説明

フレーム状構造を備える組立て支持体

【課題】
上横支持体が錠横支持体として高い慣性モーメントを有し、冷気通過面を無視できる周辺にのみに減少させる組立て支持体を創作すること。
【解決手段】
そのような組立て支持体は、冷気貫通面を包囲し、上横支持体(1)、下横支持体(2)とこれらを結合する側面支持体(3)を有する。上横支持体(1)はフード錠を収容するために閉鎖された壁(4)を備える輪郭支持体として形成されていて、その壁が冷却器成分の空気通過接続するよう冷気通過面(7)を限定する密封リップ(6)を形成する。上横支持体(1)を組立て支持体の錠横支持体として高慣性モーメントを備えて且つ冷気通過面を無視できる周辺にのみに減少させるために、上横支持体(1)は密封リップ(6)に接続して、冷気通過面(7)に突き出す格子構造(8)によって補強され、その格子開口(11)がその全開口面を備えて冷気通過面(7)の一部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の上位概念の特徴事項による乗用車或いは小型自動車の前端モデル用の組立て支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような組立て支持体は、乗用車或いは小型自動車の前端モデル用の中央骨組を意味し、その中央骨組には前端モデルの種々の個別成分が予備組立てにおいて増設される。前記に出ている自動車が互いに似ている支持構造を有するので、必要な冷却器成分用の空気案内と空気密封機能を受けるフレーム状組立て支持体が至る所で使用される。そのために、組立て支持体の上横支持体に配置された密封リップが用いられ、その密封リップは組立て支持体により包囲された冷気通過面に限定されている。
【0003】
組立て支持体の上横支持体は大抵は該当自動車のフード錠を収容するために設けられており、ここで自動車前フードの確実な閉鎖をもたらしている。既に走行運転では、フードに作用する大きな外力が組立て支持体の上横支持体に案内され、その上横支持体から外力が組立て支持体を介して自動車の支持構造に向けられる。
【0004】
この場合には、組立て支持体の上横支持体では、非常に僅かな弾性変形しか生じなく、剛性や強度に関して十分に寸法を取らなければならない。自動車の衝突状況における極端な負荷の場合には、なお大きな力がフード錠を介して上横支持体から受けるにしても、安全上の理由から組立て支持体からフード錠のもぎ取りをまねくようにすべきではない。
【0005】
それ故に、錠横支持体として機能する組立て支持体の上横支持体が慣性モーメントを備えているに違いない。これは、上横支持体が純粋な合成樹脂部材として或いは金属合成樹脂結合材製のハイブリッド部材として形成されるか否かに無関係に適用される。この場合に問題点は、この横支持体の十分な剛性が実現する重量の最小化と同時に主負荷方向における大きな構成高さによってのみ達成され得ることである。とりわけ、下横支持体にて上横支持体を支持する中心支柱を放棄されなければならないときに、好都合な輪郭形状でも、上横支持体の構造高さを要し、その構造高さが冷却器成分の上部分の覆いをまねき、それにより理論的に可能な熱伝達面を減少させる。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第19850589号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1484216号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、この発明の課題は、上横支持体が錠横支持体として高い慣性モーメントを有し、冷気通過面を無視できる周辺にのみに減少させる組立て支持体を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求項1の特徴事項を有する横支持体により解決される。
【0008】
この発明のためには、下側で上横支持体に接続する構造が骨組特徴を備える格子支持構造と呼ばれ得て、組立て支持体の上領域にて慣性モーメントを著しく高められることが本質である。組立て支持体の上横支持体が密封リップで終了する閉鎖された上部と高割合の自由貫流面を有する下部とに細分されるならば、貫流面が冷気通過のために利用され得る。格子構造を備える組立て支持体の上横支持体が冷却成分の一つの全面に配置され得て、この場合に格子構造はこの冷却成分に生じるその効率の損失が無視できるように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明は、次に実施例に関する図面に基づいて詳細に説明される。
【実施例】
【0010】
個々には、図面に図示された組立て支持体が上横支持体1、下横支持体2と側面支持体3を有し、その側面支持体が上横支持体1と下横支持体2を一部材で互いに連結されている。それによって、組立て支持体が実質的に長方形フレームの基本形状を有し、両上フレーム隅から斜めに後方へ固定アーム1.1が突き出し、その固定アームに上横支持体1が続く。
【0011】
上横支持体1は輪郭支持体であり、U字状或いはC字状横断面を有し、その開口面が組立て支持体の後面に配置する。組立て支持体の全面に対して上横支持体1が閉鎖された壁4を備えていて、その背面では上横支持体1の中空輪郭に補強ウエブ5が接続する。横支持体1は完全合成樹脂部材として形成され得て、好ましい構成では、横支持体は金属のような個体材料の補強成分と、その補強成分に射出成形された合成樹脂とから成るハイブリッド構成部材である。この場合には、上横支持体1の壁4はハイブリッド構成に形成され、その間に補強ウエブ5が専ら射出成形された合成樹脂から成る。横支持体1を形成する輪郭支持体の下方に離れている下ウエブは、当該自動車の少なくとも一つの冷却器成分に当てられている密封リップ6を形成するので、組立て支持体の上横支持体1とこの冷却器成分との間の結合領域には、冷却器成分を包囲する冷気バイパスが生じない。それで、密封リップ6が上方に冷却通過面7を限定し、冷却通過面は通常には組立て支持体の下横支持体2と側面支持体3によって包囲されている。
【0012】
密封リップ6の領域では、組立て支持体の上横支持体1には、格子構造8が下方に接続して、格子構造は冷却通過面7に内方に突き出し、組立て支持体の据付け位置に自動車の少なくとも一つの冷却器成分の前の流入側に配置されている。格子構造8は一つのウエブ9から成り、このウエブは上横支持体1の密封リップ6から間隔を置いて延びていて、中間ウエブ10によって密封リップ6と結合されている。中間ウエブ10は対状に互いに交差するウエブとして形成されていて、中間ウエブはウエブ9と同様に面ウエブとして形成されている。その幅方向により中間ウエブ10と同様にウエブ9が格子構造8によって通過する冷気の流れ方向に位置し、冷気がウエブ9、10の間の格子開口11を通して通過する。この格子開口11の全開口面が冷却通過面7の一部である。ウエブ9、10の寸法と幾何学とによって冷気の最小流れ抵抗が達成されるので、格子構造8を通して基本的に回避できない損失はその格子構造の後に位置する冷却器成分の冷却導管において無視できる。
【0013】
上横支持体1の実施態様では、ハイブリッド構成部材として個体材料の補強成分に射出成形される合成樹脂が格子構造8の中間ウエブ10と下端ウエブ9の間に形成する。この格子構造は組立てフレームの隅領域に上横支持体1の更なる補強のために側面支持体3と結合され、それは、格子構造8が上横支持体1の全長にわたり延びていることを前提にしている。基本的には上横支持体1は、骨組構造における支持構造に設けられ得るように、支持する部分領域にのみに下側に格子構造8を有する。
【0014】
組立て支持体の上横支持体1の下面における格子構造8は、上横支持体1の支持能力を高めるために、骨組構造の機能を有する。この措置は、上横支持体1が該当自動車の前フ−ドの閉鎖用の錠を支持することに関して必要である。格子構造8の領域にはフ−ド錠用の収容装置12が配置されていて、この収容装置が格子構造8に一体化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】組立て支持体を斜視正面図で示す。
【図2】図1による組立て支持体を背面図で示す。
【符号の説明】
【0016】
1.....上横支持体
1.1...固定アーム
2.....下横支持体
3.....側面支持体
4.....壁
5.....補強ウエブ
6.....密封リップ
7.....冷却通過面
8.....格子構造
9.....端ウエブ
10....中間ウエブ
11....格子開口
12....フ−ド錠収容装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷気貫通面を包囲し、上横支持体(1)、下横支持体(2)とこれらを結合する側面支持体(3)を有するフレーム状構造を備えて、上横支持体(1)がフード錠を収容するために閉鎖された壁(4)を備える輪郭支持体として形成されていて、その壁が冷却器成分の空気通過接続するよう冷気通過面(7)を限定する密封リップ(6)を形成する乗用車或いは小型自動車の前端モデルの組立て支持体において、上横支持体(1)は密封リップ(6)に接続して、冷気通過面(7)に突き出す格子構造(8)によって補強され、その格子開口(11)がその全開口面を備えて冷気通過面(7)の一部を形成することを特徴とする組立て支持体。
【請求項2】
格子構造(8)は上横支持体(1)の密封リップ(6)から間隔をおいて延びているウエブ(9)とこのウエブ(9)と密封リップ(6)を結合させる中間ウエブ(10)とから成り立つことを特徴とする請求項1に記載の組立て支持体。
【請求項3】
ウエブ(9)と格子構造(8)の中間ウエブ(10)が平らなウエブであり、その幅方向が冷気貫通方向に位置することを特徴とする請求項2に記載の組立て支持体。
【請求項4】
格子構造(8)の中間ウエブ(10)は対に互いに交差して形成されていることを特徴とする請求項2或いは3に記載の組立て支持体。
【請求項5】
格子構造(8)は上横支持体(1)の全長にわたり延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組立て支持体。
【請求項6】
格子構造(8)には、フード錠用の収容装置(12)が一体化されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組立て支持体。
【請求項7】
少なくとも上横支持体(1)は固体材料の補強成分とその補強成分に射出成形された合成樹脂とから成るハイブリッド構成部材として形成されていて、格子構造(8)が専ら射出成形された合成樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組立て支持体。
【請求項8】
上横支持体(1)は輪郭支持体として形成され且つ横断面がU字状或いはC字状であり、U字輪郭或いはC字輪郭の開口面が冷気通過の流入側に配置され、輪郭の冷気通過面(7)に配置するウエブは格子構造(8)が接続する密封リップ(6)を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組立て支持体。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−543665(P2008−543665A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517398(P2008−517398)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005907
【国際公開番号】WO2006/136371
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507340256)ハー・ベー・ペー・オー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (3)
【Fターム(参考)】