説明

フレキシブルなプリント基板の接合方法

【要 約】
【課 題】
携帯電子機器が軽薄短小化するにつれて、FPCと回路基板の接合に、コネクタや半田・ACF・NCFなどを用いる従来の方法は、部品コストが高い・実装工数が多い・実装時間が長い・実装温度が高い・接合推力が高い・接合抵抗が大きい・リペア性が低い等により、携帯電子機器の実装方法としての限界がきている。
【解決手段】
先端形状が振動方向に直交していることと、断面形状が加圧面に垂直な凸型のブレード形状であることを特徴とする加熱式超音波ホーンを接合面に平行かつ、電極方向に対して平行な方向に加振するように配置してあることと、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけながら、加熱・加振することで、電極同士の金属接合することと、さらに、樹脂を用いてFPCとPCBの接着を行うことにより、軽薄短小な接合が、低コスト・省工数・短時間・低温・低荷重・低抵抗・リペア性が高い接合が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、少なくとも一方がフレキシブルなプリント回路基板(以下FPCと称す)の電極を、超音波を用いて接続する方法、およびこれを用いる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】

最近の電子機器、特に携帯用電子機器において、軽量化・薄型化・小型化がすすむ一方で、接合部での配線本数は増加していて、FPCとPCBとの既存の接合方法では接合の高密度化に対して限界が生じている。
【0003】

ここで上記のPCBとはFPCが接合される、相手側の基板のことで、その基板は、たとえばFPCであったり、リジッド・フレキシブルプリント回路基板(以下RFCと称す)であったり、リジッドプリント回路基板(以下RPCと称す)・セラミックプリント回路基板・フィルム液晶基板・タッチパネル基板・シートスイッチ基板などのことである。
【0004】

たとえば、FPCの上に部品を実装する方法と、それに適したFPCと同じ構造で、その表面に全ての部品を実装性し、そのあと、折り曲げてコンパクトな実装形態を完成させて実装密度を高めたRFCなども開発されて、接合部を減らす方法も実施されてはいる。
しかし、この方法では接合部がないために、かえって、個々の実装部品の信頼性や、その個々の実装方法の信頼性により、接合部を設ける方法よりも生産性が著しく劣っている。
【0005】

このためPCB・部品をそれぞれ独立して生産・検査し、それらを最終的にFPCなどで接合して、統合して完成するという生産形態は今後も維持される見通しである。
【0006】

また、たとえば、接合にコネクタを用いる方法では、0.3mmピッチ以上でないと製造から組み立てまでの工程間に、抜けやズレや誤挿入などが生じるので、コネクタの配置スペースが他方式と比べて大きく必要となる。
また、コネクタの厚みは1mm程度有り携帯電子機器ではコネクタを用いると最終製品の厚みが薄くできないうえに、重さも無視できない。
なお、コネクタの実装にはコネクタのコストが大きいほかに、接合までに多数の工程が必要であり実装コストも大きい。
【0007】

また、たとえば、接合に半田を用いる方法では、0.5mmピッチ以上でないと、ショートや接続不良、フラックス除去の必要性などにより、製造から組み立てまでの安定した生産を確保できない。
このため、半田を用いる方法は重量・厚み・実装コストではコネクタに比べてメリットが大きいが、その一方で高温での半田付けが必要であり、接合部付近の熱設計に制限が多く、配置面積を小さくすることが難しい。
なお、環境配慮からも鉛・フラックスが忌避されるにつれ、接合温度がますます上がり、さらに接合部付近の熱設計・部品配置が難しく、最終製品の軽少短薄化の阻害になっている。
【0008】

たとえば、接合に異方性導電フィルム(以下ACFと称す)や非道電性フィルム(以下NCFと称す)を用いる方法では0.3mmピッチ以下も可能であり、最近急速に注目を浴びている。
この、ACF・NCFを用いる方法は重量・厚みでは半田よりもメリットが大きく、さらに配置面積が半分程度になる長所もあるが、接合のための温度・時間・応力が半田に比べて非常に大きいため、熱設計・基板設計に制限が多いうえに、NCF・NCPの材料単価も高いため、使用場所は限定されている。
【0009】

以上のような問題を解決するために、非特許文献1のような熱可塑性樹脂を超音波の振動で発熱させて接合する方法が考案された。
しかし、この方法では発熱のために、接合部の上面から数十μmの振幅でさらに、数十秒の加振が必要なため、FPCの破壊やPCBの破壊や、PCBやRPC上に高密度実装された部品の破壊などが発生しやすいため、生産手段として広まっていない。
【0010】

また、FPCの破壊を減らすため、非特許文献2や、非特許文献3のような、接合部の横方向から振動を加える方法も考案された。
しかし、これらの方法は、電極の金属を超音波の振動で金属結合するだけの方法のため、樹脂を用いる方法に比べてピール強度が低い。
たとえば、市場で要求される電極構造が、電極の母材である銅に、金が銅に浸食されることを防ぐニッケルのメッキの厚みが4μm程度、その上に表面の酸化を防ぎ、かつ、接合抵抗を下げるための金のメッキ厚みが0.05μm以下である状態では、ニッケルの表面硬度がHV220と銅や金に比べて非常に高いため、荷重後に抜重すると、ニッケルの弾性復元力で接合界面がはずれてしまい、十分な接合強度が得られないので、生産手段として広まっていない。
【0011】

さらに、非特許文献3の超音波ホーンの先端形状は波状のため、荷重を上げても超音波ホーン先端がFPCの表面に食い込むことにより、超音波ホーンよりFPCが受ける見かけの荷重の面積に対して、実際の受圧の面積が増加するため、単位面積当たりの荷重が減少し、電極を十分に加圧できなくなり、塑性変形させることが出来ず接合力が弱くなる、また、接合力が安定しないという問題を内包している。
【特許文献1】WO2008/018160 A1 公報
【非特許文献1】平4−186697号 公報
【非特許文献2】特開2005−223054号 公報
【非特許文献3】特開2006−24590号 公報
【非特許文献4】特開2006−156813号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】

ここで、特許文献1のような超音波ホーンにヒータを具備させて、超音波による固相金属接合と、加熱による塑性変形の促進と樹脂への加熱を役割分担させることで、上記加振=加熱方法や樹脂無し接合よりも低い温度かつ短時間でFPCとRPCを高強度に接合する方法が考案された。
【0013】

ただし、この方法では樹脂の排出のしやすさなどを考慮せざるを得ないことと、電極の太さに対して、通常1.5倍〜2倍ですむ電極のピッチが3倍から4倍必要になり、将来電極ピッチが狭くなると、電極の製造管理が難しくなる。
【0014】

以上より電極のメッキ構造と形状は上記で示したとおり現在の市場要求を満足させることとし、電気的接合は電極同士の固相接合を確保しながら、機械的接合強度は樹脂を用いた方法と同じ強度を満たす接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】

非特許文献4のような加熱式かつ直上加圧式の超音波ホーンにおいて、電子部品を保持するツールを、電子部品ではなくFPCを押さえるように変更し、その先端の幅が0.001〜0.5mmであり、先端形状が振動方向に直交し、断面形状が加圧面に垂直な凸溝型のブレード形状であることを特徴とする加熱式超音波ホーンを、接合面に平行かつ、電極方向に対しても平行な方向に加振するように配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけ、そのあとに、加熱・加振することにより、電極同士の金属接合を行い、さらに、樹脂を用いてFPCとPCBを接着することにより解決される。
【0016】

請求項1の凸溝型のブレードを複数列1条、もしくは1行複数条、もしくは複数行複数条に配置して、電極上の複数行×1列、もしくは1行×複数列、もしくは複数行×複数列の位置で接合するようにすることで、さらに低い荷重で高い接合強度を得ることで解決される。
【0017】

請求項1や請求項2を実施するにあたり、接合位置を相対移動させて、電極上の、複数行×1条、もしくは、1行×複数条、もしくは、複数行×複数条の位置で接合することで、また、さらに低い荷重で高い接合強度を得ることで解決される。
【0018】

請求項1や請求項2や請求項4の実施時に、樹脂を接合前に接合面積の半分程度の面積かつ、接合体積分の量に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に直交するように荷重をかけ、そのあとに、加振・加熱させることにより、樹脂が配置されていなかった部分の電極の金属接合と、樹脂が加熱されて電極間を溶融流動することに時間差を設けて金属接合することにより、樹脂を事前に配置しても電極間から樹脂を排出する必要がないので、低い荷重でもFPCとPCBの接着と電極同士の接合の両立が解決される。
【0019】

請求項1や請求項2や請求項4の実施時に、液状の常温硬化樹脂・嫌気性硬化樹脂・好湿性硬化樹脂などを電極同士の金属結合後に電極の端面より流し込むことにより、電極間から樹脂を排出する必要がないので、低い荷重でもFPCとPCBの接着と電極同士の接合の両立が解決される。
【0020】

請求項1や請求項2や請求項4の実施時に、液状のUV硬化性樹脂を電極同士の金属結合後にFPCやPCBの端面より流し込み、さらにUV照射することで、電極間から樹脂を排出する必要がないので、低い荷重でもFPCとPCBの接着と電極同士の接合の両立が解決される。
【0021】

請求項3や請求項5において、超音波ホーンが摩耗したり、超音波ホーンに樹脂などが付着して汚れたりしても、研磨砥石や紙ヤスリやラップフィルムなどを当て、そのうえで荷重をかけながら超音波ホーンを振動さて超音波ホーンの平面研磨を行うことにより、超音波ホーンの寿命が延びるので、ランニングコストの問題や、樹脂を用いることでホーンが汚れる問題が解決される。
【発明の効果】
【0022】

加圧面に垂直な方向から荷重をかけながら、横方向から縦振動にて加振する接合方法は以下の4つの状態の相(以下PHASEと称す)の遷移からなると考えられる。
【0023】

「PHASE1」
加圧面に垂直な方向から荷重をかけながら、横方向から加振されると、超音波ホーンの振動はFPCとPCBを平行に相対運動させて、局所的な凝着と破壊により局所的に発熱させ、この発熱が電極の表面の軟化を促す。
さらに、電極同士がお互いの表面を研削して、酸化膜や油脂成分を除去して新生面を暴露する。
なお、このことは、接合部断面を観察すると接合部の両側面に削り滓状の金属塊が観察できた実験結果と接合部の温度を超小型の熱伝対を用いて測定すると、加振初期時には温度が急上昇することから考察した。
【0024】

「PHASE2」
暴露された新生面の凝着が進み、FPCとPCBの相対運動が減り、このため発熱が減り、さらに、超音波ホーンとFPC表面が相対運動を始めることにより接合部は急速に温度が低下する。
なお、このことは、「接合部の温度を超小型の熱伝対を用いて測定すると、加振初期時には温度が急上昇するが、そのあとは速やかに低下する」ということから考察した。
【0025】

「PHASE3」
超音波ホーンとFPC表面の相対運動が増すにつれて、暴露された新生面の凝着し始めた接合部は、接合面に垂直な方向から荷重を受けながら横方向から加振されるので、凝着した部分を中心にした揺動運動となり、凝着部を中心に交番荷重を受けて塑性変形がすすみ接合部の拡大が進む。
なお、このことは、「接合部を剥離して接合跡を観察すると層状の接合痕が観察できる」ということから考察した。
【0026】

ここで、図3aにおいて10aはナール形状(ピラミッド形状)の超音波ホーンであり、これを試作して上記の方法で、凸溝型のブレード形状の超音波ホーンとピール強度を比較したところ、ナール形状(ピラミッド形状)の超音波ホーン10aでの接合は、FPC表面やPCB電極表面に圧痕が残っているにもかかわらず、凸溝型のブレード形状の超音波ホーンよりピール強度が低いという結果を得た。
このことから、「このPHASE2からPHASE3の間には、超音波ホーンとFPCの表面で相対運動が起こることが接合強度を上げるのに必要である」と考察した。
【0027】

「PHASE4」
接合部の実際の接合面積が拡大するにつれて、荷重による電極表面の応力が減り、塑性変形が進まなくなる。
なお、このことは「一定時間以上加振しても接合強度が上がらなくなる」という実験結果から考察した。
【0028】

また、上記において超音波ホーンやアンビルを加熱すると、接合時間が短くなることを実験の結果得た。これは、加熱したため金属材料の降伏点(耐力)が低下したためと考察した。
【0029】

つぎに、上記のナール形状(ピラミッド形状)の超音波ホーン10aでは、荷重手段13の荷重を大きくすると、FPC表面の圧痕の大きさは、荷重の大きさにつれて大きくなるにもかかわらず、PCB電極4の表面の圧痕の大きさがほとんど変わらないという実験結果を得た。
【0030】

下記の計算で、接合面に対して垂直方向から角度θ°を持つ、長さγのくさび型形状の超音波ホーンでは、樹脂や金属電極へのホーン先端の食い込み量αが増加すると、面積βはβ=γ×α(1−Sinθ)と増加し、また、ナール形状の超音波ホーンでは、樹脂や金属電極へのホーン先端の食い込み量αが増加すると、面積βはβ=(α×(1−Sinθ))^2と増加することが確かめられる。
このことから、「ナール型(ピラミッド型)・くさび形・波形などの接合面に対して垂直でない断面を持つ超音波ホーン形状では、「荷重を増加しても、FPCの基材の硬度や厚みによって、超音波ホーン側の見かけの加圧面積よりも実際のFPC側の受圧面積が増えてしまうので、応力が低下もしくは飽和してしまう」という考察を行った。
【0031】

金属は弾性変形領域では、応力に正比例して変形するが、降伏点(耐力)を超えて塑性変形状態に入ると、応力に比例せずに加速度的に変形を始める。
しかし、「荷重を増加しても接合面積も増加すれば、荷重に応力は比例しなくなり、荷重を上げても降伏点(耐力)を超えられず、抜重すると弾性変形の復元力により接合部がはずれてしまい、その結果、接合強度が落ちる」と考察した。
そして実験の結果、ナール型(ピラミッド型)の超音波ホーンでの接合強度が、凸溝型のブレード形状の超音波ホーンと比較して低い値で「飽和」したので、この考察は裏付けられた。
【0032】

ちなみに、応力を上げた場合の固相接合の接合強度が「飽和」する場合とは、電極や基材での破壊がなければ、メッキ表面の界面結合力、もしくは、メッキとメッキ下地の金属との結合力のいずれか低い方の値で飽和すると知られている。
【0033】

以上より本発明では、荷重を変化させてもの受圧面積が変化せず、そのため、応力が荷重に比例する接合方を提供できる。
【0034】

つぎに、接合金属の母材の材質・厚み・硬度・縦弾性係数や、また、その表面にメッキが施されている場合は、そのメッキの材質・厚み・硬度・縦弾性係数や、さらに、その表面の処理方法や状態、また、さらに、FPCの母材である樹脂の材質・厚み・硬度・縦弾性係数や、また、さらにその表面の処理方法や状態、また、超音波ホーンの材質やその材質の特性からの加工上の限界などにより、本発明において一番重要な超音波ホーンの先端の凸型ブレードの厚み寸法は一概には定義できない。
【0035】

だが、先端の断面形状と、超音波ホーンの振幅とFPC基材を通して金属電極が受ける応力の関係は単純化したモデルにより理論的に確認できるので、図4a・図4b・図4−1を用いて、先端の断面形状と超音波ホーンの振幅の関係が、先端の厚み寸法にいかに関与しているかを、理論モデルを用いてまとめる。
【0036】

図4−1は断面形状と振幅の関係をまとめた理論モデルの一覧表であり、図4a、図4bは図4−1の130a、130bを抜粋した凡例であり、図4−1の111a・112a・113a・・135aで構成されるa系列は静的な応力の「静応力」グラフであり、横目盛りは超音波ホーンの振幅を単位とし、縦目盛りは下向きが正となる応力を単位としている。
また、111b・112b・113b・・135bで構成されるb系列は超音波ホーンが移動したときの、荷重と抜重による応力を足した「応力和」グラフであり、横目盛りは超音波ホーンの振幅を単位とし、縦目盛りは下向きが正となる応力を単位としている。
【0037】

また、111a・111b・121a・・131bで構成される1系列は荷重部長さが超音波ホーンの振幅の0.5倍の場合、111a・111b・121a・・132bで構成される2系列は荷重部長さが超音波ホーンの振幅の1倍の場合、113a・113b・123a・・133bで構成される3系列は荷重部長さが超音波ホーンの振幅の2倍の場合、114a・114b・124a・・134bで構成される4系列は荷重部長さが超音波ホーンの振幅の3倍の場合、115a・115b・125a・・135bで構成される5系列は荷重部長さが超音波ホーンの振幅の5倍の場合、でのモデル一覧である。
【0038】

さらに、110a・110b・111a・・115bで構成される10系列は超音波ホーンの断面形状が三角形の場合、120a・120b・111a・・125bで構成される20系列は超音波ホーンの断面形状が台形の場合、130a・130b・131a・・135bで構成される30系列は超音波ホーンの断面形状が四角形の場合でのモデル一覧である。
【0039】

図4−2は図4−1のb系列の最大応力の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
図4−3は図4−1のb系列の応力和の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
図4−4は応力和の変化率の、最大値の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
図4−5は応力和の変化率の、最小値の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
【0040】

a系列は超音波ホーンをFPCに押しつけた静的な状態での理想的な応力の分布グラフであり、荷重部長さは、超音波ホーンの長さが同じであれば加圧面積に比例し、さらに荷重が同じであれば応力は全てのモデルで同じと考えられる。
b系列は超音波ホーンをFPCに押しつけた位置から、振幅長さを移動した位置までの荷重と抜重により変化した応力を足した理想的な応力和の分布グラフである。
ここで、40kHzの周期で振幅が3μmの超音波の最大加速度は、振動方程式x=Asin(ωT):(x:位置・A:振幅=0.003mm・ω:周波数=40、000Hz・T:時間)をTで2階積分したα=−Aω^2sin(ωT):(α:加速度)に、−1<=sin(ωT)<=1から、−1=sin(ωT)を代入してα=4、800g、という巨大な加速度かつ、作用時間=1/40,000秒なので、瞬間的に移動してしまうため、移動中の応力の変化は無視できるとした。
なお、超音波ホーンが移動すると、荷重がかった部分は応力がプラス(下向きが正)になり、荷重がかかっていた部分は、抜重されて応力がマイナスになる。
【0041】

b系列のグラフの最大高さが、超音波ホーンが移動したときの最大応力になるので、応力の目盛りを単位としてまとめると図4−2「最大応力の比較表 単位:1系列100%」のようになる。
この表から、超音波ホーンの断面形状は四角形、つまり加圧面に垂直な断面形状であれば、振幅が変化しても最大応力が安定していることが分かった。
また、1系列、つまり「超音波ホーンの長さ=振幅×0.5」と2系列、つまり「超音波ホーンの長さ×1=振幅」と、3系列、つまり「超音波ホーンの長さ×2=振幅」とであれば、全ての断面形状で最大応力が安定していることが分かった。
【0042】

b系列のグラフでグラフと応力軸とに挟まれた部分の面積が、超音波ホーンが移動したときに受けた応力の総和になるので、振幅と応力の目盛りをユニットとして計算して、まとめると図4−3「応力和の比較表 単位:1系列100%」のようになる。
この表から、超音波ホーンの断面形状は四角形、つまり加圧面に垂直な断面形状では、1倍以上であれば、振幅が変化したしても、受ける荷重の割合いが比例していることが分かった。
また、この表から1系列、つまり「超音波ホーンの長さ=振幅×0.5」と2系列、つまり「超音波ホーンの長さ=振幅×1」であれば、全ての断面形状で安定していることが分かった。
【0043】

また、b系列のグラフでグラフの傾きは応力の変化率を表しているので、振幅と応力の目盛りをユニットとして計算して、まとめると、最大値は図4−4「応力和の変化率最大値比較表 単位:1系列100%」のようになり、また最小値は図4−5「応力和の変化率最小値比較表 単位:1系列100%」のようになる。
これらの表から、超音波ホーンの断面形状は四角形、つまり加圧面に垂直な断面形状であれば、振幅が変化した場合の応力の変化の度合いが安定していることが分かった。
また、この表から2系列、つまり「超音波ホーンの長さ=振幅×2」以外は全ての断面形状で安定していることが分かった。
【0044】

以上をまとめると、全ての超音波ホーン形状で安定しているのは1系列、つまり「超音波ホーンの長さ振幅×0.5」と2系列、つまり「超音波ホーンの長さ=振幅×1」であることが分かった。
また、断面形状が四角形、つまり加圧面に垂直な断面形状であれば、振幅が変化しても安定していることが分かった。
そこで、本発明は、超音波ホーンの断面形状が四角形、つまり加圧面に垂直な断面形状であるので、振幅が変化しても接合力が安定している接合法を提供できる。
【0045】

また、本発明は超音波ホーンの先端形状を凸溝型のブレード形状にし、複数列に配置することで、1回の接合プロセスで1列よりも数倍の接合強度が得られる接合法を提供できる。
【0046】

同様に、本発明は超音波ホーンによる接合位置を毎回相対移動させて、多数回接合させるので1回の接合に比べて数倍の接合強度が得られる接合法と装置を提供できる。
なお、理論的には、図13の接合部分の重なり長さを超音波の振幅で割った値N(N=重なり長さ÷超音波の振幅)回接合できるので、N倍の強度を得ることができる。
【0047】

さらに、本発明は超音波ホーンの先端形状が凸溝型のブレード形状なので、超音波ホーンがFPC基材である樹脂に食い込んでも接合面積が変わらないので、接合力が変化しない接合を提供できる。
【0048】

さらに、また、本発明は低荷重でも接合応力が局所に集中するため、PCBへのストレスが小さくなり、PCBの応力設計や応力管理がしやすい接合法と装置を提供できる。
【0049】

このように、本発明による加熱式超音波ホーンの凸溝型のブレード形状・寸法と配置は、受圧面積の安定性があり、さらに応力集中の安定性があるので、超音波による金属接合エネルギーの集中度が上がり、そのうえ、加熱することで金属表面の塑性変形を加速度的に促進するので、実験では電極表面が金以外(たとえば銀・スズ・アルミ)でも接合できることが確かめられた。
【0050】

つぎに、樹脂を接合面積の全面に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから、所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけて加熱・加振しても、加振前に樹脂が十分に加熱されていないと、電極間から樹脂が排出されずに、電極の金属接合を阻害して、抵抗が高い場合もしくは、導通が無い場合が発生する。
したがって、この全面に事前に配置する方法では、電極だけを固相接合する場合にくらべて、FPCとPCBとの接合時間が長くなるし、接合・接着のための荷重が大きくなる。
【0051】

そこで、本発明では、樹脂を接合面の接合長さの30%〜50%程度の長さで、接合部の間隙部分に充填するのに必要な量を事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけ、そのあとに、加振・加熱させると、樹脂が配置されていなかった部分の電極の金属接合が先に完了し、そのあと樹脂が加熱されて電極間を溶融流動するので、金属接合する方法とほぼ同じ時間と荷重でFPCとPCBを接合する接合法と装置を提供できる。
【0052】

電極の金属接合後に、粘度が低い液状の常温硬化樹脂・嫌気性硬化樹脂・好湿性硬化樹脂などを、電極同士の金属結合後に電極の端面より流し込むと、毛細管現象により、接合した電極間とFPCとPCBにより形成される空隙を充填する。
そのあと常温で放置すれば樹脂は固化し、つまり、電極の金属接合を阻害しないでFPCとPCBを接着する。
また、接着剤が毛細管現象で、FPCとPCBとそれらの電極により形成される空隙に充填されると、FPCとPCBとの間に分子間力が働き、この状態では体積が変化しにくいため、破壊対力があるので、固化する前でも擬似的な接着力が働く。
それで、本発明では完全な接着力が発生するまでの間、つまり完全に固化するまでの間でも、金属の固相接合だけの場合に比べて強い接着力が発生するので、本発明のあとの工程まで剥離が生じない接合法と装置を提供できる。
【0053】

本発明では、上記樹脂に液状のUV硬化性樹脂を用いる場合でも、工程間移動では同様に剥離しにくいだけの接着力が発生するので、本発明のあとの工程であるUV照射工程まで剥離することのない接合法を提供できる。
同様に、本発明では、上記樹脂に液状の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いる場合も、工程間移動では同様に剥離しにくいだけの接着力が発生するので、本発明のあとの工程である加熱工程まで剥離することのない接合法と装置を提供できる。
【0054】

なお、毛細管現象での浸透力を上げたり、接着力を上げるには、接合前にイソプロパノールで洗浄し表面の油分やゴミを除去したり、プラズマ放電により表面を改質したりすると有効である。
【0055】

横方向からの加振による加熱式超音波接合は、前述したとおり固相接合なので、本発明では溶融接合に比べて接合抵抗が低い接合法を提供できる。
また、横方向からの加振により表面の酸化膜・油脂皮膜の除去が、メカニカルに行われるため、本発明では電極の洗浄処理が不要である接合法と装置を提供できる。
さらに、横方向からの加振による固相接合は、電極表面の形状の変化が非常に少ないため、本発明では、一度接合したFPCを剥がして再度接合しても接合強度・接合抵抗ともに劣化がない接合法を提供できる。
【0056】

本発明では電極の形状が従来通りの単純な形状のため、樹脂流動に対しても特に考慮する必要もなく、PCBの電極のピッチが通常通り狭い接合法を提供できる。
【0057】

本発明では超音波ホーンの先端形状が単純なため、超音波ホーンが摩耗した場合でも接合面を平面研磨するだけで再使用が可能であり、従ってこれにより、超音波ホーンのランニングコストが低い接合法を提供できる。
さらに、本発明では、超音波ホーンが摩耗しても研磨砥石などを当てながら超音波ホーンを振動させれば超音波ホーンの接合面を平面研磨することが可能であり、従ってこれにより、汚れ除去がしやすく、また、超音波ホーンのランニングコストが低い接合法と装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】

下記に実施例1〜実施例14にて詳細に説明する。
【実施例1】
【0059】

本実施例は請求項1の実施例である。
以下に各部分を図2・図3b、図3c・図3d・図3e・図3f・図3g・図3gx・図3gy、を用いて詳細に説明する。
図2はFPCとPCBとの重ね方と、電極方向と荷重方向と振動方向を示す斜視図であり、図2の1はFPCであり、1aはポリイミド(商品名)やペット(商品名)などの樹脂からなるFPC基材、2は金、銀、銅などの導電性金属、もしくはさらにその表面に半田メッキ、錫メッキ、金メッキなどを施しあるFPC1上に設けられたFPC電極、3はPCBであり、3aは塩ビ、ベークライト、ファイバー、ポリイミド(商品名)、ペット(商品名)などの樹脂や、セラミックス、ガラスからなるPCB基材、4は金、銀、銅などの導電性金属、もしくはさらにその表面に半田メッキ、錫メッキ、金メッキなどを施しあるFPC3上に設けられたPCB電極、6a、7aは後述の位置決めのために設けられた、アライメントマークである。
【0060】

図3bは本発明による凸型ブレード形状1列超音波ホーンの形状と荷重方向と振動方向と電極方向を示す下面より反転して見た斜視図であり、10bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンである。
以下同様に、10cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンであり、10dは凸型ブレード形状1列1条超音波ホーンであり、10eは凸型ブレード形状3列1条超音波ホーンであり、10fは凸型ブレード形状1列3条超音波ホーンであり、10gは凸型ブレード形状3列3条超音波ホーンである。
【0061】

図3gxは図3gの矢視x方向から見た図で、荷重方向が下から上となるように配置した側面図であり、Wyは超音波ホーン上の凸型ブレードが設けられている部分の長さ、Bは超音波ホーンの凸型ブレードの長さ、Pyは凸型ブレードが複数条配置してある場合のピッチ間距離を示す。
図3gyは図3gの矢視y方向から見た図で、荷重方向が下から上となるように配置した正面図であり、Wxは超音波ホーン上の凸型ブレードが設けられている部分の幅、Tは超音波ホーンの凸型ブレードの厚み、Pxは凸型ブレードが複数列配置してある場合のピッチ間距離を示す。
【0062】

さて、超音波ホーン先端の厚みTの最小値は、上述の理論モデルから超音波ホーンの振幅の1倍であれば十分であると考えられる。
ここで、現在実験で使用している超音波ホーンの振幅は3μmなので0.003mmとすべきだが、今後、発信周波数を上げて、逆に、振幅をさらに減らして、超音波の振動によるFPC1やPCB3や、これらの表面や内部に実装されている部品のダメージを押さえることが必要であることが予定されているので、超音波ホーン先端の厚みTの最小値を0.001mmとする。
【0063】

つぎに、超音波ホーン先端の厚みTの最大値は、上述の理論モデルから超音波ホーンの振幅の1倍で十分であると考えられが、実際には接合金属の母材の材質・厚みT・硬度・縦弾性係数や、また、その表面にメッキが施されている場合は、そのメッキの材質・厚み・硬度・縦弾性係数や、さらに、その表面の処理方法や状態、また、さらに、FPCの母材である樹脂の材質・厚み・硬度・縦弾性係数や、また、さらにその表面の処理方法や状態という接合部材の条件、また、超音波ホーンの材質やその材質の特性からの加工上の限界や、その上、配線本数や配線の太さ、荷重制御装置の制御上の限界などと、今までの実験結果から、0.5mmは必要である。
以上をまとめて、超音波ホーン先端の厚みTは0.001〜0.5mmとする。
【0064】

そして、超音波ホーン先端の高さHは、FPC基材1aの厚みが、用途により数十μmから数百μmと幅が広いので、いちがいに決定することはできない。ただし、後述するように樹脂を加熱溶融させる場合に、伝熱と共に輻射熱は非常に重要であので、FPC基材1aの厚みや材質などを考慮して、超音波ホーン先端の高さHはできるだけ低く、ただし、接合中に超音波ホーンの先端以外がFPC1に接触しない程度の寸法で都度決定することとする。
【実施例2】
【0065】

本実施例は請求項2の実施例である。
上記実施例1の通り、超音波ホーン先端の厚みTは決定でき、必要な荷重が決定できても、接合部材の条件により、PCB3の許容応力を越えてしまう場合がある。
この場合、たとえば、凸型ブレード形状3列超音波ホーン10cの形状よりも、凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10gの形状の方が、「FPC」基材3aからの反力を受けにくいので、荷重を減らすことが可能となる。
【0066】

また、逆に、PCB3の許容応力が十分大きければ、たとえば、凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10gの形状よりも、凸型ブレード形状3列超音波ホーン10cの形状の方が単純なので、超音波ホーン10の製造コストが低くなる。
ただし、条数は、配線本数に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合により数百となり、また、列数もPCBの許容応力に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合によっては数百となる。
【0067】

以上より、列数と条数は一意に決定できないので、上記条件の中で都度決定することとする。
【実施例3】
【0068】

本実施例は、請求項1や請求項2を実施するに当たり、荷重手段と、加振手段と、加熱手段と、を持つ超音波接合装置である本発明の核となる固相金属接合を実施する場合の請求項3の実施例である。
なお、樹脂接着を併せて行う場合の実施例は、実施例5・実施例6・実施例7・実施例8・実施例9・実施例10にて、FPCとPCBを位置合わせする場合の実施例は実施例12・実施例13・実施例14にて詳細に説明する。
【0069】

以下に各部分を、図1と図3cと図14aを用いて詳細に説明する。
図14aは図1の一部を抜粋した、本発明の実施例を示す斜視図であり、この図14aにおいて、20はPCB3を吸着固定する手段を持ったアンビル、20aはアンビル20に設けたPCB固定用吸着穴、20bはアンビル20に設けたFPC固定用吸着穴、21はアンビルを加熱するアンビルヒータ、1はFPC、1aはこのFPC1の絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1aに上に形成された電気回路であるFPC電極、6aはFPC基材1aに設けられた2対のFPCアライメント穴であり、3がPCB、3aはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3a上に形成された電気回路であるPCB電極、7aはPCB基材3aに設けられた2対のPCBアライメントマークである。
【0070】

図3cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10cは本発明の凸型ブレード形状3列超音波ホーンである。
ただし、列数はPCBの許容応力に依存するので、実際は3だけではなく1〜数十、場合によっては数百となる。
【0071】

つぎに、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0072】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、21はこのアンビルにねじなどで固着しているアンビルヒータである。
【0073】

70は制御装置であり、71は超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する超音波発信器、72は荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重手段13を制御する加重制御装置、
【0074】

73aは超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10の温度を超音波ホーンにねじなどで固着している熱電対などの測温体(図無し)を用いてフィードバック制御する超音波ホーン温度調整装置、73bはアンビルヒータ21で加熱されるアンビル20の温度をアンビルにねじなどで固着している熱電対などの測温体(図無し)を用いてフィードバック制御するアンビル温度調整装置である。
【0075】

76bはアンビル20に設けられた、FPC1を吸着固定する図14aの吸着固定穴20aから、負圧発生装置(図無し)までの配管経路に設けられた、FPC1の吸着を確認するFPC吸着センサ、76cはアンビル20に設けられた、PCB3を吸着固定する吸着固定穴(図無し)から、負圧発生装置(図無し)までの配管経路に設けられた、PCBの吸着を確認するPCB吸着センサである。
【0076】

77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0077】

以下、図1と図14aを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0078】

FPC吸着センサ76bとPCB吸着センサ76cとが吸着を確認すると
制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10cの直下に(以下接合位置と称す)移動させる。
【0079】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10cを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10とアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
【0080】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する。
この超音波ホーン10cの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10cの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10cを上昇させる。
【0081】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3を元の位置(以下供給・取り出し位置と称す)に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、固相金属接合工程は完了となる。
【実施例4】
【0082】

本実施例は請求項1や請求項2を実施するに当たり、本発明の核となる固相金属接合の接合部分の応力を大きくしながら、PCBへの荷重を小さくするために、1回の接合面積を減らし、接合位置を相対移動させて、電極上の複数行1条、もしくは1行複数条、もしくは複数行複数条の位置で複数回実施する請求項4と請求項5の実施例である。
なお、樹脂接着を併せて行う場合の実施例は、実施例5・実施例6・実施例7・実施例8・実施例9・実施例10にて、FPCとPCBを位置合わせする場合の実施例は実施例12・実施例13・実施例14にて詳細に説明する。
【0083】

以下に各部分を、図1と図3fと図5a・図5b・図5c・図5dと図14aを用いて詳細に説明する。
図14aは図1の一部を抜粋した、本発明の実施例を示す斜視図であり、この図14aにおいて、20はPCB3を吸着固定する手段を持ったアンビル、20aはアンビル20に設けたPCB固定用吸着穴、20bはアンビル20に設けたFPC固定用吸着穴、21はアンビルを加熱するアンビルヒータ、1はFPC、1aはこのFPC1の絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1aに上に形成された電気回路であるFPC電極、6aはFPC基材1aに設けられた2対のFPCアライメント穴であり、3がPCB、3aはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3a上に形成された電気回路であるPCB電極、7aはPCB基材3aに設けられた2対のPCBアライメントマークである。
【0084】

図3fは凸型ブレード形状1列3条超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10fは本発明のうち、凸型ブレード形状1列3条超音波ホーンである。
ただし、列数はPCBの許容応力に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合によっては数百となる。
また、条数も接続する配線本数に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合によっては数百となる。
【0085】

図5aは凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行う前の、接合している位置を示す正面図で、10fは凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン、11は凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン10fを加熱する超音波ホーンヒータ、12は凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン10fを加振する振動子である。
図5bは凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行い、図5aのつぎの接合している位置を示す正面図、図5cは凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行う前の、接合している位置を示す側面図、図5dは凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行い、図5cのつぎの接合している位置を示す側面図である。
【0086】

つぎに、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0087】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、21はこのアンビルにねじなどで固着しているアンビルヒータである。
【0088】

70は制御装置であり、71は超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する超音波発信器、72は荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重手段13を制御する加重制御装置、
【0089】

73aは超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10の温度を超音波ホーンにねじなどで固着している熱電対などの測温体(図無し)を用いてフィードバック制御する超音波ホーン温度調整装置、73bはアンビルヒータ21で加熱されるアンビル20の温度をアンビルにねじなどで固着している熱電対などの測温体(図無し)を用いてフィードバック制御するアンビル温度調整装置である。
【0090】

76bはアンビル20に設けられた、FPC1を吸着固定する図14aの吸着固定穴20aから、負圧発生装置(図無し)までの配管経路に設けられた、FPC1の吸着を確認するFPC吸着センサ、76cはアンビル20に設けられた、PCB3を吸着固定するPCB吸着固定穴20aから、負圧発生装置(図無し)までの配管経路に設けられた、PCBの吸着を確認するPCB吸着センサである。
【0091】

77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0092】

以下、図1と図5a・図5b・図5c・図5dと図14aを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0093】

FPC吸着センサ76bとPCB吸着センサ76cとが吸着を確認すると
制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10cの直下に移動させる。
【0094】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10cを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10とアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
なお、図5aはこの状態を示す正面図であり、図5cはこの状態を示す側面図である。
【0095】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する。
この超音波ホーン10cの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10cの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10cを上昇させる。
【0096】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3をY方向の次の接合位置に移動させる。
なお、図5aはこの状態を示す正面図であり、図5dはこの状態を示す側面図である。
【0097】

上記の、加圧と加熱から加振までをおこない、そのあと超音波ホーン10cを上昇させる。
【0098】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3をX方向の次の接合位置に移動させる。
なお、図5bはこの状態を示す正面図であり、図5cはこの状態を示す側面図である。
【0099】

上記の、加圧と加熱から加振までをおこない、そのあと超音波ホーン10cを上昇させる。
制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3を−Y方向の次の接合位置に移動させる。
なお、図5bはこの状態を示す正面図であり、図5dはこの状態を示す側面図である。
以上の相対移動を所定回数繰り返し、最後の接合位置に到達したら、上記の、加圧と加熱から加振までをおこない、そのあと超音波ホーン10cを上昇させる。
【0100】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3を元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20上の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、固相金属接合工程は完了となる。
【0101】

配線本数が3本、また、PCBの最大許容力が3列分だと仮定して生産性、PCBの受ける荷重、超音波ホーン10の製造コストを下記に比較した。
生産性は凸型ブレード形状3列超音波ホーン10cと凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10gが一番高い。なお、まとめると、以下の順番となる。
凸型ブレード形状3列超音波ホーン10c=凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10g>凸型ブレード形状1列超音波ホーン10b=凸型ブレード形状3列1条超音波ホーン10e=凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン10f>凸型ブレード形状1列1条超音波ホーン10d
【0102】

また、PCBの受ける応力を比較すると、凸型ブレード形状3列超音波ホーン10c>が一番大きい。なお、まとめると、以下の順番となる。
凸型ブレード形状3列超音波ホーン10c>凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10g>凸型ブレード形状1列超音波ホーン10b>凸型ブレード形状3列1条超音波ホーン10e=凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン10f>凸型ブレード形状1列1条超音波ホーン10d
【0103】

また、さらに、超音波ホーン10の製造コストを比較すると、凸型ブレード形状1列超音波ホーン10bが一番小さい。なお、まとめると、以下の順番となる。
凸型ブレード形状1列超音波ホーン10b>凸型ブレード形状1列1条超音波ホーン10d>凸型ブレード形状3列超音波ホーン10c>凸型ブレード形状3列1条超音波ホーン10e=凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン10f>凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン10g
【0104】

上記の通り、列数と条数の組み合わせには一意の法則がないばかりか、実際の条数は、配線本数に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合により数百となり、また、列数もPCBの許容応力に依存するので、実際は3ではなく1〜数十、場合によっては数百となる。
よって、列数と条数は一意に決定できないので、上記条件の中で都度決定することとする。
【実施例5】
【0105】

本実施例は、請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、樹脂をFPC1に、接合面の全面に一定の厚みで事前に配置し、FPC1とPCB3の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に荷重をかけることにより、樹脂が加熱され、接合面から樹脂を排出し、加振することにより樹脂を排出した接合面の電極の固相金属接合をおこない、さらに、加熱された樹脂を電極間に溶融流動させ、その結果、隙間を充填させてFPC1とPCB3を接着する。
なお、樹脂を接合前にFPC1とPCBの間に配置して接着・接合するこの方法は公知の方法である。
【0106】

以下に各部分を図1と図3cと図7a・図7b・図7cを用いて詳細に説明する。
まず、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0107】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0108】

つぎに、図3cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンである。
【0109】

さらに、図7aは本実施例のPCBへ樹脂を全面に事前に配置し接着・接合する前を示す正面図であり、図7bは接着・接合の途中を示す正面図であり、図7cは接着・接合したあとを示す正面図である。
図7a・図7b・図7cにおいて1aはFPC基材、2はFPC基材1a上にあらかじめ形成されたFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極上にあらかじめ形成されたPCB電極、5はFPC1とPCB3とを接着する樹脂である。
【0110】

以下、図1と図3cと図7a・図7b・図7cを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、樹脂5を接合前にPCB3の接合面の全面に一定の厚みで事前に配置し、つぎに、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。アンビル20に吸着固定する。
さらに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0111】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10cの直下に移動させる。
これが図7aの状態であるが、図では樹脂はPCB3上にあらかじめ配置している状態を例示している。ただし、アンビル20は省いてある。また、FPC電極2と樹脂5は、実際には接触しているが、説明のために接触していない状態で示している。
【0112】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10cを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10cとアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
これが、図7bの状態である。
【0113】

超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10cの伝熱と輻射熱により樹脂が溶融し、接合圧力によりFPC電極1とPCB電極4の間から樹脂が排出され、その排出された樹脂はFPC1とPCB3とFPC電極2とPCB電極4により形成される空隙を通りFPC1とPCB3の両端面より排出される。
これが、図7cの状態である。
【0114】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する。
この超音波ホーン10cの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10cの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10cを上昇させる。
【0115】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3を元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、接着・接合工程は完了となる。
【0116】

なお、樹脂の配置方法は、あらかじめFPC1もしくはPCB3aへ、樹脂を印刷塗布しておく方法、もしくは、接合前にフィルム状樹脂を貼り付けておく方法、また、もしくは、接合直前に樹脂を吐出して塗布する方法などがある。
【0117】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【実施例6】
【0118】

本実施例は請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、樹脂をFPC1の接合面に、接合長さの1/2の長さで、かつ、接合部のFPC電極2とPCB電極4で形成される空隙を充填するのに十分な量で、接合長さの中央付近に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直な方向に荷重をかけながら加振・加熱させることにより、樹脂が配置されていなかった部分の電極の固相金属接合のタイミングと、樹脂が加熱され、電極間を溶融流動するタイミングに時間差を生じさせて、固相金属接合を阻害しないで接合・接着する請求項6の実施例である。
【0119】

以下に各部分を図1と図3cと図8a・図8b・図8cを用いて詳細に説明する。
まず、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0120】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0121】

つぎに、図3cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10cは凸型ブレード形状3列超音波ホーンである。
【0122】

さらに、図7aは本実施例のPCBへ樹脂を全面に事前に配置し接着・接合する前を示す正面図であり、図7bは接着・接合の途中を示す正面図であり、図7cは接着・接合したあとを示す正面図である。
図7a・図7b・図7cにおいて1aはFPC基材、2はFPC基材1a上にあらかじめ形成されたFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極上にあらかじめ形成されたPCB電極、5はFPC1とPCB3とを接着する樹脂である。
【0123】

以下、図1と図3cと図7a・図7b・図7cを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、樹脂5を接合前にPCB3の接合面の全面に事前に配置する。
つぎに、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。アンビル20に吸着固定する。
さらに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0124】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10cの直下に移動させる。
これが図7aの状態であるが、図では樹脂はPCB3上にあらかじめ配置している状態を例示している。ただし、アンビル20は省いてある。また、FPC電極2と樹脂5は、実際には接触しているが、説明のために接触していない状態で示している。
【0125】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10cを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10cとアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
これが、図7bの状態である。
【0126】

超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10cの伝熱と輻射熱により樹脂が溶融し、接合圧力によりFPC電極1とPCB電極4の間から樹脂が排出され、その排出された樹脂はFPC1とPCB3とFPC電極2とPCB電極4により形成される空隙を通りFPC1とPCB3の両端面より排出される。
これが、図7cの状態である。
【0127】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10cを加振する。
この超音波ホーン10cの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10cの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10cを上昇させる。
【0128】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とこれと接合したPCB3を元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、接着・接合工程は完了となる。
【0129】

なお、樹脂の配置方法は、あらかじめFPC1もしくはPCB3aへ、樹脂を印刷塗布しておく方法、もしくは、接合前にフィルム状樹脂を貼り付けておく方法、また、もしくは、接合直前に樹脂を吐出して塗布する方法などがある。
【0130】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0131】

本発明において、一定の荷重を保持すれば、接合プロセスが進むにつれて、接合面積の増大に伴い応力が低下して、接合による変形は進まなくなることは上述したとおりである。
したがって、荷重センサは超音波の発振開始のタイミングを制御しているだけなので、たとえばタイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる荷重手段13を組み合わせれば、荷重センサ22は必須の条件ではない。
【実施例7】
【0132】

本実施例は請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、樹脂をFPC1の接合面に、接合長さの1/2の長さで、かつ、接合部のFPC電極2とPCB電極4で形成される空隙を充填するのに十分な量で、接合長さの中央付近に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直な方向に荷重をかけながら加振・加熱させることにより、樹脂が配置されていなかった部分の電極の固相金属接合のタイミングと、樹脂が加熱され、電極間を溶融流動するタイミングに時間差を生じさせて、固相金属接合を阻害しないで接合・接着する請求項6の上記とは別の実施例である。
【0133】

以下に各部分を図1と図3bと図8a・図8b・図8c・図8dを用いて詳細に説明する。
まず、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0134】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0135】

つぎに、図3bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンである。
【0136】

図8aは本実施例のPCBへ面積が半分程の樹脂を、接合部中央付近に配置した、接合前を示す正面図であり、図8bは接合・接着の最初の段階を示す正面図であり、図8cは接合・接着の途中の段階を示す正面図であり、図8dは接合・接着の最後の段階を示す正面図である。
図8a・図8b・図8c・図8dにおいて1aはFPC基材、2はFPC基材1a上にあらかじめ形成されたFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極上にあらかじめ形成されたPCB電極、5はFPC1とPCB3とを接着する樹脂である。
【0137】

以下、図1と図3bと図8a・図8b・図8c・図8dを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、樹脂5を接合前にPCB3の接合面の接合部中央付近に全面に事前に配置する。
つぎに、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。アンビル20に吸着固定する。
さらに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0138】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10bの直下である、初回の接合位置に移動させる。
これが図8aの状態であるが、図では樹脂はPCB3上にあらかじめ配置している状態を例示している。ただし、アンビル20は省いてある。また、FPC電極2と樹脂5は、実際には接触しているが、説明のために接触していない状態で示している。
【0139】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10bを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10bとアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8bの状態である。
【0140】

加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10bの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10bを上昇させて、初回の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、つぎの接合位置に移動させ、この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。さらに、超音波ホーン10bを発振させる。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8cの状態である。
【0141】

加振を所定時間行い、超音波ホーン10bの加振が停止したあと、超音波ホーン10bを上昇させて、途中の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、最後の接合位置に移動させる。
この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。
超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10bの伝熱と輻射熱により樹脂が溶融し、接合圧力によりFPC電極1とPCB電極4の間から樹脂が排出され、その排出された樹脂はFPC1とPCB3とFPC電極2とPCB電極4により形成される空隙を通りFPC1とPCB3の間隙を充填する。
これが、図8dの状態である。
【0142】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを上昇させて、最後の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、接着・接合工程は完了となる。
【0143】

なお、樹脂の配置方法は、あらかじめFPC1もしくはPCB3aへ、樹脂を印刷塗布しておく方法、もしくは、接合前にフィルム状樹脂を貼り付けておく方法、また、もしくは、接合直前に樹脂を吐出して塗布する方法などがある。
【0144】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0145】

本発明において、一定の荷重を保持すれば、接合プロセスが進むにつれて、接合面積の増大に伴い応力が低下して、接合による変形は進まなくなることは上述したとおりである。
したがって、荷重センサは超音波の発振開始のタイミングを制御しているだけなので、たとえばタイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる荷重手段13を組み合わせれば、荷重センサ22は必須の条件ではない。
【実施例8】
【0146】

本実施例は請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、樹脂をFPC1の接合面に、接合長さの1/3の長さで、かつ、接合部のFPC電極2とPCB電極4で形成される空隙を充填するのに十分な量に、接合端面にフィレットを形成させる目的で増量した量で、接合部のPCB端面付近に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直な方向に荷重をかけながら加振・加熱させることにより、樹脂が配置されていなかった部分の電極の固相金属接合のタイミングと、樹脂が加熱され、電極間を溶融流動するタイミングに時間差を生じさせて、固相金属接合を阻害しないで接合・接着する請求項6の実施例である。
【0147】

以下に各部分を図1と図3bと図8e・図8f・図8g・図8hを用いて詳細に説明する。
まず、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0148】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0149】

つぎに、図3bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンである。
【0150】

さらに、図8eは本実施例のPCBへ面積が半分程度の樹脂を、PCB端面付近に配置した、接合前を示す正面図であり、図8fは接合・接着の最初の段階を示す正面図であり、図8gは接合・接着の途中の段階を示す正面図であり、図8hは接合・接着の最後の段階を示す正面図である。
図8e・図8f・図8g・図8hにおいて1aはFPC基材、2はFPC基材1a上にあらかじめ形成されたFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極上にあらかじめ形成されたPCB電極、5はFPC1とPCB3とを接着する樹脂である。
【0151】

以下、図1と図3bと図8e・図8f・図8g・図8hを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、樹脂5を接合前にPCB3の接合面であり、かつ、端面付近に事前に配置する。
つぎに、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。アンビル20に吸着固定する。
さらに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0152】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10bの直下である、初回の接合位置に移動させる。
これが図8eの状態であるが、図では樹脂はPCB3上にあらかじめ配置している状態を例示している。ただし、アンビル20は省いてある。また、FPC電極2と樹脂5は、実際には接触しているが、説明のために接触していない状態で示している。
【0153】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10bを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10bとアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8fの状態である。
【0154】

加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10bの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10bを上昇させて、初回の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、つぎの接合位置に移動させ、この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。さらに、超音波ホーン10bを発振させる。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8gの状態である。
【0155】

加振を所定時間行い、超音波ホーン10bの加振が停止したあと、超音波ホーン10bを上昇させて、途中の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、最後の接合位置に移動させる。
この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。
超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10bの伝熱と輻射熱により樹脂が溶融し、接合圧力によりFPC電極1とPCB電極4の間から樹脂が排出され、その排出された樹脂はFPC1とPCB3とFPC電極2とPCB電極4により形成される空隙を通りFPC1とPCB3の間隙を充填すると共に、PCB3端面側より排出されて、フィレットを形成する。
これが、図8hの状態である。
【0156】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを上昇させて、最後の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、接着・接合工程は完了となる。
なお、樹脂の配置方法は、あらかじめFPC1もしくはPCB3aへ、樹脂を印刷塗布しておく方法、もしくは、接合前にフィルム状樹脂を貼り付けておく方法、また、もしくは、接合直前に樹脂を吐出して塗布する方法などがある。
【0157】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0158】

本発明において、一定の荷重を保持すれば、接合プロセスが進むにつれて、接合面積の増大に伴い応力が低下して、接合による変形は進まなくなることは上述したとおりである。
したがって、荷重センサは超音波の発振開始のタイミングを制御しているだけなので、たとえばタイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる荷重手段13を組み合わせれば、荷重センサ22は必須の条件ではない。
【実施例9】
【0159】

本実施例は請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、樹脂をFPC1の接合面に、接合長さの1/3の長さで、かつ、接合部のFPC電極2とPCB電極4で形成される空隙を充填するのに十分な量に、接合端面にフィレットを形成させる目的で増量した量で、接合部のPCB端面付近に事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直な方向に荷重をかけながら加振・加熱させることにより、樹脂が配置されていなかった部分の電極の固相金属接合のタイミングと、樹脂が加熱され、電極間を溶融流動するタイミングに時間差を生じさせて、固相金属接合を阻害しないで接合・接着する請求項6の上記とは別の実施例である。
【0160】

以下に各部分を図1と図3bと図8e・図8f・図8g・図8hを用いて詳細に説明する。
まず、図1は装置全体の構成を示す斜視図であり、図1において、10は上下移動用ガイド(図無し)に沿って上下する超音波ホーンであり、13は超音波ホーン10の不動点とねじなどで固着している上下移動用ガイド(図無し)と、これにねじなどで固着している荷重手段であり、11は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波ホーンヒータ、12は超音波ホーン10にねじなどで固着している超音波振動子である。
【0161】

25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0162】

つぎに、図3bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンの形状と荷重方向と加振方向を示す、下面より反転して見た斜視図であり、10bは凸型ブレード形状1列超音波ホーンである。
【0163】

さらに、図8eは本実施例のPCBへ面積が半分程度の樹脂を、PCB端面付近に配置した、接合前を示す正面図であり、図8fは接合・接着の最初の段階を示す正面図であり、図8gは接合・接着の途中の段階を示す正面図であり、図8hは接合・接着の最後の段階を示す正面図である。
図8e・図8f・図8g・図8hにおいて1aはFPC基材、2はFPC基材1a上にあらかじめ形成されたFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極上にあらかじめ形成されたPCB電極、5はFPC1とPCB3とを接着する樹脂である。
【0164】

以下、図1と図3bと図8e・図8f・図8g・図8hを用いて、本実施例の工程を説明する。
まず、樹脂5を接合前にPCB3の接合面であり、かつ、端面付近に事前に配置する。
つぎに、PCB3のPCB電極4を上に向けてアンビル20上に供給する。
制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。アンビル20に吸着固定する。
さらに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC1とPCB3の電極同士を重ねる。
制御装置70からの制御によりFPC1を、FPC固定用吸着穴20bを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
【0165】

制御装置70からの位置制御装置77への指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているFPC1とPCB3を超音波ホーン10bの直下である、初回の接合位置に移動させる。
これが図8eの状態であるが、図では樹脂はPCB3上にあらかじめ配置している状態を例示している。ただし、アンビル20は省いてある。また、FPC電極2と樹脂5は、実際には接触しているが、説明のために接触していない状態で示している。
【0166】

位置制御装置77の到達完了信号により、制御装置70は超音波ホーン10bを、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って下降させて、FPC1とPCB3を超音波ホーン10bとアンビル20の間に挟んで、接合面に荷重をかけて加圧する。
荷重センサ22により所定の到達荷重と比較し、所定の荷重を保持するように荷重制御装置72を制御する。
加圧と加熱を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により、超音波発信器71が発振し、超音波振動子12により超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8fの状態である。
【0167】

加振を所定時間行ったあと、制御装置70の指令により超音波発信器71の発振が停止し、超音波振動子12による超音波ホーン10bの加振が停止する。
加振を停止後制御装置70の指令により、荷重手段13を用いて、上下移動用ガイド(図無し)に沿って超音波ホーン10bを上昇させて、初回の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、つぎの接合位置に移動させ、この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。さらに、超音波ホーン10bを発振させる。
この超音波ホーン10bの発振によりFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
これが、図8gの状態である。
【0168】

加振を所定時間行い、超音波ホーン10bの加振が停止したあと、超音波ホーン10bを上昇させて、途中の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、最後の接合位置に移動させる。
この移動が完了したら、上記と同じように超音波ホーン10bを下降させて、接合面に荷重をかけて加圧する。
超音波ホーンヒータ11で加熱される超音波ホーン10bの伝熱と輻射熱により樹脂が溶融し、接合圧力によりFPC電極1とPCB電極4の間から樹脂が排出され、その排出された樹脂はFPC1とPCB3とFPC電極2とPCB電極4により形成される空隙を通りFPC1とPCB3の間隙を充填すると共に、PCB3端面側より排出されて、フィレットを形成する。
これが、図8hの状態である。
【0169】

加圧と加熱を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを加振する。
この超音波ホーン10bの発振により、樹脂が排出されたFPC電極2とPCB電極4は固相金属接合する。
加振を所定時間行ったあと、超音波ホーン10bを上昇させて、最後の接合工程が完了する。
つぎに、FPC1とこれと接合したPCB3を、元の位置に移動させる。
位置制御装置77からの移動完了信号により、制御装置70はアンビル20の吸着を停止して、FPC1とこれと接合したPCB3の固定を解除することで、接着・接合工程は完了となる。
【0170】

なお、樹脂の配置方法は、あらかじめFPC1もしくはPCB3aへ、樹脂を印刷塗布しておく方法、もしくは、接合前にフィルム状樹脂を貼り付けておく方法、また、もしくは、接合直前に樹脂を吐出して塗布する方法などがある。
【0171】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0172】

本発明において、一定の荷重を保持すれば、接合プロセスが進むにつれて、接合面積の増大に伴い応力が低下して、接合による変形は進まなくなることは上述したとおりである。
したがって、荷重センサは超音波の発振開始のタイミングを制御しているだけなので、たとえばタイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる荷重手段13を組み合わせれば、荷重センサ22は必須の条件ではない。
【実施例10】
【0173】

本実施例は、請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、
接合前に樹脂を塗布すると、樹脂無しで固相金属接合だけを行うよりも電極間の樹脂排出のためにさらに荷重が必要であるという実験結果から、
電極同士の固相金属結合後に、樹脂を端子の端面より流し込むことにより、電極の固相金属接合を阻害しないでFPCと回路基板を接着する、
請求項7や請求項8の実施例である。
【0174】

以下に各部分を図1・図9を用いて詳細に説明する。
図9はFPC1とPCB3の接合後に樹脂を塗布している途中を示す斜視図であり、図9において、1aはFPC基材、2はFPC電極、3aはPCB基材、4はPCB電極、5は液状樹脂である。
【0175】

図1において、25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0176】

32はシリンジ保持・上下手段であり、アンビル20の移動とは独立している本体(図無し)にねじなどで固着されている。
31はそのシリンジ保持・上下手段32にねじなどで固着されているシリンジ、30はそのシリンジ31にねじなどで固着されているニードルである。
ニードル31の先端はアンビル20がθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25との移動により形成される移動領域内で、アンビル20やアンビル20上のFPC1やPCB3の移動を妨げないで、かつ、超音波ホーン10による接合と、
位置決め・供給・取り出しの工程を妨げない位置に配置されている。
74はシリンジ31に蓄えられた液状樹脂が、ニードル32の先端から吐出する液量を制御する樹脂吐出制御装置である。
【0177】

図1と図9を用いて、本発明を実施した場合の工程を説明する。
まず、固相金属接合工程の完了後、アンビル20上に吸着固定され、アンビル20と一緒に移動する、接合後のFPC1とPCB3を、ニードル30の下である、あらかじめ設けたFPC1の端面である所定の位置(以下樹脂吐出開始位置と称す)へ、制御装置70からの指令で、θ軸ステージ23・X軸ステージ24・Y軸ステージ25を、位置制御装置77の制御により移動し、移動が完了する。
【0178】

位置制御装置77から位置決め完了信号を制御装置70へ送り、この信号を元に、制御装置70はシリンジ保持・上下手段32と、シリンジ31と、ニードル30を下降させる。ただし、このときニードル30は、FPC1の端面やPCB3の上面から、水平面内での相対移動を妨げない程度の距離(0.1mm以上)離れているので、水平面内で相対移動してもニードル30がFPC1やPCB3と接触することはない。
【0179】

さらに、上記下降が完了すると、制御装置70は、樹脂吐出制御装置74へ指令を送りシリンジ31に蓄えられた液状樹脂を、ニードル32の先端から吐出を開始する。
さらに、上記吐出が開始すると、樹脂吐出制御装置74からの樹脂吐出中信号を制御装置70へ送り、この信号を元に、制御装置70は樹脂吐出開始位置からFPC1の樹脂吐出開始位置とは反対側にある所定の位置(以下樹脂吐出終了位置と称す)へ、θ軸ステージ23・X軸ステージ24・Y軸ステージ25を、位置制御装置77の速度制御で所定の速度で移動し、樹脂吐出終了位置に到達すると、位置制御装置77は移動を停止させる。
【0180】

移動の停止が完了すると、位置決め完了信号を制御装置70へ送り、この信号を元に、制御装置70は、樹脂吐出制御装置74へ指令を送りシリンジ31に蓄えられた液状樹脂の、ニードル32の先端からの樹脂吐出を停止する。
樹脂吐出の停止が完了すると、樹脂吐出制御装置74から樹脂吐出停止完了信号を制御装置70へ送り、制御装置70はシリンジ保持・上下手段32を所定の位置へ上昇させる。
以上で樹脂塗布工程は完了となる。
【0181】

また、樹脂をもれなく塗布する必要がある場合、つまり、事前に配置する場合でも、たとえば後述実施例12,10,11においてPCB3のPCB電極4を上に向けて、アンビル20に吸着固定してから、FPC1の供給間に塗布する、もしくはFPC1とPCB3の位置決め後に塗布することも本装置構成であれば制御装置や移動手段を追加せずに実現できる。
【0182】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆にアンビル20を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0183】

本発明において、一定の荷重を保持すれば、接合プロセスが進むにつれて、接合面積の増大に伴い応力が低下して、接合による変形は進まなくなることは上述したとおりである。
したがって、荷重センサは超音波の発振開始のタイミングを制御しているだけなので、たとえばタイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる荷重手段13を組み合わせれば、荷重センサ22は必須の条件ではない。
【実施例11】
【0184】

本実施例は、請求項1・請求項2・請求項4・請求項6・請求項7・請求項8を実施するに当たり、超音波ホーンが摩耗したり、超音波ホーンに樹脂などが付着して汚れたりした場合、接合の待機時間中に、研磨砥石や紙ヤスリやラップフィルムなどに当てて、超音波ホーンを振動さて超音波ホーンの平面研磨や洗浄を行う、請求項9と請求項10の実施例である。
【0185】

以下に、各部分を図10a・図10bを用いて詳細に説明する。
図10aはFPC1とPCB3を接合する直前から直後まで、つまり「接合位置」での研磨砥石の位置を示した側面図であり、図10bはFPC1の取り出し・供給位置つまり「待機位置」での研磨砥石の位置を示した側面図である。
【0186】

図10a・図10bにおいて、1がFPC、2がFPC電極、3がPCB、4がPCB電極、10が超音波ホーン、13が荷重手段、72が荷重手段13の速度と荷重を制御する荷重制御装置、20がアンビル、22が荷重センサ、23がθ軸ステージ、24がX軸ステージ、25がY軸ステージであり、77はこれらの移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0187】

50はFPC1を吸着固定する手段と、FPC1をアンビル20へ供給する手段を持ったFPC供給・保持手段であり、アンビル20の移動とは独立している本体(図無し)にねじなどで固着されている。
【0188】

61がX軸ステージ24にねじなどで固着されてX軸ステージ24と共に移動する、研磨砥石保持手段である。
なお、研磨砥石保持手段61には研磨荷重センサ(図無し)が設けてあり、研磨時は荷重を荷重制御装置70へフィードバックする。
また、60が研磨砥石保持手段61にねじもしくは接着剤などで固着されている研磨砥石である。
なお、X軸ステージ24が移動して「待機位置」へ移動すると、研磨砥石保持手段61に固着した研磨砥石60が超音波ホーン10の真下に来るようにあらかじめ配置してある。
【0189】

図10aと図10bを用いて、本発明を実施した場合の工程を説明する。
図10aの位置つまり、「接合位置」でFPC1とPCB3の接合が完了すると、X軸ステージ24は前進してFPC1の取り出し・供給位置、つまり「待機位置」へ戻ってくる。
接合後のFPC1とPCB3を取り出してから、供給して、位置決め完了するまでの間は、X軸ステージ24はこの「待機位置」にある。
上記の間に超音波ホーン10を荷重手段13にて下降させて、超音波ホーン10が研磨砥石60に接触し、研磨砥石荷重センサ(図無し)が所定の圧力に到達したことを検出したあと、その荷重を維持する荷重制御装置72の制御により荷重手段13が荷重を加え続けながら、超音波振動子12を発振させて超音波ホーン10を加振する。
所定の時間加振したあと超音波振動子12の発振を停止させてから、荷重手段13の荷重を抜き、超音波ホーン10を元の位置まで上昇させて、平面研磨は完了となる。
【0190】

本発明によるこの研磨方法は、取り出し・供給・位置決めまでの一連の時間、つまり「待機時間」内で完了できるので、生産性を落とすことがない。
【0191】

また、上記実施例において、超音波ホーン10を下降させる方法と、逆に研磨砥石保持手段61に垂直方向に移動する手段を設けて、研磨砥石60を上昇させる方法は接合の効果において同じである。
【0192】

なお、研磨砥石60のかた減りを未然に防ぐために、研磨砥石保持手段61に水平面で移動する移動手段を具備させて、毎回もしくは数回毎に研磨位置を変更させる方法もあわせて考えられる。
上記研磨砥石60の代わりに紙ヤスリやラップフィルムを用いても同じである。
また、超音波ホーン10を発振しないで、研磨砥石保持手段61に水平面で移動する移動手段を振動させて超音波ホーン10の先端を研磨する方法も考えられる。
【0193】

また、さらに、テープ状の紙ヤスリやラップフィルムを巻きだしボビンと巻き取りボビンを用いて、研磨砥石保持手段61上を一定のピッチで毎回送り、その送られた紙ヤスリやラップフィルムに超音波ホーンを押しつけ、その後発振させる方法も考えられる。
【0194】

上記実施例において、一定の荷重を保持すれば、研磨量は研磨時間に比例するので、タイマーなどの時限装置と一定の荷重を保持できる研磨砥石保持手段61を組み合わせれば、研磨砥石荷重センサ(図無し)は必須の条件ではない。
【実施例12】
【0195】

本実施例は、請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、FPCとPCBを簡単に位置決めする請求項11と請求項12の実施例である。
【0196】

この方法は後述の実施例14に比べて、位置決めの用途に図1のθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25やこれらの位置決め制御装置77と、図11のレンズ40,CCDカメラ41やこれらの画像位置決め制御装置75とを設けるため、装置構成や制御構成が複雑になる。
【0197】

ただし、レンズ40,CCDカメラ41が複数あるため、移動手段を設ける必要が無いので、そのぶん下記実施例13に比べて、装置構成が単純になる。
しかし、レンズ40a、CCDカメラ41aとレンズ40b、CCDカメラ41bの寸法上の制約があるため、FPCアライメント穴6aやPCBアライメントマーク7aのピッチ間にも制約がある。
【0198】

だが、後述の実施例14が、FPC位置決め穴6bと位置決めピン20cを接触させる方式であることに対して、本発明は非接触方式のため、FPC1の外力による変形がないので、高い精度で位置決めを行うことができる。
【0199】

なお、この発明は作業者に手動作業によらない自動作業用の装置に適した方法である。
【0200】

以下に、各部分を図1、図11、図12、図13、図14aを用いて詳細に説明する。
【0201】

図1において、1はFPC、3はPCB、25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0202】

図11はFPCの平面図であり、この図11において、1がFPC、1aはこのFPC1の
絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1aに上に形成された電気回路であるFPC電極、6aはFPC基材1aに設けられた2対のFPCアライメント穴である。
【0203】

図12はPCBの平面図であり、この図12において、3がPCB、3aはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3a上に形成された電気回路であるPCB電極、7aはPCB基材3aに設けられた2対のPCBアライメントマークである。
【0204】

図13はPCB3の上に、FPC1を重ねた状態を示す平面図である。
【0205】

図14aは図1の一部を抜粋した、本発明の実施例を示す斜視図であり、この図14aにおいて、20はPCB3を吸着固定する手段を持ったアンビル、20aはアンビル20に設けたPCB固定用吸着穴、20bはアンビル20に設けたFPC固定用吸着穴、21はアンビルを加熱するアンビルヒータ、1がFPC、1aはこのFPC1の絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1aに上に形成された電気回路であるFPC電極、6aはFPC基材1aに設けられた2対のFPCアライメント穴であり、3がPCB、3aはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3a上に形成された電気回路であるPCB電極、7aはPCB基材3aに設けられた2対のPCBアライメントマークである。
【0206】

41aはFPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aを観察する手段であり図1のθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25の移動とは独立している、本体(図無し)にねじなどで固着されているCCDカメラ、40aはそのCCDカメラ41aにねじなどで固着されたレンズであり、同様に41bはもう一つのFPCアライメント穴6aを通してやはりもう一つのPCBアライメントマーク7aを観察する手段であり、本体(図無し)にねじなどで固着されているCCDカメラ、40bはそのCCDカメラ41bにねじなどで固着されたレンズである。
【0207】

50はFPC1を吸着固定する手段と、FPC1をアンビル20へ供給する手段を持ったFPC供給・保持手段であり、本体(図無し)にねじなどで固着されている。
【0208】

以下、図1と図14aを用いて、本発明を実施した場合の工程を説明する。
まず、PCB3をPCB電極4を上に向けて、制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
つぎに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC供給・保持手段50に吸着固定する。
【0209】

FPC供給・保持手段50はPCB3の接合部にFPC1の接合部が重なる、あらかじめ決められた位置に移動する。ただし、このときPCB3とFPC1は水平面内での相対移動を妨げない程度の距離(0.1mm程度)離れていて、水平面内での相対移動によりFPC1とPCB3が接触することはない。なお、図14aはこの状態を示す。
【0210】

つぎに、図1の画像位置決め制御装置75は、CCDカメラ41aを用いて、レンズ40aを通して、FPC1の上面よりFPCアライメント穴6aと、FPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aの相互の位置誤差を測定し、同様にCCDカメラ41bを用いて、レンズ40bを通して、FPC1の上面よりもう一つのFPCアライメント穴6aと、やはりもう一つのFPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aの相互の位置誤差を測定する。
【0211】

これらの誤差が所定の誤差範囲にはいるように、図1の位置制御装置78の指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているPCB3を移動させてアライメントを行う。
【0212】

アライメント完了後FPC保持・供給手段50を下降させ、FPC1とPCB3を接触する位置までFPC保持・供給手段50を下降させると、FPC1はアンビル20に設けた段に接触し、アンビル20の段上に設けたFPC固定用吸着穴20を塞ぐ。
【0213】

アンビル20に設けたFPC吸着穴20bより吸引を開始し、FPC吸着センサ76bがFPC1の吸着を確認するとFPC保持・供給手段50のFPC1の吸着固定を解除し、FPC保持・供給手段50を上昇させて、位置決め工程は完了となる。
【0214】

接合後は、FPC1とPCB3は接合が完了して一体となっているので、PCB吸着解除と同時にアンビル20に設けたFPC吸着穴20bの吸着を解除し、FPC1とPCB3の吸着固定を解除することで取り出し工程は完了となる。
【0215】

なお、PCB3に設けたPCBアライメント穴からFPC1のアライメントマークをアンビル側に設けたレンズ40を通してCCD41で観察する方法も考えられる。
【実施例13】
【0216】

本実施例は、請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、FPCとPCBを簡単に位置決めする請求項11と請求項12の実施例である。
【0217】

この方法は下記実施例14に比べて、位置決めの用途に図1のθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25やこれらの位置決め制御装置77と、図11のレンズ40,CCDカメラ41やこれらの画像位置決め制御装置75とを設ける必要があるため、装置構成や制御構成が複雑になる。
【0218】

また、レンズ40,CCDカメラ41の移動手段を設けるため、さらに、上記実施例12に比べて、装置構成が複雑になる。
しかし、レンズ40、CCDカメラ41による寸法上の制約が無いため、FPCアライメント穴6aやPCBアライメントマーク7aのピッチ間にも制約が無い。
【0219】

また、下記実施例14が、FPC位置決め穴6bと位置決めピン20cを接触させる方式であることに対して、本発明は非接触方式のため、FPC1の外力による変形がないので、高い精度で位置決めを行うことができる。
【0220】

なお、この発明は作業者に手動作業によらない自動作業用の装置に適した方法である。
【0221】

以下に、各部分を図1、図11、図12、図13、図14bを用いて詳細に説明する。
【0222】

図1において、1はFPC、3はPCB、25は本体(図無し)にねじなどで固着しているY軸ステージ、24はこのY軸ステージにねじなどで固着されているX軸ステージ、23はこのX軸ステージにねじで固着されているθ軸ステージ、22はこのθ軸ステージにねじなどで固着されている荷重センサ、20はこの荷重センサ20にねじなどで固着されているアンビルであり、77はθ軸ステージ23とX軸ステージ24とY軸ステージ25の移動速度と位置を制御する位置制御装置である。
【0223】

図11はFPCの平面図であり、この図11において、1がFPC、1aはこのFPC1の絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1aに上に形成された電気回路であるFPC電極、6aはFPC基材1aに設けられた2対のFPCアライメント穴である。
【0224】

図12はPCBの平面図であり、この図12において、3がPCB、3aはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3a上に形成された電気回路であるPCB電極、7aはPCB基材3a
に設けられた2対のPCBアライメントマークである。
【0225】

図13はPCB3の上に、FPC1を重ねた状態を示す平面図である。
【0226】

図14bは図1の一部を抜粋した、本発明の実施例を示す斜視図であり、この図14bにおいて、20はPCB3を吸着固定する手段を持ったアンビル、20bはアンビル20に設けたFPC固定用吸着穴である。
【0227】

41はFPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aを観察する手段であり、図1のθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25の移動とは独立している本体(図無し)に支持された、FPCアライメント穴6aとPCBアライメントマーク7aで形成される、2対のアライメントマークの間を移動する手段(図無し)を具備するCCDカメラ、40はそのCCDカメラ41にねじなどで固着されたレンズである。
【0228】

50はFPC1を吸着固定する手段と、FPC1をアンビル20へ供給する手段を持ったFPC供給・保持手段であり、本体(図無し)にねじなどで固着されている。
【0229】

以下、図1と図14bを用いて、本発明を実施した場合の工程を説明する。
まず、PCB3をPCB電極4を上に向けて、制御装置70からの制御によりPCB3を、PCB固定用吸着穴20aを負圧にして、アンビル20に吸着固定する。
つぎに、FPC1を、FPC電極2を下に向けてFPC供給・保持手段50に吸着固定する。
【0230】

FPC供給・保持手段50はPCB3の接合部にFPC1の接合部が重なる、あらかじめ決められた位置に移動する。ただし、このときPCB3とFPC1は水平面内での相対移動を妨げない程度の距離(0.1mm程度)離れていて、水平面内での相対移動によりFPC1とPCB3が接触することはない。なお、図14bはこの状態を示す。
【0231】

つぎに、図1の画像位置決め制御装置75は、CCDカメラ41を用いて、レンズ40を通して、FPC1の上面よりFPCアライメント穴6aと、FPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aの相互の位置誤差を測定し、つぎに、CCDカメラ41とこれに固着しているレンズ40をもう一つのFPCアライメント穴6aと、FPCアライメント穴6aを通してPCBアライメントマーク7aの相互の位置誤差を測定する位置に移動させ、この位置誤差を測定する。
【0232】

これらの誤差が所定の誤差範囲にはいるように、図1の位置制御装置78の指令によりθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25をそれぞれ移動させて、つまり、アンビル20とそのアンビル20に吸着固定されているPCB3を移動させてアライメントを行う。
【0233】

アライメント完了後FPC保持・供給手段50を下降させ、FPC1とPCB3を接触する位置までFPC保持・供給手段50を下降させると、FPC1はアンビル20に設けた段に接触し、アンビル20の段上に設けたFPC固定用吸着穴20を塞ぐ。
【0234】

アンビル20に設けたFPC吸着穴20bより吸引を開始し、FPC吸着センサ76bがFPC1の吸着を確認するとFPC保持・供給手段50のFPC1の吸着固定を解除し、FPC保持・供給手段50を上昇させ、また、CCDカメラ41とこれに固着しているレンズ4を元の位置に戻して位置決め工程は完了となる。
【0235】

接合後は、FPC1とPCB3は接合が完了して一体となっているので、PCB吸着解除と同時にアンビル20に設けたFPC吸着穴20bの吸着を解除し、FPC1とPCB3の吸着固定を解除することで取り出し工程は完了となる。
【0236】

なお、PCB3に設けたPCBアライメント穴からFPC1のアライメントマークをアンビル側に設けたレンズ40を通してCCD41で観察する方法も考えられる
【実施例14】
【0237】

本実施例は、請求項1や請求項2や請求項4を実施するに当たり、FPCとPCBを簡単に位置決めする請求項13と請求項14の上記とは別の実施例である。
【0238】

なお、この方法によれば上記実施例12や実施例13の様な、位置決めの用途に図1のθ軸ステージ23、X軸ステージ24、Y軸ステージ25や図14aや図14bのレンズ40,CCDカメラ41を設ける必要がないので、装置構成が単純になり、装置のコストも小さくなる。
【0239】

以下に、各部分を図15、図16、図17を用いて詳細に説明する。
図15はFPCの平面図であり、この図15において、1がFPC、1bはこのFPC1の絶縁材料でできた基材であるFPC基材、2はFPC基材1bに上に形成された電気回路であるFPC電極、6bはFPC基材1aに設けられた2対のFPC位置決め穴である。
図16はPCBの平面図であり、この図16において、3がPCB、3bはこのPCB3の絶縁材料でできた基材であるPCB基材、4はPCB基材3b上に形成された電気回路であるPCB電極、7bはPCB基材3bに設けられた2対のPCB位置決め穴である。
図17は図1の一部を抜粋した、本発明の実施例を示す斜視図であり、この図17において、20はアンビル、20cはアンビル20に圧入して固着された2対の位置決めピンである。
【0240】

図17を用いて、本発明を実施した場合の工程を説明する。
まず、PCB3をPCB電極4を上に向けてPCB位置決め穴7bを、アンビル20に固着している位置決めピン20cに差し込む。
つぎに、FPC1を、FPC電極2を下に向け、FPC位置決め穴6bを上記PCB3に接合部が重なるように、アンビル20に固着している位置決めピン20cに差し込むことで、位置決め工程は完了となる。
【0241】

接合後は、FPC1とPCB3は接合が完了して一体となっているので、FPC位置決め穴6bとPCB位置決め穴7bとを同時に位置決めピン20cから抜き取ることで取り出し工程は完了となる。
【0242】

上記の通りこの発明は位置決めが簡単にできるので、作業者の手作業に向いている。しかし、本発明ではFPC1を差し込むときに位置決めピン20cで、FPC位置決め穴7bを変形させてしまい、位置決め精度が落ちるという危険を内包しているので、電極のピッチが0.3mm程度のFPCの接合に適した方法である。
上記欠点を補うためにFPC位置決め穴6b、PCB位置決め穴7b、位置決めピン20cの数を増やしてもよい。
【0243】

なお、位置決めピン20cの材質は容易に曲がらない材料であれば、SUS304の様な硬度のある金属や、PEEK(商品名)のような硬度のある樹脂でも良い。
また、位置決めピン20cの形状は円筒形状や角柱形状でも良い。
さらに、ピンの径が細いために圧入が弱い場合は細い径の部分と太い径の部分との2つ以上の異径部分を持つ段付きピンとしても良い。
また、上記段付きピン形状であれば固着方法は圧入以外でも可能となり、圧入の代わりにねじなどで固着しても良い。
【0244】

また、上記位置決めピン20cをアンビル20に対して相対的に上下に移動する手段を設け、位置決めピン20cをアンビル20の表面より下に沈めれば、接合したPCB3とFPC1をピンから容易に抜くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0245】

接合プロセスが低温かつ短時間であるので、FPCの基材がポリイミドなどの耐熱性樹脂である必要がないため、PETなどの安い樹脂が基材に用いることが出来る。
また、上記特徴に加え低荷重であるため、たとえば電極が金や銀やアルミニウム等でコートできれば基材がPETであるフィルム液晶パネルやタッチパネルとの接合に用いることができる。
また、基材がガラスである液晶パネルやプラズマディスプレイや有機ELとの接合にも、電極が金や銀やアルミニウム等でコートできれば用いることができる。
【0246】

また、接合部にコネクタなどの立体部分がないため、上記フィルム液晶や、RFC、シートスイッチなどと組み合わせて、ウェラブルコンピュータなどの実現に寄与することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0247】

【図1】FPCの超音波接続装置を示す斜視図
【図2】FPCとPCBとの重ね方と、電極方向と荷重方向と振動方向を示す斜視図
【図3a】ナール形状超音波ホーンと荷重方向と振動方向を下面より反転して見た斜視図
【図3b】凸型ブレード形状1列超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3c】凸型ブレード形状3列超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3d】凸型ブレード形状1列1条超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3e】凸型ブレード形状1列3条超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3f】凸型ブレード形状3列1条超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3g】凸型ブレード形状3列3条超音波ホーンを下面より反転して見た斜視図
【図3gx】図3gの矢視X図
【図3gy】図3gの矢視Y図
【図4a】図4−1静応力分布グラフの凡例
【図4b】図4−1応力和分布グラフの凡例
【図4−1】断面形状と振幅の関係をまとめた理論モデルの一覧表
【図4−2】図4−1のb系列の最大応力の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
【図4−3】図4−1のb系列の応力和の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
【図4−4】応力和の変化率の、最大値の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
【図4−5】応力和の変化率の、最小値の比較表で、単位はそれぞれの1系列を100%としている。
【図5a】凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行う前の、接合している位置を示す正面図
【図5b】凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行い、図5aのつぎの接合している位置を示す正面図
【図5c】凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行う前の、接合している位置を示す側面図
【図5d】凸型ブレード形状超音波ホーンの相対移動を行い、図6aのつぎの接合している位置を示す側面図
【図6a】PCBへ樹脂を全面に配置した、接合前を示す正面図
【図6b】図6aの次の段階である、接合・接着の途中を示す正面図
【図6c】図6bの次の段階である、接合・接着したあとを示す正面図
【図7a】PCBへ面積が半分程の樹脂を、接合部中央付近に配置した、接合前を示す正面図
【図7b】図7aの次の段階である、接合・接着の途中を示す正面図
【図7c】図7bの次の段階である、接合・接着したあとを示す正面図
【図7d】PCBへ面積が半分程の樹脂を、接合部中央付近に配置した、接合前を示す正面図
【図7e】図7aの次の段階である、接合・接着の最初の段階を示す正面図
【図7f】図7bの次の段階である、接合・接着の途中の段階を示す正面図
【図7g】図7cの次の段階である、接合・接着の最後の段階を示す正面図
【図8a】PCBへ面積が1/3程度の樹脂を、PCB端面付近に配置した、接合前を示す正面図
【図8b】図8eの次の段階である、接合・接着の途中を示す正面図
【図8c】図8fの次の段階である、接合・接着したあとを示す正面図
【図8d】PCBへ面積が1/3程度の樹脂を、PCB端面付近に配置した、接合前を示す正面図
【図8e】図8eの次の段階である、接合・接着の最初の段階を示す正面図
【図8f】図8fの次の段階である、接合・接着の途中の段階を示す正面図
【図8g】図8gの次の段階である、接合・接着の最後の段階を示す正面図
【図9】FPCとPCBを接合後に樹脂を、端面より流し込む途中を示す斜視図
【図10a】超音波ホーンを在姿状態で研磨する前の状態を示す側面図
【図10b】超音波ホーンを在姿状態で研磨している途中を示す側面図
【図11】FPCアライメント穴を示す平面図
【図12】PCBアライメントマークを示す平面図
【図13】PCBアライメントマークを重ねた状態を示す平面図
【図14a】FPCとPCBの固定式のCCDカメラによる位置決め方法を示す斜視図
【図14b】FPCとPCBの移動式のCCDカメラによる位置決め方法を示す斜視図
【図15】FPC位置決め穴を示す平面図
【図16】PCB位置決め穴を示す平面図
【図17】FPCとPCBのピンによる位置決め方法を示す斜視図
【符号の説明】
【0248】

1 FPC
1a FPC基材
2 FPC電極
3 PCB
3a PCB基材
4 PCB電極
5 樹脂
5a 液状樹脂
6a FPCアライメント穴
6b FPC位置決め穴
7a PCBアライメントマーク
7b PCB位置決め穴
10 超音波ホーン
10a ナール(ピラミッド)形状超音波ホーン
10b 凸型ブレード形状1列超音波ホーン
10c 凸型ブレード形状3列超音波ホーン
10d 凸型ブレード形状1列1条超音波ホーン
10e 凸型ブレード形状1列3条超音波ホーン
10f 凸型ブレード形状3列3条超音波ホーン
11 超音波ホーンヒータ
12 超音波振動子
13 荷重手段
20 アンビル
20a PCB固定用吸着穴
20b FPC固定用吸着穴
20c 位置決めピン
21 アンビルヒータ
22 荷重センサ
23 θ軸ステージ
24 X軸ステージ
25 Y軸ステージ
30 ニードル
31 シリンジ
32 シリンジ保持・上下手段
40 レンズ
40a レンズ
40b レンズ
41 CCDカメラ
41a CCDカメラ
41b CCDカメラ
50 FPC保持・供給手段
60 研磨砥石
61 研磨砥石保持手段
70 制御装置
71 超音波発信装置
72 荷重制御装置
73a 超音波ホーン温度調整装置
73b アンビル温度調整装置
74 樹脂吐出制御装置
75 画像位置決め制御装置
76a FPC吸着センサ
76b FPC吸着センサ
76c PCB吸着センサ
77 位置制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】

加熱式超音波ホーンの先端の幅が0.001〜0.5mmであることを特徴としていることと、先端形状が振動方向に直交していることと、断面形状が加圧面に垂直な凸型のブレード形状であることを特徴とする加熱式超音波ホーンを接合面に平行かつ、電極方向に対して平行な方向に加振するように配置してあることと、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけながら、加熱・加振することで、電極同士の金属接合することと、さらに、樹脂を用いてFPCとPCBの接着を行うことを特徴とする超音波接合方法。
【請求項2】

請求項1の凸型のブレードを複数列1条、もしくは、1行複数条、もしくは、複数行複数条、に配置して、複数行×1条、もしくは、1行×複数条、もしくは、複数行×複数条の位置で接合することを特徴とする超音波接合方法。
【請求項3】

請求項1や請求項2を実施するために、荷重手段と、加振手段と、加熱手段を持つことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項4】

請求項1や請求項2を実施するにあたり接合位置を相対移動させて電極上の、複数行×1条、もしくは、1行×複数条、もしくは、複数行×複数条の位置で接合することを特徴とする超音波接合方法。
【請求項5】

請求項4を実施するために、荷重手段と加振手段と加熱手段とFPCと超音波ホーンを相対移動させる手段を持つことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項6】

請求項1や請求項2や請求項4の実施時に、樹脂を接合面の接合長さの30〜50%の長さであることを特徴としていることと、かつ接着に必要な体積になるような一定の厚みで事前に配置し、FPCと回路の電極を重ねてから所定の圧力で接合面に垂直に荷重をかけながら加振・加熱させるときに、樹脂を配置していなかった部分の金属接合と、樹脂を配置していた部分で樹脂を加熱溶融して電極間を排出する金属接合に時間差を設けて接合・接着することを特徴とする超音波接合方法。
【請求項7】

請求項1や請求項2や請求項4の実施後に、液状の常温硬化樹脂・嫌気性硬化樹脂・好湿性硬化樹脂や液状の熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂や液状のUV硬化性樹脂などを、電極同士の金属接合のあとに端子の端面より流し込むことにより、電極の金属接合を阻害しないでFPCとPCBを接着することを特徴とする超音波接合方法。
【請求項8】

請求項7を実施するために、樹脂塗布の手段を持つことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項9】

請求項1や請求項2や請求項4実施時に、超音波ホーンが摩耗したり、超音波ホーンに樹脂などが付着して汚れたりしても、接合の待機時間中に研磨砥石や紙ヤスリやラップフィルムなどを当て、そのうえで超音波ホーンを振動させて超音波ホーンの平面研磨や洗浄を行うことを特徴とする超音波接合方法。
【請求項10】

請求項11を実施させるための、研磨砥石や紙ヤスリやラップフィルムなどを配置する手段を持つことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項11】

請求項1や請求項2や請求項4実施時に、FPCとPCBの位置決めを、FPCもしくはPCBの一方に2つ以上の位置決め用の穴をあけ、もう一方のFPCもしくはPCB上に、FPCとPCBを重ねたときに同位置に重なるように印刷やメッキで所定の位置に設けた、2つ以上の、この穴を通して観察できる大きさの位置決め用のマークを、この穴を通して顕微鏡やCCDカメラなどで観察しながら位置決めすることを特徴とする超音波接合方法。
【請求項12】

請求項11を実施させるための観察手段と位置決め手段を持つことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項13】

請求項1や請求項2や請求項4実施時に、FPCとPCBの位置決めを、FPCもしくはPCBの一方に、2つ以上の位置決め用の穴をあけ、もう一方のFPCもしくはPCB上に、FPCとPCBを重ねたときに、同位置に重なるように、2つ以上の上記と同じ大きさの位置決め穴をあけ、アンビル上に設けてある位置決めピンにその穴に差し込んで位置決めすることを特徴とする超音波接合方法。
【請求項14】

請求項13を実施させるためのアンビル上に位置決めピンを設けてあることを特徴とする超音波接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3gx】
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【図3gy】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図7f】
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【図7g】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図8g】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−21216(P2010−21216A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178476(P2008−178476)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(507194545)株式会社コグコフ (1)
【出願人】(303019846)ESB株式会社 (13)
【Fターム(参考)】