説明

フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体

【課題】 ポリウレタン原料配合系のポリオール成分として、植物由来のポリオール原料を用い、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、強い剥離強度を発現するフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供する。
【解決手段】 ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、ポリオールは、リシノレイン酸を含むことを特徴とするフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に関し、特に、ヒマシ油由来のポリオールを含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン等の発泡体層と、その少なくとも一面側に配された表材層とを備える積層体は、車両用内装材、家具材/建材、衣料/雑貨等の生活用品、サニタリー用品、医療介護用品、車両用シート/ソファ等のクッション材などに広く用いられている。このような積層体の製造に際しては、接着剤を用いて発泡体層と表材層を接着させる方法よりも、経済性及び操作の簡便性の点から有利とされるフレームラミネーション法が、広く適用されている。フレームラミネーション法とは、ポリウレタン等の熱融着性を利用して、発泡体の表面を熱により一部溶融させ、その部位に、合成繊維や天然繊維等からなるシート/フィルム等の表材を張り付け、発泡体と表材を硬化一体化させる方法である。
【0003】
従って、フレームラミネーション法を用いるポリウレタン発泡体の原料の配合は、硬度、圧縮残留歪等の物性は言うまでもなく、発泡体と表材の接着性にも大きな影響を与えるので、従来から、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体の配合系に関する技術が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、発泡体と織物類(表材)の接着力や接着速度を改善することを目的として、ポリエーテルエステルポリオールと活性水素を備えた有機リン化合物とを含む発泡体原料を発泡硬化させてなるポリウレタン発泡体が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、低反発弾性ウレタンフォームは火炎による熔融部が貼り合せ後充分に硬化しないという問題を解決することを目的として、ポリエーテルエステルポリオールと、水酸基価が200〜300のポリオールと、含リン化合物とを含む発泡体原料を発泡硬化させてなり、低反発弾性を備えるポリウレタン発泡体が開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、汎用のポリエーテルポリオールを用いて接着強度、特に初期接着強度を改善することを目的として、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基価が300〜700、官能基数が2〜6であり、且つ、上記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを除くポリオールからなる架橋剤、を含むポリウレタン発泡体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭46−30309号公報
【特許文献2】特開平9−151234号公報
【特許文献3】特開平4−266919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1及び2に開示されたポリウレタン発泡体は、発泡体の原料にエステル成分や有機リン化合物を含有するため可塑剤としても作用し、エステル成分を含有するため圧縮残留歪、硬度、耐湿熱性等の物性低下や、表材層用部材との接着性が十分でない場合があった。
【0009】
また、特許文献1乃至3では、全て石油由来原料を使用したポリウレタン製造技術が開示されているが、石油原料の枯渇問題から、脱石油原料(植物由来原料等)のポリウレタン原料の利用が期待されており、汎用のポリウレタン発泡体でなく、機能性を有するポリウレタン発泡体への展開も期待される。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、ポリウレタン原料配合系のポリオール成分として、植物由来のポリオール原料を用い、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、強い剥離強度を発現するフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒマシ油の主成分であるリシノレイン酸を含むポリオールを用いることにより、そのポリオールを使用したフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は高い耐剥離性を有し、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、そのポリオールは、リシノレイン酸を含むことを特徴とするフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体が提供される。
これによれば、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、従来のエーテルエステルポリオール等の他のポリオールに比し、同添加量にての剥離強度特性が高いフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供することができる。
【0012】
さらに、そのポリオールは、ポリオール100重量部当たり、リシノレイン酸を20重量部以上含むことを特徴としてもよい。
これによれば、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、剥離強度特性が高いフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供することができる。
【0013】
また、ヒマシ油由来のポリオールを含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、次式を満たすことを特徴としてもよい。
((A × B)/C)×100 ≧ 10
但し、上式において、Aは、ヒマシ油由来のポリオールの添加部数(部)、Bは、ヒマシ油由来のポリオールにおけるリシノレイン酸の含有率(重量%)、Cは、ポリウレタン原料の総添加部数(部)を示す。
これによれば、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、剥離強度特性が高いフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供することができる。
【0014】
また、上記のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体からなる発泡体層と、その発泡体層の表面の少なくとも一部に接着された表材層とを備えることを特徴とする積層体及びその積層体により成形された車両用内装材を提供することができる。
これによれば、積層体や車両用内装材に求められる物性を有しつつ、剥離強度特性が高い積層体や車両用内装材を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、従来のエーテルエステルポリオール等の他のポリオールに比し、同添加量にての剥離強度特性が高いフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に係るポリウレタン発泡体は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤及び触媒を含有するポリウレタン原料からなり、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させると共に、発泡させることにより得られるものである。
【0017】
このポリウレタン発泡体は、例えばシート状に成形され、少なくとも片面には表材が熱融着により積層接着された積層体、例えばシート材が形成される。ポリウレタン発泡体に対する表材の接合は、局部加熱と接合の容易性の点からフレームラミネーション法が使用される。フレームラミネーション法(火炎接合法)は、ポリウレタン発泡体の表面に火炎を当ててポリウレタン発泡体の表層を溶融し、そこに表材を圧着して接合する方法である。
【0018】
本発明に係るフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は、その少なくとも一面側に、布等からなる表材層を形成して積層体とし、この積層体を、車両用内装材、家具材/建材、衣料/雑貨等の生活用品、サニタリー用品、医療介護用品、車両用シート/ソファ等のクッション材などとして用いるのに好適である。また、本フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は、特に、車両の座席(シート)、チャイルドシート等における着座部及び背もたれ部、家具用のベッド、マットレス等におけるクッション材や、椅子、ソファ等の座席における着座部及び背もたれ部、パッド類等の構成材料として好適である。本発明の積層体を、上記用途に適用する場合には、必要に応じて、周縁部等が縫合される。
【0019】
次に、ポリウレタン原料について説明する。
本発明に係るフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体のポリウレタン原料に含まれるポリオールにおいては、後述するヒマシ油由来のポリオール以外のポリオールとして、好適には、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられるが、ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定されず、一般的なポリウレタン発泡体の形成に用いられる公知の化合物を用いることができる。
【0020】
ヒマシ油由来のポリオール以外のポリオールとしては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、ヒドロキシル基を2個以上有するアルカノールアミン、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは、1種単独であってよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0021】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール等のアルキレングリコール等の脂肪族ジオールや、シクロヘキサンジオール等のシクロアルキレングリコール等の脂環式ジオール等の、炭素数2〜20の2価アルコール;グリセリン等のアルカントリオール等の脂肪族トリオール等の、炭素数3〜20の3価アルコール;ペンタエリスリトール等のアルカンポリオール等の脂肪族ポリオール等の、炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の多価アルコール等が挙げられる。
【0022】
多価フェノールとしては、例えば、ピロガロール、ハイドロキノン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノール及びホルムアルデヒドの縮合物等が挙げられる。
【0023】
ヒドロキシル基を2個以上有するアルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、エタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノール−2−ヒドロキシブチルアミン、イソプロパノール−2−ヒドロキシブチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0024】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記多価アルコール、上記多価フェノール、及び、上記アルカノールアミンを含むアミン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−若しくは1,4−ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加(ブロック及び/又はランダム付加)して得られた化合物等を用いることができる。
【0025】
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのプロピレンオキシド付加物等のポリアルキレンポリオールに、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水フタル酸等のポリカルボン酸無水物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテル基を有する化合物とを反応させて得られた化合物等が挙げられる。
【0026】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させて得られた縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。
【0027】
上述したようなポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等は、石油由来の石油化学製品であるが、近年、石油の枯渇が危惧されており、また、石油化学製品は、焼却廃棄時に多量の二酸化炭素を排出するため、地球環境への負荷が懸念されている。
【0028】
そこで、本発明に係るポリオールは、さらに、リシノレイン酸を含むポリオールを含む。好ましくは、本ポリオールは、ポリオール100重量部当たり、リシノレイン酸を20重量部以上含むことが好ましい。即ち、リシノレイン酸を含むポリオールとその他のポリオールの合計を100重量部%としたときに、20重量部%以上のリシノレイン酸を含むことが好ましい。より多くのリシノレイン酸を含むことにより、剥離強度が向上する。
【0029】
本発明に係るフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体のポリウレタン原料となるポリオールに含まれるリシノレイン酸は、ヒマシ油由来のポリオールに含まれる。ヒマシ油は、脂肪酸とグリセリンとのエステルで、通常脂肪酸の約90%がリシノレイン酸である。より具体的には、ヒマシ油は、リシノレイン酸トリグリセリドを主成分とし、その他の成分として、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸を含有している。
【0030】
好ましくは、ヒマシ油由来のポリオールを含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、ヒマシ油由来のポリオールの添加部数をA、ヒマシ油由来のポリオールにおけるリシノレイン酸の含有率(重量%)をB、ポリウレタン原料の総添加部数をCとした場合、植物由来化度(P)は、
P=((A × B)/C)×100 ≧ 10
を満たす。
【0031】
かかる植物由来化度を満たすフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、剥離強度特性が高いフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体である。また、かかるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を製造することは、将来の石油供給の問題に対して有効である。また、かかる植物(ヒマシ油)由来のポリオールを多量に含むポリウレタン発泡体を燃やした場合の二酸化炭素排出量を低減することができ、地球環境に関する問題に対しても有効である。
【0032】
本発明において、ヒマシ油は、食用、工業用を問わず、一般に市販されているものを用いることができる。そのようなヒマシ油としては、例えば、URIC H−30(ヒマシ油精製品、平均官能基数2.7、水酸基価約160mgKOH/g、伊藤製油社製)、URIC H−52(ヒマシ油精製品、平均官能基数3、水酸基価約200mgKOH/g)などが挙げられる。
なお、本発明において、ポリオール組成物には、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲において、その他のポリオールを、配合することができる。
【0033】
本発明に係るフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体のポリウレタン原料に含まれるポリイソシアネートの成分は、特に制限されず、一般的なポリウレタン発泡体の形成に用いられる公知の化合物を用いることができる。例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物、更には、これらのイソシアネート化合物の変性物でもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
【0034】
芳香族イソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。
【0035】
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。
【0036】
脂環族イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。
【0037】
また、変性イソシアネートとしては、例えば、上記イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。好ましくは、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)が挙げられる。
【0038】
ポリイソシアネートの配合割合は、例えば、イソシアネートインデックス(プレミックスの活性水素基(つまり、ポリウレタン発泡体用ポリオール組成物中の水酸基および発泡剤としての水などの活性水素)100に対するイソシアネート基の割合=ポリウレタン原料におけるNCO(モル)/OH(モル)×100)として、例えば、60〜500、好ましくは、70〜130で、より好ましくは95〜120、更に好ましくは100〜115である。
【0039】
また、本発明における発泡剤は、ポリウレタン樹脂を発泡させてポリウレタン樹脂発泡体とするためのものである。本発泡剤は、特に限定されず、ポリウレタン発泡体用として公知のものを使用することができる。例えば、上記ポリイソシアネートと反応して発泡剤としての炭酸ガスを発生する水、ポリウレタン生成時の反応熱で気化することにより発泡剤として機能する、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル等のハロゲン系化合物、液化した二酸化炭素を高圧下で原料に混入させ発泡時に気化することにより発泡剤として機能する液化二酸化炭素等が挙げられる。
【0040】
これらのうち、水が好ましく、例えば、イオン交換水、水道水、蒸留水等を用いることができる。尚、上記発泡剤は、上記成分を1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
発泡剤の配合割合は適宜選定されるが、上記発泡剤が水である場合、上記発泡体の原料における発泡剤の含有量は、上記ポリオールを100質量部とした場合に、通常1〜10重量部程度であり、好ましくは2〜5質量部である。
【0042】
本発明における触媒は、ポリオールとポリイソシアネートとのウレタン化反応を促進するためのものである。本触媒は、特に限定されず、ポリウレタン発泡体用として公知のものを使用することができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の錫触媒や、フェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒が挙げられる。触媒の配合量は、触媒の種類によって適宜決定されるが、ポリオール成分100重量部に対し0.01〜2.0重量部程度が一般的である。これら触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0043】
その他必要に応じて、及び、本発明による効果を損なわない限りにおいて、整泡剤、架橋剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、可塑剤、破泡剤、消泡剤等が配合される。
整泡剤としては、特に制限されず、ポリウレタン発泡体用として公知のものを使用することができ、例えば、シロキサン−オキシアルキレンブロック共重合体などのシリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤及び界面活性剤を挙げることができる。この整泡剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。整泡剤の配合割合は、例えば、上記ポリオール100重量部に対して、例えば、0.1〜5.0重量部、好ましくは、0.3〜3.0重量部である。
【0044】
上記の発泡体の原料を用いて、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を製造することができる。本ポリウレタン発泡体の製造に際しては、公知の装置を用いることができ、大量且つ安定生産が可能である。即ち、ポリオール及びポリイソシアネートを、発泡剤、触媒等の存在下、反応させることにより、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を製造することができる。
【0045】
本発明のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を製造する場合、ワンショット法及びプレポリマー法のいずれを採用してもよい。ワンショット法は、ポリオールとポリイソシアネートとを直接反応させる方法であり、プレポリマー法は、ポリオールとポリイソシアネートとを事前に反応させて、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、このプレポリマーにポリオールを反応させる方法である。
【0046】
また、成形方法としては、スラブ法及びモールド法のいずれでもよいが、スラブ法が好ましい。スラブ法は、ポリウレタン原料をベルトコンベア上に吐出し、ベルトコンベアが移動する間に、原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することで連続的に製造するものであり、その後、発泡体は乾燥炉内で硬化し、所定形状に裁断される。一方、モールド法は、ポリウレタン原料をモールド(成形型)に注入してモールド内で発泡させ、その後に脱型することにより発泡体を製造するものである。
【0047】
本発明のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は、好ましくは弾性を有し、JIS K7222に準ずる密度が、好ましくは15〜60Kg/m3、より好ましくは20〜40Kg/m3である。また、JIS K6400−2に準じる25%硬さ(25%−ILD)は、好ましくは50〜300N、より好ましくは80〜200Nであり、JIS K6400−4に準じる圧縮残留歪みは、好ましくは17%以下、より好ましくは10%以下である。また、JIS K6400−3に準じる反発弾性は、好ましくは、20〜50%である。これらは、車両の座席(シート)、チャイルドシート等における着座部及び背もたれ部、家具用のベッド、マットレス等におけるクッション材や、椅子、ソファ等の座席における着座部及び背もたれ部、パッド類等の構成材料として好適な性能である。
【0048】
本発明のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体は、上記発泡体原料により製造されたものであることから、熱融着性に優れる。従って、本発泡体は、その表面を、熱により溶融させ、溶融部に、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の合成繊維、綿、木材等からなる天然繊維等を含む布、皮革等を当接することにより、一体化させることができる(フレームラミネーション法)。当接物の片側又は両側から押圧してもよい。これにより、本発明のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体からなる発泡体層と、布、皮革等からなる表材層とを備える積層体を効率よく製造することができる。
【0049】
即ち、本発明の積層体は、上記本発明のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体からなる発泡体層と、この発泡体層の表面の少なくとも一部に接着された表材層とを備える。この表材層は、発泡体層の一面側のみに配設されたものであってよいし、両面側に配設されたものであってもよい。表材層が両面側に配設された場合、一面側の表材層と、他面側の表材層は、同一材料からなるものであってよいし、異なる材料からなるものであってもよい。
【0050】
また、発泡体層及び表材層の厚さは、目的、用途等により、適宜、選択される。一般的に、発泡体層及び表材層の厚さは、それぞれ、2.0〜20.0mm及び0.1〜4.0mmである。
【0051】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
表1に示すポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤及び触媒等からなるフォーム原料を調製した。このフォーム原料を用いて、常温、大気圧下で発泡させた後、加熱炉を通過させて加熱反応(硬化)させることによりフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を得た。
【0052】
次に、得られたフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を、長さ200mm、幅50mm、厚さ10mmに切り出すことによって、シート状のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体を製造した。
この発泡体を、幅100mm、高さ70mmに調整されたLPガスの火炎上を8m/分の速度で通過させ、表面を溶融させる。その後、表材として、表面にナイロン不織布を重ね合わせ、ロールにて圧着し(フレームラミネーション法)、発泡体層と表材層からなる積層体を得た。
【0053】
この積層体に対して、初期剥離強度の測定においては幅50mm、長さ200mm、最終剥離強度の測定においては幅25mm、長さ150mmに切断し、初期剥離強度はナイロン不織布圧着後2分後の剥離強度を、最終剥離強度はナイロン不織布圧着後24時間後の剥離強度を、JIS L1066に準じて測定した。尚、表1内の「*」は剥離試験における剥離の際、界面剥離ではなく、材料破壊であったことを意味する。また、常態物性においては、各積層体における、密度(Kg/m3)、25%ILD(N)、反発弾性率(%)、及び圧縮残留歪(%)をJIS K6401に準じて測定した。
【0054】
本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を60部、ポリオールA3を40重量部、ポリイソシアネートB1を59.2重量部含み、イソシアネートインデックスは112である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、24.3%である。
【0055】
その結果、密度は29.3kg/m3であり、25%ILDは100N、反発弾性は27%、圧縮残留歪は7.5%、初期剥離強度は9.8、最終剥離強度は6.1である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0056】
<実施例2>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を60部、ポリオールA3を40重量部、ポリイソシアネートB1を64.6重量部含み、イソシアネートインデックスは110である。さらに、発泡剤C1を4.4重量部、発泡剤C2を5重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、23.5%である。
【0057】
その結果、密度は20.1kg/m3であり、25%ILDは85N、反発弾性は25%、圧縮残留歪は8.9%、初期剥離強度は8.2、最終剥離強度は5.7である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0058】
<実施例3>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を60部、ポリオールA3を40重量部、ポリイソシアネートB1を59.8重量部含み、イソシアネートインデックスは112である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、24.1%である。
【0059】
その結果、密度は29.1kg/m3であり、25%ILDは102N、反発弾性は27%、圧縮残留歪は6.8%、初期剥離強度は12.3、最終剥離強度は7.9である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0060】
<実施例4>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を40部、ポリオールA3を60重量部、ポリイソシアネートB1を62.4重量部含み、イソシアネートインデックスは112である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.22重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、35.8%である。
【0061】
その結果、密度は29.5kg/m3であり、25%ILDは70N、反発弾性は20%、圧縮残留歪は8.0%、初期剥離強度は12.9、最終剥離強度は8.5である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0062】
<実施例5>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を20部、ポリオールA3を80重量部、ポリイソシアネートB1を61.9重量部含み、イソシアネートインデックスは105である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.25重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、47.9%である。
【0063】
その結果、密度は29.8kg/m3であり、25%ILDは62N、反発弾性は15%、圧縮残留歪は12.3%、初期剥離強度は13.2、最終剥離強度は9.5である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0064】
<実施例6>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA3を100重量部、ポリイソシアネートB1を62.2重量部含み、イソシアネートインデックスは100である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.35重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、59.7%である。
【0065】
その結果、密度は29.8kg/m3であり、25%ILDは51N、反発弾性は8%、圧縮残留歪は16.4%、初期剥離強度は14.5、最終剥離強度は10.8である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じた。
【0066】
<実施例7>
表1に示す、本実施例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を80部、ポリオールA3を20重量部、ポリイソシアネートB1を56.6重量部含み、イソシアネートインデックスは115である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、12.4%である。
【0067】
その結果、密度は29.5kg/m3であり、25%ILDは110N、反発弾性は29%、圧縮残留歪は6.0%、初期剥離強度は6.5、最終剥離強度は5.1である。なお、剥離の際、最終剥離強度試験の際にのみ材料破壊が生じた。
【0068】
<比較例1>
表1に示す、本比較例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を60部、ポリオールA2を40重量部、ポリイソシアネートB1を52.9重量部含み、イソシアネートインデックスは112である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、0%である。
【0069】
その結果、密度は29.1kg/m3であり、25%ILDは135N、反発弾性は34%、圧縮残留歪は6.7%、初期剥離強度は4.1、最終剥離強度は5.5である。なお、剥離の際、最終剥離強度試験の際にのみ材料破壊が生じた。
【0070】
<比較例2>
表1に示す、本比較例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を100部、ポリイソシアネートB1を52.9重量部含み、イソシアネートインデックスは120である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、0%である。
【0071】
その結果、密度は29.3kg/m3であり、25%ILDは131N、反発弾性は34%、圧縮残留歪は6.4%、初期剥離強度は0.8、最終剥離強度は1.2である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じなかった。
【0072】
<比較例3>
表1に示す、本比較例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を60部、ポリオールA4を40重量部、ポリイソシアネートB1を52.9重量部含み、イソシアネートインデックスは115である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.35重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、23.4%である。
【0073】
その結果、密度は29.5kg/m3であり、25%ILDは101N、反発弾性は25%、圧縮残留歪は7.2%、初期剥離強度は1.1、最終剥離強度は1.0である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じなかった。
【0074】
<比較例4>
表1に示す、本比較例におけるフォーム原料は、ポリオールA1を85部、ポリオールA3を15重量部、ポリイソシアネートB1を56.7重量部含み、イソシアネートインデックスは115である。さらに、発泡剤C1を3.8重量部、整泡剤D1を1重量部、アミン系触媒E1を0.2重量部、金属触媒E2を0.2重量部含む。また、植物由来化度Pは、9.3%である。
【0075】
その結果、密度は29.8kg/m3であり、25%ILDは131N、反発弾性は30%、圧縮残留歪は7.2%、初期剥離強度は4.5、最終剥離強度は3.2である。なお、剥離の際、両方とも材料破壊が生じなかった。
【0076】
(ヒマシ油由来のポリオールA3に含まれるリシノレイン酸の含有量)
実施例1〜7は、リシノレイン酸を含むヒマシ油由来のポリオールA3を含み、すべての実施例において、全ポリオール100重量部に対してポリオールA3を20重量部以上含む。このポリオールは、植物由来化度が100%なので、リシノレイン酸を20重量部以上含む。一方、比較例1〜3においてはヒマシ油由来リシノレイン酸を含まず、比較例4においてはヒマシ油由来リシノレイン酸を全ポリオール100重量部に対して15重量部含む。
【0077】
実施例1〜7においては、最終剥離強度測定の際、すべてにおいて材料破壊が生じたが、比較例1〜4においては、比較例1のみで材料破壊が生じた一方、比較例2〜4において材料破壊は生じなかった。また、初期剥離強度測定の際、実施例7では材料破壊が生じなかったが、実施例1〜6においては材料破壊が生じ、比較例1〜4においては、すべてにおいて材料破壊が生じなかった。
【0078】
ポリオールA3の添加重量部が多いほど初期剥離強度と最終剥離強度が向上する傾向が見えるところ、ポリオールA3を20重量部含む実施例7においては、最終剥離強度測定において材料破壊が生じ、ポリオールA3を15重量部しか含まない比較例4においては、最終剥離強度測定において材料破壊が生じなかったことに鑑み、ポリオールA3を、中間値である17.5重量部以上、好ましくは、20重量部以上含む場合には、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、高い剥離強度特性を備えることがわかる。
【0079】
また、ポリオールA1(ポリオキシアルキレンエーテルポリオール)を60重量部含む実施例1〜3と比較例1と3において、実施例1〜3はポリオールA3(ヒマシ油)を含むところ、比較例1はポリオールA2(ポリオキシアルキレンエーテル/ポリエステルブロック共重合体ポリオール)を、比較例3はポリオールA4(大豆油由来ポリオール)を含む。実施例1〜3すべてにおいて、初期剥離強度測定及び最終剥離強度測定の両方において材料破壊が生じている。
【0080】
一方、比較例1の最終剥離強度測定において材料破壊が生じているものの、比較例1の初期剥離強度測定、比較例3の初期剥離強度測定及び最終剥離強度測定において材料破壊が生じていない。また、比較例1の最終剥離強度は5.5と、実施例1の6.1、実施例2の5.7、実施例3の7.9に比べ、低い。かかる結果を鑑みると、石油由来のポリオールは言うまでもなく、単に植物由来であっても剥離強度が向上されるものではなく、ヒマシ油由来のポリオールを含むことにより、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、高い剥離強度特性を備えることがわかる。
【0081】
(植物由来化度)
実施例1〜7の植物由来化度は、実施例7の12.4以上であるところ、比較例4の植物由来化度は9.3である。従って、植物由来化度が10以上であれば、良好な剥離強度を呈し、フレームラミネーション用ポリウレタン発泡体に求められる物性を有しつつ、高い剥離強度特性を備えることがわかる。植物由来化度は、好ましくは、実施例7の12.4と比較例の9.3の中間値である10.9以上、さらに好ましくは、実施例7の12.4以上である。
【0082】
【表1】

なお、表1における、略称は以下のとおりである。
・ポリオールA1:
ポリオキシアルキレンエーテルポリオール。ポリオキシエチレン/オキシプロピレンエーテルポリオールEO/PO付加体
平均分子量:3000、官能基数:3、水酸基価:56.1
・ポリオールA2:
ポリオキシアルキレンエーテル/ポリエステルブロック共重合体ポリオール
平均分子量:3000、水酸基価:56.1、商品名「L−50」、三井武田ケミカル社製。
・ポリオールA3:
ヒマシ油(リシノレイン酸トリグリセロール)
平均分子量:1000、官能基数:2.7、水酸基価:160、植物由来化度:100%、商品名:「URIC−H30」、伊藤製油株式会社製
・ポリオールA4:
大豆油由来ポリオール
リノール酸を主成分とした不飽和脂肪酸トリグリセリドをエポキシ化し、ヒドロキシル化によって合成
平均分子量:2000、官能基数:2、水酸基価:56.1、商品名:「BiOH5000」、(株)Cargill製。
・ポリイソシアネートB1:
トリレンジイソシアネート(2,4−TDIと2,6−TDIとが80:20の割合であるTDI)
商品名「TDI−80」、日本ポリウレタン工業株式会社製
・発泡剤C1: 水
・発泡剤C2: 塩化メチレン
・整泡剤D1:
シリコーン整泡剤、商品名「SZ−1136」、東レダウコーニング社製。
・アミン系触媒E1:
トリエチレンジアミン33wt% ジプロピレングリコール溶液、エアプロダクツ株式会社製。
・金属触媒E2:
スタナスオクトエート、商品名:「MRH110」、城北化学株式会社製。
・添加剤F1:
ポリオキシアルキレンエーテルポリオール。PO付加体
平均分子量:200、官能基数:2、水酸基価:561、商品名「PP200」、三洋化成工業株式会社製。
【0083】
尚、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、
前記ポリオールは、リシノレイン酸を含むことを特徴とするフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
前記ポリオールは、前記ポリオール100重量部当たり、前記リシノレイン酸を20重量部以上含むことを特徴とする請求項1に記載のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
ヒマシ油由来のポリオールを含むポリウレタン原料からなるフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体において、次式(1)を満たすフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体。
((A × B)/C)×100 ≧ 10 ・・・(1)
但し、(1)式において、Aは、ヒマシ油由来のポリオールの添加部数(部)、Bは、ヒマシ油由来のポリオールにおけるリシノレイン酸の含有率(重量%)、Cは、ポリウレタン原料の総添加部数(部)を示す。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のフレームラミネーション用ポリウレタン発泡体からなる発泡体層と、前記発泡体層の表面の少なくとも一部に接着された表材層とを備えることを特徴とする積層体。
【請求項5】
請求項4に記載の積層体により成形された車両用内装材。

【公開番号】特開2012−236910(P2012−236910A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106681(P2011−106681)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】