説明

フルクトース不耐症の症例での使用のための薬剤

本発明は、フルクトースもしくはフルクトース含有食品の投与により、またはヒトもしくは動物の消化管での他の物質、例えば、スクロースからのフルクトースの遊離により生じるフルクトース不耐症ならびに健康および快適な生活のあらゆる形態の障害および苦痛の場合での使用のための薬剤に関する。本発明に記載の薬剤は、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含み、該酵素または酵素の組合せは、初めて医療分野で使用される。好ましくは、薬剤は、フルクトース不耐症の処置のために有用な医薬組成物の形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルクトース不耐症の症例での使用のための薬剤に関する。本願明細書の意味では、フルクトース不耐症は、医療的に定義されたフルクトース不耐症およびフルクトース代謝の障害を意味するだけでなく(さらに下記で詳述する)、フルクトースもしくはフルクトース含有食品の投与により、またはヒトもしくは動物の消化管での他の物質、例えば、スクロースからのフルクトースの遊離により生じる、健康および快適な生活のあらゆる形態の障害ならびに苦痛を意味する。
【0002】
本願明細書の内容では、食物および食品なる用語は、同義語として使用する。それらはまた、動物飼料の意味で、飼料を含むことを意味する。“特定食品”なる用語は、下記で定義しており、本発明に記載の特定の意味を有する。
【背景技術】
【0003】
フルクトースは、ケトヘキソースであり、エネルギーを提供する食物の重要な成分である。それは、多数の食品中で、多くのジおよびオリゴサッカライドの構成要素として、もしくは遊離フルクトースとして、またはその両方として存在する。フルクトースは、食物中、例えば、果物および果物ジュース中に高量で含まれているが、またスクロースにも含まれ、それは生物では、フルクトースおよびグルコースに切断される。下記では、‘フルクトース含有’は、フルクトースを純型で含むか、またはフルクトースが、消化管で放出され得る、あらゆる物質および食品を意味するべきである。
【0004】
グルコースとは対照的に、フルクトースは、容易な担体仲介拡散により、小腸の粘膜細胞に吸収される。酵素分解は、アデノシントリホスフェート(ATP)依存性フルクトキナーゼの作用により、肝臓で開始し、ここで、フルクトースは反応して、フルクトース1-ホスフェートになる。肝臓および腎臓で、フルクトース1-ホスフェートは、アルドラーゼBにより、グリセリンアルデヒドおよびジヒドロキシアセトンホスフェートに切断される。
【0005】
3つの異なるフルクトース代謝の障害が既知であり、すなわち、遺伝性フルクトース不耐症、腸内フルクトース不耐症およびフルクトース1,6-ジホスファターゼの欠如である。さらに、現在の知識では処置する必要がないフルクトース尿症が既知である。
【0006】
遺伝性フルクトース不耐症(HFI)は、腸内粘膜、肝臓、リンパ球および腎臓に存在する酵素であるアルドラーゼBの欠如により引き起こされる。通常は、この酵素は、中間段階で、フルクトース1-ホスフェートをフルクトース1,6-ビホスフェートに分解する。アルドラーゼBの欠如の症例では、フルクトース1-ホスフェートの蓄積が生じ、グリコーゲンの分解および糖新生の阻害のために、フルクトース摂取後の汗、震え、嘔吐およびけいれんの発生と関連する低血糖症状が現れる。未知の方法で、アシドーシス、腎臓損傷およびアミノ酸尿症が生じ得る。乳児期には、乳幼児突然死に至る出血の危険がある。
【0007】
腸内フルクトース不耐症は、他の症状を示す。それは、広範囲にわたり、特に、西洋諸国では、増加した頻度で生じる。腸内フルクトース不耐症は、小腸の粘膜での輸送過程の障害の結果として、フルクトースの吸収障害により生じる。患者は、不明の腹部苦悶/症状を示し、大腸に移動した糖質の細菌分解の結果としてガスの腸内産生を増加させる。苦痛は、例えば、膨張感、鼓腸、疝痛様腹痛、水性下痢および腸での不快音を含む。しばしば、過敏性大腸症の誤った診断がなされる。
【0008】
フルクトース1,6-ジホスファターゼの欠如は、糖新生経路でのこの重要な酵素の欠損である。この欠損は、フルクトースの摂取後の血中の乳酸レベルの増加、および空腹の場合での、ラクトアシドーシス、筋緊張低下のけいれんおよび昏睡状態を伴う低血糖症を引き起こす。肝臓の脂肪過多症を介して、また、肝腫大が生じ得る。
【0009】
フルクトース代謝の各障害は、必ずしも、重篤なフルクトース不耐症を生じるわけではない。しかしながら、フルクトース代謝の軽い障害の場合でさえ、健康なまたは快適な生活が損なわれることがしばしば観察され、それは、現在まで、食事の変更により影響を受けるのみであり得る。また、フルクトース含有食物の過度の摂取は、健康障害を生じ得る。
【0010】
現在まで、上記の症状および障害は、フルクトース、スクロースおよびソルビトールのない食事を厳守することによってのみ避けることができた。しかしながら、そのような食事を維持することは、フルクトースがあらゆる果実および多くの野菜に含まれており、甘味料として食品産業で広く使用されるため、患者にとって非常に困難である。また、例えば、スクロース(一般の糖)を含むあらゆる食品を、避けなければならない。相当する食事に − 遺伝性フルクトース不耐症の症例では非常に厳しい食事でさえ − 維持するのが困難なだけでなく、また、栄養生理学の観点で、極端に好ましくなく、患者の生活の質をかなり損なう。患者および当業者(例えば、内科医、医療専門家、栄養科学者、栄養コンサルタント、専門ジャーナリストなど)は、数十年間、食事を維持する以外に代替法はないと決め込んでいた。食事を維持する代わりの方法を発見することを目的とした研究は、成功していなかった。食事を維持するのを避けることを可能にし、フルクトース含有食物の摂取を可能にする薬剤は、したがって、数十年間存在してきた多くの患者の緊急の必要性を満たすであろう。当分野および患者による強い偏見は克服され、その結果、食事以外に利用可能な単純な治療が存在していないため、フルクトース不耐症の症例での治療および栄養に関する可能性の劇的な改善を生じる。そのような薬剤はまた、患者が、苦痛なしに、フルクトース含有の食事を含む普通の食事を楽しむのを可能にするための、今まで成功していなかった当業者の努力を止めるであろう。そのような薬剤の重要性は、遺伝性フルクトース不耐症を患う患者の健康に関して、最も重篤で危険な結果を考えるとき、例えば、彼らが、知らずに、不注意に、または無意識にフルクトースを摂取する場合に、明らかである。このことは、さらに、健康に関して負の副作用を有しない薬剤のために、より一層有効である。
【発明の開示】
【0011】
したがって、本発明の目的は、フルクトース代謝の軽度の障害の症例での、ならびに遺伝性および腸内フルクトース不耐症ならびにフルクトース1,6-ジホスファターゼの欠如の症例での、とりわけ、フルクトース不耐症の症例でさえ、フルクトース含有食品の摂取を可能にするために、使用のための有効な薬剤を提供することである。さらに、本発明の目的は、フルクトース不耐症の患者が、それらのフルクトース量のために現在まで避けなければならなかった食物を摂取することを可能にすることである。さらに、フルクトース摂取後のフルクトース不耐症の症状の出現を軽減するか、または解消し得る、薬剤を提供する。
【0012】
これらの課題は、請求項1から139に記載した本発明により解決される。本発明の対象は、上記したあらゆる問題を解決し得る薬剤である。薬剤は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ(同義語:フルクトース5-デヒドロゲナーゼ)を含む。本発明に記載の薬剤は、脱水素化により、食物中のフルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの変換を促進し得る。したがって、それは、腸内発酵により特徴づけられる細菌代謝のために利用できないか、または肝臓もしくは他の場所でフルクトース1-ホスフェートの蓄積が生じ得ないような方法で変化する。したがって、血中の乳酸レベルの増加もまた避け得る。本発明は、したがって、フルクトース不耐症の患者が、フルクトース含有食物を摂取することを可能にするために使用し得る、組成物および方法を提供する。
【0013】
さらなる本発明の対象は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの助けで、ヒトまたは動物身体でのフルクトースのバイオアベイラビリティを減らす薬剤である。
【0014】
またさらに、本発明の対象は、フルクトース不耐症を含む正常に機能しないフルクトース代謝の場合での使用のための薬剤であり、それは、フルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの脱水素化に影響を与える化合物を含む。この変換は、例えば、酵素学的に、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼにより達成し得る。
【0015】
好ましくは、本発明に記載の薬剤は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む。
【0016】
したがって、本発明の対象は、特に、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含むフルクトース不耐症の場合での使用のための薬剤である。
【0017】
本発明の他の対象は、フルクトース不耐症を含む、正常に機能しないフルクトース代謝の場合での5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの使用である。
【0018】
本発明にしたがって、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼはまた、食品中のフルクトースの量を低下させるために使用し得る。
【0019】
本明細書の内容では、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼは、フルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの脱水素化を触媒し得る酵素である。5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのための考えられる製造法は、例えば、Ameyama et al., Journal of Bacteriology 1981, 814-823, “D-Fructose Dehydrogenase of Gluconobacter industrius: Purification, Characterization and Application of Enzymatic Microdetermination of D-Fructose”に記載されていて、その内容は、引用により本明細書の一部とする。
【0020】
本明細書の内容では、特定食品は、特定の栄養的使用のための食品、特定の医療目的のための食品、食品栄養補助剤、栄養補助食品、ダイエット食品栄養補助剤、健康食品、栄養補給食品および食品添加剤である。本明細書の内容では、食品なる用語は、本明細書で使用するとき、適用可能なとき、特定食品を含むことを意味する。
【0021】
本発明は、食品中のフルクトースのフルクトース不耐症と関連する問題を避け得る形態への変換を可能にする。したがって、本発明はまた、フルクトース不耐症の患者が、これらの食品のフルクトース量のために現在まで避けなければならなかった食品を摂取することを可能にする。
【0022】
本発明にしたがって、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを、さらに、医薬での、例えば、医薬組成物としての使用のために開示する。したがって、本発明の対象は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼであり得るか、または医療的処置での使用のために該酵素を含み得る製品を含む。特に、ヒトまたは動物身体の治療的処置のための方法に取り組む。本発明の内容では、医薬組成物は、製品、特に、ヒトまたは動物身体の外科的または治療的処置での使用に適した、およびヒトまたは動物身体で行われる診断方法に適した物質または物質混合物である。本明細書の内容では、したがって、医薬組成物は、例えば、製品、特に、フルクトース不耐症を治療するか、軽減するか、予防するか、もしくは検出することを意味するか、またはそれらを行うのに適した物質もしくは物質混合物を含むことを意味する。
【0023】
上記の障害と連動して使用するとき、“処置する”なる用語は、これらの障害と関連する症状および/または影響の軽減、予防もしくは緩和を含み、そして該状態の可能性または重篤度を減らすための、酵素またはその混合物の予防的投与を含む。
【0024】
さらなる局面にしたがって、本発明は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む食品を提供する。またさらに、本発明は、フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換するために十分な量の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む食品を提供する。そのような食品は、有利には、例えば、食品を処理するための工程により製造し得て、そこでは、食品を、酵素がフルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換することができるような条件下で、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼと接触させる。そのような食品は、未処理食品と比較して減少したフルクトース量を有し、したがって、初めて、フルクトース不耐症の場合での消費のために適当である。食品は、例えば、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの脱水素化効果が食品の摂取後のみ開始されるような方法で食品に添加する方法で製造し得る。そのような5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む食品は、未処理食品として同じ味を有する。したがって、そのような食品は、初めて、摂取後に生じるフルクトース量の減少のために、フルクトース不耐症の場合での消費のために適当である。
【0025】
本発明のさらなる局面にしたがって、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、医療デバイスを提供する。また、さらに、フルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの変換のために有効な量で5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、医療デバイスを提供する。
【0026】
本発明は、本明細書中に、その異なる局面に関してより詳細に記載している。下記の“薬剤”なる用語の意味に関して、これは、食品、特定食品、医療デバイスまたは医薬組成物を含むものと理解されるべきである。
【0027】
5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼは、ほぼ40年間既知であった物質であり、分析目的以外で使用されたことがない。したがって、医療/医薬分野で、特に、ヒトもしくは動物身体の治療的処置のために、またはヒトもしくは動物身体での診断目的のために、および非常に特には、ヒトもしくは動物でのフルクトース代謝の障害の場合で、決して使用されなかった。したがって、本発明は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのための最初の医療適応に取り組む。
【0028】
本発明に記載の薬剤は、食前に、好ましくは、食事の直前に、食事と共に、または食事の直後に経口で摂取し得て、その結果、それは、食物パルプ中のフルクトースへの脱水素化効果を及ぼし得る。薬剤は、さらなる添加剤なしに酵素を含み得る。しかしながら、本発明に記載の薬剤が、さらに、例えば、薬学的に許容される成分および/または食品のために許容される成分、例えば、増量剤、結合剤、安定剤、保存剤、香味剤などである添加剤を含むことが好ましい。そのような添加剤は、医薬組成物、医療デバイス、食品、および特定食品の製造のために慣用的であり、および既知であり、そして量がある用量形態のために適当である添加剤は、当業者に既知である。特に好ましくは、本発明に記載の薬剤は、添加剤、例えば、第二リン酸カルシウム、ラクトース、修飾スターチ、微結晶セルロース、マルトデキストリンおよび/またはファイバーソルを含み得る。
【0029】
本発明に記載の薬剤に、電子受容体を、例えば、1:1から1:1000 (受容体:基質の割合)の量で、好ましくは、1:2から1:200、より好ましくは、1:10から1:50の量で加えることは有利であり得る。適当な受容体の例は、非限定的に、NAD+、NADP+、FAD+、ビタミン、例えば、ビタミンC、EもしくはA、フェリシアニド、ケトン、アルデヒド、2,6-ジ-クロロ-フェノリンドフェノール、フェナジンメチサルフェート、ニトロブルーテトラゾリウムおよびそのような受容体の混合物である。
【0030】
本発明に記載の薬剤はまた、摂取前に食品に添加し得る。さらに、食品の摂取後にその効果を発現する目的で、製造段階で食品に添加し得る。これは、例えば、マイクロカプセル化により達成し得る。これと共に、使用可能な食品のフルクトース量は、好ましくない方法で食品の味を変えることなく、減らし得る。したがって、本発明に記載の薬剤は、ヒトもしくは動物の消化管でのみ、特に、胃もしくは小腸で放出されるか、または他の手段により有効になる5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含み得る。したがって、本発明は、例えば、菓子、果実製品(例えば、アップルピューレ)、ジャム、はちみつ、チョコレートおよびチョコレート製品、焼き製品(例えば、ビスケットおよびケーキ)、パン、パスタ、野菜料理、ジャガイモ料理、アイスクリーム、穀類、乳製品(例えば、果実ヨーグルトおよびプディング)、フルクトース含有飲料、フルクトース含有ソース(例えば、トマトケチャップ)ならびにフルクトース含有甘味料の製造で使用し得る。調理された、または焼かれた料理のために、本発明に記載の薬剤を、例えば、冷却後に混合するか、またはそれに混ぜ得る。
【0031】
フルクトースは、糖尿病患者のための食品中で高量で甘味料として使用されるので、そのような食物に、食前か、または製造段階ですでに本発明に記載の薬剤を添加することは有益である。これは、フルクトース不耐糖尿病患者の、糖尿病患者のための食物、例えば、糖尿病患者のために適当な形態での上記の食品(糖尿病食物)の摂取を可能にする。
【0032】
本発明に記載の薬剤は、また、摂取後、他の食品から生じるフルクトースに対してその効果を及ぼすために、食品に添加し得る。薬剤は、例えば、スプレッドに添加し得て、その結果、パンに含まれるフルクトースの減少が、パンの風味を減らすことなくその上にスプレッドをつけたパンを摂取した後に生じる。他の例は、スパイス混合物であり得る。
【0033】
本発明に記載の薬剤はまた、固定形態で使用し得る。これは、特に、液体食品の処理のために有用である。例えば、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを、フルクトースを透過させるマトリックス中に埋め込み得て:フルクトース含有液体食品が、酵素含有マトリックスを通過して流れるとき、次いで、フルクトースを、酵素の作用により食品から抽出し、5-ケト-D-フルクトースに変換する。
【0034】
本発明の対象はまた、他の有効成分に加えて、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む薬剤である。
【0035】
薬剤は、意図する投与経路のために適当なあらゆる形態で製剤し得る。好ましい投与経路は、経口投与である。経口投与のために、薬剤は、例えば、粉末を含有するカプセル(被覆もしくは非被覆)、被覆もしくは非被覆ペレット、顆粒またはマイクロ/ミニ錠剤の形態で、または粉末から圧縮した錠剤(被覆もしくは非被覆)、被覆もしくは非被覆ペレット、糖衣錠またはマイクロ/ミニ錠剤の形態で製剤し得る。薬剤はまた、例えば、ジェルキャップの形態で、または溶液、滴、懸濁液またはジェルのような液体形態で製剤し得る。薬剤はまた、例えば、乾燥または湿潤経口栄養補助剤として製剤し得る。粉末としての本発明に記載の薬剤の製剤は、特に、食品との混合のために適当である。粉末を食事に混ぜるか、またはパルプまたは飲料に混合し得る。それは、バルク粉末として提供する薬剤が、単一用量で、例えば、単一袋もしくはカプセルで詰められるときか、またはそれが、投与ディスペンサーで提供されるとき、特に有益である。
【0036】
経口投与のために、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼが含まれ、許容される賦形剤および/または担体と共に使用し得る。“許容される担体”なる用語は、ヒトまたは動物を処置するために重大な害を引き起こすことなく、有効成分をその活性の標的部位に送達する医薬的使用のための担体のことを言う。しかしながら、担体の正確な形態は、実質的に重要ではない。
【0037】
5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む薬剤内の担体の全量は、好ましくは、組成物の重量で5%から99.9%、より好ましくは、10%から80%、さらにより好ましくは、25%から60%である。
【0038】
適当な賦形剤および/または担体は、非限定的に、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、微結晶セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、修飾スターチ、ファイバーソル、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含む(その混合物を含む)。
【0039】
好ましい担体は、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、第二リン酸カルシウム、修飾スターチ、微結晶セルロース、ファイバーソル、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびその混合物を含む。
【0040】
異なる成分および賦形剤および/または担体は、当業者に既知の通常の方法を用いて、混合し、望む形態に製剤し得る。経口投与に適した本発明に記載の投与形態、例えば、錠剤またはカプセルは、低pH値に耐性があり(およそpH 1から2.5)、そしておよそ3.0から8.0のpH値で、好ましくは、3.0から6.5のpH値で、および、特に好ましくは、4.0から6.0のpH値で溶解する被覆で、覆い得る。所望により使用する被覆は、使用する酵素の最適pHおよび製剤が曝されるpH値でのその安定性にしたがうべきである。また、低pH値に耐性がないが、低pH値での酵素の放出を遅らせる被覆を使用し得る。本発明に記載の薬剤を、被覆または非被覆カプセルに充填し得るか、または被覆または非被覆錠剤に圧縮し得る、被覆(上記を参照のこと)ペレット、顆粒またはマイクロ/ミニ錠剤として製造することが、また、可能である。適当な被覆は、例えば、酢酸フタル酸セルロース、セルロース誘導体、セラック、ポリビニルピロリドン誘導体、アクリル酸、ポリアクリル酸誘導体およびポリメチルメタクリレート(PMMA)、例えば、Eudragit(登録商標)(Roehm GmbH, Darmstadt, Germanyから)、特に、Eudragit(登録商標) L30D-55である。被覆Eudragit(登録商標)L30D-55を、例えば、5.5およびそれより高いpH値で溶解する。酵素をすでにより低いpH値で放出することを望むとき、これは、例えば、水酸化ナトリウム溶液の被覆剤Eudragit(登録商標)L30D-55への添加により達成し得る(この場合には、メタクリル酸塩のカルボキシル基が中和されるので)。したがって、被覆は、例えば、すでに4.0のpH値で溶解する(ただし、5%のカルボキシル基が中和される)。約100 gの4 %水酸化ナトリウム溶液の1 kg Eudragit(登録商標) L30D-55への添加は、約6%のカルボキシル基の中和を生じる。製剤法および投与法に関するさらなる詳細は、Lippincott, Williams & Wilkins, Baltimore, USAによりthe Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (Editor James Swarbrick)に2005年に公開された“Remington: The Science & Practice of Pharmacy”の第21版およびWissenschaftliche Verlagsgesellschaft (ISBN 3804-72222-9)で2006年に公開されたProf. Bauer “Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie”の第18版に見出し得る。これらの文献の内容は、引用により本明細書の一部とする。
【0041】
本発明での使用のための他の適当な薬学的に許容される担体は、非限定的に、水、鉱油、エチレングリコール、プロピレングリコール、ラノリン、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アセトン、グリセリン、ホスファチジルコリン、コール酸ナトリウムまたはエタノールを含む。
【0042】
本発明での使用のための組成物はまた、非限定的に、オキシエチレン化モノステアリン酸ソルビタン、脂肪アルコール、例えば、ステアリルアルコールもしくはセチルアルコール、または脂肪酸およびポリオールのエステル、例えば、ステアリン酸グリセリルを含む、少なくとも1個の共乳化剤を含み得る。
【0043】
本発明にしたがって使用する薬剤は、安定化形態で提供し得る。一般に、使用し得る安定化法および手順は、当分野で既知であり、そして特定の目的のために適した化学的または生物学的物質の安定化のための任意のおよびすべての方法を含み、例えば、化学剤の添加、温度調節に基づく方法、放射線に基づく方法またはその組合せを含む。本発明にしたがって使用し得る化学剤は、とりわけ、保存剤、酸、塩基、塩、抗酸化剤、粘性促進剤、乳化剤、膠化剤、およびその混合物を含む。
【0044】
通常は、酵素の工業的製造は、適当な微生物(細菌、糸状菌類、真菌)を用いて、技術的な発酵工程で行う。通常は、菌株は、特別のスクリーニングプロトコールにしたがって、天然の生態系から回収し、純粋培養として単離し、そして酵素スペクトルおよび生合成能力(量/時間収率)に関してそれらの特性を改良する。酵素の製造はまた、将来的に開発される方法により行い得る。
【0045】
5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼは、商業的に入手可能であり(例えば、Sigma-Aldrich and Toyobo Enzymes)、通常は、微生物Gluconobacter industriusの助けで、微生物学的方法で製造する。しかしながら、本発明は、現在、商業的に入手可能な酵素に限定されず、一般に、フルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの変換を、特異的または非特異的に触媒し得る酵素に関する。当業者は、現在当分野で既知の方法によるか、または将来開発され得る方法により、例えば、Gluconobacter industriusに存在する5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのための遺伝子の突然変異生成により、さらに適当な酵素を製造し得る。酵素はまた、十分な量および必要な純度で、また、現在既知であるか、または将来開発され得る遺伝子工学の使用により、他の微生物、例えば、真菌の助けで製造し得る。例えば、他の微生物で酵素を産生することを望むとき、次いで、大規模なスクリーングにより最初に見出されて、望む特性を有する酵素の適当な起源であることが証明された微生物の遺伝学的な情報は、酵素の製造のために通常使用する微生物に移し得る。また、工業的酵素開発および酵素製造の領域で、例えば、遺伝子工学の領域で、現在既知であるか、または将来開発し得る方法による酵素自身の修飾および酵素の製造が可能である。特に、pH値に関する酵素の安定性(最適なpH値、温度安定性および最適温度に関する)の観点で、望む純度および活性ならびに望む特性を有する酵素を開発し、そして製造するためのこれらのあらゆる方法を行う使用および方法は、当業者に既知である。Springer Verlag 1997 (ISBN 3-540-61135-5)により公開されたHeinz Ruttloff, Juergen Proll and Andreas Leuchtenbergerのテキスト“Lebensmittel-Biotechnologie und Ernaehrung”の第2章(82頁から130頁)の説明は、これらの方法を詳細に記載している。さらなる情報を見出し得る。これらの方法は、また、Jan S. Tkacz, Lene Langeand (2004, ISBN 0-306-47866-8に公開された)による“Advances in Fungal Biotechnology for Industry, Agriculture, and Medicine”、Wolfgang Aehle (Editor)により2004, ISBN 3527295925に公開された“Enzymes in Industry: Production and Applications”およびJose-Luis Barredo (Humana Press 2005, ISBN 1588292533)による“Microbial Enzymes and Biotransformations”に記載されている。これらの文献は、引用により本明細書の一部とする。このすべてを、また、下記の酵素に適用し、所望により、本発明に記載の薬剤に添加し得る。
【0046】
5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの活性は、単位で定義し(例えば、Sigma-Aldrichから利用可能なアッセイ)、ここで、1単位は、pH 4.5および37℃で、1分あたり1マイクロモルのD-フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換する、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの量である。アッセイは、Sigma-Aldrichから利用可能である。一般に、用量単位あたりの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの活性は、1000万から500万単位、好ましくは、2500万から250万単位および、特に好ましくは、5000万から100万単位であるべきである。上記用量の広い範囲は、本発明に記載の薬剤が、3つの異なる型のフルクトース不耐症、すなわち、遺伝性フルクトース不耐症、腸内フルクトース不耐症およびフルクトース1,6-ジホスファターゼの欠如に、重篤度の異なる程度でそれぞれ、ならびにフルクトース代謝の軽い障害に適用可能であるという事実により説明し得る。さらに、異なる用量はまた、特定の食物摂取に依存して、様々な量のフルクトースが生体内に入るという事実から生じる。
【0047】
本発明に記載の薬剤は、1個またはそれ以上の追加の酵素、例えば、インベルターゼ(ベータ-フルクトフラノシダーゼまたはベータ-フルクトシダーゼと同義である)を含み得る。インベルターゼは、フルクトース側鎖を有する化合物からのフルクトースを切断し得て、したがって、そのような化合物からフルクトースを放出し得る。例えば、スクロース(一般の糖)をグルコースおよびフルクトースに切断し得る。他の態様では、本発明に記載の薬剤はまた、酵素マルターゼ(同義語:アルファ-グリコシダーゼ)を単独で、またはインベルターゼとの組合せで含む。この酵素はまた、例えば、スクロースからグルコースを切断することにより、フルクトースを放出し得る。インベルターゼおよび/またはマルターゼの本発明に記載の薬剤への添加により、フルクトース含有物質または食品、特に、スクロースからの内的放出が、促進および加速し得て、その結果、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼにより触媒されるフルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの変換が、より早く起こり得る。したがって、インベルターゼおよび/またはマルターゼの本発明に記載の薬剤への添加は、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの必要とする量を減らすのに利点を有し得る。そのような組合せはまた、ヒトもしくは動物身体の治療的処置で、またはヒトもしくは動物身体の診断目的のために、決して使用されていない。
【0048】
他の態様では、本発明に記載の薬剤はまた、酵素グルコースイソメラーゼを含む。グルコースイソメラーゼは、本明細書の内容では、フルクトースのグルコースへの変換を触媒することができる酵素である。この変換はまた、例えば、キシロースイソメラーゼにより生じ得る。したがって、そのようなキシロースイソメラーゼは、本発明の意味ではまた、グルコースイソメラーゼである。キシロースイソメラーゼの製造のために考えられる方法は、例えば、Yamanaka, Biochimica et Biophysika Acta, Volume 151 (3), 1968, 670-680, “Purification, Crystallization and Properties of the D-Xylose Isomerase from Lactobacillus brevis”およびYamanaka, Methods in Enzymology, Volume 41, 1971, 466-471, “D-Xylose Isomerase from Lactobacillus brevis”に記載されている。
【0049】
グルコースイソメラーゼは、グルコースをフルクトースに変換し(逆もまた然り)、およそ50%グルコースおよび50%フルクトースの平衡濃度にする特性を有する。グルコースイソメラーゼは、したがって、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの作用を支持するのに理想的であり: フルクトースは、ゆっくりと、腸からのみ血流に吸収されるモノサッカライドである。対照に、グルコースは、素早く、腸から血流に吸収され、フルクトース不耐症を患うヒトのために支障を来たさないモノサッカライドである。フルクトース不耐症のヒトが、例えば、アップルジュースを摂取するとき、グルコースイソメラーゼが、上記の平衡を確立しようとする。したがって、グルコースイソメラーゼは、フルクトースをグルコースに変換し始める。この変換過程から生じるグルコースは、腸に吸収される。これは、上記の平衡の達成を妨害する。したがって、グルコースイソメラーゼは、上記の平衡に到達するか、または残りのフルクトースが存在しなくなるまで、食物パルプ中のフルクトースをグルコースに変換し続ける。したがって、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼをインベルターゼおよび/またはマルターゼとだけでなく、グルコースイソメラーゼと組み合わせることは、有益であり得る。この態様では、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼが、フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換し、同時に、グルコースイソメラーゼが、フルクトースをグルコースに変換するので、それはまた、フルクトース不耐症を患うヒトのために害がない。
【0050】
したがって、本発明に記載の薬剤へのグルコースイソメラーゼの添加は、必要とする5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの量を減らし得る。5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼとグルコースイソメラーゼおよび、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼの組合せは、また、ヒトもしくは動物身体の治療的処置で、またはヒトもしくは動物身体の診断目的のために、決して使用されない。
【0051】
インベルターゼおよびマルターゼは、数十年間既知であり、商業的に入手可能(例えば、BioCat Inc., Troy, USA, Novozymes A/S, Denmark, Sigma AldrichまたはToyobo Enzymes, Japan)な化合物である。今までのところ、インベルターゼは、ほとんどもっぱら、転化糖、転化はちみつ(invert honey)およびチョコレート料理、例えば、チョコレートキャンディーの製造で使用されてきた。それは、医療/医薬分野で、および特に、ヒトまたは動物でのフルクトース代謝の障害の場合で、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼとの組合せでは、以前に一度も使用されていない。現在まで、この酵素の組合せは、ヒトもしくは動物身体の治療的処置で、または診断目的のために、決して使用されていない。したがって、ここで、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼとインベルターゼの組合せのための最初の医療適応を開示している。同様に、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼとマルターゼの組合せならびに5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼとインベルターゼおよびマルターゼの組合せに適用する。
【0052】
インベルターゼの活性は、サムナー単位(例えば、Bio-Cat Inc., Troy, Virginia, USAから利用可能なアッセイであるSU)で測定する。1 SUは、5分以内、20℃で、および4.5のpH値の標準試験条件下で、1 mgのスクロースをグルコースおよびフルクトースに変換する酵素の量として定義する。本発明に記載の薬剤が、また、インベルターゼを含むとき、用量単位あたりのインベルターゼの活性は、用量単位あたり50から250,000 SU、好ましくは、100から150.000 SUおよび特に好ましくは、150から100,000 SUであるべきである。
【0053】
マルターゼの活性は、単位で定義し、ここで、1単位は、重量で10%マルトース溶液中、37℃およびpH 4.0で、1分あたり1ミリグラムの速度で、マルトースをD-グルコースに変換するマルターゼの量である。
【0054】
本発明に記載の薬剤が、また、マルターゼを含むとき、用量単位の活性は、100から100,000単位、好ましくは、200から50,000単位および、特に好ましくは、500から20,000単位であるべきである。
【0055】
グルコースイソメラーゼは、40年以上の間既知であり、今日までデンプン糖化のためにのみ使用されてきた化合物である。工業では、通常、グルコースのフルクトースへの変換のために、およびフルクトースのグルコースへの変換のために、固定化形態で使用される。
【0056】
グルコースイソメラーゼは、商業的に入手可能であり(例えば、Sigma-AldrichまたはNovozymes A/S, Denmark)、通常は、微生物Streptomyces murinusの助けで、微生物学的方法で製造する。本発明に記載の薬剤がまた、グルコースイソメラーゼを含むとき、組成物は、用量単位あたり0.01から100,000 GIU、好ましくは、0.05から10,000 GIUおよび、特に好ましくは、0.1から1,000 GIUの量でグルコースイソメラーゼを含むべきである。この酵素の1単位は、6.0のpH値および37℃の温度で、最初の10%の溶液(重量での割合、すなわち、10 gのグルコース+90 gの水)から5分間、1 gのグルコースをフルクトースに変換するグルコースイソメラーゼ単位(GIU)として定義される。
【0057】
本発明に記載の薬剤が、1個またはそれ以上の上記の任意の酵素を含むとき、次いで、それらは、十分な量で使用されるべきであり(5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの場合と同様)、その結果、それらは、意図する目的のために十分な酵素活性を発現し得て、例えば、十分なインベルターゼは、通常の食事で一般に摂取されるスクロースの量(例えば、15 g)を、切断し得る。
【0058】
生理学的に存在する電解質は、一般に、グルコースイソメラーゼの機能のために十分である。
【0059】
しかしながら、また、好ましくは、基質(グルコース)の0.0001 %から0.1 %の量で電解質を本発明に記載の薬剤に添加するのが有利であり得る。電解質の例は、非限定的に、MgSO4、Na2CO3、NaHCO3、NaOH、Na2SO4、MgCO3、H2SO4、NaS2O3、NaS2O5を含む(その混合物を含む)。
【0060】
また、金属イオン、特にカチオン、例えば、Mn2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Fe2+、Co2+またはCu2+(その混合物を含む)を、本発明に記載の薬剤に、すなわち、好ましくは、10-6から10-2
のモル比で添加することは有利であり得る。Yamanakaにより記載された上記の(キシロース)グルコースイソメラーゼに関しては、特に、Mn2+が適当なカチオンである。
【0061】
腸内フルクトース不耐症の場合には、本発明に記載の薬剤が、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼおよび、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼに加えて、また、用量単位あたり50 mgから50,000 mg、好ましくは、500 mgから25,000 mgおよび、特に好ましくは、1,000 mgから15,000 mgの量でグルコースを含み得ることが、特に好ましい。これは、グルコースが、腸でのフルクトースの吸収を加速するためである。
【0062】
遺伝性フルクトース不耐症の場合には、本発明に記載の薬剤が、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼおよび、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼに加えて、また、用量単位あたり1 mgから100 mg、好ましくは、2 mgから50 mgおよび、特に好ましくは、3 mgから10 mgの量で葉酸を含み得ることが、特に好ましい。これは、葉酸が、アルドラーゼBの活性を増加させるためである。
【0063】
本発明に記載の薬剤を、摂取前か、または製造段階ですでに食品に添加する場合には、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼの活性は、食品中のグラムフルクトースあたり10から150,000単位、好ましくは、25から100,000単位および、特に好ましくは、50から50,000単位であるべきである。
【0064】
さらに、本発明は、例えば、フルクトース不耐症の症状を示すヒトに、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、もしくは、フルクトースをヒトで生物学的に不活性な形態に変換する他の適当な酵素を含む、カプセルもしくは他の製剤を投与することにより、またはフルクトース不耐症の症状を示すことが既知のヒトに、フルクトースおよび十分な量の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、もしくは、投与したフルクトースの少なくとも一部分を、(a)ヒト体内で生物学的に不活性である、(b)ヒト消化管で消化できない、および(c)ヒト体内で代謝できない形態の少なくとも1個に変換し、該酵素の投与の結果を評価するために、フルクトースをヒトで生物学的に不活性な形態に変換する他の適当な酵素を含む、カプセルもしくは他の製剤の量を投与することにより、フルクトース不耐症を診断するための方法を提供する。ある態様では、部分は、投与したフルクトースの少なくとも50%である。他の態様では、部分は、投与したフルクトースの少なくとも75%である。他の態様では、部分は、投与したフルクトースの少なくとも90%である。他の態様では、部分は、投与したフルクトースの少なくとも100%である。
【0065】
下記のカプセルサイズは、Capsugel Belgium BVBA, Bornem, Belgiumにより使用されるサイズ定義のことを言う。カプセルのサイズは、薬剤の特定の製剤にしたがって選択すべきである。
【0066】
本発明に記載の薬剤の製剤のための例は、90 単位/mgの活性を有する75 mgの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼおよび85 mgの第二リン酸カルシウムを含む、サイズ3のカプセルを有するカプセル型製剤である。
【0067】
本発明に記載の用量形態のための他の例は、90 単位/mgの活性を有する150 mgの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、5 mgの葉酸および150 mgのマルトデキストリンを含む、サイズ1のカプセルからなる。
【0068】
本発明に記載のさらなる用量形態は、500 単位/mgの活性を有する55 mgの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、および200 SU単位/mgの活性を有する50 mgのインベルターゼならびに65 mgの第二リン酸カルシウムを含む、カプセル(サイズ3)からなり得る。
【0069】
本発明に記載のさらなる用量形態は、500 単位/mgの活性を有する55 mgの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、および200 SU単位/mgの活性を有する50 mgのマルターゼならびに65 mgの第二リン酸カルシウムを含む、カプセル(サイズ3)からなる。
【0070】
本発明に記載のさらなる用量形態は、500 単位/mgの活性を有する110 mgの5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼおよび200 SU単位/mgの活性を有する100 mgのインベルターゼならびに90 mgのマルトデキストリンを含む、カプセル(サイズ1)からなる。
【0071】
本発明は、例えば、用量単位あたり、1000万から500万単位の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ、50から250,000単位のインベルターゼ、100から100,000単位のマルターゼ、0,01から100,000 GIU、50 mgから50 gのグルコースおよび/または1 mgから100 mgの葉酸を含み得る。
【0072】
さらに、有用な量での適当な添加剤を使用し得る。
【0073】
本発明は、医療目的および非医療目的で、例えば、医薬組成物、医療デバイス、食品または特定食品として提供し得る。
【0074】
すなわち、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを、フルクトース不耐症またはフルクトース代謝のあらゆる障害の場合での使用のための優れた方法で提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬で、好ましくは医薬組成物の形態で、使用するための、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ。
【請求項2】
所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、医薬組成物。
【請求項3】
4未満、好ましくは、3未満のpH値で安定する被覆により保護される1個またはそれ以上の酵素を含む、請求項1および/または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
経口投与のための形態での請求項1から3のいずれか1項またはそれ以上に記載の医薬組成物。
【請求項5】
食物にその製造段階でおよび/または食事前に添加するのに適した形態での、請求項1から4のいずれか1項またはそれ以上に記載の医薬組成物。
【請求項6】
所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、医療デバイス。
【請求項7】
4未満、好ましくは、3未満のpH値で安定する被覆により保護される1個またはそれ以上の酵素を含む、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
経口投与のための形態での請求項6および/または7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
食物にその製造段階でおよび/または食事前に添加するのに適した形態での、請求項6から8のいずれか1項またはそれ以上に記載の医療デバイス。
【請求項10】
インベルターゼおよび/またはマルターゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、食品。
【請求項11】
所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、特定食品。
【請求項12】
4未満、好ましくは、3未満のpH値で安定する被覆により保護される1個またはそれ以上の酵素を含む、請求項10および/または11に記載の食品。
【請求項13】
食物にその製造段階でおよび/または食事前に添加するのに適した形態での、請求項11および/または12に記載の食品。
【請求項14】
フルクトース不耐症を含む、フルクトース代謝の障害の治療または診断での使用のための製品、好ましくは、医薬組成物の製造のための、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのみまたは所望によりインベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼとの組合せでの使用。
【請求項15】
ヒトまたは動物体内でのフルクトースバイオアベイラビリティを低下させるための製品、好ましくは、医薬組成物の製造のための、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのみまたは所望によりインベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼとの組合せでの使用。
【請求項16】
食品中のフルクトース量を低下させるための製品、好ましくは、医薬組成物の製造のための、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのみまたは所望によりインベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼとの組合せでの使用。
【請求項17】
ヒトもしくは動物身体および/またはヒトもしくは動物身体の腸内細菌に利用可能なフルクトースの量を低下させるための製品、好ましくは、医薬組成物の製造のための、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼのみまたは所望によりインベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼとの組合せでの使用。
【請求項18】
製品が、医薬組成物、医療デバイス、食品または特定食品の何れかを含む、請求項14から17のいずれか1項またはそれ以上に記載の使用。
【請求項19】
製品が、1個またはそれ以上の酵素が、4未満、好ましくは、3未満のpH値に対して保護されるような方法で被覆される、請求項14から18のいずれか1項またはそれ以上に記載の使用。
【請求項20】
製品が、経口使用のための形態である、請求項14から19のいずれか1項またはそれ以上に記載の使用。
【請求項21】
製品が、食物にその製造段階でおよび/または食事前に添加するのに適した、請求項14から20のいずれか1項またはそれ以上に記載の使用。
【請求項22】
製品が、固定形態での使用のための形態である、請求項14から19のいずれか1項またはそれ以上に記載の使用。
【請求項23】
食品を、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼと接触させ、そしてフルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの反応を開始する工程を含む、食品の処理工程。
【請求項24】
食品を、所望により、インベルターゼおよび/またはマルターゼおよび/またはグルコースイソメラーゼと組合せた5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼと接触させ、そしてフルクトースの5-ケト-D-フルクトースへの反応および所望によりフルクトースのグルコースへの反応を開始する工程を含む、食品の処理工程。
【請求項25】
さらなる工程として、反応前に食品の摂取が行われる、請求項23および/または24に記載の工程。
【請求項26】
D-フルクトースを、ヒト体内で生物学的に不活性な形態に変換する酵素またはそのような酵素の混合物を含む、ヒトが摂取可能な組成物。
【請求項27】
D-フルクトースを、ヒト消化管で消化することができない形態に変換する酵素を含む、ヒトが摂取可能な組成物。
【請求項28】
D-フルクトースを、ヒト体内で代謝できない形態に変換する酵素を含む、ヒトが摂取可能な組成物。
【請求項29】
該形態が、5-ケト-D-フルクトースである、請求項26から28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
該酵素が、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼである、請求項26から29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
栄養補助食品または医薬組成物である、請求項26から30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
特定食品である、請求項26から30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
さらに、少なくとも1個の薬学的にまたは食餌療法的に許容される担体もしくは賦形剤を含む、請求項31または32に記載の組成物。
【請求項34】
該組成物が、マイクロカプセル化形態で該酵素を含む、請求項31から33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
該組成物が、カプセルまたは錠剤の形態である、請求項31-34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
該組成物が、顆粒またはペレットの形態である、請求項31-34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
該組成物が、溶液の形態である、請求項31-33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
該組成物が、ジェルまたは懸濁液の形態である、請求項31-34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
該組成物が、ジェルキャップの形態である、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
マイクロカプセル化された5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼである、組成物。
【請求項41】
ヒトが摂取可能な物質と混合した5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼを含む、組成物。
【請求項42】
該ヒトが摂取可能な物質が、薬学的にまたは食餌療法的に許容される担体もしくは賦形剤である、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
該5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼが、マイクロカプセル化された、請求項41または42に記載の組成物。
【請求項44】
該酵素が、組成物の重量で5%から99.9%を構成する、請求項26-43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
該酵素が、組成物の重量で10%から80%を構成する、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
該酵素が、組成物の重量で25%から60%を構成する、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
該組成物が、単位用量形であり、そして該単位用量が、1000万から500万単位の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ活性を含む、請求項26-46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
該単位用量が、2500万から250万単位の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ活性を含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
該単位用量が、5000万から100万単位の5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼ活性を含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
該組成物が、pH 3.0から8.0での水媒体で溶解する被覆を含む、請求項26-49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
該被覆が、pH 3.0未満での水媒体で溶解しない、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
該被覆が、pH 4.0未満での水媒体で溶解しない、請求項50に記載の組成物。
【請求項53】
該被覆が、pH 6.5を超える水媒体で溶解しない、請求項50-52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
該被覆が、pH 6.0を超える水媒体で溶解しない、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
該組成物が、徐放性または持続放出性製剤である、請求項26-49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項56】
該徐放性または持続放出性製剤が、徐放性または持続放出性被覆を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
該組成物がさらに、第2酵素を含む、請求項26-56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
該第2酵素が、より複雑な糖からフルクトースを切断することができる、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
該第2酵素が、インベルターゼまたはマルターゼである、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
該第2酵素が、インベルターゼであり、該組成物が、単位用量形であり、そして各単位用量が、50から250,000のサムナー(Sumner)単位のインベルターゼ活性を含む、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
各単位用量が、100から150,000のサムナー単位のインベルターゼ活性を含む、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
各単位用量が、150から100,000のサムナー単位のインベルターゼ活性を含む、請求項60に記載の組成物。
【請求項63】
該第2酵素が、マルターゼであり、該組成物が、単位用量形であり、そして各単位用量が、100から100,000単位のマルターゼ活性を含む、請求項59に記載の組成物。
【請求項64】
各単位用量が、200から50,000単位のマルターゼ活性を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
各単位用量が、500から20,000単位のマルターゼ活性を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項66】
該組成物が、インベルターゼおよびマルターゼの両方を含む、請求項59-65のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項67】
該組成物が、さらに、D-フルクトースを、D-フルクトースよりも腸から血流へより迅速に吸収される分子に変換する追加の酵素を含む、請求項26-66のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
該分子が、D-グルコースである、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
該追加の酵素が、グルコースイソメラーゼである、請求項67または68に記載の組成物。
【請求項70】
該組成物が、単位用量形であり、そして各用量単位が、用量単位あたり0.01から100,000単位のグルコースイソメラーゼ活性を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
各用量単位が、用量単位あたり0.05から10,000単位のグルコースイソメラーゼ活性を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
各用量単位が、用量単位あたり0.1から1,000単位のグルコースイソメラーゼ活性を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
該グルコースイソメラーゼが、キシロースイソメラーゼである、請求項69-72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
該組成物が、さらに、少なくとも1個の電解質および金属イオンを含む、請求項67-73のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項75】
該電解質が、MgSO4、Na2CO3、NaHCO3、NaOH、Na2SO4、MgCO3、H2SO4、NaS2O3、NaS2O5およびその混合物からなる群から選択される、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
該金属イオンが、Mn2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Fe2+、Co2+、Cu2+およびその混合物からなる群から選択される、請求項74または75に記載の組成物。
【請求項77】
単位用量形であり、各用量単位が、さらに、50 mgから50,000 mgのグルコースを含む、請求項1から76のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項78】
各用量単位が、500 mgから25,000 mgのグルコースを含む、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
各用量単位が、1,000 mgから15,000 mgのグルコースを含む、請求項77に記載の組成物。
【請求項80】
単位用量形であり、各用量単位が、さらに、1 mgから100 mgの葉酸を含む、請求項1から79のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項81】
各用量単位が、2 mgから50 mgの葉酸を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
各用量単位が、3 mgから10 mgの葉酸を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項83】
食品であり、そして該酵素が、活性型である、請求項26-30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項84】
該食品中の該酵素の量または濃度が、該食品中の該酵素の自然に生じる濃度または量よりも高い、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
該食品が、フルクトース含有食品である、請求項83に記載の組成物。
【請求項86】
該食品が、焼かれた食品である、請求項83または85に記載の組成物。
【請求項87】
該食品が、調理済みの食品である、請求項83または85に記載の組成物。
【請求項88】
該食品が、液体、ペーストまたはブロスである、請求項83または85に記載の組成物。
【請求項89】
該酵素が、マイクロカプセル化形態で存在する、請求項83-88のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項90】
該酵素が、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼである、請求項83-89のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項91】
該食品が、さらに、活性型で第2酵素を含む、請求項83-90のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項92】
該食品中の該第2酵素の濃度または量が、該食品中の該第2酵素の自然に生じる濃度または量よりも大きい、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
該第2酵素が、インベルターゼである、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
該第2酵素が、マルターゼである、請求項92に記載の組成物。
【請求項95】
該第2酵素が、グルコースイソメラーゼである、請求項92に記載の組成物。
【請求項96】
該グルコースイソメラーゼが、キシロースイソメラーゼである、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
該組成物が、さらに、少なくとも1個の電解質および金属イオンを含む、請求項95または96に記載の組成物。
【請求項98】
該電解質が、MgSO4、Na2CO3、NaHCO3、NaOH、Na2SO4、MgCO3、H2SO4、NaS2O3、NaS2O5およびその混合物からなる群から選択される、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
該金属イオンが、Mn2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Fe2+、Co2+、Cu2+およびその混合物からなる群から選択される、請求項97または98に記載の組成物。
【請求項100】
該第2酵素が、インベルターゼ、マルターゼおよびグルコースイソメラーゼからなる群の少なくとも2個の混合物である、請求項92-99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項101】
該第2酵素が、マイクロカプセル化形態である、請求項92-100のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
D-フルクトースを、(a)ヒト体内で生物学的に不活性である、(b)ヒト消化管で消化できない、および(c)ヒト体内で代謝できない形態に変換する酵素の混合物を含む、請求項26-101のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
該食品が、生地ではない、請求項83-102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
D-フルクトースを、(a)ヒト体内で生物学的に不活性である、(b)ヒト消化管で消化できない、および(c)ヒト体内で代謝できない形態の少なくとも1個に変換する該酵素が、無機に基づくゾル-ジェル生体適合マトリックスに含まれない、請求項26-103のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項105】
該組成物が、経口ヒト摂取のために許容されない物質を実質的に含まない、請求項26-104のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項106】
該組成物を、経口摂取のために適合させる、請求項26-105のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項107】
該組成物が、電子受容体を含む、請求項26-106のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項108】
該電子受容体が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+ (NAD+)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート+ (NADP+)、フラビンアデニンジヌクレオチド+ (FAD+)、ビタミンC、EもしくはA、フェリシアニド、ケトン、アルデヒド、2,6-ジ-クロロ-フェノリンドフェノール、フェナジンメチサルフェートおよびその混合物からなる群から選択される、請求項107に記載の組成物。
【請求項109】
フルクトースの電子受容体のモル比が、1:1から1:1000である、請求項107または108に記載の組成物。
【請求項110】
フルクトースの電子受容体のモル比が、1:2から1:200である、請求項109に記載の組成物。
【請求項111】
フルクトースの電子受容体のモル比が、1:10から1:50である、請求項109に記載の組成物。
【請求項112】
ヒトまたは動物対象に、D-フルクトースを、(a)対象体内で生物学的に不活性である、(b)対象の消化管で消化できない、および(c)対象体内で代謝できない形態の少なくとも1個に変換する有効量の酵素または酵素の複合体を投与することを含む、フルクトース不耐症または正常に機能しないフルクトース代謝を処置する方法。
【請求項113】
該対象が、ヒト対象である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
該投与が、請求項26-111のいずれか1項に記載のヒトが摂取可能な組成物を投与することを含む、請求項112または113に記載の方法。
【請求項115】
該フルクトース不耐症が、遺伝性フルクトース不耐症である、請求項112-114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
該フルクトース不耐症が、腸内フルクトース不耐症である、請求項112-114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
該フルクトース不耐症が、フルクトース1,6-ジホスファターゼの欠如による、請求項112-114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
該組成物を、食事の直前に投与する、請求項104から117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
該組成物を、食事と同時に投与する、請求項104から117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
該組成物を、食事の直後に投与する、請求項104から117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
該形態が、5-ケト-D-フルクトースである、請求項104から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
フルクトース不耐症の症状を示すヒトまたは動物対象に、請求項26から111のいずれか1項に記載の組成物を投与し、そして該投与が、該疾患を部分的に、または完全に軽減するか否かを観察すること含む、フルクトース不耐症を診断するための方法。
【請求項123】
該対象が、ヒト対象である、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
フルクトース不耐症の症状を示すことが既知であるヒトまたは動物対象に(a)そのような症状を誘導するのに有効なフルクトースの量および(b)フルクトースの該量の少なくとも50%を変換するのに十分な量でフルクトースを変換する該酵素、またはそのような酵素の混合物を含む、請求項26-111のいずれか1項に記載の組成物の両方を投与し、そして酵素またはその混合物の投与の結果を評価することを含む、フルクトース不耐症を診断するための方法。
【請求項125】
該組成物が、フルクトースの該量の少なくとも75%を変換するのに十分な量でフルクトースを変換する該酵素、またはそのような酵素の混合物を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
該組成物が、フルクトースの該量の少なくとも90%を変換するのに十分な量でフルクトースを変換する該酵素、またはそのような酵素の混合物を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
該組成物が、フルクトースの該量の実質的にすべてを変換するのに十分な量でフルクトースを変換する該酵素、またはそのような酵素の混合物を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項128】
該酵素または酵素の混合物が、D-フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換する、請求項124-127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
該対象が、ヒト対象である、請求項124-128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
D-フルクトースを、(a)ヒト体内で生物学的に不活性である、(b)ヒト消化管で消化できない、および(c)ヒト体内で代謝できない形態の少なくとも1個に変換する酵素、またはそのような酵素の混合物、ならびにフルクトース不耐症を診断または処置するための該酵素またはその混合物の使用法を説明する指示書を含むキット。
【請求項131】
該酵素またはその混合物が、請求項26-111のいずれか1項に記載の組成物として存在する、請求項130に記載のキット。
【請求項132】
該酵素または酵素の混合物が、D-フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換する、請求項130または131に記載のキット。
【請求項133】
還元フルクトース食品。
【請求項134】
食品または食品前駆体を、D-フルクトースを、(a)ヒト体内で生物学的に不活性である、(b)ヒト消化管で消化できない、および(c)ヒト体内で代謝できない形態の少なくとも1個に変換する酵素と接触させ、そして食品を製造するために必要なあらゆる追加の工程を達成することを含む、還元フルクトース食品を製造するための方法。
【請求項135】
該酵素が、5-D-フルクトースデヒドロゲナーゼである、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
該食品が、焼かれた食品ではない、請求項134または135に記載の方法。
【請求項137】
該食品が、パンではない、請求項134または135に記載の方法。
【請求項138】
該食品が、生地ではない、請求項134または135に記載の方法。
【請求項139】
該酵素が、D-フルクトースを5-ケト-D-フルクトースに変換する、請求項134-138のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519897(P2009−519897A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540716(P2008−540716)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003223
【国際公開番号】WO2007/057749
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(508147968)プロ・ナトゥーラ・ゲゼルシャフト・ヒューア・ゲズンデ・エルネールング・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】PRO NATURA GESELLSCHAFT FUER GESUNDE ERNAEHRUNG MBH
【Fターム(参考)】