説明

フレキシブルプリント配線板

【課題】反りやうねり等の変形の発生を防止して、電子機器に接続する際の作業性を向上させることができるフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板1は、基材上に設けられた導体により形成された配線パターン5bを有するとともに、電子機器の導体パターンに接続される出力端子部16が設けられた出力配線部22とを備えている。そして、出力配線部22には、出力配線部22の変形を防止するための変形防止部材30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の部品として用いられるフレキシブルプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化・軽量化の要請から、電子機器分野においては、様々な電子部品が実装されたフレキシブルプリント配線板が使用されている。例えば、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル等の電子機器においては、ベースとなる基材の表面に導体を設けるとともに、入力配線部と出力配線部において、信号伝送用の配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板が使用されている。
【0003】
より具体的には、例えば、図4、図5に示すように、絶縁性の基材50と、接着剤層70を介して、基材50の表面上に設けられ、所定の導体回路パターン49を有するとともに、電子部品が搭載される回路部(または、電子部品搭載部)51が形成された導体52と、導体52の表面に設けられ、導体5上に積層された接着剤層71と、その上に積層された樹脂フィルム72により構成された絶縁層53と、導体52により形成され、回路部51から引き出された配線パターン54を有する入力配線部55、および出力配線部56を備えたフレキシブルプリント配線板60が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、このフレキシブルプリント配線板60においては、図4、図5に示すように、入力配線部55には、配線パターン54に接続された入力端子部58が設けられるとともに、出力配線部56には、配線パターン54に接続された出力端子部57が設けられている。そして、このフレキシブルプリント配線板60を液晶パネル等の電子機器に使用する場合は、一般に、異方導電性フィルムや半田付けにより、配線パターン54の先端に形成された端子部(例えば、出力端子部57)を被接続部材である電子機器の導体パターンに接続する構成となっている。
【特許文献1】特開平11−298094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フレキシブルプリント配線板は、可撓性(フレキシビリティー)を確保するために、厚みが薄く形成されているため、剛性が低い。従って、反りやうねり等の変形が発生しやすいため、取り扱いが困難になり、作業性が低下するという問題があった。より具体的には、図6に示すように、フレキシブルプリント配線板60の出力配線部56に反りやうねり等の変形が発生しやすく、異方導電性フィルムや半田付けにより、出力端子部57を被接続部材である電子機器の導体パターンに接続する際に、接続精度が低下するという問題があった。特に、図4、図6に示すように、出力配線部56に位置合わせ用のアライメントマーク59が設けられている場合、一般に、当該アライメントマーク59をCCDカメラ等で認識し、位置合わせを行うが、出力配線部56に反りやうねりが発生すると、アライメントマーク59の認識が困難になり、結果として、電子機器の導体パターンとの接続が困難になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、反りやうねり等の変形の発生を防止して、電子機器に接続する際の作業性を向上させることができるフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、基材上に設けられた導体により形成された配線パターンを有するとともに、電子機器の導体パターンに接続される端子部が設けられた配線部を備えるフレキシブルプリント配線板において、配線部には、配線部の変形を防止するための変形防止部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
同構成によれば、フレキシブルプリント配線板の配線部に反りやうねり等の変形が発生するのを防止することができる。その結果、例えば、異方導電性フィルムや半田付けにより、配線部に設けられた端子部を被接続部材である電子機器の導体パターンに接続する際に、フレキシブルプリント配線板の取り扱いが容易になり、作業性が向上することになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板であって、変形防止部材は、配線パターンを形成する導体により形成されていることを特徴とする。同構成によれば、配線部に変形防止部材を設ける場合に、別部材を別個に用意する必要がなくなるため、簡単な構成で、フレキシブルプリント配線板の配線部に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板であって、配線部には、アライメントマークが形成されており、変形防止部材が、アライメントマークの周辺に設けられていることを特徴とする。
【0010】
同構成によれば、アライメントマークの周辺において、反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。従って、アライメントマークの認識、および位置合わせが容易になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板の配線部に反りやうねり等の変形が発生するのを防止することができる。また、配線部に設けられた端子部を被接続部材である電子機器の導体パターン部に接続する際に、フレキシブルプリント配線板の取り扱いが容易になり、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の概略構成を示す表面側の平面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は、図1のB−B断面図である。なお、本実施形態においては液晶パネルやプラズマディスプレイパネル等の電子機器に使用されるフレキシブルプリント配線板を例に挙げて説明する。
【0013】
このフレキシブルプリント配線板1は、図1、図2に示すように、柔軟な樹脂フィルムにて形成された絶縁性の基材2の片面に、接着剤層3を介して導体5を設けた、いわゆる片面板であって、当該導体5を覆うように、その片面に絶縁層であるカバーレイフィルム7を設けたものである。
【0014】
また、フレキシブルプリント配線板1には、図1に示すように、導体5により形成され、例えば、チップコンデンサー、チップ抵抗、コネクター等の電子部品が電気的に接続される導体回路パターン5aを有する回路部20が設けられている。また、図2に示すように、フレキシブルプリント配線板1は、導体5により形成され、回路部20から引き出された配線パターン5bを有する入力配線部21と出力配線部22を備えている。なお、図1に示すように、出力配線部22には、位置決め用のピン穴であるアライメントマーク17が設けられている。
【0015】
また、入力配線部21には、配線パターン5bに接続された入力端子部15が設けられるとともに、出力配線部22には、配線パターン5bに接続された出力端子部16が設けられている。そして、この入力端子部15と出力端子部16を液晶パネル等の被接続部材である電子機器の導体パターン(不図示)と電気的に接続すべく、カバーレイフィルム7を形成せずに入力端子部15と出力端子部16を外部に露出させた構成となっている。
【0016】
また、図2に示すように、接続信頼性を高めるために、入力端子部15と出力端子部16の表面をめっき層11により被覆する構成としている。このめっき層11は、環境への配慮から、鉛を含有しないめっき層を使用することが好ましく、また、入力端子部15、出力端子部16と電子機器の導体パターン間の接続信頼性の低下を防止するとの観点から、鉛を含有しないめっき層11として、金めっき層を使用することができる。導体5の表面へのめっき処理は、無電解めっき法、または電解めっき法により行われ、金めっき層を設ける際には、露出した導体5の表面に対して、まず、拡散防止層としてのニッケルめっき層を形成した後、当該ニッケルめっき層の表面上に金めっき層を形成する方法が採用される。また、このフレキシブルプリント配線板1を液晶パネル等の電子機器に使用する場合は、異方導電性フィルムや半田付けにより、配線パターン5bの先端に形成された入力端子部15、出力端子部16を、電子機器の導体パターン部に接続する構成となっている。
【0017】
また、図2に示すように、カバーレイフィルム7は、導体5を覆うべく、導体5上に積層された接着剤層9と、その上に積層された樹脂フィルム10により構成されている。
【0018】
基材2を構成する樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。かかる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム等の、フレキシブルプリント配線板用として汎用性のある樹脂のフィルムがいずれも使用可能である。また、特に、柔軟性に加えて高い耐熱性や機械的強度をも有しているのが好ましく、かかる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリアミド系の樹脂フィルム、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルム、耐熱性ポリエステルフィルム、およびポリエチレンナフタレ−ト等が好適に使用される。また、樹脂フィルム10としては、基材2を構成する樹脂フィルムと同様のものを使用することができる。なお、これらの基材2、および樹脂フィルム10の厚みとしては、10μm〜150μmが好ましい。厚みが10μm未満の場合は、十分な機械的強度が得られない場合があり、また、150μmよりも大きい場合は、フレキシブルプリント配線板1の柔軟性が低下する場合があるからである。
【0019】
接着剤層3,9を構成する接着剤としては、柔軟性や耐熱性にすぐれたものが好ましく、かかる接着剤としては、例えば、ナイロン系、エポキシ樹脂系、ブチラール樹脂系、アクリル樹脂系などの、各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。さらに、これらの接着剤樹脂中にセラミック系フィラーやゴム系フィラーを分散させて使用することもできる。
【0020】
また、所定の導体回路パターン5a、配線パターン5bを有する導体5を構成する金属箔としては、銅箔が好適に使用される。また、この金属箔を、常法によりエッチングして、加工することにより、導体回路パターン5a、および配線パターン5bを有する導体5が形成されている。
【0021】
ここで、本発明のフレキシブルプリント配線板1においては、図1、図3に示すように、出力配線部22に、フレキシブルプリント配線板1の変形を防止するための変形防止部材30を設けている点に特徴がある。このような構成により、フレキシブルプリント配線板1の出力配線部22の剛性が向上するため、当該出力配線部22に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。
【0022】
また、本実施形態においては、この変形防止部材30を、配線パターン5bを形成する導体5により形成する構成としている。このような構成により、変形防止部材30を設ける場合に、別部材を別個に用意する必要がなくなる。
【0023】
また、本実施形態においては、図1、図3に示すように、変形防止部材30を、出力配線部22に形成されたアライメントマーク17の周辺に設ける構成としている。このような構成により、アライメントマーク17の周辺において、反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。従って、アライメントマーク17の認識、および位置合わせが容易になる。
【0024】
次に、フレキシブルプリント配線板1の製造方法の一例を説明する。フレキシブルプリント配線板1の製造工程としては、まず、基材2上に導体5が積層された積層体を作製する。より具体的には、柔軟な樹脂フィルムにて形成された基材2の片面に、接着剤層3を積層する。次いで、接着剤層3を介して積層された、銅箔などの金属箔を、常法によりエッチングして、導体回路パターン5a、配線パターン5bを有する導体5を形成する。この際、導体5を構成する金属箔をエッチングすることにより、出力配線部22に、変形防止部材30を形成する。即ち、配線パターン5bを形成する際に、変形防止部材30も同時に形成する構成となっている。このような方法により、製造工程を増やすことなく、簡単な方法で、変形防止部材30を形成することが可能になる。
【0025】
次いで、この導体回路パターン5a、および配線パターン5b上に、入力端子部15、および出力端子部16の周りに相当する部分を除いて、接着剤層9付きの樹脂フィルム10をラミネートして、カバーレイフィルム7を貼り合わせることにより、導体5の表面上にカバーレイフィルム7を積層する。
【0026】
そして、変形防止部材30が形成された領域において、例えば、所定の配線パターンや導体回路パターンの追加、パンチング、ドリリング、レーザー照射、および金型加工等によりアライメントマーク17を形成することにより、フレキシブルプリント配線板1が製造されることになる。なお、CCDカメラ等において、アライメントマーク17を認識する際の、認識性の向上の観点から、アライメントマーク17の直径は、0.1〜1.0mmとすることが好ましい。
【0027】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本発明のフレキシブルプリント配線板1においては、出力配線部22に、フレキシブルプリント配線板1の変形を防止するための変形防止部材30を設ける構成としている。従って、フレキシブルプリント配線板1の出力配線部22に反りやうねり等の変形が発生するのを防止することができる。その結果、例えば、異方導電性フィルムや半田付けにより、出力配線部22に設けられた出力端子部16を被接続部材である電子機器の導体パターンに接続する際に、フレキシブルプリント配線板1の取り扱いが容易になり、作業性が向上することになる。
【0028】
(2)本発明のフレキシブルプリント配線板1においては、変形防止部材30を、配線パターン5bを形成する導体5により形成する構成としている。従って、変形防止部材30を設ける場合に、別部材を別個に用意する必要がなくなるため、簡単な構成で、フレキシブルプリント配線板1の出力配線部22に、反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。
【0029】
(3)本発明のフレキシブルプリント配線板1においては、変形防止部材30を、出力配線部22に形成されたアライメントマーク17の周辺に設ける構成としている。このような構成により、アライメントマーク17の周辺において、反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に防止することが可能になる。従って、出力配線部22に設けられた出力端子部16を被接続部材である電子機器の導体パターン部に接続する際に、CCDカメラ等によるアライメントマーク17の検知、および位置合わせが容易になり、結果として、電子機器の導体パターンとの接続が容易になる。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0031】
・例えば、上記実施形態においては、出力配線部22に変形防止部材30を設ける構成としたが、入力配線部21においても、上述の変形防止部材30を設ける構成としても良い。このような構成により、出力配線部22のみならず、入力配線部21においても、反りやうねり等の変形が発生するのを防止することができる。その結果、入力配線部21に設けられた入力端子部15を被接続部材である電子機器の導体パターンに接続する際に、フレキシブルプリント配線板1の取り扱いが容易になり、作業性が向上することになる。
【0032】
・また、上記実施形態においては、変形防止部材30を、配線パターン5bを形成する導体5により形成する構成としたが、当該導体5以外の別部材により、変形防止部材30を形成しても良い。
【0033】
・また、導体5が、接着剤層3を介さず、直接、基材2上に形成される構成としても良い。その方法としては、例えば、導体5のもとになる金属箔の片面に、基材2のもとになるホットメルトタイプの樹脂フィルムを、高温高圧下でラミネートして貼り合わせる方法(ラミネーション法)、あるいは樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー、プレポリマーなど)を含む塗布液を塗布して、乾燥、固化させた後、必要に応じて硬化反応させて基材2を形成する方法(キャスティング法)や、基材2の片面に、例えば、無電解めっき、真空蒸着、スパッタリングなどを利用して導電層を形成し、次いで、電解めっきを行うことにより導体5を形成するめっき法などが挙げられる。
【0034】
・また、上記実施形態においては、フレキシブルプリント配線板1として、絶縁性の基材2の片面に導体5を設けた、いわゆる片面板を例に挙げて説明したが、柔軟な樹脂フィルムにて形成された絶縁性の基材の両面の各々に、2層の導体を設け、当該導体を覆うように、その両面に2層の絶縁層であるカバーレイフィルムを設けた、いわゆる両面板の配線部に、上述の、フレキシブルプリント配線板1の変形を防止するための変形防止部材30を設ける構成としても良い。
【0035】
・また、上記実施形態においては、導体5を覆うように、その片面に絶縁層であるカバーレイフィルム7を設ける構成としたが、当該絶縁層として、カバーレイフィルム7代わりに、ポリイミド系の感光性カバーコートインクからなる絶縁層を形成する構成としても良い。この絶縁層の形成方法としては、ポリイミド系の感光性カバーコートインクをスクリーン印刷等により塗布して乾燥させ、さらに露光現像することにより、導体5の表面上に、ポリイミド樹脂からなるフィルム状の絶縁層を形成する方法が採用できる。このようなフレキシブルプリント配線板においても、上述の、絶縁層としてカバーレイフィルム7を設けたフレキシブルプリント配線板1の場合と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の活用例としては、電子機器の部品として用いられるフレキシブルプリント配線板が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の概略構成を示す表面側の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】従来のフレキシブルプリント配線板の概略構成を示す表面側の平面図である。
【図5】図4のC−C断面図である。
【図6】図4のD−D断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…フレキシブルプリント配線板、2…基材、5…導体、5a…導体回路パターン、5b…配線パターン、7…カバーレイフィルム、15…入力端子部、16…出力端子部、17…アライメントマーク、20…回路部、21…入力配線部、22…出力配線部、30…変形防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に設けられた導体により形成された配線パターンを有するとともに、電子機器の導体パターンに接続される端子部が設けられた配線部を備えるフレキシブルプリント配線板において、
前記配線部には、前記配線部の変形を防止するための変形防止部材が設けられていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記変形防止部材は、前記配線パターンを形成する導体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
前記配線部には、アライメントマークが形成されており、前記変形防止部材が、前記アライメントマークの周辺に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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