説明

フレッシュチーズおよびその製造方法

【課題】従来、フレッシュチーズに滑らかな食感と適度な硬度の両方の性質を付与することは困難であったことから、食感の滑らかさと適度な硬度を有する新規なフレッシュチーズを提供する。
【解決手段】脂肪球分散処理工程を5Mpa〜25Mpaの均質圧で行なうことにより、硬度が500gf〜2000gfとし、かつ切断面の表面粗さが30μm以下とすることによって、適度な硬度と滑らかな食感を有するフレッシュチーズ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフレッシュチーズおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内のナチュラルチーズおよびプロセスチーズの生産量および消費量は、直接消費用、原料用ともに増加傾向にある。中でも、非熟成チーズであるフレッシュチーズは、新鮮な乳の香りをそのままに、ほんのりとした甘さと爽やかな酸味を持つことを特徴とし、親しみやすく、消費は拡大傾向である。フレッシュチーズは脂肪含量および水分含量が高いことを特徴とし、軟らかなテクスチャーであるため、パンやクラッカーにぬってそのまま食されるほか、製菓・製パン原料、加工食品原料、プロセスチーズ原料として、二次加工にも多く利用されている。
【0003】
フレッシュチーズの代表的なものには、クリームチーズ、マスカルポーネ、モッツァレラチーズ、カッテージチーズ、クワルク等がある。一般的にフレッシュチーズは、原料乳または濃縮乳を加熱殺菌した後、乳酸やクエン酸などの有機酸や乳酸菌、凝乳酵素を添加してカードを生成させることによって製造される。
【0004】
一般に、フレッシュチーズは水分含量、pH、脂肪含量が低い程、硬い組織となりカット適性等の取り扱いやすさが向上するが、食感も硬く、滑らかさが欠けるものとなる。逆に、水分含量、pH、脂肪含量が高い程、滑らかな食感の組織になるが、十分な硬さを付与することが困難となり、取り扱いやすさが低減されてしまう他、保存中に品質が劣化(離水やオイルオフ等)しやすくなるという問題が生じる。このように、滑らかな食感と硬度の両方の性質を付与することは困難である。例えば、特許文献1には、滑らかな組織を有するチーズが記載されているが、硬度は軟らかく、スプレッドに適したものである。一方、特許文献2ではカット適性の良い硬さと風味の良さを併せ持つチーズについて記載されているが、滑らかさについては言及されていない。すなわち、適度な硬度と食感の滑らかさを両立させたフレッシュチーズについては、先行文献にはなんら記載も示唆もされていない。
【0005】
フレッシュチーズでは、組織形成と保存中のタンパク質凝集に伴う組織の欠陥、離水を防ぐ事を目的として一般的に増粘多糖類等の安定剤が使用される。安定剤としては、製造時の粘度調整および製品の物性調整に適していることから、ローカストビーンガムが広く使用されている。また、グアーガムは製造時の粘度が高く、製品組織は軟らかくなるという特徴を有する。グアーガム、ローカストビーンガムはキサンタンガムと併用すると硬く安定した物性となり、また、ローカストビーンガムはκ‐カラギナンと併用するとゲルを形成し、弾力性を高めることが知られている。しかしながら、併用時の比率や添加量によっては弾力性が強くなりすぎ、ゲル様の組織になってしまうといった問題や安定剤に由来する風味劣化が生じるといった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62-289145
【特許文献2】特開2009-112226
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、食感の滑らかさと適度な硬度を有する新規なフレッシュチーズを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行ったところ、硬度と切断面の表面粗さを特定の範囲に設定することにより、所望のフレッシュチーズを得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の態様を含むものである。
(1)硬度が500gf〜2000gfであり、かつ切断面の表面粗さが30μm以下であることを特徴とするフレッシュチーズ。
(2)脂肪球の平均粒子径が4.5μm以下であることを特徴とする(1)記載のフレッシュチーズ。
(3)フレッシュチーズを水に溶解し、40Wで60秒の超音波処理を行った後の上澄み液中に含まれるチーズ片の平均粒子径が6μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のフレッシュチーズ。
(4)20℃、14000rpm、20分間の遠心分離時における離水量が30%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のフレッシュチーズ。
(5)原料乳または濃縮乳を殺菌処理する殺菌処理工程と、乳酸菌及び/又はレンネット及び/又は有機酸を添加することによりタンパク質を凝固させてカードを得るカード生成工程とを含むフレッシュチーズの製造方法において、前記原料乳または濃縮乳を均質化する均質処理工程と、前記カードの脂肪球を分散させる脂肪球分散処理工程と前記カードに安定剤及び/又はクリームを添加する添加工程とを含むことを特徴とするフレッシュチーズの製造方法。
(6)前記脂肪球分散処理工程により、カードの硬度を500gf〜2500gf、表面粗さを200μm以下とすることを特徴とする(5)記載のフレッシュチーズの製造方法。
(7)前記脂肪球分散処理工程が、5MPa〜25MPaの均質圧で行なう均質処理であることを特徴とする(5)記載のフレッシュチーズの製造方法。
(8)前記添加工程の安定剤の添加量が2%以下であることを特徴とする(5)記載のフレッシュチーズの製造方法。
(9)前記添加工程のクリームの配合量が50%以下であることを特徴とする(5)記載のフレッシュチーズの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフレッシュチーズは、硬度が500gf〜2000gfであり、かつ切断面の表面粗さが30μm以下であることから、適度な硬度と滑らかな食感を有するものである。また、本発明の方法によれば、前記の適度な硬度と滑らかな食感を有するフレッシュチーズを得ることができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のフレッシュチーズにおいては、原料乳として、生乳や全乳、あるいは調製乳などが挙げられ、これらを加熱濃縮、遠心濃縮、ろ過膜濃縮、真空濃縮等によって濃縮した濃縮乳も使用可能である。また、原料乳、濃縮乳に必要に応じて生クリームや脱脂乳等を加えてもよい。これらの原料乳または濃縮乳を加熱殺菌工程として、例えば、約60℃で30分または約75℃で15秒加熱殺菌する。加熱殺菌工程後は、プレート式熱交換器で冷却し、均質処理工程として5MPa〜25MPa、好ましくは15MPa〜20MPaの均質圧で均質処理する。
【0012】
均質処理工程後、凝乳酵素及び/又は有機酸及び/又は乳酸菌を添加し、反応させてカードを生成させるカード生成工程に移行する。なお、カード生成工程で使用可能な凝乳酵素や、有機酸、乳酸菌としては通常のチーズ製造に用いられているものであれば、特に制限無く使用することができる。
【0013】
カード生成工程の後、必要に応じて加熱殺菌を行なった後、ホエーを排除し、カードを得るが、本発明では得られたカードに対し脂肪球分散処理工程を行なう。脂肪球分散処理工程では、均質機や、インラインホモミキサー、ブレンダー、ミキサー等によってカード中の脂肪球を均等に分散させる。例えば、均質機を用いる場合には、5MPa〜25MPaの均質圧で均質処理を行えばよく、インラインホモミキサーや、ブレンダー、ミキサーを用いる場合も、カード中の脂肪球を均等に分散させることができるような条件を適宜設定すればよい。このようにしてカードに脂肪球分散処理を行なうことにより、フレッシュチーズに滑らかな食感とある程度の硬度を付与することができる。例えば、カード自体の硬度および表面粗さは、脂肪球分散処理を行わなかった場合には、10℃において300gf、250μmであるが、均質圧5MPa〜25MPaで均質処理した場合には、カードの硬度を500gf〜2000gf、表面粗さを100μm〜200μmとすることができる。なお、均質機を用いる場合、均質圧が10MPaより大きくなると、細かくなった脂肪同士の再凝集が発生するため、結果として脂肪球径が大きくなる。一方、硬度については、均質圧を25MPaとした場合までは大きくなるが、25MPaを超える均質圧を加えると、組織そのものが壊れ、硬度が低下することになる。脂肪球分散処理を均質処理によって行なう場合には、適度な均質圧で行なうことによって、カードの硬度、表面粗さを調整することにより、フレッシュチーズに適度な硬度と食感の滑らかさを付与することができる。
【0014】
なお、本発明では、カードに対し、安定剤及び/又はクリームを添加する添加工程を必要とする。添加工程は、脂肪球分散処理工程の前後どちらで行っても良い。また、安定剤とクリームを両方添加する場合は、安定剤をクリームに添加してからカードに添加してもよい。この場合、安定剤を添加したクリームを均質処理することによって、安定剤がよく分散されることになる。添加工程で添加する安定剤としてはローカストビーンガム、タラガム、グアーガム等の増粘多糖類やゼラチンを使用することが可能であり、また、セルロース、ファイバー、ペクチン等の食物繊維を使用すること、また両者を併せて使用することも可能である。これらの安定剤を添加する場合の添加量は、安定剤の種類や目的とするフレッシュチーズの硬度によって異なるが、2%以下とすることが好ましい。なお、クリームを添加せず、安定剤のみを添加する場合は、0.01%〜2%の範囲で添加することが好ましく、安定剤の添加量が0.01%未満であると、得られるフレッシュチーズは保形性が悪く、離水も生じやすいものとなる。一方、2%を超えて過剰に添加すると、フレッシュチーズの組織がゲル様となり、また風味も悪化する。添加工程でクリームを添加する場合、その添加量は、50%以下であることが望ましい。なお、安定剤を添加せずクリームのみを添加する場合は、5%〜50%の範囲で添加することが好ましく、クリームの添加量が5%未満であると、フレッシュチーズの滑らかさが減少する。一方、50%を超えて過剰にクリームを添加すると、保形性が悪化することになる。
このようにして得られたフレッシュチーズは、滑らかな食感とある程度の硬さを有し、保存時の離水が少ないという特徴を有している。
【0015】
なお、本発明における「硬度」とは、ピアノ線で10mm角に切り出したフレッシュチーズを10℃に調整し、アダプター(75mm平板円プレート)で0.5mm/sで80%圧縮したときの圧縮荷重を意味するものとする。
【0016】
また、本発明における「表面粗さ」とは、フレッシュチーズを直径0.7mmのピアノ線で切断した切断面の凹凸の算術平均高さを意味する。本発明者らはこの値を、共焦点レーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製)で測定し、同社製の画像解析ソフトで算出した。このようにして算出した表面粗さの値は、小さい程滑らかな食感を示し、大きい程ボソボソした食感となる。
【実施例】
【0017】
以下に本発明の実施例を示して詳細に説明すると共に、比較例を示し、本発明の効果をより明瞭にする。ただし、実施例は本発明の態様の1つであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、圧力10MPaで均質処理した。
一方、クリームは、セルロース2%を添加し、10MPaの均質圧で均質処理をした後、加熱殺菌し、約15℃まで冷却したものを使用した。このクリームをフレッシュチーズの10%量混合し、フレッシュチーズ(実施例品1)を得た。
【実施例2】
【0019】
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、圧力10MPaで均質処理した。
一方、クリームは、ゼラチン2%を添加し、10MPaの均質圧で均質処理をした後、加熱殺菌し、約15℃まで冷却したものを使用した。このクリームをフレッシュチーズの10%量混合し、フレッシュチーズ(実施例品2)を得た。
【実施例3】
【0020】
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、セルロース0.2%を添加し、圧力10MPaで均質処理して、フレッシュチーズ(実施例品3)を得た。
【実施例4】
【0021】
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、インラインホモミキサー(40Hz)で処理した。
一方、クリームは、セルロース2%を添加し、10MPaの均質圧で均質処理をした後、加熱殺菌し、約15℃まで冷却したものを使用した。このクリームをフレッシュチーズの10%量混合し、フレッシュチーズ(実施例品4)を得た。
【0022】
[比較例1]
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、均質圧をかけずに均質機を通過させた。
一方、クリームは、セルロース2%を添加し、均質処理を行なうことなく加熱殺菌し、約15℃まで冷却したものを使用した。このクリームをフレッシュチーズの10%量混合し、フレッシュチーズ(比較例品1)を得た。
【0023】
[比較例2]
生乳を標準化し全固形率を約18%に調整した原料乳を、殺菌し、均質処理した。その後30℃まで冷却してから、スターター約1%およびレンネットを添加し撹拌してから、30℃で17時間反応させた後、セパレーターにてホエーを排除し、カードを得た。その後、10MPaの均質圧で均質処理し、フレッシュチーズ(比較例品2)を得た。
【0024】
[試験例1]
実施例品1〜4および比較例品1〜2について、硬度、表面粗さ、離水量、上澄み液粒径、脂肪球平均径を下記の方法で測定した。その結果を表1に示す。尚、表面粗さ、上澄み液粒径、脂肪球径は、いずれも小さい程滑らかであるとし、評価した。
(1)硬度の測定試験
硬度は、各実施例で得られたフレッシュチーズを、ピアノ線でカットして10mm角に調整し、10℃に温調したものを、テクスチャーアナライザを用いて、サンプルの上面からアダプター(75mm平板プレート)を0.5mm/sの速度で降下させ、80%(8mm)圧縮した際の圧縮荷重を測定した。その圧縮加重を硬度とした。
(2)離水量の測定試験
離水量は、各実施例で得られたフレッシュチーズを、遠沈管に50g計量し、遠心分離機を用いて、20℃、14000rpmで20分間遠心し、分離した水分重量を測定し、サンプル50gに含まれる全水分量に対する、分離した水分重量の百分率を算出し、離水量とした。
(3)表面粗さの測定試験
表面粗さは、各実施例で得られたフレッシュチーズを、0.7mmのピアノ線で切断し、切断面の凹凸(高さ)を共焦点レーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製)で測定し、同社製の画像解析ソフトで表面粗さ(算術平均高さ)を算出した。
(4)上澄み液粒径測定試験
上澄み液粒径は、各実施例で得られたフレッシュチーズ5gに、イオン交換水45gを加え、スパテラで10回撹拌した後、上澄み液を中央部より2ml採取し、粒度分布計(日機装株式会社製)に供与し、40Wで60秒間超音波処理した後、平均粒子径を測定した。
(5)脂肪球平均径測定試験
脂肪球径は、各実施例で得られたフレッシュチーズ5gに、イオン交換水45gを加え、スパテラで10回撹拌した後、上澄み液を中央部より採取し、光学顕微鏡下で上澄み液中の脂肪球を撮影した。得られた画像を画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて円形粒子解析を行ない、脂肪球径の分布を算出した。脂肪球径分布より求めた平均径を脂肪球平均径とした。
【0025】
[試験例2]
実施例品1〜3、比較例品1〜2について、官能評価により、食感の滑らかさ及び調理適正を評価した。評価は訓練をつんだ専門パネラー5人によって行なった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
上記表1の結果を総合的に評価すると、実施例品1、実施例品2、実施例品3および実施例品4では表面粗さが30μm以下であり、かつ、硬度は500gf〜2000gfの範囲であった。また、離水も抑制されていた。実施例品1と実施例品2では、安定剤の種類が異なるが、本発明の方法によれば安定剤の種類に関わらず、目的のフレッシュチーズを得ることができた。実施例品3では、クリームを添加せず安定剤のみ添加したが、本発明の方法により、目的のフレッシュチーズを得ることができた。実施例品4では、均質機での均質処理に代え、インラインホモミキサーで処理を行っているが、実施例品1、2、3と同様、適度な硬度と表面粗さを有していた。均質処理の場合と同様に、脂肪球が小さくなった事で、表面積が大きくなり、脂肪同士、また蛋白質とより緻密な組織を形成したと考えられる。これに対し、比較例品1では硬度が小さく、離水も抑制されず、表面粗さも35μmと大きな値を示した。また脂肪球径が5.5μmと大きかった。これは、脂肪球分散工程を行なかったことで、脂肪球の均一化や安定剤がよく分散されなかったことによると考えられる。また、比較例品2では硬度が2263gfと大きく、離水は抑制されず、表面粗さも145μmと大きな値を示した。比較例品2では、クリームが添加されなかったことで、硬度が減少しなかったと考えられる。また、安定剤もクリームも添加されなかったことで、表面粗さも大きく、粗い食感のものとなったと考えられる。
【0028】
以上より、実施例品1〜4では、滑らかな食感と良好な調理適性を有することが明らかとなった。これに対し比較例品1は、ボソボソしない程度に滑らかではあるものの、硬度が小さく調理適性が悪かった。また、比較例品2では、硬度は大きかったものの、滑らかさに欠けていた。これは、カードに均質がかかっていないことや、安定剤やクリームが添加されていない影響である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬度が500gf〜2000gfであり、かつ切断面の表面粗さが30μm以下であることを特徴とするフレッシュチーズ。
【請求項2】
脂肪球の平均粒子径が4.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載のフレッシュチーズ。
【請求項3】
フレッシュチーズを水に溶解し、40Wで60秒の超音波処理を行った後の上澄み液中に含まれるチーズ片の平均粒子径が6μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレッシュチーズ。
【請求項4】
20℃、14000rpm、20分間の遠心分離時における離水量が30%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレッシュチーズ。
【請求項5】
原料乳または濃縮乳を殺菌処理する殺菌処理工程と、
乳酸菌及び/又はレンネット及び/又は有機酸を添加することによりタンパク質を凝固させてカードを得るカード生成工程とを含むフレッシュチーズの製造方法において、
前記原料乳または濃縮乳を均質化する均質処理工程と、
前記カードの脂肪球を分散させる脂肪球分散処理工程と
前記カードに安定剤及び/又はクリームを添加する添加工程と
を含むことを特徴とするフレッシュチーズの製造方法。
【請求項6】
前記脂肪球分散処理工程により、カードの硬度を500gf〜2500gf、表面粗さを200μm以下とすることを特徴とする請求項5記載のフレッシュチーズの製造方法。
【請求項7】
前記脂肪球分散処理工程が、5Mpa〜25Mpaの均質圧で行なう均質処理であることを特徴とする請求項5記載のフレッシュチーズの製造方法。
【請求項8】
前記添加工程の安定剤の添加量が2%以下であることを特徴とする請求項5記載のフレッシュチーズの製造方法。
【請求項9】
前記添加工程のクリームの添加量が50%以下であることを特徴とする請求項5記載のフレッシュチーズの製造方法。