説明

フレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法

【課題】液晶光学素子を温度制御して応答速度を確保でき、これを小型化して構成でき、製造を容易に行うことができること。
【解決手段】フレキシブルプリント基板100は、信号を送信する信号パターン102と、信号パターン102よりも抵抗が高い発熱用の温度制御用パターン110とを備える。温度制御用パターン110は、所定の抵抗率を有する銅箔を所定形状にパターン形成してなり、電流印加により発熱するヒータとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶光学素子を駆動する信号パターンを備えたフレキシブルプリント基板にかかり、特に、液晶光学素子を温度制御できるフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶光学装置としては文字を表示する液晶表示素子や、通過する光の屈折率を変化させて焦点距離を可変させる液晶レンズ等が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。これらの液晶光学装置は、透明板間に設けられる液晶層が低温時において粘度が高くなり、応答速度が低下する。このため、液晶光学装置にヒータを設けて低温時に加熱することにより、液晶の応答速度の低下を防止した技術が開示されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−201243号公報
【特許文献2】特開2005−215334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、液晶表示装置のパッケージにヒータを取り付ける構造であり、このヒータ分の高さが全体の厚さを増大させ、小型化できなかった。特に、ズームレンズ群の中に液晶レンズを配置し、液晶レンズによりズーム時の合焦点(オートフォーカス)制御を行う構成とした場合、この液晶レンズは、ズーム駆動により光軸方向に移動することになる。そして、このような移動する液晶レンズの場合、ヒータの高さ分が光軸方向に対する大きさを増大させ、光学系全体の小型化を達成できなくなる。同時に、ヒータにより液晶レンズが重量化して液晶レンズを軽量化できず、トルクおよび駆動電力が増大し、ズーム時の移動速度が低下するという問題が生じた。
【0005】
また、液晶表示部に対する信号供給用の信号ラインと、ヒータに対する駆動用の駆動ラインとの接続箇所が合計2箇所生じるため、接続箇所部分での作業性が低下した。特に、液晶表示装置はシール部および透明板により所定の高さを有するため、液晶表示部の電極と、ヒータの電極の位置とが高さ方向で異なり、異なる高さ位置でそれぞれ半田付け等による接続作業が必要となるため、製造を容易に行えなかった。また、液晶表示装置にヒータの電極を設け、この電極部分で駆動ラインと接続する構成のため、この電極が部分的に熱を有して無駄な熱および電力を消費すると共に、液晶表示装置全体を均一に暖めることができないという問題も生じる。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、液晶光学素子を温度制御して応答速度を確保でき、これを小型化して構成でき、製造を容易に行うことができるフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、フレキシブルプリント基板において、信号を送信する信号パターンと、前記信号パターンよりも抵抗が高い発熱用の温度制御用パターンと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項1に記載の発明において、前記温度制御用パターンは、所定の抵抗率を有する銅箔を所定形状にパターン形成してなり、電流印加により発熱するヒータとして機能することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項1または2に記載の発明において、前記フレキシブルプリント基板は更に開口部を有し、前記温度制御用パターンは、前記開口部の周囲に所定長を有してパターン形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項3に記載の発明において、前記温度制御用パターンは、前記開口部の周囲に巻回状に形成された所定長を有してパターン形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項4に記載の発明において、前記温度制御用パターンは、入出力用のパターンが一対で前記開口部の周囲に巻回状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記フレキシブルプリント基板は更に切断部を有し、前記切断部によって、前記信号パターンの面が形成されたパターン片と、前記温度制御用パターンの面が形成されたパターン片とが、それぞれ異なる高さ位置に撓み配置自在なことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明にかかるフレキシブルプリント基板は、請求項6に記載の発明において、前記温度制御用パターンが形成されたパターン片は2つ形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明にかかる液晶光学装置は、液晶光学素子と、前記液晶光学素子に接続され該液晶光学素子に駆動信号を入力する請求項1〜7のいずれか一つに記載のフレキシブルプリント基板と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明にかかる液晶光学装置は、請求項8に記載の発明において、複数の前記液晶光学素子が互いに接合され、当該接合の面に前記温度制御用パターンが形成されたパターン片が介挿状態で固定されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10の発明にかかる液晶光学装置は、請求項8または9に記載の発明において、前記駆動部に接続される前記他端は、前記温度制御用パターンの幅を幅広に形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項11の発明にかかる液晶光学装置は、請求項8〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記液晶光学素子は、透過する光の屈折率を変化させる液晶レンズであることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12の発明にかかる液晶光学装置は、請求項11に記載の発明において、前記液晶光学素子としての前記液晶レンズは、光学レンズ群の光路上に配置され、ズーム駆動により光軸方向に移動するとともに、当該ズーム時における合焦点制御を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項13の発明にかかる液晶光学装置の製造方法は、液晶光学素子にフレキシブルプリント基板を取り付ける液晶光学装置の製造方法において、前記フレキシブルプリント基板に設けられた駆動用の信号パターンを前記液晶光学素子の信号電極に取り付ける第1の工程と、前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記信号パターンと異なる位置に設けられた温度制御用パターンが形成されたパターン片を撓ませて前記液晶光学素子の所定の面に面接合させる第2の工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14の発明にかかる液晶光学装置の製造方法は、請求項13に記載の発明において、前記第2の工程は、前記パターン片を前記液晶光学素子の所定の面上の一方から他方に向けて連続的に圧力をかけながら接着していくことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかるフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法によれば、液晶光学素子を温度制御して応答速度を確保でき、また、小型化でき製造を容易に行えるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、液晶光学装置として液晶レンズを例に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるフレキシブルプリント基板を示す斜視図である。図1には、フレキシブルプリント基板100の一端部を示している。フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)100は、ポリイミド等の材質を薄く形成して可撓性を有するプリント基板101を基材として用いている。このプリント基板101上には、長手方向に沿い銅箔等により、信号パターン102と、温度制御用パターン110とが形成されている。これら信号パターン102および温度制御用パターン110は、基材および表面がそれぞれポリイミド等により絶縁処理されている。
【0024】
プリント基板101の一端101a側には、円形状の開口部101bが開口形成されている。この開口部101bは、後述する液晶レンズにおける光速が通過する位置に対応して設けられている。
【0025】
信号パターン102は、プリント基板101の長さ方向に直線状にパターン形成されている。この信号パターン102の端部には、接続部103が設けられており、この接続部103は、プリント基板101の裏面側が導通可能に表出している。この接続部103は、液晶光学素子に設けられた信号電極に異方性導電フィルム(ACF)や半田付け等で電気的に接続されることにより、液晶光学素子に駆動信号を入力する。
【0026】
また、温度制御用パターン110は、プリント基板101の長手方向の端部101a付近までパターン形成されている。この温度制御用パターン110は、1本の配線を端部101aで折り返してパターン形成されたものであり、信号パターン102よりも抵抗が高く、電流が通電されることにより発熱しヒータとして機能する。図に示すように、温度制御用パターン110の折り返し部110aは、開口部101bの周囲を周回する所定径の円弧状に形成されている。
【0027】
そして、接続部103近傍には、プリント基板101に切り込み線を入れて形成した切断部120が設けられている。この切断部120は、接続部103以上の幅Wと、接続部103からみて端部101a側の位置にプリント基板101の長手方向に向けて所定の長さL1とを有している。長さL1は、折り曲げる高さ(液晶光学素子の厚さ)に合わせて設定する。なお、長さL2は、液晶光学素子本体の長さに合わせて設定する。
【0028】
図2は、図1に記載のフレキシブルプリント基板を撓ませた状態を示す斜視図である。プリント基板101は、液晶光学素子の高さに合わせて切断部120部分で高さ方向に折曲させることができる。このようにして折り曲げたフレキシブルプリント基板100の一端101a側をパターン片130Aと呼称する。この際、図示のように、折り曲げ部分に接続部103が位置しても、切断部120によりこの接続部103がつられて折り曲がることがなく水平状態を維持でき、液晶光学素子の信号電極に安定接続できる。また、温度制御用パターン110は、配線パターンであるため、プリント基板101の折り曲げ状態と同様に折り曲げることができ、液晶光学素子の面に沿って配置できる。
【0029】
図3は、本発明の液晶光学装置としての液晶レンズを示す側断面図である。液晶レンズ300の一面(図示の例では上面)にフレキシブルプリント基板100のパターン片130Aを配置した状態を示している。
【0030】
液晶レンズ300は、一対の透明な下基板301と、上基板302とを有し、これらの間に液晶層303が設けられ、シール材305によりシールされてなる。下基板301には、透明導電膜310が形成されており、この透明導電膜310は、上透明導電膜310aと、下透明導電膜310bによりなる。上基板302には、対向電極311が形成されている。
【0031】
下透明導電膜310bは、液晶レンズ300の外部位置であって、下基板301の端部の信号電極306部分まで導出されている。対向電極311についても同様に信号電極306部分まで導出されている。信号電極306には、フレキシブルプリント基板100の接続部103が接続され、信号パターン102を介して図示しない他端まで引き出されている。フレキシブルプリント基板100の他端には、コネクタが設けられ、図示しない駆動部に接続されている。これにより、透明導電膜310と対向電極311間には、駆動部から所望の電圧の駆動信号が供給され、液晶レンズとしての駆動制御がなされる。
【0032】
また、フレキシブルプリント基板100のパターン片130Aは、上基板302に沿って熱伝導性のよい接着剤により接合される。これにより、フレキシブルプリント基板100の温度制御用パターン110が、上基板302に沿って配置される。この温度制御用パターン110には、駆動部から所望の電流が供給され、温度制御用パターン110は電流量に応じて発熱する。
【0033】
図4は、本発明の液晶光学装置としての液晶レンズを示す正面図である。図4に示すように、液晶レンズ300は、中央部に透明導電膜310のうち、上透明導電膜310aが複数、同心円状に形成されている。上透明導電膜310aの中心部は、光が透過する中心である。そして、円の内側から外側にかけて異なる電圧を印加することにより、液晶層303に印加される電圧に分布が生じさせ、屈折率に分布が生じて、レンズとして機能させることができ、例えば合焦点用のレンズとして用いることができる。
【0034】
図4に示すように、フレキシブルプリント基板100のパターン片130Aは、液晶レンズ300の上面を覆うが、開口部101bを介して液晶レンズ300を光が通過するようになっている。そして、温度制御用パターン110の折り返し部110aは、この開口部101bの周囲を所定径で周回するよう配置される。これにより、外気温が寒いとき(例えば気温温度がマイナスのとき、駆動部が温度制御用パターン110に対して所定の電流を供給し、温度制御用パターン110を発熱させて液晶レンズ300を通常動作可能な温度(例えば0°以上)となるよう暖める。これにより、温度低下時であっても、液晶の応答速度の低下を防止できるようになる。
【0035】
また、液晶レンズ300をフレキシブルプリント基板100にパターン形成された温度制御用パターン110により暖める構成であるため、フレキシブルプリント基板100自体が軽く、このフレキシブルプリント基板100が取り付けられた液晶レンズ300の全体重量も軽量化できる。これにより、液晶レンズ300自体が光学系内で移動する構成の場合であっても、この移動を迅速に制御できる。また、液晶レンズ300上に別途ヒータを接合した構成ではないため、厚さを薄くでき、光学系の特に光軸方向の小型化を図ることができるようになる。なお、フレキシブルプリント基板100は、液晶レンズ300の移動に合わせて撓むため液晶レンズ300の移動の負荷を生じさせない。
【0036】
温度制御用パターン110は、パターン形成時の厚さあるいは太さに応じてヒータとしての温度制御量を変更することができ、温度制御用パターン110に対して供給する電流量の可変制御と組み合わせて温度制御量を自在に設定できる。
【0037】
図5−1〜図5−6は、実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。まず、図5−1の正面図に示すように、液晶光学素子500の信号電極306b上に異方性導電フィルム(ACF)510を加熱圧着する。
【0038】
次に、図5−2に示すように、液晶光学素子500にフレキシブルプリント基板520を取り付ける。フレキシブルプリント基板520は、液晶光学素子500の光の透過部分が四角形状(例えば液晶表示装置)であるのに合わせて開口部101bが四角形状とした例である。まず、信号電極306b部分にフレキシブルプリント基板520の接続部103を位置させ、上からホットプレス(加圧および加熱)する。これにより、異方性導電フィルム510内部の導電粒が変形し、信号電極306bと接続部103との間を導通させるとともに、異方性導電フィルム510が硬化して信号電極306bに対して接続部103が固着保持される。なお、図示しないが、接続部103には信号パターンが接続され、パターン片530A部分には温度制御用パターンが形成されている。
【0039】
切断部120は、図示の例では、切り込みではなく、接続部103と、パターン片530Aとの間に空間を有するようフレキシブルプリント基板520を切り抜き形成してなる。また、不図示であるが、切断部120近傍において、フレキシブルプリント基板520が折れ曲がる箇所p1、p2を含む範囲(図中範囲P)には、別体の所定厚さの保護シートを重ねて設ければフレキシブルプリント基板520の切断や信号パターンおよび温度制御用パターンの断線を防止できる。なお、図中521は、フレキシブルプリント基板520の他端側に設けられるコネクタである。
【0040】
次に、図5−3に示すように、フレキシブルプリント基板520のパターン片530A部分(図中斜線部)を液晶光学素子500の面に接着する。図5−4は、図5−3の側断面図である。図示の例では、液晶光学素子500の下基板301側にパターン片530Aを接着剤550により接着する。パターン片530Aの接着時には、このパターン片530Aを接続部103が設けられている側から一端側にかけて図中X方向にローラで圧力をかけながら行う。これにより、パターン片530A部分の接着面における気泡の発生を防止できる。そして、このパターン片530Aに設けられた温度制御用パターン110(不図示)により、液晶光学素子500を温度制御することができる。
【0041】
図5−5および図5−6は、偏光板を設けた状態を示す側断面図である。液晶光学素子500に偏光板を設ける場合には、図5−5に示すようにフレキシブルプリント基板520のパターン片530A上に、偏光板560を接着剤551を用いて設ける。また、図5−6に示すようにフレキシブルプリント基板520の内部(パターン片530Aの内部)に、偏光板560を接着剤を用いて設けることもできる。パターン片530A上の外の位置に偏光板560を設ける場合には、位置決めが楽に行え、パターン片530Aの内部に設ける場合には、パターン片530A内へのゴミの進入を防止できるとともに、下基板301に傷があった場合、この傷を接着剤が埋めることになり、傷の影響を低減できるようになる。
【0042】
上記の製造方法によれば、フレキシブルプリント基板100の製造時に、ヒータとして機能する温度制御用パターン110を予め形成しておくことができ、液晶光学素子(液晶レンズ300)に対してヒータを取り付ける作業の手間を省くことができ、部品数と、工数を低減して製造の容易化を図ることができる。同時に、パターン形成で予め所望の位置に設けることができるため、液晶光学素子(液晶レンズ300)への取り付け位置を精度よく行えるようになる。また、フレキシブルプリント基板100自体が薄く可撓性を有するため、このフレキシブルプリント基板100が液晶光学素子(液晶レンズ300)の面に密接して貼り付けることができるようになる。特に、貼り付け時にフレキシブルプリント基板100の他端側(接続部103)から一端101a側にかけて少しずつ貼り付けていけば、貼り付け面の内部から空気を押し出し、接合面に気泡が生じないようにできる。これにより、フレキシブルプリント基板100が液晶光学素子(液晶レンズ300)の面に密接して貼り付けることができ、温度制御用パターン110による発熱を効率よく、液晶光学素子(液晶レンズ300)に伝導させることができ、熱伝導の効率化を図ることができる。
【0043】
以上説明した実施の形態1によれば、フレキシブルプリント基板の配線パターンをヒータとして用いて液晶光学素子を暖める構成であるため、簡単な構成で低温時における応答速度の低下を防止でき、これを小型、軽量に構成でき、製造時における部品点数を減らすことができ、組み立てについても容易に行えるようになる。
【0044】
また、信号配線とヒータ用の配線を一つのフレキシブルプリント基板にまとめることができ、部品の段階では、厚さを取らず、収納性に優れている。そして、ヒータそのものも配線パターンで形成しているため、一つのフレキシブルプリント基板でヒータ付きの機能を有し、部品点数を削減できる。取り付け時には、部品の取り付け忘れを防止でき、液晶光学素子の高さに沿って折り曲げてパターン片を形成し、このパターン片を液晶光学素子の面に接合するだけでヒータ機能を持たせることができ、取り付けを容易に行うことができ、さらには取り付け状態を想定して各部が形成されているため、組み立て精度も向上できるようになる。
【0045】
(実施の形態2)
次に、図6は、本発明の実施の形態2によるフレキシブルプリント基板を示す斜視図である。実施の形態1と同じ構成には、同一の符号を付してある。実施の形態2において実施の形態1と異なるのは、フレキシブルプリント基板100に2つの温度制御用パターン110,610を形成した点にある。そして、温度制御用パターン110の折り返し部110aと、温度制御用パターン610の折り返し部610aとは異なる半径で形成されている。また、折り返し部110aと折り返し部610aとの間には、プリント基板101に略半円状の切り込みを入れた切断部620が設けられている。
【0046】
これにより、フレキシブルプリント基板100の一端には、折り返し部110aに沿った円環状のパターン片630Aと、折り返し部610aに沿った円弧状でパターン片630Aより小径なパターン片630Bと、が形成される。パターン片630Bには、開口部101bが開口形成される。この図6に示すように、プリント基板101の一端101aに位置するパターン片630Aは、折り返し部110aの形状に合わせて円弧状に形成してもよい。
【0047】
図7は、図6に記載のフレキシブルプリント基板を撓ませた状態を示す斜視図であり、図8は、本発明の液晶レンズを示す側面図である。プリント基板101は、液晶光学素子の高さに合わせてパターン片630Aとパターン片630Bとをそれぞれ異なる高さ方向に折曲させることができる。図の例では、パターン片630Aを下方に折り曲げ、パターン片630Bを上方に折り曲げた状態であり、パターン片630A,630B間の高さH1は、液晶光学素子(液晶レンズ300)の高さである。
【0048】
図8に示すように、液晶レンズ300は、信号電極306部分の下基板301が突出しているため、この突出長さ分に合わせて切断部620の切り込み位置を決めておけばよい。この実施の形態2によれば、液晶レンズ300の表面側にパターン片630Aを面接合させ、液晶レンズ300の表面側にパターン片630Bを面接合させることができ、これら表裏両面のパターン片630A,630Bに設けられた温度制御用パターン110,610により、液晶レンズ300を表裏両面から暖めることができ、より短時間で効率的に暖めることができるようになる。このような構成においても、それぞれの温度制御用パターン110,610は、配線パターンであるため、プリント基板101の折り曲げに沿って折り曲げることができ、液晶レンズ300の面に沿って配置できる。
【0049】
また、この実施の形態2の構成においても、折り曲げ部分に接続部103が位置しても、切断部120によりこの接続部103がつられて折り曲がることがなく水平状態を維持でき、液晶レンズ300の信号電極306に安定接続できる。
【0050】
以上説明した実施の形態2によれば、実施の形態1において説明した効果に加えて、2つのパターン片を有し、液晶光学素子を両面から暖めることができるため、より早く暖めることができ、応答速度の低下を迅速に回復できるようになる。この2つのパターン片は、プリント基板100に切り込みを入れるだけで簡単に設けることができる。
【0051】
(実施の形態3)
上記の各実施の形態では、液晶光学素子の表裏面に温度制御用パターンが形成されたパターン片を沿わせる構成とした。これに限らず、温度制御用パターンが形成されたパターン片は、互いに固定される一対の液晶光学素子の間に配置する構成にもできる。
【0052】
図9は、本発明の実施の形態3による液晶光学素子を示す側断面図である。図示のフレキシブルプリント基板900上においても、プリント基板901の一端から他端にかけて温度制御用パターン910が形成されている。一端側のパターン片930Aは、図示のように、一対の液晶レンズ300a,300bの間に介挿する形で設けられ、液晶レンズ300a,300bの固定時に同時に固定される。液晶レンズ300a,300bは、実施の形態1、2において説明した液晶レンズ300と同一の構成である。
【0053】
そして、これら2つの液晶レンズ300a,300bとして、互いに配向方向が90°異なるものを用いることにより、入射する光の偏光面に影響を受けない液晶レンズが得られる。液晶レンズ300aはP波用であり、液晶レンズ300bはS波用であり、互いの液晶層の配向方向が互いに90°異なる。これにより、P波用の液晶レンズ300aの屈折率分布を変化させた場合、P波用の液晶レンズ300aの配向方向と同じ方向の偏光面を有する光は、屈折率分布の変化の影響を受けるが、P波用の液晶レンズ300aの配向方向に直交する方向の偏波面を有する光は、屈折率分布の影響を受けない。S波用の液晶レンズ300bについても同様であり、S波用の液晶レンズ300bの屈折率分布を変化させた場合、S波用の液晶レンズ300bの配向方向と同じ方向の偏光面を有する光は、屈折率分布の変化の影響を受けるが、S波用の液晶レンズ300bの配向方向に直交する方向の偏波面を有する光は、屈折率分布の影響を受けない。
【0054】
このような2つの液晶レンズ300a,300bの間に温度制御用パターン910を形成したパターン片930Aを設けることにより、これら2つの液晶レンズ300a,300bを同時に暖めることができるようになる。図に示す例では、パターン片930Aは、プリント基板901の長さ方向を延長する形で直線状に2つの液晶レンズ300a,300b間に介挿される。一方、接続部903aが形成されたパターン片940Aと、接続部903bが形成されたパターン片940Bは、プリント基板901に対して上下それぞれに折り曲げられ、接続部903aが液晶レンズ300aの信号電極306aに接続され、接続部903bが信号電極306bに接続される。
【0055】
上記構成では、2つの液晶レンズ300a,300b間に温度制御用パターン910が形成されたパターン片930Aを配置する構成とした。これに限らず、液晶レンズ300aの上面および液晶レンズ300bの裏面にもそれぞれ温度制御用パターンが形成されたパターン片を接合する構成にもできる。最大で計3つのパターン片を設けて液晶レンズ300a,300bの温度制御を行うことができる。
【0056】
以上説明した実施の形態3によれば、液晶レンズが液晶層の配向方向が異なる2つの液晶レンズによりなる場合、これら2つの液晶レンズ間にフレキシブルプリント基板の温度制御用パターンを配置して暖める構成であるため、簡単な構成で低温時における応答速度の低下を防止でき、これを小型、軽量化できる。
【0057】
図10−1〜図10−4は、実施の形態3による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。以下、図9に示した液晶レンズを例に説明する。液晶光学素子は、一対の液晶レンズ300a,300bによって構成されている。予め、液晶レンズ300a,300bの信号電極306a,306bには、それぞれ異方性導電フィルム(ACF)1010が加熱圧着されている。
【0058】
はじめに、図10−1の正面図、および図10−2の側断面図に示すように、一方の液晶レンズ300aに開口部101bを有するフレキシブルプリント基板900を取り付ける。この際、信号電極306a部分にフレキシブルプリント基板900のパターン片940Aに設けられた接続部903aを位置させ、上からホットプレス(加圧および加熱)する。これにより、異方性導電フィルム1010内部の導電粒が変形し、信号電極306aと接続部903aとの間が導通するとともに、異方性導電フィルム1010が硬化して信号電極306aに対して接続部903aが固着保持される。なお、図示しないが、接続部903aには信号パターンが接続され、パターン片930A部分には温度制御用パターンが形成されている。
【0059】
切断部120は、図示の例では、切り込みではなく、パターン片930A,940A,940Bの間にそれぞれ空間を有するようフレキシブルプリント基板900を切り抜き形成してなる。図中921は、フレキシブルプリント基板520の他端側に設けられるコネクタである。そして、フレキシブルプリント基板900のパターン片930A部分(図中斜線部)を液晶レンズ300aの下基板301aに接着剤950aを用いて接着する。
【0060】
次に、図10−3に示すように、他方の液晶レンズ300bの下基板301bをフレキシブルプリント基板900のパターン片930Aに接着剤950bを用いて接着する。最後に、図10−4に示すように、信号電極306b部分にフレキシブルプリント基板900のパターン片940Bに設けられた接続部903bを位置させ、上からホットプレス(加圧および加熱)する。これにより、液晶レンズ300bの信号電極306bと接続部903bとの間が導通するとともに、異方性導電フィルム910が硬化して信号電極306bに対して接続部903bが固着保持される。
【0061】
以上の工程により製造された液晶レンズ300a,300bは、これら液晶レンズ300a,300bの間にパターン片930Aを配置し、このパターン片930Aに設けた温度制御用パターン110(不図示)により、いずれも温度制御することができる。
【0062】
(実施の形態4)
次に、上記各実施の形態において説明した温度制御用パターンの他の変形例についてそれぞれ説明する。図11は、温度制御用パターンのパターン例(その1)を示す図である。この図に示すように、フレキシブルプリント基板100上に形成する温度制御用パターン110は、液晶レンズ300への接合面であるパターン片130Aにおいて、開口部101bを除く位置に巻回した巻回部110cとして形成することもできる。温度制御用パターン110は、入出力のパターンが平行に一対設けられ、この一対のパターンが巻回部110cで巻回され、折り返し部110dで折り返されてなる。この温度制御用パターン110は、入出力間を繋ぐ1本のパターンが折り返し部110dで折り返されたものである。巻回部110cにおける巻回数は、温度制御用パターン110自体の幅に応じて任意に設定できる。これにより、パターン片130A部分における温度制御用パターン110の長さを長く取ることができ、接合される液晶レンズ300温度制御の応答性を向上でき、直ちに暖めることができるようになる。
【0063】
図12は、温度制御用パターンのパターン例(その2)を示す図である。この図に示すように、フレキシブルプリント基板100上に形成する温度制御用パターン110は、配線パターン110eと、パターン片130Aの開口部101bを除く位置に形成した面状の面パターン110fで構成できる。面パターン110fは、配線パターン110eに接続されており、これら面パターン110fと配線パターン110eは、異なる材質のパターンであってもよいし、面パターン110f側の抵抗値が異なっていてもよい。例えば、面パターン110f側の発熱が大きくなるような材質あるいは抵抗値を設定する。これにより、パターン片130A部分における面パターン110fの面積を大きく取ることができ、接合される液晶レンズ300温度制御の応答性を向上でき、直ちに暖めることができるようになる。
【0064】
図12の変形例としては、面パターン110fが面状のパターンを形成したものに限らず、温度制御用の半導体素子、例えばペルチェ素子を配置して構成することもできる。ペルチェ素子を設けることができれば、発熱に限らず液晶レンズ300の高温時に通常温度まで冷却することもできるようになる。
【0065】
図13は、フレキシブルプリント基板のパターン例(その3)を示す図である。この図には、フレキシブルプリント基板100の他端側の構成を記載した。温度制御用パターン110の他端110gは、コネクタ1220に接続され、図示しない駆動部にコネクタ接続される。この他端110g部分は、他の箇所よりも幅広く形成しておく。例えば、図示のように他端110g側が次第に幅広くなるようテーパー部110hを形成してもよい。対応してコネクタ側も幅広い面積で接触するようにする。これにより、接続部分(コネクタ部分)での不要な発熱を抑えることができる。
【0066】
以上説明した実施の形態4のように、温度制御用パターンを各種変更することにより、温度制御用パターン110自体の発熱状態を変更させることができ、液晶レンズ300を暖める温度制御の特性を任意に設定できるようになる。
【0067】
以上説明したように、この発明のフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法によれば、予めフレキシブルプリント基板として配線パターンだけではなく温度制御用パターンについても製造しておくことができ、液晶光学素子の製造組み立て時に別途ヒータを組み込む必要がなく、フレキシブルプリント基板の組み込みによって液晶光学素子を温度制御できるようになる。また、フレキシブルプリント基板の可撓性を利用して液晶光学素子の面に密着して接合させることができるとともに、信号パターンと、温度制御用パターンとを異なる高さ位置に設けることができ、必要な面に温度制御用パターンを配置できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明にかかるフレキシブルプリント基板、液晶光学装置および液晶光学装置の製造方法は、温度制御が必要な液晶光学素子に有用であり、液晶表示装置や撮像装置の光学系に組み込まれる液晶レンズに適している。特に、携帯電話のカメラ部や内視鏡のカメラ部などの小型のカメラに適している。また、本発明は、通常の銀塩カメラ、デジタルカメラ、ムービーカメラなどの比較的大型のカメラにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態1によるフレキシブルプリント基板を示す斜視図である。
【図2】図1に記載のフレキシブルプリント基板を撓ませた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の液晶光学装置としての液晶レンズを示す側断面図である。
【図4】本発明の液晶光学装置としての液晶レンズを示す正面図である。
【図5−1】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図5−2】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図5−3】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図5−4】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図5−5】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図5−6】実施の形態1による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の実施の形態2によるフレキシブルプリント基板を示す斜視図である。
【図7】図6に記載のフレキシブルプリント基板を撓ませた状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の液晶レンズを示す側面図である。
【図9】本発明の実施の形態3による液晶光学素子を示す側断面図である。
【図10−1】実施の形態3による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図10−2】実施の形態3による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図10−3】実施の形態3による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図10−4】実施の形態3による液晶光学素子の製造方法を示す工程図である。
【図11】温度制御用パターンのパターン例(その1)を示す図である。
【図12】温度制御用パターンのパターン例(その2)を示す図である。
【図13】フレキシブルプリント基板のパターン例(その3)を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
100 フレキシブルプリント基板
101 プリント基板
101a 一端
101b 開口部
102 信号パターン
103 接続部
110 温度制御用パターン
110a 折り返し部
120 切断部
130A パターン片
300 液晶レンズ
301 下基板
302 上基板
306 信号電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント基板において、
信号を送信する信号パターンと、
前記信号パターンよりも抵抗が高い発熱用の温度制御用パターンと、
を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
【請求項2】
前記温度制御用パターンは、所定の抵抗率を有する銅箔を所定形状にパターン形成してなり、電流印加により発熱するヒータとして機能することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板は更に開口部を有し、
前記温度制御用パターンは、前記開口部の周囲に所定長を有してパターン形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項4】
前記温度制御用パターンは、前記開口部の周囲に巻回状に形成された所定長を有してパターン形成されていることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項5】
前記温度制御用パターンは、入出力用のパターンが一対で前記開口部の周囲に巻回状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント基板は更に切断部を有し、
前記切断部によって、前記信号パターンの面が形成されたパターン片と、前記温度制御用パターンの面が形成されたパターン片とが、それぞれ異なる高さ位置に撓み配置自在なことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項7】
前記温度制御用パターンが形成されたパターン片は2つ形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項8】
液晶光学素子と、
前記液晶光学素子に接続され該液晶光学素子に駆動信号を入力する請求項1〜7のいずれか一つに記載のフレキシブルプリント基板と、
を有することを特徴とする液晶光学装置。
【請求項9】
複数の前記液晶光学素子が互いに接合され、当該接合の面に前記温度制御用パターンが形成されたパターン片が介挿状態で固定されることを特徴とする請求項8に記載の液晶光学装置。
【請求項10】
前記駆動部に接続される前記他端は、前記温度制御用パターンの幅を幅広に形成されたことを特徴とする請求項8または9に記載の液晶光学装置。
【請求項11】
前記液晶光学素子は、透過する光の屈折率を変化させる液晶レンズであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の液晶光学装置。
【請求項12】
前記液晶光学素子としての前記液晶レンズは、光学レンズ群の光路上に配置され、ズーム駆動により光軸方向に移動するとともに、当該ズーム時における合焦点制御を行うことを特徴とする請求項11に記載の液晶光学装置。
【請求項13】
液晶光学素子にフレキシブルプリント基板を取り付ける液晶光学装置の製造方法において、
前記フレキシブルプリント基板に設けられた駆動用の信号パターンを前記液晶光学素子の信号電極に取り付ける第1の工程と、
前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記信号パターンと異なる位置に設けられた温度制御用パターンが形成されたパターン片を撓ませて前記液晶光学素子の所定の面に面接合させる第2の工程と、
を含むことを特徴とする液晶光学装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2の工程は、前記パターン片を前記液晶光学素子の所定の面上の一方から他方に向けて連続的に圧力をかけながら接着していくことを特徴とする請求項13に記載の液晶光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図10−4】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−242274(P2008−242274A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85394(P2007−85394)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】