説明

フレキシブル製造システム

フレキシブルで、多種製品、多種技術であり、拡張可能な、生物学的製剤、医薬又は化学製品等の製品を製造するための設備、及び、そのような設備を用いた製造プロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年12月23日出願の米国仮特許出願第61/140,339号及び2009年7月22日出願の米国仮特許出願第61/227,658号の優先権を主張する。これらの仮特許出願のそれぞれの全体の内容を本願明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、フレキシブルで、多種製品(multi-product)、多種技術(multi-technology)で拡張可能な、生物学的製剤、医薬又は化学製品等の製品の製造用設備及びそのような設備の要素を用いた製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的製剤、医薬及び化学製品(例えば、薬)の生産用の従来の製造設備は、通常、特定の種類の製品用に設計されており、固定した製造要素及びシステムを利用している。一般的に、異なる種類の技術又は製品、例えば、哺乳動物細胞のタンパク質製造や、ウイルスの哺乳動物細胞の増殖に対し、細菌タンパク質の製造は、完全に異なる製造設備又は製造設備内での製造室を必要とする。製造設備を建設、再構成又はアップグレードをするのには、同様の又は異なる製品の製造の間でプロセスの切り換え(例えば、洗浄)を完了するのと同様に、多大な時間が必要である。製造設備には、並行した製造ができるよう多種の製造室を収納してもよいものもある。しかし、この構成には、限界が存在したままである。例えば、異なる製品(例えば、異なる技術や異なる種類の製品)を製造するのに用いる特定の製造室を切り換え又は変更するのに必要な時間や、同様の又は異なる製品の製造の間でプロセスの切り換え(例えば、洗浄)を完了するのに必要な時間等である。さらに、異なる種類の技術又は製品の間で交差汚染する可能性により、同一の設備内で並行した製造システムを収納する能力を限定しているといっても差し支えない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、(a)多種製造プロセス(multiple manufacturing process)に対しユーティリティーを供給するように構成され、好ましくは高容量の供給能力があるコア、及び、(b)コアに着脱可能なように連結され、コアから供給されるユーティリティーを受け入れるように構成される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の可動性の製造区画を含む製造システムを提供する。ある実施形態において、各区画により画定される作業空間内に、並行して実行されていてもよい1以上の製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行するための設備が存在する。当該設備は、複数の構成要素を含んでもよく、それぞれの構成要素は、化学製品、生物学的製剤、医薬又は他の別の製造プロセスの1以上の部分又は工程を実行する。当該製造システムは、製造区画へのアクセスを制御するために、及び/又は、コアと製造区画の間にユーティリティーを接続するための清潔区域(clean area)を提供するために、コアに製造区画を接続するとき、製造区画に隣接して位置する複数の清潔接続区域(clean connect area)を含んでもよい。当該製造システムは、さらに、1以上のユーティリティーを区画に(例えば、重力を受けて)供給するためのコアに接続するとき、区画の上に位置する複数の上部ドッキング環(upper docking collar)を含んでもよい。当該製造システムは、可動性の区画を洗浄することができ、所望により、製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行する要素の構成を再構成することができる、1又は2以上の保持区域(holding area)を含んでもよい。当該製造システムは、製造過程で生じる廃液(waste)を排出するために、1以上の製造区画に着脱可能なように接続されるように構成される排液管(drain)を含んでもよい。廃液を排出するための排液管は、コアの汚染を避けるために、コアから分離しているのが好ましい。
【0005】
本発明は、そのような製造システムの1以上の構成要素を利用した製品の製造方法も提供する。本発明のシステム及び方法が提供する多くの利点としては、フレキシビリティー、並びに、ある技術及び/若しくは製品から異なる技術及び/若しくは製品(例えば、細菌性宿主細胞、酵母/真菌宿主細胞、昆虫宿主細胞、タンパク質を産生する哺乳動物宿主細胞、ウイルスを産生する哺乳動物宿主細胞、植物細胞又は藻類)へと製造を再構成する時間及びコストを減少させる能力、並びに/又は、より新しく、より効率的な技術へのアップグレード、並びに/又は、生産能力の変更(生産を増やす又は減らす)若しくはバッチサイズの変更(例えば、100 Lから2750Lへ、5,000Lから20,000Lへ又はその逆)、並びに/又は、第一のバッチ生産実行から第二のバッチ生産実行への切り換え時間の減少(第一の生産実行と同一又は異なる種類の生産であってよい)、並びに/又は、臨床目的(GLP又は医薬品安全性試験実施基準(Good Laboratory Practice))に適した製造から米国食品医薬品局(FDA)若しくは他の政府の監督官庁が承認した治療(GMP又は医薬品適正製造基準(Good Manufacturing Practice))に適した製造への変更、又はその逆が挙げられる。
【0006】
また、本発明のシステム及び方法は、全ての利用可能な製造区画を操作することにより、フル稼働で製造システムを効率的に操作するという利点を提供する。例えば、異なる技術を利用する製造プロセスは、並行して実行することができ、及び/又は、GLP及びGMP製造を並行して実施することができ、及び/又は、小さいスケール(例えば、教育又はパイロットスケール)及び大きいスケールの製造を並行して、例えば異なる構成を有する多数の製造区画を操作することにより実行することができる。当該システム及び方法は、より多くの同様の又は同一の区画を加えることにより、低い生産能力からより高い生産能力へと直ちに拡大することを可能にするというさらなる利点を提供する。特に、製造区画を準備する保持区域を利用することにより、停止時間が最小化される。コアからある区画を分離し、第二の区画をコアに再接続することにより、ほぼ直ちにある製品から別の製品へと生産を切り換えることができるからである。例えば、当該システムは、ある期間(例えば、1、2、3週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ヶ月間)、ある製品を製造することができ、第二の製品を次の期間(例えば、1、2、3週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ヶ月間)製造することができ、第三の製品を第三の期間製造することができる。1つの例として、当該製造システムは、ある製品を1ヶ月間製造することができ、第二の製品を次の月に製造することができる。別の例として、当該製造システムは、ある製品を2ヶ月間製造することができ、第二の製品を次の月に製造することができ、そして、第三の製品を次の2ヶ月間製造することができる等、あらゆる期間と製品の組み合わせが可能である。あるいは、第一、第二、第三の製品を同時に製造することができる。あるいは、又は、それに加えて、当該製造システムは、第一の区画内で第一の製品のバッチの製造に用いてよく、引き続いて、第一の区画をコアから分離し、第二の区画をコアに接続することにより、第二の区画を第一の製品又は第二の製品のバッチの製造に用いてよい。それから、第二の区画をコアから分離し、第一の製品、第二の製品又は第三の製品のバッチの製造のために、第三の区画又は第一の区画をコアに接続してもよい。バッチ製造は、このようにあらゆる所望の期間及び/又は製品の組み合わせで繰り返してよい。同様に、本明細書において参照する第一、第二、第三又はそれ以上の製造プロセスが最終製品又は中間製品を製造する全体の製造プロセスの一部分又は工程である場合(例えば、第一の製品、第二の製品又は第三の製品が中間製品である場合、又は、最終医薬製品への途中で製造される中間段階の場合)、同一の構成及び方法を適用する。そのような実施形態において、中間製品は直ちに第一の区画から第二の区画へと、例えば、輸送盤(tranfer panel)(例えば、輸送導管(transfer conduit)、輸送合流点(transfer junction)、輸送区画(transfer cabinet)、輸送室(transfer chamber)等)又は廊下(corridor)(例えば、制御された廊下(controlled corridor))を通じて輸送されてよい。このような、ある製品を別の製品に直ちに切り換える能力、多種の製品を同時に製造する能力、又は、同一の製品をより速い速度で繰り返し製造する能力により、製造者は製品の需要についていくことができ、また、治療のためのジャスト・イン・タイム製造という新規な概念が可能となる。
【0007】
本発明の製造システム及び方法は、安全で制御された雇用者が、多種の異なる、専有する可能性のある技術へのアクセスをもたらすというさらなる利点を提供する。単一の製造システムで、それぞれの製造区画が別々のアクセス、別々の安全システムを有しうることができ、そのため、別々の会社が所有する、あるいは、異なる区画の使用のために手配する(例えば、賃貸借(lease))こともありうるし、権限を与えられた雇用者のみが会社の専有技術にアクセスすることが可能となりうる。ある実施形態において、コア及び少なくとも1つの製造区画は、異なる人員が交差して接触することがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の製造システムの一実施形態の平面図。
【図2】任意の排液管及び廃液貯蔵所を含む図1の製造システムの側面図。
【図3】本発明の製造システムの別の実施形態の平面図。
【図4】本発明の製造システムの別の実施形態の平面図。
【図5】本発明の製造システムの別の実施形態の平面図。
【図6】任意の上部ドッキング環の側面図。
【図7】本発明の製造システムの別の実施形態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2を参照して以下にさらに詳細に記載されるように、本開示の製造システム10のある実施形態は、任意のハウジング16内に配置されるコア12及び複数の可動性の製造区画(manufacturing bay)14を含む。図1に示す実施形態において、システム10は、第一から第六の可動性の製造区画14a〜14fを含む。区画14は、一般的にあらゆる材料で構成され、一般的に、ここで開示される実施形態においては箱形である。他の形状もまた本発明の範囲内であることが意図されている。当該区画は、目的とする製造の使用に適した種々の大きさであってよい。ただし、製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行するために、当該区画は、1以上の人員が区画を占めるのに十分な大きさ及び構成である。また、当該区画は、例えば、本明細書に記載する1以上の移動手段等により、可動な大きさである。本開示を通じて使用される用語「区画(bay)」は、単に例示的な用語であり、一般的に、コア12の外側に(例えば、離れて)配置され、コア12に対し可動性であり、タスク(task)又は一群のタスクを実行するための囲まれた又は部分的に囲まれた空間を画定する、あらゆる自立構造を含むように意図されている。好ましくは、区画は、1以上の人員が入り、タスク又は一群のタスク(例えば、製造プロセス、製造プロセスの一部分又は工程)を実行するのに適切な大きさ及び構成である。そのようなものとして、同様な構造がその代わりにモジュール(module)、室(suite)、トレーラー(trailer)、モバイル・ユニット(mobile unit)、ポッド(pod)、建設物(building)等、又は、一般的に本明細書に記載されるような囲まれた作業空間(work space)を画定する可動性の構造を記述するのに用いることができるあらゆる他の用語と称されうることを当業者は理解するだろう。
【0010】
「清潔コア(clean core)」を含んでいてもよいコア12は、2以上又は3以上のユーティリティーを、例えば、製造区画14へと供給する。ここで、当該2以上又は3以上のユーティリティーのうち少なくとも2つ又は3つは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される。代わりとなる実施形態において、当該3以上のユーティリティーは、(a)空気、(b)水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択することができる。別の代わりとなる実施形態において、当該3以上のユーティリティーは、(a)清浄空気、(b)滅菌水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択することができる。また別の実施形態において、当該3以上のユーティリティーは、(a)空気、(b)滅菌水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択することができる。本開示を通じて使用される用語「コア」は、コア12を区画14から遮断することができ、区画14をコア12から遮断することができるように、区画14から完全に離れて配置される、あらゆる自立構造の建設物、建設物の一部又は他の構造を含む。また、区画14に対する「コア」の位置又は配置は、本明細書に記載される位置又は配置のいずれにも限定されるものではなく、むしろ区画14を含む他のシステム構成要素のいずれかに対して位置する、あらゆる建設物、建設物の部分又は構造を含む。そのようなものとして、用語「コア」は、システムの中心又は他のいずれかの配置に限定されない。さらに、上記したように、区画14は、コア12の外側に配置され、したがって、コア12は区画14を収納せず、囲わず、さもなければ含まない。
【0011】
本明細書において使用される「清浄水」としては、例えば、ろ過水、脱イオン水、滅菌水、蒸留水、精製水(例えば、USP精製水、EP精製水)、注射用水(例えば、USP WFI、EP WFI)、USP注射用滅菌水、USP吸入用滅菌水、USP注射用静菌水、USP潅注用滅菌水又は高度精製水(例えば、EP HPW)が挙げられる。USPの表記は、水が現在の米国薬局方においてそれぞれの種類に対して様々な規格を有する公式書の対象であることを意味する。同様に、EPの表記は、水が医薬製造プロセスにおける水質に対する欧州薬局方の規格の対象であることを意味する。
【0012】
本明細書において使用される「清浄空気」としては、空気の等級(クラス)を試験し分類するのに使用される2つの規格のうちの1つにより定義することができる。この2つの規格としては、米国連邦規格209E及び国際規格ISO 14644-1が挙げられる。両方の規格は、用語を定義し、空気を採取し試験する手順を特定しており、データを解釈するのに必要な統計的分析法を提供する。連邦規格209Eの空気の分類としては、クラス1、クラス10、クラス100、クラス1,000、クラス10,000及びクラス100,000が挙げられる。クラスの数は(例えば、100)は、空気の立方フィートあたり0.5ミクロン及びそれよりも大きいの粒子の最大の許容可能な数である。数が低いほど、空気は清浄である。ISOの分類は、ISOクラス1、ISOクラス2、ISOクラス3等からISOクラス9と評価される。両方の規格のクラス1は、最も清浄で超高純度の空気であることを示す。ISOクラス2は、連邦規格クラス100と最も近く相関する。したがって、本発明に従えば、「清浄空気」としては、例えば、米国連邦規格209Eのクラス100〜クラス100,000の範囲内に分類されるあらゆる空気を挙げることができ、ある実施形態においては、米国連邦規格209Eのクラス10,000〜クラス100,000の範囲内である。
【0013】
また、コア12から供給されうるユーティリティーとしては、例えば、(a)清浄空気、(b)大気、(c)滅菌水、(d)非滅菌水、(e)電気、(f)液体冷却剤、(g)酸素、(h)二酸化炭素、(i)窒素、(j)アルゴン、(k)ヘリウム、(l)精製水(例えば、USP PWS、USP WFI)、(m)スチーム、(n)清浄空気(例えば、ろ過空気)、(o)通信(例えば、電話、データ、ローカルエリアネットワーク(local area network))、(p)非飲料水、(q)飲料(すなわち、飲むことができる)水、(r)水道水、(s)井戸水、及び、(t)製造プロセスに有用な液体溶液(例えば、栄養媒体(nutritional media)、希釈緩衝剤、及び/又は、精製媒体(purification media))が挙げられる。
【0014】
ある実施形態において、コア12は、固定された場所に建てられた自立構造であってよい。他の実施形態において、コア12は、車輪、レール(rail)、線路(track)上で持ち上げ、配置することにより(例えば、クレーン、高架レール上のクレーン等により)、エアーリフト(air lift)、ホバークラフト(hovercraft)若しくは他のエアクッション(air cushion)により、又は、当該技術分野で公知の他の手段により、それ自体可動性である自立構造であってよい。ある実施形態において、少なくともいくつかのユーティリティーはコア12自体内で貯蔵することができる。例えば、気体又は液体のユーティリティーは、コア12内に収納される貯蔵所(reservoir)、タンク又は他の容器内に貯蔵することができ、電気はコア内に収納される発電機から予測可能的に供給されうる。ある実施形態において、コア12は、1以上の入ってくるユーティリティー(水、電気、1以上の気体、コンピューターネットワーク回線、インターネット回線等)への接続を必要としてよい。
【0015】
図1に示すコア12は、6つの異なるドッキング位置18a〜fで画定される六角形の建設物を含む。それぞれのドッキング位置18a〜fは、図に示されるように、可動性の製造区画14に着脱可能なように連結されるように構成される。そのようにして、開示される実施形態において、可動性の製造区画14がコア12の周囲に間隔を空けて、コア12及び可動性の製造区画14は、ハブアンドスポーク方式の構成で配置される。線形上の配置は、図4、5及び7を参照して後述するように同様に適しており、例えば、当業者の1人は多くの適した、コア12と製造区画14の構成を想像することができる。すなわち、コア12と区画14は、添付した図1〜7の建設物及び構成に限定されず、むしろ、一般的に、あらゆる建設物及び構成を含んでよい。例えば、コア12としては、正方形、長方形又は八角形の建設物、又は、一般的に、意図する目的に適うことができる他のあらゆる形状が挙げられてよい。
【0016】
図1の可動性の製造区画14は、それぞれコア12に着脱可能なように連結され、ユーティリティーを受け入れる。ある実施形態において、1以上のねじ込み式連結器(threaded coupling)、1以上の迅速接続連結器(quick-connect coupling)、1以上の迅速分離連結器(quick-disconnect coupling)、1以上の雄/雌接続器(male/female connector)、1以上の清潔な連結器(sanitary coupling)、1以上の清潔流体接続器(sanitary fluid connector)、1以上のスチーム・イン・プレース接続器(steam-in-place connector)、1以上の空気ダクト接続器(air duct connector)、及び/又は、意図する目的に適うことができる他のあらゆる予見可能な機構を介して、区画14はコア12に着脱可能なように連結されてよい。ある実施形態において、区画14は、コア12に実際には物理的に着脱可能なように接続せず(例えば、区画の外側とコアの外側が直接接触する)、むしろ、ユーティリティーを輸送する継手(fitting)又は他の部品にぴったり接続する。そのような実施形態としては、例えば、コアに近接している(例えば、隣接している)、又は、コアから遠方(例えば、同じハウジング内で異なる区域)にある区画が挙げられ、そのような実施形態も本明細書で用いられるコア12に「連結」されている意味の範囲内にある。他の実施形態において、区画14は、固定した方法で強固にコア12に接続してもよい。そのような構成は、コア12に対する区画14の動きを制御及び/又は限定することを有利に補助することができる。例えば、区画14は可動性であるから、例えば、その操作性を容易にするために、サスペンションシステムを備えてもよいことは予見できる。そのようなサスペンションシステムには、例えば、負荷又は平坦でない領域を越えての移動に応答して、区画14が上下に移動し、左右に揺れ動くことを可能としうるバネ及び/又は他の緩衝装置が含まれてよい。しかしながら、そのような動きに敏感でありうる製造プロセス及び/又は製造プロセスを実行するための構成要素もある。したがって、固定した方法で強固にコア12に接続することは、そのような動き並びに適切なプロセス及び構成要素の性能の確保を妨げうる。ある実施形態において、ねじ部品(threaded fastener)、さね継ぎ(tongue and groove)機構、カムロック(cam-lock)、手動の掛け金/ロッキング(latch/locking)システム、ロッキング/連結システム及び/又は他のあらゆる連結装置若しくは固定装置等の固定装置を用いて、区画14はコア12に固定されてよい。ある実施形態において、そのような固定装置は、例えば、清浄さを維持するために、スカート(skirt)システム内に含まれてよい。他の実施形態において、サスペンションシステムによる動きを防止するために、コア12及び/又は区画14は、フロアから区画14を引き上げる1以上のジャッキ機構を予見的に備えてよい。この構成は、区画が固定した方法で強固にコアに接続されていないとき、予見的に特に有利でありうる。当該1以上のジャッキは、液圧式、空気圧式、機械式、電気機械式又は他のあらゆる公知の種類であってよい。当該ジャッキシステムは、強固にコア12に固定されている区画14の代わりに、又は、それに加えて用いてよい。当該ジャッキシステムは、区画14を水平にするのに用いてもよい。区画14は、水平にする他の手段を含んでよく、予見的に自動レベリング装置を含んでよい。また、区画14は、作動しているときに区画14がコア12から離れてしまうのを防ぐブレーキ機構を備えてよい。
【0017】
さらに、図1を参照すると、それぞれの区画14は、製造プロセスを実行するための設備22を収納する作業空間20を画定している。本明細書で述べる完全な記載から理解されるように、用語「設備(facility)」は、運転員を別にすれば、区画14に収納することができるあらゆる全てを含むことを意図している。例えば、用語「設備」は、区画14内の空間の残りと分割されている(例えば、壁又は他の障壁)又は連続しているかにかかわらず、区画14内の空間を含んでよい。また、用語「設備」は、区画14内の空きスペース(empty space)、又は、本明細書に記載するあらゆる1以上のプロセス若しくはプロセスの一部分を実行するための装置の部品を含んでよい。さらに、用語「設備」は、周囲照明装置、洋服掛け、ロッカー、家具等の一般的に本明細書に記載するあらゆる1以上のプロセス若しくはプロセスの一部分を実行するためには無関係な装置を含んでもよい。作業空間20は、製造プロセス又はプロセスの一部分若しくは工程を実行する区画14の内部の部分として定義される。
【0018】
より詳しくは、第一の区画14aは、第一の製造プロセスを実行するための第一の設備22aを収納し、第二の区画14bは、第二の製造プロセスを実行するための第二の設備22bを収納する等である。この構成により、有利的に、様々な設備22が、多種の全体の製造プロセス又は同じ全体の製造プロセスの一部分若しくは工程を、並行して又は連続して、実行することが可能となる。明確にするために、第一の可動性の製造区画14a及び第二の可動性の製造区画14bは、設備22a、22bを含むように示されているが、残りの区画14c〜14fそれぞれもまた、それぞれの設備を含む。各区画14の作業空間20は、他の区画14の作業空間20と分離している。当該作業空間は、好ましくは、他の製造プロセスで用いられる原料、試薬又は細胞(及び製造プロセスからの廃液)で、それぞれの製造プロセスを汚染すること又はその逆を避けるように分離している。区画間で共有する導管、空気ダクト、流体ライン等が全くないことを確保することにより、当該分離を達成してよい。また、例えば、ドア等の入口及び出口を適切に遮断することにより、分離を確保することができる。図1の第三の製造区画14dに示されるある実施形態において、区画14は一方通行の入口室48及び一方通行の出口室50を備えていてもよい。入口室48は、可動性の廊下49を介して区画14の入口に着脱可能かつ直接に接続されるクリーンルームであってよい。入口室48は、製造員が、例えば区画14に入る前に、クリーンスーツ又は他の製造着を着用するためであってよい。出口室50は、可動性の廊下51を介して区画14に着脱可能かつ直接に接続されてよい。出口室50は、製造員が、区画14を出て、例えば彼らの普段着に着替えるためのものであってよい。ある別の実施形態において、一方通行の入口室及び/又は出口室は、区画14内に含まれてもよく、図4〜6に示す様々な実施形態を参照して後述するように、コア12に(例えば、隣接して、外側に)取り付けてもよい。
【0019】
製造区画14は、能力及び/又は技術に基づいて、異なる大きさ及び形状であってよい。述べたように、区画14は、コア12に着脱可能なように接続されるように、かつ、可動なように構成される。レール、車輪、線路、持ち上げ及び配置(placement)(例えば、クレーン、高架レール上のクレーン等により)、エアーリフト、ホバークラフト若しくは他のエアクッションにより又は当該技術分野で公知の他の手段により、可動性を達成することができる。ある実施形態において、区画14は、自走式又はけん引式であってよい。区画14は、遮断可能な、アクセスポイント26を含んでいてもよく、材料及び人員が一方通行であってもよく、このことにより、雇用者及び原料又は製造された製品が、非汚染区域を有していてもよい区画14に入り、出ることが可能となる。それぞれの区画は、訪問者の見学用に設計されてもよく、そのために、窓又は透明の壁を備えてもよい。
【0020】
以上の実施形態のいずれかにおいて、所望により、可動性の製造区画14は互いに接続しない。ある実施形態において、可動性の製造区画14は、3(2?)以上のユーティリティーを供給することを除き、コア12から遮断される。好ましくは、図1に示されるように、コア12は、ユーティリティーをそれぞれの製造区画14に供給するための1以上の遮断可能な排出口30を有する。したがって、それぞれの区画14は、コア12からユーティリティーを受け入れるための少なくとも1つの遮断された注入口32を有する。好ましくは、コア12は可動性の製造区画14から入ってくる材料を受け入れることを遮断する。この一方通行の連通は、例えば排出口30に配置される一方通行のバルブ又は当該技術分野で公知の手段を用いることにより達成することができる。
【0021】
図1の第五の製造区画14eに示されるように、ある製造システムの実施形態は、各区画14のためのコア12に付随する第一の排出口及び第二の排出口30a、30bを含んでもよい。第一の排出口及び第二の排出口30a、30bのそれぞれは、少なくとも1つのユーティリティーを排出する、又は、排出するように構成される。したがって、この実施形態は、可動性の製造区画14eに付随する少なくとも1つの第一の注入口32a及び少なくとも1つの第二の注入口32bを必要とする。当該少なくとも1つの第一の注入口32aは、コア12の第一の排出口30aに着脱可能なように連結される、又は、着脱可能なように連結されるように構成される。同様に、当該少なくとも1つの第二の注入口32bは、コア12の第二の排出口30bに着脱可能なように連結される、又は、着脱可能なように連結されるように構成される。さらなる実施形態において、コア12の第一の排出口及び第二の排出口30a、30bのそれぞれは、複数の排出口を含んでもよく、当該複数の排出口は、3以上の異なるユーティリティーを供給する、又は、供給するように構成される。そのような実施形態において、それぞれの可動性の製造区画14の第一の注入口32aは、コア12の第一の排出口30aの複数の排出口に着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成される複数の注入口を含み、第一の注入口の複数の注入口のそれぞれは、第一の排出口の複数の排出口の1つから異なるユーティリティーを受け入れる又は受け入れるように構成される。それに対応して、それぞれの可動性の製造区画14の第二の注入口32bは、コア12の第二の排出口30bの複数の排出口に着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成される複数の注入口を含み、第二の注入口の複数の注入口のそれぞれは、第二の排出口30bの複数の排出口の1つから異なるユーティリティーを受け入れる又は受け入れるように構成される。
【0022】
コア12から供給されるユーティリティーの例としては、清浄空気、未処理空気、滅菌水、精製水(WFI又は注射用水)、未処理水(冷却用又は無菌性を要しない他の用途用)、特殊ガス(例えば、酸素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム)、電気、冷却液、スチーム、通信(例えば、電話、データ)及び/又は熱が挙げられる。また、ある実施形態において、コア12は、異なる空気操作状態(例えば、クラス100〜100,000)のための1以上の暖房換気空調(HVAC)システム、監視用のコンピューター、監視装置、発電機、バックアップ発電機、及び、所望により、故障が起こった場合、生産性の損失がないことを確保するためにそのようなユーティリティーを供給する複製のシステムを収納してもよい。複製のシステムは、必要により、能力を増大させることもできる。
【0023】
ある実施形態において、それぞれ個々の区画14は、コア12に配置される中央HVAC空調ユニットの代わりに又はそれに加えて、それ自体のHVAC空調ユニットを備えてもよい。そのような個々のHVACユニットは、例えば、2又は3相のユニットで、220又は230ボルトで操作し、区画14の規模に応じた大きさであってよい。そのような実施形態において、個々のHVACユニットは、区画14をコア12から分離するとき、他の区画14で実行されている製造プロセスを中断することなく容易に修理しうる。さらに、ある実施形態において、それぞれの区画14は、コア12から供給されるメインの電気が中断した状況下で使用するための、それ自体のバックアップ発電機を備えていてもよい。他の実施形態において、一次水源と一次電源を別にして、全てのユーティリティーは、それぞれの区画14自体に保持されてよい。例えば、そのうちの1つは、図1の第五の区画14eに示されている。そのようなユーティリティー室23は、区画14のそれぞれの作業空間20から遮断することができる。一方、水及び電気は、本明細書において記載される方法のいずれかで供給することができる。
【0024】
ある実施形態において、第一、第二又はそれ以上の設備は、それぞれ複数の構成要素34を含む(図1の第一の製造区画及び第二の製造区画14a、14bに示す)。それぞれの構成要素34は、化学製品、生物学的製剤又は医薬製造プロセスの1以上の工程を実行する。当該1以上の構成要素34が実行することができる製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程の実施形態としては、以下のうち1又は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上が挙げられるが、これらに限定されない:
細胞接種の調製;
チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞、マウスの骨髄腫細胞株、ヒト胎児腎臓、ヒト網膜細胞、NS0、HEK293、PER.C6等の哺乳動物の細胞、又は、アフリカミドリザルVERO、MDCK(イヌ腎細胞)、CEF(ニワトリ胚細胞)、2BS、Mark 145、STl、DF-1、CIK、EPC等のウイルスの複製に適した細胞の培養又は発酵;
ワクチン製造用ニワトリ卵の孵化;
大腸菌(E. coli、例えば、E. coli K 12菌株、E. coli X 1776菌株、E. coli W3110菌株、及びE. coli l K5)、エンテロバクター属(Enterobacter)、シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)及び緑膿菌(P. aeruginosa.)等のシュードモナス属(Pseudomonas)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella、例えば、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium))、セラチア属(Serratia、例えば、霊菌(Serratia marcescans))、赤痢菌属(Shigella)等の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、枯草菌(B. subtilis)及びB. licheniformis等のバチルス属(Bacilli)又はストレプトマイセス属(Streptomyces)を含むがグラム陰性菌又はグラム陽性菌に限定されない、細菌性細胞又は原核細胞の培養又は発酵
サッカロミセス属(Saccharomyces、例えば、出芽酵母(S. cerevisiae))、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia、例えば、P. pastoris)、カンジダ属(Candida)、トリコデルマ属(Trichoderma)、アカバンカビ属(Neurospora、例えば、アカバンカビ(N. crassa))、シュバンノマイセス属(Schwannomyces)、例えば、アカバンカビ属(Neurospora)等の糸状菌類(filamentous fungi)、アオカビ属(Penicillium)、Tolypocladium属、早生胞子虫類(neosporidia)、アスペルギルス属(Aspergillus、例えば、偽巣性コウジ菌(A. nidulans)及びA. niger)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クロエケラ属(Kloeckera)、トルロプシス属(Torulopsis)又はロドトルラ属(Rhodotorula)を含むがこれらに限定されない、酵母又は真菌細胞の培養・発酵;
昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス系、Sf9細胞)の培養;
藻類、タバコ属、藻類、アオウキクサ又はキノコを含むがこれらに限定されない、植物細胞の増殖;細胞又はニワトリ卵へのウイルスの接種;
細胞又はウイルス又は培地の採取;
熱殺菌された肺炎球菌又はホルマリン処理したウイルスを含むがこれらに限定されない、不活化ワクチンの製造、インフルエンザ又はワクチン用の他のウイルス(例えば、嚢尾虫、流行性耳下腺炎、風疹、水疱瘡、ポリオ、狂犬病、H5N1ウイルス)の複製を含む生ワクチンの製造;
アデノウイルス、AAV、アルファウイルス、ポックスウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルスを含むがこれらに限定されない、ウイルスベクターの製造;
細胞の計数、細胞生存率の測定、モル浸透圧濃度測定、代謝産物測定、乳酸脱水素酵素測定;
細胞の溶解;
遠心分離プロセス;
ろ過プロセス;
精製されたバルク製品の冷凍を含む冷凍プロセス;解凍プロセス;
イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、疎水性電荷誘起クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、金属アフィニティークロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト分離、多層カラム向流溶媒勾配精製プロセスを含むがこれらに限定されない、精製プロセス、
緩衝剤希釈プロセス、賦形剤の添加を含むがこれに限定されない製剤及び/又は充填プロセス、除菌、充填プロセス、凍結乾燥プロセス、噴霧乾燥、ペグ化、密封、標識化、プロセス制御、液体窒素保存;
ペプチド合成及び/又は精製プロセス;
低分子干渉RNA(siRNA)合成及び/又は精製プロセス;
有機小分子 の合成及び/又は精製プロセス。
【0025】
そのような製造プロセスが、最終製品又は中間製品を製造する全体の製造プロセスの一部分又は工程である場合、そのような一部分又は工程を本明細書において、「製造段階」(stage of manufacture)と称する。
【0026】
そのような製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行するための構成要素34としては、以下のうち1又は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上が挙げられるが、これらに限定されない:培養要素、採取要素(harvesting component)、精製要素、安全キャビネット(biosafety cabinet)、1以上の培養フラスコ、培養器、二酸化炭素培養器、細胞計数器、細胞生存率測定装置、浸透圧測定装置、代謝産物測定装置、乳酸脱水素酵素測定装置、密封機(sealer)、滅菌連結装置(sterile connecting device)、顕微鏡、水槽、ぜん動ポンプ、単回使用又は使い捨てのバイオリアクターを含むバイオリアクター、ウェーブバイオリアクター(wave bioreactor)、媒体貯蔵タンク(media batch tank)、緩衝剤貯蔵タンク(buffer holding tank)、攪拌機、スパージャー(sparger)、植物用灯台(light house for plant)、藻類/ウキクサの成長用タンク、キノコ用室、ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ロータリーローブポンプ、容積式ポンプ、流量制御弁、遠心分離要素、ディスクスタック遠心分離機、圧力調整機、サージタンク(surge tank)、細胞溶解要素、機械的粉砕機、植物、藻類又はキノコからタンパク質を分離するためのシュレッダー及び/又は抽出器及び/又は真空システム、デプスフィルター(depth filter)要素、清澄ろ過器、汚水タンク(holding tank)、限外ろ過要素、透析ろ過要素、限外ろ過/透析ろ過システム、排液管路(drain line)、熱除去要素、再循環タンクジャケット、熱交換器、層流フード(laminar flow food)、冷凍システム、1以上の冷凍槽(cryovessel)、1以上の冷却槽、1以上の液体窒素システム、1以上の凍結/解凍要素、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、緩衝剤希釈スキッド(skid)、イオン交換クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床(bed)、アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性電荷誘起クロマトグラフィー(hydrophobic charge induction chromatography)カラム又は膜又はスキッド又は床、液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、高圧液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、(有機分子の分離用及び分析用の両方の)ガスクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、その他の分離技術、サイズ排除クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、金属アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、プロテインAクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ヒドロキシアパタイトカラム又は膜又はスキッド又は床、使い捨ての精製システム、プロセス制御システム、フィルターハウジング、紫外線分析器、伝導率検出子、スチームシール、スチームトラップ、ガラス洗浄機、オートクレーブ、滅菌フィルター、1以上の無菌容器、1以上の無菌バイアル、1以上の滅菌シリンジ、凍結乾燥機、(区画の排出口に接続されていてもよい)ドラフトチャンバー(fume hood)及び化学合成用の関連する装置、溶媒を除去するための(区画の排出口に接続されていてもよい)エバポレーター、有機物の精製用結晶化システム、個々の区画用及びコア設備用の1以上のコンピューターネットワーク、製品をアッセイするための1以上の分析装置、電気泳動装置(例えば、SDS-PAGE)、pHメーター、質量分析装置、赤外分光光度計、紫外分光光度計(プロセス実行中の分析及び検出用)、発酵及び精製システムに取り付けられているインライン分析器(in-line analytics)、攪拌(例えば、Xeellerex)又は運動(例えば、GE Healthcare Wave)を用いた20 L〜5000 L以上の使い捨ての発酵システム、非連続又は連続いずれかの分離用遠心分離装置、清浄空気ドラフト又は充填用格納システム、監視又はオートメーションで稼働するプロセス用の有線又は無線システム、清浄空気又は特殊ガス用のガス管、送水管、流体の輸送用ポンプ、製品の収集用容器、冷凍室及び冷蔵室区域、非水系の溶媒保存システム、制御システム、並びに、オートメーション及び装置制御用のソフトウェア。
【0027】
そのような製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行するための構成要素34の他の実施形態としては、以下のうち1又は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上が挙げられるが、これらに限定されない:培養要素、採取要素、1以上の培養フラスコ、培養器、二酸化炭素培養器、細胞計数器、バイオリアクター、媒体貯蔵タンク、細胞溶解要素、オートクレーブ、滅菌フィルター及びSDS-PAGE等の電気泳動装置。
【0028】
そのような製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行するための構成要素34の他の実施形態としては、以下のうち1又は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上が挙げられるが、これらに限定されない:精製要素、安全キャビネット、スパージャー、機械的粉砕機、限外ろ過要素、透析ろ過要素、限外ろ過/透析ろ過システム、層流フード、1以上の冷凍槽、イオン交換クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性電荷誘起クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、サイズ排除クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、金属アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、プロテインAクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ヒドロキシアパタイトカラム又は膜又はスキッド又は床、液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、高圧液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ガスクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、凍結乾燥機、1以上の抽出器システム、区画の排出口にそれぞれ有する1以上のエバポレーター、有機物の精製用結晶化システム、発酵及び精製システムに取り付けられている1以上のインライン分析器、及び、1以上の使い捨ての発酵システム。
【0029】
ある実施形態において、構成要素34としては、無菌処理用のフード(hood)を挙げることができる。ここで、当該フードは、(a)空気中の微粒子状生菌数(viable particulate air organism count)<1 CFU/m3、(b)沈殿板菌数(settling plate organism count)<1 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(Replicate Organism Detection and Counting(RODAC))板<1 CFU/板、及び(d)接触板菌数(touch plate organism count)<1 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する。そのような実施形態において、製造システムの使用方法としては、(a)空気中の微粒子状生菌数<1 CFU/m3、(b)沈殿板菌数<1 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板<1 CFU/板、及び(d)接触板菌数<1 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数にフードを維持することが挙げられる。
【0030】
ある実施形態において、構成要素34としては、表面(例えば、壁、床、カウンター(counter)及び/又はシンク(sink))又は(例えば無菌処理のための)区域を挙げることができる。ここで、当該表面は、(a)空気中の微粒子状生菌数≦10 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦5 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板≦5 CFU/板、及び(d)接触板菌数≦5 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する。そのような実施形態において、製造システムの使用方法としては、(a)空気中の微粒子状生菌数≦10 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦5 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板≦5 CFU/板、及び(d)接触板菌数≦5 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数に当該表面を維持することが挙げられる。
【0031】
さらなる実施形態において、構成要素34としては、表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は(例えば発酵及び/又は精製プロセスのための)区域を挙げることができる。ここで、当該表面は、(a)空気中の微粒子状生菌数≦100 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦50 CFU/4時間、及び(c)複製菌検出数(RODAC)板≦25 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する。そのような実施形態において、製造システムの使用方法としては、(a)空気中の微粒子状生菌数≦100 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦50 CFU/4時間、及び(c)複製菌検出数(RODAC)板≦25 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数に当該表面を維持することが挙げられる。
【0032】
ある実施形態において、それぞれの可動性の製造区画14は、他の区画14で実行される製造プロセスとは独立して、関連する製造プロセスを制御するための制御システムを含む。そのような制御システムとしては、中央処理装置(central processor)、記憶装置(memory device)、1以上のユーザーインターフェース(user interface)、区画内の様々なプロセスパラメーターを特定するためのあらゆる数のセンサー及び/又は所望の他のあらゆる制御システムが挙げられる。
【0033】
ある実施形態において、それぞれの可動性の製造区画14は、関連する製造プロセスの間に生じる廃液を排出するための排液管38(図2に示す)をさらに含む。ある実施形態において、廃液は、図2に示すような廃液貯蔵所44へと排出される。当該廃液貯蔵所44としては、内蔵式の廃液貯蔵タンク、廃液を下水システムへと輸送するための管システム、中央廃液処理システム及び使い捨ての制御機構、又は他のあらゆる予見できる構造が挙げられる。ある実施形態において、重力が補助する流れにより、廃液がそれぞれの区画14から排液管38へと出て、区画14の下方(例えば、1階下)に位置する廃液貯蔵所44へと流れることが可能となる。そこで、廃液は、浄化され、取り扱われ、及び/又は、処理等される。排液管38と廃液貯蔵所44は、好ましくは、コア12の汚染を避けるために、コア12から分離している。それぞれの区画14の排液管38は、一方通行のバルブ、トラップ、又は、例えば凝縮したガスを取り扱うための、同様な流れ制御装置を備えていてよい。他の実施形態において、揮発性の有機化合物の排出等の排出を取り除くために、凝縮器(例えば、表面凝縮器)を用いてよい。また、ある実施形態において、排液管38は、例えば区画14が移動するとき排液管38を密封するために、キャップ(cap)を含んでよい。
【0034】
上記したように、ある実施形態において、製造システム10は、ハウジング16も含む。図1に示す実施形態のハウジング16は、コア12を含み、第一から第六の可動性の製造区画14a〜fはコア12に接続される、又は、接続できる。そして、あらゆる付加的な製造区画14が後にコア12に接続されてよい。ある実施形態において、当該システムは、保持区域(holding area)24も含む。これは、任意のハウジング16の内側又は外側に配置されてよい。保持区域24は、好ましくは、コア12から離れて配置され、それぞれの可動性の製造区画14が、(i)洗浄操作、これにより第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画の設備が洗浄される、(ii)切り換え操作、これにより第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画が変更される、(iii)次の製造プロセスのための、供給材料及び特定の原料(試薬、細胞及び/又は使い捨ての製造要素)の限定(qualifying)、調製及び投入(loading)及び/又は(iv)設備22、ユーティリティー、又は、区画14に付随するHAVCユニットのいずれかの修理作業を実施する場所を提供する。例えば、図3に示すように、保持区域24のある実施形態としては、清浄な原料及び/又はユーティリティーを1以上の区画14に導入するための清潔区域42、及び/又は、区画を浄化(decontaminating)又は洗浄するための1以上の汚染区域(dirty area)(図には示していない)を挙げることができる。清潔区域及び/又は汚染区域としては、それ自体、区画14の1以上のアクセスポイントに着脱可能なように連結されるように構成される開口部又は通路を有する保持区域24の壁で囲まれる(walled-off)区域が挙げられる。そのような構成により、汚染区域と清潔区域の間で交差汚染が全く起こらないことを確保することができる。
【0035】
図3に示すように、製造システム10は、様々な種類のサンプルを別々に取り扱うことができる分析実験室、出荷及び入荷区域を含む倉庫、装置保管区域、細胞バンク保管区域、大容量の冷凍室(例えば、摂氏2〜8度、又は、摂氏−20度、又は、摂氏−70度)、事務所若しくは管理空間、会議室、講堂、プロセス及び製剤実験室、並びに/又は、設備の研究・開発実験室等の付属所(auxiliary station)40を含んでもよく、又は、隣接して配置されてもよい。ある実施形態において、当該製造システムは、同一のハウジング内に、コア、区画、保持区域及び付属所を含んでもよい。
【0036】
関連する態様において、本発明は、複数の製品を、好ましくは並行して、好ましくは複数の異なる技術を用いて、製造する製造システム10の使用方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、第一にコアに第一の可動性区画14aを接続することを含む複数の製品の製造方法を提供する。それから、当該方法は、第一の可動性区画14a内に配置される第一の要素構成34を用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造することを含む。それから、コア12から第一の可動性区画14aを分離し、第一の可動性区画14a内で第二の要素構成34を確立することができる。次に、コア12に第一の可動性区画14aを再接続し、第二の要素構成34を用いて第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造する。ある場合には、第二の製造プロセスは、第一の製造プロセスとは異なる。また、ある場合には、コア12から第一の可動性区画14aを分離し、第二の要素構成34を確立し、コア12に第一の可動性区画14aを再接続するのに要する期間は、例えば、30日以下、28日以下、21日以下、14日以下、10日以下、5日以下、又は、4日以下、又は、3日以下、又は、2日以下、又は、1日以下であってよい。
【0037】
ある実施形態において、当該方法は、第一の可動性区画14aをコア12に接続するとき、第一の可動性区画14aからコア12へと少なくとも1つのユーティリティーを供給することをさらに含む。当該少なくとも1つのユーティリティーは、好ましくは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)酸素及び(d)二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1つのユーティリティーを含む。上記した他のユーティリティー又は他のあらゆる予見できるユーティリティーが供給されてもよい。ある実施形態において、3以上のユーティリティー、好ましくは、(a)清浄空気、(b)滅菌水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される3以上のユーティリティーが、コア12から第一の可動性区画14aに供給される。所望により、さらなるユーティリティーが供給されてもよく、本明細書に記載されるユーティリティーのいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0038】
ある実施形態において、コア12に第一の可動性区画14aを接続することは、コア12の少なくとも1つの排出口30に第一の可動性区画14aの注入口32を接続することを含む。ここで、コア12の少なくとも1つの排出口30は、少なくとも1つのユーティリティーを供給し、好ましくは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)酸素、及び(d)二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1つのユーティリティーを供給する。ある実施形態において、コア12から第一の可動性区画14aを分離することは、コア12の少なくとも1つの排出口30から第一の可動性区画14aの少なくとも1つの注入口32を分離することを含む。ある実施形態において、コア12に第一の可動性区画14aを再接続することは、コア12の少なくとも1つの排出口30に第一の可動性区画14aの少なくとも1つの注入口32を再接続することを含む。ある実施形態において、コア12の少なくとも1つの排出口30に第一の可動性区画14aの注入口32を接続することは、コア12の複数の排出口30に第一の可動性区画14aの複数の注入口32を接続することを含む。ここで、当該複数の排出口30のそれぞれは、異なるユーティリティーを供給する。ある実施形態において、コア12の少なくとも1つの排出口30から第一の可動性区画14aの少なくとも1つの注入口32を分離することは、コア12の複数の排出口30から複数の注入口32を分離することを含む。ある実施形態において、コア12の少なくとも1つの排出口30に第一の可動性区画14aの少なくとも1つの注入口32を再接続することは、複数の排出口30に複数の注入口32を再接続することを含む。
【0039】
所望により、当該方法は、コア12から第一の可動性区画14aを分離した後、第二の要素構成34を確立する前に、保持区域24へと第一の可動性区画14aを移動させることをさらに含む。それから、第一の可動性区画14aをコア12に再接続する前に、第一の可動性区画14aをコア12に戻す。ある実施形態において、当該方法は、第一の可動性区画14aが保持区域24に位置する間、第二の要素構成34を確立する前に、第一の可動性区画14aを洗浄することをさらに含む。ある実施形態において、当該方法は、第一の可動性区画14aに第二、第三、第四、第五又は第六の可動性区画14b〜fのいずれをも接続することなく、第一の可動性区画14aがコア12に接続している間に、コア12に第二、第三、第四、第五又は第六の可動性区画14b〜fを接続することをさらに含む。
【0040】
好ましくは、それぞれの区画14でそれぞれの製造プロセスを実行することは、1以上の化学製品、生物学的製剤及び医薬のうちの1つの製造プロセスを実行することを含む。当該製造プロセスの実施形態としては、1又は好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上の上記した製造プロセスのいずれかとともに他のあらゆる特定的に上記していない製造プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
ある実施形態において、当該方法は、第一の可動性区画14a内での第一の製造プロセスの実行と並行して、第二、第三、第四、第五、第六の可動性区画14b〜f内で第二、第三、第四、第五、第六の製造プロセスを実行することをさらに含む。ある実施形態において、第三の製造プロセスは、第一の製造プロセスと異なる。したがって、当然のことながら、本発明は、フレキシブルなシステムを有利的に提供し、それにより、異なる製造プロセスが異なる製造要素構成34を用いて区画内で実行できるように、本明細書に記載する第一、第二、第三、第四、第五、第六の区画14b〜f又は他のあらゆる区画にかかわらず、単一の可動性の製造区画14をコア12に容易に接続し、分離することができる。
【0042】
別の態様において、本発明は、コア12の第一のドッキング位置(dock position)18aに第一の可動性区画14aを接続することを含む複数の製品の製造方法を提供する。それにより、第一のドッキング位置18aは、最初に複数のドッキング位置18a〜fから選択される。それから、第一の可動性区画14a内に配置される要素構成34を用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造する。それから、第一の可動性区画14aをコア12の第一のドッキング位置18aから分離し、異なる(例えば、第二、第三、第四の)可動性区画14を第一のドッキング位置18aに接続する。それから、異なる可動性区画14内に配置される要素構成34を用いて製造プロセスを実行し、異なる製品又は同一の製品を製造する。ある場合には、第一のドッキング位置18aから第一の可動性区画14aを分離し、第一のドッキング位置18aに異なる可動性区画34を接続するのに要する期間は、例えば、48時間以下、又は、36時間以下、又は、24時間以下、又は、12時間以下、又は、8時間以下であってよい。また、ある他の場合には、第一のドッキング位置18aから第一の可動性区画14aを分離し、第一のドッキング位置18aに異なる可動性区画34を接続し、異なる製品を製造する製造プロセスの実行を開始するのに要する期間は、例えば、48時間以下、又は、36時間以下、又は、24時間以下、又は、12時間以下、又は、8時間以下であってよい。
【0043】
この方法を用いると、当然のことながら、本開示のシステム10は、第一の区画14a内の構成要素34を再構成する(又は洗浄する)ことなく、第一の区画14a内でのある製品の製造から異なる区画14内での異なる(又は同一の)製品の製造へと素早く切り換えることができるというフレキシビリティーを提供する。このことは、製造の停止時間(downtime)を減少させ、システム10の全体の生産性を増大させる。
【0044】
ある実施形態において、当該方法は、可動性区画14がコア12に接続されているとき、コア12から可動性区画14へと少なくとも1つのユーティリティーを供給することをさらに含む。当該少なくとも1つのユーティリティーは、好ましくは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)酸素、及び(d)二酸化炭素からなる群より選択される。上記したユーティリティーを含む、さらなるユーティリティーを供給してもよい。他の実施形態において、可動性区画14がコア12に接続されているとき、3以上のユーティリティー、好ましくは、(a)清浄空気、(b)滅菌水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される3以上のユーティリティーは、コア12から可動性区画14へと供給される。所望により、本明細書に記載されるユーティリティーのいずれかを含むがこれらに限定されない、さらなるユーティリティーを供給してもよい。また、この方法において、可動性区画14は、前の方法で上記した方法のいずれか又は当該技術分野で公知のあらゆる他の方法で、コア12に接続し、コア12から分離することができる。さらに、前の方法と同一なように、それぞれの製造プロセスを実行することは、1以上の化学製品、生物学的製剤又は医薬の製造プロセス又は製造プロセスの一部分若しくは工程を実行することを含む。製造プロセスの実施形態としては、本明細書に記載した1又は好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16若しくはそれ以上の製造プロセスのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
別の関連する態様において、本発明は、複数の利用可能な区画14a〜fから第一の区画14aを選択することを含む製造方法を提供する。それから、第一の区画14aは、コア12に隣接するように移動され、着脱可能なようにコア12に接続される。次に、第二の区画14bは、複数の利用可能な区画14a〜fから選択され、コア12に隣接するように移動される。それから、第二の可動性区画14bは、着脱可能なようにコア12に接続される。第一の可動性区画及び第二の可動性区画14a、14bは、着脱可能なようにコアに接続されている状態で、第一の区画14a内に配置される構成要素34を用いて第一の製造プロセスを実行して第一の製品を製造し、並行して、第二の区画14b内に配置される構成要素34を用いて第一の製造プロセスを実行して第二の製品を製造する。
【0046】
当然のことながら、この方法は、製造員が、並行して多種のプロセスを実行するために、あらゆる数の利用可能な区画から1以上の区画を選択することを可能にするという利点を提供する。利用可能な区画の数は無限である。並行して実施してよい製造プロセスの数は、コア12の特定の設計及び構成並びにユーティリティーを供給するコア12の容量によってのみ限定される。システムの残り及び区画14を接続及び分離する手段は、上記したものと同じである。
【0047】
ある実施形態において、当該方法は、第一の区画14aに付随する第一の制御システムを用いて第一の製造プロセスを制御すること、及び、第二の区画14bに付随する第二の制御システムを用いて第二の製造プロセスを制御することを含む。この構成において、第一の制御システム及び第二の制御システムは、異なる制御システムであってよい。ある実施形態において、第二の製造プロセスは、第一の製造プロセスと独立して制御される。
【0048】
別の態様において、本発明は、複数の利用可能な区画14a〜14fから第一の区画14a及び第二の区画14bを選択すること、及び、第一の区画14a及び第二の区画14bを利用して単一の製造プロセスの連続した部分を実行することを含む製造方法を提供する。選択した後、コア12に第一の区画14a及び第二の区画14bを移動させ、コア12に着脱可能なように連結する。コア12に第一の製造区画14aを連結した状態で、第一の区画14a内の構成要素34を用いて製造プロセスの第一の部分を実行し、製品を第一の製造段階へともたらす。それから、当該第一の製造段階の製品を、第二の区画14bへと輸送する。コア12に第二の区画14bを連結した状態で、当該製品は、第二の区画14b内の構成要素34を用いて製造プロセスの第二の部分を実行し、当該製品を第二の製造段階へともたらす。
【0049】
別の態様において、本発明は、複数の利用可能な区画14a〜14fから第一の区画を選択すること、及び、コア12へと第一の区画14aを移動させること、及び、コア12に第一の区画14aを着脱可能なように連結することを含む製造方法を提供する。コア12に第一の可動性の製造区画14aを連結した状態で、第一の区画14a内の構成要素34を用いて製造プロセスの第一の部分を実行し、製品を第一の製造段階へともたらす。それから、当該方法は、複数の利用可能な区画14a〜14fから第二の区画14bを選択すること、コア12へと第二の区画14bを移動させること、及び、コア12に第二の区画14bを着脱可能なように連結することを含む。それから、第二の区画14bをコア12に連結した状態で、当該第一の製造段階の製品を、第二の区画14bへと輸送する。それから、第二の区画14b内の構成要素34を用いて製造プロセスの第二の部分を実行し、当該製品を第二の製造段階へともたらす。
【0050】
ある実施形態において、以上の連続した製造方法のいずれか又は両方は、利用可能な区画14a〜14fから第三の製造区画14cを選択すること、コア12に第三の区画14cを移動させること、及び、コア12に第三の区画14cを連結することをさらに含んでもよい。そのように構成して、当該第二の製造段階の製品を、第三の区画14cに輸送する。第三の区画14cをコア12に連結した状態で、第三の区画14c内の構成要素34を用いて製造プロセスの第三の部分を実行し、当該製品を第三の製造段階へともたらす。
【0051】
以上により、当然のことながら、製造プロセスの第一、第二、第三の部分及び第一、第二、第三の製造段階なる用語は、これらプロセス又は段階の相対的な順番を表すことにのみ用いられ、それぞれ全体のプロセス又は複数の段階を通した進行過程に対して中間部分であってもよい。
【0052】
当然のことながら、記載した方法のある態様において、全体の製造プロセスは、複数の部分に分割される。ここで、それぞれの部分は、別々の異なる製造区画14で、例えば、連続的に実行される。その一方、記載した方法の他の態様において、全体の製造プロセスは、単一の区画14で実行される。しかしながら、ある実施形態において、単一の区画14は、可動性の又は開閉式の仕切り(ドア、壁、カーテン等)によって互いに分割された複数の区域に分離又はさらに分割される。所望により、そのように構成して、それぞれ個々の区画の分離した区域で、全体のプロセスの様々な部分を実行することができる。以上の種類のプロセスのいずれも本願の範囲内であり、本発明の実用的な適用は、製造される特定の製品及び製造される量によって決まる。
【0053】
例えば、ある実施形態において、本発明は、500リットルの製品(例えば、精製されていない製品を含む培養上清)を製造する方法を提供する。ここで、第一の区画14は、第一の製造段階が製品の培養細胞を含むように、培養のための構成要素34を含む。それから、製品の培養細胞は、第二の製造段階が発酵された製品を含むように、発酵のための第二の区画14bに輸送されうる。それから、発酵された製品は、第三の製造段階が精製された製品を含むように、精製のための第三の区画14cに輸送されうる。これが、製造プロセスの終わりである。他の実施形態において、500リットル超又は未満の製品を製造することができる。例えば、ある実施形態において、2000リットルの製品を製造することができる。増大した体積は、製造プロセスを1以上のさらなる部分(例えば、1以上の分離した区画14)に分割することを予見的に必要とする。
【0054】
例えば、2000リットルの製品を製造するとき、第一の区画14aで製造された培養された製品を第二の区画14bに輸送し、第二の製造段階がウイルス精製前の製品(pre-viral purified product)を含むように、全体の製造プロセスのうち、ウイルス精製前の部分を実行することができる。それから、全体の製造プロセスのうち、ウイルス精製後の部分を実行するために、当該ウイルス精製前の製品を第三の区画14cに輸送し、それによりウイルス精製後の製品(post-viral purified product)を得ることができる。それから、既に利用可能な区画14a〜14fから選択され、コア12に連結された第四の区画14dに当該ウイルス精製後の製品を輸送し、プロセスのうち、さらなる精製部分を実行し、精製された製品を得ることができる。当該精製された製品は、最終製品であってよい。
【0055】
ある実施形態において、当該方法は、上記したあらゆる数のさらなるプロセス工程をさらに含む。中間製品又は製造段階をある区画から別の区画へと輸送するための様々な構造を以下に記載する。
【0056】
これまで、本開示の製造システム10は、図1に示すように、区画14へのアクセスを制御するために、外部に位置する入口室及び出口室48、50を所望により含んでいてもよいとして記載してきたが、区画14へのアクセスを制御するための異なる機構を含むように構成された、代わりとなる実施形態を構成してもよい。
【0057】
例えば、図4は、本開示に従って建設されたシステム100のある代わりとなる実施形態を示す。当該実施形態は、1又は複数の清潔接続区域(clean connect area)149を含み、当該清潔接続区域149は、コア112に(例えば、着脱可能なように、固定した方法で)連結されている。ある実施形態において、ある清潔接続区域149は、可動性の製造区画114に隣接して配置される。他の実施形態において、1以上の清潔接続区域149は、1以上の可動性の製造区画114に隣接して配置される。図4に示す実施形態において、システム100は、第一から第十八の清潔接続区域149a〜149r及び対応する第一から第十八の可動性区画114a〜114rを含む。当該清潔接続区域149a〜149rは一般的であって、特定的にいずれか1つの区画に割り当てられない。そのようなものとして、ある清潔接続区域149a〜149rは、区画114a〜114rのいずれか1つに用いることができる。ある実施形態において、コア112は長方形の形状で、区画114a〜114rは、それぞれの側面に沿って線形的な配置でコア112に接続する。形状を除いて、コア112は、図1〜3を参照して上記したコア12と同一であり、そのそれぞれのすべての特徴を含む。また、区画114a〜114rのそれぞれは、製造プロセスを実行するための設備122を収納する作業空間120を画定し、図1〜3を参照して上記した区画14と同一であり、そのそれぞれのすべての特徴を含む。したがって、図4に示すコア112及び区画114a〜114rのそれぞれのすべての特徴は、繰り返して記載しない。
【0058】
図1を参照して上記した入口室及び出口室48、50と同様に、図4に示すシステム100の清潔接続区域149a〜149rは、それぞれ区画114a〜114rへのアクセス又は区画114a〜114rからのアクセスを制御するように構成してよい。そのようなものとして、それぞれの清潔接続区域149a〜149rは、一般的に、対応する1つの区画114a〜114rと廊下(corridor)(例えば、2つの1次廊下101a、101bの1つ)との間に位置する遮断可能な室を選択的に画定する正方形又は直方形の構造を含む。それを通じて、操作員は、清潔接続区域149a〜149rへと入り、清潔接続区域149a〜149rから出ることができる。開示する実施形態において、1次廊下101a、101bは、コア112の一部として、及び、コア112の向かい側に沿って伸びており、人員がコア112と1次廊下101a、101bとの間を通ることができないように、コア112からは遮断されている。他の実施形態において、1次廊下101a、101bは、図7に示すように、コア112から離れた場所に位置してもよい。
【0059】
例えば、図7は、コア412、複数の可動性の製造区画414及び一対の1次廊下401a、401bを含むシステム400を示す。一般的に、これらの構成要素のそれぞれは、本明細書に記載したあらゆる同様の構成要素と同一であるように構成されうるため、詳細は繰り返して記載しない。また、図7のシステム400は、図に示したように、区画414で占められる区域を覆い、囲んでもよい1以上の任意のハウジング416a、又は、図1を参照して上記したハウジング16と同様に、システム400全体を覆う又は囲んでもよいハウジング416bを含むことができる。さらには、示してはいないが、図7のシステム400は、所望により、輸送盤190、及び/又は、区画414間の移動を容易にするための図4のシステムを参照して上記したものと同様な制御された廊下192を含むように備えてもよい。
【0060】
さらに、上記したシステムと同様に、図7のシステム400は、1以上のハウジング416a、416bの内側又は外側に配置することができる少なくとも1つの保持区域424を備えてもよい。当該保持区域424は、好ましくは、コア412から離れて配置され、それぞれの区画414が、(i)洗浄操作、これにより第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画の設備が洗浄される、(ii)切り換え操作、これにより第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画が変更される、(iii)次の製造プロセスのための、供給材料及び特定の原料(試薬、細胞及び/又は使い捨ての製造構成要素)の限定、調製及び投入(loading)、及び/又は(iv)設備、ユーティリティー、又は、区画414に付随するHAVCユニットのいずれかの修理作業を実施する場所を提供する。
【0061】
図7に示すシステム400と図4に示すシステム100の一つの違いは、例えば、コア412に対する1次廊下401a、401bの構成である。すなわち、1次廊下401a、401bは、区画414がコア412から異なった距離で位置するように、それぞれコア412から離れて伸びている。この実施形態において、区画414は、図4を参照して上記した区画114がコア112と連結するのと一般的に同じ方法で、コア412と連結されたままである。すなわち、システム400は、導管415を含み、そのうちの1つが明確にする目的で示されているが、当該導管がコア412からそれぞれの区画414へとユーティリティーを供給する。ある好ましい態様において、コア412からユーティリティーを供給する導管は、区画414を越えて伸びており、下降してコア412に接続する。しかしながら、他の態様において、導管は、例えば、区画414の下で導管と接続するように、システム400の地面又は床でコア412から伸びていてよい。さらに、ある他の実施形態において、導管は、例えば、コア412から1次廊下401a、401bに沿って区画414へと伸びていてよく、又は、他のあらゆる一般的な構成で伸びていてよい。図7に示す実施形態は、1次廊下401a、401bがコア412から二つの異なる方向に伸びている、すなわち、コア412の左側から右側へと伸びているが、これは単に例示に過ぎない。ある実施形態において、1以上の1次廊下401は、コア412から一方向にのみ伸びていてもよく、図7に示すようにコア412から2方向(例えば、反対側)に、又は、コア412から3以上の方向に伸びていてもよい。
【0062】
図4は、コア112に隣接して伸びる1次廊下101a、101bを含み、図7は、コア412から離れて伸びる401a、401bを含むが、他のシステムは1次廊下101a、101bを全く含まなくてもよい。図4に示すように、1次廊下101a、101bは、1以上の2次廊下により互いに接続してもよい。例えば、人員が2つの1次廊下101a、101bを通る及び/又はシステム100から完全に抜け出すことができるようにコア112の反対端に位置する1対の2次廊下105a、105b等である。同様な2次廊下を、所望により、図7のシステムに用いてよい。
【0063】
述べたように、ある実施形態において、それぞれの清潔接続区域149a〜149rは、一般的に、正方形又は長方形の形状である。ある実施形態において、清潔接続区域149a〜149rは、コア112に固定した方法で連結されてよく、それぞれの区画114a〜114rは、対応する清潔接続区域149a〜149rに着脱可能なように連結されてよい。すなわち、清潔接続区域149a〜149rの平坦な内部壁は、図に示したように、廊下101a、101bの外部壁に隣接するコア112に固定した方法で連結されてよい。また、区画114a〜114rの平坦な端面壁は、清潔接続区域149a〜149rの外部壁に隣接するコア112に着脱可能なように連結されてよい。他の実施形態において、清潔接続区域149a〜149rは、区画114a〜114rに固定した方法で連結されてよく、廊下101a、101bを介してコア112に着脱可能なように連結されてよい。さらなる実施形態において、清潔接続区域149a〜149rは、コア112及び区画114a〜114rから分離した構造であってよく、別々に可動である。そのような実施形態において、清潔接続区域149a〜149rは、コア112及びそれぞれの区画114a〜114rの両方と着脱可能なように連結されてよい。
【0064】
上記したように、清潔接続区域149a〜149rは、区画114a〜114rへのアクセスを制御するために用いる。したがって、それぞれの清潔接続区域149a〜149rは、壁、1枚のガラス等の仕切り155により互いに分離及び/又は遮断される区画入口部151及び区画出口部153を含む。明確にする目的で、区画入口部151及び区画出口部153の本実施形態を、図4の第十の清潔接続区域149jについて示すが、全ての清潔接続区域149a〜149rが同じ方法で備えていてよい。
【0065】
区画入口部151は、入口151a及び出口151bを含む。区画出口部153は、入口153a及び出口153bを含む。当該区画入口部151の入口151aは、1次廊下101bの出口103bに接続し、当該区画出口部153の出口153bは、1次廊下101bの入口103aに接続する。また、当該区画入口部151の出口151bは、第十の区画114jの入口155aに接続し、当該区画出口部153の入口153aは、第十の区画114jの出口155bに接続する。清潔接続区域149a〜149r内の入口151a、153a、103a、155a及び出口151b、153b、103b、155b、区画114a〜114r並びに廊下101a、101bは、スライディングドア(sliding door)、ピボット式のドア(pivoting door)、ポケットドア(pocket door)、密閉式のポケットドア(pocket door with seals)、シャッタードア(roll door)、カーテン、可動性又は折りたたみ式の壁、又は、少なくとも物理的な分離を提供し、所望により、閉じたときに気密シール等の密封を提供することができる他のあらゆる装置等の閉めることができる通路(closeable passageway)を選択的に含むことができる。
【0066】
記載したように清潔接続区域149a〜149rが構成された状態で、区画114a〜114rの内容物の汚染を防止するために、及び/又は、区画114a〜114r間の交差汚染を防止するために、操作員は、制御された方法で区画114a〜114rに出入りしなければならない。
【0067】
例えば、特定の区画(例えば、図4に示す第十の区画114j)に入るために、操作員は、最初に1つの2次廊下105a、105b内の廊下107を通ってシステム100に入らなければならない。代わりとなるある実施形態において、操作員は、最初に直接1次廊下内の通路を通ってシステム100に入ってもよい。このとき、操作員は、普段着又は同様な何かを着用したままでよい。開示する実施形態において、2次廊下105a、105bは、制御されていない空間、すなわち、上記したようなあらゆる「清浄空気」規格を満たすことを要しない空間、あるいはその反対であってよい。2次廊下105a、105bから、操作員は別の通路109を通って1次廊下101bに入ることができる。ある実施形態において、1次廊下101a、101bは、「清浄空気」規格を満たすように維持されてよい。例えば、1次廊下101a、101bは、例えば、米国連邦規格209Eの分類クラス1、クラス10、クラス100、クラス1,000、クラス10,000、及び、ある実施形態ではクラス100,000を含む空気のいずれかを満たすように維持されてよい。
【0068】
1次廊下101bから、操作員は、1次廊下101bの出口103b及び清潔接続区域149jの区画入口部151の入口151aを通り抜けて、区画入口部151に入ることができる。区画入口部151で一度、操作員は、第十の区画114jに入る前に、クリーンガウン(clean gown)、クリーン保護服(clean scrubs)、クリーンスーツ、又は何か他の「清潔な」服を着用することができる。いったん、操作員が第十の区画114jに入る準備ができたら、操作員は、区画入口部151の出口151b及び第十の区画114jの入口155aを通り抜けて、作業空間120へと入り、製造プロセスの性能、洗浄プロセスの実行等を補助することができる。
【0069】
第十の区画114jの作業空間120を出るために、操作員は、第十の区画114jの出口155b及び清潔接続区域149jの区画出口部153の入口153aを通り抜けることにより、区画出口部153に入る。例えば、区画出口部153内に配置されているとき、操作員は、ガウンを脱ぎ、区画出口部153の出口153b及び1次廊下101bの入口103aを通って、清潔接続区域149jの区画出口部153を出ることができる。1次廊下101bから、操作員は2次廊下105a、105bの1つへと戻り、システム100を出ることができる。したがって、清潔接続区域149a〜149rは、区画114a〜114rへの及び区画114a〜114rからの人員の流れを制御するよう操作し、汚染を防止する。
【0070】
ある実施形態において、それぞれの清潔接続区域149a〜149rは、米国連邦規格209Eのクラス1、クラス10、クラス100、クラス1,000、クラス10,000、及び、クラス100,000を含む空気の分類のいずれかを満たすよう洗浄及び/又は維持されうる。好ましくは、清潔接続区域149a〜149rは、それぞれの区画114a〜114r内で維持されるのと同じ規格の分類を満たすように維持されうる。例えば、バイオの製造に対しては、清潔接続区域149a〜149r及び区画114a〜114r内の空気は、クラス10,000、すなわち、清潔接続区域149a〜149r及び区画114a〜114r内の空気の立方フィートあたり、0.5ミクロン及びそれよりも大きい粒子が10,000個未満である空気に維持されうる。区画14及び清潔接続区域149内の空気分類を容易に維持するために、区画14に対しHVAC空調システムをさらに備えて、区画14から清潔接続区域149を介して廊下101a、101bへと出る空気の流れを確保することができる。好ましくは、区画14と清潔接続区域149との間の圧力差及び清潔接続区域149と廊下101a、101bとの間の圧力差は、一般的に当該技術分野で公知なように、水500インチ(0.05”)に維持される。他の実施形態において、区画14がウイルスを製造するのに用いられる場合、例えば、HVAC空調システムは、空気が廊下101a、101bから区画14へと流れるように確保するのに用いることができる。そのように構成して、区画14は、空気中のあらゆる浮遊粒子を捕集し、それらが制御された環境から漏れ出ることを防止するフィルター及び/又はシンクを備えてよい。これまで、清潔接続区域149a〜149r及び区画114a〜114r内の空気を同じ空気分類規格を満たすとして記載してきたが、他の実施形態において、清潔接続区域149a〜149r及び区画114a〜114r内の空気は異なる規格で維持してもよい。
【0071】
これまで、清潔接続区域149a〜149rは、仕切り155により分離される区画入口部及び区画出口部151、153を画定するとして記載してきたが、代わりとなる清潔接続区域149a〜149rの実施形態は、区画入口部及び区画出口部151、153のいずれか又は両方をさらに分割してもよい。例えば、図4の第十三の清潔接続区域149mに示すように、区画入口部151のある実施形態は、移動分割器(transition divider)163により、第一段階の入口部159a及び第二段階の入口部159bに分割してよい。移動分割器163は、スライディングドア、ピボット式のドア、ポケットドア、シャッタードア、1以上のカーテン、可動性又は折りたたみ式の壁、又は、少なくとも指定された及び/又は物理的な分離を提供し、所望により、閉じたときに気密シール等の密封を提供することができる他のあらゆる種類の装置等の選択的に閉めることができる通路を含んでよい。
【0072】
そのような構成において、操作員は、最初に清潔接続区域149mの第一段階の入口部159aに入り、第一レベルの清潔着(例えば、クリーン保護服)を着用し、それから移動分割器163を通り抜けて、第二段階の入口部161aに入り、第十三の区画114mの作業空間120へと入る前に、第一の清潔着のセットを超える第二レベルの清潔着(例えば、クリーンスーツ)を着用することができる。第十三の区画114mの作業空間120を出る際には、操作員は、第十の清潔接続区域149jについて上記したのと同様な方法で、区画出口部153内で第一及び第二レベルの清潔着を脱ぐことができる。
【0073】
代わりとなる実施形態において、操作員が第一段階の区画出口部161bにいるときは第二レベルの清潔着、そして、第二段階の区画出口部159bにいるときは第一レベルの作業着を連続的に脱ぐことができるようするために、清潔接続区域149mの区画出口部153は、移動分割器169により分離された第一段階の出口部及び第二段階の出口部161b、159bにさらに分割されてもよい。
【0074】
ある実施形態において、第一及び第二段階の入口部159a、161a及び第一及び第二段階の出口部161b、159b内の空気は、同一の又は異なる空気分類規格に従って維持されてよい。例えば、ある実施形態において、第一段階の入口部159a及び第二段階の出口部159bはクラス100,000で維持され、一方、第二段階の入口部161a及び第一段階の出口部161bはクラス10,000で維持されてよい。このことは、例えば、対応する第十三の区画114mの作業空間120と同じである。
【0075】
第十三の清潔接続区域114mのみが、第一及び第二段階の入口部159a、161a及び任意の第一及び第二段階の出口部159b、161bを含むとして記載してきたが、当然のことながら、清潔接続区域149a〜149rの全て又はいくつかも同様な方法で配置できる。また、第十三の区画149mの区画入口部及び出口部151、153が、それぞれ任意に2つの段階、例えば第一段階の入口部151a及び第二段階の入口部161aにさらに分割されるとして記載してきたが、代わりとなる実施形態において、清潔接続区域149a〜149rのいずれか又は全ての区画入口及び/又は出口部151、153は、3、4、5、6、7、8、9、10、又は他のあらゆる数の段階部分にさらに分割してよい。
【0076】
図4に示す実施形態において、コア112から区画114a〜114rのそれぞれへのユーティリティーの供給は、1次廊下101a、101bから遮断されなければならない。例えば、図4に示す第九の区画114iについて記載される一形式において、コア112から供給されるユーティリティーは、1次廊下101aの上に、下に及び/又は通って通じる1以上の遮断された柔軟な導管193a、193b内に設けることができる。示した形式において、導管193a、193bは、ユーティリティーが源を発するコア112内の固定した場所から伸びて、それぞれの区画114iに隣接する場所で終わる。そのように構成して、1以上の導管193a、193bもまた、付随する清潔接続区域149iの上に、下に及び/又は通って通じる。さらに、本開示の教示に従って区画114iを移動させ、他の区画に交換することができるように、1以上の導管193a、193bの終点は、図1〜3について上記した機械的な連結手段のいずれかを用いて、区画114iの外部の継手に着脱可能なように接続される。
【0077】
別の態様において、清潔接続区域149a〜149r及びそれらの部分(例えば、さらに分割された区画)は、コア112と区画114a〜114rとの間のユーティリティーを人員が連通するための指定された空間としてもよい。例えば、図4に示す第五の区画114eを参照して、それぞれの清潔接続区域149a〜149rは、反対の端壁に選択的に遮断できる開口部195a、195bを含んでよい。コア112に隣接する壁の開口部195aは、1以上の遮断された柔軟な導管193a、193bをコア112から受け入れるためであってよい。そのように構成して、コア112に区画114eを付着するあらゆる方法は、導管193a、193bを対応する開口部を通じて受け入れることを含んでよい。いったん受け入れたら、例えば、ゴムのスカート、環又は他の機構等の密封は、導管193a、193bの周囲で閉じられる又は締め付けられて、気密シールを提供することができる。その後、清潔接続区域149は清潔状態へともたらされ、それから、例えば、清潔接続区域149e内に位置する技術者は、コア112から伸びる1以上の導管193a、193bを、付随する区画114eから伸びる1以上の対応する導管193a、193bに接続しうる。そのように構成して、この実施形態において、清潔接続区域149a〜149iは、上記したような区画114a〜114iへの制御されたアクセスを提供することに加えて又はその代わりに、ユーティリティーを連通するための「清潔な」区域を提供することができる。
【0078】
一般には、図1を参照して上記した製造システム100の使用方法のいずれかは、同じ方法で図4に示すシステム100に適用する。しかしながら、当該方法は、より好ましく清潔接続区域149a〜149rに関連する様々な特徴を含むように修正してもよい。例えば、図4に示すシステム100を用いた複数の製品の製造方法の1つは、第一の可動性区画114で第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画114を清潔接続区域149に接続することをさらに含んでよい。また、当該方法は、異なる第二の可動性区画114をコア112の同じ位置に接続する前に、清潔接続区域149から第一の可動性区画114を分離することを含んでよい。最後に、当該方法は、別の第二の製造プロセスを実行する前に、以前に第一の可動性区画114により占められた清潔接続区域149に第二の可動性区画114を接続することをさらに含んでよい。
【0079】
別の態様において、当該方法は、第一及び第二の可動性区画114のそれぞれの入口155aを清潔接続区域149の出口151bに接続すること及び第一及び第二の可動性区画114のそれぞれの出口155bを清潔接続区域149の入口153aに接続することをさらに含んでよい。また、当該方法は、清潔接続区域149の出口151bから第一の可動性区画114の入口155aを分離すること及び清潔接続区域149の入口153aから第一の可動性区画114の出口155bを分離することを含んでよい。
【0080】
さらに、図4に示すシステム100は、製造方法を複数の連続した部分に分け、それぞれの部分は別々の異なる製造区画114で実行される上記した方法を容易にするように構成してもよい。例えば、上記したように、製造プロセスのそれぞれの部分の終わりに、製品は、所望の製品又は製造段階が製造されるまで、ある区画から別の区画へと輸送される。図4に示すように、それぞれの区画114は、並んで配置され、そのようなものとして、製品を区画114間で輸送するための対応する輸送盤190を含んでよい。図4において、第一及び第二の区画114a、114bのそれぞれは、他の区画の輸送盤190と並ぶ輸送盤190を含むものとして説明しているが、当然のことながら、区画114のいずれか又は全ては、同様な輸送盤を含んでよい。ある実施形態において、輸送盤190は、単に窓、ドア、又は、他の種類の盤、例えば、手で製品を通過させるように開閉することができる盤を含んでよい。ある実施形態において、輸送盤190は、第一の区画及び第二の区画114a、114bの間に伸びる遮断可能な導管を含んでよい。ある実施形態において、遮断可能な導管は、少なくとも一部分は、例えば、それぞれの製造サイクルの終わりに交換できる使い捨ての導管を含んでよい。
【0081】
輸送盤190を含むように図4のシステム100を改造する代わりに、別の実施形態は、連続した製造プロセスを実行するときに区画間の製品の輸送を容易にするために、隣接する区画の間で配置される又は隣接する区画から伸びて接続するように配置される制御された廊下192を含んでよい。図4は、第三及び第四の区画114c、114d間に配置される単一の制御された廊下192を特定しているが、当然のことながら、同様な制御された廊下192は、隣接する区画114のいずれか又は全ての間に配置される、又は、隣接する区画114から伸びて接続するように配置されてよい。制御された廊下内の空気は、製造員がその清潔状態を汚染することなく区画114間を通ることができるように、好ましくは、区画114内で維持されているのと同じ分類レベル、すなわち、好ましくはクラス10,000に維持される。また、示してはいないけれども、それぞれの区画114は、少なくとも1つのドア、例えば、区画114から制御された廊下192へと通ることができるドアを要しうる。そのようにして、例えば、図4の第三の区画114c内で実行される製造プロセスの第一部分の終わりに、製造員は、第三の区画114cを出て、制御された廊下192へと製品を運ぶ又さもなければ輸送することができる。制御された廊下192内で一度、第三の区画114cへのドアが閉じられ密封されると、それから、第四の区画114dへのドアを開けて、人員が製品とともに第四の区画114dへと入ることが可能となる。
【0082】
ここで、図5を参照して、本開示の原理に従って建設される、コア212を含むさらなるシステム200、及び、清潔接続コア212に接続される又は接続可能な複数の可動性の製造区画214を説明する。当該コア212及び区画214は、上記した区画14、114のいずれかのそれぞれ及び全ての特徴と同一であってよく、含んでいてよい。したがって、それぞれの及び全ての特徴は、繰り返して記載しない。
【0083】
図4を参照して上記したシステム100と同様に、システム200は、コア212に沿って、コア212と区画214間に配置される2つの1次廊下201a、201bを含み、操作員の区画214へのアクセスを提供する。また、図4を参照して上記したシステム100と同様に、システム200は、区画214へのアクセスを制御するために、対応する複数の区画214に隣接して配置される又は配置可能な複数の清潔接続区域249を含む。さらに、示していないが、図5のシステム100は、所望により、区画214間の製品の輸送を容易にするために、図4を参照して上記したのと同様に、輸送盤190及び/又は制御された廊下192を含むように備えていてもよい。図5において、システム200は、対応する第一から第五の清潔接続区域249a〜249eに連結される第一から第五の可動性区画214a〜214eを含む。コア212に連結される第六の清潔接続区域249fは、開いたままであり、別の区画に連結するために利用可能である。図5のシステム200のみ、コア212に連結される第六の清潔接続区域249を含むが、これは単に一例であり、システム200は、あらゆる数の清潔接続区域249を含んでよい。しかしながら、図4を参照して上記したシステム100とは異なり、図5に示すシステム200の清潔接続区域249のそれぞれは、雄の構成要素271と雌の構成要素273を含む。図5において、清潔接続区域249の雄と雌の構成要素271、273は、一般的な概念を伝えるために、模式的に説明されている。そのような構成要素271、273の実際の実施形態は、必ずしも示された形状、特に形状、規模、寸法、比率に関して、推測してはならない。
【0084】
それぞれの雄の構成要素271は、複数の可動性の製造区画214の1つに固定した方法で接続される。それぞれの雌の構成要素273は、コア212に固定した方法で接続され、1次廊下201a、201bの1つに隣接して接続される。代わりとなる実施形態において、雄の構成要素271は、コア212に固定した方法で連結されてよく、雌の構成要素273は区画214に固定した方法で連結されてよい。そのようにして、区画214がコア212に連結されるとき、清潔接続区域249の雄の構成要素271の凸部(tongue)271aは、雌の構成要素273内の凹部(recess)273a内に配置されて、コア212に区画214を連結する。清潔接続区域249の雄と雌の構成要素271、273のそのような連結構成は、コア212に区画214を適切に並べることを補助することができ、コア212から供給されるユーティリティーのためのあらゆる接続が区画214及び/又は清潔接続区域249により運ばれる接続を適切に並べることを補助することができることを確保する。雄の構成要素271と雌の構成要素273との間の操作員の通行を容易にするために、それぞれ入口及び出口を備えていてよい。これは、図4に示すシステム100を参照して上記した清潔接続区域149と区画114との間の入口及び出口と同様である。したがって、詳細は繰り返して記載しない。清潔接続区域249の他の特徴及び特質は、上記した清潔接続区域149のそれぞれの及び全ての特徴と同一であり、当該特徴を含む。したがって、繰り返して記載しない。
【0085】
続けて図5を参照して、システム200の2つの廊下201a、201bは、制御区域(controlled area)279に接続され、同様に非制御区域(uncontrolled area)281に接続される。本明細書において使用する「制御区域」は、本明細書において上記した清浄空気規格の1つ等の「清浄空気」規格を満たすように維持されている区域を意味する。本明細書において使用する「非制御区域」は、「清浄空気」規格に従って維持されていない区域である。非制御区域281は、制御された廊下及び/又は制御されていない廊下285を介して、さらに1以上の切り換え設備283に接続してよい。当該切り換え設備283は、同じ製造プロセスのさらなるラン(run)を実行する又は異なる製造プロセスの実行に備えて、当該区画内の構成要素の洗浄又は変更のために、1以上の区画214を受け入れるように構成してよい。これは、図1〜3に示すシステム10の保持区域を参照して上記したものと同一である。図5の左側に示すように、切り換え設備283は、切り換え設備283と区画214との間の清潔接続区域249を確立するために、雄の構成要素271を受け入れるように構成された複数の雌の構成要素273を有してよい。そのようにして、操作員は、図4を参照して上記したのと同一の方法で、制御されていない廊下285から清潔接続区域249を通って区画214にアクセスすることができる。示してはいないが、図5の右側の切り換え設備283は、図5の左側の切り換え設備283と同一の方法で備えていてよい。
【0086】
さらに、図5について、システム200は、隣接する壁213で一緒に接続する2つの分離したコア要素212a、212bをコア212が含む点で、上記したシステム10、100とさらに異なる。本質において、当該2つのコア要素212a、212bは、互いの延長であり、連結して操作し、必要により、複数の区画214へとユーティリティーを供給する。ある実施形態において、所望により、システム200が単一のコア要素、例えば、コア要素212b等を用いて操作できるように、コア要素212a、212bそれぞれは可動性である。また、システム200全体の操作能力を増大させるために、位置に移動させ、存在するコア212に接続されうる付加的なコア要素(示していない)をシステム200が備えてよいことは予見できる。これらの付加的なコア要素は、図5の矢印で示すように、コア要素212bの端に付着させてよい。
【0087】
上記した点を考慮すると、当然のことながら、図1及び図4を参照して上記した製造システム10、100の使用方法のいずれも、図5及び図7に示すシステム200と同じ方法で適用される。したがって、その詳細は繰り返して記載しない。
【0088】
これまで、本開示は、区画14、114、214、414に様々なユーティリティーを供給するコア12、112、212、414に可動性区画14、114、214、414が接続される又は接続可能である様々なシステム10、100、200、400を記載してきた。開示された実施形態のそれぞれにおいて、コア12、112、212、414は、区画14、114、214、414のそばに位置する。代わりとなる実施形態において、本開示に従って建設されたシステムは、様々な利点を得るために、少なくともいくつかのユーティリティーが区画14、114、214、414に上から供給することができるように構成してよい。例えば、重力を利用してユーティリティーを供給する利点、並びに/又は、ユーティリティー連結の場所及び人員のアクセスを空間的に分離する利点等である。
【0089】
例えば、図6は、本開示に従って建設されたシステム300の代わりとなる実施形態を部分的に示す。ここで、複数の区画のうち1つの区画314は、清潔接続区域349を介して着脱可能なようにコア312に連結され、上部ドッキング環(upper docking collar)391の下に着脱可能なように連結される。図6は単一の上部ドッキング環391を示すが、システム300は、それぞれ、コア312上の複数の場所に配置される複数のドッキング環391を含んでよい。その場所で、複数の区画314のいずれかは、ドッキング(dock)されうる。複数のドッキング環391は、互いに完全に独立し、別々で、分離してよく、あるいは、接続又は隣接してもよい。例えば、明細書及び特許請求の範囲は第一のドッキング環、第二のドッキング環と称するが、これら2つの構成要素は、単一の隣接するドッキング環の一部でもよい。区画314がコア312に接続するとき、介在するメンテナンス空間392は、区画314の上面から上部ドッキング環391を分離する。開示する実施形態において、上部ドッキング環391は、コア312から外側へ向かって伸び、コア312に固定した方法で連結される。操作員が区画314と上部ドッキング環391との間を通ることができないように、コア312と同様に、上部ドッキング環391は、区画314から分離している。ある実施形態において、人員は、上部ドッキング環391とコア312との間を通ることができる。
【0090】
述べた通り、上部ドッキング環391は、区画314に1以上のユーティリティーを供給する。このことは、上部ドッキング環391から区画314へと下方へ伸びる1以上の導管393を結合することにより容易にすることができる。すなわち、環391は、導管393への接続のための穴(port)を含んでよい。ある実施形態において、当該導管は、ライン、例えば、液体輸送のためのバルブを有する、ガンマ線を照射した使い捨てのライン等を含んでよい。示したように、区画314が上部ドッキング環391の下の位置に移動するとき、メンテナンス員は、間隙のメンテナンス空間392にアクセスし、1以上の導管393を用いて、上部ドッキング環391と区画314の間を連通することができる。1以上の導管は、電気回線、データ回線、空気ダクト、流体ライン、ガスライン等を含んでよいことは予見できる。
【0091】
ある実施形態において、上部ドッキング環391から供給される当該1以上のユーティリティーは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)精製媒体、(e)二酸化炭素、(f)栄養媒体、(g)希釈緩衝剤、(h)精製媒体、及び(i)ローカルエリアネットワークのうちの1以上を含む。他の実施形態は、上部ドッキング環391から供給される他のユーティリティーを含んでもよい。区画314に清浄空気を供給するために、上部ドッキング環391は、HVAC装置を含んでよい。区画314の上にある上部ドッキング環391内にHVAC装置を置くことにより、上部ドッキング環391の頂部391aを通じて熱及び関連したガスを排出する空間の容量を最小化する。また、HVAC装置が区画314へ冷却空気を供給するとき、区画314の上にHVAC装置を置くことにより、温かい空気よりも重い冷却空気の輸送が容易となり、したがって、重力を受けて自然に下方へ移動する。さらに、バイオ製造プロセスで用いられる冷却空気及び様々な液体媒体(liquid media)を上部ドッキング環391に貯蔵することにより、重力供給が可能となり、システム内で必要とされるポンプの数を無くす、あるいは、少なくとも減らすことができる。製造設備を操作するのに必要とされるポンプの数を減らすこと又は無くすことにより、有利的に、エネルギーコスト、メンテナンスコスト、熱の発生を減らすと同時に、システムの全体の効率を増大することができる。
【0092】
一般に、図1、4、5及び7を参照して上記した製造システム10、100、200、400の使用方法のいずれかは、同様に図6に示すシステム300に適用する。しかしながら、当該方法は、清潔接続区域149及び/又は上部ドッキング環391に関する様々な特徴を含むように変更してもよい。例えば、システム300を用いて複数の製品を製造するあらゆる方法は、可動性区画314内で製造プロセスを実行する前に、1以上の可動性区画314を1以上の対応する上部ドッキング環391に接続することをさらに含んでよい。また、システム300のあらゆる使用方法は、それぞれの製造プロセスの間に重力を受けて上部ドッキング環391から区画314へと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含んでよい。
【0093】
さらに、ある実施形態において、重力は、図6の頂部を参照して記載した上部ドッキング環391を用いることなく1以上のユーティリティーを区画へと輸送するのに用いてよい。例えば、図4及び図7を参照して上記したように、ある実施形態において、ユーティリティーは、導管193a、193b、415を介してコア112、412から区画114、414へと供給されてよい。上記したように、導管193a、193b、415は、それらが下降して区画114、414に接続するように、コア112、412から区画114、414の上へと通るように配置されてよい。そのような構成において、導管193a、193b、415を介した少なくともいくつかのユーティリティーは、区画114、414に入る際に重力を受けてよい。したがって、当然のことながら、区画14、114、214、314、414へのユーティリティーの輸送は、上部ドッキング環391を必要とする実施形態に限定されず、むしろ、上部ドッキング環391はこれを達成する単なる一つの実施形態に過ぎない。
【0094】
製品の様々な製造方法を本明細書において異なる方法として記載してきたが、当然のことながら、様々な方法又は全体の方法のいずれかの態様は、他の方法と組み合わせて、本明細書に開示するシステム10を用いた単一の製造方法を構成してよい。
【0095】
本明細書に開示する様々なシステムの実施形態の区画は、静止寸法(static dimension)の定義を含むものとして一般的に示してきたが、区画のある実施形態は、例えば、作業空間の大きさを変えることができるように、可動性の壁、ポップアウト壁(pop-out wall)、又は仕切られた場所を備えてもよい。そのように構成して、大容量の製造プロセスを収納するために作業空間のサイズを大きくしてよく、及び/又は、区画の外部寸法を小さくして輸送中の区画の操作性を容易にしてもよい。
【0096】
以上の実施形態は、本発明を説明するためにのみ提供するものであり、本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。本発明は、好ましい実施形態を強調して記載されてきたが、製造システム内で好ましい配置及び構成要素の変更を用いてもよいこと、及び、方法の変更を用いてもよいことは、当業者にとって自明である。したがって、本発明は、本明細書に特定的に記載した以外の方法で実施してもよいことは意図されている。したがって、本発明は、以下の態様により定義される本発明の精神及び範囲内に包含される全ての変更を含む。当該態様は、本発明の実施例又は実施形態の限定的な列挙及び添付する特許請求の範囲を代表するものである。
【0097】
態様1:1以上の製造区画に2以上のユーティリティー(ここで、2以上のユーティリティーのうちの少なくとも2つは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される)を供給するように構成されるコア;コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れるための第一の可動性の製造区画;第一の可動性の製造区画により画定され、第一の製造プロセスを実行するための第一の設備を収納する第一の作業空間;コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れるための第二の可動性の製造区画;及び、第二の可動性の製造区画により画定される第二の作業空間であって、第一の作業空間から分離しており、第一の製造プロセスを実行する第一の設備と並行して第二の製造プロセスを実行するための第二の設備を収納する第二の作業空間を含む、製造システム。
【0098】
態様2:1以上の製造区画に1以上のユーティリティーを供給するためのコア;ユーティリティーを受け入れるために、コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成される第一の可動性の製造区画;第一の製造プロセスを実行するために、第一の可動性の製造区画により画定され、第一の設備を収納する第一の作業空間;第一の可動性の製造区画に連結するように構成され、第一の作業区間から選択的に分離される第一の清潔接続区域であって、第一の可動性の製造区画に連結するとき、(a)第一の可動性の製造区画への及び第一の可動性の製造区画からの人員の流れ(personnel flow)を制御すること、及び、(b)コアと第一の可動性区画の間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供することのうち少なくとも1つの機能を実行するための第一の清潔接続区域;ユーティリティーを受け入れるために、コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成される第二の可動性の製造区画;第二の可動性の製造区画により画定される第二の作業空間であって、第一の作業空間から分離しており、第一の製造プロセスを実行する第一の設備と並行して第二の製造プロセスを実行するための第二の設備を収納する第二の作業空間;及び、第二の可動性の製造区画に連結するように構成され、第二の作業区間から選択的に分離される第二の清潔接続区域であって、第二の可動性の製造区画に連結するとき、(a)第二の可動性の製造区画への及び第二の可動性の製造区画からの人員の流れを制御すること、及び、(b)コアと第二の可動性の製造区画の間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供することのうち少なくとも1つの機能を実行するための第二の清潔接続区域を含む、製造システム。
【0099】
態様3:1以上の製造区画に1以上のユーティリティーを供給するためのコア;コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れる第一の可動性の製造区画;第一の製造プロセスを実行するために、第一の可動性の製造区画により画定され、第一の設備を収納する第一の作業空間;コアに着脱可能なように連結される又は着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れる第二の可動性の製造区画;第二の可動性の製造区画により画定される第二の作業空間であって、第一の作業空間から分離しており、第二の製造プロセスを実行するための第二の設備を収納する第二の作業空間;及び、第一及び第二の可動性の製造区画内のうちの1つに配置される、例えば、無菌処理をするための表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は区域であって、当該表面は、(a)空気中の微粒子状生菌数≦100 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦50 CFU/4時間、及び(c)複製菌検出数(RODAC)板菌数≦25CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する表面を含む、製造システム。
【0100】
態様4:複数のユーティリティーを供給するためのコア;1以上のユーティリティーを受け入れるために、コアに着脱可能なように連結される第一の可動性の製造区画;第一の製造プロセスを実行するために、第一の可動性の製造区画により画定され、第一の設備を収納する第一の作業空間;第一の可動性の製造区画の上に配置され、第一の可動性の製造区画がコアに連結するとき、第一の可動性の製造区画に着脱可能なように連結される第一の上部ドッキング環であって、コアから供給される複数のユーティリティーのそれぞれとは異なる第一の可動性の製造区画へと少なくとも1つのユーティリティーを供給するための第一の上部ドッキング環;1以上のユーティリティーを受け入れるために、コアに着脱可能なように連結される第二の可動性の製造区画;第二の可動性の製造区画により画定される第二の作業空間であって、第一の作業空間とは分離しており、第二の製造プロセスを実行するために、第二の設備を収納する第二の作業空間;及び、第二の可動性の製造区画の上に配置され、第二の可動性の製造区画がコアに連結するとき、第二の可動性の製造区画に着脱可能なように連結される第二の上部ドッキング環であって、コアから供給される複数のユーティリティーのそれぞれとは異なる第二の可動性の製造区画へと少なくとも1つのユーティリティーを供給するための第二の上部ドッキング環を含む、製造システム。
【0101】
態様5:第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画が互いに連結しない、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0102】
態様6:第一の可動性の製造区画をコアに接続するとき、第一の可動性の製造区画に隣接して配置されるように構成される第一の清潔接続区域であって、(a)第一の可動性の製造区画へのアクセス及び第一の可動性の製造区画からのアクセスを制御する、及び、(b)第一の可動性の製造区画及びコアとの間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供する機能のうちの少なくとも1つを実行するための第一の清潔接続区域;及び、第二の可動性の製造区画をコアに接続するとき、第二の可動性の製造区画に隣接して配置されるように構成される第二の清潔接続区域であって、(a)第二の可動性の製造区画へのアクセス及び第二の可動性の製造区画からのアクセスを制御する、及び、(b)第二の可動性の製造区画及びコアとの間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供する機能のうちの少なくとも1つを実行するための第二の清潔接続区域をさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0103】
態様7:第一の清潔接続区域の少なくとも一部分がコアに連結され、第一の可動性の製造区画に着脱可能なように連結されるように構成されており、第二の清潔接続区域の少なくとも一部分がコアに連結され、第二の可動性の製造区画に着脱可能なように連結されるように構成されている、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0104】
態様8:第一及び第二の清潔接続区域のそれぞれが、互いに分離している区画入口部及び区画出口部を含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0105】
態様9:第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアに接続されているとき、操作員が第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域からそれぞれ第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画へと通ることができるように、第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域のそれぞれの区画入口部が、それぞれ第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画の入口に接続されるように構成される出口を含み、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアに接続されているとき、操作員が第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画からそれぞれ第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域へと通ることができるように、第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域の区画出口部が、それぞれ第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画の出口に接続されるように構成される入口を含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0106】
態様10:第一及び第二の可動性の製造区画がコアに着脱可能なように連結されているとき、2以上のユーティリティーの供給を除き、第一及び第二の可動性の製造区画がコアから遮断されている、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0107】
態様11:コアが、第一及び第二の可動性の製造区画から入ってくる材料を受け入れることを遮断している、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0108】
態様12:コアに付随する第一及び第二の排出口であって、それぞれが少なくとも1つのユーティリティーを排出するように構成されている第一及び第二の排出口;第一の可動性の製造区画に付随する少なくとも1つの第一の注入口であって、コアの第一の排出口に着脱可能なように連結されるように構成される少なくとも1つの第一の注入口;及び、第二の可動性の製造区画に付随する少なくとも1つの第二の注入口であって、コアの第二の排出口に着脱可能なように連結されるように構成される少なくとも1つの第二の注入口をさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0109】
態様13:コアの第一及び第二の排出口のそれぞれが複数の排出口を含み、複数の排出口のそれぞれが2以上のユーティリティーのうち異なるユーティリティーを供給するように構成され、第一及び第二の可動性の製造区画の第一及び第二の注入口のそれぞれが複数の注入口を含み、複数の注入口のそれぞれがコアの第一及び第二の排出口の複数の排出口に連結されるように構成され、複数の第一の注入口のそれぞれは複数の第一の排出口の1つから異なるユーティリティーを受け入れるものであり、複数の第二の注入口のそれぞれは複数の第二の排出口の1つから異なるユーティリティーを受け入れるものである、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0110】
態様14:第一及び第二の設備のそれぞれが、複数の構成要素を含み、当該構成要素のそれぞれが、化学製品、生物学的製剤又は医薬の製造プロセスの1以上の工程を実行するように構成される、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0111】
態様15:複数の構成要素が、培養要素、採取要素、精製要素、安全キャビネット、1以上の培養フラスコ、培養器、二酸化炭素培養器、細胞計数器、細胞生存率測定装置、浸透圧測定装置、代謝産物測定装置、乳酸脱水素酵素測定装置、密封機、滅菌連結装置、顕微鏡、水槽、ぜん動ポンプ、単回使用又は使い捨てのバイオリアクターを含むバイオリアクター、ウェーブバイオリアクター、媒体貯蔵タンク、緩衝剤貯蔵タンク、攪拌機、スパージャー、植物用灯台、藻類/ウキクサの成長用タンク、キノコ用室、ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ロータリーローブポンプ、容積式ポンプ、流量制御弁、遠心分離要素、ディスクスタック遠心分離機、圧力調整機、サージタンク、細胞溶解要素、機械的粉砕機、植物、藻類又はキノコからタンパク質を分離するためのシュレッダー及び/又は抽出器及び/又は真空システム、デプスフィルター要素、清澄ろ過器、汚水タンク、限外ろ過要素、透析ろ過要素、限外ろ過/透析ろ過システム、排液管路、熱除去要素、再循環タンクジャケット、熱交換器、層流フード、冷凍システム、1以上の冷凍槽、1以上の冷却槽、1以上の液体窒素システム、1以上の凍結/解凍要素、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、緩衝剤希釈スキッド、イオン交換クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性電荷誘起クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、高圧液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、(有機分子の分離用及び分析用の両方の)ガスクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、その他の分離技術、サイズ排除クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、金属アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、プロテインAクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ヒドロキシアパタイトカラム又は膜又はスキッド又は床、使い捨ての精製システム、プロセス制御システム、フィルターハウジング、紫外線分析器、伝導率検出子、スチームシール、スチームトラップ、ガラス洗浄機、オートクレーブ、滅菌フィルター、1以上の無菌容器、1以上の無菌バイアル、1以上の滅菌シリンジ、凍結乾燥機、(区画の排出口に接続されていてもよい)ドラフトチャンバー及び化学合成用の関連する装置、溶媒を除去するための(区画の排出口に接続されていてもよい)エバポレーター、有機物の精製用結晶化システム、個々の区画用及びコア設備用の1以上のコンピューターネットワーク、製品をアッセイするための1以上の分析装置、電気泳動装置(例えば、SDS-PAGE)、pHメーター、質量分析装置、赤外分光光度計、紫外分光光度計(プロセス実行中の分析及び検出用)、発酵及び精製システムに取り付けられているインライン分析器、攪拌(例えば、Xeellerex)又は運動(例えば、GE Healthcare Wave)を用いた20L〜5000L以上の使い捨ての発酵システム、非連続又は連続いずれかの分離用遠心分離装置、清浄空気ドラフト又は充填用格納システム、監視又はオートメーションで稼働するプロセス用の有線又は無線システム、清浄空気又は特殊ガス用のガス管、送水管、流体の輸送用ポンプ、製品の収集用容器、冷凍室及び冷蔵室区域、非水系の溶媒保存システム、制御システム、並びに、オートメーション及び装置制御用の特殊ソフトウェアのうちの少なくとも1つを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0112】
態様16:複数の構成要素が、培養要素、採取要素、1以上の培養フラスコ、培養器、二酸化炭素培養器、細胞計数器、バイオリアクター、媒体貯蔵タンク、細胞溶解要素、オートクレーブ、滅菌フィルター、SDS-PAGE等の電気泳動装置のうちの少なくとも1つを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0113】
態様17:複数の構成要素が、精製要素、安全キャビネット、スパージャー、機械的粉砕機、限外ろ過要素、限外ろ過/透析ろ過システム、層流フード、1以上の冷凍槽、イオン交換クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性電荷誘起クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、サイズ排除クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、金属アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、プロテインAクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ヒドロキシアパタイトカラム又は膜又はスキッド又は床、液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、高圧液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ガスクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、凍結乾燥機、1以上の抽出システム、区画の排出口にそれぞれ有する1以上のエバポレーター、有機物の精製用結晶化システム、発酵及び精製システムに取り付けられている1以上のインライン分析器、1以上の使い捨ての発酵システムのうちの少なくとも1つを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0114】
態様18:培養要素がバイオリアクターを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0115】
態様19:精製要素がクロマトグラフィーシステムを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0116】
態様20:第一の可動性の製造区画が、第一の製造プロセスを制御するための第一の制御システムを含み、第二の可動性の製造区画が、第二の製造プロセスを制御するための第二の制御システムを含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0117】
態様21:第一及び第二の可動性の製造区画が、第一及び第二の製造プロセスをそれぞれの間で生じる廃液を排出するための排液管を含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0118】
態様22:第一及び第二の清潔接続区域のそれぞれの区画入口部及び区画出口部の少なくとも1つが、立方フィートあたり0.5ミクロンよりも大きい粒子を約10,000個以下含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0119】
態様23:第一及び第二の可動性の製造区画によりそれぞれ画定される第一及び第二の作業空間の区画入口部及び区画出口部の少なくとも1つが、立方フィートあたり0.5ミクロンよりも大きい粒子を約1〜約100,000個の範囲内で含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0120】
態様24:粒子の数が約10,000である、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0121】
態様25:第一の可動性の製造区画がコアに接続するとき、第一の可動性の製造区画の上に配置され、第一の可動性の製造区画に着脱可能なように接続されるように構成される第一の上部ドッキング環であって、第一の製造プロセスを実行する間に第一の作業空間に供給されるための少なくとも1つのユーティリティーを含む第一の上部ドッキング環;及び、第二の可動性の製造区画がコアに接続するとき、第二の可動性の製造区画の上に配置され、第二の可動性の製造区画に着脱可能なように接続されるように構成される第二の上部ドッキング環であって、第二の製造プロセスを実行する間に第二の作業空間に供給されるための少なくとも1つのユーティリティーを含む第二の上部ドッキング環をさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0122】
態様26:第一及び第二の上部ドッキング環がコアに固定した方法で連結される、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0123】
態様27:第一及び第二の上部ドッキング環内に含まれる少なくとも1つのユーティリティーが、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、(e)二酸化炭素、(f)栄養媒体、(g)希釈緩衝剤、(h)精製媒体、及び(i)ローカルエリアネットワークからなる群より選択される、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0124】
態様28:第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のうち少なくとも1つが無菌処理用のフード(hood)を含み、当該フードは、(a)空気中の微粒子状生菌数<1 CFU/m3、(b)沈殿板菌数<1 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板<1 CFU/板、及び(d)接触板菌数<1 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0125】
態様29:第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のうち少なくとも1つが、例えば、無菌処理をするための表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は区域を含み、当該表面は、(a)空気中の微粒子状生菌数≦10 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦5 CFU/4時間、 (c)複製菌検出数(RODAC)板菌数≦5 CFU/板、及び(d)接触板菌数≦5 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0126】
態様30:第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のうち少なくとも1つが、例えば、発酵及び/又は精製処理をするための表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は区域を含み、当該表面は、(a)空気中の微粒子状生菌数≦100 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦50 CFU/4時間、及び(c)複製菌検出数(RODAC)板菌数≦25 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有する、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0127】
態様31:輸送盤、及び、第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画との間に、それらの間の製品の輸送を容易にするために配置される制御された廊下をさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0128】
態様32:コア、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画を含むハウジングのうちの少なくとも1つをさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0129】
態様33:コア、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画を含むハウジングをさらに含む、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0130】
態様34:第一及び第二の可動性の製造区画のそれぞれが洗浄操作を実行できる位置にありうる場合、ハウジングがコアから離れて配置される保持区域を含み、それにより、第一及び第二の可動性の製造区画の作業空間が洗浄され、又は、切り換え操作により、第一及び第二の可動性の製造区画の設備が変更される、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0131】
態様35:コア、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がハブアンドスポーク方式の構成に配置され、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画が、コアの周りに円周状に保たれている、前記態様のいずれかに記載のシステム。
【0132】
態様36:コアに第一の可動性区画を着脱可能なように接続すること;第一の可動性区画内に配置される第一の要素構成を用いて、第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;コアから第一の可動性区画を分離すること;第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立すること;コアに第一の可動性区画を再接続すること;及び、第二の要素構成を用いて、第一の製造プロセスとは異なる第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造することを含む、複数の製品を製造する方法。
【0133】
態様37:第一の可動性区画をコアの第一の位置に接続すること(ここで、第一の位置は複数の位置から選択される);第一の可動性区画内に配置される要素構成を用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;コアの第一の位置から第一の可動性区画を分離すること;コアの第一の位置に第二の可動性区画を接続すること;及び、第二の可動性区画内に配置される要素構成を用いて、第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造することを含む、複数の製品を製造する方法。
【0134】
態様38:複数の利用可能な区画から第一の区画を選択すること;第一の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;複数の利用可能な区画から第二の区画を選択すること;第二の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;第一の区画内に配置された第一の構成要素のセットを用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;及び、第二の区画内に配置された第二の構成要素のセットを用いて、第一の製造プロセスと並行して第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造することを含む、製造方法。
【0135】
態様39:複数の利用可能な区画から第一の区画を選択すること;コアの外側の位置に第一の区画を移動させること;第一の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;複数の利用可能な区画から第二の区画を選択すること;コアの外側の位置に第二の区画を移動させること;第二の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;第一の区画内に配置された第一の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を第一の製造段階へともたらすこと;及び、第二の区画内に配置された第二の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第二の製造プロセスを実行し、第一の製品を第二の製造段階へともたらすことを含む、製造方法。
【0136】
態様40:第一の可動性区画又は第一及び第二の可動性区画をコアに接続するとき、コアから第一の可動性区画又は第一及び第二の可動性区画へと少なくとも1つのユーティリティーを供給することをさらに含み、当該少なくとも1つのユーティリティーは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、又は(e)二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0137】
態様41:コアから第一の可動性区画又は第一及び第二の可動性区画へと2以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、当該2以上のユーティリティーのうち少なくとも2つは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、又は(e)二酸化炭素からなる群より選択される、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0138】
態様42:コアから第一の可動性区画又は第一及び第二の可動性区画へと3以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、当該3以上のユーティリティーのうち少なくとも3つは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0139】
態様43:コアに第一の可動性区画を着脱可能なように接続することが、コアの少なくとも1つの排出口に第一の可動性区画の注入口を接続することを含み、当該コアの少なくとも1つの排出口が少なくとも1つのユーティリティーを供給する、コアから第一の可動性区画を分離することが、コアの少なくとも1つの排出口から第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口を分離することを含む、及び、コアに第一の可動性区画を再接続することが、コアの少なくとも1つの排出口に第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口を再接続することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0140】
態様44:第一及び第二の可動性区画をコアに着脱可能なように接続することが、第一及び第二の可動性区画の少なくとも1つの注入口をコアの少なくとも1つの排出口に接続することを含み、コアの少なくとも1つの排出口は少なくとも1つのユーティリティーを供給する、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0141】
態様45:第一及び第二の可動性区画の少なくとも1つの注入口をコアの少なくとも1つの排出口に接続することが、第一及び第二の可動性区画の複数の注入口をコアの複数の排出口に接続することを含み、複数の排出口のそれぞれが異なるユーティリティーを供給する、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0142】
態様46:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に着脱可能なように接続すること(ここで、当該第一の清潔接続区域は、(a)第一の可動性区画への及び第一の可動性区画からの人員の流れを制御すること、及び、(b)コアと第一の可動性区画との間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供することのうち少なくとも1つの機能を実行するためのものである);第二の可動性区画を第二の清潔接続区域に着脱可能なように接続する前に、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離すること;及び、第二の製造プロセスを実行する前に、第二の可動性区画を第一の清潔接続区域に接続することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0143】
態様47:第一及び第二の可動性区画を第一の清潔接続区域に着脱可能なように接続することが、第一及び第二の可動性区画のそれぞれの入口を第一の清潔接続区域の出口に接続すること及び第一及び第二の可動性区画のそれぞれの出口を第一の清潔接続区域の入口に接続することを含む;並びに、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離することが、第一の清潔接続区域の出口から第一の可動性区画の入口を分離すること及び第一の清潔接続区域の入口から第一の可動性区画の出口を分離することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0144】
態様48:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画をコアの第一の位置に接続するとき、第一の可動性区画を第一の可動性区画の上に位置する上部ドッキング環に接続すること(ここで、当該第一の上部ドッキング環は、第一の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第一の可動性区画に輸送するように構成される);及び、第二の製造プロセスを実行する前に、第二の可動性区画をコアの第一の位置に接続するとき、第二の可動性区画を第二の可動性区画の上に位置する第一の上部ドッキング環に接続すること(前記第一の上部ドッキング環は、第二の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第二の可動性区画に輸送するように構成される)をさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0145】
態様49:第一の及び第二の製造プロセスのうちの少なくとも1つの間に第一の上部ドッキング環から第一及び第二の可動性区画のうちの少なくとも1つへと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0146】
態様50:コアから離れて配置される保持区域へと第一の可動性区画を移動させること、及び(i)第一の可動性区画を洗浄すること又は(ii)第一の可動性区画内で異なる要素構成を確立することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0147】
態様51:第一の区画を選択した後、コアに隣接する第一の区画を移動すること;及び、第二の区画を選択した後、コアに隣接する第二の区画を移動することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0148】
態様52:複数の利用可能な区画から第三の区画を選択すること;第三の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;第三の区画内に配置された第三の構成要素のセットを用いて、第一及び第二の製造プロセスと並行して、第三の製造プロセスを実行し、第三の製品を製造することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0149】
態様53:第一の区画をコアに着脱可能なように接続することが、第一の区画の少なくとも1つの第一の注入口をコアの少なくとも1つの第一の排出口に着脱可能なように接続すること;及び、第二の区画をコアに着脱可能なように接続することが、第二の区画の少なくとも1つの第二の注入口をコアの少なくとも1つの第二の排出口に着脱可能なように接続することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0150】
態様54:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の区画を第一の清潔接続区域に着脱可能なように接続すること(ここで、当該第一の清潔接続区域は、(a)第一の区画への及び第一の区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)コアと第一の区画の間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである);
第二の製造プロセスを実行する前に、第二の区画を第二の清潔接続区域に着脱可能なように接続すること(ここで、当該第二の清潔接続区域は、(a)第二の区画への及び第二の区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)コアと第一の可動性区画の間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである)をさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0151】
態様55:第一の区画を第一の清潔接続区域に着脱可能なように接続することが、第一の区画の入口を第一の清潔接続区域の出口に接続すること及び第一の区画の出口を第一の清潔接続区域の入口に接続することを含む;及び、第二の区画を第二の清潔接続区域に着脱可能なように接続することが、第二の区画の入口を第二の清潔接続区域の出口に接続すること及び第二の区画の出口を第二の清潔接続区域の入口に接続することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0152】
態様56:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の区画をコアに接続するとき、第一の区画の上に位置する第一の上部ドッキング環に第一の区画を着脱可能なように接続すること(ここで、当該第一の上部ドッキング環は、第一の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第一の区画に輸送するように構成される);及び、第二の製造プロセスを実行する前に、第二の区画をコアに接続するとき、第二の可動性区画の上に位置する第二の上部ドッキング環に第二の区画を着脱可能なように接続すること(当該第二の上部ドッキング環は、第二の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第二の可動性区画に輸送するように構成される)をさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0153】
態様57:第一の製造プロセスの間に第一の上部ドッキング環から第一の上部ドッキング環へと1以上のユーティリティーを輸送すること、第二の製造プロセスの間に第二の上部ドッキング環から第二の上部ドッキング環へと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0154】
態様58:第一の区画に付随する第一の制御システムを用いて第一の製造プロセスを制御すること;及び、第二の区画に付随する第二の制御システムを用いて第二の製造プロセスを制御することをさらに含み、第一の制御システムと第二の制御システムとは異なる制御システムである、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0155】
態様59:第二の製造プロセスを制御することが、第一の製造プロセスと独立して、第二の製造プロセスを制御することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0156】
態様60:第一の製造プロセスを実行した後、コアから第一の区画を分離すること;コアから離れて配置される保持区域へ第一の区画を移動させること;(a)第一の構成要素のセットを洗浄し、第三の構成要素のセットを規定する、(b)第一の構成要素のセットを再構成し、第三の構成要素のセットを規定する、及び(c)第一の構成要素のセットのうち少なくともいくつかを第三の構成要素のセットに置き換える操作のうち少なくとも1つを実行すること;第一の区画をコアに着脱可能なように再接続すること;及び、第二の構成要素のセットを用いた第二の製造プロセスの実行と並行して、第一の区画内の第三の構成要素のセットを用いて第三の製造プロセスを実行することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0157】
態様61:第一の区画をコアに着脱可能なように再接続する前に、コアに隣接する位置へと第一の区画を移動させることをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0158】
態様62:第一の製造段階において第一の区画から第二の区画へと第一の製品を移動させることをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0159】
態様63:第一の区画から第二の区画へと第一の製品を移動させることが、第一の区画から第二の区画へと第一の製品を輸送することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0160】
態様64:第一の区画から第二の区画へと第一の製品を輸送することが、(a)導管、ライン、チューブ又は他の接続手段を通して、第一の区画から第二の区画へと第一の製品を輸送する、及び、(b)容器又は槽内で第一の区画から第二の区画へと第一の製品の輸送する機能のうちの1以上を含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0161】
態様65:第一の製品をポンプで輸送することが、第一の区画から第二の区画へと伸びる導管を通して第一の製品をポンプで輸送することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0162】
態様66:第一の区画から第二の区画へと第一の製品を輸送することが、第一の区画と第二の区画との間に配置される制御された廊下を通じて第一の製品を移動させることを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0163】
態様66:複数の利用可能な区画から第三の区画を選択すること;コアの外側の位置に第三の区画を移動させること;第三の区画を着脱可能なようにコアに接続すること;第三の区画内に配置された第三の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第三の製造プロセスを実行し、第一の製品を第三の製造段階へともたらすことをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0164】
態様67:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に着脱可能なように接続すること(ここで、当該清潔接続区域は、(a)第一の可動性区画への及び第一の可動性区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)第一の可動性区画とコアとの間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである);第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離すること;及び、第二の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に再接続することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0165】
態様68:第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口をコアの少なくとも1つの排出口に接続することが、コアの複数の排出口を第一の可動性区画の複数の注入口に接続することを含み、当該複数の注入口は異なるユーティリティーを供給し、コアの少なくとも1つの排出口から第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口を分離することが、複数の排出口から複数の注入口を分離することを含み、第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口をコアの少なくとも1つの排出口に再接続することが、複数の注入口を複数の排出口に再接続することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0166】
態様69:第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に接続する及び再接続することが、第一の可動性区画の入口を第一の清潔接続区域の出口に接続すること及び第一の可動性区画の出口を第一の清潔接続区域の入口に接続することを含む;並びに、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離することが、第一の清潔接続区域の出口から第一の可動性区画の入口を分離すること及び第一の清潔接続区域の入口から第一の可動性区画の出口を分離することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0167】
態様70:第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画の上に位置する上部ドッキング環に第一の可動性区画を着脱可能なように接続すること(ここで、当該第一の上部ドッキング環は、第一及び第二の製造プロセスのうち少なくとも1つの間に1以上のユーティリティーを第一の区画に輸送するように構成される);第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の上部ドッキング環から第一の可動性区画を分離すること;及び、第二の製造プロセスを実行する前に、第一の上部ドッキング環に第一の可動性区画を再接続することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0168】
態様71:第一及び第二の製造プロセスのうち少なくとも1つの間に、第一の上部ドッキング環から第一の可動性区画へと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0169】
態様72:1以上のユーティリティーが、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)栄養媒体、(d)希釈緩衝剤、及び(e)精製媒体からなる群より選択される、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0170】
態様73:第一の可動性の製造区画内の無菌処理用のフードを、(a)空気中の微粒子状生菌数<1 CFU/m3、(b)沈殿板菌数<1 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板<1 CFU/板、及び(d)接触板菌数<1 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有するように維持することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0171】
態様74:第一の可動性の製造区画内の表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は区域(例えば、無菌処理用)を、(a)空気中の微粒子状生菌数≦10 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦5 CFU/4時間、(c)複製菌検出数(RODAC)板菌数≦5 CFU/板、及び(d)接触板菌数≦5 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有するように維持することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0172】
態様75:第一の可動性の製造区画内の表面(例えば、壁、床、カウンター及び/又はシンク)又は区域(例えば、無菌処理用)を、(a)空気中の微粒子状生菌数≦100 CFU/m3、(b)沈殿板菌数≦50 CFU/4時間、及び(c)複製菌検出数(RODAC)板菌数≦25 CFU/板からなる群より選択される1、2、3又は全ての菌数を有するように維持することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0173】
態様76:第一の可動性区画をコアから分離した後、第二の要素構成を確立する前に、コアから離れて配置される保持区域へと第一の可動性区画を移動させることをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0174】
態様77:第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の可動性区画を洗浄することをさらに含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0175】
態様78:第一及び第二の製造プロセスを実行することが、化学製品、生物学的製剤又は医薬製造プロセスのうちの1つを実行することを含む、前記態様のいずれかに記載の方法。
【0176】
態様79:化学製品、生物学的製剤又は医薬の製造プロセスが、細胞接種の調製;チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞、マウスの骨髄腫細胞株、ヒト胎児腎臓、ヒト網膜細胞、NS0、HEK293、PER.C6等の哺乳動物の細胞、又は、アフリカミドリザルVERO、MDCK(イヌ腎細胞)、CEF(ニワトリ胚細胞)、2BS、Mark 145、STl、DF-1、CIK、EPC等のウイルスの複製に適した細胞の培養又は発酵;ワクチン製造用ニワトリ卵の孵化;グラム陰性菌又はグラム陽性菌に限定されないが、大腸菌(E. coli、例えば、E. coli K 12菌株、E. coli X 1776菌株、E. coli W3110菌株、及びE. coli l K5)、エンテロバクター属(Enterobacter)、シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)及び緑膿菌(P. aeruginosa.)等のシュードモナス属(Pseudomonas)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella、例えば、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium))、セラチア属(Serratia、例えば、霊菌(Serratia marcescans))、赤痢菌属(Shigella)等の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、枯草菌(B. subtilis)及びB. licheniformis等のバチルス属(Bacilli)又はストレプトマイセス属(Streptomyces)を含む細菌性細胞又は原核細胞の培養又は発酵;限定はされないが、サッカロミセス属(Saccharomyces、例えば、出芽酵母(S. cerevisiae))、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia、例えば、P. pastoris)、カンジダ属(Candida)、トリコデルマ属(Trichoderma)、アカバンカビ属(Neurospora、例えば、アカバンカビ(N. crassa))、シュバンノマイセス属(Schwannomyces)、例えば、アカバンカビ属(Neurospora)等の糸状菌類(filamentous fungi)、アオカビ属(Penicillium)、Tolypocladium属、早生胞子虫類(neosporidia)、アスペルギルス属(Aspergillus、例えば、偽巣性コウジ菌(A. nidulans)及びA. niger)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クロエケラ属(Kloeckera)、トルロプシス属(Torulopsis)又はロドトルラ属(Rhodotorula)を含む酵母又は真菌細胞の培養・発酵;昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス系、Sf9細胞)の培養;限定はされないが、藻類、タバコ属、藻類、アオウキクサ又はキノコを含む植物細胞の増殖;細胞又はニワトリ卵へのウイルスの接種;細胞又はウイルス又は培地の採取;限定はされないが、熱殺菌された肺炎球菌又はホルマリン処理したウイルスを含む不活化ワクチンの製造;インフルエンザ又はワクチン用の他のウイルス(例えば、嚢尾虫、流行性耳下腺炎、風疹、水疱瘡、ポリオ、狂犬病、H5N1ウイルス)の複製を含む生ワクチンの製造;限定はされないが、アデノウイルス、AAV、アルファウイルス、ポックスウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルスを含むウイルスベクターの製造;細胞の計数、細胞生存率の測定、モル浸透圧濃度測定、代謝産物測定、乳酸脱水素酵素測定;細胞の溶解;遠心分離プロセス;ろ過プロセス;精製されたバルク製品の凍結を含む凍結プロセス;解凍プロセス;限定はされないが、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、疎水性電荷誘起クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、金属アフィニティークロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト分離、多層カラム向流溶媒勾配精製プロセスを含む精製プロセス、緩衝剤希釈プロセス、賦形剤の添加を含むがこれに限定されない製剤及び/又は充填プロセス、除菌、充填プロセス、凍結乾燥プロセス、噴霧乾燥、ペグ化、密封、標識化、プロセス制御、液体窒素保存;ペプチド合成及び/又は精製プロセス;低分子干渉RNA(siRNA)合成及び/又は精製プロセス;有機小分子の合成及び/又は精製プロセスからなる群より選択される、前記態様のいずれかに記載の方法。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の製造区画に2以上のユーティリティー(ここで、前記2以上のユーティリティーのうちの少なくとも2つは、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される)を供給するように構成されるコア;
コアに着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れるための第一の可動性の製造区画;
第一の可動性の製造区画により画定され、第一の製造プロセスを実行するための第一の設備を収納する第一の作業空間;
コアに着脱可能なように連結されるように構成され、ユーティリティーを受け入れるための第二の可動性の製造区画;及び
第二の可動性の製造区画により画定される第二の作業空間であって、第一の作業空間から分離しており、第一の製造プロセスを実行する第一の設備と並行して第二の製造プロセスを実行するための第二の設備を収納する第二の作業空間
を含む、製造システム。
【請求項2】
第一の可動性の製造区画をコアに接続するとき、第一の可動性の製造区画に隣接して配置されるように構成される第一の清潔接続区域であって、(a)第一の可動性の製造区画へのアクセス及び第一の可動性の製造区画からのアクセスを制御する、及び、(b)第一の可動性の製造区画とコアとの間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供する機能のうちの少なくとも1つを実行するための第一の清潔接続区域;及び
第二の可動性の製造区画をコアに接続するとき、第二の可動性の製造区画に隣接して配置されるように構成される第二の清潔接続区域であって、(a)第二の可動性の製造区画へのアクセス及び第二の可動性の製造区画からのアクセスを制御する、及び、(b)第二の可動性の製造区画とコアとの間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供する機能のうちの少なくとも1つを実行するための第二の清潔接続区域
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第一の清潔接続区域の少なくとも一部がコアに結合され、第一の製造区画に着脱可能なように連結されるように構成される、及び、
第二の清潔接続区域の少なくとも一部がコアに結合され、第二の製造区画に着脱可能なように連結されるように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域のそれぞれが区画入口部及び区画出口部を互いに分離して含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアに接続されるとき、操作員が第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域から、それぞれ第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画へ通行することができるように、第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域のそれぞれの区画入口部が、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画の入口にそれぞれ接続されるように構成される出口を含む、及び、
第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアに接続されるとき、操作員が第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画から、それぞれ第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域へ通行することができるように、第一の清潔接続区域及び第二の清潔接続区域のそれぞれの区画出口部が、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画の出口にそれぞれ接続されるように構成される入口を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
第一の可動性の製造区画がコアに接続されるとき、第一の可動性の製造区画の上に配置され、第一の可動性の製造区画に着脱可能なように接続されるように構成される第一の上部ドッキング環であって、第一の製造プロセスを実行する際に第一の作業空間に供給されるための少なくとも1つのユーティリティーを含む第一の上部ドッキング環;及び、
第二の可動性の製造区画がコアに接続されるとき、第二の可動性の製造区画の上に配置され、第一の可動性の製造区画に着脱可能なように接続されるように構成される第二の上部ドッキング環であって、第二の製造プロセスを実行する際に第二の作業空間に供給されるための少なくとも1つのユーティリティーを含む第二の上部ドッキング環
をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
第一の上部ドッキング環及び第二の上部ドッキング環がコアに固定して連結されている、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
第一の上部ドッキング環及び第二の上部ドッキング環内に含まれる少なくとも1つのユーティリティーが、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、(e)二酸化炭素、(f)栄養媒体、(g)希釈緩衝剤、(h)精製媒体、及び(i)ローカルエリアネットワークからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアに着脱可能なように連結されるとき、2以上のユーティリティーが供給されることを除いて、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画がコアから遮断される、請求項1〜8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
コアが、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画から入ってくる材料の受け入れを遮断する、請求項1〜9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
コアに付随する第一の排出口及び第二の排出口であって、それぞれが少なくとも1つのユーティリティーを排出するように構成された第一の排出口及び第二の排出口;
第一の可動性の製造区画に付随する少なくとも1つの第一の注入口であって、コアの第一の排出口に着脱可能なように連結されるように構成された少なくとも1つの第一の注入口;及び
第二の可動性の製造区画に付随する少なくとも1つの第二の注入口であって、コアの第二の排出口に着脱可能なように連結されるように構成された少なくとも1つの第二の注入口
をさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
コアの第一の排出口及び第二の排出口のそれぞれが複数の排出口を含み、前記複数の排出口のそれぞれが2以上の異なるユーティリティーを供給するように構成される、及び、
第一及び第二の可動性の製造区画の第一及び第二の注入口がそれぞれ、コアの第一の排出口及び第二の排出口の複数の排出口に着脱可能なように連結されるように構成された複数の注入口を含み、前記複数の第一の注入口のそれぞれが、前記複数の第一の排出口のうちの1つから異なるユーティリティーを受け入れるためのものであり、前記複数の第二の注入口のそれぞれが、前記複数の第二の排出口のうちの1つから異なるユーティリティーを受け入れるためのものであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
第一の設備及び第二の設備のそれぞれが複数の構成要素を含み、前記複数の構成要素のそれぞれが、化学製品、生物学的製剤又は医薬の製造プロセスの1以上の工程を実行するように構成される、請求項1〜12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の構成要素が、培養要素、採取要素、精製要素、安全キャビネット、1以上の培養フラスコ、培養器、二酸化炭素培養器、細胞計数器、細胞生存率測定装置、浸透圧測定装置、代謝産物測定装置、乳酸脱水素酵素測定装置、密封機、滅菌連結装置、顕微鏡、水槽、ぜん動ポンプ、単回使用又は使い捨てのバイオリアクターを含むバイオリアクター、ウェーブバイオリアクター、媒体貯蔵タンク、緩衝剤貯蔵タンク、攪拌機、スパージャー、植物用灯台、藻類/ウキクサの成長用タンク、キノコ用室、ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ロータリーローブポンプ、容積式ポンプ、流量制御弁、遠心分離要素、ディスクスタック遠心分離機、圧力調整機、サージタンク、細胞溶解要素、機械的粉砕機、植物、藻類又はキノコからタンパク質を分離するためのシュレッダー及び/又は抽出器及び/又は真空システム、デプスフィルター要素、清澄ろ過器、汚水タンク、限外ろ過要素、透析ろ過要素、限外ろ過/透析ろ過システム、排液管路、熱除去要素、再循環タンクジャケット、熱交換器、層流フード、冷凍システム、1以上の冷凍槽、1以上の冷却槽、1以上の液体窒素システム、1以上の凍結/解凍要素、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、緩衝剤希釈スキッド、イオン交換クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、疎水性電荷誘起クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、高圧液体クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、(有機分子の分離用及び分析用の両方の)ガスクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、その他の分離技術、サイズ排除クロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、金属アフィニティークロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、プロテインAクロマトグラフィーカラム又は膜又はスキッド又は床、ヒドロキシアパタイトカラム又は膜又はスキッド又は床、使い捨ての精製システム、プロセス制御システム、フィルターハウジング、紫外線分析器、伝導率検出子、スチームシール、スチームトラップ、ガラス洗浄機、オートクレーブ、滅菌フィルター、1以上の無菌容器、1以上の無菌バイアル、1以上の滅菌シリンジ、凍結乾燥機、(区画の排出口に接続されていてもよい)ドラフトチャンバー及び化学合成用の関連する装置、溶媒を除去するための(区画の排出口に接続されていてもよい)エバポレーター、有機物の精製用結晶化システム、個々の区画用及びコア設備用の1以上のコンピューターネットワーク、製品をアッセイするための1以上の分析装置、電気泳動装置(例えば、SDS-PAGE)、pHメーター、質量分析装置、赤外分光光度計、紫外分光光度計(プロセス実行中の分析及び検出用)、発酵及び精製システムに取り付けられているインライン分析器、攪拌(例えば、Xeellerex)又は運動(例えば、GE Healthcare Wave)を用いた20L〜5000L以上の使い捨ての発酵システム、非連続又は連続いずれかの分離用遠心分離装置、清浄空気ドラフト又は充填用格納システム、監視又はオートメーションで稼働するプロセス用の有線又は無線システム、清浄空気又は特殊ガス用のガス管、送水管、流体の輸送用ポンプ、製品の収集用容器、冷凍室及び冷蔵室区域、非水系の溶媒保存システム、制御システム、並びに、オートメーション及び装置制御用のソフトウェアのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
第一の可動性の製造区画が、第一の製造プロセスを制御するための第一の制御システムを含み、
第二の可動性の製造区画が、第一の製造プロセスと独立した第二の製造プロセスを制御するための第二の制御システムを含む、請求項1〜14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のそれぞれが、第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスの過程でそれぞれ生じた廃液を排出するための排液管を含む、請求項1〜15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画の間の製品の輸送を容易にするために、第一の可動性の製造区画と第二の可動性の製造区画の間に配置された輸送盤及び制御された廊下のうちの1つをさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
コア、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のうちの少なくとも1つを含むハウジングをさらに含む、請求項1〜17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
コア、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画を含むハウジングをさらに含む、請求項1〜18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
ハウジングがコアから離れて配置される保持区域を含み、そこに、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画が洗浄される手段である洗浄操作、又は、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画の設備が切り換わる手段である切り換え操作を実行するために、第一の可動性の製造区画及び第二の可動性の製造区画のそれぞれを配置することができることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
コアに第一の可動性区画を接続すること;
第一の可動性区画内に配置される第一の要素構成を用いて、第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;
コアから前記第一の可動性区画を分離すること;
第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立すること;
コアに第一の可動性区画を再接続すること;及び
第二の要素構成を用いて、第一の製造プロセスとは異なる第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造すること
を含む、複数の製品を製造する方法。
【請求項22】
コアに第一の可動性区画を接続するとき、コアから第一の可動性区画へと少なくとも1つのユーティリティーを供給することをさらに含み、前記少なくとも1つのユーティリティーは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、又は(e)二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
コアから第一の可動性区画へと2以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、前記2以上のユーティリティーは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
コアから第一の可動性区画へと3以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、前記3以上のユーティリティーのうち少なくとも3つは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
コアに第一の可動性区画を接続することが、コアの少なくとも1つの排出口に第一の可動性区画の注入口を接続することを含み、コアの少なくとも1つの排出口が少なくとも1つのユーティリティーを供給する、
コアから第一の可動性区画を分離することが、コアの少なくとも1つの排出口から第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口を分離することを含む、及び
コアに第一の可動性区画を再接続することが、コアの少なくとも1つの排出口に第一の可動性区画の少なくとも1つの注入口を再接続することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に接続すること(ここで、前記清潔接続区域は、(a)第一の可動性区画への及び第一の可動性区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)第一の可動性区画とコアの間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである);
第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離すること;及び
第二の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に再接続すること
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
第一の可動性区画を第一の清潔接続区域に接続すること及び再接続することが、第一の可動性区画の入口を第一の清潔接続区域の出口に接続すること及び第一の可動性区画の出口を第一の清潔接続区域の入口に接続することを含む;及び
第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離することが、第一の清潔接続区域の出口から第一の可動性区画の入口を分離すること及び第一の清潔接続区域の入口から第一の可動性区画の出口を分離することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第一の製造プロセスを実行する前に、第一の可動性区画の上に位置する第一の上部ドッキング環に第一の可動性区画を接続すること(ここで、前記第一の上部ドッキング環は、第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスのうちの少なくとも1つの間に1以上のユーティリティーを第一の可動性区画に輸送するように構成される);
第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の上部ドッキング環から第一の可動性区画を分離すること;及び
第二の製造プロセスを実行する前に、第一の上部ドッキング環に第一の可動性区画を再接続すること
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスのうちの少なくとも1つの間に第一の上部ドッキング環から第一の可動性区画へと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
1以上のユーティリティーが、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)栄養媒体、(d)希釈緩衝剤、及び(e)精製媒体からなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
コアから第一の可動性区画を分離した後、第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、コアから離れて配置される保持区域へと第一の可動性区画を移動させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
第一の可動性区画内で第二の要素構成を確立する前に、第一の可動性区画を洗浄することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
コアの第一の位置に第一の可動性区画を接続すること(ここで、前記第一の位置は複数の位置から選択される);
第一の可動性区画内に配置される要素構成を用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;
コアの第一の位置から第一の可動性区画を分離すること;
コアの第一の位置に第二の可動性区画を接続すること;及び
第二の可動性区画内に配置される要素構成を用いて、第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造すること
を含む、複数の製品を製造する方法。
【請求項34】
コアに第一の可動性区画及び第二の可動性区画を接続することが、コアの少なくとも1つの排出口に第一の可動性区画及び第二の可動性区画の少なくとも1つの注入口を接続することを含み、前記コアの少なくとも1つの排出口は少なくとも1つのユーティリティーを供給することを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第一の製造プロセスを実行する前に、第一の清潔接続区域に第一の可動性区画を接続すること(ここで、前記第一の清潔接続区域は、(a)第一の可動性区画への及び第一の可動性区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)コアと第一の可動性区画の間にユーティリティーを接続するための清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである);
コアの第一の位置に第二の可動性区画を着脱可能なように接続する前に、第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離すること;及び
第二の製造プロセスを実行する前に、第一の清潔接続区域に第二の可動性区画を接続すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
第一の清潔接続区域に第一の可動性区画を接続することが、第一の清潔接続区域の出口に第一の可動性区画及び第二の可動性区画のそれぞれの入口を接続すること及び第一の清潔接続区域の入口に第一の可動性区画及び第二の可動性区画のそれぞれの出口を接続すること;及び
第一の清潔接続区域から第一の可動性区画を分離することが、第一の清潔接続区域の出口から第一の可動性区画の入口を分離すること及び第一の清潔接続区域の入口から第一の可動性区画の出口を分離することであることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
第一の製造プロセスを実行する前に、コアの第一の位置に第一の可動性区画を接続するとき、第一の可動性区画の上に位置する上部ドッキング環に第一の可動性区画を接続すること(ここで、前記第一の上部ドッキング環は、第一の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第一の可動性区画に輸送するように構成される);及び
第二の製造プロセスを実行する前に、コアの第一の位置に第二の可動性区画を接続するとき、第二の可動性区画の上に位置する第一の上部ドッキング環に第二の可動性区画を接続すること(前記第一の上部ドッキング環は、第二の製造プロセスの間に1以上のユーティリティーを第二の可動性区画に輸送するように構成される)
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスのうち少なくとも1つの間に、第一の上部ドッキング環から第一の可動性区画及び第二の可動性区画のうち少なくとも1つへと1以上のユーティリティーを輸送することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも1つのユーティリティーが、(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)栄養媒体、(d)希釈緩衝剤、及び(e)精製媒体からなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
コアから第一の可動性区画を分離した後に、コアから離れて配置される保持区域に第一の可動性区画を移動させること、及び
(i)第一の可動性区画を洗浄すること、又は、(ii)第一の可動性区画内で異なる要素構成を確立すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
複数の利用可能な区画から第一の区画を選択すること;
コアに第一の区画を着脱可能なように接続すること;
複数の利用可能な区画から第二の区画を選択すること;
コアに第二の区画を着脱可能なように接続すること;
第一の区画内に配置される第一の構成要素のセットを用いて第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を製造すること;及び
第二の区画内に配置される第二の構成要素のセットを用いて、並行して第二の製造プロセスを実行し、第二の製品を製造すること
を含む、製造方法。
【請求項42】
第一の区画を選択した後、コアに隣接するように第一の区画を移動させること;及び
第二の区画を選択した後、コアに隣接するように第二の区画を移動させること
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
複数の利用可能な区画から第三の区画を選択すること;
コアに第三の区画を着脱可能なように接続すること;及び
第三の区画内に配置される第三の構成要素のセットを用いて、第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスのうちの少なくとも1つと並行して、第三の製造プロセスを実行し、第三の製品を製造すること
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
第一の製造プロセスを実行した後、コアから第一の区画を分離すること;
コアから離れて配置される保持区域へ第一の区画を移動させること;
(a)第一の構成要素のセットを洗浄し、第三の構成要素のセットを規定する、
(b)第一の構成要素のセットを再構成し、第三の構成要素のセットを規定する、及び
(c)第一の構成要素のセットのうち少なくともいくつかを第三の構成要素のセットに置き換える
操作のうち少なくとも1つを実行すること;
コアに第一の区画を着脱可能なように再接続すること;及び
第二の区画内の第二の構成要素のセットを用いた第二の製造プロセスの実行と並行して、第一の区画内の第三の構成要素のセットを用いて第三の製造プロセスを実行すること
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
コアに第一の区画を着脱可能なように再接続する前に、コアに隣接する位置へと第一の区画を移動させることをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
複数の利用可能な区画から第一の区画を選択すること;
コアの外側の位置に第一の区画を移動させること;
コアに第一の区画を着脱可能なように接続すること;
複数の利用可能な区画から第二の区画を選択すること;
コアの外側の位置に第二の区画を移動させること;
コアに第二の区画を着脱可能なように接続すること;
第一の区画内に配置される第一の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第一の製造プロセスを実行し、第一の製品を第一の製造段階へともたらすこと;及び
第二の区画内に配置された第二の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第二の製造プロセスを実行し、第一の製品を第二の製造段階へともたらすこと
を含む、製造方法。
【請求項47】
第一の製造段階において第一の区画から第二の区画へと第一の製品を移動させることをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
第一の区画から第二の区画へと第一の製品を移動させることが、
(a)導管、ライン、チューブ又は他の接続手段を通じて、第一の区画から第二の区画へ第一の製品を輸送する、及び
(b)容器又は槽内で第一の区画から第二の区画へ第一の製品を輸送する
機能のうちの1以上を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第一の製品を輸送することが、第一の区画から第二の区画へと伸びる導管、ライン、チューブ又は他の接続手段を含む少なくとも1つの輸送盤を通じて第一の製品をポンプで輸送することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
第一の区画から第二の区画へ第一の製品を輸送することが、第一の区画と第二の区画の間に配置される制御された廊下を通じて第一の製品を輸送することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
複数の利用可能な区画から第三の区画を選択すること;
コアの外側の位置に第三の区画を移動させること;
コアに第三の区画を着脱可能なように接続すること;
第三の区画内に配置される第三の構成要素のセットを用いて、第一の製品の第三の製造プロセスを実行し、第一の製品を第三の製造段階へともたらすこと
をさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
コアに第一の可動性区画及び第二の可動性区画を着脱可能なように接続するとき、コアから第一の区画及び第二の区画へと少なくとも1つのユーティリティーを供給することをさらに含み、前記少なくとも1つのユーティリティーは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)酸素、及び(d)二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む、請求項33〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
コアから第一の区画及び第二の区画へと2以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、前記2以上のユーティリティーのうち少なくとも2つは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される、請求項33〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
コアから第一の区画及び第二の区画へと3以上のユーティリティーを供給することをさらに含み、前記3以上のユーティリティーのうち少なくとも3つは(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)電気、(d)酸素、及び(e)二酸化炭素からなる群より選択される、請求項33〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
コアに第一の区画を着脱可能なように接続することが、コアの少なくとも1つの第一の排出口に第一の区画の少なくとも1つの第一の注入口を接続することを含む;及び
コアに第二の区画を着脱可能なように接続することが、コアの少なくとも1つの第二の排出口に第二の区画の少なくとも1つの第二の注入口を着脱可能なように接続することを含む、請求項41〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
第一の製造プロセスを実行する前に、第一の清潔接続区域に第一の区画を接続すること(ここで、前記第一の清潔接続区域は、(a)第一の区画への及び第一の区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)コアと第一の区画の間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである);
第二の製造プロセスを実行する前に、第二の清潔接続区域に第二の可動性区画を接続すること(ここで、前記第二の清潔接続区域は、(a)第二の区画への及び第二の区画からの人員の流れを制御する、及び、(b)コアと第二の区画の間にユーティリティーを接続するために清潔区域を提供する機能のうち少なくとも1つを実行するためのものである)
をさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
第一の清潔接続区域に第一の区画を接続することが、第一の清潔接続区域の出口に第一の区画の入口を接続すること及び第一の清潔接続区域の入口に第一の区画の出口を接続することを含む;及び
第二の清潔接続区域に第二の区画を接続することが、第二の清潔接続区域の出口に第二の区画の入口を接続すること及び第二の清潔接続区域の入口に第二の区画の出口を接続することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
第一の製造プロセスを実行する前に、コアに第一の区画を接続するとき、第一の区画の上に位置する上部ドッキング環に第一の区画を接続すること(ここで、前記第一の上部ドッキング環は、第一の製造プロセスの間に第一の区画に1以上のユーティリティーを輸送するように構成される);及び
第二の製造プロセスを実行する前に、コアに第二の区画を接続するとき、第二の可動性区画の上に位置する第二の上部ドッキング環に第二の区画を接続すること(前記第二の上部ドッキング環は、第二の製造プロセスの間に第二の区画に1以上のユーティリティーを輸送するように構成される)
をさらに含む、請求項41〜57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
第一の製造プロセスの間に第一の上部ドッキング環から第一の区画へと1以上のユーティリティーを輸送すること、
第二の製造プロセスの間に第二の上部ドッキング環から第二の区画へと1以上のユーティリティーを輸送すること
をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
1以上のユーティリティーが(a)清浄空気、(b)清浄水、(c)栄養媒体、(d)希釈緩衝剤、及び(e)精製媒体からなる群より選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
第一の区画に付随する第一の制御システムを用いて第一の製造プロセスを制御すること;及び
第二の区画に付随する第二の制御システムを用いて第二の製造プロセスを制御すること
をさらに含み、
第一の制御システムと第二の制御システムとは異なる制御システムである、請求項33〜60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
第二の製造プロセスを制御することが、第一の製造プロセスと独立して、第二の製造プロセスを制御することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
第一の製造プロセス及び第二の製造プロセスのそれぞれを実行することが、化学製品、生物学的製剤及び医薬の製造プロセスのうちの1つを実行することを含む、請求項21〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
化学製品、生物学的製剤又は医薬の製造プロセスが、細胞接種の調製;チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞、マウスの骨髄腫細胞株、ヒト胎児腎臓、ヒト網膜細胞、NS0、HEK293、PER.C6等の哺乳動物の細胞、若しくは、アフリカミドリザルVERO、MDCK(イヌ腎細胞)、CEF(ニワトリ胚細胞)、2BS、Mark 145、STl、DF-1、CIK、EPC等のウイルスの複製に適した細胞の培養又は発酵;ワクチン製造用ニワトリ卵の孵化;大腸菌(E. coli、例えば、E. coli K 12菌株、E. coli X 1776菌株、E. coli W3110菌株、及びE. coli l K5)、エンテロバクター属(Enterobacter)、シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)及び緑膿菌(P. aeruginosa.)等のシュードモナス属(Pseudomonas)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella、例えば、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium))、セラチア属(Serratia、例えば、霊菌(Serratia marcescans))、赤痢菌属(Shigella)等の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、枯草菌(B. subtilis)及びB. licheniformis等のバチルス属(Bacilli)又はストレプトマイセス属(Streptomyces)を含むがグラム陰性菌又はグラム陽性菌に限定されない、細菌性細胞又は原核細胞の培養又は発酵;サッカロミセス属(Saccharomyces、例えば、出芽酵母(S. cerevisiae))、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia、例えば、P. pastoris)、カンジダ属(Candida)、トリコデルマ属(Trichoderma)、アカバンカビ属(Neurospora、例えば、アカバンカビ(N. crassa))、シュバンノマイセス属(Schwannomyces)、例えば、アカバンカビ属(Neurospora)等の糸状菌類(filamentous fungi)、アオカビ属(Penicillium)、Tolypocladium属、早生胞子虫類(neosporidia)、アスペルギルス属(Aspergillus、例えば、偽巣性コウジ菌(A. nidulans)及びA. niger)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クロエケラ属(Kloeckera)、トルロプシス属(Torulopsis)又はロドトルラ属(Rhodotorula)を含むがこれらに限定されない、酵母又は真菌細胞の培養・発酵;昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス系、Sf9細胞)の培養;藻類、タバコ属、藻類、アオウキクサ又はキノコを含むがこれらに限定されない、植物細胞の増殖;細胞又はニワトリ卵へのウイルスの接種;細胞又はウイルス又は培地の採取;熱殺菌された肺炎球菌又はホルマリン処理したウイルスを含むがこれらに限定されない、不活化ワクチンの製造;インフルエンザ又はワクチン用の他のウイルス(例えば、嚢尾虫、流行性耳下腺炎、風疹、水疱瘡、ポリオ、狂犬病、H5N1ウイルス)の複製を含む生ワクチンの製造;アデノウイルス、AAV、アルファウイルス、ポックスウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルスを含むがこれらに限定されない、ウイルスベクターの製造;細胞の計数、細胞生存率の測定、モル浸透圧濃度測定、代謝産物測定、乳酸脱水素酵素測定;細胞の溶解;遠心分離プロセス;ろ過プロセス;精製されたバルク製品の凍結を含む凍結プロセス;解凍プロセス;イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、疎水性電荷誘起クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、金属アフィニティークロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト分離、多層カラム向流溶媒勾配精製プロセスを含むがこれらに限定されない、精製プロセス、緩衝剤希釈プロセス、賦形剤の添加を含むがこれに限定されない製剤及び/又は充填プロセス、除菌、充填プロセス、凍結乾燥プロセス、噴霧乾燥、ペグ化、密封、標識化、プロセス制御、液体窒素保存;ペプチド合成及び/又は精製プロセス;低分子干渉RNA(siRNA)合成及び/又は精製プロセス;有機小分子の合成及び/又は精製プロセスからなる群より選択される、請求項63に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−513649(P2012−513649A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543640(P2011−543640)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/069204
【国際公開番号】WO2010/075389
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(500570793)ゾーマ テクノロジー リミテッド (26)
【Fターム(参考)】