説明

フレキシブルディスプレイ制御装置および制御方法

【課題】フレキシブルディスプレイを制御する装置および方法を提供する。
【解決手段】フレキシブルディスプレイ制御装置は、直流駆動電圧を所定の周期を有する交流駆動電圧に変換するDC−ACコンバータ部と、イオン層に直流駆動電圧を印加するか交流駆動電圧を印加するかを決定する制御部と、印加される直流駆動電圧または交流駆動電圧に基づいてイオン層を構成するセルを駆動する駆動部と、駆動されたセルに基づいて入力に対応する形状で変化するディスプレイ部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフレキシブルディスプレイを制御する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルディスプレイは、薄膜形態のプラスチックなどのようなフレキシブル基板上に製造された平板ディスプレイであって、そのような平板ディスプレイに文字や映像を表示可能にした装置である。
【0003】
従来のフレキシブルディスプレイは、外部から物理的な力が加えられる場合に形態が変形する。そのため、従来のフレキシブルディスプレイに文字や映像を表現することは限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電圧を交互に変化させることによって形状を維持することができるフレキシブルディスプレイ,及び、フレキシブルディスプレイの形状を維持するべく電圧を交互に変化させるフレキシブルディスプレイ制御方法を提供することにある。
【0005】
本発明の更なる特徴は、下記の説明において説明され、また、当該記載からある程度明らかにされるか、若しくは、本発明の実施によって習得されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、入力を処理して直流(DC)電圧を生成するDC−DCコンバータ部と、生成されたDC電圧を交流(AC)電圧に変換するDC−ACコンバータ部と、前記DC電圧又はAC電圧の何れかからの駆動電圧を切り替えるスイッチ部と、前記駆動電圧によりフレキシブルディスプレイを駆動する駆動部とを備え、前記フレキシブルディスプレイが前記駆動電圧によって形状を変化可能にさせるフレキシブルディスプレイ制御装置を、提供する。
【0007】
本発明の一実施形態は、入力を変換し、前記入力から直流(DC)電圧を生成し、前記DC電圧を交流(AC)電圧に変換し、前記フレキシブルディスプレイに前記DC電圧を印加するか前記AC電圧を印加するかを決定し、前記DC電圧又は前記AC電圧を印加電圧として印加すし、前記フレキシブルディスプレイが前記駆動電圧によって形状を変化可能にさせるフレキシブルディスプレイ制御方法を、提供する。
【0008】
本発明の一実施形態は、入力を処理して第1電圧を生成する第1電圧部と、前記第1電圧とは異なる周期を有する第2電圧を生成する第2電圧部と、前記第1電圧又は前記第2電圧の何れかから駆動電圧を決定するスイッチ部と、前記駆動電圧によりフレキシブルディスプレイを駆動する駆動部とを備え、前記フレキシブルディスプレイが前記駆動電圧によって変化可能な形状を有するフレキシブルディスプレイ制御装置を、提供する。
【0009】
上述した概括的な記載と後述する詳細な説明の双方は、例示及び説明のためのものであり、請求項に記載された発明の更なる説明の提供が意図されている。他の特徴及び態様は、後述する詳細な説明,図面及び特許請求の範囲から明らかにされるだろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、電圧を交互に変化させることによってフレキシブルディスプレイ形状を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイの断面図
【図2】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置で用いられるイオン性高分子金属複合(IPMC)層の動作を示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置のブロック図
【図4】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置の直流−交流(DC−AC)コンバータを示す図
【図5】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層の構造を示す図
【図6】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層の変化を示す図
【図7】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でイオン性高分子金属複合層が時間に応じて変化する場合を示す図
【図8】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でイオン性高分子金属複合層が印加される電圧によって変化した状態を示す図
【図9】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でイオン性高分子金属複合層が印加される電圧によって変化する例を示す図
【図10】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でイオン性高分子金属複合層が印加される電圧によって変化する例を示す図
【図11】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でイオン性高分子金属複合層が印加される電圧によって変化する例を示す図
【図12】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置によって生成されるオン/オフパルス信号および正弦波信号を示す図
【図13】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置によって生成されるオン/オフパルス信号および正弦波信号の他の例を示す図
【図14】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置を用いて、フレキシブルディスプレイが波型に変形された状態を示す図
【図15】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置を用いて、フレキシブルディスプレイがオーディオリズムを表示している状態を示す図
【図16】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内でAC駆動電圧の周期に応じてフレキシブルディスプレイが変化する状態を示す図
【図17】本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御方法を示すフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付する図面を参照しながら詳説する。しかし、本発明は、いくつかの異なる形態での具現が可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が完全になるように完全に提供されたものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の開示範囲を十分に示すであろう。図において、層及び領域のサイズ及び相対サイズは、明瞭に記載するために誇張される場合もある。図において同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【0013】
或る要素が他の要素に「結合している」と記述されているときは、当該要素が当該他の要素に直接結合していることも、中間部材が介在することも意味することは、理解されるところである。ここで使用される技術用語は、特定の実施形態を説明するために用いられるのであって、本願の発明の開示を限定するために用いられるのではない。個々の名詞は、文脈の前後関係から明らかに単数であることが示されていない限り、複数のものを表すことも意図されている。更に、「第1」、「第2」等の用語の使用は、何らかの順番や重要性を示すのではなく、むしろ、1つの要素を他の要素から区別するために使用されているに過ぎない。また、本明細書で用いるところでは、用語「含む」,「備える」,「有する」は、言及された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を表す。しかし、これらの用語は、一つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分及び又はその群の存在,若しくはその追加を、排除しない。本開示の目的のためには、「少なくとも一つ」との記述は、それに続いて列挙された要素群の任意の組み合わせを意味するように、解釈される。例えば、「X,Y,Zのうちの少なくとも一つ」との記述は、Xのみ,Yのみ,Zのみ,又は、X,Y,Zのうちの何れか二つ以上の組み合わせを意味するように、解釈される。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイの断面を示す図である。
【0015】
図1を参照すると、フレキシブルディスプレイは、入力部110、ディスプレイ部120、および駆動部130を備える。入力部110は、ユーザがディスプレイウィンドウを介して入力した信号を受け取る。入力部110は、ディスプレイウィンドウへのタッチによって入力されたタッチ信号を受け取る。ここで、タッチとは、ユーザの動作や、スタイラスペン等のタッチ用具を使用することについての言及である。ディスプレイ部120は、画面を介して映像、文字などを表示し、その柔軟な性質に因り、フレキシブルに形態が変形され得る。駆動部130は、ディスプレイ部120を変化させ、ディスプレイ部120の形状を調整する。駆動部130はイオン層から構成されてもよい。イオン層の一例として、イオン性高分子金属複合層(IPMC Layer、Ionic Polymer−Metal Composite Layer)を用いてもよい。イオン性高分子金属複合層は、ディスプレイ部120上に配置され、若しくは、結合している。イオン性高分子金属複合層は、印加される電圧によって形態が変化し得る。イオン性高分子金属複合層の変化につれて、ディスプレイ部120の形態も変化する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置内で用いるイオン性高分子金属複合層の動作を示す図である。
【0017】
図2を参照すると、イオン性高分子金属複合層210に電圧が印加されると、同図下側220に示すように、イオン性高分子金属複合層220の水和された陽イオンは第1電極の方へ移動する。水和された陽イオンが第1電極の側に集中するにつれて、イオン性高分子金属複合層220における第1電極に接続された部分が膨張する。反対に、イオン性高分子金属複合層220における第2電極に接続された部分が収縮する。したがって、イオン性高分子金属複合層220は、第2電極の方へ湾曲する。このように、イオン性高分子金属複合層220の形状は、印加される電圧の極性に応じて変化し得る。第1電極及び第2電極は、アノード及び/又はカソードと称されることもある。
【0018】
イオン性高分子金属複合層210は高分子膜から構成される。そして、基準電圧以上の電圧が印加され、且つ/若しくは、電圧の印加が基準時間であった場合には、高分子膜が損傷され得る。従って、イオン性高分子金属複合層を用いた部品の寿命が短くなり得る。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置のブロック図である。
【0020】
図3に示すように、フレキシブルディスプレイ制御装置は、認知部310、制御部320、直流−直流(DC−DC)コンバータ340、直流−交流(DC−AC)コンバータ350、スイッチ部360、駆動部370、ディスプレイ部380、およびメモリ部390を備える。
【0021】
DC−DCコンバータ340は、電源供給装置330から供給される直流電圧を、駆動部370で要求するDC駆動電圧に変換する。DC駆動電圧は、駆動部370のイオン層に含まれたセルの駆動に必要なDC電圧を意味する。DC駆動電圧の電圧レベルに関する情報は、メモリ部390に格納されてもよい。
【0022】
DC−ACコンバータ350は、DC駆動電圧を所定の周期を有するAD駆動電圧に変換する。AC駆動電圧の波高値レベルは、DC駆動電圧のレベルと同一である。本実施形態では、所定の周期は制御部320で決定される。制御部320は、例えば、イオン性高分子金属複合層に含まれたイオンが動く速度より基準周期を速めてしまう変形復元(deformation restoration)を避けるよう、AC電圧の基準周期を決定してもよい。制御部320は、イオンが動く速度よりも前記基準周期が早く又は遅くなる効果を有する変形復元(deformation restoration)を避けるように、若しくは、かかる変形復元(deformation restoration)に取り組むことなく、前記基準周期を決定しても良い。また、AC駆動電圧の初期周期は、メモリ部390に予め格納されてもよい。
【0023】
制御部320は、イオン性高分子金属複合層にDC駆動電圧またはAC駆動電圧の何れを印加するのかを決定する。制御部320は、イオン性高分子金属複合層で変形復元(displacement restoration)の現象が発生するか否かに応じて、直流駆動電圧または交流駆動電圧の印加の有無を決定する。
【0024】
開示全体を通じて、変形復元(displacement restoration)という言葉が用いられている。これは、フレキシブルディスプレイの形状の完全な復元を意味するか、若しくは、フレキシブルディスプレイが部分的に原型に復元することを意味する。
【0025】
イオン性高分子金属複合層は次のような物理的な特性を有する。イオン性高分子金属複合層にDC駆動電圧が印加されると、その電圧によってイオン性高分子金属複合層が変形する。ところが、DC駆動電圧が一定時間にわたって印加され続けると、イオン性高分子金属複合層は直流駆動電圧によって引き起こされた変形を持続できず、原型に復元し得る。この形状の復元が、変形復元(displacement restoration)と称されるのである。。変形復元の現象は、基準レベルの電圧が基準時間にわたってイオン性高分子金属複合層に印加される場合に、発生する。
【0026】
このように、DC駆動電圧がイオン性高分子金属複合層に印加される場合には、イオン性高分子金属複合層が長時間にわたって変形形態を維持することは、困難である。
【0027】
イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧が印加される場合には、AC駆動電圧の波形周期および波高値レベルに応じて、イオンの動きが決定される。イオン性高分子金属複合層の動きは、電圧の変化に基づいて変化するイオン密度の変化によって、決定されるのかも知れない。
【0028】
本実施形態では、AC駆動電圧の周期がイオンの動きのスピードよりも遅い周期に変化すると、AC駆動電圧の周期に応じて、イオン性高分子金属複合層の形状が変化する。反対に、AC駆動電圧の周期がイオンの動きのスピードよりも早ければ、イオンは、周期的に変化するAC駆動電圧の電圧レベル変化に従うことができない。そのため、電圧レベルの変化に基づくイオン性高分子金属複合層の動きは、相対的に小さくなる。
【0029】
AC駆動電圧の周期が一定周期以上に早くなると、イオン性高分子金属複合層の動きは人間の目が処理する速度よりも早くなるので、肉眼ではイオン性高分子金属複合層の動きを認識できなくなる。
【0030】
制御部320は、イオン性高分子金属複合層に、イオン性高分子金属複合層でのイオンの動きよりも早い周期を有するAC駆動電圧を印加することによって、イオン性高分子金属複合層の変形復元(displacement restoration)を、最小化ないし減少させることできる。すなわち、制御部320は、イオン性高分子金属複合層を、変形した状態に維持できる。
【0031】
また、制御部320が、変化するAC駆動電圧をイオン性高分子金属複合層に印加することによって、フィルムの損傷を減らすことができる。したがって、イオン性高分子金属複合層の形状が維持されて原型に復元しないので、イオン性高分子金属複合層を用いた部品の信頼性が高められる。
【0032】
制御部320は、変形復元の現象が発生する前にはイオン性高分子金属複合層にDC駆動電圧を印加してもよい。DC駆動電圧が印加される場合には、AC駆動電圧が印加される場合よりも早く、イオン性高分子金属複合層が希望する形態に変形され得る。
【0033】
制御部320は、変形復元(displacement restoration)の発生時間に基づいて、イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧を印加するかどうかを、決定する。例えば、制御部320は、変形復元(displacement restoration)が発生する時間よりも前に、イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧を印加してもよい。
【0034】
変形復元(displacement restoration)の発生時間は、メモリ部390に格納されてもよい。イオン性高分子金属複合層に基準電圧が加えられた場合、変形復元(displacement restoration)の発生時間が実験的に測定されて、メモリ部390にデータとして格納されてもよい。このデータは、変形復元(displacement restoration)発生するのを制限又は阻止する為に使用すべく、後で読み出される。
【0035】
制御部320は、変形復元(displacement restoration)の発生を感知し、イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧を印加するかどうかを決定する。制御部320は、イオン性高分子金属複合層の変形復元(displacement restoration)の程度を判断してもよい。イオン性高分子金属複合層にDC駆動電圧が印加された状態において、現在のイオン性高分子金属複合層の形状から変形前の形態へ復元するのに要する復元の程度が基準値以上である場合には、制御部320は、変形復元(displacement restoration)が発生すると、判断する。前記電圧の値はユーザによって決定されても良いし、上述したように、実験的に定められても良い。他の例として、前記電圧の値は、メモリ又はデータベースに準備されていても良い。
【0036】
制御部320は、DC−DCコンバータ340から出力されるDC駆動電圧又はDC−ACコンバータ350から出力されるAC駆動電圧のいずれか1つをイオン性高分子金属複合層を構成する個々のセル又はセル群に対して印加すべく、スイッチ部360のスイッチを制御する。スイッチ部360は、出力を、制御部320の制御に応じて、DC−DCコンバータ340からの出力電圧又はDC−ACコンバータ350からの出力電圧の何れかに、切り替える。スイッチは、高分子金属複合層を構成するセルに接続されてもよい。
【0037】
制御部320は、イオン性高分子金属複合層を構成するセル単位又はセル群単位で、DC駆動電圧を印加するかAC駆動電圧を印加するかを決定する。また、制御部320は、セルから構成された列単位で直流駆動電圧または交流駆動電圧の印加の有無を決定する。また、制御部320は、イオン性高分子金属複合層を構成するセルの列,及び/又は、イオン性高分子金属複合層を構成するセルの行の単位で、DC駆動電圧を印加するかAC駆動電圧を印加するかを決定しても良い。
【0038】
制御部320は、セル単位、列単位、または行単位の如き、駆動されるイオン性高分子金属複合層の量に基づいて、DC駆動電圧又はAC駆動電圧を印加する時間を、調整する。イオン性高分子金属複合層の変形の量やタイプが、電圧が印加される時間に基礎を置くようになっていても良い。
【0039】
制御部320は、イオン性高分子金属複合層をなす複数のセルを包含するエリア単位で、DC駆動電圧を印加するかAC駆動電圧を印加するかを決定して、認識した入力に基づくイオン性高分子金属複合層の変形を行っても良い。
【0040】
制御部320は、認知した入力に基づいて、イオン性高分子金属複合層をなすセルのうち或るセルにはDC駆動電圧を印加させ、他のセルにはAC駆動電圧を印加させるように、スイッチ部360を制御する。DC駆動電圧は、早く且つ短時間だけ変形されるべきセルに印加され、AC駆動電圧は、長時間にわたって変形が維持されるべきセルに印加される。AC駆動電圧が印加される場合には、その周期に応じてイオンが動く速度が決定される。
【0041】
駆動部370は、供給されるDC駆動電圧またはAC駆動電圧に基づいて、セルを駆動する。このように、セルを駆動することによって、セルの動きにより、イオン性高分子金属複合層が変形する。
【0042】
ディスプレイ部380は、イオン性高分子金属複合層に貼付又は結合され、そのため、ディスプレイ部380の形状は、セルが駆動される方向に応じて変化する。
【0043】
セルが駆動される方向は、ユーザの入力に対応する。情報に応じた形状は、制御部320及び/又はユーザの入力に基づいて決定されても良い。ユーザの入力は、イオン性高分子金属複合層及び/又はディスプレイ部380の目標形状を決定するために、制御部320によって処理される。
【0044】
認知部310は、外部,例えば装置の横からフレキシブルディスプレイに入力される信号を認知する。認知部310は、アプリケーション又は端末のメニューを通してなされた入力を、認知することができる。例えば、認知部310は、スマートフォンにインストールされたメニュー、またはダウンロードされてスマートフォンにインストールされたアプリケーションを通してなされた入力を、認知する。また、認知部310は、ユーザによる個別的な入力を認知する。ユーザによる個別的な入力は、例えば、かなや漢字やアニメーションの連続入力である。ユーザによる個別的な入力は、端末に予め設定されていないかも知れない。
【0045】
制御部320は、入力が予め設定されたパターンによる場合には、メモリ部390に格納されている周期情報に応じて、AC駆動電圧の周期を決定する。例えば、アプリケーションを介して波形の入力が選択された場合、制御部320は、イオン性高分子金属複合層が波形に変形するように、メモリ部390に格納された周期情報に応じてAC駆動電圧の周期を決定してもよい。また、制御部320は、入力がユーザによって行われた場合、入力に対応するようにAC駆動電圧の周期を決定する。例えば、制御部320は、入力時間が長いほどAC駆動電圧の周期を長くする。
【0046】
制御部320は、認知部310によって認知された入力を、参照情報の入力と予め設定されていない情報の入力とに、区別する。入力が参照情報に関するものであった場合、入力された情報はメモリ部390に格納されている。入力が予め設定されていない情報に関するものであった場合、入力された情報は、メモリ部390に格納されていない。
【0047】
制御部320は、前記参照情報又はメモリ部390から検索された情報にマッチする形状パターンをサーチする。前記参照情報にマッチする形状パターンは、メモリ部390に格納されている。また、制御部320は、予め設定されていない情報に対しては、入力の強度,入力が持続する時間,入力の位置,及び/又は入力のパターンに基づいて、形状パターンを決定する。制御部320は、DC駆動電圧又はAC駆動電圧を、イオン性高分子金属複合層における形状パターンに対応するセルに、印加できるようにする。
【0048】
メモリ部390は、参照情報に対応する形状パターンについての情報,当該形状パターン情報に応じてイオン性高分子金属複合層の各セルに要求される電圧レベル情報,AC駆動電圧が印加される時間に関する情報,初期のAC駆動電圧の周期に関する情報を、格納する。メモリ部390として、情報を格納することのできる外部記憶装置が用いられてもよい。例えば、読出専用メモリ(ROM:Read Only Memory),否定論理和(NOR:Not OR)フラッシュメモリ,否定論理積(NAND:Not AND)フラッシュなどの不揮発性メモリが、用いられてもよい。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置のDC−ACコンバータ350を示す図である。
【0050】
図4に示すように、DC−ACコンバータ350は、DC入力部410,周期決定部420,パルス信号生成部430,フィルタ440,AC出力部450,及び補償部460を備える。
【0051】
DC入力部410には、DC−DCコンバータ340から出力されたDC駆動電圧が入力される。
【0052】
周期決定部420は、参照入力に対応する周期,又は、ユーザの入力若しくはコントローラ320の決定によって変化する周期に基づいて、AC駆動電圧の周期を決定してもよい。参照入力とは、メモリ部390に格納された入力のことである。参照入力は、例えば、アプリケーションの実行によって得られたもののように、予め設定されたイオン性高分子金属複合層の形に関する情報に対応する入力を、意味する。参照入力に対応する周期は、メモリ部390に予め格納されてもよい。ユーザの入力に基づいて変化する周期は、複数の入力間の時間差,又は、入力の継続時間若しくは入力の強度のような検知に関する他の測定基準に基づいて、決定されても良い。
【0053】
周期決定部420は、制御部320によって決定された周期の入力を受けて、DC駆動電圧をAC駆動電圧に変換するために用いる。
【0054】
パルス信号生成部430は、周期決定部420で決定された周期に基づいて、オン(ON)/オフ(OFF)のパルス信号が生じるようにDC駆動電圧を変換する。ON/OFFパルス信号の電圧レベルは、直流駆動電圧レベルと等しく、一周期の間におけるONの持続時間及びOFFの持続時間は、制御部320によって決定される。ONの持続時間及びOFFの持続時間は、互いに同一であってもよく、同一でなくてもよい。パルス信号生成部430は、ブリッジコンバータ(bridge converter)で実現されてもよい。制御部320は、メモリ部390に格納されたONの持続時間及びOFFの持続時間に基づいて、ON/OFFパルス信号のONの持続時間及びOFFの持続時間を、制御する。
【0055】
フィルタ440は、ON/OFFパルス信号をフィルタリングして高調波成分を除去する。フィルタ440は、ON/OFFパルス信号をフィルタリングして正弦波信号を出力してもよい。
【0056】
AC出力部450は、ON/OFFパルス信号をAC駆動電圧として出力してもよいし、フィルタリングされた正弦波信号をAC駆動電圧として出力してもよい。制御部320は、AC出力部450がON/OFFパルス信号を出力するか正弦波信号を出力するかを、決定する。
【0057】
補償部460は、ON/OFFパルス信号の周期を周期決定部420によって決定された周期と比較し、周期決定部420によって決定された周期との差に基づいて、ON/OFF信号の周期を調整する。補償部460は、ON/OFFパルス信号の周期又は正弦波信号の周期を、制御部320によるAC駆動電圧の周期として調整しても良い。
【0058】
図5は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置におけるイオン性高分子金属複合層の構造を示す図である。
【0059】
図5において、イオン性高分子金属複合層510は、多数のセル511を含む。フレキシブルディスプレイ制御装置は、変形回復(displacement restoration)を最小化ないし減少させるために、AC駆動電圧をイオン性高分子金属複合層510に印加する。本実施形態では、イオン性高分子金属複合層510は、セルユニット511,列ユニット520,行ユニットを含み、夫々に、AC駆動電圧又はDC駆動電圧が印加可能である。
【0060】
例えば、セルに印加される電圧は7V以下、セルに印加される最大圧力は30Mpaに設定されてもよい。このような設定は、イオン性高分子金属複合層510が取付けられたフレキシブルディスプレイに応じて異なってもよく、イオン性高分子金属複合層510が置かれた環境に応じて異なってもよい。
【0061】
フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層510に印加されるAC駆動電圧の周期を調整する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層510にAC駆動電圧が印加される時間を調整する。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置におけるイオン性高分子金属複合層の変化を示す図である。
【0063】
図6において、各セルには識別番号が記載されている。同一の列では識別番号のナンバーが同一であり、同一の行では識別番号のアルファベットが同一である。フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層を構成するセルにDC駆動電圧又はAC駆動電圧を印加し、セルを駆動させることで形状を変化させ得る。
【0064】
図6では、7番目の列610にDC駆動電圧又はAC駆動電圧が印加されることにより、形状が変化している。イオン性高分子金属複合層は、第2電極の方向に曲がっている。この湾曲は、7番目の列610中のセルに正の値を有する駆動電圧が印加されたことに因る。
【0065】
図7は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置において、イオン性高分子金属複合層が時間に応じて変化する場合を示す図である。
【0066】
図7において、イオン性高分子金属複合層の下部に第2電極が配置され、上部には第1電極が配置される。イオン性高分子金属複合層内のセルに印加された電圧が時間に応じて変化すると、イオン性高分子金属複合層が変化する。
【0067】
例えば、時間の経過につれて各セルに次第に大きい正の電圧が印加されると、イオン性高分子金属複合層の形状は、710に示すもものから720に示すものへ変化する。
【0068】
図8は、本発明の一実施形態において、フレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層に印加される電圧に基づく、イオン性高分子金属複合層の変化を示す図である。図9は、本発明の一実施形態において、係るフレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層に印加される電圧に基づく、イオン性高分子金属複合層の変化を示す図である。図10は、本発明の一実施形態において、係るフレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層に印加される電圧に基づく、イオン性高分子金属複合層の変化を示す図である。図11は、本発明の一実施形態において、係るフレキシブルディスプレイ制御装置内のイオン性高分子金属複合層に印加される電圧に基づく、イオン性高分子金属複合層の変化を示す図である。
【0069】
図8では、イオン性高分子金属複合層の両端に存する列に電圧が印加されることによって、その形状が上方に変形している。この例では、イオン性高分子金属複合層の両端に存する列には、正の電圧が印加されている。
【0070】
DC駆動電圧が前記両端に存する列に印加されて一定の時間を持続すれば、変形された形態が緩み、本来の形態に復元する。すなわち、変形復元(displacement restoration)が発生する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、変形復元(displacement restoration)が発生すると、前記両端に存する列に、AC駆動電圧を一度に印加する。この例では、AC駆動信号の周期は、セルに含まれたイオンが動く速度よりも早くてもよい。この例では、セルの動きは、肉眼では確認し難い。
【0071】
例えば、2VのDC駆動電圧を印加することにより、イオン性高分子金属複合層の両端に存する列が45度持ち上がる。
【0072】
イオン性高分子金属複合層の物性特性に拠り、イオン性高分子金属複合層に2Vの電圧が印加されてから10秒後に変形回復(displacement restoration)が発生し始めるとすれば、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層を変形させるためにDC駆動電圧2Vを印加し、その後10秒以内に、AC駆動電圧を印加する。
【0073】
印加されたAC駆動電圧は、2VのDC駆動電圧のレベルに匹敵する4Vの波高値を有する。印加されたAC駆動電圧が+2Vである場合には、変形されたイオン性高分子金属複合層の形状は維持される。印加されたAC駆動電圧が0Vである場合には、イオン性高分子金属複合層の形状は、変形前の状態に復元する。印加されたAC駆動電圧が−2Vである場合には、イオン性高分子金属複合層は、印加されたAC駆動電圧が+2Vである場合とは反対方向に変形する。
【0074】
しかし、AC駆動電圧の周期を極めて短く設定し、イオンが動く速度よりも早くすると、変形する余地がなくなる。それ故、肉眼では変化を認識できない。すなわち、2VのDC駆動電圧が印加された後に早い周期のAC駆動電圧が印加される場合、イオン性高分子金属複合層の形状は、2VのDC駆動電圧が印加されたことに対応した形状に維持される。
【0075】
図9では、イオン性高分子金属複合層の両端に存する列に印加された電圧により、イオン性高分子金属複合層が変形している。この例では、イオン性高分子金属複合層の形状を図示されたように変形するように、イオン性高分子金属複合層の両端に存する列に電圧が印加されている。
【0076】
図10では、イオン性高分子金属複合層の中央の列に印加された電圧により、イオン性高分子金属複合層が変形している。この例では、所望の変形構造を実現するために、イオン性高分子金属複合層の中央の列に電圧が印加されている。
【0077】
図11では、イオン性高分子金属複合層の中央の列に印加された電圧により、イオン性高分子金属複合層が変形している。この例では、所望の変形構造を実現するために、イオン性高分子金属複合層の中央の列に電圧が印加されており、その電圧の極性は、図10において印加される電圧の極性とは逆である。
【0078】
図12は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置によって生成されるON/OFFパルス信号及び正弦波信号の例を示す。
【0079】
図12において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、ON/OFFパルス信号1210を生成する。ON/OFFパルス信号1210において、ONの持続時間及びOFFの持続時間は、互いに同一である。
【0080】
ONの持続時間及びOFFの持続時間が同一である場合には、一周期の間に、正の電圧と負の電圧とが、相互に同じ時間間隔で供給される。ONの持続時間とOFFの持続時間が同じ場合、イオン性高分子金属複合層は、上方または下方に一定に変化する。例えば、一周期を1秒とする場合、イオン性高分子金属複合層は、0.5秒の間は上昇する方向に変形し、0.5秒の間は下降する方向に変形する。
【0081】
ON/OFFパルス信号1210がフィルタを通過すると、正弦波信号1220が出力される。
【0082】
図13は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置によって生成されるON/OFFパルス信号及び正弦波信号の他の例を示す。
【0083】
図13において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、ON/OFFパルス信号1310を生成する。このON/OFFパルス信号1310において、ONの持続時間及びOFFの持続時間は、相互に異なる。例えば、図13に示すように、ONの持続時間1311は、OFFの持続時間1313よりも長い。
【0084】
ONの持続時間1311とOFFの持続時間1313とが相互に異なる場合、一周期の間における正の電圧の持続時間が負の電圧の持続時間よりも長いか、一周期の間における負の電圧の持続時間が正の電圧の持続時間よりも長い。ONの持続時間1311とOFFの持続時間1313とが相互に異なる場合、ONの持続時間1311及びOFFの持続時間1313のうちの長い方のために、更に変形する。例えば、一周期を1秒とする場合、正の電圧が印加される時間が負の電圧が印加される時間よりも3倍長いと仮定すると、0.75秒の間は正の電圧が印加され、0.25秒の間は負の電圧が印加される。
【0085】
それ故、イオン性高分子金属複合層は、0.75秒の間は上昇する方向に変形し、0.25秒の間は下降する方向に変形する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、ONの持続時間1311及びOFFの持続時間1313を調整し、ON電圧及びOFF電圧の印加時間の差を用いることで、イオン性高分子金属複合層を様々な形態に変化させることができる。
【0086】
ON/OFFパルス信号1310がフィルタを通過すると、正弦波信号1320が出力される。正弦波信号1320の形状は、図13に示すように、ON/OFFパルス信号1310に似ている。
【0087】
図14は、本発明の一実施形態によるフレキシブルディスプレイ制御装置を用いて波型に変形されたフレキシブルディスプレイを示す。
【0088】
図14に示すように、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層に印加されるAC駆動電圧の周期を調整することによって、フレキシブルディスプレイ1410を、波様に変形させることができる。
【0089】
イオン性高分子金属複合層に印加されるAC駆動電圧の周期がイオン性高分子金属複合層に含まれたイオンの動きよりも遅ければ、フレキシブルディスプレイ1410は、正の電圧では突出した形に、負の電圧では陥没した形に変形される。
【0090】
AC駆動電圧がイオンの動きよりも遅い周期のAC駆動電圧がイオン性高分子金属複合層に印加されると、フレキシブルディスプレイ1410は、1420に示す形状から1430に示す形状へ変形するように、波様に変形する。
【0091】
ファイルがダウンロードされる場合には、このような波様の動きがダウンロード状態を表示するために用いられる。例えば、メニューでダウンロードの入力を受けた場合、ファイルがダウンロードされる間、ダウンロードの進捗を示すために、波様のフレキシブルディスプレイが用いられる。他の例において、物語の電子書籍を再生する場合に、波様のフレキシブルディスプレイが、風の動き及び波の流れや形、又は、その物語の電子書籍に関連するテーマやアクションを表現する何らかの動きを表現するために、波様のフレキシブルディスプレイが用いられてもよい。
【0092】
図15は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置を用いてオーディオリズムを表示するフレキシブルディスプレイを示す。
【0093】
図15において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、フレキシブルディスプレイ1520を波の動きに似せて変形させるように、イオン性高分子金属複合層に印加されるAC駆動電圧の周期を調整する。端末で音楽を実行するとき、オーディオのリズムに応じてフレキシブルディスプレイが変形されても良い。
【0094】
フレキシブルディスプレイ1520上に表現されたイコライザー(equalizer)が、各周波数の帯域ごとのオーディオのリズム1510を表す場合、オーディオのリズムに応じて、例えば1530の形状、1540の形状、1550の形状のような様々な形状に、変形されてもよい。
【0095】
図16は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御装置における、AC駆動電圧の周期に基づくフレキシブルディスプレイの変化を示す。
【0096】
図16に示すように、イオン性高分子金属複合層に印加されるAC駆動電圧の周期の長短に応じて、フレキシブルディスプレイは様々な形態に変形する。
【0097】
AC駆動電圧の周期1620が比較的長い場合のフレキシブルディスプレイの形状1610,AC駆動電圧の周期1640が中間の場合のフレキシブルディスプレイの形状1630,及び、AC駆動電圧の周期が比較的短い場合のフレキシブルディスプレイの形状1650は、互いに異なる。
【0098】
基本グループに分類された相手から電話着信があった場合、フレキシブルディスプレイの動きは、基本動作とみなされる。参照グループからの電話着信があった場合、フレキシブルディスプレイの動きを基本動作よりも早く又は遅くするように、フレキシブルディスプレイの動きを基本グループからの着信の場合とは異なる動きに設定しても良い。従って、フレキシブルディスプレイの動きだけでも、どのようなグループから電話がかかってきたかを直観的に確認できる。フレキシブルディスプレイ制御装置が、イオン性高分子金属複合層の或る一つの列にAC駆動電圧を印加し、隣接の列には位相差が180度であるAC駆動電圧を印加すると、上下に動く形にフレキシブルディスプレイが変形され得る。
【0099】
図17は、本発明の一実施形態に係るフレキシブルディスプレイ制御方法を示す。
【0100】
ステップS1710において、フレキシブルディスプレイ制御装置はDC駆動電圧をAC駆動電圧に変換する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、DC駆動電圧を所定の周期を有するAC駆動電圧に変換する。交流駆動電圧の波高値レベルは、DC駆動電圧のレベルと同一である。
【0101】
ステップS1720において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧を印加するかどうかを決定する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層において変形復元(displacement restoration)が発生するか否かに基づいて、AC駆動電圧を印加するかどうかを決定する。イオン性高分子金属複合層はイオン層の一例である。
【0102】
フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層の物理的配列を変えることなく、イオン性高分子金属複合層を構成するセルに印加される電圧を変化させるべく、イオン性高分子金属複合層にイオンの動きよりも早い周期を有するAC駆動電圧を印加する。これにより、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層の変形復元(displacement restoration)を最小化することができる。
【0103】
ステップS1730において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層にAC駆動電圧を印加しないことを決定した場合には、DC駆動電圧を印加する。フレキシブルディスプレイ制御装置は、変形復元(displacement restoration)が発生しない場合には、継続してDC駆動電圧を印加する。
【0104】
ステップS1740において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、イオン性高分子金属複合層に印加されるAC駆動電圧又はDC駆動電圧に基づいて、イオン性高分子金属複合層を構成するセルを駆動する。セルが動くと、イオン性高分子金属複合層が変形する。
【0105】
ステップS1750において、フレキシブルディスプレイ制御装置は、駆動されるセルに基づいてディスプレイ層を変化させる。上述したように、イオン性高分子金属複合層を構成する多数のセルに電圧を選択的に印加することにより、イオン性高分子金属複合層が変形する。これによって、ディスプレイ層も変形する。
【0106】
本発明の実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組合せを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで動作するように構成されてもよい。
【0107】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0108】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力を処理して直流電圧を生成するDC−DCコンバータ部と、
生成された直流電圧を交流電圧に変換するDC−ACコンバータ部と、
前記直流電圧又は前記交流電圧の何れかから駆動電圧を決定するスイッチと、
前記駆動電圧によってフレキシブルディスプレイを駆動する駆動部と
を備え、
前記フレキシブルディスプレイは、前記駆動電圧によって変形された形状を有する
フレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項2】
前記フレキシブルディスプレイは、夫々個別に前記駆動電圧を供給されるセルの行列を備える
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項3】
前記スイッチ部は、入力の特性に応じて駆動電圧を決定する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項4】
前記特性は、入力の持続時間,ある入力と次の入力との間の時間,及び入力の位相のうちの一である
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項5】
前記スイッチ部は、変形復元を避けるための要求に応じて、前記交流電圧を出力電圧に決定する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項6】
前記DC−ACコンバータ部は、前記AC電圧の周期を、フレキシブルディスプレイのイオンが移動する時間よりも短く設定する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項7】
前記DC−ACコンバータ部は、前記AC電圧の周期を、フレキシブルディスプレイのイオンが移動する時間よりも長く設定する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項8】
前記フレキシブルディスプレイは、イオン性高分子金属複合層を有する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項9】
特定入力に対応した参照周期を格納したメモリ部を更に備え、
前記DC−ACコンバータ部は、前記特定入力に対応した入力があった場合には、前記交流電圧の周期を前記参照周期に設定する
請求項1記載のフレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項10】
入力を変換して、当該入力から直流電圧を生成するDC−DCコンバータ部と、
前記直流電圧を交流電圧に変換するDC−ACコンバータ部と、
フレキシブルディスプレイに前記直流電圧又は前記交流電圧の何れを印加するかを決定し、
前記直流電圧又は前記交流電圧を印加電圧として印加する工程を含み、
前記フレキシブルディスプレイは、前記駆動電圧によって変形された形状を有する
フレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項11】
前記フレキシブルディスプレイは、夫々個別に前記駆動電圧を供給されるセルの行列を備える
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項12】
前記決定工程は、入力の特性に基づいて行われる
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項13】
前記特性は、入力の持続時間,ある入力と次の入力との間の時間,及び入力の位相のうちの一である
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項14】
前記交流電圧は、変形復元を避けるための要求に応じて印加される
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項15】
前記AC電圧の周期を、フレキシブルディスプレイのイオンが移動する時間よりも短く設定する工程を更に含む
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項16】
前記AC電圧の周期を、フレキシブルディスプレイのイオンが移動する時間よりも長く設定する工程を更に含む
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項17】
前記フレキシブルディスプレイは、イオン性高分子金属複合層を有する
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項18】
特定入力に対応した参照周期を格納し、
前記特定入力に対応した入力があった場合には、前記交流電圧の周期を前記参照周期に設定する
工程を更に含む請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。
【請求項19】
入力を処理して第1電圧を生成する第1電圧部と、
前記第1電圧とは異なる周期を有する第2電圧を生成する第2電圧部と、
前記第1電圧又は前記第2電圧の何れかから駆動電圧を決定するスイッチ部と、
前記駆動電圧によりフレキシブルディスプレイを駆動する駆動部と
を備え、
前記フレキシブルディスプレイは前記駆動電圧によって変形可能な形状を有する
フレキシブルディスプレイ制御装置。
【請求項20】
前記フレキシブルディスプレイは、イオン性高分子金属複合層を有する
請求項10記載のフレキシブルディスプレイ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−45105(P2013−45105A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160295(P2012−160295)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】