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フレグランス組成物
説明

フレグランス組成物

【課題】瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感といったナチュラルな香気を付与したフレグランス組成物を提供すること。
【解決手段】5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを含有することを特徴とするフレグランス組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレグランス組成物、特にローズ様の優れた香りを有するフレグランス組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
バラの香りは「花の中の花」と賞賛されるほど優れた香りであり、数千年も前から種々の形で使用されてきた。古来より、バラの香りは天然のバラの香りに優るものはないとして、高級なバラの香りを得るために、最も代表的な方法として、天然のバラ(花弁)から水蒸気蒸留や溶媒抽出して天然ローズ精油を得、化粧料組成物などに配合し用いられてきた。このように天然ローズ精油は、紀元前から香りを楽しむ目的で使用された他に、薬用として使用されたりあるいは祭儀用などに用いられてきた。この天然ローズ精油は、古代、ロサ・ダマセナ種(Rosa damascena)あるいはロサ・センチフォリア種(Rosa centifolia)等の花弁から抽出されており、いわゆる「古代ローズ様香気」の特徴をなすものであるが、その香りは当時から今に到るまで変わることなく、ややくどい甘みをもった強い香りであり、昔も今もその香気に変わりはない。
【0003】
一方、バラは、上記ロサ・ダマセナ種あるいはロサ・センチフォリア種などの原種をベースに、その後、原種間の自然交雑に加えて、鑑賞用として優れた品種を生み出そうとする19世紀以降の活発な人工交雑によって、品種数も2万数千種にも及ぶといわれるほどの爆発的な増加がみられ、これに伴いバラの香りにも大きな変化が生じている。センチフォリア系のハイブリッド・パーペチュアル・ローズ(Hybrid Perpetual Rose)と紅茶のような香りをもつティー・ローズ(Tea Rose)との交配を経て作成された、いわゆる現代バラ(モダン・ローズ)の中には、多くの種類のバラがあるが、これらは香りによってタイプ別に分類されている。最近では、遺伝子操作によって開発された青色を基調とした花びらを有するブルーローズと呼ばれるもの、また花の香気の特長によってブルー系の香りに分類されるブルームーンやブルーパフュームといった品種などもポピュラーとなってきている。
【0004】
バラの香り成分としては、ゲラニオール、シトロネロール、ローズオキシド、2−フェニルエチルアルコールなどが主成分であることが知られており、これまでに香気分析が行われ数百もの香気成分が知られている。
【0005】
従来、ローズ様調合香料としては、チアゾール、オキサゾール類をローズダマセナタイプやセントフォリアタイプのローズ様調合香料に配合することが知られている(特許文献1)。
【0006】
一方、アルキルピリジン類がフレーバー成分として使用されることが知られている。
2,6−ジメチルピリジンは、天然界では米や醤油の香気成分の一つであることが知られており、刺激的なパン様のエーテルハーバル香気を有しており、例えば、ミート的ステーキノートに使用されている(非特許文献1)。また、5−エチル−2−メチルピリジンは、ウッディーハーバル香気を有している(非特許文献1)。これらの2つのピリジン類は、フレーバー成分として主にスナック菓子やポップコーン様のフレーバー組成物に使用されてきたことは知られている。また、5−エチル−2−メチルピリジン及び2,6−ジメチルピリジンは、ペパーミント油の含窒素化合物として同定されたという報告例がある(非特許文献2)。
【0007】
3−エチルピリジンは、グリーンでタバコを想起させる香気であり、飲料、アイスクリーム、ミート、スープなどのフレーバーに使用されること(非特許文献1)、魚節フレーバーの香料として使用されること(特許文献2)が知られており、ジャスミンアブソリュートの塩基性成分としても報告されている(非特許文献3)。
3−メチルピリジンは、魚節フレーバーの香料として使用されることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−219413号公報
【特許文献2】特開2004−135522号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】印藤 元一著、<増補改訂版> 合成香料 化学と商品知識、化学工業日報社、2005年3月22日発行、703−706頁
【非特許文献2】Agric.Biol.Chem.,1983,47,2307−2312
【非特許文献3】Agric.Biol.Chem.,1978,42,1901−1905
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、バラの香気として従来より知られていた成分を組み合わせても、バラの持つ天然らしい香質感、詳しくは瑞々しさ、艶やかさ、柔らかさという香質感を再現することが困難であった。また、バラのトップ香気の再現は難しかった。
また、上記フレーバー組成物用成分として知られているアルキルピリジン類の香気特性からは、フレグランス用の香気成分としての有用性については知られていなかった。
従って本発明の目的は、このような要求を満足するフレグランス組成物を提供することである。さらには、該フレグランス組成物を含有する香粧品、日用品、雑貨を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、バラの精油中の香気成分として知られていなかった成分である5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンをフレグランス組成物に配合することにより、瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感といったナチュラルな香気をフレグランス組成物に付与することができることを見出した。
【0012】
さらには、ローズ様のフレグランス組成物に上記アルキルピリジンを配合することにより、瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感といったナチュラルな香気を付与し、ナチュラルなバラの香りを創香することができることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は次の内容を含むものである。
〔1〕
5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを含有することを特徴とするフレグランス組成物。
〔2〕
ローズ様香気を有することを特徴とする上記〔1〕記載のフレグランス組成物。
〔3〕
アルキルピリジンの含有量が、アルキルピリジンを除いたフレグランス組成物全重量に対して0.1重量ppm〜500重量ppmであることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載のフレグランス組成物。
〔4〕
上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のフレグランス組成物を含有することを特徴とする香粧品、日用品、又は雑貨。
〔5〕
ローズ様香気を基調とするフレグランス組成物に、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを配合することを特徴とするフレグランス組成物への香気の付与方法。
〔6〕
アルキルピリジンを配合する前のフレグランス組成物の全重量に対して、アルキルピリジンを0.1重量ppm〜500重量ppm配合することを特徴とする上記〔5〕記載の香気の付与方法。
〔7〕
香気が、瑞々しさ感、艶やかさ感、および柔らかい質感から選ばれる1種以上の香質感であることを特徴とする上記〔5〕又は〔6〕に記載の香気の付与方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明のフレグランス組成物は、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを含有することにより、瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラルな香気が付与されたフレグランス組成物が得られる。
【0015】
とくに、ローズ様香気を基調とするフレグランス組成物に、上記特定のアルキルピリジンを配合することにより、より一層に瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラルな香気を付与されたローズ様香気を有するフレグランス組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
本願において、「重量ppm」、「重量%」及び「重量部」は、それぞれ「質量ppm」、「質量%」及び「質量部」と同義である。
【0017】
なお、本発明において、「フレグランス組成物」とは、花の香り、果実の香り、シトラスの香り、ハーブの香りなどの様々な香調タイプのフレグランス組成物をいう。
また、「フレグランス組成物」とは、香粧品、日用品、雑貨に使用する香料組成物をさす。
【0018】
また、本発明でいう「ローズ様の香気」とは、所謂バラの香りであり、強い甘さと華やかさを有するダマスク・クラシックの香り;ダマスク・クラシックの香りを受け継ぎ、情熱的で洗練された香りとなっているダマスク・モダンの香り;グリーン・バイオレットの香りが基調となり、上品で優雅な印象を有するティーの香り;ピーチ、バナナ、アプリコット、アップル様などの果実の香りが想起されるフルーティの香り;ダマスク・モダンの香りとティーの香りが混在し、独特な香りを形成しているブルーの香り;スパイシー・ノートが強く感じられるスパイシーな香り;ハーブのアニスに似た香りで、アニスの甘さをやや抑え青くささを強めたような香りの特徴を持つミルラの香り;などに分類された現代バラ(Modern Rose)や古代バラ(Old Rose)などローズ全般の香気を指す。
【0019】
本発明のフレグランス組成物は、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを含有することを特徴とするフレグランス組成物である。
【0020】
本発明に使用される5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン及び3−エチルピリジンは、公知の化合物であり、公知の方法で製造することができる。また、これらの化合物は市販されているものであり、容易に入手が可能である。
【0021】
フレグランス組成物に5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを配合することにより、フレグランス組成物の香気にグリーン様・フローラル様の天然らしい香気(ナチュラル感ともいう)、つまり瑞々しさ、艶やかさ、および柔らかい質感を付与することができる。
【0022】
上記特定のアルキルピリジンのフレグランス組成物における含有量は、アルキルピリジンを除くフレグランス組成物(すなわちアルキルピリジンを配合する前のフレグランス組成物)の全重量に対して、0.1重量ppm〜500重量ppmであることが好ましく、さらに1重量ppm〜300重量ppmであることが好ましく、特に10重量ppm〜250重量ppmであることが好ましい。
【0023】
フレグランス組成物へのアルキルピリジンの配合量が少なすぎる場合には本発明の効果が発揮されない場合があり、一方、多すぎる場合には香気のバランスが悪くなり、ポップコーン様香気感が強くなり、瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラル感とはかけ離れてしまうことがある。
【0024】
5−エチル−2−メチルピリジンと、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、または3−エチルピリジンとを組み合わせて使用する場合には、アルキルピリジンのフレグランス組成物における上記含有量に加え、配合比(重量比)は、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、または3−エチルピリジンから選ばれる1以上が、1:1〜250:1(重量比)の範囲であることが好ましく、更に1:1〜10:1であることが好ましく、特に2:1〜8:1であることが好ましい。5−エチル−2−メチルピリジンと他の3種類のアルキルピリジンの少なくとも1種とを上記配合比で組み合わせて用いることにより、フレグランス組成物に対しさらに優れたナチュラルな香気を付与することができる。
【0025】
本発明においては、とくにローズ様香気を基調とするフレグランス組成物に、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンのうち少なくとも1種を配合することにより、ローズ香気の持つ瑞々しさ感、艶やかさ感、柔らかい質感のあるやさしくナチュラルな香気が付与されたローズ様のフレグランス組成物とすることができる。
【0026】
本発明のフレグランス組成物において、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンとともに他の香料成分を組み合わせることができる。かかる他の香料成分は、天然香料でも合成香料でも良く、例えばリナロール、ローズオキシド、ネロール、2−フェニルエチルアルコール、γ−ヘキサラクトン、1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼン、アニスアルデヒド、ゲラニオール、シトロネロール、ゲラニルアセテート、シトロネリルアセテート、β−ヨノン、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ヘキサノール、シトラール、フェニルエチルアセテート、β−カリオフィレン、ヘジオン(Firmenich社、商品名)、ガラクソライド(IFF社、商品名)、ムスクT(高砂香料工業社、商品名)、テアスピランなどが挙げられる。
【0027】
本発明のフレグランス組成物には香りのバランスを損なわない限りにおいて、エタノール、ジプロピレングリコール(以下、DPGと略すこともある)、ジエチルフタレート、プロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、グリセリン、トリアセチン、トリエチルシトレートなどの溶媒を用いてもよい。また、必要に応じて、可溶化剤、安定化剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着色料などのフレグランス組成物に配合できる公知の成分を配合することができる。
【0028】
本発明のフレグランス組成物は、香粧品、日用品、雑貨に配合することができる。
香粧品としては、例えば、香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロンなどのフレグランス製品;ローション、乳液、クリーム、美容液、クレンジングクリーム、洗顔料、ファンデーション、リップクリーム、日焼け止めクリームなどの化粧品が挙げられる。
【0029】
日用品としては、例えば、石鹸;ボディソープなどの身体洗浄剤;制汗剤;ハンドクリーム、ボディクリーム、ボディローションなどのスキンケア製品;シャンプー、リンス、トリートメントなどのヘアケア製品;パーマネント剤;染毛剤;ヘアースプレー、ヘアオイル、ヘアートニック、ヘアークリーム、ポマード、養毛剤などの毛髪用化粧料;入浴剤、バスオイルなどの浴用剤;衣類用洗剤;漂白剤;衣類用柔軟剤;などが挙げられる。
【0030】
雑貨としては、例えば、エアゾール;消臭芳香剤;台所用・トイレ用・浴室用などの洗浄剤;忌避剤;などがあげられる。
【0031】
前記香粧品、日用品、雑貨に対する本発明のフレグランス組成物の含有量は、特に限定されないが、各種香粧品、日用品、雑貨への通常のフレグランス組成物の含有量と同等で配合することができる。
具体的には、本発明のフレグランス組成物の香粧品における含有量は、本発明のフレグランス組成物を含めた香粧品の全重量に対して、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%とすることができる。
【0032】
本発明のフレグランス組成物の日用品における含有量は、本発明のフレグランス組成物を含めた日用品の全重量に対して、好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.01〜1重量%とすることができる。
【0033】
本発明のフレグランス組成物の雑貨における含有量は、本発明のフレグランス組成物を含めた雑貨の全重量に対して、好ましくは0.001〜50重量%、より好ましくは0.01〜10重量%とすることができる。
【実施例】
【0034】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
なお、以下に記した「%」は、重量%を表す。
【0035】
(実施例1)
(1)ローズ様フレグランス組成物
下記の処方に従って、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0036】
[処方例1]ローズ様フレグランス組成物
【0037】
【表1】

【0038】
(2)香気の評価
専門パネラー5名により、下記評価基準に基づいて香気の評価を行った。
評価結果は、専門パネラー5名の平均値である。
4:ローズ様のナチュラルな香気を非常にアップさせる。
3:優れたローズ様のナチュラルな香気を有する。
2:ローズ様香気のナチュラル感を少しアップさせる。
1:もとの香気とほとんど変化が無い。
0:もとの香気のバランスを崩す。
【0039】
[試験例1] 5−エチル−2−メチルピリジンの配合による効果
処方例1のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、5−エチル−2−メチルピリジンが表2に記載の配合量となるように配合し、香気の評価を行った。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
表2から明らかのように、5−エチル−2−メチルピリジンを配合する前のフレグランス組成物に対して、5−エチル−2−メチルピリジンを0.1〜500ppm配合した場合、ナチュラルな香気(瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感)を増加させていた。
また、フレグランス組成物100重量部に5−エチル−2−メチルピリジンを1000ppm配合した場合は、もとのフレグランス組成物の香気のバランスを崩し、本発明の効果が得られなかった。
【0042】
[試験例2] 2,6−ジメチルピリジンの配合による効果
処方例1のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、2,6−ジメチルピリジンが表3に記載の配合量となるように配合し、香気の評価を行った。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
表3から明らかのように、2,6−ジメチルピリジンを配合する前のフレグランス組成物に対して、2,6−ジメチルピリジンを0.1〜500ppm配合した場合、ナチュラルな香気(瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感)を増加させていた。
【0045】
[試験例3] 3−エチルピリジンの配合による効果
処方例1のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、3−エチルピリジンが表4に記載の配合量となるように配合し、香気の評価を行った。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】

【0047】
表4から明らかのように、3−エチルピリジンを配合する前のフレグランス組成物に対して、3−エチルピリジンを0.1〜100ppm配合した場合、ナチュラルな香気(瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感)を増加させていた。
【0048】
[試験例4] 3−メチルピリジンの配合による効果
処方例1のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、3−メチルピリジンが表5に記載の配合量となるように配合し、香気の評価を行った。結果を表5に示す。
【0049】
【表5】

【0050】
表5から明らかのように、3−メチルピリジンを配合する前のフレグランス組成物に対して、3−メチルピリジンを0.1〜100ppm配合した場合、ナチュラルな香気(瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感)を増加させていた。
【0051】
(実施例2)
(1)ローズ様フレグランス組成物
下記の処方に従って、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0052】
[処方例2]ローズ様フレグランス組成物
【0053】
【表6】

【0054】
(2)香気の評価
[試験例5]
処方例2のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、各アルキルピリジン類が表7に記載の配合量となるように配合し、フレグランス組成物を調製した。
本発明のアルキルピリジン類を配合していない処方例2のフレグランス組成物をコントロールとし、各フレグランス組成物の香気評価を行った。
【0055】
【表7】

【0056】
本発明のアルキルピリジン類を配合したフレグランス組成物は、処方例2のフレグランス組成物と比較して、ナチュラルな香気(瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感)を付与していた。
【0057】
(実施例3)アルキルピリジン類の併合による効果試験
フレグランス組成物に本発明のアルキルピリジン類を2種類以上配合し、香気の評価を行った。
香気の評価は、実施例1と同様にして行った。
【0058】
[試験例6] 2,6−ジメチルピリジン及び5−エチル−2−メチルピリジンの併合効果試験
処方例2のローズ様フレグランス組成物100重量部に対して、2,6−ジメチルピリジン及び5−エチル−2−メチルピリジンが表8に記載した配合量となるように配合し、香気の評価を行った。結果を表8に示す。
【0059】
【表8】

【0060】
表8の結果から、アルキルピリジンの全量が300重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジンが10:1〜2:1の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0061】
[試験例7] 3−メチルピリジン及び5−エチル−2−メチルピリジンの併合効果試験
試験例6と同様にして香気の評価を行った。結果を表9に示す。
【0062】
【表9】

【0063】
表9の結果から、アルキルピリジンの全量が300重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:3−メチルピリジンが10:1〜2:1の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0064】
[試験例8] 3−エチルピリジン及び5−エチル−2−メチルピリジンの併合効果試験
試験例6と同様にして香気の評価を行った。結果を表10に示す。
【0065】
【表10】

【0066】
表10の結果から、アルキルピリジンの全量が300重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:3−エチルピリジンが10:1〜2:1の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0067】
[試験例9] 2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンによる併合効果試験
試験例6と同様にして香気の評価を行った。結果を表11に示す。
【0068】
【表11】

【0069】
表11の結果から、アルキルピリジンの全量が400重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジン及び3−エチルピリジンが10:1〜1:1の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0070】
[試験例10] 2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、及び3−メチルピリジンによる併合効果試験
試験例6と同様にして香気の評価を行った。結果を表12に示す。
【0071】
【表12】

【0072】
表12の結果から、アルキルピリジンの全量が400重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジン及び3−メチルピリジンが10:1〜1:1の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0073】
[試験例11] 2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び3−メチルピリジンによる併合効果試験
試験例6と同様にして香気の評価を行った。結果を表13に示す。
【0074】
【表13】

【0075】
表13の結果から、アルキルピリジンの全量が350重量ppm以下で、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジン、3−エチルピリジン、及び3−メチルピリジンが20:3〜4:3の重量比の場合に、特に高い評価が得られたことが分かる。
【0076】
(実施例4)
(1)ローズ様フレグランス組成物
下記の処方に従って、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0077】
[処方例3]
【0078】
【表14】

【0079】
表中、DMMBは1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンを示す。以下同様とする。
【0080】
(2)香気の評価
[試験例12]
処方例3のローズ様フレグランス組成物に、DPGを配合したサンプルA、5−エチル−2−メチルピリジンを配合したサンプルB、5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び2,6−ジメチルピリジンの混合物を配合したサンプルCを調製した。
サンプルA、サンプルB、およびサンプルCについて、処方例3のローズ様フレグランス組成物と比較し、専門パネラー7名により、実施例1の評価基準に基づいて香気の評価を行った。評価結果は、専門パネラー7名の平均値とした。結果を表15に示す。
【0081】
【表15】

【0082】
サンプルC中の5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び2,6−ジメチルピリジンの混合物は、5−エチル−2−メチルピリジン:3−エチルピリジン:2,6−ジメチルピリジンが10:1:1(重量比)である。
【0083】
表15から明らかのように、5−エチル−2−メチルピリジンを配合したサンプルBは、DPGを配合したサンプルAよりも非常に優れたナチュラル感が付与されていた。5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び2,6−ジメチルピリジンの混合物を配合したサンプルCは、サンプルBよりもさらに優れたナチュラル感が付与されていた。
【0084】
(実施例5)
(1)ローズ様フレグランス組成物
下記の処方に従って、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0085】
[処方例4]
【0086】
【表16】

【0087】
(2)香気の評価
[試験例13]
試験例12と同様にして香気の評価を行った。結果を表17に示す。
【0088】
【表17】

【0089】
サンプルF中の5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び2,6−ジメチルピリジンの混合物は、5−エチル−2−メチルピリジン:3−エチルピリジン:2,6−ジメチルピリジンが10:1:1(重量比)である。
【0090】
表17から明らかのように、5−エチル−2−メチルピリジンを配合したサンプルEは、DPGを配合したサンプルDよりも非常に優れたナチュラル感が付与されていた。5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジンの混合物を配合したサンプルFは、サンプルEよりもさらに優れたナチュラル感が付与されていた。
【0091】
(実施例6) ローズ様フレグランス組成物
以下の処方に従い、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0092】
[処方例5] ローズ様フレグランス組成物
【0093】
【表18】

【0094】
[処方例6] イングリッシュローズ様フレグランス組成物
【0095】
【表19】

【0096】
(実施例7)
(1)ローズ様フレグランス組成物
以下の処方に従い、ローズ様フレグランス組成物を調製した。
【0097】
[処方例7] ローズ様フレグランス組成物
【0098】
【表20】

【0099】
(2)香気の評価
[試験例14]
試験例12と同様にして香気の評価を行った。結果を表21に示す。
【0100】
【表21】

【0101】
サンプルI中の5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、及び2,6−ジメチルピリジンの混合物は、5−エチル−2−メチルピリジン:3−エチルピリジン:2,6−ジメチルピリジンが10:1:1(重量比)である。
【0102】
表21から明らかのように、5−エチル−2−メチルピリジンを配合したサンプルHは、DPGを配合したサンプルGよりも非常に優れたナチュラル感が付与されていた。5−エチル−2−メチルピリジン、3−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジンの混合物を配合したサンプルIは、サンプルHよりもさらに優れたナチュラル感が付与されていた。
【0103】
[試験例15]
試験例12と同様にして香気の評価を行った。結果を表22に示す。
【0104】
【表22】

【0105】
表22から、5−エチル−2−メチルピリジン:2,6−ジメチルピリジン、3−エチルピリジン、及び3−メチルピリジンが1.5〜11.5の重量比の場合のいずれも、高い評価が得られたことが分かる。
【0106】
(実施例8) 化粧水
以下の処方に従い、常法により化粧水を調製した。
【0107】
【表23】

【0108】
(実施例9) クリーム
以下の処方に従い、常法によりクリームを得た。
【0109】
【表24】

【0110】
(実施例10) 乳液
以下の処方に基づき、常法により乳液を得た。
【0111】
【表25】

【0112】
(実施例11) ヘアトリートメント
以下の処方に基づき、常法によって混合し、ヘアトリートメントを調製した。
【0113】
【表26】

【0114】
(実施例12) ヘアシャンプー
以下の処方に基づき、常法によって混合し、ヘアシャンプーを調製した。
【0115】
【表27】

【0116】
(実施例13) 浴剤
フレグランス組成物を除いた成分をV型ミキサーにて均一になるまで攪拌した後、フレグランス組成物を加え、さらに均一になるまで充分に攪拌して浴剤を得た。
【0117】
【表28】

【0118】
(実施例14) ゲル芳香剤
カラギーナン、プロピレングリコール及びプロピルパラベンを混合して攪拌しながらイオン交換水を加え、これを穏やかに攪拌しながら約80℃になるまで加熱した。その後、約65℃とし、これをホモジナイザーを用いて3000rpmで攪拌しながら、フレグランス組成物を加えて均一な相とした後、所定の容器に流し込み、自然冷却して芳香剤を得た。
【0119】
【表29】

【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明のフレグランス組成物は、香水、化粧品などの香粧品、入浴剤、染毛剤、身体洗浄剤、毛髪用化粧料などの日用品、並びに室内用芳香剤などの雑貨などに使用することができ、嗜好性を向上させることができる。
各種ローズ様フレグランス組成物を調製し、特定のアルキルピリジン類を配合することにより、配合する前のフレグランス組成物に比較して、非常に天然の花に近いローズ様香気を付与することができ、有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを含有することを特徴とするフレグランス組成物。
【請求項2】
ローズ様香気を有することを特徴とする請求項1記載のフレグランス組成物。
【請求項3】
アルキルピリジンの含有量が、アルキルピリジンを除いたフレグランス組成物全重量に対して0.1重量ppm〜500重量ppmであることを特徴とする請求項1または2に記載のフレグランス組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレグランス組成物を含有することを特徴とする香粧品、日用品、又は雑貨。
【請求項5】
ローズ様香気を基調とするフレグランス組成物に、5−エチル−2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3−メチルピリジン、及び3−エチルピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキルピリジンを配合することを特徴とするフレグランス組成物への香気の付与方法。
【請求項6】
アルキルピリジンを配合する前のフレグランス組成物の全重量に対して、アルキルピリジンを0.1重量ppm〜500重量ppm配合することを特徴とする請求項5記載の香気の付与方法。
【請求項7】
香気が、瑞々しさ感、艶やかさ感、および柔らかい質感から選ばれる1種以上の香質感であることを特徴とする請求項5又は6に記載の香気の付与方法。

【公開番号】特開2012−246268(P2012−246268A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120725(P2011−120725)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000169466)高砂香料工業株式会社 (194)
【Fターム(参考)】