また、オニウムカチオンを含むフルオロスルホニルイミド塩は、常温で溶融した状態を安定に保つ常温溶融塩となり、長期間の使用に耐える電気化学デバイスのイオン伝導体の材料や、有機合成における反応溶媒等として好適なものとなる。
【0024】
アルカリ金属を含む塩としては、LiOH,NaOH,KOH,RbOH,CsOH等の水酸化物、Li2CO3,Na2CO3,K2CO3,Rb2CO3,Cs2CO3等の炭酸塩、LiHCO3,NaHCO3,KHCO3,RbHCO3,CsHCO3等の炭酸水素塩、LiCl,NaCl,KCl,RbCl,CsCl等の塩化物、LiF,NaF,KF,RbF,CsF等のフッ化物、CH3OLi、EtOLi等のアルコキシド化合物、及び、EtLi、BuLiおよびt−BuLi(尚、Etはエチル基、Buはブチル基を示す)等のアルキルリチウム化合物等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0025】
一方、オニウムカチオンとしては、一般式(I);L+−Rs(式中、Lは、C、Si、N、P、S又はOを表す。Rは、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、Rが有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。sは、2、3又は4であり、元素Lの価数によって決まる値である。尚、L−R間の結合は、単結合であっても良く、また二重結合であってもよい。)で表されるものが好適である。
【0026】
上記Rで示される「有機基」は、炭素原子を少なくとも1個有する基を意味する。上記「炭素原子を少なくとも1個有する基」は、炭素原子を少なくとも1個有していればよく、また、ハロゲン原子やヘテロ原子などの他の原子や、置換基などを有していてもよい。具体的な置換基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ジスルフィド基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基などが挙げられる。
【0027】
一般式(I)で表されるオニウムカチオンとしては、具体的には下記一般式;
【0028】
【化1】

【0029】
(式中、Rは、一般式(I)と同様)で表されるものが好適である。このようなオニウムカチオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、好ましいものとしては、下記のようなオニウムカチオンが挙げられる。
【0030】
(1)下記一般式;
【0031】
【化2】


で表される9種類の複素環オニウムカチオンの内の1種。
【0032】
(2)下記一般式;
【0033】
【化3】


で表される5種類の不飽和オニウムカチオンの内の1種。
【0034】
(3)下記一般式;
【0035】
【化4】

で表される10種類の飽和環オニウムカチオンの内の1種。
【0036】
上記一般式中、R1〜R12は、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、又は、有機基であり、有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。
【0037】
(4)Rが、水素、または、C1〜C8のアルキル基である鎖状オニウムカチオン。中でも、一般式(I)において、LがNであるものが好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、(2−メトキシエトキシ)メチルトリメチルアンモニウム、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロエチル)アンモニウム等の第4級アンモニウム類、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム等の第三級アンモニウム類、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム等の第二級アンモニウム類、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム等の第一級アンモニウム類、N−メトキシトリメチルアンモニウム、N−エトキシトリメチルアンモニウム、N−プロポキシトリメチルアンモニウム及びNH4等のアンモニウム化合物等が挙げられる。これら例示の鎖状オニウムカチオンの中でも、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムが好ましい鎖状オニウムカチオンとして挙げられる。
【0038】
上記(1)〜(4)のオニウムカチオンの中でも好ましいものは、下記一般式;
【0039】
【化5】

【0040】
(式中、R1〜R12は、上記と同様である。)で表される5種類のオニウムカチオン及び上記(4)の鎖状オニウムカチオンである。上記R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、又は、有機基であり、有機基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭化フッ素基等が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の飽和又は不飽和炭化水素基、炭化フッ素基である。これらの有機基は、水素原子、フッ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子や、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基等の官能基を含んでいてもよい。より好ましくは、R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、シアノ基及びスルホン基等のいずれか1種以上を有するものである。なお、2以上の有機基が結合している場合は、当該結合は、有機基の主骨格間に形成されたものでも、また、有機基の主骨格と上述の官能基との間、あるいは、上記官能基間に形成されたものであっても良い。
【0041】
上記オニウムカチオンを含む塩としては、上記オニウムカチオンのハロゲン化物、水酸化物、炭酸化物および炭酸水素化物などが挙げられる。
【0042】
上記カチオン交換工程は、1回、または、2回以上繰り返し実施してもよい。上述のように、カチオン交換工程の実施時期は特に限定されないが、フッ素化工程の後に行うことが好ましい。
【0043】
なお、フッ素化工程、カチオン交換工程のいずれにおいても、反応溶液に含まれるスルホニルイミド骨格を有する化合物(例えば、フルオロスルホニルイミド、フルオロスルホニルイミド塩など)の濃度は、1質量%〜70質量%とするのが好ましい。濃度が高すぎる場合には、反応が不均一になる虞があり、一方、低すぎる場合には、1バッチあたりの生産性が低く経済的でないからである。より好ましくは3質量%〜60質量%であり、さらに好ましくは5質量%〜50質量%である。
【0044】
本発明では、上記フッ素化工程後にアルカリ水溶液と接触させる工程を設けてもよい。このアルカリ接触工程を設けることにより、生成物中に含まれる不純物を除去することができる。なお「フッ素化工程後」とは、フッ素化工程直後のみに限られず、フッ素化工程に続けてカチオン交換工程を行った後も「フッ素化工程後」に含まれる。
【0045】
前記アルカリ水溶液としては、塩基性物質の水溶液を使用すればよく、塩基性物質としては、例えば、アンモニア;炭素原子数1〜8のアルキル基を有する第一級、第二級または第三級のアルキルアミン、炭素原子数1〜8のアルキレン基を有するアルキレンジアミンなどの脂肪族アミン;アルカノールアミン;脂環式アミン;芳香族アミン;これらのアミンのエチレンオキサイド付加物;ホルムアミジン;グアニジン;アミジン;複素環式アミン;アルカリ金属、または、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。
【0046】
[抽出分離工程]
抽出分離工程は、上記各工程において、反応溶液から生成物を分離する工程である。抽出分離工程では、水、有機溶媒、およびこれらの混合溶媒を抽出溶媒とする分液抽出法で、反応溶液からフルオロスルホニルイミド塩またはクロロスルホニルイミド塩等を分離するのが好ましい。抽出分離工程で採用する装置としては、分液ロート、視流器を備えたフラスコなど、従来公知のものを使用すればよい。
【0047】
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、バレロニトリル、ベンゾニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ニトロメタン、ニトロベンゼン等の非プロトン性溶媒が挙げられる。なお、分液抽出法としては、水と有機溶媒とを用いる態様が好ましい。したがって、有機溶媒としては、水と混合したときに2層に分離するものを用いるのが好ましい。
【0048】
水の使用量は、反応に使用した有機溶媒及び抽出溶媒として使用する有機溶媒の合計100質量部に対して5質量部〜200質量部とするのが好ましい。より好ましくは5質量部〜100質量部であり、さらに好ましくは5質量部〜50質量部である。水の使用量が多すぎる場合には収率が低下し、一方、少なすぎる場合には、効率よく副生成物を除去することが困難となる傾向があるからである。
【0049】
抽出分離工程の実施時期や実施回数は特に限定されないが、少なくとも反応溶液から最終製品を分離する際に実施するのが好ましい。また、フッ素化工程およびカチオン交換工程の後にそれぞれ実施してもよい。
【0050】
なお、抽出分離工程で得られた生成物の純度を向上させるため、抽出分離工程後に精製工程を実施してもよい。精製法としては、上記溶媒による洗浄、再沈殿法、分液抽出法、再結晶法、晶析法及びクロマトグラフィーによる精製など従来公知の精製方法を採用することができる。
【0051】
[回収工程]
回収工程は、抽出分離工程で分離された抽残液から、フルオロスルホニルイミド塩を回収する工程である。上記抽残液には、所望の化合物であるフルオロスルホニルイミド塩が含まれている場合があるので、回収工程を設けることによって、フルオロスルホニルイミド塩の収率を向上させることができる。
【0052】
回収工程は、抽残液中に含まれるフルオロスルホニルイミド塩を分離できる方法であれば、どのような方法でも採用できる。例えば、溶媒による洗浄、再沈殿法、分液抽出法、再結晶法、晶析法及びクロマトグラフィーによる精製などが挙げられる。なお、簡便であること、フルオロスルホニルイミド塩の連続製造が可能であるといった工業的観点からは、抽残液と有機溶媒とを接触させる方法により回収工程を実施するのが好ましい。
【0053】
上記有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、バレロニトリル、ベンゾニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ニトロメタン、ニトロベンゼン等の非プロトン性溶媒が挙げられる。なお、上記抽残液は抽出分離工程で分離された水層であるため、上記有機溶媒の中でも、水と混合したときに2層に分離するものを用いるのが好ましい。
【0054】
有機溶媒の使用量は、抽残液100質量部に対して10質量部〜1000質量部とするのが好ましい。より好ましくは20質量部〜500質量部であり、さらに好ましくは50質量部〜500質量部である。有機溶媒の使用量が多すぎる場合にも、少なすぎる場合にも、効率よくフルオロスルホニルイミドを分離することが困難となるからである。
【0055】
抽残液と有機溶媒との接触時間は特に限定されないが0.1時間〜2時間程度とするのが好ましい。より好ましくは0.1時間〜1時間であり、さらに好ましくは0.1時間〜0.5時間である。
【0056】
なお、回収工程は、上記抽出分離工程と同様の装置により実施することができる。また、抽残液と有機溶媒とを接触させる態様は特に限定されないが、例えば、上記装置内で、抽残液と有機溶媒との混合溶液を攪拌する態様や振盪する態様などが挙げられる。
【0057】
回収工程で得られた有機層は、生成物を含む溶液として、当該有機層を単独で精製工程に供してもよいが、上記抽出分離工程へと供給することが推奨される。通常、回収工程で回収されるフルオロスルホニルミド量は、抽出分離工程で生成物として分離されるフルオロスルホニルイミド塩量に比べて少ない。したがって、回収工程で回収したフルオロスルホニルイミド塩を単独で精製するよりも、抽出分離工程で併せて分離し、精製した方が効率的であり、また、使用溶剤量の増加も抑制できるからである。
【0058】
[フルオロスルホニルイミド塩]
本発明の製法により得られるジ(フルオロスルホニル)イミド塩、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド塩は、リチウム二次電池、キャパシタなどに用いられる電解質やイオン性液体、あるいは、フルオロスルホニル化合物の中間体などとして有用である。特に、本発明のジ(フルオロスルホニル)イミド及びN−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドの有機塩は、一次電池、リチウム(イオン)二次電池や燃料電池等の充電/放電機構を有する電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、太陽電池・エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスを構成するイオン伝導体の材料として好適に用いられる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0060】
[ICP発光分光分析法]
下記例で得られたフルオロスルホニルイミド塩0.1gを超純水9.9gと混合した濃度1%の水溶液を測定試料とし、マルチタイプICP発光分光分析装置(島津製作所製「ICPE−9000」)を使用して、生成物中に含まれる不純物の分析を行った。
【0061】
[NMR測定]
1H−NMR、19F−NMRの測定は、Varian社製の「Unity Plus−400」を使用して行った(内部標準物質:トリフルオロメチルベンゼン、積算回数:16回)。
【0062】
実施例1
〔フッ素化工程〕
テフロン(登録商標)製の攪拌子を備えた30mlの試験管に、溶媒としてバレロニトリル15gを加え、これを攪拌しながらビス(クロロスルホニル)イミド1.7g(8.0mmol)を室温で滴下した。
【0063】
得られたビス(クロロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液に、室温で、フッ化亜鉛0.85g(8mmol)を一度に加え、室温(25℃)で4時間攪拌した。反応が進むにつれて、フッ化亜鉛が溶解し均一な溶液となった。この反応溶液を試料として、19FNMR(溶媒:重アセトニトリル)でフルオロスルホニル基量を定量したところ、出発原料(ビス(クロロスルホニル)イミド)に対するフッ素化物の収率は80.4mol%であった。
【0064】
〔カチオン交換工程1−アンモニウム塩の合成〕
上記フッ素化工程で得られたフルオロスルホニルイミド溶液に、28質量%アンモニア水3.3g(54mmol)を室温でゆっくり滴下した。滴下後、白色沈殿が生じたが、攪拌を続けると、やがて沈殿は消失した。反応溶液を室温で30分間攪拌した後、得られた反応液を分液ロートに移して油水分離し、アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た(抽出分離工程)。
【0065】
〔カチオン交換工程2−リチウム塩の合成〕
得られたアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液に、8.7質量%水酸化リチウム水溶液2.2g(Liとして8mmol)を加え、室温で30分間攪拌した後、油水分離して水層を除去した。得られた有機層(バレロニトリル層)に、再度8.7質量%水酸化リチウム水溶液2.2g(Liとして8mmol)を加え、室温で30分間攪拌した後、油水分離し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た(抽出分離工程)。
【0066】
得られた有機層を試料とし、ICP発光分光分析法により、フルオロスルホニルイミドのプロトンがリチウムイオンに交換されていることを確認した。また、19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル)でフルオロスルホニル基量を定量したところ、出発原料に対するリチウム塩の収率は32.4mol%であった。
【0067】
〔回収工程〕
上記カチオン交換工程1,2で得られた水層(抽残液)を混合し、これらの水層中に残留するフルオロスルホニルイミド化合物(アンモニウム塩およびリチウム塩)の回収を行った。分液ロート内で、上記水層をバレロニトリル5gと接触させ、有機層を分離した(回収1回目)。得られた有機層中には、出発原料に対して5.1mol%のフルオロスルホニルイミド化合物(カチオン種によらず、フルオロスルホニルイミド骨格を有する化合物。以下同様。)が含まれていた。
【0068】
1回目の回収で分離した水層を用いて、同様の操作を繰り返して2回目の回収を行ったところ、出発原料に対して1.4mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0069】
実施例2
実施例1と同様な手法で、フッ素化工程、カチオン交換工程1,2を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。
【0070】
〔回収工程〕
バレロニトリルを酢酸ブチル5gに変更したこと以外は、実施例1と同様の手法で回収処理を行ったところ、1回目の回収で7.9mol%、2回目の回収で2.7mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0071】
実施例3
実施例1と同様な手法で、フッ素化反応、カチオン交換工程1,2を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。
【0072】
〔回収工程〕
バレロニトリルを酢酸エチル30gに変更したこと以外は、実施例1と同様の手法で回収処理を行ったところ、1回目の回収で27.9mol%、2回目の回収で2.3mol%のフルオロスルホニルイミド化合物が回収できた。
【0073】
実施例4
実施例1と同様な手法で、フッ素化反応を行った。その後、28質量%アンモニア水に変えて17.6質量%塩化アンモニウム水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、カチオン交換工程1,2を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。出発原料に対するリチウム塩の収率は28.1mol%であった。
【0074】
〔回収工程〕
バレロニトリルの使用量を5gから10gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、回収処理を行ったところ、1回目の回収で7.3mol%、2回目の回収で5.7mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0075】
実施例5
実施例1と同様な手法で、フッ素化反応及びカチオン交換工程1を行った。その後、8.7質量%水酸化リチウム水溶液に変えて38.7質量%塩化リチウム水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、カチオン交換工程2を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。出発原料に対するリチウム塩の収率は71.0mol%であった。
【0076】
〔回収工程〕
バレロニトリルを酢酸ブチル15gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、回収処理を1回行ったところ、7.1mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0077】
実施例6
実施例1と同様な手法で、フッ素化工程、カチオン交換工程1を行い、アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。これを、実施例1の回収工程で得られたバレロニトリル溶液(有機層)と混合した後、カチオン交換工程2を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。出発原料に対するリチウム塩の収率は38.5mol%であった。
【0078】
〔回収工程〕
カチオン交換工程2後に分離した水層を用いて、実施例1と同様の手法で回収処理を行ったところ、1回目の回収で5.0mol%、2回目の抽出で1.4mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0079】
実施例7
実施例1と同様の手法でフッ素化工程を行った後、反応溶液に、トリエチルアミンの塩酸塩1.1g(8mmol)を加えた。その後、さらに水1.5gを反応溶液に加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応溶液を油水分離した。水1.5gを加え、室温で30分間攪拌する水洗操作をさらに4回行い、トリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た。出発原料に対するリチウム塩の収率は53.5mol%であった。
【0080】
〔回収工程〕
上記水洗操作で分離した全ての水層を混合した後、ここにバレロニトリル5gを加え、実施例1と同様にして回収処理を行ったところ、1回目の回収で5.5mol%、2回目の回収で1.7mol%のフルオロスルホニルイミド化合物(トリエチルアミン塩)を回収することができた。
【0081】
実施例8
実施例1と同様の手法でフッ素化反応を行った後、反応溶液に、トリエチルアミンの塩酸塩1.1g(8mmol)を加えた。その後、さらに、実施例7の回収工程で得られた有機層で得られた回収溶液を加えた。この混合溶液に水1.5gを加え、30分間室温で攪拌した後、得られた反応液を油水分離した。同様の水洗操作をさらに4回行い、トリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た。出発原料に対するリチウム塩の収率は61.5mol%であった。
【0082】
〔回収工程〕
上記水洗操作で得られた水層を全て混合した後、ここにバレロニトリル5gを加えて、実施例1と同様にして回収処理を行ったところ、1回目の回収で5.4mol%、2回目の回収で1.8mol%のフルオロスルホニルイミド化合物が回収できた。
【0083】
実施例9
実施例1と同様の手法でフッ素化反応を行った後、反応溶液に、トリエチルアミンの塩酸塩1.1g(8mmol)を加えた。その後、さらに水1.5gを反応溶液に加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応溶液を油水分離した。同様の水洗操作をさらに4回行い、トリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た。
【0084】
〔カチオン交換工程2〕
油水分離、水洗処理後の有機層(アンモニウム塩を含む)に、8.7質量%水酸化リチウム水溶液4.4g(Liとして16mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、油水分離して水層を除去し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。この反応溶液を試料とし、19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル)でフルオロスルホニル基量を定量したところ、出発原料に対するリチウム塩の収率は51.4mol%であった。
【0085】
〔回収工程〕
上記カチオン交換工程1,2で得られた水層を全て混合し、この水層にバレロニトリル5gを加えて、実施例1と同様に回収処理を行ったところ、1回目の回収で5.5mol%、2回目の回収で2,0mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0086】
実施例10
実施例1と同様の手法でフッ素化反応を行った後、反応溶液に、トリエチルアミンの塩酸塩1.1g(8mmol)を加えた。その後、さらに、水、1.5gを加え、30分間室温で攪拌した後、得られた反応液を油水分離した。同様の水洗操作をさらに4回行い、トリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た。
【0087】
〔カチオン交換工程2〕
上記カチオン交換工程1で得られた有機層に、実施例9の回収工程で得られた有機層を加えた。この混合溶液に、8.7質量%水酸化リチウム水溶液4.4g(Liとして16mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応溶液を油水分離して水層を除去し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのバレロニトリル溶液を得た。この反応溶液を試料とし、19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル)でフルオロスルホニル基量を定量したところ、出発原料に対するリチウム塩の収率は60.5mol%であった。
【0088】
〔回収工程〕
上記カチオン交換工程1,2で得られた水層を全て混合した、この水層にバレロニトリル5gを加えて、実施例1と同様に回収処理を行ったところ、1回目の回収で5.7mol%、2回目の回収で1.9mol%のフルオロスルホニルイミド化合物を回収することができた。
【0089】
表1に、上記実施例の結果をまとめて示す。
【0090】
【表1】

【0091】
実施例1〜10の結果より、カチオン交換後に分離された水層を有機溶媒と接触させる回収工程を採用することにより、水層中に流出したフルオロスルホニルイミド塩を回収できることが分かる。
【0092】
これらの結果より、本発明によれば、これまで廃水と共に処分されていたフルオロスルホニルイミド塩を効率よく回収することができ、生成物の収率を向上させることができることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、これまで廃水と共に処分されていたフルオロスルホニルイミド塩を回収することができ、目的物の収率を向上させることができる。また、本発明によれば、現行の装置等を変更することなく、簡便な方法で目的物の収率アップが図れるので、工業上、極めて有意義である。また、本発明の製造方法により得られるジ(フルオロスルホニル)イミド塩、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド塩は、リチウム二次電池、キャパシタなどに用いられる電解質やイオン性液体、あるいはスルホニルイミド塩の中間体などとして有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルオロスルホニルイミド塩の製造方法であって、
クロロスルホニルイミドまたはその塩のフッ素化工程と、フルオロスルホニルイミドまたはその塩の抽出分離工程を含み、さらに、
前記抽出分離工程において分離された抽残液より、フルオロスルホニルイミド塩を回収する工程を含むことを特徴とするフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
【請求項2】
前記回収工程が、前記抽残液を有機溶媒と接触させる工程である請求項1に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
【請求項3】
前記回収工程で得られた有機層を、抽出分離工程へと供給する請求項1または2に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
【請求項4】
さらに、前記フッ素化工程で生成したフルオロスルホニルイミドまたはその塩のカチオン交換工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
【請求項5】
前記カチオン交換工程が、フルオロスルホニルイミド塩の交換可能なカチオンを、アンモニウムおよび/又はリチウムイオンと交換する工程である請求項4に記載のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。

【公開番号】特開2011−144086(P2011−144086A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7346(P2010−7346)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】