説明

フレーム用検査装置及びフレーム検査方法

【課題】 検査の迅速化と検査結果の画一化を図ることのできるフレーム用検査装置及びフレーム検査方法を提供する。
【解決手段】 本体である架台1と、架台1上に回転可能に軸支されて密着層を有しない中空のフレーム30を水平に搭載するテーブル20と、テーブル20を回転させるACモータと、投光部51から受光部52に対するレーザ光を回転するテーブル20に搭載されたフレーム30に照射することによりフレーム30の高さからその適否を検出するレーザセンサ50と、少なくともレーザセンサ50の検出結果を報知する報知装置60と、ACモータと報知装置60とを制御する制御装置とを備え、フレーム30の変形度を検査する。フレーム30の状態を時間をかけて目視で観察等するのではなく、レーザセンサ50により機械的に観察するので、検査の円滑化、迅速化、容易化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の基板を収容するフレームを検査するフレーム用検査装置及びフレーム検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程、特に後工程では、様々な器具や装置が使用されるが、その一つとして、ダイシング用のキャリア治具があげられる(特許文献1、2参照)。このキャリア治具は、図示しない半導体ウェーハよりも大きい中空のリングフレームを備え、このリングフレームに、履歴管理用のRFIDシステムが貼着されており、リングフレームの中空に、半導体ウェーハがUVテープを介して収容保持される。
【0003】
ところで、キャリア治具のリングフレームが平坦だったり、均一な厚さの場合はともかく、キャリア治具のリングフレームの一部が反っていたり、厚さが不均一で変形している場合には、半導体製造の後工程の進行に支障を来たしたり、カセットに半導体ウェーハを収納する際に不具合が発生したり、半導体ウェーハの破損を招くおそれがあるので、キャリア治具のリングフレームの状態を検査する必要がある。
この種の検査は、従来、テーブル上にキャリア治具のリングフレームを置き、このリングフレームの状態を時間をかけて目視で観察したり、リングフレームの高さを専用の定規で測定等することにより行われていた。
【特許文献1】特開平10‐233431号公報
【特許文献2】特開平06‐338564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のキャリア治具のリングフレームの検査は、以上のようにリングフレームを時間をかけて目視観察したり、専用の定規で測定等することにより行われているので、検査に長時間を要し、しかも、作業者の判断基準により検査結果が異なることがあるという問題がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、検査の迅速化と検査結果の画一化を図ることのできるフレーム用検査装置及びフレーム検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては上記課題を解決するため、基板を収容するフレームを検査するものであって、
中空のフレームを搭載するテーブルと、投光部から受光部に対する光線をテーブルに搭載されたフレームに照射することによりフレームの適否を検出するセンサと、これらテーブルとセンサのいずれか一方を回転させる駆動機構と、少なくともセンサの検出結果を報知する報知装置と、少なくとも駆動機構と報知装置とを制御する制御装置とを含んでなることを特徴としている。
【0007】
なお、密着層を有しない中空のフレームを搭載するテーブルと、このテーブルを回転させる駆動機構と、投光部から受光部に対する光線を回転するテーブルに搭載されたフレームに照射することによりフレームの適否を検出するセンサと、少なくともセンサの検出結果を報知する報知装置と、少なくとも駆動機構と報知装置とを制御する制御装置とを含んでなることを特徴としても良い。
【0008】
また、テーブルを搭載支持する台を含み、この台には第一、第二の支持具をそれぞれ設けて第一の支持具にはセンサの投光部を取り付けるとともに、第二の支持具をテーブルの略中心部に位置させてその露出部にはセンサの受光部を取り付け、センサの投光部と受光部との間にテーブル上のフレームの一部を介在させ、このフレームの一部にセンサの光線を横方向から照射するようにしても良い。
【0009】
また、駆動機構をAC(交流)モータとし、センサをレーザセンサとすることができる。
また、報知装置は、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さ以下の場合に発光するOKランプと、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さを超える場合に発光するNGランプとを含むと良い。
また、制御装置は、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さ以下の場合に報知装置のOKランプを発光させる機能と、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さを超える場合に報知装置のNGランプを発光させる機能とを含むと良い。
【0010】
また、本発明においては上記課題を解決するため、基板を収容するフレームを検査する方法であって、
中空のフレームを請求項1ないし5いずれかに記載のフレーム用検査装置を用いて検査することを特徴としている。
【0011】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくとも半導体ウェーハ(200mm、300mm、450mmのタイプ等)、ガラス基板、マスクガラス等が含まれる。フレームは、合成樹脂製や金属製、リング形や枠形等を特に問うものではない。また、テーブルは、回転タイプが好ましいが、固定のタイプでも良い。テーブルが固定タイプの場合、第一、第二の支持具は、共に回転し、第一の支持具がテーブルの周囲に沿って回転することが好ましい。センサは、レーザセンサが主ではあるが、同様の作用効果が期待できるのであれば、各種の非接触式光電センサ(反射型、透過型、回帰反射型等)等でも良い。
【0012】
駆動機構は、各種のモータ(ステッピングモータやトルクモータ等)だけでも良いが、ACモータとブレーキ機構の組み合わせ、ACモータ、歯車機構、ブレーキ機構、及び又はコントローラの組み合わせ等でも良い。報知装置は、フレームの適否をランプの発光で報知する装置、スピーカにより音声で報知する装置、これらランプの発光と音声とを併用して報知する装置を特に問うものではない。この報知装置のランプの発光は、点灯でも良いし、点滅でも良い。さらに、制御装置は、有接点リレー方式、無接点リレー方式、マイクロコンピュータ利用の有無を問うものではない。
【0013】
本発明によれば、フレームを検査したい場合には、検査装置のテーブルにフレームをセットし、駆動機構を駆動してテーブルとセンサのいずれかを回転させ、相対的に回転するフレームにセンサの光線を照射してフレームの状態を検出する。センサがフレームの状態を検出し、その結果、フレームが良品の場合には、報知装置がその旨報知する。これに対し、フレームが不良品の場合には、報知装置が不良品である旨報知する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フレームに関する検査の迅速化と検査結果の画一化を図ることができるという効果がある。
また、駆動機構をACモータとすれば、テーブルあるいはセンサの回転速度を簡単に制御することができる。また、センサをレーザセンサとすれば、光電センサでは検出できない凹凸を高いコントラストで読み取ることができる。
【0015】
また、報知装置を、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さ以下の場合に発光するOKランプと、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さを超える場合に発光するNGランプとから構成すれば、フレームに関する検査結果を視覚的に簡単明瞭に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるフレーム用検査装置は、図1ないし図7に示すように、本体である架台1と、この架台1に軸受を介し回転可能に軸支されてフレーム30を搭載するテーブル20と、このテーブル駆動用のACモータ40と、フレーム30の高さからその適否を検出する検査用で小型のレーザセンサ50と、少なくともレーザセンサ50の検出結果を報知する報知装置60と、少なくともACモータ40や報知装置60を制御する制御装置70とを備えるようにしている。
【0017】
架台1は、図1や図2に示すように、周囲に取り外し可能な安全カバーを備えた正面視横長の筐体に形成され、平坦な底面の四隅部には、螺子付きの脚が昇降可能にそれぞれ配設されており、平坦なステージである表面には、テーブル20と第一、第二の支持具2・3とがそれぞれ縦に配設される。第一、第二の支持具2・3は、相互に水平に対向するよう立設され、第一の支持具2がテーブル20に横方向から間隔をおいて隣接固定されており、第二の支持具3がテーブル20の中心部を貫通して固定される。
【0018】
架台1の正面上部には図1、図2、図3に示すように、前後方向に傾斜した横長の操作パネル4が装着され、この操作パネル4等には、主電源スイッチであるブレーカー5、テーブル20の回転速度を変更(例えば5〜8秒/回転)する回転可能な回転数摘み6、検査中に点灯する検査開始用の起動スイッチ7、電源を遮断する回転可能な非常停止スイッチ8、検査中に検査を停止する停止スイッチ9、レーザセンサ50のノイズをカットして信号を増幅するアンプユニット10、及び報知装置60が並べて配設される。
【0019】
起動スイッチ7は、テーブル20がスタート位置の原点にない場合には、点滅して作業者に視覚的に警告し、作業者の押圧操作に基づき、テーブル20をスタート位置の原点に回転復帰させるよう機能する。
【0020】
テーブル20は、同図に示すように、基本的には円筒形に形成され、上部周縁からはフランジ21が半径外方向に水平に張り出しており、このフランジ21の平坦な表面上に、密着層38を有しない中空のフレーム30が作業者により着脱自在に水平に搭載される。このフランジ21の表面には、搭載されるフレーム30を位置決めする複数の位置決めピン(図示せず)が所定の間隔をおいて立設される。
【0021】
フレーム30は、図1、図2、図5ないし図7に示すように、所定の材料を使用して半導体ウェーハWを隙間を介して収容可能な大きさの略中空リング形に形成され、裏面には弾性の密着層38が着脱自在に貼着されており、この密着層38の表面には、半導体ウェーハWが着脱自在に保持搭載される。フレーム30の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば機械的強度に優れるPPS、PA、PEI、PAI、PEEK、PES、LCP、PBT等があげられる。これらの材料中には、必要に応じて強度や剛性を確保するガラス繊維、炭素繊維、又は炭酸カルシウム等の充填剤が配合される。
【0022】
フレーム30は、その外周面の前部両側に位置決め用のノッチ31が並べて切り欠かれ、表面の後部中央には横長の収納穴32が選択的に凹み形成されており、この収納穴32には、RFIDシステム(移動体識別システム)33を構築するRFタグ34が選択的に装着される。
【0023】
RFIDシステム33は、図5に示すように、電波により内部メモリがアクセスされ、フレーム30と共に移動するRFタグ34と、このRFタグ34との間で電波や電力を送受信するアンテナユニット35と、RFタグ34の交信を制御するリーダ/ライタ36と、このリーダ/ライタ36を制御するコンピュータ37とを備えて構成され、バーコードよりも情報量を増大させたり、情報の書き換えを容易にしたり、あるいは遠隔読み取りを容易にする。
【0024】
RFタグ34には、フレーム30の検査履歴を書き込むことが可能である。また、アンテナユニット35とリーダ/ライタ36とは、別々に構成されるが、必要に応じて一体化される。リーダ/ライタ36の制御に支障を来たさなければ、コンピュータ37の代わりに各種のコントローラが使用される。
【0025】
密着層38は、所定の材料を使用して変形可能な可撓性の薄い円板に形成され、フレーム30の裏面に粘着保持されてフレーム30の中空を下方から被覆しており、このフレーム30の中空に露出した露出面に半導体ウェーハWの裏面を着脱自在に粘着保持するよう機能する。
【0026】
密着層38の材料は、特に限定されるものではないが、例えば厚さ20〜300μmのPP、PE、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル樹脂、PET等のフィルムがあげられる。また、密着層38の粘着剤としては、アクリル酸、メタアクリル酸やこれらの酸の各種エステル誘導体等を原料とした重合体、あるいは共重合体からなるアクリル系樹脂等の粘着性樹脂が使用される。
【0027】
半導体ウェーハWは、例えば口径300mm(12インチ)にスライスされた丸いシリコンウェーハ等からなり、表面に回路パターンが描画形成されており、裏面がバックグラインドされることにより100μm以下の厚さに薄片化される(図7参照)。この半導体ウェーハWの周縁部には、位置決め用のオリフラや半円形のノッチが選択的に形成される。
【0028】
ACモータ40は、図3に示すように、例えば回転数摘み6により速度を簡易に制御可能な小型のACスピードコントロールブレーキモータ等からなり、架台1に内蔵されてテーブル20をターンテーブルとして水平に所定数回転させるよう機能する。
【0029】
レーザセンサ50は、図1、図2、図3に示すように、第一の支持具2に位置調整可能に装着される投光部51と、テーブル20の中心部から露出した第二の支持具3の露出部に位置調整可能に装着されて投光部51に間隔をおき水平に対向する受光部52とを備えてアンプユニット10に接続され、投光部51から受光部52に対する複数本の平行なレーザ光(光線)をテーブル20上のフレーム30に横切るよう照射することにより、フレーム30の変形度を検出するよう機能する。
【0030】
すなわち、レーザセンサ50は、投光部51からCCD等からなる受光部52に対する高精細の細いレーザ光を回転するテーブル20に搭載されたフレーム30に水平に部分的に照射(図1参照)することにより、反射するレーザ光を受光部52で受光したり、あるいはフレーム30に遮光されるレーザ光の光量の変化を受光部52で受光することにより、フレーム30の高さ、換言すれば、フレーム30の反りや厚さを検出し、この検出した高さからフレーム30の適不適を検出する。
【0031】
報知装置60は、図1ないし図3に示すように、本装置の電源で電源投入中に電源ランプが点灯する電源スイッチ61と、レーザセンサ50に検出されたフレーム30の高さが所定の高さ以下で良品の場合に点灯するOKランプ62と、レーザセンサ50に検出されたフレーム30の高さが反り等の変形に伴い所定の高さを超えて不良品の場合に点灯するNGランプ63とを備えて構成される。
【0032】
電源スイッチ61、OKランプ62、及びNGランプ63は、架台1の操作パネル4に並べて装着される。また、OKランプ62又はNGランプ63は、検査の終了時に検査結果に応じて点灯するよう機能する。NGランプ63は、フレーム30の反り等の変形を発見する度に点灯する。
【0033】
制御装置70は、図3に示すように、演算処理機能を発揮するCPU71と、所定の検査プログラムを記憶するROM72と、検査の履歴等を記憶するRAM73とを備え、これらCPU71、ROM72、RAM73が所定の回路素子と共に回路基板に実装されており、この回路基板が架台1に内蔵されてブレーカー5、各種のスイッチ6、7、8、9、レーザセンサ50用のアンプユニット10、ACモータ40、報知装置60等に接続される。このような構成の制御装置70は、CPU71がRAM73を作業領域としてROM72に記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、コンピュータとして所定の機能を実現する。
【0034】
制御装置70の所定の機能としては、少なくとも起動スイッチ7がON操作されたか否かを判定する機能、起動スイッチ7がON操作された場合に点灯する報知装置60のOKランプ62とNGランプ63とを消灯させる機能、テーブル20がスタート位置の原点にあるか否かを判定する機能、スタート位置の原点にテーブル20がある場合に非常停止スイッチ8がON操作されたか否かを判定する機能、この非常停止スイッチ8がON操作されない場合に停止スイッチ9がON操作されたか否かを判定する機能、停止スイッチ9がON操作されない場合に駆動機構であるACモータ40を駆動させるとともに、レーザセンサ50を動作させてフレーム30が良品か否かを判定する機能、この判定の結果、フレーム30の高さが所定の高さ以下で良品と判定された場合に報知装置60のOKランプ62を点灯させる機能、及び判定の結果、フレーム30の高さが所定の高さを超えて不良品と判定された場合に報知装置60のNGランプ63を点灯させる機能があげられる。
【0035】
上記において、出荷前のフレーム30あるいは密着層38の剥離されたフレーム30に反りや厚さの不均一があるか否かを検査したい場合には、先ず、フレーム用検査装置のブレーカー5と電源スイッチ61とを順次ON操作(図4のS1、S2)して電源ランプを点灯(S3)させ、フレーム用検査装置を点検(S4)し、この点検で異常がない場合には、検査作業を開始する(S5)。
【0036】
点検でフレーム用検査装置の異常が判明した場合には、作業者が点検する(S6)とともに、技術者が調整(S7)し、正常な状態に復帰したら電源スイッチ61をOFF操作すれば良い(S8)。
【0037】
検査作業に着手したら、テーブル20のフランジ21上に中空のフレーム30をワークとして水平に位置決めセット(S9)し、起動スイッチ7をON操作(S10)してフレーム30の検査を開始(S11)し、点灯している報知装置60のOKランプ62とNGランプ63とをそれぞれ消灯させる(S12)。
【0038】
報知装置60のOKランプ62とNGランプ63とが共に消灯したら、テーブル20がスタート位置の原点にあるか否かが検出(S13)され、スタート位置の原点にテーブル20があり、かつ非常停止スイッチ8と停止スイッチ9とが共にON操作されていない場合(S14、S15)には、制御装置70の制御下でACモータ40が駆動してテーブル20とフレーム30を共に一回転させるとともに、レーザセンサ50が回転するテーブル20上のフレーム30にレーザ光を横切るよう水平に照射してフレーム30の変形度を検出する。
【0039】
なお、スタート位置の原点にテーブル20がない場合には、起動スイッチ7が点滅(S16)して作業者の注意を喚起するので、起動スイッチ7をON操作(S17)してスタート位置にテーブル20を回転復帰させれば良い。また、非常停止スイッチ8がON操作された場合には、電源が遮断される(S18)が、復旧したい場合には、電源スイッチ61を再度ON操作すれば良い。
【0040】
また、停止スイッチ9がON操作された場合には、起動スイッチ7が点滅して作業者の注意を喚起(S19)するが、検査を再開したい場合には、起動スイッチ7を再度ON操作(S20)してスタート位置にテーブル20を復帰させ、検査を再開すれば良い(S21)。
【0041】
そして、レーザセンサ50がフレーム30の変形度、すなわちフレーム30が良品か否かを検出(S22)し、この検出の結果、フレーム30の高さが所定の高さ以下の略平坦で良品の場合には、制御装置70の制御下で報知装置60のOKランプ62が点灯表示する(S23)。
【0042】
これに対し、フレーム30の高さが反り等の変形に伴い所定の高さを超えて不良品の場合には、制御装置70の制御下で報知装置60のNGランプ63が点灯表示する(S24)ので、検査中のフレーム30に反りや厚さの不均一があるのを客観的かつ明瞭に把握することができる。
検査が終了したら、テーブル20のフランジ21からフレーム30が取り外され、以下、検査作業の度に上記作業が繰り返される。
【0043】
上記構成によれば、フレーム30の状態を時間をかけ目視で観察したり、フレーム30の高さを専用の定規で測定等するのではなく、レーザセンサ50により機械的に測定するので、検査の著しい円滑化、迅速化、容易化を図ることができ、これにより工程外の検査の他、工程内の検査をも実現することができる。また、検査に作業者の恣意的判断が入り込む余地がないので、検査結果の画一化を図ることができる。したがって、半導体製造の後工程の進行に支障を来たしたり、カセットに半導体ウェーハWを収納する際に不具合が発生したり、半導体ウェーハWの破損を招くおそれがない。
【0044】
また、単なるモータではなく、ACモータ40を使用するので、工場の商用電源で簡易に動作させたり、テーブル20の速度を簡単に制御できる他、負荷の変動に対して安定した回転を得ることが可能になる。また、単なる光電センサではなく、レーザセンサ50を使用するので、光電センサでは検出できない凹凸をきわめて高いコントラストで非接触かつ容易に読み取ることができ、フレーム30の僅かな反りや変形をも高精度に検出することが可能になる。
【0045】
また、レーザ光の採用により、フレーム30が例え光沢感のある材料からなる場合でも、良品か否かを簡易かつ確実に検出することが可能になる他、レーザ光を明瞭に視認することができるので、光軸調整や位置補正が容易となり、さらには検出距離を長くすることもできる。さらにまた、回転するフレーム30にレーザセンサ50がレーザ光を上方からではなく、水平横方向から横切るように照射するので、フレーム30の被検査領域である表面の全てを時間をかけて検査しなくても、フレーム30の変形を早期に検査発見することができる。したがって、フレーム30の短時間の検査が大いに期待できる。
【0046】
なお、上記実施形態ではテーブル20を回転させたが、何らこれに限定されるものではない。例えば、テーブル20を固定するとともに、第一、第二の支持具2・3をそれぞれ回転させてテーブル20上のフレーム30を相対的に回転可能とし、この相対的に回転するフレーム30にレーザ光を横切るよう略水平に照射してフレーム30の適否を検出するようにしても良い。また、報知装置60を、OKランプ62とNGランプ63とから構成しても良い。さらに、同様の機能を発揮するのであれば、制御装置70の構成を適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【図3】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態を模式的に示す回路図である。
【図4】本発明に係るフレーム用検査装置及びフレーム検査方法の実施形態を模式的に示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態におけるRFIDシステムを模式的に示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態を模式的に示す平面説明図である。
【図7】本発明に係るフレーム用検査装置の実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 架台(台)
2 第一の支持具
3 第二の支持具
6 回転数摘み
7 起動スイッチ
8 非常停止スイッチ
9 停止スイッチ
10 アンプユニット
20 テーブル
21 フランジ
30 フレーム
33 RFIDシステム
34 RFタグ
38 密着層
40 ACモータ(駆動機構)
50 レーザセンサ(センサ)
51 投光部
52 受光部
60 報知装置
61 電源スイッチ
62 OKランプ
63 NGランプ
70 制御装置
71 CPU
72 ROM
73 RAM
W 半導体ウェーハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容するフレームを検査するフレーム用検査装置であって、中空のフレームを搭載するテーブルと、投光部から受光部に対する光線をテーブルに搭載されたフレームに照射することによりフレームの適否を検出するセンサと、これらテーブルとセンサのいずれか一方を回転させる駆動機構と、少なくともセンサの検出結果を報知する報知装置と、少なくとも駆動機構と報知装置とを制御する制御装置とを含んでなることを特徴とするフレーム用検査装置。
【請求項2】
テーブルを搭載支持する台を含み、この台には第一、第二の支持具をそれぞれ設けて第一の支持具にはセンサの投光部を取り付けるとともに、第二の支持具をテーブルの略中心部に位置させてその露出部にはセンサの受光部を取り付け、センサの投光部と受光部との間にテーブル上のフレームの一部を介在させ、このフレームの一部にセンサの光線を横方向から照射するようにした請求項1記載のフレーム用検査装置。
【請求項3】
駆動機構をACモータとし、センサをレーザセンサとした請求項1又は2記載のフレーム用検査装置。
【請求項4】
報知装置は、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さ以下の場合に発光するOKランプと、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さを超える場合に発光するNGランプとを含んでなる請求項1、2、又は3記載のフレーム用検査装置。
【請求項5】
制御装置は、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さ以下の場合に報知装置のOKランプを発光させる機能と、センサに検出されたフレームの高さが所定の高さを超える場合に報知装置のNGランプを発光させる機能とを含んでなる請求項4に記載のフレーム用検査装置。
【請求項6】
基板を収容するフレームを検査するフレーム検査方法であって、中空のフレームを請求項1ないし5いずれかに記載のフレーム用検査装置を用いて検査することを特徴とするフレーム検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−134207(P2008−134207A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322258(P2006−322258)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】