説明

フレッシュコンクリートの性状評価方法

【課題】安定した評価結果を簡易に得ることが可能なコンクリートの評価方法を提供する。
【解決手段】スランプ試験を行ったコンクリート試料に対してスランプフローが予め設定した基準径になるまで振動を与える第一工程と、スランプフローが基準径となったコンクリート試料1の上面の形状を確認する第二工程とを備えるコンクリートの評価方法であって、第二工程において、コンクリート試料1の上面に円形5が保持されていない場合はフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレッシュコンクリートの性状評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレッシュコンクリートのワーカビリティーは、コンクリートのコンシステンシーと分離抵抗性により定められる。
従来、コンクリートのワーカビリティーはスランプ試験により評価されている。
【0003】
スランプ試験はコンクリートのコンシステンシーを評価する試験であるが、混和剤の種類が少なく、川砂、川砂利を使用した時代では、コンクリートのワーカビリティーをある程度評価することができた。
【0004】
ところが、近年では、フライアッシュやスラグ細骨材など、コンクリート用の材料が多様化しており、同一のスランプ値が得られたコンクリートであっても、骨材間の噛み合わせ、材料分離抵抗性などに違いが現れる場合が多く存在する。
【0005】
そのため、コンクリートのワーカビリティーを正確に把握するためには、スランプ試験のほかに、コンクリートの材料分離抵抗性も評価する必要があるようになった。コンクリートの粘性はコンクリートの分離抵抗性に大きく影響するので、コンクリートの粘性を評価することでコンクリートの分離抵抗性をある程度は評価することができる。
【0006】
例えば、特許文献1には、スランプ試験後のコンクリート試料のモルタル分の外縁部および粗骨材の重心からの距離を計測し、この計測値が設定値内にあれば材料分離抵抗性を備えていると評価する評価方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、スランプ試験後のコンクリート試料を、直径の異なる複数のリング状部材によって複数の領域に区分けし、各領域から採取したコンクリート試料について材料分離抵抗性を評価する評価方法が開示されている。
【0008】
さらに、非特許文献1には、スランプ試験後のコンクリート試料に対して、コンクリート試料の上面の円形が消失するまでスランプ板を叩いたときのタンピング回数によりコンクリートの材料分離抵抗性を評価する評価方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−267921号公報
【特許文献2】特開2003−322602号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】石井佑大、外2名、「タンピング試験におけるワーカビリティーの簡易評価方法の検討」、コンクリート工学年次論文集、コンクリート工学協会、2008年、Vol.30、No.2、p.37−40
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載の評価方法は、モルタル分の外縁部の位置の計測および複数の骨材の位置の計測やその平均値の算出等を行う必要があるため、作業に手間を要していた。
【0012】
特許文献2に記載の材料分離抵抗性の評価方法は、複数の領域からコンクリート試料を採取し、採取した試料毎に粗骨材質量比などを測定して、評価を行うため、作業に手間を要していた。
【0013】
非特許文献1の評価方法は、スランプ板の設置状況の違いや、タンピングの強度が作業者ごとに異なる等の理由により、試験結果に誤差が生じるおそれがあった。
また、コンクリート試料同士の材料分離抵抗性の比較を行うことは可能であるものの、良否の判定(粘性の過不足の判定)は困難であった。
【0014】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、安定した評価結果を簡易に得ることが可能なフレッシュコンクリートの性状評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本発明のフレッシュコンクリートの性状評価方法は、スランプ試験を行ったコンクリート試料に対してスランプフローが予め設定した基準径になるまで振動を与える第一工程と、スランプフローが前記基準径となった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第二工程とを備えるものであって、前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されていない場合にはフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価することを特徴としている。
【0016】
前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合は、前記コンクリート試料に対してスランプフローの径が予め設定した前記基準径よりも大きな第二の基準径になるまでさらに振動を与える第三工程と、スランプフローが前記第二の基準径となった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第四工程とを行い、前記第四工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合にはフレッシュコンクリートの粘性が過大であると評価する。
【0017】
また、第二の発明にかかるフレッシュコンクリートの性状評価方法は、上面内径10cm、下面内径20cm、高さ30cmのスランプコーンを使用してスランプ試験を行ったコンクリート試料に対してスランプフローが470mmになるまでスランプ板を叩いて振動を与える第一工程と、スランプフローが470mmとなった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第二工程とを備えるものであって、前記第二工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されていない場合にはフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価することを特徴としている。
【0018】
前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合は、前記コンクリート試料に対してスランプフローの径が520mmになるまでさらに前記スランプ板を叩いて振動を与える第三工程と、スランプフローが520mmとなった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第四工程とを行い、前記第四工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合にはフレッシュコンクリートの粘性が過大であると評価する。
【0019】
かかるフレッシュコンクリートの性状評価方法によれば、振動を与えた試料の形状の変化を目視するのみで簡易にフレッシュコンクリートの性状を評価することができる。すなわち、スランプコーンを抜いた際に試料の上面に形成される円形の有無を目視するのみで、フレッシュコンクリートの粘性の過不足(材料分離抵抗性)を評価することができる。
なお、スランプフローの径が基準径(第二の発明の場合は470mm)に達する前に、材料分離傾向(分離、崩れ、ペーストの先走り等)にあると認められたものは、実施工には使用し得ない不適切なコンクリートとみなす。
【0020】
また、タンピングの回数ではなく、スランプフローの直径により管理するため、作業者が異なることにより生じるばらつきを最小限に抑制することができる。
また、スランプ試験が実施されたコンクリート試料に対して、新たな装置を用いることもなく、その場で実施することができるため、簡易かつ安価である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフレッシュコンクリートの性状評価方法によれば、安定した評価結果を簡易に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)〜(c)は本発明の実施の形態に係るフレッシュコンクリートの性状評価方法の各実施段階を示す斜視図である。
【図2】は同フレッシュコンクリートの性状評価方法においてスランプ試験直後のコンクリート試料を上面から望む写真である。
【図3】は同フレッシュコンクリートの性状評価方法において加振後にコンクリート試料の上面に円形が保持されている状況を示す写真である。
【図4】は同フレッシュコンクリートの性状評価方法において加振後にコンクリート試料の上面に円形が保持されている状況を示す写真である。
【図5】は同フレッシュコンクリートの性状評価方法において加振後にコンクリート試料の上面の円形が消えた状況を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のフレッシュコンクリートの性状評価方法は、スランプコーン2を利用してスランプ試験を行ったフレッシュコンクリート(コンクリート試料1)に対して、実施するものであって、第一工程と、第二工程と、第三工程と、第四工程とを備えている(図1の(a)および(b)参照)。
【0024】
第一工程は、図1の(b)に示すように、スランプ試験を行ったコンクリート試料1に対してスランプフローDが予め設定した基準径になるまでスランプ板3を叩いて振動を与える工程である。本実施形態では、基準径を470mmとする。
なお、スランプ試験は、上面内径10cm、下面内径20cm、高さ30cmのスランプコーン2を使用して行う。
【0025】
本実施形態では、コンクリート試料1が上載されたスランプ板3を、木槌4により叩くことにより振動を与える。
このとき、コンクリート試料1の上下方向の中心線が偏らないように(傾倒しないように)、コンクリート試料1の周囲をまんべんなく叩くようにする。
【0026】
コンクリート試料1に振動を与えている段階で、スランプフローDが470mmになる前にコンクリート試料が崩れたりコンクリート試料1の周りに水分が流出したりするような場合には、コンクリート試料1は分離傾向にあるもの(実施工には使用し得ない不適切なコンクリート)と判断する。
【0027】
第一工程において、分離傾向にないコンクリート(適切なコンクリート)と判断された場合は、引き続き第二工程を行う。
一方、第一工程において、コンクリート試料1が分離傾向にあると判断された場合は、コンクリートを受け入れない、あるいは、コンクリートの配合を検討し直すのが望ましい。
【0028】
第二工程は、図1の(c)に示すように、スランプフローDが470mmとなったコンクリート試料1の上面の形状を確認する工程である。
【0029】
第二工程では、スランプ試験においてスランプコーン2から抜き出した際にコンクリート試料1の上面に形成された円形5が保持されているか否かを確認する(図2参照)。
【0030】
コンクリート試料1の上面に円形5が保持されている場合(図3および図4参照)はフレッシュコンクリートが施工に必要な粘性を有していると評価し、コンクリート試料1の上面に円形5が保持されていない場合にはフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価する。
【0031】
第二工程においてフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価された場合は、コンクリート打設時における締め固め作業を、コンクリートが分離することのないように注意して行う。なお、必要に応じてコンクリートの配合を調整してもよい。
【0032】
第三工程は、第二工程において、コンクリート試料1の上面に円形5が保持されている場合に、コンクリート試料1に対してスランプフローDの径が520mmになるまでさらにスランプ板3を叩いて振動を与える工程である(図1の(b)参照)。
【0033】
第三工程におけるコンクリート試料1に対して振動を与える方法は、第一工程にて実施した方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0034】
第四工程は、スランプフローDが520mmとなったコンクリート試料1の上面の形状を確認する工程である(図1の(c)参照)。
【0035】
第四工程において、コンクリート試料1の上面に円形5が保持されている場合にはフレッシュコンクリートの粘性が過大であると評価、コンクリート試料の上面の円形が無くなる場合(図5参照)は、フレッシュコンクリートの配合が最適な分離抵抗性を有した配合であると評価する。
【0036】
なお、第四工程において、コンクリートの粘性が過大であると評価された場合は、コンクリート打設時の締め固め作業を念入りに行うことが望ましい。
【0037】
本実施形態のフレッシュコンクリートの性状評価方法によれば、振動を与えた試料の形状の変化を目視するのみで簡易にフレッシュコンクリートの性状を評価することができる。スランプコーン2を抜いた際に試料の上面に形成される円形5の有無を目視するのみで、フレッシュコンクリートの粘性の過不足(材料分離抵抗性)を評価することができるため、簡易である。
【0038】
また、タンピングの回数ではなく、スランプフローDの直径により管理するため、作業者が異なることにより生じるばらつきを最小限に抑制することができる。
スランプ試験が実施されたコンクリート試料1に対して、新たな装置を用いることもなく、その場で実施することができるため、簡易かつ安価である。
【0039】
スランプ試験により流動性を測定したコンクリート試料1に対してそのまま材料分離抵抗性の評価を行うため、作業性に優れ、より正確な評価をすることができる。
【0040】
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0041】
前記実施形態では、第一工程において、コンクリート試料1のスランプフローDが470mmになるまで振動を与えるものとしたが、第一工程におけるスランプフローDは、予め設定した基準径であれば470mmに限定されるものではない。
また、第三工程において、コンクリート試料1のスランプフローDが520mmになるまで振動を与えるものとしたが、第三工程におけるスランプフローDは、予め設定した第二の基準径であれば520mmに限定されるものではない。
【0042】
前記実施形態では、木槌4でスランプ板3を叩くことにより、コンクリート試料1に振動を与えるものとしたが、コンクリート試料1に振動を与える方法は限定されない。
【0043】
以下、本発明に係るコンクリートの評価方法における基準径を設定するために行った実験結果について説明する。
【0044】
本実験では、コンクリート試料の締め固め完了エネルギーに基づいて基準径を設定する。つまり、スランプコーンから抜き出された状態で配置されたコンクリート試料に対して、締め固め完了エネルギーを加えた際のスランプフローを測定し、このスランプフローを基準径としている。試験結果を表1に示す。
なお、締め固め完了エネルギーとは、コンクリートが理論密度まで締め固める(コンクリートから空隙を排除する)のに必要なエネルギーである。表1の加振時間は、加速度と振動数を一定にした場合に締固め完了エネルギーが得られるまでの時間(締め固めを完了することができる時間)である。
【0045】
本実験では、まず、配合の異なる10種類のコンクリート試料の各々について、容器内に投入されたコンクリート試料が所定の寸法(理論密度)になるまで加振することで、締め固め完了エネルギーを測定した。測定結果を表1に示す。
【0046】
次に、締め固め完了エネルギーを測定したコンクリート試料と同一の配合からなる10種類のコンクリートを用いて振動台の上でスランプ試験を行い、スランプ試験後のコンクリート試料に、締め固め完了エネルギーを加え、その後のスランプフローを測定した。各コンクリート試料の加振後のスランプフローを表1に示す。
なお、いずれの試料も締め固め完了エネルギーの付与が完了した時点で、材料分離が生じることはなかった。
【0047】
【表1】

【0048】
表1に示すように、コンクリート試料に対して、締め固め完了エネルギーを加えると、スランプフローの平均値が略476mmとなる。
したがって、コンクリート試料に対してスランプフローが470mmになるまで振動を加えれば、コンクリート試料に対して締め固め完了エネルギーが付与されたことになる。
【0049】
フレッシュコンクリートは、過振動を受けると分離するといわれている。
そのため、フレッシュコンクリートには、締め固め完了エネルギーを受けて、締め固めが完了するまでに分離しない分離抵抗性が必要である。
つまり、フレッシュコンクリートは、スランプフローが470mmになる前に分離、崩れ、ペーストの先走り等がない状態であれば、分離抵抗性を有していると評価できる。
【0050】
次に、本発明に係るコンクリートの評価方法における分離抵抗性の判断基準について説明する。
【0051】
フレッシュコンクリートの分離、崩れ、ペーストの先走り等は、コンクリートの粘性により決定する。したがって、粘性の異なるコンクリート試料の性状を確認することで、分離抵抗性の判断基準を確認する。
【0052】
本実験では、粘性が適正(標準)に配合されたコンクリート試料(ケース1)に対して、振動を加え、スランプフローが320,370,420,470,520mmとなった時点におけるコンクリート試料上面の円形の直径を確認した。
【0053】
また、ケース1よりも粘性の低いコンクリート試料として、粗骨材の量を一定として単位セメント量を−20kg(ケース2)、−10kg(ケース3)としたものを用意し、ケース1よりも粘性の高いコンクリート試料として、粗骨材の量を一定として単位セメント量を+10kg(ケース4)、+20kg(ケース5)としたものを用意して、ケース1と同様の試験を行った。
試験結果を、表2に示す。
【0054】
【表2】

【0055】
ケース1〜5のいずれも、スランプフローが470mmとなった時点で材料分離は生じなかった。
表2に示すように、粘性が適正に調整されたケース1のフレッシュコンクリートは、スランプフローが470mmまで上面に円形が存在しているものの、520mmになった時点で上面の円形がなくなる結果となった。
【0056】
一方、セメント量を20kg減らして、粘性を低減させたケース2は、スランプフローが420mmの段階で上面の円形がなくなる結果となった。
また、セメント量を10kg減らして、粘性を低減させたケース3は、スランプフローが470mmの段階で上面の円形がなくなる結果となった。
【0057】
また、セメント量を増やし、粘性を増加させたケース4およびケース5は、スランプフローが520mmの段階でも上面の円形が存在している結果となった。
【0058】
したがって、フレッシュコンクリートの粘性が、加振後のコンクリート試料の形状に影響することが実証された。
よって、基準径におけるコンクリート試料の上面の円形の有無を確認することで、締め固めが完了した時点でのフレッシュコンクリートの粘性の評価を行うことが可能である。
【0059】
スランプフローが470mmとなるまで振動を加えた時点で材料分離がない場合は、材料分離抵抗性があるコンクリートと評価するが、この時点で試料の上面に円形がない場合については、コンクリートの粘性が低いと評価できる。粘性が低いと評価された場合は、コンクリートを締め固めすぎないように(過振動を加えないように)注意する。
【0060】
スランプフローが520mmとなるまで振動を加えた時点で試料の上面に円形がある場合については、コンクリートの粘性が高いと評価できる。粘性が高いと評価された場合は、鉄筋まわり等について、入念な締め固めが必要となる。
【符号の説明】
【0061】
1 コンクリート試料
2 スランプコーン
3 スランプ板
4 木槌
5 円形
D スランプフロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スランプ試験を行ったコンクリート試料に対してスランプフローが予め設定した基準径になるまで振動を与える第一工程と、
スランプフローが前記基準径となった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第二工程と、を備えるコンクリートの評価方法であって、
前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されていない場合にはフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価することを特徴とする、フレッシュコンクリートの性状評価方法。
【請求項2】
前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合は、
前記コンクリート試料に対してスランプフローの径が予め設定した前記基準径よりも大きな第二の基準径になるまでさらに振動を与える第三工程と、
スランプフローが前記第二の基準径となった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第四工程と、を行い、
前記第四工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合にはフレッシュコンクリートの粘性が過大であると評価することを特徴とする、請求項1に記載のフレッシュコンクリートの性状評価方法。
【請求項3】
上面内径10cm、下面内径20cm、高さ30cmのスランプコーンを使用してスランプ試験を行ったコンクリート試料に対してスランプフローが470mmになるまでスランプ板を叩いて振動を与える第一工程と、
スランプフローが470mmとなった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第二工程と、を備えるコンクリートの評価方法であって、
前記第二工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されていない場合にはフレッシュコンクリートの粘性が不足していると評価することを特徴とする、フレッシュコンクリートの性状評価方法。
【請求項4】
前記第二工程において、前記コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合は、
前記コンクリート試料に対してスランプフローの径が520mmになるまでさらに前記スランプ板を叩いて振動を与える第三工程と、
スランプフローが520mmとなった前記コンクリート試料の上面の形状を確認する第四工程と、を行い、
前記第四工程において、当該コンクリート試料の上面に円形が保持されている場合にはフレッシュコンクリートの粘性が過大であると評価することを特徴とする、請求項3に記載のフレッシュコンクリートの性状評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−53944(P2013−53944A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192737(P2011−192737)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【特許番号】特許第4981984号(P4981984)
【特許公報発行日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)