説明

フレキシブルケーブルの固定ガイド構造及びこれを備えた画像形成装置

【課題】高い交換性や組立作業性を確保しつつ、フレキシブルケーブルの配線ガイドからの脱落を防いでその損傷を防ぐことができるフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を提供すること。
【解決手段】長手方向一端が固定側に取り付けられ、他端が可動側に取り付けられたフレキシブルケーブル(FFC)37の配線ガイド39を用いた固定ガイド構造として、前記フレキシブルケーブル37をその幅方向中心線を境として横断面V字状に折り曲げ、前記配線ガイド39に前記フレキシブルケーブル37の幅方向一端縁37aが係合可能なコーナー部39bを設ける構成を採用する。ここで、前記フレキシブルケーブル37をその幅方向中心線を境として谷折り又は山折りする。更に、前記配線ガイド39を一部が切り欠かれた筒状部材で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等に使用されるフレキシブルケーブルの固定ガイド構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配線部材の1つとしてフレキシブルケーブル(以下、「FFC」と称する)が知られて折り、このFFCは従来から画像形成装置等の各種電子機器内における配線の手段として多く用いられている。FFCは、銅泊等から成る細帯状の複数の導体(信号線)をプラスチック等から成る薄い可撓性絶縁フィルムで被覆して構成されており、その最大の特長は折り曲げたり捩ったりして配線することができる点である。
【0003】
ところで、複合機等の画像形成装置においても、画像読取装置(スキャナ)の光源であるランプを走査させながら原稿を読み取る場合にランプへの信号供給手段としてFFCが使用されている。特に、昨今は画像読取装置に使用される光源には省エネルギーや環境への配慮から白色LEDが使用されつつあるが、LEDランプは従来のキセノンランプに比べて複数の制御信号を受ける必要があるため、FFCによる配線が専ら使用されている。
【0004】
ここで、画像形成装置の画像読取装置におけるFFCの固定ガイド構造の従来例を図7(a)〜(d)及び図8に示す。
【0005】
図7(a)〜(d)は画像読取時のFFCの動作を示す側断面図、図8は図7(a)のC−C線断面図であり、画像読取装置130の内部には光源であるLEDランプ134が移動可能に収容されており、このLEDランプ134にはFFC137の一端が接続されている。そして、FFC137は、LEDランプ134から横U字状に折り曲げられて画像読取装置130内の底部を横方向に延びて不図示の制御基板に接続されており、その一部は図8に示す横断面L字状の配線ガイド139によってクランプされている。
【0006】
而して、画像読取開始前に図7(a)に示すホームポジションに待機しているLEDランプ134は、画像の読み取りが開始されると図7(b),(c)に示すように矢印方向に移動しながら不図示の原稿を露光走査し、このLEDランプ134の移動に伴ってFFC137は撓曲しながら制御信号をLEDランプ134に送信する。
【0007】
ところで、特許文献1には、組立時やサービスマンの基板交換時の作業性改善するために、FFCを折り曲げ、その折り曲げ部をFFCクランプに引っ掛ける構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−236812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、図7及び図8に示す従来のFFC137の固定ガイド構造によれば、FFC137が配線クランプ139から外れ、その外れた部分が図7(d)に示すように屈曲し、移動するLEDランプ134に接触して破損するという問題が発生する。
【0010】
上記問題を解決するため手法としては、FFCを粘着テープによって固定する方法、FFCを筒状の配線ガイドに通す方法、FFCを配線した後に該FFCを固定するための別部材を取り付ける方法等が考えられるが、これらの方法には以下のような問題がある。
【0011】
即ち、FFCを粘着テープによって固定する方法では、FFCを粘着テープによって一旦固定すると、該FFCの交換性が悪くなる。又、FFCを筒状の配線ガイドに通す方法では、組立作業性が悪くなり、FFCを配線した後に該FFCを固定するための別部材を取り付ける方法では、部品点数が増える他、FFCの交換性が悪くなる。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高い交換性や組立作業性を確保しつつ、フレキシブルケーブルの配線ガイドからの外れを防いでその損傷を防ぐことができるフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、長手方向一端が固定側に取り付けられ、他端が可動側に取り付けられたフレキシブルケーブルの配線ガイドを用いた固定ガイド構造として、前記フレキシブルケーブルをその幅方向中心線を境として横断面V字状に折り曲げ、前記配線ガイドに前記フレキシブルケーブルの幅方向一端縁が係合可能なコーナー部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記フレキシブルケーブルをその幅方向中心線を境として谷折り又は山折りすることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記配線ガイドを一部が切り欠かれた筒状部材で構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1〜3の何れかに記載のフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フレキシブルケーブルをその幅方向中心線を境として横断面V字状に折り曲げ、その幅方向一端縁を配線ガイドに係合させたため、フレキシブルケーブルの配設ガイドからの外れが防がれ、外れた部分が可動部に接触して損傷する等の不具合の発生が防がれる。
【0018】
又、配線ガイドを一部が切り欠かれた筒状部材で構成したため、該配線部材の切欠部からフレキシブルケーブルを容易に出し入れすることができ、該フレキシブルケーブルの交換性や組立作業性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る画像形成装置(カラー複合機)の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を備えた画像読取装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を示す部分斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を示す部分斜視図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】(a)〜(d)は従来のフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を備えた画像読取装置の画像読取時のフレキシブルケーブルの動作を示す側断面図である。
【図8】図7(a)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施の形態は本発明を図1に示すカラー複合機の画像読取装置に適用したものであり、以下、カラー複合機の構成と作用について説明する。
【0022】
図1はカラー複合機の断面図であり、図示のカラー複合機は、複写機能とプリンタ機能及びファクシミリ機能を備えており、その矩形ボックス状の装置本体100の上部には画像読取装置30が配置され、その上部には自動原稿搬送装置(ADF)が設けられている。そして、装置本体100と画像読取装置30との間には手前に向かって開口する排紙トレイ20が設けられている。
【0023】
次に、上記装置本体100の内部構造について以下に説明する。
【0024】
装置本体100内の中央には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニツト1Yが一定の間隔で前後方向(図1の左右方向)にタンデムに配置されている。
【0025】
上記各画像形成ユニツト1M,1C,1Y,1Kには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、1次転写ローラ5a,5b,5c,5d及びドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0026】
ここで、前記感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示の駆動モータによって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセイスピードで回転駆動される。又、前記帯電器3a〜3dは、これらに印加される帯電電圧によって各感光ドラム2a〜2dの表面をそれぞれ所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0027】
更に、前記現像装置4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナーをそれぞれ収容されており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0028】
又、前記1次転写ローラ5a〜5dは、各1次転写部にて中間転写体である無端状の中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト7は、奥側に配された駆動ローラ8と前側に配されたテンションローラ9との間に前後方向に張設されており、この中間転写ベルト7の下方に前記各感光ドラム2a〜2dが前後方向に沿ってタンデムに配置されている。そして、前記駆動ローラ8は、2次転写部において中間転写ベルト7を介して2次転写ローラ10に当接可能に配置されており、テンションローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。
【0029】
更に、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)12が配置され、その下方の装置本体100の底部には給紙カセット13が着脱可能に配置されている。そして、給紙カセット13には複数枚の不図示の用紙が積層収容されており、この給紙カセット13の近傍には、給紙カセット13から用紙を取り出すピックアップローラ14と、取り出された用紙を分離して搬送路S1へと1枚ずつ送り出すフィードローラ15とリタードローラ16が設けられている。
【0030】
他方、装置本体100内の中間転写ベルト7の上方には、前記各現像装置4a〜4dに補給するためのマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナーをそれぞれ収容したトナーコンテナ17a,17b,17c,17dが前後方向に沿って配置されている。
【0031】
ところで、前記搬送路S1は装置本体100の奥側に略垂直に配置されており、その奥側には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送路S2が略垂直に配置されている。そして、これらの搬送路S1,S2同士は上下で互いに連通しており、上部において両搬送路S1,S2が連通する箇所にフラッパ18が回動可能に設けられている。
【0032】
ここで、上記搬送路S1には、前記給紙カセット13から供給される用紙を一時待機させた後に所定のタイミングで前記2時転写ローラ10と中間転写ベルト7との当接部出ある2次転写部へと供給するレジストローラ対19が設けられている。そして、搬送路S1の2次転写部から前記排紙トレイ20へと上方に延びる部分には定着装置21と搬送ローラ対22及び排紙ローラ対23がそれぞれ設けられている。又、両面に画像を形成する際に使用される搬送路S2には複数の反転ローラ対24が適当な間隔で設けられている。
【0033】
又、装置本体100の前面には、手差しトレイ25が開閉可能に設けられており、該手差しトレイ25からは搬送路S3が奥側に向かって略水平に延びており、その端部は前記搬送路S1に合流している。そして、搬送路S3にはフィードローラ26と複数の搬送ローラ27が設けられている。
【0034】
次に、以上の構成を有するカラー複合機の画像形成動作について説明する。
【0035】
画像形成動作信号が発せられると、例えば自動原稿搬送装置50によって画像読取装置30の原稿載置台上に送られた原稿は、画像読取装置30によって読み取られ、読み取られた画像データはレーザースキャナユニット12のメモリに記憶される。
【0036】
他方、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kにおいて各感光ドラム2a〜2dが図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電器3a〜3dによって一様に帯電される。又、レーザースキャナユニット12は、メモリに記憶された画像データに基づいて各色毎のカラー画像信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0037】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の1次転写部(転写ニップ部)において、トナーと逆極性の1次転写バイアスが印加された転写ローラ5aの作用によって、図示矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に1次転写される。
【0038】
上述のようにしてマゼンタトナー像が1次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が1次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0039】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1Kの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各1次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去され、各感光ドラム2aへ2dは次の画像形成に備えられる。
【0040】
そして、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端が中間転写ベルト7と2次転写ローラ10の間の2次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット13からピックアップローラ14とフィードローラ15及びリタードローラ16によって搬送路S1へと送り出された用紙がレジストローラ対19によって2次転写部へと搬送される。そして、2次転写部へと搬送された用紙に、トナーと逆極性の2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ10によってフルカラートナー像が中間転写ベルト7から一括して2次転写される。
【0041】
而して、フルカラートナー像が転写された用紙は、定着装置21へと搬送され、フルカラートナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に定着され、フルカラートナー像が定着された用紙は、搬送ローラ対22と排紙ローラ対23によって排紙トレイ20上に奥側から手前側に向かって排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11によって除去され、転写残トナーが除去された中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。又、このように用紙の片面に画像を形成する場合には、フラッパ18は図1に実線にて示す位置にある。
【0042】
以上はカセット給紙による画像形成動作であるが、手差しによって用紙に画像を形成する場合には、図1に示すように手差しトレイ25を開き、この開かれた手座とトレイ25から用紙を供給する。すると、用紙は、フィードローラ26によって搬送路S3へと送り出され、複数の搬送ローラ対27によって搬送路S3を奥側に向かって搬送されて搬送路S1へと受け渡され、以後は前記と同様のプロセスを経て片面に画像が形成される。
【0043】
又、用紙の両面に画像を形成する場合には、前記プロセスを経て片面に画像が形成された用紙が排紙トレイ20に排出される直前においてフラッパ18を図1に破線にて示すように切り替えられるとともに、排紙ローラ対23が逆転されて用紙が搬送路S2へとスイッチバックされる。そして、この用紙は反転ローラ対24によって搬送路S2を下方に向かって搬送されて搬送路S1へと受け渡され、その後は前記と同様のプロセスを経て反対の面(裏面)にも画像が形成され、両面に画像が形成された用紙は、排紙ローラ対23によって排紙トレイ20に奥側から手前側に向かって排出される。尚、このとき、フラッパ18は図1に実線にて示す位置にも戻されている。
【0044】
次に、前記画像読取装置30において適用された本発明に係るFFC(フレキシブルケーブル)の固定ガイド構造の実施の形態について説明する。
【0045】
<実施の形態1>
図2は本発明の実施の形態1に係るフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を備えた画像読取装置の斜視図、図3は同フレキシブルケーブルの固定ガイド構造を示す部分斜視図、図4は図3のA−A線断面図である。
【0046】
図2に示すように、画像読取装置30は、筐体を構成する箱状構造体である光学フレーム31を備えており、この光学フレーム31の上面には透明なコンタクトガラス32が設けられている。そして、光学フレーム31には、コンタクトガラス32をこれに載置された不図示の原稿の上から覆う開閉カバー33が開閉可能に設けられている。
【0047】
又、光学フレーム31の内部には、光源であるLEDランプ34、結像レンズ35、撮像素子であるCCD36等が収容されている。ここで、LEDランプ34は、コンタクトガラス32上に載置された原稿に光を照射しながら不図示のガイドレールに沿って副走査方向(図2の左右方向)に移動することによって原稿を露光走査するものであって、これにはFFC37の一端が接続されている。
【0048】
上記FFC37は、銅泊等から成る細帯状の複数の導体(信号線)をプラスチック等から成る薄い可撓性絶縁フィルムで被覆して構成されており、LEDランプ34から横U字状に折り曲げられて光学フレーム31内の底部を横方向に延び、その他端は制御基板38に接続されている。そして、FFC37の一部は、光学フレーム31内の底部に設けられたフック状の配線ガイド39によってクランプされている。
【0049】
而して、LEDランプ34がコンタクトガラス32上に載置された原稿に光を照射しながら副走査方向に移動することによって原稿を露光走査すると、原稿からの反射光は、不図示の反射ミラーによって反射された後に結像レンズ35を通過することによって収束し、CCD36上に結像されて該CCD36によって原稿像が読み取られる。そして、CCD36によって読み取られた画像データは、前述のようにレーザースキャナユニット12(図1参照)のメモリに記憶される。
【0050】
上述のようにして原稿が読み取られると、LEDランプ34は光学フレーム31内を逆方向に移動して図2に示すホームポジションに戻り、原稿の読取動作毎にLEDランプ34が副走査方向に往復移動するが、このとき、該LEDランプ34に一端が接続されたFFC37は撓曲しながら制御信号をLEDランプ34に送信する。
【0051】
ところで、フック状の前記配線ガイド39は、図3及び図4に示すように、一側部の下端がスリット状に切り欠かれた矩形筒部材として構成されており、その切欠部39aからFFC37を通すことによって該FFC37が配線ガイド39によってクランプされている。
【0052】
而して、本実施の形態では、FFC37の少なくとも配線ガイド39に沿って摺動する部分は、その幅方向中心線を境として谷折りされて横断面V字状に折り曲げられており、その幅方向一端縁37aは配線ガイド39のコーナー部39bに係合可能とされている。
【0053】
従って、本実施の形態によれば、LEDランプ34に一端が接続されたFFC37が画像読取動作によって撓曲し、その一部が配線クランプ39内を摺動する場合、該FFC37が横方向にずれても、横断面V字状に折り曲げられたFFC37はその幅方向一端縁37aが配線ガイド39のコーナー部39bに係合する。このため、FFC37の配設ガイド39からの外れ(配線ガイド39の切欠部39aからの抜け)が防がれ、従来のように外れた部分が可動部であるLEDランプ34に接触して損傷する等の不具合が発生することがない。
【0054】
又、本実施の形態では、配線ガイド39を一部が切り欠かれた矩形筒部材として構成したため、該配線ガイド39の切欠部39aからFFC37を容易に出し入れすることができ、該FFC37の交換性や組立作業性が高められるという効果が得られる。
【0055】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図5及び図6に基づいて説明する。尚、図4は本発明の実施の形態2に係るフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を示す部分斜視図、図6は図5のB−B線断面図である。
【0056】
本実施の形態では、配線ガイド39は、一側部の上端がスリット状に切り欠かれた矩形筒部材として構成されており、その切欠部39aからFFC37を通すことによって該FFC37が配線ガイド39によってクランプされている。
【0057】
又、本実施の形態では、FFC37の少なくとも配線ガイド39に沿って摺動する部分は、その幅方向中心線を境として山折りされて横断面逆V字状に折り曲げられており、その幅方向一端縁37aは配線ガイド39のコーナー部39cに係合可能とされている。
【0058】
従って、本実施の形態によれば、LEDランプ34に一端が接続されたFFC37が画像読取動作によって撓曲し、その一部が配線クランプ37内を摺動する場合、該FFC37が横方向にずれても、横断面V字状に折り曲げられたFFC37はその幅方向一端縁37aが配線ガイド39のコーナー部39cに係合するため、FFC37の配設ガイド39からの外れ(配線ガイド39の切欠部39aからの抜け)が防がれ、該FFC37がLEDランプ34に接触して損傷する等の不具合が発生することがない。
【0059】
又、本実施の形態においても、配線ガイド37を一部が切り欠かれた矩形筒部材として構成したため、該配線ガイド39の切欠部39aからFFC37を容易に出し入れすることができ、該FFC37の交換性や組立作業性が高められるという効果が得られる。
【0060】
尚、以上は本発明をカラー複合機の画像読取装置に対して適用した形態について説明したが、本発明は、他の機器におけるフレキシブルケーブルの固定ガイド構造に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1K ブラック画像形成ユニット
2a〜2d 感光ドラム
3a〜3d 帯電器
4a〜4d 現像装置
5a〜5d 転写ローラ
6a〜6d ドラムクリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 駆動ローラ
9 テンションローラ
10 2次転写ローラ
11 ベルトクリーニング装置
12 レーザースキャナユニット(LSU)
13 給紙カセット
14 ピックアップローラ
15 フィードローラ
16 リタードローラ
17a〜17d トナーコンテナ
18 フラッパ
19 レジストローラ対
20 排紙トレイ
21 定着装置
22 搬送ローラ対
23 排紙ローラ対
24 反転ローラ対
25 手差しトレイ
26 フィードローラ
27 搬送ローラ対
30 画像読取装置
31 光学フレーム
32 コンタクトガラス
33 開閉カバー
34 LEDランプ(光源)
35 結像レンズ
36 CCD
37 フレキシブルケーブル(FFC)
37a フレキシブルケーブルの幅方向一端縁
38 制御基板
39 配線ガイド
39a 配線ガイドの切欠部
39b,39c 配線ガイドのコーナー部
50 自動原稿搬送装置(ADF)
100 画像形成装置本体
S1〜S3 搬送路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向一端が固定側に取り付けられ、他端が可動側に取り付けられたフレキシブルケーブルの配線ガイドを用いた固定ガイド構造であって、
前記フレキシブルケーブルをその幅方向中心線を境として横断面V字状に折り曲げ、前記配線ガイドに前記フレキシブルケーブルの幅方向一端縁が係合可能なコーナー部を設けたことを特徴とするフレキシブルケーブルの固定ガイド構造。
【請求項2】
前記フレキシブルケーブルをその幅方向中心線を境として谷折り又は山折りすることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルケーブルの固定ガイド構造。
【請求項3】
前記配線ガイドを一部が切り欠かれた筒状部材で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のフレキシブルケーブルの固定ガイド構造。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のフレキシブルケーブルの固定ガイド構造を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−94788(P2012−94788A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242926(P2010−242926)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】