説明

フロアセキュリティ管理システム、エレベータ制御装置、及び端末装置

【課題】エレベータの乗客の行先階を制限することができるフロアセキュリティ管理システムを提供する。
【解決手段】複数の端末装置1と、エレベータ制御装置2とを有するフロアセキュリティ管理システム100であって、端末装置1は、指示可能な行先階を示す条件情報が記憶される条件情報記憶部14と、条件情報に合致する行先階のみを受け付ける行先階受付部16と、受け付けられた行先階を含む行先階情報を送信する行先階情報送信部18とを備え、エレベータ制御装置2は、行先階情報を受信する行先階情報受信部21と、行先階情報受信部21が受信した行先階情報を蓄積する行先階情報蓄積部22と、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報を用いて、カゴの停止階を制御する停止制御部23と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置を用いてエレベータの行先階の指示が行われるフロアセキュリティ管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータシステムにおいて、エレベータ乗場で登録された行先階と、乗場カメラで撮影された乗客の特徴を記憶し、エレベータのカゴ内における乗客の位置と行先階とを対応付けて管理していた。そして、カゴが行先階で停止する際に、その行先階で降車する乗客がカゴの後方に位置し、かつ、カゴが混雑している場合には、後方の乗客が降車することをアナウンスできた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/004607号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のエレベータシステムにおいては、エレベータの行先階を乗場の操作盤やテンキーで登録するため、すべての乗客に対して同じ制御を行うことになり、行先階を制限することができなかった。そのため、例えば、6階で勤務している人が、エレベータにより5階や7階にも行くことができていた。その結果、ある階に関係のない者がその階で降車することができることによって、安全性が低下しうるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、エレベータの乗客の行先階を制限することができるフロアセキュリティ管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明によるフロアセキュリティ管理システムは、複数の端末装置と、エレベータ制御装置とを有するフロアセキュリティ管理システムであって、端末装置は、行先階の指示に関する情報である行先階情報を送信する行先階情報送信部を備え、エレベータ制御装置は、行先階情報を受信する行先階情報受信部と、行先階情報受信部が受信した行先階情報を蓄積する行先階情報蓄積部と、行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報を用いて、カゴの停止階を制御する停止制御部と、を備え、行先階情報により、あらかじめ決められた条件情報に合致する行先階のみが指示される、ものである。
このような構成により、条件情報に合致する行先階のみにカゴが停止するようにできる。したがって、カゴを停止させたくない階には、カゴが停止しないようにすることができ、安全性を高めることができる。また、ユーザが特に余分な操作を行うことなく、その安全性を向上することができる。また、例えば、ユーザごとに条件情報を変えることによって、ユーザごとに指定できる行先階を変えることも可能となる。
【0007】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、端末装置は、指示可能な行先階を示す条件情報が記憶される条件情報記憶部と、条件情報に合致する行先階のみを受け付ける行先階受付部と、をさらに備え、行先階情報送信部は、行先階受付部が受け付けた行先階を含む行先階情報を送信し、停止制御部は、行先階情報に含まれる行先階にカゴが停止するように制御してもよい。
このような構成により、ユーザは、条件情報記憶部で記憶されている条件情報によって指示可能であることが示される行先階のみを端末装置によって指示することができる。したがって、例えば、端末装置ごとに保持する条件情報を変えることによって、ユーザごとに、指示可能な行先階を変更することができる。
【0008】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、端末装置は、行先階を受け付ける画面に関する情報である受付画面情報を受信する受付画面情報受信部と、受付画面情報受信部が受信した受付画面情報を用いて、行先階を受け付ける画面を表示する画面表示部と、をさらに備え、行先階受付部は、画面表示部が表示した画面を介して、行先階を受け付けてもよい。
このような構成により、例えば、端末装置が建物の入口付近において、その建物のエレベータのための受付画面情報を受信することによって、ユーザが、その建物におけるエレベータを使用することができるようになる。
【0009】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、端末装置は、条件情報を受信し、条件情報記憶部に蓄積する条件情報受信部をさらに備えてもよい。
このような構成により、例えば、端末装置が建物の入口付近において、その建物のエレベータのための条件情報を受信することによって、ユーザが、その建物におけるエレベータにおける行先階の指示で用いられる条件情報が設定されることになる。
【0010】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、行先階情報送信部は、端末装置のユーザを識別するユーザ識別子を含む行先階情報を送信し、エレベータ制御装置は、ユーザ識別子と、停止可能な行先階を示す条件情報とを含むユーザ条件情報が複数記憶されるユーザ条件情報記憶部をさらに備え、停止制御部は、行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にのみカゴが停止するように制御してもよい。
このような構成により、エレベータ制御装置側において、条件情報を用いた行先階の制御を行うことができる。
【0011】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、停止制御部は、行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にカゴを停止させてもよい。
このような構成により、条件情報で示される行先階にカゴが停止されることになるため、ユーザは、行先階の指示も行わなくてよいことになり、ユーザの利便性が向上されることになる。
【0012】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、条件情報は、時間帯に応じて異なるものであってもよい。
このような構成により、時間帯に応じてカゴの停止する行先階を変更することができる。例えば、夜間には、ビルの出口のある階のみが行先階となるように設定することによって、夜間に他の階に行くことができないようにすることができ、安全性を高めることができる。
【0013】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、端末装置は、端末装置が建物内に入ったことを検知する検知部をさらに備え、行先階情報送信部は、端末装置が建物内に入ったことを検知部が検知したことに応じて、行先情報を送信してもよい。
このような構成により、建物内に入ったことに応じて行先階情報が送信されることになる。その結果、ユーザがエレベータホールに着く前に、エレベータのカゴの呼び出しを行うことができ、ユーザがエレベータホールでカゴの到着を待つ時間が短縮されると考えられる。
【0014】
また、本発明によるフロアセキュリティ管理システムでは、端末装置は、ICカードであってもよく、携帯情報処理端末であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるフロアセキュリティ管理システム等によれば、条件情報を用いることによって、行先階を制限することができ、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1によるフロアセキュリティ管理システムの構成を示す模式図
【図2】同実施の形態によるフロアセキュリティ管理システムの構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態による端末装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート
【図5】同実施の形態におけるユーザ識別子と特徴情報の対応の一例を示す図
【図6】同実施の形態における端末装置の表示の一例を示す図
【図7】同実施の形態における条件情報の一例を示す図
【図8】同実施の形態における端末装置の表示の一例を示す図
【図9】同実施の形態における蓄積された行先階情報等の一例を示す図
【図10】本発明の実施の形態2によるフロアセキュリティ管理システムの構成を示すブロック図
【図11】同実施の形態による端末装置の動作を示すフローチャート
【図12】同実施の形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート
【図13】同実施の形態におけるユーザ条件情報の一例を示す図
【図14】同実施の形態における端末装置の表示の一例を示す図
【図15】同実施の形態における蓄積された行先階情報等の一例を示す図
【図16】同実施の形態におけるユーザ条件情報の他の一例を示す図
【図17】上記実施の形態1における条件情報の受信について説明するための図
【図18】上記実施の形態1における条件情報の他の一例を示す図
【図19】上記各実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図20】上記各実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明によるフロアセキュリティ管理システムについて、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるフロアセキュリティ管理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システムは、端末装置において、条件情報を用いることによって、ユーザによる行先階の指定を制限することができるものである。
【0019】
図1は、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100を示す模式図である。また、図2は、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100が有する各装置の構成を示すブロック図である。
図1,図2で示されるように、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100は、複数の端末装置1と、エレベータ制御装置2とを備える。端末装置1は、例えば、携帯情報処理端末や、ICカード等である。携帯情報処理端末は、例えば、携帯電話や、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。また、ICカードは、入力機能付きICカードであってもよい。その端末装置1は、無線通信によりエレベータ制御装置2との間で情報の送受信を行う。エレベータ制御装置2は、端末装置1と無線通信を行いながら、エレベータのカゴの停止に関する制御を行う。なお、図1では、エレベータ制御装置2が一つのまとまった装置である場合について示しているが、そうでなくてもよい。エレベータ制御装置2は、エレベータホールや、カゴ、その他の場所に分散して設置されている各構成要素の集合であってもよい。
【0020】
図2において、本実施の形態による端末装置1は、受付画面情報受信部11と、受付画面情報記憶部12と、条件情報受信部13と、条件情報記憶部14と、画面表示部15と、行先階受付部16と、行先階記憶部17と、行先階情報送信部18とを備える。
【0021】
受付画面情報受信部11は、行先階を受け付ける画面に関する情報である受付画面情報を受信する。その画面を用いて端末装置1においてユーザによる行先階の入力が行われる。本実施の形態では、図1で示されるように、受付画面情報受信部11は、情報サーバ3から受付画面情報を受信するものとする。また、受付画面情報は、その情報を用いて結果として行先階を受け付ける画面を構成することができるものであれば、どのようなものであってもよい。受付画面情報は、例えば、行先階を受け付ける画面そのものを含んでいてもよく、あるいは、行先階を受け付ける画面を構成するための情報、例えば、HTMLやXML等のマークアップ言語で記述された情報であってもよい。また、受付画面情報は、行先階を受け付ける画面のパラメータ等の情報であってもよい。例えば、受付画面情報は、エレベータにおける最上階と最下階の階数を示す数字であってもよく、建物におけるすべての階床の数を示す数字であってもよく、また、受付画面情報は、そのエレベータで用いられていない階数(例えば、4階や13階、14階等の忌避される階数)を示す数字を含んでいてもよい。また、受付画面情報受信部11は、受信した受付画面情報を受付画面情報記憶部12に蓄積する。
【0022】
なお、受付画面情報受信部11は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付画面情報受信部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0023】
受付画面情報記憶部12では、受付画面情報が記憶される。その受付画面情報は、受付画面情報受信部11によって蓄積されたものである。受付画面情報記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。また、受付画面情報記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0024】
条件情報受信部13は、条件情報を受信し、条件情報記憶部14に蓄積する。本実施の形態では、図1で示されるように、条件情報受信部13は、情報サーバ3から条件情報を受信するものとする。条件情報は、指示可能な行先階を示す情報である。なお、条件情報によって、結果として指示可能な行先階が示されるのであれば、条件情報はどのようなものであってもよい。例えば、条件情報は、指示できない行先階を示すものであってもよい。その場合であっても、指示できない行先階以外の行先階が指示可能な行先階であるため、結果として、指示可能な行先階を知ることができるからである。また、条件情報は、時間帯に応じて異なるものであってもよい。その場合には、条件情報は、例えば、時間帯ごとに、指示可能な行先階を示す情報を有している情報であってもよい。例えば、条件情報によって、昼間は、1階、5階、8階を指示可能であることが示され、夜間は、1階のみを指示可能であることが示されてもよい。また、条件情報は、端末装置1を使用するユーザごとに異なることが好適である。例えば、ある建物のエレベータに関する条件情報は、部外者であるユーザに対しては、その建物の出入り口のある1階と、店舗のある5階と、レストランのある8階とを指示可能であることを示すものであり、7階で勤務しているユーザに対しては、1階と、5階と、7階と、8階とを指示可能であることを示すものであってもよい。
【0025】
なお、条件情報受信部13は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、条件情報受信部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0026】
条件情報記憶部14では、条件情報が記憶される。その条件情報は、条件情報受信部13によって蓄積されたものである。条件情報記憶部14での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。また、条件情報記憶部14は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0027】
ここで、受付画面情報と条件情報の受信についてさらに説明する。端末装置1は、受付画面情報と条件情報とを一緒に受信してもよく、あるいは、別々に受信してもよい。前者の場合には、受付画面情報受信部11と条件情報受信部13とが一体として構成されていると考えてもよく、受付画面情報と条件情報とが一体の情報であると考えてもよい。情報サーバ3から端末装置1への受付画面情報や条件情報の送信は、通常、無線通信により行われる。無線通信は、例えば、携帯電話の通信などのように遠距離の無線通信であってもよく、Bluetooth(登録商標)や無線LAN、赤外線通信、RFIDを用いた非接触通信などのように近距離の無線通信であってもよい。ある建物内において、その建物のエレベータに応じた受付画面情報等の送受信が行われる場合には、無線通信は近距離の無線通信であってもよい。また、端末装置1が受付画面情報等を情報サーバ3から受信するタイミングは問わない。例えば、情報サーバ3は、カルーセル方式のように、受付画面情報を繰り返して送信し、受付画面情報受信部11等は、その繰り返して送信される受付画面情報等を受信してもよい。また、情報サーバ3は、受付画面情報等を送信可能なことを示すビーコンのような電波を送信し、端末装置1がその電波の受信に応じて、受付画面情報等の送信要求を送信してもよい。そして、情報サーバ3は、その送信要求の受信に応じて受付画面情報等を送信し、その送信された受付画面情報等を受付画面情報受信部11等が受信してもよい。また、RFIDを用いた情報の授受のように、RFIDがリーダライタにかざされたことに応じて、受付画面情報受信部11等が受付画面情報等を受信してもよい。なお、その他のタイミングによって受付画面情報等の受信が行われてもよいことは言うまでもない。また、ユーザに応じた条件情報が送受信される場合には、例えば、情報サーバ3において、ユーザ識別子ごとに条件情報が保持されていてもよい。そして、端末装置1は、その端末装置1のユーザを識別するユーザ識別子を含む条件情報の送信要求を情報サーバ3に送信し、それに応じて、ユーザ識別子に応じた条件情報を受信してもよい。なお、情報サーバ3は、条件情報の送信要求を受信した場合であって、それに含まれるユーザ識別子に応じた条件情報が存在しない場合には、部外者からの送信要求であると判断して、部外者に応じた条件情報を送信してもよい。また、例えば、情報サーバ3において、その建物のテナントごとに条件情報が保持されていてもよい。そして、条件情報が送受信される前に、情報サーバ3から端末装置1にテナントの一覧が送信され、端末装置1は、そのテナントの一覧を表示する。そのテナントの一覧には、テナントではないことを示す「部外者」や「訪問者」が含まれていてもよい。ユーザは、そのテナントの一覧から所望のテナントや「訪問者」等を選択する。そして、選択結果がテナントである場合には、端末装置1は、パスワードの入力を要求し、その要求に応じて入力されたパスワードと、選択結果とを情報サーバ3に送信する。なお、「訪問者」等が選択された場合には、パスワードの入力が要求されなくてよい。その後、情報サーバ3において、パスワードの認証が行われ、正当であると判断された場合には、そのテナントに応じた条件情報が送信されてもよい。一方、選択結果がテナントでなかった場合には、認証を行うことなく、部外者用の条件情報が送信されてもよい。なお、その他の方法によって、ユーザごとの条件情報の送受信が行われてもよいことは言うまでもない。
【0028】
画面表示部15は、受付画面情報受信部11が受信した受付画面情報を用いて、行先階を受け付ける画面を表示する。なお、受付画面情報がパラメータ等を示すものである場合には、画面表示部15は、行先階を受け付ける画面を構成するためのその他の情報をも用いて、行先階を受け付ける画面を表示してもよい。その画面を構成するためのその他の情報は、図示しない記録媒体で記憶されていてもよい。行先階を受け付ける画面は、例えば、行先階のボタンを表示する画面であってもよく、行先階をテンキーにより入力するための画面であってもよく、その他の行先階を指定可能な画面であってもよい。受付画面情報が最上階と最下階とを示すパラメータである場合には、例えば、画面表示部15は、パラメータを用いて最上階と最下階を特定し、行先階を受け付ける画面を構成するためのその他の情報を用いて、特定した最上階から最下階までを指定可能なボタンを表示する画面を構成し、表示してもよい。なお、エレベータで用いられていない忌避される階数がパラメータに含まれている場合には、画面表示部15は、その階数のボタンを表示しなくてもよい。また、画面表示部15は、条件情報を用いて、指定可能な行先階のみを指定できる画面を表示してもよい。例えば、条件情報が、1階と5階と8階とを指定可能であることを示す場合には、画面表示部15は、それ以外の階のボタンがグレーアウトされている画面を表示してもよい。
【0029】
なお、画面表示部15は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、画面表示部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0030】
行先階受付部16は、条件情報記憶部14で記憶されている条件情報に合致する行先階のみを受け付ける。この行先階の受け付けは、画面表示部15が表示した画面を介して行われるものとする。行先階は、端末装置1のユーザがエレベータにより行くことを希望する階である。すなわち、行先階は、そのユーザがエレベータのカゴを降車する階である。なお、条件情報に合致する行先階のみを受け付けるとは、例えば、条件情報に合致する行先階のみを入力できる場合に、その入力可能である条件情報に合致する行先階を受け付けることであってもよく、あるいは、条件情報に合致しない行先階も入力できる場合に、条件情報に合致しない行先階が入力されたときには、不適切であることをユーザに示して再入力を促し、条件情報に合致した行先階が入力されたときには、それを受け付けることであってもよい。本実施の形態では、前者の場合について主に説明する。また、行先階受付部16は、受け付けた行先階を、行先階記憶部17に蓄積する。
【0031】
行先階受付部16は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された行先階を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された行先階を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された行先階を受け付けてもよい。なお、行先階受付部16は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムや入力デバイス、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、行先階受付部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0032】
行先階記憶部17では、行先階が記憶される。この行先階は、行先階受付部16によって蓄積されたものである。行先階記憶部17での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。また、行先階記憶部17は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0033】
行先階情報送信部18は、行先階の指示に関する情報である行先階情報を送信する。その行先階情報は、行先階受付部16が受け付け、行先階記憶部17に蓄積された行先階を含む情報である。行先階情報送信部18は、端末装置1のユーザを識別するユーザ識別子をも含む行先階情報を送信してもよい。そのユーザ識別子は、例えば、端末装置1が有する図示しない記録媒体で記憶されており、行先階情報送信部18は、その記録媒体からユーザ識別子を読み出し、そのユーザ識別子を有する行先階情報を構成して送信してもよい。また、そのユーザ識別子は、結果としてユーザを識別することができる情報であれば、どのようなものであってもよい。ユーザ識別子は、例えば、ユーザに固有の情報であってもよく、ユーザの端末装置1を識別する情報(例えば、端末装置1の製造番号や、アドレス等)であってもよく、その他のユーザを識別する情報であってもよい。また、行先階情報には、それら以外の情報が含まれてもよい。例えば、行先階情報によって乗車階も指定する必要がある場合には、乗車階も含まれてもよい。その場合には、行先階受付部16は乗車階も受け付け、その乗車階も行先階記憶部17に蓄積し、行先階情報送信部18は、その乗車階を含む行先階情報を送信してもよい。または、図示しない機構により、端末装置1は、その端末装置1の存在する階数を示す情報を取得し、行先階情報送信部18は、その階数を示す情報である乗車階を含む行先階情報を送信してもよい。その階数を示す情報は、例えば、階床ごとに送信されている階数を示すビーコンのような電波を用いて取得されてもよく、あるいは、その他の手段を用いて取得されてもよい。本実施の形態では、行先階情報にユーザ識別子が含まれ、乗車階が含まれない場合について主に説明する。その送信は、通常、無線通信により行われる。無線通信は、例えば、携帯電話の通信などのように遠距離の無線通信であってもよく、Bluetooth(登録商標)や無線LAN、赤外線通信、RFIDを用いた非接触通信などのように近距離の無線通信であってもよい。エレベータに乗車しない人による行先階情報の送信を防止する観点からは、近距離の無線通信を用いることが好適である。本実施の形態でも、近距離の無線通信を用いて行先階情報が送信される場合について主に説明する。また、近距離の無線通信の場合には、行先階情報をどこで受信したのかに応じて、乗車階を特定することも可能である。一方、遠距離の無線通信の場合には、そのようなことを行うことができないため、行先階情報に乗車階が含まれていることが好適である。なお、近距離の無線通信であっても、行先階情報に乗車階が含まれていてもよいことは言うまでもない。
【0034】
また、行先階情報送信部18は、行先階情報をエレベータ制御装置2に直接送信してもよく、あるいは、サーバ等を介して間接的に送信してもよい。また、行先階情報送信部18は、図示しない記録媒体で保持しているアドレスを送信先として送信を行ってもよく、あるいは、送信までに他の構成要素や他のサーバ等から受け取ったアドレスを送信先として送信を行ってもよい。また、行先階情報送信部18は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、行先階情報送信部18は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0035】
なお、行先階情報送信部18が行先階情報を送信する際に用いる通信方式と、受付画面情報受信部11や条件情報受信部13が受付画面情報や条件情報を受信する際に用いる通信方式とは、同じであってもよく、あるいは、異なっていてもよい。後者の場合には、例えば、行先階情報は、ある近距離の無線通信を用いて送信され、受付画面情報等は、別の近距離の無線通信を用いて送信されてもよい。また、近距離の無線通信が行われる場合には、その無線通信の方式に応じて、端末装置1と、エレベータ制御装置2や情報サーバ3との間の通信が確立されることによって、両者間の近距離の無線通信が行われるようになる。その通信の確立方法は、すでに公知であり、詳細な説明を省略する。
【0036】
また、受付画面情報記憶部12と、条件情報記憶部14と、行先階記憶部17とのうち、任意の二以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、受付画面情報を記憶している領域が受付画面情報記憶部12となり、条件情報を記憶している領域が条件情報記憶部14となる。
【0037】
図2において、本実施の形態によるエレベータ制御装置2は、行先階情報受信部21と、行先階情報蓄積部22と、停止制御部23と、画像取得部24と、特徴情報取得部25と、特定部26とを備える。
【0038】
行先階情報受信部21は、端末装置1から送信された行先階情報を受信する。前述のように、この受信は、通常、無線通信による受信であり、遠距離の無線通信による受信であってもよく、あるいは、近距離の無線通信による受信であってもよい。後者の場合には、例えば、エレベータホール(エレベータ乗場)ごとに、行先階情報を受信する受信機やアンテナ等が設置されていてもよい。エレベータホールごとに受信機やアンテナ等が設置されている場合には、行先階情報受信部21は、行先階情報を受信した受信機やアンテナ等の設置されている階数を、その行先階情報に対応する乗車階として把握してもよい。
【0039】
なお、行先階情報受信部21は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、行先階情報受信部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0040】
行先階情報蓄積部22は、行先階情報受信部21が受信した行先階情報を所定の記録媒体に蓄積する。この記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、行先階情報蓄積部22が有していてもよく、あるいは行先階情報蓄積部22の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、行先階情報を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。なお、行先階情報蓄積部22は、行先階情報以外の情報をも記録媒体に蓄積してもよい。例えば、エレベータホールごとに行先階情報を受信する場合には、その受信したエレベータホールに対応する階である乗車階と、行先階情報とを対応付けて蓄積してもよい。本実施の形態では、この場合について説明する。なお、蓄積された行先階情報等は、その行先階へのカゴの停止に応じて削除されてもよい。
【0041】
停止制御部23は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報を用いて、カゴの停止階を制御する。すなわち、本実施の形態では、停止制御部23は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に含まれる行先階にエレベータのカゴが停止するように制御する。なお、行先階情報に乗車階が含まれる場合、あるいは、行先階情報に対応付けて乗車階が蓄積される場合には、停止制御部23は、その乗車階にもカゴを停止するように制御する。その制御自体は、従来のエレベータ制御と同様であり、その説明を省略する。すなわち、行先階と乗車階とが対応付けられている場合には、停止制御部23は、その乗車階に応じた階のエレベータホールにおいて、その行先階のボタンが押下された場合と同様のカゴの停止に関する制御を行えばよいことになる。なお、後述するように、停止制御部23は、行先階情報を送信した端末装置1のユーザが、制御対象のカゴに乗車した場合にのみ、その制御対象のカゴを、その行先階情報に含まれる行先階に停止させるようにしてもよい。
【0042】
画像取得部24は、カゴ内の画像を取得する。画像取得部24は、図1で示されるように、エレベータのカゴ内に設置されたカメラで撮影された画像を取得してもよい。取得される画像は、例えば、カゴの後方からドアの方を撮影した画像であってもよい。ユーザがカゴに乗車する際に、そのユーザの顔を撮影することができるようにするためである。その取得は、画像の受け付けであってもよく、あるいは、画像の撮影であってもよい。後者の場合には、画像取得部24は、カメラを含んでもよい。また、画像は、静止画像であってもよく、あるいは、動画像であってもよい。画像が静止画像である場合であっても、カゴに乗車するユーザの顔を撮影できる程度の頻度(例えば、1秒ごと、2秒ごと等)でその画像が取得されることが好適である。
【0043】
特徴情報取得部25は、ユーザ識別子に対応する特徴情報を取得する。ユーザ識別子に対応する特徴情報とは、そのユーザ識別子で識別されるユーザの特徴情報である。特徴情報とは、ユーザの特定で用いられる情報であり、例えば、画像取得部24で取得されたユーザの画像を用いて、ユーザを特定するために用いられる情報であってもよい。特徴情報は、例えば、ユーザの顔画像そのものであってもよく、ユーザの顔画像から抽出された特徴点に関する情報であってもよく、その他のユーザの特徴に関する情報であってもよい。特徴情報取得部25は、例えば、図示しない記録媒体で記憶されている、ユーザ識別子と特徴情報とを対応付ける情報を用いて、ユーザ識別子に対応する特徴情報を読み出すことによって特徴情報を取得してもよく、あるいは、他のサーバ等にユーザ識別子を送信し、そのサーバ等から、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を受信することによって特徴情報を取得してもよい。
【0044】
特定部26は、エレベータのカゴに乗車したユーザを特定する。ここで、特定部26がユーザを特定する方法は問わない。特定部26は、例えば、(1)顔認識の技術を用いてユーザを特定してもよく、(2)ユーザの位置から発せられる電波を観測することによってユーザを特定してもよく、その他の方法によってユーザを特定してもよい。
【0045】
(1)顔認識によりユーザを特定する場合には、特定部26は、画像取得部24が取得した画像と、特徴情報取得部25が取得した特徴情報とを用いて、ユーザを特定する。この場合には、特徴情報は、ユーザの顔画像に関する特徴情報であるとする。また、取得された画像は、カゴに乗車する人の顔を撮影した画像であるとする。すなわち、取得された画像は、前述のように、カゴの後方からドアの方を撮影した画像であるとする。特定部26は、具体的には、画像取得部24が取得した画像において、肌色検出、輪郭抽出等の技術を用いて、エレベータのカゴに乗車する人の顔領域を検出し、その顔領域の特徴量を抽出する。そして、特定部26は、抽出した特徴量と、取得された特徴情報とを比較し、一致する場合に、その顔領域の特徴量と一致した特徴情報に対応するユーザ識別子で識別されたユーザをカゴに乗車したユーザとして特定する。ここで、一致するとは、厳密に一致する場合であってもよく、あるいは、両者があらかじめ設定されたしきい値以上、類似することであってもよい。なお、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100が適切に稼働している場合には、カゴに乗車する人は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザである。したがって、特徴情報取得部25は、蓄積された行先階情報に含まれるユーザ識別子に対応する特徴情報をあらかじめ取得しておき、特定部26は、そのようにして取得された特徴情報のみを用いて顔認識を行うようにしてもよい。そのようにすることで、すべてのユーザの特徴情報との比較を行う場合に比較して、顔認識の処理時間を短縮することができる。なお、この顔認識を用いたユーザの位置の特定を行う場合には、各ユーザは、ユーザ識別子と顔画像とをあらかじめエレベータ制御装置2やその他のサーバ等に送信し、その顔画像を用いて特徴情報が生成されていることが好適である。なお、顔画像に代えて特徴情報そのものが送信されてもよい。
【0046】
(2)ユーザの位置から発せられる電波を観測してユーザを特定する場合には、カゴに乗車する各ユーザは、電波を発する機器を保持しており、特定部26は、その電波がどのユーザに対応するものであるのかを識別可能であるものとする。そのため、特定部26は、カゴ内において、電波を発する機器が新たに増えたことを検知した場合には、その新たに増えた機器の電波に応じたユーザを、カゴに乗車したユーザとして特定する。その電波を発する機器は、例えば、端末装置1であってもよく、あるいは、その他の電子機器であってもよい。電波を発する機器は、例えば、携帯電話やPDA、RFIDを有する機器等であってもよい。なお、電波を用いてユーザの特定を行う場合には、エレベータ制御装置2は、画像取得部24を備えていなくてもよい。また、特徴情報取得部25が取得する特徴は、その電波の識別で用いられる情報であってもよい。
【0047】
なお、ここでは、ユーザを特定するいくつかの手法について説明したが、それ以外の方法を用いてカゴ内におけるユーザを特定してもよいことは言うまでもない。また、特定部26は、ユーザの特定結果として、ユーザ識別子を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。また、特定部26は、画像上においてユーザの頭部領域を追跡することにより、あるいは、カゴ内から電波を発する機器がなくなったことを検知することにより、カゴから降車したユーザをも特定してもよい。そして、ユーザがカゴから降車した場合に、特定部26は、そのユーザに対応するユーザ識別子を、図示しない記録媒体から削除してもよい。また、特定部26によってカゴに乗車したユーザが特定されることによって、行先階情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザがカゴに乗車したのかどうかや、カゴが複数存在する場合には、そのユーザがどのカゴに乗車したのかなどを特定することもできる。したがって、そのようにして特定された、ユーザがカゴに乗車したのかどうかや、そのユーザがどのカゴに乗車したのかなどの情報を用いて、停止制御が行われてもよい。
【0048】
次に、端末装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)条件情報受信部13は、条件情報を受信したかどうか判断する。そして、条件情報を受信した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS103に進む。
【0049】
(ステップS102)条件情報受信部13は、受信した条件情報を条件情報記憶部14に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0050】
(ステップS103)受付画面情報受信部11は、受付画面情報を受信したかどうか判断する。そして、受付画面情報を受信した場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。
【0051】
(ステップS104)受付画面情報受信部11は、受信した受付画面情報を受付画面情報記憶部12に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0052】
(ステップS105)画面表示部15は、受付画面情報を用いて行先階を受け付けるための画面を表示するかどうか判断する。そして、その画面を表示する場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、画面表示部15は、例えば、画面を表示する旨の指示が受け付けられた場合に、画面を表示すると判断してもよく、受付画面情報や条件情報が蓄積されたタイミングで、画面を表示すると判断してもよく、あるいは、その他のタイミングで画面を表示すると判断してもよい。
【0053】
(ステップS106)画面表示部15は、条件情報記憶部14で記憶されている条件情報を読み出す。
【0054】
(ステップS107)画面表示部15は、条件情報によって指定可能であることが示される行先階のみの指定を受け付ける画面を構成し、表示する。
【0055】
(ステップS108)行先階受付部16は、行先階を受け付けたかどうか判断する。そして、行先階を受け付けた場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS108の処理を繰り返す。なお、ステップS107において、条件情報によって指定可能であることが示される行先階のみが表示されているため、ここで受け付けられる行先階は、条件情報に合致したものとなる。
【0056】
(ステップS109)行先階受付部16は、受け付けた行先階を行先階記憶部17に蓄積する。
【0057】
(ステップS110)行先階情報送信部18は、行先階記憶部17に蓄積された行先階を含む行先階情報を構成し、その行先階情報をエレベータ制御装置2に送信する。なお、前述のように、本実施の形態では、その行先階情報に端末装置1のユーザを識別するユーザ識別子も含まれるものとする。そして、ステップS101に戻る。
【0058】
なお、図3のフローチャートでは、行先階が蓄積された後にすぐに行先階情報の送信が行われる場合について示しているが、そうでなくてもよい。例えば、行先階が受け付けられて蓄積された後に、図示しない受付部が行先階情報の送信の指示を受け付けた場合に、行先階情報が送信されてもよい。また、その行先階情報の送信は、例えば、ユーザが端末装置1をRFIDのリーダライタにかざすことによって行われてもよい。その場合には、端末装置1がRFIDのリーダライタにかざされることによって、端末装置1からエレベータ制御装置2への行先階情報の送信が行われることになる。また、図3のフローチャートでは、条件情報に合致する行先階のみを受け付ける画面が表示され、その画面において行先階を受け付ける場合について説明したが、そうでなくてもよい。前述のように、すべての行先階を入力できる画面を表示し、条件情報に合致しない行先階が入力された場合には、その行先階を受け付けず、条件情報に合致する行先階が入力された場合には、その行先階を受け付けるようにしてもよい。また、条件情報と、受付画面情報とが一体として受信され、蓄積されてもよい。その場合には、ステップS101,S103の処理が一体の処理となり、ステップS102,S104の処理が一体の処理となる。また、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0059】
次に、エレベータ制御装置2の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートでは、顔認識によってユーザの位置が特定される場合について説明する。
(ステップS201)行先階情報受信部21は、行先階情報を受信したかどうか判断する。そして、行先階情報を受信した場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。
【0060】
(ステップS202)行先階情報蓄積部22は、行先階情報受信部21が受信した行先階情報を記録媒体に蓄積する。その行先階情報の蓄積の際に、その行先階情報が受信された階に応じた乗車階も蓄積されるものとする。
【0061】
(ステップS203)特定部26は、行先階情報蓄積部22が新たに蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を特徴情報取得部25に渡す。特徴情報取得部25は、そのユーザ識別子を受け取ると、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を取得し、特定部26に渡す。特定部26は、その受け取った特徴情報を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。そして、ステップS201に戻る。
【0062】
(ステップS204)画像取得部24は、画像を取得したかどうか判断する。そして、画像を取得した場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。なお、画像取得部24は、通常、定期的に画像を取得し、その画像の取得に応じてステップS205に進むものとする。その画像の取得は、例えば、画像の受信であってもよく、あらかじめデジタルカメラ等で撮影された画像を取り込む処理であってもよい。なお、画像取得部24が取得する画像は、カゴ内の最新の画像である。また、画像取得部24が取得した画像は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
【0063】
(ステップS205)特定部26は、画像取得部24が取得したカゴ内の画像を用いて、カゴに新たに乗車したユーザがいるかどうか判断する。例えば、画像におけるドアの付近において、ドアの外部から内部に向かって移動する動きを検出した場合に、カゴに新たに乗車したユーザがいると判断してもよい。そして、カゴに新たに乗車したユーザがいると判断した場合には、ステップS206に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
【0064】
(ステップS206)特定部26は、画像取得部24が取得したカゴ内の画像を用いて、カゴに乗車したユーザを特定する。その特定の際に、ステップS203で取得された特徴情報を用いてもよい。また、カゴに新たに乗車したユーザを特定できた場合には、その特定結果に応じて、例えば、その特定されたユーザの行先階情報に対応付けて、カゴに乗車したことを示す情報や、乗車したカゴを識別する情報などを設定してもよい。また、特定部26は、ユーザの特定で特徴情報を用いた場合であって、あるユーザの顔領域の特徴量と一致した特徴情報が存在した場合に、特徴情報を蓄積した記録媒体から、そのユーザの顔領域の特徴量と一致した特徴情報を削除してもよい。
【0065】
なお、図4のフローチャートにおいて、蓄積された行先階情報を用いて停止制御部23によって行われるエレベータのカゴの停止制御については示していない。停止制御部23は、行先階情報に対応する乗車階、及び行先階情報に含まれる行先階でエレベータのカゴが停止するように制御する。なお、行先階での停止は、その行先階に対応するユーザがエレベータのカゴに乗車した場合にのみ行ってもよい。また、エレベータの複数のカゴについて制御を行う場合には、ステップS204〜S206の処理は、カゴごとに行われるものとする。また、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0066】
次に、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、端末装置1は、スマートフォンとしての携帯情報処理端末であるとする。また、フロアセキュリティ管理システム100とは異なる図示しない特徴情報管理サーバにおいて、図5で示される情報が保持されており、特徴情報取得部25は、その特徴情報管理サーバにユーザ識別子を送信し、その送信に応じて、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を受信するものとする。図5において、ユーザ識別子と、特徴情報とが対応付けられている。例えば、ユーザ識別子「U001」で識別されるユーザ(以下、このユーザを「ユーザU001」とすることがある。他のユーザについても同様である)の特徴情報は「F001」である。
【0067】
ユーザU001が端末装置1を持ってある建物に入り、エレベータホールに向かって移動している途中において、情報サーバ3から、アンテナを介して受付画面情報が繰り返して送信されていたとする。すると、受付画面情報受信部11は、その受付画面情報を受信して、受付画面情報記憶部12に蓄積する(ステップS103,S104)。なお、その受付画面情報に、条件情報の送付要求のための画面の情報も含まれているものとする。そして、画面表示部15は、その条件情報の送付要求のための画面を、図6で示されるように表示する。図6において、ユーザU001が入った建物におけるテナントを選択する旨の画面が端末装置1に表示されている。ユーザU001は、その建物の関係者ではなく、単にその建物を訪問していた者であり、図6の表示において、「テナント関係者以外」ボタンを指でタップしたとする。すると、テナント関係者以外に応じた条件情報の送信を要求する情報が情報サーバ3に送信され、それに応じて、その条件情報が端末装置1に送信される。その条件情報は、条件情報受信部13で受信され、条件情報記憶部14に蓄積される(ステップS101,S102)。図7は、その条件情報を示す図である。条件情報は、行先階と、可否情報とを有する。可否情報は、時間帯「午前8時から午後6時まで」「午後6時から午後9時まで」「午後9時から午前8時まで」ごとに設定されている情報である。可否情報が「1」であるときには行先階として設定することができ、「0」であるときには行先階として設定することができないことを示している。例えば、行先階「1階」は、すべての時間帯について指定することができるが、行先階「2階」「3階」…「6階」は、すべての時間帯について指定することができない。また、行先階「7階」は、時間帯「午前8時から午後6時まで」についてのみ指定することができる。また、行先階「8階」は、時間帯「午前8時から午後6時まで」「午後6時から午後9時まで」について指定することができる。この具体例では、8階は、レストランのフロアであり、7階は、店舗のフロアであると考えてもよい。
【0068】
その後、ユーザU001は、建物の1階にあるエレベータホールまで移動し、行先階を入力する画面を表示する旨の指示を端末装置1に入力したとする。すると、端末装置1の画面表示部15は、行先階を受け付ける画面を表示するタイミングであると判断し(ステップS105)、その時点の時刻を図示しない時計部から取得する。その時間は、「午前9時35分」であったとする。そのため、画面表示部15は、条件情報記憶部14で記憶されている図7の条件情報を参照し、時間帯「午前8時から午後6時まで」の可否情報と行先階との対応を読み出す(ステップS106)。そして、画面表示部15は、その可否情報に応じて、1階、7階、8階を指定可能な行先階の受付画面を構成し、図8で示されるように表示する(ステップS107)。図8において、1階、7階、8階以外の階数ボタンはグレーアウトされているため、ユーザU001は、1階、7階、8階以外の階数ボタンを選択できないことを直感的に把握することができる。また、実際に1階、7階、8階以外の階数ボタン、すなわち、グレーアウトされた階数ボタンがタップされても、何も処理が行われないものとする。そして、ユーザU001が、「8階」ボタンを指でタップしたとする。すると、その行先階「8階」の指示が行先階受付部16で受け付けられる(ステップS108)。そして、行先階受付部16は、受け付けた行先階「8階」を行先階記憶部17に蓄積する(ステップS109)。その後、行先階情報送信部18は、図示しない記録媒体で記憶されているユーザ識別子「U001」を読み出し、そのユーザ識別子と、行先階記憶部17で記憶されている行先階「8階」とを含む行先階情報を構成し、エレベータ制御装置2を宛先として送信する(ステップS110)。なお、行先階記憶部17で記憶されている行先階は、行先階情報の送信後に削除されてもよい。
【0069】
その行先階情報は、例えば、図1で示されるように、1階のエレベータホールに設置されたアンテナを介して、エレベータ制御装置2の行先階情報受信部21で受信される(ステップS201)。行先階情報受信部21は、その行先階情報が「1階」で受信されたため、その行先階情報と、乗車階が「1階」である旨とを行先階情報蓄積部22に渡す。すると、行先階情報蓄積部22は、図9(a)の最後のレコードで示されるように、行先階情報受信部21から受け取った行先階情報と、乗車階とを対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS202)。図9(a)において、行先階情報と、乗車階と、カゴIDとが対応付けられている。行先階情報は、ユーザ識別子と、行先階とを含む情報である。また、乗車階は、行先階情報が受信された階を示している。なお、カゴIDについては後述する。
【0070】
特定部26は、行先階情報蓄積部22が新しい行先階情報を蓄積したことを検知すると、その行先階情報からユーザ識別子「U001」を取得し、特徴情報取得部25に渡す。すると、特徴情報取得部25は、そのユーザ識別子「U001」を特徴情報管理サーバに送信する。特徴情報管理サーバは、そのユーザ識別子を受信すると、そのユーザ識別子「U001」を検索キーとして図5で示される情報を検索し、ヒットしたレコードから、ユーザ識別子「U001」に対応する特徴情報「F001」を取得する。そして、特徴情報管理サーバは、その取得した特徴情報「F001」を、ユーザ識別子の送信元に送信する。特徴情報取得部25は、そのようにして送信された特徴情報「F001」を受信し、その特徴情報「F001」と、それに対応するユーザ識別子「U001」とを特定部26に渡す(ステップS203)。特定部26は、その特徴情報「F001」と、それに対応するユーザ識別子「U001」とを、ユーザの顔認識で用いる特徴情報等として、図示しない記録媒体に蓄積する。
【0071】
その後、ユーザU001がエレベータのカゴに乗る際の処理について説明する。ユーザU001が行先階情報を送信した時点に、エレベータのカゴAが、1階に向かって移動していたとする。そして、その時点において、図9(a)で示されるように、乗車階「1」が設定されたため、停止制御部23は、カゴAを1階に停止させると判断し、カゴAを1階に停止させたとする。1階でカゴAのドアが開くと、エレベータホールにいたユーザU001が、そのカゴAに乗り込んだとする。画像取得部24は、その際のカゴ内の画像を取得し、特定部26に渡す(ステップS204)。特定部26は、画像取得部24から受け取っていた前回の画像と、今回の画像とを比較し、ドア付近において、外部から内部方向への動きを検知したとする(ステップS205)。すると、特定部26は、あらかじめ特徴情報取得部25から受け取っていた特徴情報を用いて、乗車してきたユーザの顔認識を行う。前述のように、乗車の際には、ユーザはカゴの後方側に向いているため、後方からドアの方を撮影したカゴ内の画像を用いることによって、特定部26は、ユーザの顔認識を行うことができる。具体的には、特定部26は、乗車したユーザの顔領域を肌色検出、輪郭抽出等によって特定し、その特定した顔領域から取得した特徴量と、あらかじめ蓄積した特徴情報の示す特徴量とを比較する。この場合には、特徴情報「F001」と、1階で乗車したユーザの顔領域から取得した特徴量とが一致したとする。すると、特定部26は、その特徴情報「F001」に対応するユーザ識別子「U001」を、カゴAに新たに乗車したユーザU001のユーザ識別子として特定し、図9(b)で示されるように、行先階情報蓄積部22が蓄積した、ユーザU001に対応する行先階情報に対応付けて、カゴAのカゴID「A」を追記する(ステップS206)。したがって、図9(b)で示されるカゴIDにより、各ユーザがどのカゴに乗車したのか、あるいは、まだ乗車していないのかを知ることができる。例えば、図9(b)によれば、ユーザU006は、カゴAに乗車していないことになる。なお、特定部26は、新たに乗車したユーザU001の特定で用いたユーザ識別子「U001」と特徴情報「F001」とを、図示しない記憶部から削除してもよい。
【0072】
その後、停止制御部23は、カゴIDが「A」である図9(b)のレコードにおいて、現在の停止階「1階」より上層であり、かつ、現在の停止階「1階」に最も近い次の停止階を特定して、その階にカゴAが停止するように制御する。また、カゴIDが空(ヌル)であり、「行先階>乗車階」である図9(b)のレコードが存在する場合には、停止制御部23は、その乗車階にもカゴAが停止するように制御する。このようにして、ユーザU001は、所望の行先階である8階に行くことができる。なお、カゴAが8階に停止したタイミングで、停止制御部23は、図9(b)の最後のレコードを削除してもよい。
【0073】
なお、例えば、ユーザU001が、午後9時以降に8階からエレベータに乗車しようとして、行先階を入力する画面を表示する旨の指示を端末装置1に入力したとする。その際には、「午後9時から午後6時まで」の時間帯となるため、行先階として1階しか指定できない画面が表示されることになる(ステップS105〜S107)。そして、ユーザU001が、その画面において行先階「1階」を指定すると、その指定に応じて、前述の説明と同様に、エレベータにより、1階まで行くことができるようになる。なお、条件情報は、乗車階についての制限ではないため、その時間帯であっても、ユーザU001は、8階からエレベータのカゴに乗ることができるものとする。
【0074】
以上のように、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム100によれば、条件情報を用いることにより、端末装置1で指定することができる行先階を制限することができる。すなわち、行先階情報により、あらかじめ決められた条件情報に合致する行先階のみを指示することができるようになる。その結果、ユーザがエレベータによって関係のない階床に行くことができないように制限することができ、安全性を向上させることができる。また、ユーザにとっては、端末装置1を用いて行先階を入力するだけであり、特段、余分な作業を強いられることもないため、ユーザの利便性が損なわれることもない。
【0075】
なお、本実施の形態では、端末装置1が条件情報を情報サーバ3から受信する場合について説明したが、そうでなくてもよい。他の方法によって、条件情報が条件情報記憶部14で記憶されるようになってもよい。その場合には、端末装置1は、条件情報受信部13を備えていなくてもよい。また、条件情報は、例えば、記録媒体を介して条件情報受信部13で記憶されるようになってもよい。
【0076】
また、本実施の形態では、端末装置1が受付画面情報を情報サーバ3から受信する場合について説明したが、そうでなくてもよい。他の方法によって、受付画面情報が受付画面情報記憶部12で記憶されるようになってもよい。その場合には、端末装置1は、受付画面情報記憶部12を備えていなくてもよい。また、本実施の形態では、画面表示部15が受付画面情報を用いて行先階を受け付ける画面を表示し、その画面を介して、行先階受付部16が行先階を受け付ける場合について説明したが、そうでなくてもよい。受付画面情報を用いて表示される画面を介さないで行先階が受け付けられる場合には、端末装置1は、受付画面情報記憶部12や画面表示部15を備えていなくてもよい。なお、受付画面情報を用いて表示される画面を介さないで行先階が受け付けられる場合としては、例えば、端末装置1の有するテンキー等を介して行先階が受け付けられる場合などがある。
【0077】
なお、受付画面情報や条件情報は、エレベータごとに異なるため、受付画面情報受信部11や条件情報受信部13は、受付画面情報や条件情報と、その受付画面情報等に対応するエレベータのエレベータIDとを受信し、その受付画面情報等をエレベータIDに対応付けて受付画面情報記憶部12や条件情報記憶部14に蓄積してもよい。そして、受付画面情報等を用いる場合には、同じエレベータIDに対応付けられている受付画面情報と条件情報とを一緒に用いるようにしてもよい。また、端末装置1は、例えば、建物内の電波や、そのエレベータのエレベータ制御装置2との通信等によって、端末装置1が存在する建物のエレベータIDを取得し、そのエレベータIDに対応する受付画面情報や条件情報が用いられるようにしてもよい。また、あるエレベータIDに対応する受付画面情報や条件情報がすでに記憶されている場合には、そのエレベータIDで識別されるエレベータにおいては、受付画面情報や条件情報の受信を行わなくてもよい。
【0078】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるフロアセキュリティ管理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システムは、条件情報がエレベータ制御装置において保持されており、その条件情報に合致する行先階にカゴが停止するように制御される以外は、実施の形態1と同様のものである。
【0079】
図10は、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム200が有する各装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム200も、端末装置1が端末装置4となり、エレベータ制御装置2がエレベータ制御装置5となり、端末装置4が情報サーバ3から受付画面情報や条件情報を受信しない以外は、実施の形態1における図1と同様のシステムであるとする。本実施の形態では、端末装置4において、行先階を受け付けるアプリケーションがあらかじめ設定されているものとする。
【0080】
図10で示されるように、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム200は、端末装置4と、エレベータ制御装置5とを備える。なお、端末装置4は、以下で説明する異なる点以外は、実施の形態1の端末装置1と同様のものである。また、エレベータ制御装置5は、以下で説明する異なる点以外は、実施の形態1のエレベータ制御装置2と同様のものである。また、図10では、端末装置4が1個だけの場合について示しているが、フロアセキュリティ管理システム200が、通常、複数の端末装置4を備えていることは実施の形態1と同様である。
【0081】
図10において、本実施の形態による端末装置4は、行先階受付部16と、行先階記憶部17と、行先階情報送信部18と、検知部41とを備える。なお、行先階受付部16、行先階記憶部17、行先階情報送信部18は、実施の形態1と同様のものであり、その説明を省略する。但し、本実施の形態では、行先階情報送信部18は、行先階記憶部17においてあらかじめ記憶されている行先階を含む行先階情報を、端末装置4が建物内に入ったことを検知部41が検知したことに応じて送信するものとする。
【0082】
検知部41は、端末装置4が建物内に入ったことを検知する。検知部41が、端末装置4が建物内に入ったことを検知する方法は問わない。例えば、建物の入口においてビーコンが送信されている場合には、検知部41は、そのビーコンを受信したタイミングで、端末装置4が建物内に入ったことを検知してもよい。また、端末装置4がGPS機能を有する場合には、検知部41は、そのGPS機能によって、衛星からの電波を適切に受信できなくなったタイミングで、端末装置4が建物内に入ったことを検知してもよい。また、建物内においてのみ特定の電波が送信されている場合には、検知部41は、その電波を検出したタイミングで、端末装置4が建物内に入ったことを検知してもよい。また、その他の方法によって、検知部41は、端末装置4が建物内に入ったことを検知してもよい。
【0083】
なお、行先階情報送信部18が、検知部41によって、端末装置4が建物内に入ったことが検知されたことに応じて行先階情報を送信することは、前述の通りである。なお、「端末装置4が建物内に入ったことが検知されたことに応じて送信する」とは、(A)端末装置4が建物内に入ったことが検知された直後に送信することであってもよく、(B)端末装置4が建物内に入ったことが検知されてからあらかじめ設定されている時間(例えば、10秒や20秒など)が経過した時点で送信することであってもよく、あるいは、(C)端末装置4が建物内に入ったことが検知されたことに関係するその他のタイミングで送信することであってもよい。例えば、建物の入口からエレベータホールまでが遠い場合には、(B)のように送信を行うことによって、ユーザがエレベータホールに到着するまでにエレベータのカゴがすでに到着してしまう事態を回避することができる。また、行先階情報送信部18は、検知部41によって、端末装置4が建物内に入ったことが検知された場合以外であっても、行先階情報を送信してもよい。例えば、行先階情報送信部18は、行先階情報を送信する旨の指示を端末装置4が受け付けた際にも、行先階情報を送信してもよい。なお、行先階記憶部17において、検知部41による検知が行われた場合に送信される行先階と、端末装置4が送信指示を受け付けた場合に送信される行先階とが記憶されていてもよい。その場合には、行先階情報送信部18は、検知部41による検知が行われた場合に、前者の行先階を含む行先階情報を送信し、行先階情報の送信指示が受け付けられた場合に、後者の行先階を含む行先階情報を送信するものとする。
【0084】
図10において、本実施の形態によるエレベータ制御装置5は、行先階情報受信部21と、行先階情報蓄積部22と、停止制御部23と、画像取得部24と、特徴情報取得部25と、特定部26と、ユーザ条件情報記憶部51とを備える。なお、ユーザ条件情報記憶部51以外の構成及び動作は、停止制御部23がユーザ条件情報をも用いてカゴの停止の制御を行う以外、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0085】
ユーザ条件情報記憶部51では、複数のユーザ条件情報が記憶される。ユーザ条件情報は、ユーザ識別子と、そのユーザ識別子で識別されるユーザに関して停止可能な行先階を示す条件情報とを含む情報である。すなわち、ユーザ条件情報は、実施の形態1で説明した条件情報が、ユーザ識別子に対応付けられている情報である。ユーザ条件情報記憶部51に複数のユーザ条件情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して複数のユーザ条件情報がユーザ条件情報記憶部51で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された複数のユーザ条件情報がユーザ条件情報記憶部51で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された複数のユーザ条件情報がユーザ条件情報記憶部51で記憶されるようになってもよい。ユーザ条件情報記憶部51での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。ユーザ条件情報記憶部51は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0086】
なお、停止制御部23は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にのみカゴが停止するように制御する。すなわち、あるユーザ識別子を含む行先階情報で指定される行先階が、そのユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致しない場合には、そのユーザ識別子を含む行先階情報を用いたカゴの停止の制御は行われないことになる。ある行先階情報を用いたカゴの停止の制御を行わないとは、その行先階情報に含まれる行先階にカゴを停止しないことであり、また、その行先階情報に乗車階が含まれる場合や、その行先階情報に乗車階が対応付けられている場合には、その乗車階にカゴを停止しないことを含む。また、停止制御部23は、条件情報に合致しない行先階を含む行先階情報を削除してもよい。その削除の際に、停止制御部23は、行先階情報に対応する乗車階等の情報をも一緒に削除してもよい。一方、あるユーザ識別子を含む行先階情報で指定される行先階が、そのユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する場合には、そのユーザ識別子を含む行先階情報を用いたカゴの停止の制御が行われることになる。なお、カゴの停止の制御を行わない行先階情報については、例えば、エラーである旨等を端末装置4に送信してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0087】
また、行先階情報蓄積部22が行先階情報等を蓄積する記録媒体と、ユーザ条件情報記憶部51とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、行先階情報等を記憶している領域が行先階情報蓄積部22によって行先階情報等が蓄積される記録媒体となり、ユーザ条件情報を記憶している領域がユーザ条件情報記憶部51となる。
【0088】
次に、端末装置4の動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS301)行先階受付部16は、行先階を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS302に進み、そうでない場合には、ステップS303に進む。
【0089】
(ステップS302)行先階受付部16は、受け付けた行先階を行先階記憶部17に蓄積する。そして、ステップS301に戻る。
【0090】
(ステップS303)検知部41は、端末装置4が建物内に入ったかどうか判断する。そして、端末装置4が建物内に入ったことを検知した場合には、ステップS304に進み、そうでない場合には、ステップS305に進む。
【0091】
(ステップS304)行先階情報送信部18は、行先階記憶部17で記憶されている行先階を含む行先階情報を構成し、その行先階情報をエレベータ制御装置5に送信する。なお、本実施の形態では、その行先階情報に端末装置4のユーザを識別するユーザ識別子も含まれるものとする。また、検知部41により、端末装置4が建物内に入ったことが検知されたことに応じて行先階情報を送信する場合には、前述のように、検知の時点から、あらかじめ設定されている時間だけ経過した後に、行先階情報が送信されてもよい。また、ステップS303からステップS304に進んだ場合と、ステップS305からステップS304に進んだ場合とにおいて、送信する行先階情報に含める行先階が変更されてもよい。その場合には、それぞれに応じた行先階が行先階記憶部17で記憶されており、行先階情報送信部18は、適切な方の行先階を読み出して、その行先階を含む行先階情報を送信してもよい。
【0092】
(ステップS305)端末装置4は、行先階情報を送信する旨の指示を受け付けたかどうか判断する。そして受け付けた場合には、ステップS304に進み、そうでない場合には、ステップS301に戻る。なお、この受け付けの処理は、例えば、行先階受付部16によって行われてもよく、あるいは、その他の図示しない受付部によって行われてもよい。
【0093】
なお、図11のフローチャートにおいて、送信指示に応じた行先階情報の送信を行わない場合には、ステップS305の処理を行わなくてもよい。また、図11のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0094】
次に、エレベータ制御装置5の動作について図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図12のフローチャートにおいて、ステップS401,S402以外の各処理は、実施の形態1の図4のフローチャートにおける処理と同様であり、その説明を省略する。
(ステップS401)停止制御部23は、新たに蓄積された行先階情報が、ユーザ条件情報に含まれる条件情報と合致するかどうか判断する。具体的には、停止制御部23は、新たに蓄積された行先階情報に含まれる行先階とユーザ識別子とを読み出し、そのユーザ識別子を有するユーザ条件情報を特定する。そして、停止制御部23は、その特定したユーザ条件情報に含まれる条件情報を用いて、読み出した行先階がその条件情報に合致するかどうか判断する。そして、合致する場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS402に進む。
【0095】
(ステップS402)停止制御部23は、新たに蓄積された行先階情報を削除する。なお、行先階情報に対応付けられて乗車階等が蓄積された場合には、その乗車階等も削除することが好適である。そして、ステップS201に戻る。
【0096】
なお、図12のフローチャートにおいて、ステップS402で行先階情報を削除した後に、その行先階情報を送信した端末装置4に、送信された行先階情報を用いた制御を行うことができない旨を送信してもよい。その送信によって、端末装置4のユーザは、送信された行先階情報によるエレベータの制御が行われないことを知ることができ、例えば、再度、別の行先階を指定した行先階情報を送信するようにすることができる。また、図12のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0097】
次に、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム200の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例においても、端末装置4は、スマートフォンとしての携帯情報処理端末であるとする。また、実施の形態1の具体例と同様に、フロアセキュリティ管理システム200とは異なる図示しない特徴情報管理サーバにおいて、図5で示される情報が保持されているものとする。
【0098】
また、この具体例において、BBBビルのエレベータ制御装置5におけるユーザ条件情報記憶部51では、図13で示されるユーザ条件情報が記憶されているものとする。図13において、ユーザ条件情報は、ユーザ識別子と、条件情報とを有する情報である。条件情報は、実施の形態1の具体例で説明した条件情報と同様のものであり、その説明を省略する。なお、ユーザU001は、BBBビルの5階で勤務している者であるとする。
【0099】
次に、ユーザU001が行先階を登録する処理について説明する。ユーザU001は、端末装置4を操作して、行先階を登録するアプリケーションを起動する。すると、図14で示されるように、登録する行先階を選択する旨の表示がなされたとする。この表示において、ユーザU001は、「5階」のボタンを選択し、「自動送信登録」ボタンを指でタップしたとする。すると、行先階受付部16は、行先階「5階」と、その行先階を自動送信のために登録する旨とを受け付け、行先階記憶部17に、自動送信のための行先階「5階」を蓄積する(ステップS301,S302)。また、ユーザU001は、図14の表示において、「1階」のボタンを選択し、「手動送信等録」ボタンを指でタップしたとする。すると、行先階受付部16は、行先階「1階」と、その行先階を手動送信のために登録する旨とを受け付け、行先階記憶部17に、手動送信のための行先階「1階」を蓄積する(ステップS301,S302)。
【0100】
その後、ユーザU001が端末装置4を携帯して、BBBビルに入ったとする。すると、検知部41は、そのBBBビルの入口で送信されているビーコンを検知し、行先階情報送信部18に、行先階情報を送信する旨の指示を渡す(ステップS303)。すると、行先階情報送信部18は、自動送信であると判断し、行先階記憶部17で記憶されている、自動送信のための行先階「5階」を読み出し、その行先階と、ユーザ識別子「U001」とを含む行先階情報を送信する(ステップS304)。
【0101】
その行先階情報は、BBBビルの1階に設置されたアンテナを介して、エレベータ制御装置5の行先階情報受信部21で受信される(ステップS201)。そして、実施の形態1の具体例の場合と同様に、受信された行先階情報と、乗車階とが対応付けられて図示しない記録媒体に蓄積される(ステップS202)。図15(a)の最後のレコードによって、そのようにして蓄積された行先階情報と乗車階とが示されている。
【0102】
停止制御部23は、新たな行先階情報が蓄積されたことを検知すると、その行先階情報からユーザ識別子「U001」と、行先階「5」とを読み出す。また、停止制御部23は、図示しない時計部から、その時点の時刻「午前8時37分」を取得する。そして、停止制御部23は、その読み出したユーザ識別子を検索キーとして、ユーザ条件情報記憶部51で記憶されている複数のユーザ条件情報を検索し、ヒットしたユーザ条件情報から、行先階「5」と、現在時刻「午前8時37分」に応じた時間帯「午前8時から午後8時」とに対応する可否情報「1」を特定する。この場合には、可否情報が「1」であるため、停止制御部23は条件に合致すると判断し(ステップS401)、図示しない経路により、特定部26に対して特徴情報の取得に関する処理を行うように指示する。その指示に応じて、実施の形態1の具体例の場合と同様に、ユーザU001に対応する特徴情報の取得が行われ(ステップS203)、その後、その特徴情報を用いたエレベータのカゴの制御が行われる。その結果、ユーザU001は、エレベータにより、5階に行くことができる。
【0103】
なお、ユーザU001が誤って自動送信のための行先階を「6階」に登録してしまったとする。すると、ユーザU001が端末装置4を携帯してBBBビルに入った際に、その端末装置4から、その行先階「6階」と、ユーザ識別子「U001」とを含む行先階情報が送信される(ステップS303,S304)。そして、その行先階情報が受信され、図15(b)の最後のレコードのように蓄積される(ステップS201,S202)。また、停止制御部23は、新たな行先階情報が蓄積されたことを検知して、その行先階情報が条件情報に合致するかどうか判断する。この場合には、可否情報が「0」であり、条件に合致しないと判断される(ステップS401)。そのため、停止制御部23は、新たに蓄積された行先階情報を含むレコードを削除する(ステップS402)。その結果、図15(c)で示されるようになり、ユーザU001は、エレベータによって6階に行くことができないことになる。なお、この場合に、エレベータ制御装置5からユーザU001の端末装置4に、行先階が条件に合致しなかったため、エレベータのカゴの呼び出しが行われなかった旨の情報を送信してもよい。端末装置4がその情報を受信して表示することによって、ユーザU001は、自動送信のための行先階を誤って登録したことを知ることができ、登録し直すことによって、5階に行くことができるようになる。
【0104】
また、ユーザU001が仕事を終えて帰宅する際には、BBBビルの5階のエレベータフロアにおいて、行先階情報を送信する旨の指示を端末装置4に入力する。すると、端末装置4は、行先階情報を送信するタイミングであると判断し(ステップS305)、行先階情報送信部18は、行先階記憶部17で記憶されている、手動送信のための行先階「1階」を読み出し、その行先階と、ユーザ識別子「U001」とを含む行先階情報を送信する(ステップS304)。その後、その行先階が条件情報に合致すると判断され、エレベータのカゴが5階に停止し、1階に移動する制御が行われることについては、前述の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0105】
以上のように、本実施の形態によるフロアセキュリティ管理システム200によれば、ユーザ条件情報を用いることにより、ユーザがエレベータで行くことができる階床を制限することができる。すなわち、行先階情報により、あらかじめ決められた条件情報に合致する行先階のみを指示することができるようになる。その結果、ユーザがエレベータによって関係のない階床に行くことができないように制限することができ、安全性を向上させることができる。また、ユーザにとっては、端末装置4を用いて行先階を入力するだけであり、特別、余分な作業を強いられることもないため、ユーザの利便性が損なわれることもない。
【0106】
また、検知部41によって端末装置4が建物内に入ったことが検知されたことに応じて行先階情報が送信されるようにすることによって、ユーザがエレベータのカゴの呼び出しに関する操作を行うことなく、そのユーザのためにカゴの呼び出しが行われることになる。また、建物内に入ったことに応じてなされるため、ユーザがエレベータホールに到着した頃に、エレベータのカゴが到着しているようにすることもできうる。このようにして、ユーザの利便性が著しく向上されることになる。
【0107】
なお、本実施の形態では、端末装置4から送信される行先階情報に行先階が含まれており、その行先階を用いてエレベータに関する制御が行われる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、行先階情報には、端末装置4のユーザを識別するユーザ識別子が含まれており、停止制御部23は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にカゴを停止させるようにしてもよい。すなわち、条件情報によって停止してよいことが示される行先階にカゴが停止されるように制御がなされてもよい。この場合には、ユーザ条件情報は、ユーザごとの停止階を指定するものとなる。このように、条件情報に合致する行先階にカゴを停止させるように制御する場合には、停止制御部23は、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階を、ユーザ条件情報を用いて特定し、その特定した行先階を、行先階情報蓄積部22が蓄積した行先階情報に対応付けて蓄積するようにしてもよい。その後の処理は、上記各実施の形態におけるエレベータのカゴの制御と同様にして行うことができる。また、この場合には、条件情報によって、一個の行先階を特定することができるようになっていることが好適である。そのため、例えば、図16で示されるユーザ条件情報のように、各時間帯において1個の階床の可否情報のみが「1」となるようにしてもよい。図16で示されるユーザ条件情報の場合には、例えば、ユーザU001が9時ぐらいにビルBBBに入館した場合には、ユーザ識別子「U001」を有する行先階情報の蓄積に応じて、図15(a)と同様に、そのユーザ識別子に対応する条件情報に合致する行先階「5階」が停止制御部23によって自動的に設定されることになる。その結果、ユーザU001は、エレベータによって5階に行くことができるようになる。なお、この場合には、図15(a)とは異なり、行先階「5階」が、行先階情報に含まれるのではなく、行先階情報に対応付けられて設定されてもよい。また、例えば、ユーザU001が夕方に端末装置4を操作して行先階情報を送信させた場合には、それに応じて自動的に行先階「1階」が停止制御部23によって設定されることになる。なお、このような場合であっても、行先階情報によって行先階が指示されることになるため、行先階情報は、行先階の指示に関する情報であるということができる。また、このような場合には、端末装置4において行先階を受け付けなくてもよいため、端末装置4は、行先階受付部16や、行先階記憶部17を備えていなくてもよい。このように、行先階を入力することなく行先階情報が送信される場合には、端末装置4は、入力機能を有さないICカードであってもよい。
【0108】
また、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、端末装置4が受付画面情報受信部11や、受付画面情報記憶部12、画面表示部15を備え、受信した受付画面情報を用いて行先階を受け付けるようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態1において、条件情報が受信され、蓄積される経路は問わない。例えば、電子メールに含まれる条件情報が受信され、その条件情報が蓄積されてもよい。具体的には、条件情報受信部13は、条件情報を含む電子メールを受信してもよい。そして、条件情報受信部13は、受信した電子メールに含まれる条件情報を読み出し、その条件情報を条件情報記憶部14に蓄積してもよい。なお、その条件情報は、電子メールの本文に含まれていてもよく、あるいは、電子メールのヘッダ等の本文以外の箇所に含まれていてもよい。後者の場合には、実施の形態1における説明と同様になるため、ここでは、前者の場合について説明する。例えば、条件情報受信部13が図17(a)で示される電子メールを受信したとする。すると、条件情報受信部13は、その電子メールの本文から、建物を識別するビルID「XXYYビル」、年月日「2011/7/20」、時間帯「14:00〜15:00」、行先階「15」を取得する。なお、ビルIDは建物の名称であり、例えば、「ビル」、「ビルディング」、「本館」、「別館」、「会館」、「本店」、「支店」等の手がかり句を用いて特定してもよい。具体的には、条件情報受信部13は、その手がかり句を用いて電子メールの本文を検索し、ヒットした手がかり句に隣接する名詞の並び(通常、手がかり句よりも前に存在する名詞の並びである)と、手がかり句そのものとを含む範囲をビルIDとして取得してもよい。なお、単語の品詞(例えば、名詞など)は、形態素解析を行うことによって特定することができる。また、年月日や時間帯の取得は、「年」、「月」、「日」等の手がかり句や、数字の並びのパターン等を用いることによって年月日や時間帯の記載されている箇所を特定し、そこから年月日や時間帯を取得することによって行われてもよい。また、電子メールの本文に「本日」、「明日」等の相対的に年月日を示す表現が含まれる場合には、条件情報受信部13は、その電子メールの日時(例えば、送信日時等)を基準として、その相対的に年月日を示す表現に応じた年月日を特定してもよい。電子メールの本文から年月日や時間帯を取得する方法は、すでに一部の電子メールソフト等で実現されているため、条件情報受信部13はその機能を用いて年月日等を取得してもよい。また、行先階は、例えば、「階」、「F」等の手がかり句を用いて特定してもよい。具体的には、条件情報受信部13は、その手がかり句を用いて電子メールの本文を検索し、ヒットした手がかり句の直前に位置する数字の並びを行先階として取得してもよい。条件情報受信部13は、そのようにして電子メールの本文から取得したビルID等を、図18で示される条件情報におけるビルID「XXYYビル」のレコードのように、条件情報記憶部14に蓄積してもよい。なお、その蓄積の際に、条件情報受信部13は、図18で示されるように、行先階「1」をデフォルトで含めて蓄積するようにしてもよい。通常、1階に建物の出入り口があるため、その1階も行先階に指定できるようにしておかなくては、帰りに困ることもあるからである。なお、1階以外の建物の出入り口のある階床をデフォルトで行先階に含めて蓄積するようにしてもよい。その階床は、例えば、ビルIDに対応付けられてあらかじめ記憶されていてもよい。また、条件情報受信部13は、受信した電子メールに含まれる時間帯の前後にそれぞれあらかじめ決められた時間(例えば、15分や30分等)を付加した時間帯を蓄積してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。なお、図18で示される条件情報は、ビルIDと、そのビルIDで識別される建物における指示可能な行先階と、指示可能な年月日及び時間帯とを含む情報である。例えば、XXYYビルにおいては、2011年7月20日の13時30分から15時30分までの期間に、1階と15階のみを行先階として指定可能であることが示されている。また、例えば、図17(b)で示される電子メールを受信した場合には、条件情報受信部13は、その電子メールの本文からビルID「ホテルYYZZ本館」、行先階「35」、年月日「2011/7/20」、「2011/7/21」を取得し、図18で示されるビルID「ホテルYYZZ本館」のレコードのように蓄積する。この場合には、電子メールに時間帯が含まれていないため、条件情報において、時間帯は、「*」となっている。そして、時間帯や年月日が「*」である場合には、どのような時間帯や年月日であっても条件情報に合致するものとする。したがって、図18のビルID「ホテルYYZZ本館」のレコードで示される条件情報の場合、2011年7月20日、2011年7月21日の両日は終日、1階と35階を行先階に指定できることになる。なお、図18で示されるように、条件情報は、年月日に応じて異なるものであってもよく、時間帯に応じて異なるものであってもよく、ビルIDに応じて異なるものであってもよく、あるいは、それらの任意の組み合わせであってもよい。また、図18で示されるように、条件情報は、指定可能な行先階や、指定可能な年月日、指定可能な時間帯等を示すものであってもよい。
【0110】
ここで、上述のようにして電子メールから条件情報が取得された場合の具体例について簡単に説明する。上述の説明のように、図17で示される電子メールの本文に基づいて、図18で示される条件情報が条件情報記憶部14に蓄積されたとする(ステップS101,S102)。その後、ユーザU001が端末装置1を持ってXXYYビルに入ると、情報サーバ3から、アンテナを介して受付画面情報が繰り返して送信されていたとする。受付画面情報受信部11は、その受付画面情報を受信して、受付画面情報記憶部12に蓄積する(ステップS103,S104)。なお、その受付画面情報に、ビルID「XXYYビル」が紐付けられていたとする。その後、ユーザU001がエレベータホールで行先階を入力する画面を表示する旨の指示を端末装置1に入力すると、画面表示部15は、表示する受付画面に応じた条件情報、すなわち、ビルID「XXYYビル」に対応する条件情報を読み出し、その条件情報と受付画面情報とを用いて、行先階を受け付ける画面を表示する(ステップS105〜S107)。その時点の日時が2011年7月20日13時55分であるとすると、画面表示部15は、1階と15階とを指定可能な受付画面を構成して表示する。したがって、ユーザU001は、15階を指定することによって、15階に行くことができる。一方、その時点の日時が2011年7月20日13時20分であるとすると、画面表示部15は、どの階も指定できない受付画面を構成して表示する。その場合には、ユーザU001は、どの階にも行くことができないことになる。なお、例えば、15階での打合せが長引いて16時に終了した後に、ユーザU001が、行先階を入力する画面を表示する旨の指示を15階のエレベータホールで端末装置1に入力したとする。すると、その場合には、その時点の時刻が、図18の条件情報における時間帯「13:30〜15:30」に含まれないため、画面表示部15は、どの階も指定できない受付画面を構成して表示する。したがって、その場合には、ユーザU001は、エレベータを利用できなくなる。また、仮に15階からエレベータに乗る人がいて、ユーザU001がその人と一緒にエレベータに乗ったとしても、同乗の人が1階で降りない場合には、ユーザU001は、1階で降りることができないようになる。
【0111】
なお、電子メールから条件情報を取得する場合には、例えば、あらかじめ決められている電子メールのみから条件情報を取得するようにしてもよい。そうでなければ、例えば、ユーザが自分で条件情報を設定することもできるようになるからである。あらかじめ決められている電子メールとは、あらかじめ決められている送信元から送信された電子メールであってもよく、あらかじめ決められた電子署名を有する電子メールであってもよく、あるいは、その他のあらかじめ決められた特徴を有する電子メールであってもよい。
【0112】
また、上記各実施の形態では、実施の形態2においてのみ、端末装置4が検知部41を有する場合について説明したが、そうでなくてもよい。実施の形態1においても、端末装置1が検知部41を備え、建物内に入ったことが検知されたことに応じて、行先階情報が送信されてもよい。その場合には、実施の形態2と同様に、端末装置1においてあらかじめ行先階を登録しておくことが好適である。
【0113】
また、上記各実施の形態では、条件情報が時間帯に応じて異なるものである場合について説明したが、そうでなくてもよい。条件情報は、すべての時間帯について同じ情報であってもよい。また、上記各実施の形態では、条件情報が時間帯に応じて異なるものである場合について説明したが、条件情報は、それ以外の期間に応じて異なるものであってもよい。例えば、条件情報は、曜日や日にち、月、年等に応じて異なるものであってもよい。具体的には、条件情報は、月曜日から金曜日までと、土曜日から日曜日までとにおいて異なっていてもよい。
【0114】
また、上記各実施の形態では、あらかじめ特徴情報を取得して蓄積しておき、その蓄積した特徴情報を用いてユーザの特定を行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、すべての特徴情報を用いて、ユーザの特定を行ってもよい。
また、上記各実施の形態では、顔認証を行うことによって、カゴに乗車したユーザを特定する場合について主に説明したが、前述のように、それ以外の方法によってユーザを特定してもよいことは言うまでもない。顔認証以外によってユーザを特定する場合には、特定部26は、特徴情報を用いないでユーザの特定を行ってもよい。そのように、特徴情報を用いないでユーザの特定が行われる場合には、エレベータ制御装置2,5は、特徴情報取得部25を備えていなくてもよい。
【0115】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0116】
また、上記各実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0117】
また、上記各実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0118】
また、上記各実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0119】
また、上記各実施の形態において、端末装置1,4やエレベータ制御装置2,5に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0120】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における端末装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、指示可能なエレベータの行先階を示す条件情報が記憶される条件情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、条件情報に合致する行先階のみを受け付ける行先階受付部、行先階受付部が受け付けた行先階を含む情報である行先階情報を送信する行先階情報送信部として機能させるためのプログラムである。
【0121】
また、上記実施の形態におけるエレベータ制御装置5を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、ユーザ識別子と、停止可能なエレベータの行先階を示す条件情報とを含むユーザ条件情報が複数記憶されるユーザ条件情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、端末装置から送信された、端末装置のユーザを識別するユーザ識別子を含む行先階情報を受信する行先階情報受信部、行先階情報受信部が受信した行先階情報を蓄積する行先階情報蓄積部、行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にのみエレベータのカゴが停止するように制御する停止制御部として機能させるためのプログラムである。
【0122】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を送信する送信部、情報を受信する受信部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0123】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0124】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0125】
図19は、上記プログラムを実行して、上記各実施の形態による端末装置1,4、エレベータ制御装置2,5を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記各実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0126】
図19において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0127】
図20は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図20において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0128】
コンピュータシステム900に、上記各実施の形態による端末装置1,4、エレベータ制御装置2,5の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0129】
プログラムは、コンピュータ901に、上記各実施の形態による端末装置1,4、エレベータ制御装置2,5の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0130】
また、本発明は、以上の各実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上より、本発明によるフロアセキュリティ管理システム等によれば、エレベータの乗客の行先階を制限することができるという効果が得られ、建物等で用いられるフロアセキュリティ管理システム等として有用である。
【符号の説明】
【0132】
1、4 端末装置
2、5 エレベータ制御装置
3 情報サーバ
11 受付画面情報受信部
12 受付画面情報記憶部
13 条件情報受信部
14 条件情報記憶部
15 画面表示部
16 行先階受付部
17 行先階記憶部
18 行先階情報送信部
21 行先階情報受信部
22 行先階情報蓄積部
23 停止制御部
24 画像取得部
25 特徴情報取得部
26 特定部
41 検知部
51 ユーザ条件情報記憶部
100、200 フロアセキュリティ管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、エレベータ制御装置とを有するフロアセキュリティ管理システムであって、
前記端末装置は、
行先階の指示に関する情報である行先階情報を送信する行先階情報送信部を備え、
前記エレベータ制御装置は、
前記行先階情報を受信する行先階情報受信部と、
前記行先階情報受信部が受信した行先階情報を蓄積する行先階情報蓄積部と、
前記行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報を用いて、カゴの停止階を制御する停止制御部と、を備え、
前記行先階情報により、あらかじめ決められた条件情報に合致する行先階のみが指示される、フロアセキュリティ管理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
指示可能な行先階を示す条件情報が記憶される条件情報記憶部と、
前記条件情報に合致する行先階のみを受け付ける行先階受付部と、をさらに備え、
前記行先階情報送信部は、前記行先階受付部が受け付けた行先階を含む行先階情報を送信し、
前記停止制御部は、前記行先階情報に含まれる行先階にカゴが停止するように制御する、請求項1記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
行先階を受け付ける画面に関する情報である受付画面情報を受信する受付画面情報受信部と、
前記受付画面情報受信部が受信した受付画面情報を用いて、行先階を受け付ける画面を表示する画面表示部と、をさらに備え、
前記行先階受付部は、前記画面表示部が表示した画面を介して、行先階を受け付ける、請求項2記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
条件情報を受信し、前記条件情報記憶部に蓄積する条件情報受信部をさらに備えた、請求項2または請求項3記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項5】
前記行先階情報送信部は、前記端末装置のユーザを識別するユーザ識別子を含む行先階情報を送信し、
前記エレベータ制御装置は、
ユーザ識別子と、停止可能な行先階を示す条件情報とを含むユーザ条件情報が複数記憶されるユーザ条件情報記憶部をさらに備え、
前記停止制御部は、前記行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にのみカゴが停止するように制御する、請求項1記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項6】
前記停止制御部は、前記行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にカゴを停止させる、請求項5記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項7】
前記条件情報は、時間帯に応じて異なるものである、請求項1から請求項6のいずれか記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
当該端末装置が建物内に入ったことを検知する検知部をさらに備え、
前記行先階情報送信部は、当該端末装置が建物内に入ったことを前記検知部が検知したことに応じて、前記行先情報を送信する、請求項1から請求項7のいずれか記載のフロアセキュリティ管理システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか記載のフロアセキュリティ管理システムを構成するエレベータ制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか記載のフロアセキュリティ管理システムを構成する端末装置。
【請求項11】
端末装置から送信された、当該端末装置のユーザを識別するユーザ識別子を含む行先階情報を受信する行先階情報受信部と、
前記行先階情報受信部が受信した行先階情報を蓄積する行先階情報蓄積部と、
ユーザ識別子と、停止可能な行先階を示す条件情報とを含むユーザ条件情報が複数記憶されるユーザ条件情報記憶部と、
前記行先階情報蓄積部が蓄積した行先階情報に含まれるユーザ識別子を有するユーザ条件情報に含まれる条件情報に合致する行先階にのみエレベータのカゴが停止するように制御する停止制御部と、を備えたエレベータ制御装置。
【請求項12】
指示可能なエレベータの行先階を示す条件情報が記憶される条件情報記憶部と、
前記条件情報に合致する行先階のみを受け付ける行先階受付部と、
前記行先階受付部が受け付けた行先階を含む情報である行先階情報を送信する行先階情報送信部と、を備えた端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−23349(P2013−23349A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160454(P2011−160454)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】