説明

フレキシブルバッグの搬送充填方法およびその装置

【課題】フレキシブルバッグ列の流れの製造ラインできるだけ短くすることにより、バッグインボックスの充填装置の設置スペースを小さくしたフレキシブルバッグの搬送充填方法、およびその装置とする。
【解決手段】注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、充填位置でバッグ列を、単位のフレキシブルバッグに分離し、この分離したフレキシブルバッグを保持し、そして保持したフレキシブルバッグへ液体を充填後、保持を解除し、充填済みフレキシブルバッグをそのまま下降させ、外箱に収納することを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填方法である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、注出入口具を付けたフレキシブルバッグの搬送、充填方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内容量の大きい容器において、外箱の内側に、注出入口具を備えたフレキシブルバッグを配置したバッグインボックスが多用されている。このバッグインボックスは、前記フレキシブルバッグに液体を充填し、個々の外箱に収納した容器で、その充填方法は、図4に示した方法で行われていた。
【0003】図4に示すように、複数のフレキシブルバッグが連続している、バッグ列21を、充填機23へ水平方向に送り出し、フレキシブルバッグ25と、充填機23との接続を行って充填し、充填されたフレキシブルバッグを送り出す時点で、充填中のフレキシブルバッグ25と、充填済みのフレキシブルバッグ25との連結部26を分離装置22で切断していた。この分離された充填済みのフレキシブルバッグ25は、搬送部26を通り、シューター27を介して、外箱28に落とし込むことにより、前記バッグインボックスを製造していた。
【0004】このように、バッグインボックスの製造に関し、バッグ列の引出し、バッグ列の一単位であるフレキシブルバッグに対して、順次行われる充填、充填済みのフレキシブルバッグの送り出し、および外箱への落とし込みの各工程が水平方向に配置され、一連に並んで行われている。
【0005】また、一連に並んでいる充填装置は、連続してフレキシブルバッグに充填、充填したフレキシブルバッグを外箱へ収納する工程を行うことができるが、一連の充填装置の製造ラインが長くなり、諸設備が大型となり、バッグインボックス製造ラインが、スペース的に規制されてしまう場合があった。特に、充填のスピードアップのため、前記の充填装置を複数個配置すると、さらにこのスペースの問題が大きくなり、複数個配置することが困難であった。
【0006】さらに、フレキシブルバッグを水平状態に保持して充填した場合、充填口を保持して充填するので、充填口の部分にヘッドスペースが生じ、内容物を長期に保存する場合、好ましくなかった。このヘッドスペースをなくするためには、真空吸引、および液面の調整するための装置が必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記事情に鑑み、特別の装置を必要とせず、ヘッドスペースのない充填が可能で、フレキシブルバッグの流れを上下方向とし、そのバッグインボックスの製造ラインを短くすることを課題とし、そのバッグインボックスの製造が狭いスペースであっても可能とした、搬送充填方法、およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1においては、注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、充填位置でバッグ列を、単位のフレキシブルバッグに分離し、この分離したフレキシブルバッグを保持し、そして保持したフレキシブルバッグへ液体を充填後、保持を解除し、充填済みフレキシブルバッグをそのまま下降させ、外箱に収納することを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填方法である。
【0009】また、請求項2においては、注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、充填位置でバッグ列を保持し、液体を充填後、単位のフレキシブルバッグに分離し、保持を解除して、充填済みフレキシブルバッグをそのまま下降させ、外箱に収納することを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填方法である。
【0010】また、請求項3においては、注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、それぞれ水平方向に進退する機構の分離装置、保持装置、および充填装置を順に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置である。
【0011】また、請求項4においては、前記搬送充填装置で、分離装置、保持装置、および充填装置を垂直方向に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置である。また、請求項5においては、前記の搬送充填装置を複数個以上並列に配した垂直方向に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置である。
【0012】注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列の搬送方向を、充填機より高い位置へ、そして加工する工程中に充填する機構としたので、従来の搬送充填装置と比較して、設置面積が小さくなる。特に、垂直に加工する方式とすることで、最も設置面積を小さくすることができる。つた、充填時に、バッグの上部を保持した状態とすることで、バッグの形態が変化しないので、充填終了後、充填ノズルを外ししても、充填口からエアが入ることがない。
【0013】また、充填したフレキシブルバッグを切断後、そのままシュータに落下指せれば、外装カートンに収納可能で、従来のように、切断したフレキシブルバッグをシュータまで搬送する搬送部が不要となり、充填効率を向上させることができる。さらに、前記搬送充填装置を1台でなく、複数台配置することができ、より設置面積が小さくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、フレキシブルバッグの搬送充填装置を示すもので、上部側にはバッグ列引き込みのガイドロール3設けられており、注出入口具4を有するフレキシブルバッグ5が、連続したバッグ列6を引き出すために、その受入れ側を傾斜した状態とし、送り出し側をほぼ垂直に送り出す機構となっている。そして、送り出されたバッグ列6は、分離するバッグ分離手段10で、フレキシブルバッグ5の連結部を切断刃11により切断し、同時に切断刃11の下方に位置した同様に水平方向に進退する保持手段12がで保持し、出入口具4の位置に13が配置された充填装置13により充填する。
【0015】
【実施例】図1は、フレキシブルバッグの搬送充填装置を示すもので、所要の形状に設定されたフレーム2に対して、各種構成部材を取り付けて構成されているものであって、その上部側にはバッグ列引き込みのガイドロール3設けられている。バッグ列引き込みガイドロール3は、注出入口具4を有するフレキシブルバッグ5が、連続したバッグ列6を引き出すために、その受入れ側を傾斜した状態とし、送り出し側をほぼ垂直に送り出す機構となっている。ガイドロール3の送り出し側には、ほぼ垂直の案内板7と、この案内板7と向かい合わせに、その形状に合わせて、前記注出入口具4を係止しながらバッグ列6を引込み、一定距離搬送するガイド装置9を配置してなるものである。
【0016】図2は、バッグ列6の案内板7を示すものである。前記案内板7により、下降方向に案内移動したフレキシブルバッグ5の上端が、この案内板7の下端より下方に位置するようになる。この案内板7より下方に位置したフレキシブルバッグ5を、バッグ列6から分離するバッグ分離手段10で、フレキシブルバッグ5の連結部を切断刃11が前進して切断する。
【0017】この時、同時に切断刃11の下方に位置した同様に水平方向に進退する保持手段12が配置されている。そして、フレキシブルバッグ5を保持した状態で、注出入口具4の位置に充填装置13が配置されている。この充填装置13は、エアシリンダーにより水平方向に進退する充填ノズルが配置されている。
【0018】充填されたフレキシブルバッグ5の下方には、シューター14が設けられ、保持手段12が開放されると、内容物が充填されたフレキキブルバッグ5を外箱に案内、収納する。
【0019】ここで、分離手段10によるフレキシブルバッグ5の切断は、充填前で保持手段12により、フレキシブルバッグ5を保持した状態で行った後、内容物を充填するか、または、フレキシブルバッグ5を保持した状態で内容物を充填を行った後、分離手段12で行うか、いずれでもよい。
【0020】また、図3に示すように、図1に示す充填装置を、2台並列して配置し、充填したフレキシブルバッグを外箱に収納し、搬送する工程を共通にすることにより、充填スピードを2倍にすることが可能となる。このように、2台にかぎらず、複数台並列的に充填装置を配置することにより、充填能力を向上させることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上のように、フレキシブルバッグ列の流れを上下方向とし、バッグの下降方向の流れにおいて、内容物を充填し、そのまま下方に落下させるだけで、外箱に収納できるので、バッグの搬送のための水平距離が短くなり、充填装置の設置スペースを小さくすることができる。これにより、充填スピードを上げるため、充填装置を複数個配置する場合、より設置スペースが小さくなり有利である。
【0022】また、垂直方向にフレキシブルバッグ列を流しながら充填するので、充填ノズルから充填終了後、充填口よりエアが入る恐れがないので、ヘッドスペースのない充填が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送充填装置を示す説明図である。
【図2】図1のバッグ列の案内板の説明図である。
【図3】複数個の装置を配置した状態を示す説明図である。
【図4】従来の充填搬送装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1…容器本体
2…フレーム
3…ガドロール
4…注出入口具
5…フレキシブルバッグ
6…バッグ列
7…案内板
10…分離手段
11…切断刃
12…保持手段
13…充填装置
14…シューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、充填位置でバッグ列を、単位のフレキシブルバッグに分離し、この分離したフレキシブルバッグを保持し、そして保持したフレキシブルバッグへ液体を充填後、保持を解除し、充填済みフレキシブルバッグをそのまま下降させ、外箱に収納することを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填方法。
【請求項2】注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、充填位置でバッグ列を保持し、液体を充填後、単位のフレキシブルバッグに分離し、保持を解除して、充填済みフレキシブルバッグをそのまま下降させ、外箱に収納することを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填方法。
【請求項3】注出入口具を有するフレキシブルバッグが連続しているバッグ列を、充填機より高い位置から供給し、前記バッグ列の下降方向に従って、それぞれ水平方向に進退する機構の分離装置、保持装置、および充填装置を順に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置。
【請求項4】請求項3記載の装置で、分離装置、保持装置、および充填装置を垂直方向に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置。
【請求項5】請求項3、または請求項4の搬送充填装置を複数個以上並列に配した垂直方向に配置したことを特徴とする、フレキシブルバッグの搬送充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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