説明

フルオロポリマーの層を有する工業用ファブリック及びその製造方法

本発明は、ファブリックの全寿命で持続する耐久性を有する非汚染材料の結果として、汚染に耐性がありかつ物品透過性を維持する工業用ファブリックである。フルオロポリマー材料は、ファブリックを、全ファブリック寿命にわたって汚染に対して耐性があるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、抄紙技術に関するものである。詳しくは、本発明は、他の工業用途に加えて、抄紙機での使用のためのファブリックに関するものである。より詳しくは、本発明は、とりわけ紙、板紙、及び、サニタリーティッシュ及びタオル製品などのウェットレイド製品の生産において;ウェットレイド及びドライレイドパルプの生産において;汚泥濾過器及び化学洗浄器を使用した抄紙に関するプロセスにおいて;エアドライプロセスによって作られるティッシュ及びタオル製品の生産において;水流交絡法(ウェットプロセス)、メルトブロー、スパンボンド、及びエアレイドニードルパンチによって製造される不織布の生産において;工業プロセスファブリックとして使用されるファブリックに関するものである。そのような工業プロセスファブリックは、不織フェルトに限定されず;不織布を製造するためのプロセスにおいて使用されるエンボス、コンベヤ、及びサポートファブリック;濾過ファブリック;濾過布を含んでいる。「工業用ファブリック」という用語はまた、限定されないが、パルプスラリーを抄紙プロセスのすべてのステージを通して搬送するための、すべての他の抄紙機ファブリック(フォーミング、プレス、及びドライヤファブリック)を含んでいる。特に、本発明は、抄紙機布として使用するための、あるいは、フォーミング、プレス、及びドライヤファブリックなどの抄紙機布の構成部材として使用するためのファブリックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抄紙プロセス中、繊維スラリー、つまりセルロース繊維が水に分散したものを、抄紙機のフォーミングセクションにおいて移動するフォーミングファブリック上に沈積させることにより、セルロース繊維ウェブが形成される。多量の水がフォーミングファブリックを通してスラリーから排出され、セルロース繊維ウェブがフォーミングファブリックの表面に残る。
【0003】
新たに形成されたセルロース繊維ウェブは、フォーミングセクションから一連のプレスニップを含むプレスセクションまで進む。セルロース繊維ウェブは、プレスファブリックによって支持されたプレスニップ、あるいは、よくあることだが2つのプレスファブリックの間に支持されたプレスニップを通過する。プレスニップでは、セルロース繊維ウェブが圧縮力を受け、該圧縮力は、そこから水を絞り出し、ウェブにおけるセルロース繊維を互いに接着してセルロース繊維ウェブを紙シートに変化させる。水は、1つまたは複数のプレスファブリックによって受け入れられ、理想的には紙シートに戻らない。
【0004】
紙シートは、最終的にはドライヤセクションまで進み、該ドライヤセクションは、蒸気によって内部が加熱される少なくとも一連の回転可能ドライヤドラムあるいはシリンダを含んでいる。新たに形成された紙シートは、紙シートをドラムの表面に対して近接させて保持するドライヤファブリックにより、一連のドラムにおけるそれぞれのまわりの蛇行経路に向けて順番に方向付けられる。加熱されたドラムは、蒸発を通じて紙シートの含水量を望ましいレベルまで減少させる。
【0005】
フォーミング、プレス、及びドライヤファブリックは、すべて、抄紙機上でエンドレスループの形態をとり、コンベヤのように機能することが理解されるべきである。紙製造はかなりの速度で進行する連続的プロセスであることが理解されるべきである。つまり、繊維スラリーは、フォーミングセクションにおけるフォーミングファブリック上に連続的に沈積される一方、新たに製造された紙シートが、ドライヤセクションから出た後にロール上に連続的に巻きつけられる。
【0006】
本発明は特に、プレスセクションにおいて使用されるプレスファブリックに関するものである。プレスファブリックは、紙製造プロセス中に重要な役割を果たす。それらの機能のうちの1つは、上述したように、プレスニップを通って製造された紙製品を支持して担持することである。
【0007】
プレスファブリックはまた、紙シートの表面の仕上げにも関与する。つまり、プレスファブリックは、平滑な表面と均一な弾性を有する構造とを有するように構成されており、プレスニップを通過するコースにおいて、平滑でマークのない表面が紙に付与されるようにする。
【0008】
おそらく最も重要なことには、プレスファブリックは、プレスニップで濡れた紙から引き出される大量の水を受け入れることである。この機能を満たすため、文字通り、水が進行するプレスファブリック内に、一般に空隙容積と称される空間がなければならず、また、ファブリックは、その全有効寿命にわたって水に対する十分な透過性を有していなければならない。最後に、プレスファブリックは、濡れた紙から受け入れた水が戻ることを阻止するとともに、プレスニップから出るのと同時に紙を再び濡らすのを阻止することができなければならない。
【0009】
最新のプレスファブリックは、多種多様なスタイルで製造されるものであり、製造される紙のグレードのためのそれらが取り付けられる抄紙機の要求を満たすように構成されている。一般に、それらは、緻密な不織繊維材料のバットが縫いつけられた、織られた基部ファブリックを備えている。基部ファブリックは、モノフィラメント、縒られたモノフィラメント、マルチフィラメント、あるいは縒られたマルチフィラメントヤーンから織られうるものであり、また、単層状、多層状、あるいはラミネート状とされうる。ヤーンは、一般に、抄紙機布技術における通常の技術により、この目的のために使用されるポリアミド及びポリエステル樹脂などのいくつかの合成重合樹脂の任意の1つから押し出し加工される。
【0010】
織られた基部ファブリックは、それら自身が多くの異なる形態をとる。例えば、それらは、エンドレスに織られたり、あるいは、フラットに織られた後に、織られた継ぎ目を有するエンドレス形態にされてもよい。あるいは、それらは、一般に改良エンドレス織りとして知られるプロセスによって製造されていてもよく、基部ファブリックの横方向縁部が、縦方向(MD)ヤーンを使用した継ぎ合わせループを備える。このプロセスにおいて、MDヤーンは、ファブリックの横方向縁部の間で前後に連続的に織り、各縁部で引き返して継ぎ合わせループを形成する。このようにして製造された基部ファブリックは、抄紙機に取り付けられている間、エンドレス形態に配置されるものであり、このため、機械上で継ぎ合わせ可能なファブリックと称されている。そのようなファブリックをエンドレス形態に配置するため、2つの横方向縁部がまとめられ、2つの縁部における継ぎ合せループが互いにかみ合わされ、継ぎ合わせピンあるいはピントルが、互いにかみ合った継ぎ合わせループによって形成される通路を通るように誘導される。
【0011】
さらに、織られた基部ファブリックは、1つの基部ファブリックを他のものによって形成されたエンドレスループ内に配置し、それらを互いに接続するために両方の基部ファブリックを通して短繊維バットを縫いつけることにより、ラミネート状とされうる。一方または両方の織られた基部ファブリックは、機械上で継ぎ合わせ可能なタイプとされうる。
【0012】
いずれにしても、織られた基部ファブリックは、長手方向で測定された特定の長さと横方向で測定された特定の幅とを有する、エンドレスループの形態をなすか、あるいは、そのような形態に継ぎ合わせ可能である。抄紙機構造は広く変化するため、抄紙機布メーカーは、プレスファブリック及び他の抄紙機布を、顧客の抄紙機における特定の位置に嵌め込むために必要な寸法に製造することが要求される。言うまでもなく、この要求は、各プレスファブリックが一般にはオーダーメイドされなければならないため、製造プロセスの合理化を困難にする。
【0013】
プレスファブリックをより迅速かつ効率的に様々な長さ及び幅で製造するこの必要に応じて、最近では、プレスファブリックは、Rexfeltらによる特許文献1に一般に開示されたスパイラル技術を使用して製造されており、その教示は、参照によってここに組み込まれる。
【0014】
特許文献1は、そこに縫いつけられる1つ以上の短繊維材料の層を有する基部ファブリックを備えたプレスファブリックを示している。基部ファブリックは、基部ファブリックの幅よりも小さい幅を有する織られたファブリックがスパイラルに巻かれたストリップからなる少なくとも1つの層を備えている。基部ファブリックは、長手方向あるいは縦方向にエンドレスとされる。スパイラルに巻かれたストリップの縦糸は、プレスファブリックの長手方向に対して角度を有する。織られたファブリックのストリップは、抄紙機布の生産において一般に使用されるものよりも幅狭とされる織機でフラットに織られていてもよい。
【0015】
用途あるいは形成される方法に関わらず、ファブリックは、脱水機能に対して特定の性質を示さなければならず、該脱水機能は、(1)プレスニップにおいて紙原料からプレスされた多量の水を受け入れること、(2)プレスファブリックの反対側あるいは非シート側における排出プレスロールへ水を解放すること、(3)補助吸込脱水装置へ水を解放すること、(4)水及び空気の両方がファブリック内へ及びファブリックを通って流れるようにする透過性を維持すること、などである。
【0016】
ファブリックの開口度は、その寿命の間、絶えず減少していく。繊維スラリーに加えて、製紙用パルプは、通常、ファブリックの開口した空間を詰まらせるフィラークレイ、ピッチ、及び重合材料などの添加物を含んでいる。再利用された繊維の使用は、またファブリックの開口した空間を詰まらせる、インク、接着剤、タール、及び重合材料の形態の多量の汚染物質を導入する。加えて、ファブリックは時折、汚染問題の影響をより受けやすい複数の層から構成される。
【0017】
したがって、汚染に対する耐性の度合いが改善されたファブリックが望ましい。1つの提案された従来技術の解決法は、ファブリックの構成において、汚染耐性を有するヤーンを使用することである。これは、そのようなヤーンによって提供される汚染耐性が一時的なものであったり効果がなかったりするため、完全に満足のいくものであることが証明されなかった。他の提案された解決法は、汚染物質に対する耐性を改善するために、抄紙ファブリックをコーティングあるいは処理することを要求する。また、この方法は、コーティングによって提供される汚染耐性が一時的なものであったり効果がなかったりするため、完全に成功していない。
【0018】
一般にコーティングあるいは処理に特有の1つの問題は、コーティングがファブリックの透過性を減少させ、抄紙ファブリックの主な機能である水除去能力を抑制する望ましくない結果をもたらすものとして当然知られていることである。したがって、ファブリックに塗布されたどんなコーティングでも、できる限り透過性を減少させてはならないことが重要である。
【0019】
特許文献2及び特許文献3は、汚染物質の接着に対して不変の耐性を有すると主張する抄紙ファブリックを開示している。ファブリックは、それらの主要な成分として、テトラフルオロエチレン、ウレタン共重合体、及びポリアクリルアミドを有する溶剤でコーティングされている。
【0020】
しかしながら、そのような非汚染材料を塗布するあるいは使用する際の困難の1つは、それらの機能が最適化されて実行されるように、非汚染材料を構造に位置決めすることである。例えば、押し出し加工中にモノフィラメントの断面を通じて非汚染材料が拡散するならば、モノフィラメントの本体内に含まれる非汚染材料が、どんな有益な非汚染機能をも提供しないことが分かるであろう。製造されたモノフィラメントの表面あるいは摩擦される表面に存在する非汚染材料は、優れた非汚染機能を提供する一方、モノフィラメントの内部に含まれる非汚染材料がそれらが摩擦を通じて露出されたときのみに機能を提供することが分かる。モノフィラメント内に含まれる非汚染材料の大部分は、ファブリック摩耗中に表面に決して露出しないため、実際には使用されない。非汚染材料のこの非最適な使用に加え、抄紙機布及び関連する用途のためのモノフィラメントを製造するのに一般に使用される基部材料に対して非汚染材料の高いコストは、製品の性能あるいは利点に比較して高い製品コストをもたらす。
【特許文献1】米国特許第5,360,656号明細書
【特許文献2】米国特許第5,207,873号明細書
【特許文献3】米国特許第5,395,868号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、汚染に対して耐性を有するプレスファブリックと、そのような従来技術の欠点を克服するプレスファブリックを形成するための方法とを意図したものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的は、紙、ティッシュ、あるいはタオルの生産において使用される工業用ファブリックと、パルプ脱水、汚泥脱水などの抄紙に関するプロセスと、ファブリックの全寿命にわたって汚染に対する改善された耐性示す機械製造不織布製品と、を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、非汚染材料の塗布によって得られる利点を最適化するように処理される一方、そのような材料の量を最小にするファブリックを提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、ファブリックの透過性に有意に影響を及ぼさない層を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、紙、ティッシュ、あるいはタオルの生産において使用されるファブリックのための層と、パルプ脱水、汚泥脱水などの抄紙に関するプロセスと、前記目的を達成する機械製造不織布製品と、を提供することである。
【0026】
本発明は、ファブリック全寿命にわたって持続するような汚染に対して改良された耐性を有する、抄紙機及び他の工業用途で使用されるファブリックである。
【0027】
本発明の1つの実施例は、工業用ファブリックの形成方法である。該方法は、基部構造を提供するステップと、基部構造に短繊維の層を縫いつけるステップと、短繊維層とともに基部構造にカレンダ加工するステップと、それから結果として生じる表面にフルオロポリマーを塗布するステップと、を含んでいる。フルオロポリマーは、それから、その融点よりも上に加熱され、この構造にフルオロポリマーが接合される。
【0028】
他の実施例では、本発明は、基部構造と該基部構造に塗布されるフルオロポリマーの層とから形成された工業用ファブリックを意図している。フルオロポリマーは、加熱されて基部構造に接合され、ファブリックに改良された非汚染特性を提供する。
【0029】
本発明のさらなる実施例は、仕上げられたファブリックを構成するための中間体工業用ファブリック構造である。中間体抄紙ファブリックは、仕上げられたファブリックの幅よりも小さい幅を有する基部構造のストリップを含んでいる。中間体ファブリックはまた、カレンダー加工される基部構造のストリップに取り付けられた繊維バットの層と、繊維バット及び基部構造に塗布されるフルオロポリマー層とを含んでいてもよい。フルオロポリマーはまた、その融点よりも上に加熱され、基部構造及び/または繊維バットに接合される。しかしながら、特定の例において、フルオロポリマーが基部構造よりも高い融点を有しうることを理解すべきである。そのような場合、基部構造の望ましくない溶融をもたらす熱エネルギーの基部構造への極度の浸透を防止するように注意すべきである。
【0030】
特許文献1によって教示される構成技術を施すことにより、中間体ファブリック構造のストリップは、ストリップの縁部が互いに接続されるようにして並んで配置されることができる。好ましくは、ストリップは、0.5m〜1.5mの幅を有している。並んで配置されるストリップの数は、仕上げられたファブリックの望ましい幅に依存している。一旦、構造がその望ましい幅に形成されると、繊維バットのさらなる層が、ファブリックに貼り付けられて、縫いつけ、接着結合、あるいは周知技術などにより、そこに取り付けられることができる。
【0031】
中間体ファブリックの幅狭ストリップの非常に長い長さは、フィーダロール上に形成されて配置されうることが理解されるべきである。ロールからストリップを外へ送り、互いから所定の距離でセットされた平行な軸線のまわりを並んだ配列でストリップで包むことにより、望ましい最終寸法を有する個々のファブリックを生じさせることが可能である。
【0032】
中間体ファブリックのストリップにフルオロポリマーを塗布することにより、本発明は、フルオロポリマーの限られた可使時間と使用しない材料の廃棄の問題とに関連する任意の問題を回避する。塗布幅がかなり減少し、装置の寸法を減少する。これらの修正の結果として、減少したプロセスコストだけではなく、塗布の制御の改善された度合いが実現される。
【0033】
適切なフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(PECTFE)、商品名テフロン(登録商標:デュポン社)で販売されている他のものを含んでいる。
【0034】
プレスファブリックのようなバットの層を有する特定のタイプのファブリックにおいて、空隙容積を減少させる重合汚染物質の大部分、したがって水除去が、基部構造の上部における構造の内部にしばしば集中することが観察されている。一般に、抄紙機の操作において、プレスファブリックの外部バット層の清潔さは、高圧清掃シャワーで供給されてファブリックの厚みを通じて急速に消える機械的エネルギーによって維持されると考えられている。異なる特定表面の2つのファブリック構成部材(基部ヤーン及び短繊維)の間の界面領域である内部バット層は、上方ファブリック領域が受けるよりも実質的に少ない、シャワーからの機械的エネルギーを受ける。したがって、様々なゲル及び化学種の凝集を生じさせる結合力、及び、それらをファブリックに取り付ける接着力は、下方内部ファブリック領域でそれらの形成を阻止するのに十分には分離しない。この現象は、従来技術によれば、汚染耐性を改善する試みのためのものとは考えられていなかったと信じられている。基部層上にあるいは基部層近くにフルオロポリマー材料を配置することにより、ファブリックが、最も必要とされる場所において汚染耐性の優れた度合いを有するであろうと考えられている。
【0035】
本発明を特徴付ける新規な特徴は、添付されるとともにこの開示の一部分を形成する請求項において特に指摘されている。本発明、その操作上の利点、及びその使用によって達成される特定の目的のより良い理解のため、本発明の好ましい実施例が図示された添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
抄紙、水流交絡法、スパンボンド、及びメルトブローから、ドライ濾過、及びウェット濾過まで変化する用途のために様々な工業用ファブリックが存在している。多くの用途において、織物構造へのフルオロポリマー材料の組み込みは、改善された製品を提供することが示されている。例えば、フルオロポリマーが、主にポリエステルからなるモノフィラメントに取り込まれる。これらのフルオロポリマーが比較的高い配合(10パーセント)で取り込まれた場合、結果として生じるファブリックが汚染に対してより大きな耐性を有することが分かっている。この非汚染特性は、きれいなファブリックが一貫して機能することに等しいため、ユーザーにとって価値がある。しかしながら、このアプローチには欠点がある。
【0037】
本発明の第1の実施例は、図1に示されており、従来の縫いつけ装置を使用してバット構成部材14が縫いつけられた、従来技術によって製造された完全基部ファブリック構造12あるいは層を備えている。基部構造あるいは層は、編み込み、押し出しメッシュ、スパイラルリンク、MD及び/またはCDヤーンアレイ、織布及び不織布材料のスパイラルに巻かれたストリップなどの、織布及び不織布を含みうる。これらの基材は、モノフィラメント、縒られたモノフィラメント、マルチフィラメント、あるいは縒られたマルチフィラメントのヤーンを含んでもよいし、単層状、多層状、あるいはラミネート状とされていてもよい。ヤーンは、一般に、工業用ファブリック技術において通常の技術として知られる目的のために適したポリアミド及びポリエステル樹脂、金属、あるいは他の材料などの合成重合樹脂のうちのいずれか1つから押し出し加工される。
【0038】
この縫いつけが完了した後、構造は、ギャップカレンダ加工あるいは溶融カレンダ加工を受け、溶融あるいはギャップカレンダ加工する前の構造と比較して明らかに異なる濡れ特性を有する、つや出しされたような表面を生じさせる。フルオロポリマー非汚染材料16は、従来のキスロール/真空ロール/真空スロット方法、あるいは、メータ測定スプレーのいずれかにより、構造に塗布される。他の方法がまた、ファブリックの内部構造に塗布されたフルオロポリマー懸濁液の大部分とならないように使用されうる。
【0039】
適切なフルオロポリマーは、限定されていないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(PECTFE)、及び商品名テフロン(登録商標:デュポン社)で販売されている他のものを含んでいる。
【0040】
非汚染材料の塗布の後、必要に応じて、乾燥の速度を上げるために熱い空気が使用されうる。これは、基部構造に及び/または繊維バットの最初の層あるいは複数の層に位置する、非汚染特性を有する中間体ファブリック構造を提供する。
【0041】
非汚染材料がファブリックのつや出し表面に塗布されて乾燥された後、構造は、それから溶融カレンダ加工あるいはギャップカレンダ加工を受ける。プロセスのこのステップにおいて、つや出しされたファブリック構造を備えた材料の融点を上回る表面温度を達成することが可能である。これらの材料の融点を上回ることにより、フルオロポリマー16が中間体ファブリックに接合されて丈夫なフィルム状特性を形成するように、フルオロポリマー16を溶融させることが可能である。この中間体ファブリックの表面にそのようなフィルムを形成することは、フルオロポリマーを溶融させて丈夫なフィルム状材料にするために必要な条件がつや出しされたファブリックに対する深刻かつ有害な溶解をもたらすことが予想されるであろうから、直観に反している。
【0042】
溶融した表面は、非汚染材料を局所化し、したがって、使用される量を最小化し、ファブリックの透過性に対する影響を最小化することに留意されたい。
【0043】
構造は、それから、繊維バット18の少なくとも1つのさらなる層を含むようにさらに縫いつけられていてもよく、また、必要に応じて継ぎ目開放、洗浄、乾燥、及び最終寸法調節などの他のプロセスステップも実行されうる。
【0044】
非汚染物質材料塗料は、コーティングされていないファブリックの重量に基づいて0.1%〜10.0%の質量付加とともに、重量−重量ベースで5%〜約50%の固体を含みうる。%質量付加は、100×(乾燥したコーティングされたファブリックの秤量−乾燥したコーティングされていないファブリックの秤量)/(乾燥したコーティングされていないファブリックの秤量)である。
【0045】
一般的な問題として、非汚染材料の固体内容物あるいは非汚染材料の質量付加が減少したときに、コーティングされたファブリックの本来の透過性のより大きな度合いが維持される。水、好ましくは水性ベース塗料用の希釈剤が、固体内容物、したがってパーセント質量付加を減少させるために使用されうる。10%〜15%(w/w)の範囲の固体内容物あるいは1%〜3%の質量付加の塗料を有するファブリックは、それらの本来の透過性の高い度合いを維持することが分かっている。つまり、それらは本来の透過性の約90パーセント〜99パーセントを維持し、これは好ましいことである。言い換えると、透過性は、非汚染材料の添加の結果として約1%〜10%のみ減少する。非汚染材料は、1回の経路において塗布されることができるし、あるいは、複数の経路において塗布されてもよい。
【0046】
このプロセスによって形成されたファブリックは、ファブリック上あるいはファブリック内の領域に優れた非汚染あるいは非汚染特性を提供することが予期される。同様に、フルオロポリマー表面は、乾燥濾過媒体及び他の不織布材料の表面に生じうることが予期される。本発明の他の実施例では、PVDFパウダーが、つや出しされたファブリックの上面に薄い層として塗布されることができる。溶融あるいはギャップカレンダ加工は、それから、このパウダーをファブリックの表面の結合層に溶融あるいは溶解させるために使用されうる。この例において及び前の例において、フルオロポリマー層が、織物ファブリックの表面をカバーする不透過性フィルムを形成するためのものではないことに留意することは重要である。
【0047】
上記の記載は、主にプレスファブリックについて説明しているが、他のタイプファブリックも考えられる。例えば、フォーミングファブリックあるいはドライヤファブリックとして使用されるようなファブリックは、フルオロポリマー層のための基部として使用されうる。この場合、フルオロポリマーは、液体から塗布されるか、水性懸濁液から塗布されるか、あるいはパウダーの形態で塗布されるかどうかに関係なく、ファブリック構造の片側に塗布される。全構造は、それから、構造の深刻あるいは有害な溶解をもたらすことなくフルオロポリマーを溶融させる目的のために、溶融あるいはギャップカレンダ加工を受ける。このように、フルオロポリマー層をファブリック構造の片側に優先的に塗布することが可能である。これは、基部ファブリックを含む材料よりも高い融点を有するフルオロポリマーを使用することが必要なときに、特に有利である。第1の例のように、溶融カレンダ加工あるいはギャップカレンダ加工は、高温フルオロポリマーを、低い融点を有する基板材料をカバーする丈夫な透過性フィルム状材料に変えるための手段を提供する一方、最終用途のために必要な透過性構造を維持する。
【0048】
さらなる実施例において、メルトブローンHalar(登録商標)ファブリック(Halar(登録商標)は、PECTFEのの商品名である)が、非汚染層を形成するために使用されうる。この特定の例において、Halar(登録商標)メルトブローンファブリックの層は、溶融カレンダ加工を介してファブリックの表面に溶融され、及び/または、それからHalar(登録商標)表面の溶融カレンダ加工を受けて、つや出しされたフルオロポリマー表面をファブリック構造に提供する。
【0049】
本発明の他の実施例において、例えばプレスファブリックとしての使用のために、幅狭の基部ファブリック構造のストリップ(つまり、抄紙機で使用される最終的なファブリックの幅よりも小さい構造)が、例えば、MDおよび/またはCDヤーンアレイを織り、編み込み、スパイラルに巻くことにより、あるいは、孔を有する重合フィルムを使用することにより、準備されうる。ここで及び以下で使用される「ストリップ」という用語は、幅よりも実質的に大きい長さを有する材料ピースに関するものである。ストリップ幅の唯一の上限は、最終的な基部ファブリックの幅よりも幅狭とされるべきことである。例えば、ストリップ幅が0.5〜1.5mとされうる一方、仕上げられたファブリックが10mあるいはそれよりも幅広とされうる。総バットの一部分が、従来の縫いつけ装置を使用した縫いつけにより、基部ファブリックの幅狭のストリップに取り付けられる。この部分的な縫いつけが完了した後、従来のキスロール/真空ロール/真空スロット方法、あるいは、メータ測定スプレー塗装のいずれかにより、非汚染材料が構造に塗布される。非汚染材料の塗布の後、必要に応じて乾燥の速度を上げるために熱い空気が使用されうる。非汚染材料がファブリックのつや出しされた表面に塗布されて乾燥された後、構造は、それから溶融カレンダ加工あるいはギャップカレンダ加工を受け、非汚染材料が中間体ファブリックに接合されて丈夫なフィルム状特性を形成するように、非汚染材料が溶融する。
【0050】
幅狭の基材は、後の処理を待つために、この後に巻きつけられることができる。本質において、製造されるものは、基部構造及び/または繊維ウェブの最初の層あるいは複数の層に位置する、非汚染特性を有する部分的なファブリック構造である。部分的なファブリック構造は、特許文献1の教示による全幅ファブリックを作るために使用されうる。
【0051】
その「幅狭」のフェーズにおいて部分的な構造に非汚染材料を塗布することにより、構造の材料摂取と供給原料の長さとを知り、材料の正確な消費を達成することができる。これは、ファブリック内の最も効果的な(望ましい)位置に材料を配置するだけではなく、全幅材料塗布に見られる可使時間及び廃棄の問題を取り除くであろう。他の利点は、効果をもたらすために必要な材料の総量の減少である。
【0052】
上述したものと類似する他の実施例では、ファブリックの幅狭のストリップが、塗布されるバットを有しておらず、むしろバットが後のステップとして塗布される。すべての場合において、非汚染材料は、提案された様式であるいは目的のために適切な任意の様式で塗布されることができ、また、水性あるいは液体溶剤、ドライパウダー、メルトブローン繊維の形態をとったり、あるいは、目的のために適切な任意の形態をとることができる。
【0053】
したがって、本発明のその目的及び利点が具体化されて、好ましい実施例がここに開示されかつ詳細に説明されているが、その範囲及び目的はそれによって限定されるべきではなく、むしろその範囲は添付の請求項によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の1つの実施例による工業用ファブリックの横断面である。
【符号の説明】
【0055】
10 ファブリック
12 基部構造
14 繊維バット
16 フルオロポリマー
18 繊維バット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用ファブリックにおいて:
基部構造と;
前記基部構造に塗布されたフルオロポリマー材料の少なくとも1つの層と;
からなり、
フルオロポリマー材料の前記層が、その融点よりも上に加熱され、溶融あるいはギャップカレンダ加工によって前記基部構造に接合されていることを特徴とするファブリック。
【請求項2】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記基部構造が、繊維バットの層を含んでいることを特徴とするファブリック。
【請求項3】
請求項2に記載のファブリックにおいて、
前記繊維バットが、溶融あるいはギャップカレンダ加工を受け、フルオロポリマー材料の前記層が塗布されるつや出しされた表面を生じさせることを特徴とするファブリック。
【請求項4】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記フルオロポリマー材料が、ドライパウダーであることを特徴とするファブリック。
【請求項5】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記フルオロポリマー材料が、水性あるいは液体溶剤であることを特徴とするファブリック。
【請求項6】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記フルオロポリマー材料が、メルトブローン繊維であることを特徴とするファブリック。
【請求項7】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記基部構造が、フォーミング、ドライ、プレス、あるいは他の工業用ファブリックであることを特徴とするファブリック。
【請求項8】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記溶融フルオロポリマー層が、水透過性を有していることを特徴とするファブリック。
【請求項9】
請求項1に記載のファブリックにおいて、
前記基部構造が、全幅であり、かつ、スパイラルリンク、MD及び/またはCDヤーンアレイ、編み込み、押し出しメッシュ、あるいは、基部構造材料ストリップであって該ストリップの幅よりも大きな幅を有する基材を形成するために最終的にスパイラルに巻かれる基部構造材料ストリップなどの、織布あるいは不織布から実質的に構成されたグループから選択されていることを特徴とするファブリック。
【請求項10】
請求項2に記載のファブリックにおいて、
繊維バットの第2の層をさらに備えていることを特徴とするファブリック。
【請求項11】
工業用ファブリックの形成方法において:
基部構造を提供するステップと;
前記基部構造にフルオロポリマー材料の層を塗布するステップと;
前記フルオロポリマー材料を加熱して、溶融あるいはギャップカレンダ加工によって前記基部構造に前記フルオロポリマー材料を接合するステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記基部構造が、繊維バットの層を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、
前記繊維バットが、溶融あるいはギャップカレンダ加工を受けて、フルオロポリマーの前記層が塗布されるつや出しされた表面を生じさせることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、
前記フルオロポリマー材料が、ドライパウダーであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記フルオロポリマー材料が、水性あるいは液体溶剤であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法において、
前記フルオロポリマー材料が、メルトブローン繊維であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法において、
前記基部構造が、フォーミング、ドライ、プレス、あるいは他の工業用ファブリックであることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法において、
前記溶融フルオロポリマー層が、水透過性を有していることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項12に記載の方法において、
繊維バットの前記層が、前記基部構造の両側に縫いつけられていることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法において、
前記基部構造が、全幅であり、かつ、スパイラルリンク、MDあるいはCDヤーンアレイ、編み込み、押し出しメッシュ、あるいは、基部構造材料ストリップであって該ストリップの幅よりも大きな幅を有する基材を形成するために最終的にスパイラルに巻かれる基部構造材料ストリップなどの、織布あるいは不織布から実質的に構成されたグループから選択されていることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項12に記載の方法において、
繊維バットの第2の層を繊維バットの前記第1の層に縫いつけるステップをさらに備えていることを特徴とする方法。
【請求項22】
仕上げられたファブリックを構成するための中間体工業用ファブリック構造において:
仕上げられたファブリックの幅よりも小さい幅を有する基部構造のストリップと;
前記基部構造に塗布される材料のフルオロポリマー層と;
を備え、
フルオロポリマー材料の前記層が、その融点よりも上に加熱され、溶融あるいはギャップカレンダ加工によって前記基部構造に接合されていることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項23】
請求項22に記載の中間体工業用ファブリック構造において、
前記ファブリックが、並んで配列された基部構造の複数の中間体ストリップからなり、該中間体工業用ファブリックストリップが、それらの縁部で互いに取り付けられていることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項24】
請求項22に記載の中間体工業用ファブリック構造において、
前記中間体基部構造ストリップが、前記仕上げられた工業用ファブリックの長さよりも大きい長さ寸法を有していることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項25】
請求項23に記載の中間体工業用ファブリック構造において、
前記中間体構造が、ロールに収容されていることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項26】
請求項23に記載の中間体工業用ファブリックにおいて、
前記ファブリックが、所定の距離で互いから離れた2つの平行なロールのまわりにまきつけられた中間体基部構造の一体ピースから構成されており、該中間体工業用ファブリック構造のターンが、並んで配列されるように前記ロールのまわりに配置され、該ターンの縁部が、互いに取り付けられていることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項27】
請求項23に記載の中間体工業用ファブリックにおいて、
繊維バットの層が、前記基部構造の片側または両側に塗布されていることを特徴とする中間体工業用ファブリック。
【請求項28】
請求項22に記載の中間体抄紙ファブリックにおいて、
前記基部構造が、スパイラルリンク、MD及び/またはCDヤーンアレイ、編み込みあるいは押し出しメッシュなどの、織布あるいは不織布から実質的に構成されたグループから選択されていることを特徴とする中間体抄紙ファブリック。
【請求項29】
請求項23に記載の中間体抄紙ファブリックにおいて、
繊維バットの第2の層をさらに備えていることを特徴とする中間体抄紙ファブリック。
【請求項30】
請求項27に記載の中間体抄紙ファブリックにおいて、
前記フルオロポリマー層が、繊維バットの前記層に塗布されていることを特徴とする中間体抄紙ファブリック。
【請求項31】
請求項30に記載の中間体抄紙ファブリックにおいて、
繊維バットの前記第1の層に塗布された繊維の第2の層をさらに備えていることを特徴とする中間体抄紙ファブリック。

【図1】
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【公表番号】特表2007−514879(P2007−514879A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545746(P2006−545746)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041121
【国際公開番号】WO2005/061788
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(504257874)アルバニー・インターナショナル・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】