説明

フレキシブル容器が収容する粘性製品の排出方法

本発明は、フレキシブル容器が収容する粘性製品を排出させるための方法及びキットに関し、粘性製品は、粘度が10Pa・s〜200,000Pa・sの製品群、例えば、シリコーン・ゴムもしくはシリコーン油から選択される。本発明に係る方法は、フレキシブル容器を使用し、フレキシブル容器を排出のために保管位置から排出位置へと随意的に移動させ、好ましくはフレキシブル容器の下方部分に配置される少なくとも一つの出口開口を通って、粘性製品がフレキシブル容器外へと流れ出ることを保証し、(i)フレキシブル容器を膨張状態もしくは部分的膨張状態に保つと共に、(ii)粘性製品の前記流れを加速するように、少なくとも一つの圧力部材及び/又は圧力流体を好ましくは含む加圧手段を用いて、フレキシブル容器の少なくとも一つの区画領域に圧力をかけ、かつ、最後に、一度フレキシブル容器が空になったら減圧することを本質的に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル容器、特にビッグバッグ(大きな袋)型のフレキシブル容器内に収容された粘性製品を連続的又は非連続的に排出させる方法に関し、この排出は、フレキシブル容器の下方部分に設けられた開口を通じて行われる。
【0002】
本発明はまた、フレキシブル容器に収容された粘性製品を排出するための装置を特に含む排出キットに関する。
【背景技術】
【0003】
更に詳しくは、本発明が関連する粘性製品は、粘度(粘性)が少なくとも10Pa・s、好ましくは10〜200,000Pa・sの製品である。この粘度は、25℃及び剪断勾配0.01.s-1でそれ自体既知の方法で測定される。換言すれば、本発明が関連する粘性製品は、重付加反応、重縮合反応もしくはデヒドロ(重)縮合反応によって架橋してエラストマーを形成し得るシリコーン油、シリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン組成物(随意的に水性乳剤の形態);反応性有機ケイ素基を含む有機ポリマー(MSポリマーと呼ばれる);及び、溶媒もしくは水性媒体に加えられ、アクリルポリマーを含み、かつ、乾燥によって架橋してエラストマーを形成し得る組成物である。これらは、特に、シリコーン・パテ、又は、ポリウレタンもしくは粘性インク等の他の粘性ポリマー製品であり得る。
【0004】
そのような粘性製品は、他の容器内に注がれたり注入される前に、もしくは他のパッケージに入れられる前に、ビッグバッグ型のフレキシブル容器にバルク(大量)貯蔵され得る。
【0005】
これら高粘度のペースト状製品は、当然、これらを容器から排出させること、もしくは容器間に移すことに関して著しい技術的制約がある。
【0006】
本発明の分野に類似する分野、すなわち低流動性粒状/粉末状材料の分野において、特許出願第DE−A−34 29 167号は、大量の粒状製品のためのフレキシブル容器から該製品を排出させるための方法及び装置を記述している。この文献によれば、ビッグバッグ型のフレキシブル容器は、一方側で該容器に装備されたハンドルを用いて吊され、他方側でホッパーに収容され、該ホッパーは、回転可能な偏心支持部と、ばねに取り付けられた二つの脚部とを用いて揺らされる。この振動排出装置は、フレキシブル袋に収容された粘性製品に適するようには見えない。
【0007】
例えばポリエチレン製の薄いプラスチック袋内に収容された粘性製品を圧力下で排出させるため、バレル内へと入り込んでバレル内を移動するように企図された圧力板を備えるバレルプレス機を用いて、堅いバレルから粘性製品を排出させるための技術も知られている。
【0008】
管で形成された機構を用いて粘性シリコーン製品を収容する押出し物から該製品を排出させる方法も存在する。上記管は、上記押出し物を受け入れるように企図され、該管内において、粘性製品を加圧するためのピストンが移動可能で、これにより、粘性製品が管外へと排出可能となる。
【0009】
更に、広い技術的背景には、粘性製品が装填された薄いポリエチレン袋を収容する堅い段ボール箱からなる容器を空にするためのシステムを含む。この種の容器は、圧力板を用いて空にされる。圧力板は、粘性製品をポリエチレン袋外へと排出させることができる。該粘性製品は、次いで、下流要素へと搬送される前に、収集目的のために設けられたポンプによって集められる。
【0010】
これら最後の三つの既知技術は本発明の範囲外にあり、本発明は、該既知技術で用いられる専門的で複雑な容器(バレル、タンク、鋼容器、もしくは特別な段ボール)とは別のビッグバッグ型のフレキシブル容器の排出に関連する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この状況において、本発明の本質的な目的は、粘性製品のためのフレキシブル容器から粘性製品を排出させる、容易に使用でき経済的な方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の本質的な目的は、250リットル以上の容量を有する、粘性製品のためのフレキシブル容器から粘性製品を排出させる方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の本質的な目的は、粘性製品のためのフレキシブル容器から粘性製品を排出させる方法であって、簡易で、経済的で、材料喪失が、例えば1.5%以下、更には0.8%以下等、ほとんどなくなり、かつ、使用する設備の洗浄がほとんどもしくは全く必要ない方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の本質的な目的は、粘性製品のためのビッグバッグ型のフレキシブル容器から粘性製品を排出させるためのキットであって、簡易で経済的な構造を有し、250リットル以上の容量を有するフレキシブル袋から粘性製品を排出させることを可能にし、また、容易に使用でき、材料喪失をほとんど生じさせず(1.5%以下)、かつ、洗浄がほとんどもしくは全く必要ないキットを提供することである。
【0015】
本発明の別の本質的な目的は、粘性製品のためのフレキシブル容器から粘性製品を排出させるためのキットであって、フレキシブル容器が輸送及び物流の工業上の要求に最適に応じるキットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの目的は、特に次の方法に関する本発明によって実現する。すなわち、フレキシブル容器が収容する粘性製品を排出させる方法であって、粘性製品は、粘度が少なくとも10Pa・s、好ましくは10〜200,000Pa・sの製品群から選択され、換言すれば、重付加反応、重縮合反応もしくはデヒドロ(重)縮合反応によって架橋してエラストマーを形成し得るシリコーン油、シリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン組成物(随意的に水性乳剤の形態);反応性有機ケイ素基を含む有機ポリマー(MSポリマーと呼ばれる);及び、溶媒もしくは水性媒体に加えられ、アクリルポリマーを含み、かつ乾燥によって架橋してエラストマーを形成し得る組成物であり、当該方法は、
フレキシブル容器を使用し、
フレキシブル容器を排出のために保管位置から排出位置へと随意的に移動させ、
好ましくはフレキシブル容器の下方部分に配置される少なくとも一つの出口開口が、粘性製品がフレキシブル容器外へと流れ出ることを許容することを保証し、
フレキシブル容器を膨張状態もしくは部分的膨張状態に保つと共に、粘性製品の前記流れを加速するように、少なくとも一つの圧力部材及び/又は圧力流体を好ましくは含む加圧手段を用いて、フレキシブル容器の少なくとも一つの区画領域に圧力をかけ、かつ、
排出の最後に減圧することを含むことを特徴とする方法である。
【0017】
発明者等は、粘性製品のためのフレキシブル容器から粘性製品を排出させるための方法論を発展させることに成功し、該方法論は、不便でかさばり複雑な従来の容器を不要にすることを可能にする。
【0018】
容器すなわちフレキシブル袋を少なくとも部分的に膨張状態に保つ特性は、特に、出口オリフィスが従来の裏張り袋によって塞がれる問題、資材を汚染する問題、及び材料喪失の問題を克服することを可能にする。少なくとも部分的な材料喪失の問題は、材料喪失を最小にするプリーツ(すなわちコンチェルティーナのようなもの)への圧縮を許容する本発明に従う技術によって解決される。
【0019】
本発明の方法の別の利益は、250リットルを超える容量、例えば1000リットルの容器の使用を可能にすることである。該容器は、粘性製品の装填及び排出の両方の観点から著しい生産性の向上をもたらす。
【0020】
本仕様で仕様で用いるすべての粘度値は、25℃及び剪断勾配0.01.s-1でそれ自体知られている方法で測定した粘度に相当することに留意するべきである。
【0021】
従って、本発明の本質的な特性の一つは、フレキシブル容器、例えばビッグバッグ型を使用することである。有利には、容器の壁は、フレキシブルであるにもかかわらず機械的に強く、更に好ましくは、問題になっている粘性製品に対して耐漏洩性特性を有する。
【0022】
本発明の好ましい特性によれば、この壁は、互いに同じか又は異なる材料、好ましくは織物からなる一又は複数のシートを含む、前記機械的強度を与える少なくとも一つの壁要素と、
(i)好ましくはコーティングの形態の少なくとも一つのポリマーフィルムにより、及び/又は、(ii)合成ポリマーフィルム(特にポリオレフィン(より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステルもしくはポリアミド)又は金属(特にアルミニウム)からなる群から選択される材料からなる一又は複数の層から構成される少なくとも一つの耐漏洩性裏張り袋により、形成される随意的な少なくとも一つのシーリング要素とを本質的に含み、前記裏張り袋は、前記機械的強度を与える壁要素に少なくとも部分的に固定され、より好ましくは壁要素に少なくとも部分的に付着接合及び/又は縫合される。
【0023】
そのような柔軟なエンベロープ(外皮もしくは包み)から形成されるこの容器は、粘性製品を保護する観点から十分なパッケージング(包装)である。例えば、単にパレットに置かれて固定されることにより、あるいは、排出方法とは無関係の他の容器に含められることにより、容易に移送できるのは自己収容型(独立型)パッケージングであり、これとは対照的に、薄いポリエチレン袋は、該ポリエチレン袋の移送及び排出の両方に使用される堅い容器に既知の方法で収容される。
【0024】
本発明に従う方法に使用されるフレキシブルエンベロープ容器は、例えば、織物(例えばポリプロピレン)袋(繊維製袋)であり得、該袋は、該織物に付着接合及び/又は縫合された、例えば多層の薄い袋(ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタラート)によって裏張りされる。該容器には、付随的かつ有利にハンドルが設けられ得、該ハンドルは、ホイスト又はフォークリフトトラックによって該容器が吊り下げられて操作されることを可能にする。
【0025】
これらのフレキシブル容器もしくはビッグバッグは、例えば500〜2,000リットルの大容量を有し得る。
【0026】
フレキシブルエンベロープ容器は、特に輸送及び保管の観点から有利には使い捨てとされ得る。例えば、これは、金属容器の複雑なサプライ・チェーン(供給プロセス)・ローテーションを避けることを可能にする。
【0027】
粘度が3000Pa・sのオーダーである製品、例えばシリコーン・パテは、本発明に従う粘性製品の例として言及され得る。
【0028】
本発明に従う方法は、出口直径を変えることによって、又は、問題となっている粘性製品の粘度の関数(機能)として及ぼされる圧力値を変えることによって得ることができる広範囲の排出速度を提供する。
【0029】
該方法中、製品と接触する資材の表面積を最小にすることにより、望ましい洗浄の節約が得られる。
【0030】
本発明に従う方法の有益な特性によれば、フレキシブル容器の出口開口は、
フレキシブル容器の壁を切除することにより、及び/又は、
一又は複数のオリフィスに排出のためのスパウトが設けられ得る場合、該オリフィスに嵌められた栓もしくはカプセルを取り外すことにより、及び/又は、
フレキシブル容器に既に設けられている開口を閉じるタイを取り外すことにより、得られる。
【0031】
従って、実施において、フレキシブル容器の壁の一部もしくはスパウトの一部を切除すること、あるいは、開口を閉じているタイ及び/又は結び目を解くことが可能である。
【0032】
本発明に従う方法の第1実施形態によれば、次の排出装置が提供される。すなわち、該排出装置は、少なくとも一つのピストンを有する少なくとも一つの圧力部材と、排出させるフレキシブル容器を又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの排出容器とを備え、該排出容器は、前記圧力部材のピストンが移動する際、特にフレキシブル容器の加圧又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋のみの加圧に対応する順方向に移動する際、該ピストンと相互作用して該ピストンのためのガイドとしての役割を果たすことができる雌部材として設計される。
【0033】
この第1実施形態の変形によれば、
排出容器は、(密封)閉鎖可能に設計され、また、
ピストンは、圧力流体の動作下で移動可能となる。
【0034】
この変形との関連で、本発明によれば、膨張式ジャッキに収容された圧力流体を使用すること有利であり得る。このジャッキは、ピストン(5.1)と容器(6)の開閉可能(リバーシブル)な閉蓋との間に収容され、かつ、容器(6)外へと粘性製品(2)を排出することを可能にするため、該ジャッキを膨張させ、その結果、ピストン(5.1)を移動させるための圧力流体供給手段に接続される。
【0035】
本発明に従う方法の第2実施形態によれば、次の排出装置が提供される。すなわち、該排出装置は、
排出させるフレキシブル容器を又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの加圧可能な排出容器)を備え、
該排出容器は、粘性製品を排出容器外に排出させるために圧力流体を用いて加圧される。
【0036】
本発明に従う方法の第3実施形態によれば、次の排出装置が提供される。すなわち、該排出装置は、
少なくとも一つのローラーと少なくとも一つのカウンターローラー要素との少なくとも一つの組、好ましくは、それぞれの軸線回りに回転可能な少なくとも二つの実質上平行なローラー、を有する少なくとも一つの圧力部材と、開口が底部に配置されるようにフレキシブル容器を吊り下げるための手段とを備え、
該排出装置は、二つのローラー間をフレキシブル容器が移動しつつ、これら二つのローラーが回転してフレキシブル容器を圧縮しながら下方に移動できるように設計され、前記ローラーは付随的に少なくとも一つのモーターによって回転駆動可能であり、この機構は、付随的に、吊り下げられたフレキシブル容器の好ましくは電動式の上方牽引と組み合わされるか又は該上方牽引と置き換えられる。
【0037】
第1実施形態の変形及び第2実施形態に用いる流体は、気体又は液体であり得る。流体は、50Pa・s以下の粘性を有する液体であり得る。水は、この目的に完全に適しているかもしれない。
【0038】
本発明に従う方法は、容器の出口で粘性製品を機械的に収集することなく機能するが、長距離にわたる移送、もしくは大きな圧力低下をもたらす導管を介する移送が必要な場合、又は、この移送から経済的な利点を得るため、機械的構成要素(例えば、ポンプ、スクリュー、ダブルスクリュー)による、排出される粘性製品の増加(促進)を与えることも完全に実施可能である。
【0039】
一実施形態によれば、排出される粘性製品は、貯蔵手段又はパッケージング手段に移送され得る。
【0040】
本発明の有利な一バージョンによれば、フレキシブル容器から又は随意的にフレキシブル容器の裏張り袋のみから排出される粘性製品は、該粘性製品を適切なパッケージにパッケージングするための少なくとも一つのパッケージング組立体に、パッケージング組立体の消費量より大きいか該消費量に等しい適切な流量で供給される。
【0041】
最大の生産性を提供するため、簡なる排出の場合、できるだけ高い流量が有利であるが(例えば、1000Pa・sの粘性製品に対し、50リットル/分を超える流量)、パッケージャー(packager)に供給する場合、高瞬時流量(例えば、1リットル/分)を提供することが望ましい。流量は、本質的に、ポアズイユの法則のすべてのパラメータ(粘度、圧力差、出口導管の幾何学的形態)に依存すると共に、粘性製品の出口を妨げる要素、すなわち、弁、フィルタ、粗さ等に依存する。
【0042】
例えば、パッケージング組立体は、粘性製品、特にシリコーン・パテを、該パッケージング組立体の消費量に少なくとも等しい適切な流量でカートリッジ化するための装置(「カートリッジャー」)であり得ることが記載され得る。
【0043】
本発明の別の有利なバージョンによれば、フレキシブル容器から又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋から排出される粘性製品は、該粘性製品を貯蔵するための手段、及び/又は、該粘性製品をその流量を高めるために移動させるための機械的手段に供給され、該機械的手段は、好ましくは、ポンプ、(ダブル)スクリューからなる群から選択される。
【0044】
本質的に、本発明に従う方法は、排出装置の数、及び、パッケージング、貯蔵又は機械的収集のために下流に配置される手段の数に関して限定されない。
【0045】
本発明に従う方法は、粘性製品を収容するフレキシブル容器の壁に圧力をかけることにより、この容器の柔軟性を活用することを含む。該圧力は、該容器が少なくとも部分的に膨張した状態で保たれ、かつ粘性製品が排出されるように、粘性製品にほぼ完全に伝達される。この粘性製品の連続的又は非連続的な排出は、フレキシブル容器に(例えば、切除により、栓を外すことにより、又は、排出スパウトを通じて)形成された開口を通じて、あるいは、排出装置の下流の手段又は関連要素に設けられた一又は複数の開口を通じて行われる。フレキシブル容器の表面の一部のみにかけられた圧力に起因するフレキシブル容器の膨張状態は、該容器の壁の恒久的緊張を保ち、従って、粘性製品が出てくる開口を塞ぎがちなランダムな折りたたみの危険性を取り除くことを可能にする。
【0046】
作用する圧力は、例えば、直接排出の場合は1〜6バールである。他方、粘性製品の出口流量は、該装置の下流に配置される手段又は要素の消費量以上となるように調整され得る。
【0047】
排出の最後に、部分的に又は完全に、フレキシブル容器(従って製品)の減圧が本発明に従って実行される。
【0048】
排出される容器が排出位置とは異なる貯蔵位置を有する場合、フレキシブル容器及び該容器が収容する残っている粘性製品は貯蔵位置に戻される。この付随的な作業は、先の粘性製品と不適合な別の粘性製品を排出することが可能となる程十分に迅速であり、例えば、先の粘性製品の排出終了から次の粘性製品の排出開始までが、例えば、わずか10分後である。
【0049】
本発明に従う方法は、次の点を含む。すなわち、
フレキシブル容器の寸法及び特性が排出条件にとって適切であるように該容器を制御もしくは設計すること。
フレキシブル容器をその貯蔵位置及び/又は移送抑制から排出位置へと移送すること。
材料喪失を最小限にし、かつ出口オリフィスの閉鎖リスクを避けるように、フレキシブル容器の排出時に該容器を圧縮すること。
フレキシブル容器が圧力下でつぶれないように、該容器を強くすること。
排出中の圧力及び流量パラメータを評価(値の決定)すること。
二つの不適合な粘性製品を時間とともに切り替えること。
粘性製品が、後に洗浄が必要となる汚される要素を最小数にするように、また、可能であれば使い捨て要素又は交換要素のみとなるように(例えば、フレキシブル容器及び/又はその使い捨ての裏張り袋、並びに、粘性製品を別の粘性製品に変える際に交換を要するフレキシブル接続管)、粘性製品が進行する経路を設定すること。
【0050】
本発明の別の側面によれば、本発明は、上述した方法を実行するためのキットに関し、該キットは、
粘度が10Pa・s以上、好ましくは10Pa・s〜200,000Pa・sの製品群から選択される粘性製品であって、
重付加反応、重縮合反応もしくはデヒドロ(重)縮合反応によって架橋してエラストマーを形成し得るシリコーン油、シリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン組成物;及び反応性有機ケイ素基を含む有機ポリマーである粘性製品と、
粘性製品に対する耐漏洩性と機械的強度とを有するフレキシブル容器であって、好ましくは、持ち上げ及び/又は吊り下げのためのハンドルを備えるフレキシブル容器と、
少なくとも一つの圧力部材及び/又は少なくとも一の圧力流体を含む排出装置と、
粘性製品を適切なパッケージングにパッケージングするための付随的な少なくとも一つのパッケージング組立体と、
粘性製品をその流量を高めるために移動させるための付随的な機械的手段であって、好ましくは、ポンプ、(ダブル)スクリューからなる群から選択される機械的手段と、
付随的な貯蔵手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
本発明の有利な一特性によれば、フレキシブル容器は好ましくは壁を有し、該壁は、
互いに同じか又は異なる材料、好ましくは織物からなる一又は複数のシートを含む、前記機械的強度を与える少なくとも一つの壁要素と、
付随的に、(i)好ましくはコーティングの形態の少なくとも一つのポリマーフィルムにより、及び/又は、(ii)合成ポリマーフィルム(特にポリオレフィン(より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステルもしくはポリアミド)又は金属(特にアルミニウム)からなる群から選択される材料からなる一又は複数の層から構成される少なくとも一つの耐漏洩性裏張り袋により、形成される少なくとも一つのシーリング要素とを含み、
前記裏張り袋は、使用時において、前記機械的強度を与える壁要素に固定され、かつ、好ましくは壁要素に少なくとも部分的に付着接合及び/又は縫合される。
【0052】
更に好ましくは、フレキシブル容器は、コーティングされていない状態の重量が100〜300g/m2である織物を基礎にして作製された機械的強度及び耐漏洩性を有する壁(25)を有し、裏張り袋(26)は、5〜500ミクロンの厚さを有する。
【0053】
実施において、フレキシブル容器は、1000リットル容器に対し密度が150〜300g/m2のポリプロピレン織物であり得る。
【0054】
裏張り袋は、例えば、機械的に強い壁の内面又は外面に付着接合又は縫合される。この薄い裏張り袋は、厚さが10〜250ミクロンであり得る。壁及び裏張り袋の織物厚さは、望ましい機械的強度及び物理化学的保護に依存する。
【0055】
付随的に、フレキシブル容器には、該容器のスパウトと同じ構造又は異なる構造の一又は複数のスパウトが設けられる。
【0056】
本質的に、フレキシブル容器に付随的に設けられる各スパウトは、該容器の排出又は装填のために使用され得、また、更に、例えば栓、又は節のある(結び目付きの)タイを用いて開口を閉鎖するものとしての役割を果たし得る。この栓は、溶接接続部及び/又は付着接続部からなり得る。
【0057】
付随的な各スパウトは、更にまた、機械的収集又はパッケージングのため、フレキシブル容器を下流の貯蔵位置へと接続するための要素を構成し得る。
【0058】
有利な実施形態によれば、フレキシブル容器は、装填を容易にする少なくとも一つの大開口、すなわちいわゆる完全開口を有する。この大開口は、溶着接続部及び/又は結び接続部及び/又は付着接続部によって閉じられ得る。
【0059】
そのような大開口は、上記したような開口及び/又は排出スパウトとは対照的に、装填のためだけに用いられることが好ましい。
【0060】
第1実施形態によれば、排出装置は、少なくとも一つのピストンを有する圧力部材と、排出させるフレキシブル容器を受け入れることを企図され、かつ、前記圧力部材のピストンが移動する際、特にフレキシブル容器の加圧又はフレキシブル容器の裏張り袋のみの加圧に対応する順方向に移動する際、ピストンによって構成される雄部材に対する雌部材として設計される少なくとも一つの排出容器とを備える。
【0061】
この第1実施形態において、更に好ましくは、排出装置は次のようなものである。すなわち、前記圧力部材のピストンは、往復並進運動で駆動するために固定ジャッキと相互作用するように企図されたステムに連結された(好ましくは円形の)ヘッドを有し、ジャッキは固定構造体に取り付けられ、ヘッドは、フレキシブル容器を圧縮するために排出容器内に入り込むように企図され、
粘性製品のための少なくとも一つの出口開口を備え、かつ、随意的に移動手段(好ましくはローラー))が装備された排出容器は、フレキシブル容器を受け入れることを企図された中空シリンダーであって、該シリンダー内をピストンのヘッドがスライドできる該中空シリンダーから好ましくはなり、このヘッドは、該ヘッドの好ましくは面取りした縁と排出容器の内壁とに接する周囲Oリングシールを有利に用いて粘性製品に対する耐漏洩性が保証され得るように、好ましくは円形で、排出容器の内径に十分に近接する直径を有する。
【0062】
この第1実施形態の変形によれば、排出容器は、(密閉)閉鎖可能に設計され、ピストンは、圧力流体の作用で移動可能である。
【0063】
この変形の範囲において、本発明によれば、排出装置は膨張式ジャッキを備え、このジャッキは、ピストンと排出容器の開閉可能な閉蓋との間に収容され、かつ、粘性製品を排出容器外に排出させることを可能にするため、該ジャッキを膨張させてピストンを移動させるための圧力流体供給手段に接続されることが有利である。
【0064】
好ましくは、圧力流体供給手段は、少なくとも一つの圧力流体リザーバと、圧力流体を搬送するための手段と、該手段が装備され、かつ圧力流体リザーバを膨張式ジャッキに接続する管とを備える。
【0065】
実施において、圧力流体は、非圧縮性流体の群、好ましくは、水もしくはオイルからなる下位群から、又は、圧縮性流体の群、好ましくは空気から選択される。
【0066】
第2実施形態によれば、排出装置は、排出させるフレキシブル容器を又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの排出容器を備え、かつ、粘性製品を排出容器外に排出させるために圧力流体を用いて加圧される。
【0067】
第1実施形態の変形及び第2実施形態において、フレキシブル容器にかかる分圧は、圧力流体を(間接的に及び直接)起因とする。圧力流体は、50Pa・s未満の圧力の液体又は気体、有利には液体からなる。これは、排出容器が、圧力流体の導入及び/又は解放に使用される少なくとも一つの開閉可能なオリフィスが設けられたオートクレーブ(圧力釜)のように設計されると想定される。本質的に、このオートクレーブ排出容器はまた、粘性製品のための少なくとも一つの排出開口を備える。
【0068】
第3実施形態によれば、排出装置は、少なくとも一つのローラーと少なくとも一つのカウンターローラー要素との少なくとも一つの組、好ましくは、それぞれの軸線回りに回転可能な少なくとも二つの実質上平行なローラー、を有する圧力部材と、開口が底部に配置されるようにフレキシブル容器を吊り下げるための手段とを備え、該排出装置は、二つのローラー間をフレキシブル容器が移動しつつ、これら二つのローラーが回転してフレキシブル容器を圧縮しながら下方に移動できるように設計され、前記ローラーは付随的に少なくとも一つのモーターによって回転駆動可能であり、この機構は、付随的に、吊り下げられたフレキシブル容器の好ましくは電動式による上方牽引と組み合わされるか又は該上方牽引と置き換えられる。
【0069】
更に好ましくは、この第3実施形態の排出装置は次のようになる。すなわち、
フレキシブル容器は、該容器を吊すための少なくとも一つの把持ハンドルを上方部分に、随意的にスパウトが設けられる、粘性製品のための少なくとも一つの出口開口を下方部分に備え、フレキシブル容器は、広がった部分が基部を形成する全体的に西洋ナシ形状を有利に有し、
電動式であるか電動式ではない二つのローラーは、下方に移動しながらフレキシブル容器を圧搾するためにフレキシブル容器の両側に配置されるように企図され、前記ローラーの組には、フレキシブル容器の圧搾レベルを適合させるように軸線間距離を調整するためのシステムが設けられる。
【0070】
第1及び第2実施形態において、本発明に従う装置を形成する排出容器によれば、フレキシブル容器及び別個の付随的な該容器の裏張り袋の寸法は、該容器が、加圧中に膨張状態もしくは部分的膨張状態に保たれるように選択されることが好ましい。従って、フレキシブル容器及び/又はその裏張り袋はだけは、緊張下に保たれ、これは、排出開口もしくは開口の閉塞をもたらし得る望ましくない折りたたみのリスクを制限する。従って、排出容器とフレキシブル容器及び/又は裏張りとが実質上同じ形状を有すると想定して、フレキシブル容器及び/又は裏張り袋の寸法は、排出容器の寸法よりも2〜15%小さいことが好ましい。
【0071】
第3実施形態において、カウンターローラーは、付随的に、一又は複数のローラーに関連する板であり得る。いかなる限定も伴うことなく、該板は、平らなサポート(支持体)によって置き換えられ得、該サポートは、垂直壁もしくは水平板(床)であり得る。
【0072】
板及び二つのローラーが使用される場合、ローラーの一方は、板の両面の一方によりかかり(接し)、他方のローラーが、板の他方の面によりかからせることが可能である。フレキシブル容器は、ローラーの一方と板との間に挿入されることが企図される。この配列は、力を平衡させることを可能にする。
【0073】
本発明の別の有利な特性によれば、フレキシブル容器及び/又はその裏張り袋は、これらの高さの少なくとも一部にわたって、実質上垂直方向に不規則(でこぼこ)な面(例えば、垂直な縫い合わせ、垂直な膨らみ、垂直な出っ張り)を有しない。その結果、フレキシブル容器及び/又はその裏張り袋と排出容器の内側面との接触は、粘性製品に対する障壁を形成する実質上円環状の接合領域を作り出す。これは、排出中、排出容器の内側面とフレキシブル容器及び/又は裏張り袋の壁の上方部分との間における粘性製品の移動を防止することを可能にする。そのため、排出容器の内側は、粘性製品によって実質上汚染されることはない。
【0074】
本発明に従う方法及び排出キットは、付随図面の参照と共に、排出キットの有利な実施形態、及びある一定の変形例からなる非限定的な実施例として与えられる以下の説明を考慮することにより、より明確に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
図1は、粘性製品(粘度≧50Pa・s:例えば、3000Pa・sのシリコーン・パテ)を排出するためのキットを示し、該キットは、フレキシブル容器3に含まれた粘性製品2を排出させるための装置1を備えている。
【0076】
排出装置1は、構造体すなわちフレーム4を備え、フレーム4上において、ピストン5.1とジャッキ本体5.2とを備えたジャッキ5が固定される。ジャッキ本体5.2は、圧力ピストン5.1を作動させるために用いられる。圧力ピストン5.1は、排出容器6の最小内径よりもわずかに小さい最大外径を有する(0.1〜2.5%小さい)。
【0077】
ローラー7が装備された排出容器6は、排出装置1の別の構成要素を構成する。開放しかつ平底の全体的円筒形状を有するこの排出容器6はまた、その下方部分に粘性製品2のための出口導管8を有する。排出容器6は耐圧であり、また、ローラー7の存在は該容器6の移動を容易にする。
【0078】
フレキシブル容器3は排出容器6内に収容される。このフレキシブル容器3は、その下方部分に形成された排出開口9を有し、この開口9は排出容器6の出口導管8に向き合うように配置される。この排出開口9は、圧力部材5、5.1、5.2による加圧の直前であって、フレキシブル容器3をその保管(貯蔵)場所から移した後、及び/又は、排水容器6が規定する排出場所へと移した後に形成される。
【0079】
フレキシブル容器3は、エンベロープ10を有し、エンベロープ10は次のいずれかからなり得る。
すなわち、(イ)機械的に強い壁(例えば、ポリプロピレン織物からなる壁)と/該織物壁の内側に随意的に縫合されるか及び/又は付着接合(粘着結合)される薄いポリエチレン袋とかなる複数層、又は、
(ロ)フレキシブル容器3の内側から抜き取った後の裏張り袋のみによる。このエンベロープ10の詳細は、図2においてより詳細に後述される。
【0080】
フレキシブル容器3は、材料の最小喪失、特に2%未満を保証するように設計されるべきである。
【0081】
フレキシブル容器3は、好ましくは、円筒状底部を有し、縦(垂直)の縫い目の無いビッグバッグ型の容器であり、その直径は、排出容器6の直径よりもわずかに小さい。そのため、このフレキシブル容器3が加圧された際にフレキシブル容器3が経験する膨張は、排出中、フレキシブル容器3の壁を緊張状態に保つ。適切な場合、この壁は、薄い付着接合ポリエチレン裏張りによって形成された付着接合内側層を有するポリプロピレン織物からなる。この種の機械的に強い壁は、移送及び保管中、保護の役割をし、他方、その内側層(内裏張り)は、排出中、耐漏洩性(漏れの無いこと)を保証する。そのため、粘性製品は、フレキシブル容器が加圧された際、フレキシブル容器のエンベロープの排出開口を通ってのみ流れる。
【0082】
ピストンヘッド5.1(圧力部材)と排出容器6の内側面との間の耐漏洩性は、Oリングシール11によって与えられる。Oリングシール11は、ピストンヘッド5.1上方への粘性製品2の移動に対する障壁を形成する。Oリングシール11は、例えば、直径50mm±20mm程度の直径断面を有する。また、Oリングシール11の長さは、排出容器6の内側周囲に等しい。そのため、Oリングシール11を形成する材料、好ましくはエラストマー材料の圧縮性を調整することにより、このOリングシール11の連続性(継続性)は保証される。Oリングシール11は、円筒状排出容器6の内側面の環状領域と、ピストン5.1の面取り面(45度の面取り面)とによって区切られる空間に収容される。この面取り面は、優れた耐漏洩性を提供するため、Oリングシール11が完全に容器6の内側面に対して押し付けられるように、エラストマーOリングシール11に斜めの力を働かせるように用いられる。フレキシブル容器3は、例えば、フォークリフトトラック又は移動式ホイストを用いて保管場所から排出場所へと移送され得る。これを行うため、フレキシブル容器3は、上記移送手段によって該容器が持ち上げられることを可能にする例えば一又は複数の頑丈なハンドルを有することが好ましい。
【0083】
一つの変形例によれば、出口導管8は、ピストンヘッド5.1に配置され得る。この出口導管8は、粘性流体が、フレキシブル容器3の内部と外部圧力との間の圧力差により、排出容器6外へと排出されることを可能にする。この出口導管の直径は、例えば76mmである。
【0084】
この出口導管8は、粘性製品2を、下流に配置されたパッケージング、貯蔵又は機械的収集のための手段へと粘性製品2を移送することを可能にするホースを含み得る。このホースは、排出される各粘性製品に対して変えることができるように有効に取り外し可能である。
【0085】
別の変形例によれば、パッケージング、貯蔵又は機械的収集のための複数の手段に対して粘性製品2を分配するため、複数の出口オリフィスが設けられ得る。
【0086】
出口導管/ホース8の下流の受け手(例えば、パッケージャー(例えばカートリッジャー)、収集ポンプ、混合スクリュー、特定圧力下もしくは大気圧下の容器)によって受け取られる(吸収される)流量に従い、また、流れが通過する上記下流の受け手の寸法に従い、出口8においてある一定の圧力が利用できる。この圧力は、粘性製品2がフレキシブル容器3内で受ける圧力以下である。
【0087】
加圧組立体5(ピストン5.1及びジャッキ5.2)により、フレキシブル容器に圧力をかけることが可能である。この圧力は、製品2の粘度が高くなるにつれ、また、要求される流量が高くなるにつれ、相応に高くなる(例えば、技術的困難を伴わずに6.5バールまで)。特に、最初の近似値に対し、実験に基づいたポアズイユの法則を用いることにより、フレキシブル容器3に収容された製品2は、圧力P=(8・Q・N・L)/π・R4を受ける。ここで、P=単位パスカルの大気圧に対する相対圧力であり、Q=単位m3/sの所望の体積流量であり、N=単位Pa・sの製品の動的粘度(動粘性係数)であり、L=単位メートルの出口導管8の長さに等しく、かつ、R=導管8の半径である。
【0088】
本発明に従う方法によれば、排出中のフレキシブル容器の変形は、該容器が破れず、かつ折りたたまれずに、出口オリフィス9を塞ぐことないように管理制御される。体積流量は、ある一定の時間に流れた質量と、粘性製品2の密度とから測定される。
【0089】
当業者は、出口開口9を形成するためにいくつかの可能性を利用できる。(イ)出口導管8を通じて切断工具(例えばナイフブレード)を導入することにより、該工具でフレキシブル容器3に穴を開ける。この穴開けは、穴が開けられる位置を特定するために必要な注意を払いつつ、フレキシブル容器3がまだ圧力下にない際に有利に行われる。(ロ)フレキシブル容器3の一体部分をなす排出スパウト(それ以前に装填スパウトとして使用されたスパウト)を用いる。このスパウトは、例えば、該スパウトが有利に出口導管内にねじ込まれ得る場合、その閉じた端部を切断することによって開放される。このスパウトの出口導管8への連結は、当業者の日常的作業の範囲内である。(ハ)フレキシブル容器3に設けられた栓(プラグ)を開ける。該栓を取り外すことによって解放されたネックに排出スパウトを連結するオプションもある。出口導管8を、栓を取り去って解放されたネックに直接連結することも考えられ得る。
【0090】
図2は、上述した図1と類似の装置を示し、該装置において、フレキシブル膨張式ジャッキ12内に加圧を実行するための圧力流体が収容される。フレキシブル膨張式ジャッキ12は、排出容器60内においてピストン5.10を形成する分離板と蓋13との間に収容される。蓋13は、図2に象徴的に示す着脱可能な固定手段14により排出容器60の上部に開閉可能に固定され得る。これらの手段14は例えばボルトである。
【0091】
フレキシブル膨張式ジャッキ12は、例えば、PRONALで販売されるタイプであり得る。
【0092】
排出容器60は、例えば、容量1000リットル等のステンレス鋼容器であり得る。
【0093】
分離板/ピストン5.10に対してフレキシブル膨張式ジャッキ12とは反対側において、排出容器60は、その下方部分に粘性製品2のフレキシブル容器30を収容する。フレキシブル容器30の底部は排出開口90を有する。図1に従う実施形態と同様に、この排出開口90は、フレキシブル膨張式ジャッキ12を用いての加圧直前にフレキシブル容器30に形成される。
【0094】
エラストマーシール110が分離板/ピストン5.10との間に置かれる。このエラストマーシール110は、上述した図1の参照番号11のものと同じ機能を果たすOリングシールである。従って、ピストン板5.10の両側の耐漏洩性が、フレキシブル容器30に収容された粘性製品2に対して与えられる。
【0095】
フレキシブル膨張式ジャッキ12は、搬送手段17が装備された管16を用いて圧力流体リザーバ15に接続される。
【0096】
本発明によれば、圧力流体は、非圧縮性流体、すなわち水もしくはオイル等の液体、あるいは、例えば空気等の圧縮性流体であり得る。
【0097】
圧力流体が非圧縮性流体、例えば水もしくはオイルの場合、リザーバ15に収容された流体を管16を介してフレキシブル膨張式ジャッキ12へと搬送するための手段17は、例えば適当なポンプからなる。圧力流体が圧縮空気によって形成される場合、上記搬送手段17は、それら自体知られていすべての適切な構成要素(弁、タップ等)を有する圧縮空気回路に相当する。
【0098】
圧力流体は、好ましくは、オイルもしくは水等の非圧縮性流体である。その際、圧縮性ガス(例えば空気)で満たされたクッションをフレキシブル膨張式ジャッキ12内に設けることが好ましい。そのようなクッションは、該流体の流量を滑らかにすることを可能にすると共に、排出容器の開口までの粘性製品の流れの遅延時間を制限するか、もしくはそれを無くすことを可能にするバッファーのように機能する。
【0099】
フレキシブル膨張式ジャッキ12を使用する利益は、特に経済的側面及び使用の簡易さの観点から明らかとなる。この膨張式ジャッキ12は、更に、排出容器に対して妨げになるもの(余計なもの)を何ら付加しない。従って、待ち時間中に稼働することを可能にする二重システム(double system)を使用することが容易に考えられ得る。該二重システムは著しい生産性の向上をもたらす。
【0100】
図2の変形例が与える別の利点は、そのような装置の組立及び分解の容易さ及び素速さである。
【0101】
図2に従う装置のオプションの随意的で有益な特性によれば、蓋13が、もしくは排出容器60でさえもが、空気の過度の圧力を解放するための安全弁を備えていることである。
【0102】
図1の装置の場合の同様の方法において、図2の装置は、例えば、粘性製品を例えばカートリッジにパッケージングするための手段の上流に配置される。
【0103】
この図2の排出装置の動作は非常に単純である。フレキシブルジャッキ12は、フレキシブル容器30に収容された粘性製品を排出させるために必要な圧力の機能として、搬送手段17を活用して膨らまされる。
【0104】
図3は、本発明に従う排出キットの別の実施形態を示す。このキットは、排出装置20と、全体的に西洋ナシ形のフレキシブル容器21とを備える。
【0105】
排出装置20は、ロッド機構24によって互いに連結される一又は二つのローラー22、23から構成され、ロッド機構24は、ローラー22及び23の軸線間の距離が変わることを可能にする。
【0106】
フレキシブル容器21は、機械的に強い壁25と、壁25の内側面に付着接合された内側裏張り袋26とを備える。このフレキシブル容器21にはまた、その下方部分に出口導管27が装備され、出口導管27は、ポンプからなる機械的収集手段28と関連している。反対側の上方部分において、フレキシブル容器21は、持ち上げもしくは吊り下げハンドル29を有する。
【0107】
図3の実線での表示は、加圧前の排出キットの状況に対応し、また、点線及び破線での表示は、加圧開始時の排出キットの状況に対応する。
【0108】
図面の水平矢印で表されるように、ローラー22、23は、フレキシブル容器21の上方部分を押すように相互方向に近づく。ローラー22及び23は、このように互いに近づき、その後、垂直矢印で示すように、それらの降下を開始する。フレキシブル容器21は、従って、その上方端部から下方端部へと次第に押し付けられる。容器21が収容する粘性製品は、該容器の強度によって決まる圧力にさらされ、出口導管27を通って流れる。この粘性製品の抜き取りは、ポンプ28を使用することで容易となる。
【0109】
降下するローラー22、23による加圧は、容器21を膨張した状態に保つ効果を有する。
【0110】
実際、フレキシブル容器21のハンドル29は、ローラー22、23間に通され、例えばフォークリフトトラックで持ち上げられる。ローラー22、23は、軸線間間隔を制御するためのシステム24を用いて容器の上方部分の両側でしっかりと締め付けられる。ローラー22、23は、それらの自重により容器に沿って降下し、ローラーの重量と圧縮された容器21の反力(反作用の力)とが平衡状態となるまで粘性製品を下方に押す。
【0111】
排出出口27の開放時に粘性製品(例えばシリコーン・パテ)は流れ、ローラー22、23は降下し、容器21の内容物全体を漸次押し付ける。
【0112】
この実施形態は、例えば、直径33cmの排出開口に対し約35リットル/分の流量で、かつ、直径10cmで両方の重量が40kgの鋼ローラー(フレキシブル容器に良好に付着するためにゴムがコーティングされた鋼ローラー)を用いて作動する。フレキシブル容器21の内側裏張り袋は、外側ポリプロピレン織物25に付着接合もしくは縫合によって固定される。
【0113】
締め付けられたローラー22、23を通じて該容器を引くか、及び/又はローラーの回転自体を電動化することを可能にするシステムの機械化を提供することが考えられる。そのような機械化は、粘性製品の出口流量をわずかに高め得る。
【0114】
ポンプ28の使用は、粘性製品の出口流量を著しく(×10)高める。
【0115】
第1実施形態の説明は次の実施例で補足される。
【0116】
実施例1
押し付けられたフレキシブルなエンベロープからシリコーン・パテをカートリッジ化する例
使用する装置は図1に表した上記のものである。より正確には、この例は、排出容器を有するプレス機を用い、この排出容器付きプレス機は、直径が1240mmまででかつ作動圧力に耐えるフレキシブル容器に収容された粘性製品を排出することを企図している。
【0117】
このプレス機は鋼構造であり、該構造は、ジャッキを垂直位置に保つ。直径20cmのジャッキは油圧(液圧)式で、油圧ユニットが出力する0〜250バールの油圧で作動する。ジャッキによって駆動される圧力ピストンは、直径が1220mm±3mmである。制御ステーションは、ジャッキの上昇及び降下を制御することを可能にする。
【0118】
使用する排出容器は、内径1235mm±10mm、深さ1000mmであり、ステンレス鋼製で、更に、7バール以上の圧力に耐える。
【0119】
粘性製品のための出口開口は、容器の底側部に配置される。
【0120】
耐圧フレキシブルホースは、容器の上記オリフィスをカートリッジャーのドーサー(doser)に接続する。該ホースは、長さ1m、内径76mmである。
【0121】
試験されるビッグバッグは、周囲の長さが3640mm、すなわち上記排出容器の内側周囲よりも格段に小さい円形の織物ビッグバッグである。このビッグバッグは平らな円筒状底部を有し、厚さ100ミクロンの完全に開放したポリエチレン袋がビッグバッグに付着接合されず、円筒部(ビッグバッグの本体)とビッグバッグの上方部分を閉じる上方ディスク(円板状部)との間の交差部でビッグバッグに縫合される。ビッグバッグは、該バッグの上記上方ディスクの縁から5cmの個所に配置された充填スパウトを有する(このスパウトは、「清潔な」排出を行うために使用することができ、従って、圧力板におけるオリフィスを汚れから保護する)。上方ディスク及びスパウトは、ポリエチレンが被覆された織物からなり、収容する粘性製品に対し耐漏洩性を有する。フレキシブル容器は、排出開始時に680kgの粘性製品を収容する。
【0122】
試験のためにフレキシブル容器に収容された粘性製品は、オキシム型のシリコーン・パテである。
【0123】
上記容器は、平坦な床上の移動を可能にする車輪を有する。
【0124】
試験のためにフレキシブル容器に収容された粘性製品は、アセトキシ型のシリコーン・パテである。
【0125】
フレキシブル容器は、フォークリフトトラックで排出容器内に配置される。ポリエチレンフィルムがフレキシブル容器上に置かれ、次いで、ゴムシールが排出容器の縁間に置かれる。
【0126】
フレキシブル容器には、出口オリフィスを通じて穴が開けられる。該形成されたスロット(穴)は約10cmである。
【0127】
上記穴は出口に接続され、次いで、ジャッキを降下させることによって加圧が実行される。
【0128】
カートリッジャーのドーサーは速やかに充満する(1秒未満で、0.5秒に近い)。
【0129】
カートリッジャーは、通常、30ストローク/分で作動する。
【0130】
フレキシブル容器の底部での材料喪失は、8.6リットル、すなわち1.26%である。
【0131】
排出容器の大部分は清潔であり、出口オリフィスに近い部分だけ、すなわち約25cmの半径範囲にわたって汚れる。
【0132】
実施例2
押し付けられたフレキシブルなエンベロープからシリコーン・パテを排出する例
使用する装置は図1に表した上記のものである。より正確には、この例は、排出容器を有するプレス機を用い、この排出容器付きプレス機は、直径が1240mmまでで、作動圧力に耐えるフレキシブル容器に収容された粘性製品を排出することを企図している。
【0133】
このプレス機は鋼構造であり、該構造は、ジャッキを垂直位置に保つ。直径20cmのジャッキは油圧式で、油圧ユニットが出力する0〜250バールの油圧で作動する。ジャッキによって駆動される圧力ピストンは、直径が1220mm±3mmである。制御ステーションは、ジャッキの上昇及び降下を制御することを可能にする。
【0134】
使用する排出容器は、内径1235mm±10mm、深さ1000mmであり、ステンレス鋼製で、更に、7バール以上の圧力に耐える。
【0135】
粘性製品のための出口開口は、排出容器の圧力板の側部において該板の縁から約15cmの個所に配置される。
【0136】
耐圧鋼管が、該板の出口オリフィスから排出容器上方へと搬送するために用いられる。該管は、耐漏洩性コネクターを介して圧力板の上記オリフィスに固定される。該管は、全長2.5mで、内径76mmである。
【0137】
試験されるビッグバッグは、オフセットストラップを有する円形の織物ビッグバッグであり、また、高さが1100mmで、周囲の長さが3640mmで、上記排出容器の内側周囲よりも格段に小さい。このビッグバッグは、平らな円筒状底部を有し、厚さ100ミクロンの完全に開放したポリエチレン袋がビッグバッグに付着接合されず、円筒部(ビッグバッグの本体)とビッグバッグの上方部分を閉じる上方ディスクとの間の交差部でビッグバッグに縫合される。ビッグバッグは、該バッグの上記上方ディスクの縁から5cmの個所に配置された充填スパウトを有する。上方ディスク及びスパウトは、ポリエチレンが被覆された織物からなり、収容する粘性製品に対し耐漏洩性を有する。フレキシブル容器は、排出開始時において680kgの粘性製品を収容する。
【0138】
上記排出容器は、移動を可能にする車輪を有する。
【0139】
試験のためのフレキシブル容器に収容された粘性製品は、アセトキシ型のシリコーン・パテである。
【0140】
上記管の出口で得られた流量は70リットル/分を上回り、ほとんど120リットル/分あたりで変動し、最大値が145リットル/分であった。これは、ジャッキにおける220バールの油圧(これは、容器内の約5.7バールに相当する。)から得られた。
【0141】
管内のフィルタリング格子の存在も流量を制限し、該流量は該格子が無いとより高くなり得る。
【0142】
排出後に計量されたフレキシブル容器の質量は12kgである。フレキシブル容器の重さは、空の際で2kgである。従って、材料喪失は10kg、すなわち1.47%である。
【0143】
実施例3
押し付けられたフレキシブルなエンベロープからシリコーン・パテをカートリッジ化する例
使用する装置は図1に表した上記のものである。より正確には、この例は、剛性容器のための排出容器プレス機を使用する。該剛性排出容器は、直径が1240mmまででかつ作動圧力に耐える。
【0144】
このプレス機は鋼構造であり、該構造は、ジャッキを垂直位置に保つ。直径20cmのジャッキは油圧式で、油圧ユニットが出力する0〜250バールの油圧で作動する。ジャッキによって駆動される圧力ピストンは、直径が1200mm±3mmである。制御ステーションは、ジャッキの上昇及び降下を制御することを可能にする。
【0145】
使用する排出容器は、内径1235mm±10mm、深さ1000mmであり、ステンレス鋼製で、更に、10バール以上の圧力に耐える。
【0146】
粘性製品のための出口開口は、排出容器の底側部に配置される。
【0147】
耐圧フレキシブルホースは、排出容器の上記オリフィスをカートリッジャーのドーサーに接続する。該ホースは、長さ1m、内径76mmである。
【0148】
試験されるビッグバッグは、周囲の長さが3640mm、すなわち上記排出容器の内側周囲よりも格段に小さい円形の織物ビッグバッグである。このビッグバッグは平らな円筒状底部を有し、厚さ100ミクロンのポリエチレン袋がビッグバッグに付着接合されず、円筒部(ビッグバッグの本体)とビッグバッグの上方部分を閉じる上方ディスクとの間の交差部でビッグバッグに縫合される。ビッグバッグは、圧力板のオリフィスを通じての該上部を介する排出のため、排出スパウトとして使用される充填スパウトを有し、該充填スパウトは、該バッグの上記上方ディスクの縁から5cmの個所に配置される。上方ディスク及びスパウトは、ポリエチレンが被覆された織物からなり、収容する粘性製品に対し耐漏洩性を有する。
【0149】
試験のためにフレキシブル容器に収容された粘性製品は、オキシム型のシリコーン・パテである。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明に従う排出キットの実施形態の概略図である。
【図2】図1に従う実施形態の変形例の概略図である。
【図3】本発明に従う排出キットの実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0151】
1 排出装置
2 粘性製品
3 フレキシブル容器
4 フレーム
5 ジャッキ
5.1 ピストン
5.2 ジャッキ本体
6 排出容器
7 ローラー
8 出口導管
9 排出開口
10 エンベロープ
11 Oリングシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル容器(3、21)が収容する粘性製品を排出させる方法であって、
粘性製品(2)は、粘度が少なくとも10Pa・s、好ましくは10〜200,000Pa・sの製品群から選択され、換言すれば、重付加反応、重縮合反応もしくはデヒドロ(重)縮合反応によって架橋してエラストマーを形成し得るシリコーン油、シリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン組成物(随意的に水性乳剤の形態);反応性有機ケイ素基を含む有機ポリマー(MSポリマーと呼ばれる);及び、溶媒もしくは水性媒体に加えられ、アクリルポリマーを含み、かつ乾燥によって架橋してエラストマーを形成し得る組成物であり、
当該方法は、
フレキシブル容器(3、21)を使用し、
フレキシブル容器(3、21)を排出のために保管位置から排出位置へと随意的に移動させ、
好ましくはフレキシブル容器(3、21)の下方部分に配置される少なくとも一つの出口開口(9)が、粘性製品(2)がフレキシブル容器(3、21)外へと流れ出ることを許容することを保証し、
フレキシブル容器(3、21)を膨張状態もしくは部分的膨張状態に保つと共に、粘性製品(2)の前記流れを加速するように、少なくとも一つの圧力部材(5、22/23)及び/又は圧力流体を好ましくは含む加圧手段を用いて、フレキシブル容器(3、21)の少なくとも一つの区画領域に圧力をかけ、かつ、
排出の最後に減圧することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フレキシブル容器(3、21)の壁は、機械的強度と、好ましくは、粘性製品(2)に対する耐漏洩性とを有し、かつ、該壁は、
互いに同じか又は異なる材料、好ましくは織物からなる一又は複数のシートを含む、前記機械的強度を与える少なくとも一つの壁要素(25)と、
(i)好ましくはコーティングの形態の少なくとも一つのポリマーフィルムにより、及び/又は、(ii)合成ポリマーフィルム(特にポリオレフィン(より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステルもしくはポリアミド)又は金属(特にアルミニウム)からなる群から選択される材料からなる一又は複数の層から構成される少なくとも一つの耐漏洩性裏張り袋により、形成される随意的な少なくとも一つのシーリング要素(26)とを含み、
前記裏張り袋は、前記機械的強度を与える壁要素に少なくとも部分的に固定され、より好ましくは壁要素に少なくとも部分的に付着接合及び/又は縫合されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレキシブル容器(3、21)の出口開口(9)は、
フレキシブル容器(3、21)の壁を切除することにより、及び/又は、
一又は複数のオリフィスに排出のためのスパウトが設けられ得る場合、該オリフィスに嵌められた栓もしくはカプセルを取り外すことにより、及び/又は、
フレキシブル容器(3、21)に既に設けられている開口を閉じるタイを取り外すことにより、得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
排出装置が使用され、該排出装置は、少なくとも一つのピストン(5.1)を有する少なくとも一つの圧力部材(5)と、排出させるフレキシブル容器(3、21)を又は付随的にフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの排出容器(6)とを備え、該排出容器(6)は、前記圧力部材(5)のピストンが移動する際、特にフレキシブル容器(3、21)の加圧又は付随的にフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋のみの加圧に対応する順方向に移動する際、該ピストンと相互作用して該ピストンのためのガイドとしての役割を果たすことができる雌部材として設計されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記排出容器(6)は閉鎖可能に設計され、ピストン(5.1)は、粘性製品(2)を排出容器(6)外に排出させるために圧力流体の作用で移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
膨張式ジャッキ内に収容される圧力流体が使用され、このジャッキは、ピストン(5.1)と排出容器(6)の開閉可能な閉蓋との間に収容され、かつ、粘性製品(2)を排出容器(6)外に排出させることを可能にするため、該ジャッキを膨張させてピストン(5.1)を移動させるための圧力流体供給手段に接続されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
排出させる前記フレキシブル容器(3、21)を又は付随的にフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの加圧可能な排出容器(6)を備える排出装置が使用され、該排出容器(6)は、粘性製品(2)を排出容器(6)外に排出させるために圧力流体を用いて加圧されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも一つのローラー(22)と少なくとも一つのカウンターローラー要素(23)との少なくとも一つの組、好ましくは、それぞれの軸線回りに回転可能な少なくとも二つの実質上平行なローラー、を有する少なくとも一つの圧力部材(22/23)と、開口が底部に配置されるようにフレキシブル容器(3、21)を吊り下げるための手段(29)とを備える排出装置が使用され、該排出装置は、二つのローラー(22/23)間をフレキシブル容器が移動しつつ、これら二つのローラー(22/23)が回転してフレキシブル容器を圧縮しながら下方に移動できるように設計され、前記ローラーは付随的に少なくとも一つのモーターによって回転駆動可能であり、この機構は、付随的に、吊り下げられたフレキシブル容器の好ましくは電動式の上方牽引と組み合わされるか又は該上方牽引と置き換えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
前記フレキシブル容器(3、21)から又は随意的にフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋(26)のみから排出される粘性製品(2)は、該粘性製品を適切なパッケージにパッケージングするための少なくとも一つのパッケージング組立体に、パッケージング組立体の消費量より大きいか該消費量に等しい適切な流量で供給されることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記フレキシブル容器から又は付随的にフレキシブル容器の裏張り袋から排出される粘性製品(2)は、該粘性製品を貯蔵するための手段、及び/又は、該粘性製品をその流量を高めるために移動させるための機械的手段に供給され、該機械的手段は、好ましくは、ポンプ、(ダブル)スクリューからなる群から選択されることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一に記載の方法を実行するためのキットであって、
粘度が50Pa・s以上、好ましくは100Pa・s〜10,000Pa・sの製品群から選択される粘性製品であって、重付加反応、重縮合反応もしくはデヒドロ(重)縮合反応によって架橋してエラストマーを形成し得るシリコーン油、シリコーン・ゴム、ポリオルガノシロキサン組成物;及び反応性有機ケイ素基を含む有機ポリマーである粘性製品(2)と、
粘性製品に対する耐漏洩性と機械的強度とを有するフレキシブル容器であって、好ましくは、持ち上げ及び/又は吊り下げのためのハンドルを備えるフレキシブル容器(3、21)と、
少なくとも一つの圧力部材(5、22/23)及び/又は少なくとも一の圧力流体を含む排出装置と、
粘性製品(2)を適切なパッケージングにパッケージングするための付随的な少なくとも一つのパッケージング組立体と、
粘性製品をその流量を高めるために移動させるための付随的な機械的手段であって、好ましくは、ポンプ、(ダブル)スクリューからなる群から選択される機械的手段と、
付随的な貯蔵手段とを備えることを特徴とするキット。
【請求項12】
前記フレキシブル容器(3、21)は壁を有し、該壁は、
互いに同じか又は異なる材料、好ましくは織物からなる一又は複数のシートを含む、前記機械的強度を与える少なくとも一つの壁要素(25);及び/又は、
(i)好ましくはコーティングの形態の少なくとも一つのポリマーフィルムにより、及び/又は、(ii)合成ポリマーフィルム(特にポリオレフィン(より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステルもしくはポリアミド)又は金属(特にアルミニウム)からなる群から選択される材料からなる一又は複数の層から構成される少なくとも一つの耐漏洩性裏張り袋により、形成される少なくとも一つのシーリング要素(26)とを含み、
前記裏張り袋は、使用時において、前記機械的強度を与える壁要素に固定され、かつ、好ましくは壁要素に少なくとも部分的に付着接合及び/又は縫合されることを特徴とする請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記フレキシブル容器(3、21)は、コーティングされていない状態の重量が100〜300g/mである織物を基礎にして作製された機械的強度及び耐漏洩性を有する壁(25)を有し、裏張り袋(26)は、5〜500ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項12に記載のキット。
【請求項14】
前記排出装置は、少なくとも一つのピストン(5.1)を有する圧力部材(5)と、排出させるフレキシブル容器(3、21)を受け入れることを企図され、かつ、前記圧力部材(5)のピストン(5.1)が移動する際、特にフレキシブル容器(3、21)の加圧又はフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋のみの加圧に対応する順方向に移動する際、ピストン(5.1)によって構成される雄部材に対する雌部材として設計される少なくとも一つの排出容器(6)とを備えることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のキット。
【請求項15】
前記圧力部材(5)のピストンは、往復並進運動で駆動するために固定ジャッキ(5.2)と相互作用するように企図されたステムに連結された(好ましくは円形の)ヘッド(5.1)を有し、ジャッキ(5.2)は固定構造体(4)に取り付けられ、ヘッド(5.1)は、フレキシブル容器(3)を圧縮するために排出容器(6)内に入り込むように企図され、
粘性製品(2)のための少なくとも一つの出口開口(9)を備え、かつ、随意的に移動手段(好ましくはローラー(7))が装備された排出容器(6)は、フレキシブル容器(3)を受け入れることを企図された中空シリンダーであって、該シリンダー内をピストンのヘッド(5.1)がスライドできる該中空シリンダーから好ましくはなり、このヘッド(5.1)は、該ヘッドの好ましくは面取りした縁と排出容器(6)の内壁とに接する周囲Oリングシール(11)を有利に用いて粘性製品(2)に対する耐漏洩性が保証され得るように、好ましくは円形で、排出容器(6)の内径に十分に近接する直径を有することを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記排出容器(6)は閉鎖可能に設計され、ピストン(5.1)は、圧力流体の作用で移動可能であることを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記排出装置は、排出させるフレキシブル容器(3、21)を又は付随的にフレキシブル容器(3、21)の裏張り袋(26)のみを受け入れることを企図された少なくとも一つの排出容器(6)を備え、かつ、粘性製品(2)を排出容器(6)外に排出させるために圧力流体を用いて加圧されることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記排出装置は膨張式ジャッキ(12)を備え、このジャッキは、ピストン(5.10)と排出容器(60)の開閉可能な閉蓋(13)との間に収容され、かつ、粘性製品(2)を排出容器(60)外に排出させることを可能にするため、該ジャッキを膨張させてピストン(5.10)を移動させるための圧力流体供給手段に接続されることを特徴とする請求項10〜17のいずれか一に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力流体供給手段は、少なくとも一つの圧力流体リザーバ(15)と、圧力流体を搬送するための手段(17)と、該手段(17)が装備され、かつ圧力流体リザーバ(15)を膨張式ジャッキ(12)に接続する管(16)とを備えることを特徴とする請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記圧力流体は、非圧縮性流体の群、好ましくは、水もしくはオイルからなる下位群から、又は、圧縮性流体の群、好ましくは空気から選択される請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記排出装置は、少なくとも一つのローラー(22)と少なくとも一つのカウンターローラー要素(23)との少なくとも一つの組、好ましくは、それぞれの軸線回りに回転可能な少なくとも二つの実質上平行なローラー、を有する圧力部材(22/23)と、開口が底部に配置されるようにフレキシブル容器(21)を吊り下げるための手段(29)とを備え、該排出装置は、二つのローラー(22/23)間をフレキシブル容器が移動しつつ、これら二つのローラー(22/23)が回転してフレキシブル容器(21)を圧縮しながら下方に移動できるように設計され、前記ローラーは付随的にモーターによって駆動可能であり、この機構は、付随的に、吊り下げられたフレキシブル容器の上方牽引と組み合わされるか又は該上方牽引と置き換えられることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一に記載のキット。
【請求項22】
前記フレキシブル容器(3、21)は、該容器を吊すための少なくとも一つの把持ハンドル(29)を上方部分に、随意的にスパウトが設けられる、粘性製品(2)のための少なくとも一つの出口開口(9)を下方部分に備え、フレキシブル容器(3、21)は、広がった部分が基部を形成する全体的に西洋ナシ形状を有利に有し、
電動式であるか電動式ではない二つのローラー(22/23)は、下方に移動しながらフレキシブル容器(21)を圧搾するためにフレキシブル容器(21)の両側に配置されるように企図され、前記ローラー(22/23)の組には、フレキシブル容器(21)の圧搾レベルを適合させるように軸線間距離を調整するためのシステム(24)が設けられることを特徴とする請求項20に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−519143(P2006−519143A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502171(P2006−502171)
【出願日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050039
【国際公開番号】WO2004/074164
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【氏名又は名称原語表記】RHONE−POULENC CHIMIE
【Fターム(参考)】