説明

フレコンオープンハンガー

【課題】農作物を内部に収納するための労力を低減するフレコンオープンハンガーを提供する。
【解決手段】ハンガー本体11と、ハンガー本体11の両端に設けられた一対のベルト受け12a、12bと、フレコンバックに取り付けられたときにハンガー本体11の上側となる面に固定された一対の脱落防止フック13a、13bとを備え、ハンガー本体11は、フレコンバックの開口部近傍の内方弧状部の形状に沿うように湾曲した形状の棒体、管体等からなり、ベルト受け12a、12bは、それぞれ、ハンガー本体11に長手方向に伸びたU字状の受け具が連設されてなり、フレコンバックに取り付けられて吊りベルトを受けるようになっており、脱落防止フック13a、13bは、それぞれ、フレコンバックに取り付けられたときに吊りベルトに掛止可能な、例えば両端近傍等のハンガー本体11上の所定の位置に固定されたフック状部分から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物を収納する袋の開口部を広げたまま保持するフレコンオープンハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物を収納する袋として、所謂フレコン(フレキシブルコンテナ)バックと称されるものが知られ(例えば、非特許文献1参照。)、例えば円筒状のものがある。フレコンバックは、例えば、収穫機を介して収穫されコンベアを介して搬送された農作物を収納するように使用される。図5は、クレーンに吊り下げられ農作物を収納するフレコンバックを示す図である。図5に示すように、フレコンバック2は、上方の開口部24近傍に左右2つの吊りベルト25を有し、この吊りベルト25をフック31に掛止して収穫機のクレーン3に吊り下げられる。そして、フレコンバック2は、コンベア4を介して搬送された例えば人参5等の農作物を規定容積まで収納したときに、他のバックに交換される。
【非特許文献1】http://www.clio.ne.jp/home/yoichi/container.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の使用方法では、フレコンバック内の収納物の増大と共に荷重が増え、開口部が例えば図5に示すようにつぼんでしまい、適切に農作物を収めるには多大な労力を要するという問題を有していた。具体的には、定期的にフレコンバックをゆすって内部全体に農作物を広げ、規定容積まで収納するようにしていた。特に、農作物が人参の場合、形状が三角錐状であるため、人手を介さずには適切に規定容積まで収納することができず、常に多大な労力を必要としていた。
【0004】
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、農作物を内部に収納するための労力を低減するフレコンオープンハンガーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、2つの連結点で固定される吊りベルトを複数有する袋の開口部近傍の周辺形状に沿う、棒状又は管状の形状を有するハンガー本体と、前記ハンガー本体の両端に固定され前記吊りベルトを前記連結点近傍で受けるベルト受けと、前記ベルト受けに対応して前記ハンガー本体の端部寄りに固定され、前記吊りベルトに掛止可能なフック状部分を有する脱落防止フックとを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のフレコンオープンハンガーにおいて、前記ベルト受けが、前記吊りベルトの厚さと同等に開いたU字状の受け具が連設されてなることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のフレコンオープンハンガーにおいて、前記脱落防止フックのフック状部分が、前記ハンガー本体の長手方向に対して斜め上方を向いていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、2つの連結点で固定される吊りベルトを複数有する袋の開口部近傍の周辺形状に沿う、棒状又は管状の形状を有するハンガー本体と、ハンガー本体の両端に固定され吊りベルトを連結点近傍で受けるベルト受けと、ベルト受けに対応してハンガー本体の端部寄りに固定され、吊りベルトに掛止可能なフック状部分を有する脱落防止フックとを備えるため、農作物を収納する袋の開口部を広げたまま保持することができ、もって、農作物を内部に収納するための労力を低減することが可能なフレコンオープンハンガーを実現することができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の効果に加えて、ベルト受けが、吊りベルトの厚さと同等に開いたU字状の受け具が連設されてなるため、簡易な構成で適切に吊りベルトを受けることができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1又は請求項2の効果に加えて、脱落防止フックのフック状部分が、ハンガー本体の長手方向に対して斜め上方を向いているため、容易に吊りベルトに掛止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明によるフレコンオープンハンガーの一実施例を示す上面図(a)及び正面図(b)である。フレコンオープンハンガー1は、図1に示すように、ハンガー本体11と、ハンガー本体11の両端に設けられた一対のベルト受け12a、12bと、フレコンバックに取り付けられたときにハンガー本体11の上側となる面に固定された一対の脱落防止フック13a、13bとを備える。
【0012】
図2はフレコンバックに取り付けられたフレコンオープンハンガーを模式的に示す斜視図であり、図3はフレコンバックのフレコンオープンハンガーが取り付けられる部分についての説明図である。以下、開口部を上部に有する円筒状の形状のフレコンバックを例にとり説明する。フレコンバック2は、平面円形の底22に連設された円筒状の側壁23からなるフレコンバック本体21と、フレコンバック本体21の開口部24近傍の連結点26a、26bを介して側壁23の対向する位置にそれぞれ固定された1対の吊りベルト25、25とから構成されている。
【0013】
ハンガー本体11は、図2に示すように、フレコンバック2の開口部近傍の内方弧状部27の形状に沿うように湾曲した形状の棒体、管体等として構成されている。ここで、内方弧状部27は、図3に示すように、一方の連結点26aと他方の連結点26bで終端する側壁23の内側に沿った部分である。
【0014】
ベルト受け12a、12bは、それぞれ、図1に示すように、ハンガー本体11に長手方向に伸びたU字状の受け具が連設されてなり、フレコンバック2に取り付けられて吊りベルト25を受けるようになっている。
【0015】
脱落防止フック13a、13bは、それぞれ、フレコンバック2に取り付けられたときに吊りベルト25に掛止可能な、例えば両端近傍等のハンガー本体11上の所定の位置に固定されたフック状部分から構成される。脱落防止フック13a、13bは、また、吊りベルト25に容易に掛止できるように、そのフック状部分がそれぞれハンガー本体11の長手方向に対して斜め上方を向くように固定されている。
【0016】
以下、図面を参照して本発明によるフレコンオープンハンガーの使用方法について説明する。ここで、フレコンバック2は、予め吊りベルト25、25を介して例えばクレーン3のフック31に吊るされているものとする。
【0017】
まず、ハンガー本体11がフレコンバック2の内方弧状部27の形状に沿うこととなる向きで、1つのフレコンオープンハンガー1の一方のベルト受け12aに吊りベルト25をその幅方向に押し込むようにして挿入し、図2に示すように吊りベルト25の連結点26a(図3)の近傍に位置合わせして取り付ける。次に、ベルト受け12a側の脱落防止フック13aを吊りベルト25にフレコンバック2の内側から掛止する。
【0018】
同様に、残りのベルト受け12bに吊りベルト25をその幅方向に押し込むようにして挿入し、図2に示すように吊りベルト25の連結点26b(図3)の近傍に位置合わせして取り付ける。さらに、ベルト受け12b側の脱落防止フック13bを上記と同様に吊りベルト25に掛止して、フレコンオープンハンガー1がフレコンバック2から脱落しないようにする。
【0019】
次に、もう1つのフレコンオープンハンガー1を、同様に、フレコンバック2の上記で取り付けたフレコンオープンハンガー1と対向する位置に取り付ける。図4は、フレコンバックに取り付けられたフレコンオープンハンガーを模式的に示す正面図である。クレーン3にフック31を介して吊り下げられ、フレコンオープンハンガー1が取り付けられたフレコンバック2は、コンベア4を介して搬送された例えば人参5等の農作物が入っても、図5に示すものとは異なり、つぼまない。その結果、本発明によるフレコンオープンハンガーは、農作物の収容開始から規定容量収容するまで労力を削減することができると共に、フレコンバックの形状も円柱状等に好適に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるフレコンオープンハンガーの一実施例を示す上面図(a)及び正面図(b)である。
【図2】フレコンバックに取り付けられたフレコンオープンハンガーを模式的に示す斜視図である。
【図3】フレコンバックのフレコンオープンハンガーが取り付けられる部分についての説明図である。
【図4】フレコンバックに取り付けられたフレコンオープンハンガーを模式的に示す正面図である。
【図5】クレーンに吊り下げられ農作物を収納するフレコンバックを示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 フレコンオープンハンガー
2 フレコンバック
3 クレーン
4 コンベア
5 人参
11 ハンガー本体
12a、12b ベルト受け
13a、13b 脱落防止フック
21 フレコンバック本体
22 底
23 側壁
24 開口部
25 吊りベルト
26a、26b 連結点
27 内方弧状部
31 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの連結点で固定される吊りベルトを複数有する袋の開口部近傍の周辺形状に沿う、棒状又は管状の形状を有するハンガー本体と、前記ハンガー本体の両端に固定され前記吊りベルトを前記連結点近傍で受けるベルト受けと、前記ベルト受けに対応して前記ハンガー本体の端部寄りに固定され、前記吊りベルトに掛止可能なフック状部分を有する脱落防止フックとを備えることを特徴とするフレコンオープンハンガー。
【請求項2】
前記ベルト受けが、前記吊りベルトの厚さと同等に開いたU字状の受け具が連設されてなることを特徴とする請求項1に記載のフレコンオープンハンガー。
【請求項3】
前記脱落防止フックのフック状部分が、前記ハンガー本体の長手方向に対して斜め上方を向いていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレコンオープンハンガー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−189352(P2008−189352A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25229(P2007−25229)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(504352788)オサダ農機株式会社 (10)
【Fターム(参考)】