説明

フルロキシピルおよびペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスまたはイマゼタピルを含有する相乗的除草組成物

(a)フルロキシピルおよび(b)ALSインヒビター除草剤を含有する除草相乗的組成物であって、該ALSインヒビター除草剤がペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスまたはイマゼタピルであり、コメ、穀類および穀粒作物、牧草地、放牧地、IVMおよび芝生において改善された出芽後雑草防除を提供する除草相乗的組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物、とりわけコメ、穀類および穀粒作物、牧草地、放牧地、工業的植生管理(industrial vegetation management)(IVM)および芝地における雑草を防除するための、(a)フルロキシピルならびに(b)ペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスおよびイマゼタピルから成る群より選択される少なくとも1つの除草剤を含有する、相乗的除草組成物に関する。これらの組成物は、改善された出芽後の除草剤による雑草防除を提供する。
【背景技術】
【0002】
雑草および作物の生育を阻害する他の植生からの作物の防御は、農業において絶えず再発する問題である。本問題への取り組みを支援するために、合成化学分野の研究者らは、このような望ましくない生育の防除に有効な広範囲に及ぶ各種の化学薬品および化学製剤を産生してきた。多くの種類の化学除草剤が文献で開示され、多数が商業的に使用されている。
【0003】
いくつかの場合で、除草剤活性成分は個別に利用されるときよりも、組合せでより有効であることが示され、これは「相乗作用」と呼ばれる。Herbicide Handbook of the Weed Science Society of America, Eighth Edition, 2002, p.462に記載されているように、「相乗作用は、組合されたときの効果が個別に利用された各要素への応答に基づいて予測された効果よりも大きいような、2つ以上の因子の相互作用である。」本発明は、除草剤有効性がすでに個別に公知であるフルロキシピル、ペノキススラム、ハロスルフロン−メチルおよびイマザモックスが、組合せて利用されたときに相乗効果を呈するという発見に基づく。
【0004】
本発明の相乗的組成物を形成する除草剤化合物は、植物の生育に対するこれの効果について、当分野で独立して公知である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Herbicide Handbook of the Weed Science Society of America, Eighth Edition, 2002, p.462
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、除草剤的有効量の(a)フルロキシピルおよび(b)アセトラクテートシンターゼ(ALS)インヒビター除草剤を備える相乗的除草混合物に関する。ALSインヒビター除草剤は、スルホンアミド、スルホニル尿素およびイミダゾリノンのクラスからの化合物を含む。特に有用なALSインヒビター除草剤は、これに限定されるわけではないが、ペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスおよびイマゼタピルを含む。組成物は、農業的に許容されるアジュバントおよび/または担体も含有し得る。
【0007】
本発明は、特にコメ、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、ソルガム、トウモロコシ、トウモロコシ(maize)を含む単子葉作物、牧草地、草原、放牧地、芝地、IVMおよび水性植物における所望でない植生の生育を防除するための除草組成物および防除する方法ならびにこれらの相乗的組成物の使用にも関する。
【0008】
ペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスおよびイマゼタピルなどのALSインヒビターの種の範囲、すなわち各化合物が防除する雑草種は、広範であり、フルロキシピルの種の範囲と高度に相補的である。たとえば驚くべきことに、ペノキススラムおよびフルロキシピルの組合せがヘンプ・セスバニア(Hemp sesbania)(セスバニア・エクサルタータ(Sesbania exaltata);SEBEX))、テキサスウィード(Texasweed)(カペロニア・パルストリス(Caperonia palustris);CNPPA)、ジャパニーズ・バルラッシュ(Japanese bulrush)(スクリプス・ジュンコイデス(Scirpus juncoides);SCPJU))、ナロー・リーブド・プランテイン(narrow-leaved plantain)(プランタゴ・ランケオラタL.(Plantago lanceolata L.);PLALA)、およびバーンヤードグラス(barnyardgrass)(エキノクロア・クルス−ガルリ(Echinochloa crus-galli);ECHCG)の防除に、個々の化合物の施用量と等しいまたはこれより低い施用量で相乗作用を呈することが見出されている。同様に驚くべきことに、ハロスルフロン−メチルおよびフルロキシピルの組合せが、バーンヤードグラス(barnyardgrass)(エキノクロア・クルス−ガルリ(Echinochloa crus-galli;ECHCG))、チャイニーズ・スプラングルトップ(Chinese sprangletop)(レプトクロア・キネンシス(Leptochloa chinensis);LEFCH))、およびキイロハマスゲ(yellow nutsedge)(サイペルス・エスクレンツス(Cyperus esculentus);CYPES)の防除に、個々の化合物の施用量と等しいまたはこれより低い施用量で相乗作用を呈することが見出されている。加えて驚くべきことに、イマザモックスおよびフルロキシピルの組合せが、バーンヤードグラス(barnyardgrass)(エキノクロア・クルス−ガルリ)Echinochloa crus-galli;ECHCG))、ブロード・リーフ・シグナルグラス(broadleaf signalgrass)(ブラキアリア・プラティフィラ(Brachiaria platyphylla);BRAPP)、およびキイロハマスゲ(yellow nutsedge)(サイペルス・エスクレンツスCyperus esculentus;CYPES))の防除に、個々の化合物の施用量と等しいまたはこれより低い施用量で相乗作用を呈することが見出されている。加えて驚くべきことに、イマゼタピルおよびフルロキシピルの組合せが、スプラングルトップ・グラス(sprangletop grass)(レプトクロア属(Leptochloa spp)、LEFSS)およびフォール・パニカム(fall panicum)(パニカム・ジコトミフロラム(Panicum dichotomiflorum)、PANDI)の防除に、個々の化合物の施用量と等しいまたはこれより低い施用量で相乗作用を呈することが見出されている。
【0009】
フルロキシピルは、[(4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル)オキシ]酢酸の慣用名である。この除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。フルロキシピルは、広範囲の経済的に重要な広葉雑草を防除する。これは酸自体としてまたは農業的に許容される塩もしくはエステルとして使用することができる。エステルとしての使用が好ましく、メプチルエステルが最も好ましい。
【0010】
ペノキススラムは、2−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N−(5,8−ジメトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドの慣用名である。この除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。ペノキススラムは、コメにおけるエキノクロア属(Echinochloa spp.)、ならびに多くの広葉、スゲおよび水性雑草、ならびに牧草におけるアペラ属(Apera spp.)、および穀類における多くの広葉雑草を防除する。
【0011】
ハロスルフロン−メチルは、メチル3−クロロ−5−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラートの慣用名である。この除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。ハロスルフロン−メチルはコメ、トウモロコシ、ソルガム、サトウキビ、ナッツおよび芝生における多くの広葉およびハマスゲ雑草を防除する。
【0012】
イマザモックスは、2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−(メトキシメチル)−3−ピリジンカルボン酸の慣用名である。この除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。イマザモックスは、トウモロコシ、セイヨウアブラナ、アルファルファ、エンドウおよびマメにおける多くの広葉雑草を防除する。
【0013】
イマゼタピルは、2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸の慣用名である。この除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。イマゼタピルは、アルファルファ、エンドウ、マメ、ダイズならびにイミダゾリノン耐性コメおよびトウモロコシにおける多くの牧草および広葉雑草を防除する。
【0014】
除草剤という用語は本明細書において、植物の生育を死滅、防除またはそうでなければ有害に調節する活性成分を意味するために使用される。除草的有効量または植生防除量は、有害な調節効果を引き起こし、自然な発育からの逸脱、死滅、調整、乾燥、遅延などを含む活性成分の量である。植物および植生という用語は、発芽種子、出芽苗、植物珠芽から出芽する植物、および定着植生を含む。
【0015】
除草活性は、相乗的混合物の化合物により、これらが植物に直接、または任意の生育段階のまたは植付けもしくは出芽の前の植物の部位に施用されるときに呈される。観察される効果は、防除される植物種、植物の生育段階、希釈および噴霧滴径の施用パラメータ、固体構成要素の粒径、使用時の環境条件、用いられる特異的化合物、用いられる特異的アジュバントおよび担体、土壌の種類など、ならびに施用される化学薬品の量によって変わる。これらおよび他の因子は、非選択的または選択的除草作用を促進するために当分野で公知であるように調整することができる。概して、雑草の最大限の防除を達成するためには、比較的未成熟の所望でない植生に本発明の組成物を出芽後に施用することが好ましい。
【0016】
本発明の組成物において、除草効果が相乗的であるフルロキシピル(酸当量)のALSインヒビター除草剤(活性成分)に対する重量比は、約1:2と約140:1との間の範囲内にある。
【0017】
相乗的組成物が施用される施用量は、防除される特定の種類の雑草、要求される防除の程度、ならびに施用のタイミングおよび方法によって変わるであろう。ALSインヒビター除草剤は、約4gai/haから約100g ai/haの間の施用量で施用され、フルロキシピルは約50gae/haから約560g ae/haの間の施用量で施用される。
【0018】
本発明の相乗的混合物の構成要素は、個別に、またはプレミックスもしくはタンクミックスとして提供することができる多成分除草剤系の一部としてのどちらかで施用することができる。
【0019】
本発明の相乗的混合物は、より広範囲の所望でない植生を防除するために、1つ以上の他の除草剤と併せて施用することができる。他の除草剤と併せて使用するとき、組成物は、1つもしくは複数の他の除草剤と製剤する、1つもしくは複数の他の除草剤とタンクミックスする、または1つもしくは複数の他の除草剤と連続して施用することができる。本発明の相乗的組成物と併せて用いることができる除草剤のいくつかは:2,4−D、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、AE0172747、アラクロール、アミドスルフロン、アミノトリアゾール、アンモニウムチオシアナート、アニロホス、アトラジン、AVH301、アジムスルフロン、ベンフレセート、ベンスルフロン−メチル、ベンタゾン、ベンチオカルブ、ベンゾビシクロン、ビフェノックス、ビスピリバック−ナトリウム、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブトラリン、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン−エチル、クロルフルレノール、クロリムロン、クロルプロファム、シノスルフロン、クレトジム、クロマゾン、クロピラリド、クロランスラム−メチル、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ−ブチル、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロップ−P、ジクロスラム、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメテナミド、ジメテナミド−p、ジクワット、ジチオピル、ジウロン、EK2612、EPTC、エスプロカルブ、ET−751、エトキシスルフロン、エトベンザニド(ethbenzanid)、F7967、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−エチル、フェノキサプロップ−エチル+イソキサジフェン−エチル、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P−ブチル、フルセトスルフロン(LGC−42153)、フルフェナセット、フルフェンピル−エチル、フルメツラム、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルピルスルフロン、ホムセイフェン、ホラムスルフロン、フミクロラック、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グリホサート、ハロキシホップ−メチル、ハロキシホップ−R、イマザメタベンズ、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、イオキシニル、イプフェンカルバゾン(HOK−201)、IR5790、イソプロツロン、イソキサベン、イソキサフルトール、KUH−071、ラクトフェン、リニュロン、MCPA、MCPAエステル&アミン、メコプロップ−P、メフェナセット、メソスルフロン、メソトリオン、メタミホップ、メタゾスルフロン(NC−620)、メトラクロル、メトスラム、メトリブチン、メツルフロン、モリネート、MSMA、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフラゾン、OK−9701、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラコート、ペンジメタリン、ペントキサゾン、ペトキサミド、ピクロラム、ピコリナフェン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プロホキシジム、プロパクロル、プロパニル、プロピリスルフロン(TH−547)、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾスルフロン、ピリベンゾキシム(LGC−40863)、ピリフタリド、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン(KUH−021)、ピロックススラム、ピロキサスルホン(KIH−485)、キンクロラック、キザロホップ−エチル−D、S−3252、セトキシジム、シマジン、SL−0401、SL−0402、S−メトラクロル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホサート、テブチウロン、テフリルトリオン(AVH−301)、ターバシル、チアゾピル、チオベンカルブ、トリクロピル、トリフルラリンおよびトリトスルフロンを含む。
【0020】
本発明の相乗的組成物はさらにグリホサート、グルホシネート、ジカンバ、イミダゾリノン、スルホニル尿素、または2,4−Dと併せて、グリホサート耐性、グルホシネート耐性、ジカンバ耐性、イミダゾリノン耐性、スルホニル尿素耐性および2,4−D耐性作物に使用することができる。本発明の相乗的組成物を除草剤と組合せて使用することが概して好ましく、該除草剤は処置される作物に対して選択的であり、用いられた施用量のこれらの化合物によって防除される雑草の範囲を補完する。さらに、組合せ製剤またはタンクミックスのどちらかとして、本発明の相乗的組成物および他の補完除草剤を同時に施用することが概して好ましい。
【0021】
本発明の相乗的組成物は概して、公知の除草剤毒性緩和剤、たとえばベノキサコール、ベンチオカルブ、ブラシノリド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、ハーピンタンパク質、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148およびN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドと組合せて用いて、その選択性を向上させることができる。クロキントセット(メキシル)は、本発明の相乗的組成物の特に好ましい毒性緩和剤であり、コメおよび穀類に対する相乗的組成物のいずれの有害作用を特異的に拮抗する。
【0022】
本発明のフルロキシピルおよびペノキススラムの相乗的混合物は、ヒマワリ(ヘリアンサス・アンヌス(Helianthus annuus;HELAN)およびセンチピードグラス(エレモクロア・オフィウロイデス(Eremochloa ophiuroides);ERLOP)に施用されるときに、毒性緩和作用も提供する。本発明の別の態様は、センチピードグラスおよびヒマワリをペノキススラムおよびフルロキシピルの個々の有害作用から防御する方法であって、該方法はセンチピードグラスもしくはヒマワリを毒性緩和量のペノキススラムおよびフルロキシピルの相乗的混合物と接触させること、または栽培中の区域に毒性緩和量のペノキススラムおよびフルロキシピルの相乗的混合物を施用することを備える。
【0023】
実際に、本発明の相乗的組成物を、除草的有効量の除草剤構成要素を少なくとも1つの農業的に許容されるアジュバントまたは担体と共に含有する混合物で使用することが好ましい。好適なアジュバントまたは担体は、特に作物の存在下での選択的雑草防除のための組成物の施用に用いる濃度において有用作物に対して植物毒性であるべきではなく、除草剤構成要素または他の組成物成分と化学的に反応すべきではない。このような混合物は、雑草もしくはその部位への直接施用のために設計することができ、または施用前に追加の担体およびアジュバントによって通常希釈される濃縮物もしくは製剤であることができる。これらは固体、たとえば粉末、顆粒剤、水分散性顆粒剤、もしくは可湿性粉剤、または液体、たとえば乳化性濃縮物、液剤、乳剤または懸濁剤であることができる。
【0024】
本発明の除草混合物の調製に有用である好適な農業用アジュバントおよび担体は、当業者に周知である。これらのアジュバントのいくつかは、これに限定されるわけではないが、クロップ・オイル・コンセントレート(crop oil concentrate)(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル4級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸、およびアニオン性界面活性剤のブレンド;C−C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然1級アルコール(C12−C16)エトキシレート;ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロックコポリマー;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+尿素アンモニウムニトレート;乳化メチル化シードオイル;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);タローアミンエトキシレート(15EO);PEG(400)ジオレアート−99を含む。
【0025】
用いることができる液体担体は、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、クロップオイル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、エチルアセテート、アミルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料などを含む。水は概して、濃縮物の希釈に最適な担体である。
【0026】
好適な固体担体は、タルク、葉ろう石粘土、シリカ、アタパルガス粘土、カオリン粘土、キーゼルグール、チョーク、珪藻土、石灰、カルシウムカーボネート、ベントナイト粘土、フラー土、綿実殻、コムギ粉、ダイズ粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどを含む。
【0027】
通常、1つ以上の界面活性剤を本発明の組成物中に包含することが所望である。このような界面活性剤は、固体および液体組成物の両方、とりわけ施用前に担体によって希釈するように設計された組成物にて好都合に用いられる。界面活性剤は特徴がアニオン性、カチオン性または非イオン性であることができ、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤としてまたは他の目的に用いることができる。製剤分野で従来使用され、本製剤でも使用され得る界面活性剤は特に、「McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual, 」 MC Publishing Corp., Ridgewood, New Jersey, 1998 および「Encyclopedia of Surfactants,」 Vol. I-III, Chemical Publishing Co., New York, 1980-81に記載されている。代表的な界面活性剤は、アルキルサルフェートの塩、たとえばジエタノールアンモニウムラウリルサルフェート;アルキルアリールスルホナート塩、たとえばカルシウムドデシルベンゼンスルホナート;アルキルフェノールアルキレンオキシド添加製品、たとえばノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド添加製品、たとえばトリデシルアルコール−C16エトキシレート;石鹸、たとえばナトリウムステアレート;アルキルナフタレン−スルホナート塩、たとえばナトリウムジブチルナフタレンスルホナート;スルホスクシナート塩のジアルキルエステル、たとえばナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホスクシナート;ソルビトールエステル、たとえばソルビトールオレアート;4級アミン、たとえばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、たとえばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー;モノおよびジアルキルホスフェートエステルの塩;植物油、たとえばダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種油、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油など;および上記の植物油のエステルを含む。
【0028】
農業用組成物で普通に使用される他の添加剤は、相溶化剤、消泡剤、封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、染料、着臭剤、展着剤、浸透助剤、固着剤、分散化剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤などを含む。組成物は、他の適合性構成要素、たとえば他の除草剤、植物生育抑制剤、殺真菌薬、殺虫剤なども含み得て、液体肥料または固体、粒子状肥料担体、たとえば硝酸アンモニウム、尿素などと共に製剤化することができる。
【0029】
本発明の相乗的組成物中の活性成分の濃度は概して、0.001から98重量パーセントである。0.01から90重量パーセントの濃度がしばしば用いられる。濃縮物として用いられるように設計された組成物では、活性成分は概して1から98重量パーセントの、好ましくは5から90重量パーセントの濃度で存在する。このような組成物は通例、不活性担体、たとえば水によって施用前に希釈されるか、または無水もしくは液体製剤として湛水された水田に直接施用される。雑草または雑草の部位に通常施用される希釈組成物は、0.0001から10重量パーセントの活性成分を概して含有し、好ましくは0.001から5.0重量パーセントを含有する。
【0030】
本組成物は雑草またはその部位に、従来の地上または空中散布機、噴霧器、および散粒機の使用により、灌漑または田面水への添加により、および当業者に公知の他の従来の手段により施用することができる。
以下の実施例は、本発明を例証する。
【実施例】
【0031】
温室における混合物の出芽後除草活性の評価
所望の試験植物種の種子を、表面積が128平方センチメートル(cm)のプラスチックポット内の7.2のpHおよび約2.9パーセントの有機物含有率を通例有する80%無機質土/20%粗粒播種用混合物に播種した。生育用培土を蒸気滅菌した。日中は約29℃および夜間は26℃に維持されたおよそ14時間(時)の光周期を用いて、植物を温室内で7から19日間生育させた。栄養素および水を定期的に添加して、補助照明には必要に応じて、オーバーヘッド金属ハライド1000ワットランプを装備した。植物が第3から第4本葉期に達したときに、出芽後葉面施用によって植物を処置した。すべての処置は完備乱塊法(を用いて施用し、処置ごとに4回反復した。
【0032】
温室における混合物の出芽後除草活性の評価
処置は表1、3、5および6に挙げた化合物で構成され、各化合物は単独でまたは組合せて施用された。製剤量のペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスおよびフルロキシピル−メプチルエステルを60ミリリットル(mL)ガラスバイアルに入れ、1%体積/体積(v/v)比でAgri−dexクロップ・オイル・コンセントレート(crop oil concentrate)を含有する60mLの水溶液に溶解させた。化合物の要求値は、187リットル/ヘクタール(L/ha)の施用量での12mL施用体積に基づく。単独または2元組合せで活性成分を有する12mLのスプレー溶液を形成するために、保存液を適切な量の希釈溶液に添加することによって、混合物のスプレー溶液を調製した。製剤化合物を植物材料に、平均植物キャノピー(plant canopy)を18インチ(43センチメートル(cm))超えるスプレー高さにて187L/haを送達するように校正された8002Eノズルを装着した、オーバーヘッドMandelトラック噴霧機によって施用した。
【0033】
処置済みの植物および対照植物を上記のように温室に配置し、地下灌漑により給水して試験化合物の洗い流しを防止した。処置を施用7から21日後(DAA)に未処置対照植物と比較して評価した。0が損傷なしに相当し、100が完全死滅に相当する0から100パーセントのスケールで目視雑草防除を記録した。
【0034】
圃場における混合物の出芽後除草活性の評価
圃場試験は、標準除草剤小区画研究方法を使用して、コメおよび芝生に行った。区画は3×3メートル(m)から3×10m(幅×長さ)で変動し、処置ごとに4回反復した。コメ作物は施肥、播種、給水、湛水および管理について通常の栽培慣行を使用して生育させて、作物および雑草を良好に生育させた。芝生作物はセンチピードグラスの持続性活着作物であり、施肥、給水、刈り取りおよび病害管理の通常の栽培慣行に基づいて生育および管理して、作物および雑草を良好に生育させた。
【0035】
圃場試験でのすべての処置は、187L/haスプレー体積を施用するように校正された二酸化炭素(CO)バックパック噴霧機を使用して施用した。ペノキススラムおよびフルロキシピル−メプチルの市販製品を適切な製剤品施用量(formulated product rates)で水と混合して、示された所望の施用量を達成するために施用単位面積(ヘクタール)に基づく所望の施用量を達成した。処置を施用7から33日後に未処置対照植物と比較して評価した。0が損傷なしに相当し、100が完全死滅に相当する0から100パーセントのスケールで目視雑草防除を記録した。
【0036】
表2は、雑草防除に対するペノキススラム+フルロキシピル−メプチルのタンクミックスの除草剤相乗的有効性を示す。表4は、ペノキススラム+フルロキシピル−メプチルの混合物に対する2つの作物の除草剤相乗的毒性緩和を示す。表7は、雑草防除に対するイマゼタピル+フルロキシピル−メプチルのタンクミックスの除草剤相乗的有効性を示す。単一製品および混合物の両方についてのすべての処置は、平均3から4回の反復であり、タンクミックス相互作用はP>0.05レベルにて有意である。
【0037】
コルビーの等式を使用して、混合物から予想した除草作用を決定した(Colby, S.R. Calculation of the synergistic and antagonistic response of herbicide combinations. Weeds 1967, 15, 20-22.)。
【0038】
以下の等式を使用して、2つの活性成分AおよびBを含有する混合物の予想活性を計算した:
予想=A+B−(A×B/100)
A=混合物で使用したのと同じ濃度における活性成分Aの観察された有効性。
B=混合物で使用したのと同じ濃度における活性成分Bの観察された有効性。
【0039】
試験を行ったいくつかの化合物、用いた施用量、試験を行った植物種、および結果を表1から表7に示す。すべての比較は平均3回から4回の反復であり、P>0.05レベルにて有意であった。表1から表7では、ペノキススラム、ハロスルフロン−メチル、イマザモックスおよびイマゼタピルの施用量はグラム活性成分/ヘクタール(gai/ha)で表され、フルロキシピルの施用量はグラム酸当量(g ae)/ヘクタールで表されている。
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草的有効量の(a)フルロキシピルおよびALSインヒビター除草剤を備える相乗的除草混合物。
【請求項2】
フルロキシピルが酸自体または農業的に許容される塩もしくはエステルである、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
フルロキシピルがメプチルエステルである、請求項2に記載の混合物。
【請求項4】
前記ALSインヒビター除草剤がスルホンアミドクラスの除草剤からのものである、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
前記ALSインヒビター除草剤がペノキススラムである請求項4に記載の混合物。
【請求項6】
前記ALSインヒビター除草剤がスルホニル尿素クラスの除草剤からのものである、請求項1に記載の混合物。
【請求項7】
前記ALSインヒビター除草剤がハロスルフロン−メチルである、請求項6に記載の混合物。
【請求項8】
前記ALSインヒビター除草剤がイミダゾリノンクラスの除草剤からのものである、請求項1に記載の混合物。
【請求項9】
前記ALSインヒビター除草剤がイマザモックスおよびイマゼタピルである、請求項8に記載の混合物。
【請求項10】
フルロキシピル(酸当量)の前記ALSインヒビター除草剤(活性成分)に対する重量比が約1:2と約140:1の間にある、請求項1に記載の混合物。
【請求項11】
センチピードグラスおよびヒマワリをペノキススラムおよびフルロキシピルの個々の有害作用から防御する方法であって、センチピードグラスもしくはヒマワリを毒性緩和量のペノキススラムおよびフルロキシピルの相乗的混合物と接触させること、または栽培中の区域に毒性緩和量のペノキススラムおよびフルロキシピルの相乗的混合物を施用することを含む方法。
【請求項12】
除草的有効量の請求項1に記載の除草剤混合物ならびに農業的に許容されるアジュバントおよび/または担体を含む除草組成物。
【請求項13】
所望でない植生を防除する方法であって、植生の出芽または生育を防止するために、植生またはその部位を除草的有効量の請求項1に記載の除草混合物に接触させること、または除草的有効量の請求項1に記載の除草混合物を土壌または水に施用することを含む方法。
【請求項14】
コメ、穀類および穀粒作物、牧草地、放牧地、IVMおよび芝生において所望でない植生を防除する方法であって、植生の出芽または生育を防止するために、植生またはその部位を除草的有効量の請求項1に記載の除草混合物に接触させること、または除草的有効量の請求項1に記載の除草混合物を土壌または水に施用することを含む方法。

【公表番号】特表2013−509418(P2013−509418A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536985(P2012−536985)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/054221
【国際公開番号】WO2011/056631
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】