説明

フロアパネルの機械的係止

【課題】長縁部の傾けによって設置できる機械式係止システムが長縁部及び短縁部に設けられたフロアパネルを提供する。
【解決手段】フロアパネル1、1’は、可撓性タング31を含む機械式係止システムを備え、可撓性タング31の少なくとも一部が、水平方向に及び初期位置から最終外係止位置まで本質的に一方向だけに変位するように形成されており、係止中、接合部に沿って捩じられるように形成され、フロアパネル1、1’の方非係止位置から最終的な係止位置まで本質的に一方向に変位自在な変位自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、設置を容易にできる別体の可撓性タングを含む機械式係止システムを持つフロアパネルの分野に関する。本発明は、建物用パネル、特にフロアパネル用の新規な改良された係止システム及びその設置方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、詳細には、しかし非限定的には、長縁部及び短縁部を持つ矩形のフロアパネル用の機械式係止システムに関する。長縁部及び短縁部という用語は、説明を簡単にするために使用されるに過ぎないということを強調しなければならない。パネルは正方形であってもよく、四つ以上の縁部を備えていてもよく、隣接した縁部は90°以外の角度をなしていてもよい。しかしながら、本発明は、一般的な建物用パネルにも適用できる。更に詳細には、本発明は、パネルの四つの縁部全てを一回の傾け作用によって他のパネルに係止できる、建物用パネルの設置を容易にする可撓性タング及び/又は変位自在のタング及び/又は回転タングを含む機械式係止システムの種類に関する。
【0003】
この種のフロアパネルは、WO2006/043893に記載されている。この文献には、水平方向係止を行うために係止溝と協働する係止エレメント、及びタング溝と協働する可撓性タングを含む、係止システムを持つフロアパネルが開示されている。可撓性タングは、フロアパネルの連結中、水平平面内で湾曲し、パネルを水平方向重ねによって、又は垂直方向移動だけで設置できる。「垂直方向重ね」という用語は、第1及び第2のパネルが連結状態にあり、「重ねパネル」と呼ぶ新たなパネルの二つの垂直な縁部を、一回の傾け作用によって第1及び第2のパネルに同時に連結する、三枚のパネルの連結を意味する。このような連結は、例えば、第1列の第1パネルの長縁部が第2列の第2パネルの長縁部に既に連結されている場合に行われる。次いで、新たな重ねパネルを第1列の第1パネルの長縁部に傾けによって連結する。この特定の種類の傾け作用は、更に、新たな重ねパネルの短縁部と第2パネルとを連結し、「垂直方向重ね」と呼ばれる。短縁部は、全体として、「ストリップパネル」に係止エレメントが設けられたストリップと、重ねパネルの下部分に設けられた、ストリップパネルの係止エレメントと協働する係止溝とによって水平方向で連結される。別のパネルに対する垂直方向移動だけでパネル全体を下ろすことによって二枚のパネルを連結することもできる。この特定の種類の係止を「垂直方向係止」と呼ぶ。
【0004】
更に、同様のフロアパネルがWO2003/016654に記載されている。この文献には、可撓性タブを備えたタングを含む係止システムが開示されている。タングは、本質的に垂直方向に延び且つ曲がり、タブの先端は垂直方向に係止するため、タング溝と協働する。
【0005】
この種の垂直方向係止及び垂直方向重ねは、長縁部の傾け中に二回の作用で可撓性タング又はタングの可撓性部分が水平方向に変位するとき、短縁部のところに分離圧力が発生する。タングの部分は、係止の初期部分中に内方に変位し、これらの部分は、その後、係止作用の最終部分中に初期位置に向かって変位する。本発明者は、幾つかの種類のフロアパネルを分析し、設置中に短縁部が互いから押し離され、短縁部の縁部部分間に隙間が生じる大きな危険があるということを発見した。このような隙間は、それ以上の設置を妨げ、フロアパネルを連結できない。更に、短縁部の係止システムに重大な損傷を生じる場合がある。設置中にフロアボードを短縁部に向かって側方に押すことにより、隙間をなくすことができる。しかしながら、このような設置方法は複雑であり、使用が困難である。これは、以下に説明するように、三つの作用を組み合わせ、長縁部の下方への傾けと関連して同時に使用しなければならないためである。
【0006】
a)新たなフロアパネルの縁部を、フロアに設置した第1フロアパネルと接触させ、新たなパネルの長縁部を角度をなした状態で第1パネルに向かって前方に押圧しなければならず、
b)タングにより及ぼされる力に抗する作用を及ぼすため、新たなパネルを、上方に傾けられた状態で側方に変位し、フロアパネルに設置した第2パネルの短縁部に押し付けなければならず、
c)最終的に新たなパネルをフロアに向かって倒し、この際、前方及び側方への圧力を維持しなければならない。
【0007】
本発明者は、このような分離及び設置の問題点は、パネルの厚さが小さく、小さくコンパクトな係止システムが長縁部に設けられている場合、又はパネルのコアが高密度ファイバボード(HDF)等の表面の滑らかな材料で形成されている場合に生じるということを発見した。更に、こうした問題点は、パネルが短い場合、又は各列の最初のパネル又は最後のパネルの設置と関連して生じる。これは、こうした設置が、一般的には、フロアを壁の位置に合わせるために比較的小さい長さに合わせて切断したパネルで行われるためである。勿論、分離の問題点は、垂直方向重ね中に大きな水平方向分離圧力を発生する強い可撓性タングを持つ係止システムを使用する任意の種類のパネルを取り扱う上で、極めて困難である。このような強いタングは、高品質の垂直方向連結を必要とする多くの用途で非常に重要であり、このような可撓性タングを持つパネルは、周知の設置方法では設置が非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2006/043893
【特許文献2】WO2003/016654
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、長縁部の垂直方向重ね、又は垂直方向係止、又は傾けだけで設置されるようになったフローリングにおける分離の問題点を解決することを目的とする。
【0010】
周知の技術による垂直方向重ねは、パネルを傾けて倒すときにこれらのパネルを垂直方向で係止する。これらのパネルは、係止解除を行うことができる。これは、係止システムに特殊な工具を挿入することにより行うことができる。更に、列全体を傾けて起こし、パネルを互いから連結解除することができる。個々のパネルの係止及び係止解除を容易な方法で、好ましくは簡単な逆方向傾け作用によって行うことができるのが有利である。損傷したパネル又は設置が正しく行われなかったパネルの調節、交換、又は再設置を行うことができる。
【0011】
従って、本発明の別の目的は、垂直方向重ね後に垂直方向では連結されず、簡単な逆方向傾けにより解放できる新たな係止システムにより、この問題点に対する解決策を提供することである。
【0012】
周知の技術による垂直方向重ねは、パネルを傾けて倒すとき、係止システムの幾つかの部分を曲げ、圧縮し、又は変位することを必要とする。これは抵抗を発生する。この抵抗は、設置中における問題点である。本発明の第3の目的は、垂直方向重ね中に垂直方向で係止する部分が生じる全ての種類の抵抗を、好ましくは、大幅に減少するか或いは完全になくす、このような抵抗をできるだけなくす解決策を提供することである。
【0013】
フロアボードは、種類が異なると、必要とされる係止上の解決策が異なる。HDF製のコアを持つ5mm乃至8mmの薄い積層体フローリングに適合した係止システムは、必ずしも、例えば厚さが14mm乃至25mmの様々な種類及び品質の木製コアを持つ厚い木製フローリングの係止には使用できない。第4の目的は、広範な様々な種類のフロア及び様々な大きさの同じ種類のフロアに適した解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
幾つかの用語の定義
本明細書中下文において、設置したフロアパネルの見える方の表面を「前面」と呼び、下張り床に面するフロアパネルの反対側を「後面」と呼ぶ。前面と後面との間の縁部を「接合縁」と呼ぶ。特に定義されていない限り、上方及び下方というのは、前面に向かって、及び後面に向かってということを意味する。内方及び外方というのは、パネルの中心に向かう方向で、又はパネルの中心から遠ざかる方向でということを意味する。「水平平面」という用語は、表面層の外方部分と平行に延びる平面を意味する。互いに接合された二枚のフロアパネルの二つの隣接した接合縁のぴったりと並置された上部分が、水平平面に対して垂直な「垂直平面」を構成する。「水平方向で」という用語は、水平平面と平行であることを意味し、「垂直方向で」という用語は、垂直平面と平行であることを意味する。
【0015】
「接合部」又は「係止システム」は、フロアパネルを垂直方向で及び/又は水平方向で連結する協働連結手段を意味する。「機械式係止システム」は、接合を接着剤なしで行うことができるということを意味する。機械式係止システムは、多くの場合において、接着剤と組み合わせてもよい。「と一体の」は、パネルと一部品をなして形成されている、又は工場でパネルに連結されているということを意味する。「別体の」部分、構成要素、エレメント、等は、これらが別々に製造され、パネルのコア又は主本体と一部品をなしていないということを意味する。別体の部分は、一般的には、工場で連結され、パネルと一体化されるが、パネルの設置中に使用されるようになった、ばらで提供される部分として供給されてもよい。
【0016】
「可撓性タング」は、少なくとも幾つかの可撓性部分を持ち、接合縁に沿って長さ方向を有し、垂直方向係止システムの部分を形成する、別体のタングを意味する。例えばタング全体を曲げることができてもよいし、曲げたり圧縮したりでき、ばね作用でその初期位置まで又は初期位置に向かって少なくとも部分的に戻ることができる、可撓性で弾性の部分を備えていてもよい。可撓性により、係止中、タングを少なくとも部分的に水平方向に変位させることができる。可撓性タングは、本願では、広範に使用される。これは、周知の実施例の多くが、少なくとも幾つかの可撓性部分を有するためである。本発明は、本質的に又は部分的に剛性材料で形成された可撓性タングを除外しない。
【0017】
「変位自在のタング」は、隣接した縁部を垂直方向で連結する、別体の材料で形成された、フロアパネルに連結された、全体が又は一部が非係止位置と係止位置との間で変位自在の、任意の種類のタングを意味する。変位自在のタングは、可撓性であってもよいし、剛性であってもよい。
【0018】
「タング」は、垂直方向変位を阻止する、縁部区分の任意の部分を意味する。
【0019】
「傾け」は、旋回移動によって行われる連結を意味する。旋回移動中、連結又は連結解除が行われる二つの部分間で角度変化が発生する。二枚のフロアパネルの連結と関連して傾けが行われる場合、角度移動は、接合縁の上部分で、これらが互いに少なくとも部分的に接触した状態で、移動の少なくとも部分中に生じる。
【0020】
「傾け係止システム」は、傾けにより垂直方向及び垂直方向で連結できる、タング及び溝を含む、二つの隣接した縁部を垂直方向で係止する機械式係止システムを意味する。パネルの一つの縁部に係止エレメントが設けられた係止ストリップは、「ストリップパネル」と呼ばれ、「溝パネル」と呼ばれるパネルの別の縁部に設けられた係止溝と協働し、これらの縁部を水平方向で係止する。係止エレメント及び係止溝は、係止エレメントを係止溝内に案内する全体に丸みを付けたガイド面と、係止により縁部間の水平方向分離を阻止する係止面とを有する。
【0021】
垂直方向重ねは、長縁部に設けられた傾け係止システム及び短縁部に設けられた垂直方向係止システムの単なる組み合わせではない。これは、垂直方向作用及び傾け作用を組み合わせ、短縁部を鋏と同様に互いに重ねるためである。係止は、一つの長縁部と隣接した一方の縁部区分から、他方の反対側の長縁部と隣接した他方の縁部区分まで徐々に行われる。二つの隣接した縁部のこのような係止を「重ね係止」と定義する。
【0022】
「垂直方向重ね」は、三枚のパネルの係止であり、長縁部の傾け及び短縁部の重ねの組み合わせを使用する。「垂直平面に沿った垂直平面重ね」は、縁部が互いに係止するまで全体を重ねる作用中に二つの短縁部の上縁が本質的に接触した状態で行われる垂直平面重ねを意味する。
【0023】
本発明は、一組の建物用パネル、特に、機械式係止システムを持つフロアパネルに関し、又は ローティングフローリングに関する。機械式係止システムの短縁部には、別体の変位自在のタングが設けられている。このタングは、フロアパネルの設置及び垂直方向重ね又は傾けで設置したフロアパネルの連結解除を改善するように形成されており、設置中の短縁部の分離に抗し、又はこれを阻止する。
【0024】
本発明は、このような分離の問題が、重ね係止における別体の変位自在のタングと関連しているという第1の基本的な理解に基づく。変位自在のタングは、垂直方向重ね中にタング溝に向かって水平方向にポンと戻るため、変位溝に押し込まれなければならない。本発明の目的は、隣接した縁部の垂直方向移動又は傾けによって係止できる、設置中の変位自在のタングの変位溝内への内方への変位が大幅に減少され又は完全になくされるため、垂直方向移動又は傾け中の変位自在のタングの分離力を大幅に減少し、又は好ましくはなくす係止システムを提供することである。
【0025】
本発明は、夫々の利点を提供する様々な特徴による、短縁部の係止システムの新たな実施例を提供する。本発明が有用な分野は、壁パネル、天井、外部用途、及び任意の形状及び例えば積層体等の材料でできたフロアパネルであり、詳細には、熱硬化性樹脂、木材、HDF、ベニヤ、又は石材を含む表面材料を備えたパネルである。
【0026】
本発明は、第1の基本的原理によれば、フロアパネルの縁部に組込まれた変位自在のタングを含み、これにより、この縁部を同様のパネルの隣接した縁部に垂直方向で連結する、係止システムを備えた一組のフロアパネルを含む。変位自在のタングは、本質的に水平方向に、及び本質的に一方向に、初期位置から、タング溝内の最終的外係止位置への方向にだけ変位するように形成されている。
【0027】
本発明は、第1実施例によれば、本質的に同じフロアパネルの組において、これらのフロアパネルには、フロアパネルと一体化されており且つ隣接した縁部に連結されるように形成された第1及び第2のコネクタが設けられている。第1コネクタは、隣接した縁部を、これらの隣接した縁部に対して垂直な水平方向で連結するため、一方のフロアパネルの縁部に設けられた、上方に差し向けられた係止エレメントを持つ係止ストリップと、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた下方に開放した係止溝とを含み、第2コネクタは、隣接した縁部を垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた変位自在のタングと、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた水平方向に開放したタング溝とを含み、コネクタは、傾け又は垂直方向移動によって係止されるように形成されている。可撓性タングの係止部分が、初期内方位置において、パネルの縁部に設けられた変位溝内に配置されている。係止部分は、タング溝内で、本質的に水平方向に、及び初期位置から最終外方係止位置まで本質的に一方向にだけ変位するように形成されている。
【0028】
周知の技術に対する一つの本質的な相違は、タングの少なくとも一部が、縁部に工場で連結された初期非係止位置から、縁部を垂直方向で係止する係止位置まで本質的に一方向にしか変位されないということである。係止は、先ず最初に周知の可撓性タング及び変位自在のタングを変位溝内に内方に変位し、次いで外方にタング溝内に変位する、「一回のスナップ作用」又は「一回の変位作用」で行われる。幾つかの場合では、例えばタング溝の一部に対して予備張力が加わった状態で係止を行う場合、第1変位は第2変位よりも大きい。このような係止は、「二回作用(double action) スナップ」である。一回のスナップ作用又は一回の変位作用の主な利点は、例えば係止中及び設置中に短縁部を押し離す分離力なしで係止を行うことができるということである。
【0029】
「本質的に一方向にしか」という表現は、幾つかの二回作用実施例が本発明に含まれ、変位溝内への第1変位が、タング溝内への第2変位よりも本質的に小さい場合が除外されないということを意味する。第1変位は、例えば、内非係止位置からの変位自在のタングの解放に使用してもよいし、又は非係止位置又は部分係止位置への変位の一部を行うためにだけ使用してもよい。
【0030】
第1の原理の第1の特徴によれば、本発明は、フロアパネルの縁部を同様のパネルの隣接した縁部に垂直方向で連結するため、別体の可撓性タングをフロアパネルの縁部と一体化した係止システムを含むフロアパネルの組を提供する。タングの一部は、本質的に水平方向に、及び初期位置から最終的外係止位置への方向にだけ変位するように形成されている。タングは、係止中、接合部に沿って捩じれるように形成されている。
【0031】
第1の原理の一実施例によれば、本発明は、ニージョイント(ひざジョイント)を持つ可撓性タングを提供する。このニージョイントは、このニージョイントから本質的に水平方向に延びるプレス延長部と、ニージョイントから上方に本質的に垂直方向に延びる係止延長部とを有する。係止延長部は、ニージョイントの上方の上部分に係止部分を有する。係止部分は、タング第1及び第2のパネルの隣接した短縁部を、これらの短縁部が本質的に同じ壁内に位置決めされるまでプレス縁部に垂直方向に押し付けたとき、タング溝に係止する。
【0032】
プレス縁部への垂直方向押し付けは、好ましくは、垂直方向重ねによって行われる。
【0033】
第1の原理の第2の特徴によれば、別体の可撓性タングを含む係止システムを備えたフロアパネルの組であって、可撓性タングは、フロアパネルの縁部を同様のパネルの隣接した縁部に対して垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部と一体化されている、フロアパネルの組が提供される。可撓性タングは予備張力が加わった部分を含む。
【0034】
第2の特徴の一実施例によれば、フロアパネルには、例えば、一回の作用で係止する別体の可撓性タングを持つ係止システムを備えた短縁部が設けられている。一方の短縁部を垂直方向に移動にさせることより、変位自在のタングの一部を、この変位自在のタングが変位溝に予備張力で連結された内方初期非係止位置から外方垂直方向係止位置まで本質的に一方向にスナップ嵌めする。予備張力の解放は、好ましくは、垂直方向重ねによって行われる。
【0035】
第1の原理の第3の特徴によれば、別体の可撓性タングを含む係止システムを備えたフロアパネルの組であって、可撓性タングは、フロアパネルの縁部を同様のパネルの隣接した縁部に対して垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部と一体化されている、フロアパネルの組が提供される。タングの少なくとも一部が変位自在であり、タングの縁部区分に本質的に縁部に沿って側方への圧力を加えることによって係止が行われる。
【0036】
この第3の特徴の一実施例によれば、本発明は、変位溝内で変位する変位自在のタングを含む。本発明は、変位自在のタングを、例えば第3パネルの長縁部によって、タングが工場で連結された初期非係止位置からタング溝内へ変位することを特徴とする。第3パネルは、第1及び第2のパネルに対して傾けられ、これらのパネルが本質的に同じ平面内に配置され且つそれらの短縁部が接触したとき、第1及び第2のパネルに対して連結される。
【0037】
この第3の特徴により、連続した列の第3パネルが連結されるまで、パネルを垂直方向に係止解除できる。この場合も、垂直方向重ね及び傾けて倒したり起こしたりすることによる連結解除を簡単な方法で行うことができる。これは、抵抗を発生し、垂直方向で係止するタングがないためである。垂直方向係止は、先ず最初に、新たなパネル列を設置するときに開始される。これは、垂直方向係止を有する全ての周知の重ねシステムに対する主要な利点である。この原理による係止システムは、例えばパネルの短縁部に設けられた変位自在のタングにより提供できる。この変位自在のタングは、隣接した列のパネルの長縁部を、例えば傾けて起こすことによって解放したとき、初期非係止位置に戻る。これにより、フロア全体の連結解除を、個々のパネルの簡単な傾け作用で行うことができる。周知の技術のように、フロアの連結解除を行うために、列全体を傾けで連結解除することを必要としない。別の態様では、係止システムは、曲げ可能な部分は、タングとパネルとの間の摩擦により、又はタングの永久的な変形によって、第3パネルが取り外された場合でも、その外位置に止まるように形成されていてもよい。
【0038】
これらの三つの基本的実施例は、全て、
a)プレス延長部を押圧すること、
b)予備張力を解放すること、及び
c)短縁部に設けられたタングを長縁部によって変位すること
によって変位が行われ、変位が、本質的に一方向でしか行われず、こうした変位を非常に限られた又は存在していない分離力のみで行うことができるという主要な原理に基づく。
【0039】
上述の特徴を長縁部及び短縁部を持つパネルに関して説明した。これらのパネルは、縁部を四つ以上備えていてもよいし、正方形であってもよい。
【0040】
第2の原理によれば、本発明は、例えば長縁部に傾け係止システムが設けられており且つ短縁部に変位自在のタングが設けられたフロアパネルの設置及び連結解除を行うための方法を提供する。この方法は、
1.第2列の第2パネル及び新たなパネルの長縁部を、第2列の第2パネル及び新たなパネルの短縁部が接触し且つ本質的同じ平面内にあるように、第1列の第1パネルの長縁部に連結する工程と、
2.第3列の第3パネルを第2パネル及び新たなパネルの長縁部に傾けで連結し、これによって、第2パネル又は新たなパネルの短縁部に設けられた変位自在のタングを、これらの短縁部が垂直方向及び水平方向で係止するようにタング溝内に変位する工程とを含む。
【0041】
この第2の原理によれば、本発明は、例えば長縁部に傾け係止システムが設けられており且つフロアパネルを垂直方向で連結する変位自在のタングが短縁部に設けられたフロアパネルを連結解除するための方法を提供する。この方法は、
1.第3パネルを下張り床から遠ざかる方向に傾けて起こすことにより、第3列の第3パネルの長縁部を第2列の第2パネル及び新たなパネルの長縁部から連結解除し、変位自在のタング、及び第2列の新たなパネルと第2パネルとの間の垂直方向係止を連結解除する工程と、
2.新たなパネルを傾けて起こすことによって、新たなパネルを第1列の第1パネルの長縁部から、及び第2パネルの短縁部から連結解除する工程とを含む。
【0042】
第3の原理によれば、本発明は、パネル、及び水平方向可撓性係止エレメント即ち変位自在の係止エレメントを備えた係止システムを提供する。係止システムにより、本明細書中に説明した、水平方向重ねについて使用されたのと同じ基本的原理に従って、パネルを互いに向かう水平方向変位によって本質的に共通の平面内で連結できる。係止エレメントを垂直方向に変位し、上リップ又は下リップの上部分又は下部分に配置された係止溝内に水平方向に係止する。垂直方向での係止は、好ましくは、タング及び溝によって行われるこの第3の原理を本明細書中に概略に説明する。これは、垂直方向係止に使用される全ての実施例及び原理を水平方向係止に使用できるためである。水平方向で協働する部分は、垂直方向等に合わせて調節しなければならないということは明らかである。
【0043】
本発明の第2の目的は、パネルの垂直方向係止又は水平方向係止を行うためにタングの少なくとも一部の変位を必要とする、全ての種類の係止システムで使用できる別体の可撓性タングの新規な改良された実施例を提供することである。この目的は、周知の技術と比較して、係止機能及び係止強度を改良することである。
【0044】
本発明は、長さ方向を持つ可撓性タングを提供する。長さ方向に延びる少なくとも一つの縁部が剛性である。可撓性タングは、圧縮でき且つ初期位置に向かってばね作用で戻る一つ又は幾つかの可撓性キャビティを長さ方向に有する。
【0045】
本発明は、全ての種類のフローリングで有用であり、特に、例えば長縁部間の摩擦によって分離を阻止するのが困難なフローリング、又は周知のタングが大きな分離力を発生するフローリングで有用である。従って、本発明は、例えば長縁部に沿った摩擦が小さい、40cm乃至120cmの短いパネルに特に適している。本発明は、更に、幅が20cmよりも大きい広幅のパネルに適している。これは、周知の可撓性タングは長く、大きなタング圧力を発生するためである。更に、本発明は、係止システムの非常に滑らかで低摩擦の表面のため、摩擦が小さい、例えばHDF、コンパクトな積層体、又はプラスチック材料で形成されたコアを持つパネルに適している。本発明は、更に、例えば厚さが6mm乃至9mmの薄いパネルで有用である。特に、長縁部にコンパクトな係止システムを備えたこのようなパネルは、例えば、6mmよりも短い係止ストリップを備えている。このようなフロアパネル及びこのような係止システムは、接触面が小さく、摩擦が小さい。
【0046】
上文中に説明した一つ又は幾つかの原理に従って形成されたフローリングシステムにより、幾つかの利点が得られる。第1の利点は、設置を簡単な方法で行うことができるということ、及びフロアボードが短縁部のところで分離しないようにするために設置中に側方への圧力を加える必要がないということである。第2の利点は、重ね中に係止システムに亀裂を生じることがある、縁部が分離する危険を大幅に減少するということである。第3の利点は、パネルを垂直方向で高い強度で係止できる、更に剛性であり且つ強固なタングで係止システムを形成できるということである。第4の利点は、係止及び係止解除を、容易に、信頼性が高い係止機能で行うことができるということである。
【0047】
タングは、プラスチック材料で形成されていてもよく、例えば射出成形により製造できる。この製造方法により、様々な複雑な立体的形状を低価格で製造でき、可撓性タングを互いに連結してタングブランクを形成できる。タングは、押出し又は機械加工によって形成したプラスチック製又は金属製の形材で形成されていてもよく、これを例えば打ち抜きで更に賦形し、可撓性タングを形成できる。押出しの欠点は、追加の製造工程を必要とすることの他に、例えばファイバ等でタングを強化するのが困難又は不可能であるということである。しかしながら、、タングが本質的に矩形形状の断面を持つ場合には、押出しプラスチック形材は好ましい代替物である。可撓性タング又は変位自在のタングを形成する上で、例えばHDFや圧縮積層体等の木材をベースとした材料又はシート状プラスチック材料を使用してもよい。
【0048】
上文中に説明した性質を持つ、PA(ナイロン)、POM、PC、PP、PET、又はPE等の任意の種類のポリマー材料を様々な実施例で使用できる。これらのプラスチック材料は、タング射出成形を使用した場合、例えばガラスファイバ、ケブラーファイバ、カーボンファイバ、又はタルクやチョークで強化できる。好ましい材料は、好ましくは極めて長いガラスファイバで強化したPP又はPOMである。
【0049】
短縁部は、ニードル状工具を隅部区分からタング溝に挿入し、可撓性タングを変位溝内に押し戻すことによって、連結解除できる。次いで、他のパネルが下張り床上にある状態で一枚のパネルを傾けて起こすことができる。勿論、これらのパネルは、従来の方法で、傾けて起こすことによって、又は接合部に沿って変位することによっても連結解除できる。
【0050】
エレメント、デバイス、構成要素、手段、工程、等に対する全ての言及は、特段の記載のない限り、このようなエレメント、デバイス、構成要素、手段、工程、等の少なくとも一例に言及するに過ぎない。
【0051】
主に説明を簡単にするため、ストリップパネルに設けられた別体のタングに関してほぼ全ての実施例を説明する。別体のタングは、重ねパネルの縁部に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1a乃至図1dは、従来技術の係止システムを示す図である。
【図2】図2a及び図2bは、係止作用中の従来技術の可撓性タングを示す図である。
【図3】図3a及び図3bは、短縁部に従来技術の機械式係止システムを備えたフロアパネルを示す図である。
【図4】図4は、二枚のフロアパネルの短縁部を垂直方向重ねによって係止する従来技術の方法を示す図である。
【図5】図5a乃至図5dは、係止中に分離力を発生する短縁部係止システムの実施例を示す図である。
【図6】図6a乃至図6dは、本発明の第1の特徴による実施例を示す図である。
【図7】図7a、図7b、及び図7cは、本発明の第1の特徴による可撓性タングの斜視図である。
【図8】図8a乃至図8dは、本発明の第2の特徴による実施例を示す図である。
【図9】図9a及び図9bは、本発明の第2の特徴の一実施例による変位自在のタングを示す図であり、図9c乃至図9gは、本発明の第3の特徴による実施例を示す図である。
【図10】図10a乃至図10dは、本発明の第3の特徴による実施例を示す図である。
【図11】図11a乃至図11dは、本発明の第1及び第2の特徴による実施例を示す図であり、図11e、図11f、及び11gは、パネルを水平方向スナップ嵌めで連結する上で、本発明の基本的原理を使用する例を示す図である。
【図12】図12a乃至図12dは、本発明の一実施例の縁部区分を示す図である。
【図13】図13a乃至図13fは、一つの好ましい実施例による可撓性タングを持つパネルの設置を示す図である。
【図14】図14a乃至図14hは、可撓性タングの実施例を示す図である。
【図15】図15a乃至図15fは、可撓性タング及び側方への圧力を発生する工具の実施例を示す図である。
【図16】図16a乃至図16eは、タングの連結方法及び製造方法を示す図である。
【図17】図17a乃至図17jは、変位自在のタングの実施例を示す図である。
【図18】図18a乃至図18iは、可撓性で変位自在のタングの実施例を示す図である。
【図19】図19a乃至図19eは、可撓性タングの実施例を示す図である。
【図20】図20a、図20b、及び図20cは、可撓性タングの実施例を示す図である。
【図21】図21a乃至図21dは、可撓性で変位自在のタングの実施例を示す図である。
【図22】図22a及び図22bは、最後の列の設置を示す図である。
【図23】図23a、図23b、及び図23cは、変位自在のタングの実施例を示す図である。
【図24】図24a乃至図24dは、可撓性タングを持つ、曲げ原理によるパネルの設置を示す図である。
【図25】図25a及び図25bは、剛性部分を持つ可撓性タングを示す図である。
【図26】図26a、図26b、及び図26cは、縁部に沿った変位を阻止する手段により縁部に沿った変位を阻止する可撓性タングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1乃至図4及びこれらの図と関連した以下の説明は、公開済の実施例を説明するものであり、これらを使用して本発明の主な原理を説明する。図示の実施例は、単なる例である。
【0054】
機械式係止システム及び可撓性タング30を備えた従来技術のフロアパネル1、1’を図1a乃至図1dを参照して説明する。
【0055】
図1aは、パネル1の短縁部接合縁4aと、これと向き合った第2パネル1’の短縁部接合縁4bとの間の接合部の断面を概略に示す。
【0056】
これらのパネルの前面は、本質的に、共通の水平平面HP内に位置決めされており、接合縁4a及び4bの上部分21、41は、垂直平面VPで互いに当接する。機械式係止システムにより、これらのパネルを、互いに対し、垂直方向D1並びに水平方向D2で係止する。
【0057】
二つの接合縁をD1方向及びD2方向で接合するため、フロアパネルの縁部には、それ自体周知の方法で、係止エレメント8を持つ係止ストリップ6が、下文において「ストリップパネル」と呼ぶ一方の接合縁に設けられている。係止エレメント8は、下文において「重ねパネル」と呼ぶ他方の接合縁に設けられた係止溝14と協働し、水平方向係止を提供する。
【0058】
従来技術の機械式係止システムは、一方の接合縁に形成された変位溝40に固定される別体の可撓性タング30を含む。可撓性タング30は、変位溝40に配置される溝部分P1及び変位溝40の外側に突出する突出部分P2を有する。一方の接合縁に配置された可撓性タング30の突出部分P2は、他方の接合縁に形成されたタング溝20と協働する。
【0059】
図3aは、図3bによるパネルのA−A断面を上方から見た図である。可撓性タング30は、一方の縁部区分に摩擦連結部36を有する。この摩擦連結部は、例えば、局所的な小さな垂直方向突出部として形成されていてもよい。この摩擦連結部は、工場で可撓性タングをフロアパネルと一体化した場合、可撓性タングを、設置中、製造中、包装中、及び輸送中、変位溝40に保持する。
【0060】
図2a及び図2bは、変位溝40の底部に向かう第1変位後の可撓性タング20の位置を示す。この変位は、本質的には、パネルを重ねることによって可撓性タング30をその長さ方向で曲げることによって行われる。重ね中、このような曲げにより分離力が発生する。この分離力により、長縁部が摺動したり短縁部が分離したりする。
【0061】
図4は、垂直方向重ねの一実施例を示す。第1列R1の第1パネル1’’が第2列R2の第2パネル1に連結されている。新たなパネル1’の長縁部5aを第1パネル1’’の長縁部5bに向かって約25°乃至30°の通常の設置角度で移動し、隣接した縁部に押し付け、その長縁部5aを第1パネルの長縁部5bに傾けによって連結する。この傾け作用は、更に、新たなパネル1’の短縁部4bを第2パネル1の短縁部接合縁4aに連結する。重ねパネル1’を、垂直方向移動及び旋回移動の組み合わせにより、垂直平面VPに沿って、及び第2パネル1及び新たなパネル1’の上縁部間を接触させた状態で、ストリップパネル1に係止する。
【0062】
図5a、図5b、及び図5cは、周知の技術に従って短縁部を係止するのに使用できる可撓性タング30の周知の例を示す。図5aは、可撓性スナップタブが下方に延びる状態でストリップパネルに設けられた別体のタング30を示す。図5bは、可撓性スナップタブが変位溝40内に設けられた別体のタングを示す。スナップタブは、上方に延びていてもよいし下方に延びていてもよく、ストリップパネルに設けられていてもよいし重ねパネルに設けられていてもよい。図5cは、図5dに示すように突出部60が設けられた可撓性タング30を示す。これらの突出部は、変位溝40内に配置されていてもよいし、垂直平面からタング溝20内に延びていてもよい。これらの実施例は全て、タングの可撓性部分を変位溝の底部に向かって内方に押圧したとき、分離圧力Pを発生する。これにより短縁部を分離してしまう場合があり、そのために係止システムが損傷したりパネルの設置が不可能になったりする。
【0063】
図6a乃至図6dは、本発明の第1の特徴による係止システムを備えたパネルの実施例を示す。ストリップパネル1は係止エレメント8を備えた係止ストリップ6を有し、可撓性タング31が変位溝40に連結されている。可撓性タング31は、ニージョイント15を有し、プレス係止エレメント18を含む下プレス延長部17が垂直平面VPから本質的に水平方向外方に延びている。ニージョイントは、更に、本質的に垂直方向に延びる係止延長部16を有する。この係止延長部16の上部分には係止部分19が設けられている。重ねパネル1’は、係止エレメント8と協働してパネルを水平方向で係止する係止溝14と、プレス係止溝11とを有する。このプレス係止溝11は、プレス係止エレメント18と協働し、重ねパネル1’と変位自在の係止エレメント31との間の水平方向変位を阻止する。重ねパネル1’は、更に、係止部分19と協働し、パネル1、1’を垂直方向で係止するタング溝20を有する。重ねパネル1’をストリップパネル1に向かって垂直方向下方に、本質的に垂直平面VPに沿って図6b及び図6cに示すように沿って移動したとき、プレス係止エレメント18がプレス係止溝11に係止し、プレス延長部17が下方に曲げられる。最終的には、接合縁21、41の上部分が本質的に同じ垂直平面内にあるとき、係止部分19がタング溝20にスナップ嵌めし、水平方向重ね中に縁部を互いから遠ざかる方向に変位する水平方向圧力なしで、パネル1、1’が垂直方向D1及び水平方向D2で係止される。プレス延長部17の曲げ及び可撓性タング31の可撓性により、プレス延長部17及び係止部分19を係止中に互いから少なくとも僅かに分離できるという重要な特徴が得られ、これにより、上縁部が共通の平面で係止される高品質の係止を行うことができる。本発明による係止システムは、垂直方向スナップシステムである。タングは、垂直方向重ね中、長さ方向で捩じれる。傾けによって連結された長側部に近い縁部(図4の4b1)は、垂直方向重ね中、図6cに示す位置をとり、他方の縁部(図4の4b2)は、図6aに示す位置をとる。プレス延長部17の曲げは、タング31の長さに沿って変化する。0.1mmの数倍程度の小さな曲げであっても、係止機能及び品質を大幅に改善し、隙間即ち垂直方向遊隙を大幅に減少し、好ましくは除外する。
【0064】
図7a、図7b、及び図7cは可撓性タングを示す。図7aは、例えば押出しによって形成されていてもよい可撓性タング31を示す。図7bは、押出し及び機械的形成、例えば打ち抜きや切削の組み合わせによって製造できる実施例を示す。下延長部22の可撓性及び捩じりを高めるため、下延長部22の幾つかの部分が除去してある。このことは、プレス延長部17の長さLPが可撓性タング31に沿って変化するということを意味する。図7cは、射出成形によって形成した別の実施例を示す。係止延長部16及びプレス延長部18には穴24、23が設けられているか或いは断面が薄くなっており、これにより可撓性を高める。これは、変位自在のタングの長さ方向での捩じりを使用し、これらの部分を係止強度をそのままに更に曲げ易くできるためである。このことは、係止部分19の厚さTL、及び/又は係止延長部16の厚さTE、及び/又はプレス延長部17の厚さTPを可撓性タング31に沿って変化してもよいということを意味する。
【0065】
本発明の主な原理内で幾つかの変更を行うことができる。プレス係止エレメント18は、図11a及び図11fに示す実施例と同様に、ストリップ6の上部分に配置された係止溝14’に係止するように、下方に延びる突出部18’を備えていてもよい。大きな係止エレメント8を使用せずに水平方向係止を行ってもよい。これは、材料の無駄が少なくなるため、費用が低くなり、本発明を非常に薄いフローリング、例えば7mmよりも薄い、非常に薄いフローリングで使用できる。プレス延長部17は様々な長さであってもよく、図6dに破線で示すように、係止エレメント8の一部に亘って設けられていてもよいし、係止エレメント8の全体に亘って設けられていてもよい。
【0066】
図8a乃至図8dは、本発明の第2の特徴による実施例を示す。可撓性タング31は内係止解除位置及び外係止位置を有する。可撓性タング31は、例えば可撓性タング部分51による、可撓性タング31を外方に押す予備張力により、変位溝内に固定されたその係止解除位置にある。可撓性タング31に設けられた水平方向タングロック52が変位溝40に設けられた水平方向溝ロック53と協働し、可撓性タング31がその最終係止位置に向かってポンと外れることがないようにする。溝ロックは、様々な角度で形成されていてもよい。例えば、掻き取り工具を使用して高い係止角度を持つ表面を形成してもよい。可撓性タングは、図8b及び図8cに示すように、重ねパネル1’の短縁部の上部分21が可撓性タングの一部を下方に移動して水平方向タングロック52及び水平方向溝ロック53を外したとき、係止部分19が変位溝内に係止した係止位置に向かってポンと外れる。可撓性部分、係止手段、及び解放手段の形状が異なる幾つかの変形例を使用し、可撓性タングの予備張力を発生できる。これは、タングを変位溝に対して係止するため、及び可撓性タングを解放し、その係止位置に向かってポンと外れるようにするためである。可撓性部分は、可撓性タングと同じ材料で形成されていてもよいし、タング又は変位溝に連結された別体の可撓性材料で形成されていてもよい。タングが本質的に一方向に変位するこの種の単スナップ作用では、水平方向分離力は、一般的には存在しない。重ね係止が完全には係止されていないときに予備張力が解放された場合には、分離の問題点が減少する。これは、ストリップパネルの係止エレメント8の一部が重ねパネルの係止溝14内にあり、分離を阻止するためである。これを図8bに示す。
【0067】
図9aは、可撓性タングの一実施例を上方から見た図であり、図9bはパネル縁部から水平平面と平行に見た同じ実施例を示す。突出部51は可撓性部分であり、水平方向及び垂直方向の両方向に延び、従って、可撓性タングを予備張力で係止するため、及び可撓性タングを最終係止位置に変位するため、可撓性タングをこれらの両方向に押圧する。
【0068】
図9c及び図9eは、上文中に説明したのと同じ方法で見た、第1の原理の第3の特徴の一実施例を示す。本質的に水平方向に延びる一つ又はそれ以上の突出部60を持つ変位自在のタングを提供する。これらの突出部は、変位自在のタングを変位溝40に固定された状態に保持する摩擦連結部36を有する。変位自在のタング31は、図9eに示すように、変位自在のタングのプレス縁部32に側方への圧力Pが加わったとき、突出部に設けられた摩擦連結部を中心とした旋回移動で、係止部分19が変位溝内にある状態から変位する。この旋回移動により、更に、変位自在のタングをタング溝20内に変位する。側方への圧力により変位を生じるため、この他の幾つかの変形例を使用してもよい。変位自在のタングは、一つ又は幾つかの別体の楔状エレメントと組み合わせてもよい。これらの楔状エレメントは、タング又は別体のエレメントを側方に変位するとき、変位自在のタングをタング溝内に変位し、押し込むのに使用できる。この他の変形例は、輸送中にタングを変位溝内に保持する部分を持つ変位自在のタングであり、これらの部分は、側方への圧力が加えられたとき、タングから分離されるようになっている。勿論、図3bに示す周知の弓形形状タングを使用してもよい。側方への圧力によりタングが曲がり、突出部分P2がタングの長さ方向に対して垂直方向に変位する。係止部分をタング溝内に変位するため、側方への圧力を使用して垂直方向変位を行う全ての周知の原理を使用できる。本明細書中に示す全ての実施例は、以下の原理に基づく。即ち、
変位を行うため、中央点を中心とした旋回を使用するリンク原理、
二つの楔が互いに当たって摺動する楔原理、及び
部分を弓形形状形態に曲げる曲げ原理。
【0069】
これらの三つの原理を組み合わせてもよく、変位自在のタングは、側方への圧力を垂直方向変位に変換するため、リンク原理、楔原理ポスト曲げ原理を使用する部分を備えていてもよい。これは、タングの部分を溝内に移動するため、及びフロアボードを垂直方向又は水平方向で係止するためである。
【0070】
本発明のこの第3の特徴により、変位自在のタングの全ての部分を剛性に形成できるという利点が得られる。しかしながら、幾つかの実施例では、可撓性タング又は可撓性部分が好ましい。
【0071】
図9fは、第1パネル1’’に連結された第2パネル1の長縁部5bのところでプレス縁部32が露呈された実施例を示す。新たなパネル1’は、傾けによって第1パネル1’’の長縁部に連結され、第2パネル1及び新たなパネル1’の短縁部4a、4bが同じ平面内にあるように、下張り床に平らに設置される。次に、図9gに示すように、第3パネル1aを第2パネル1及び新たなパネル1’の長縁部5bに傾けによって連結でき、プレス縁部32を第2パネル1の短縁部に沿って、例えば第3パネル1aのタング10によって、内方に押圧できる。変位自在のタング31は、次いで、短縁部に沿って新たなパネル1’のタング溝20内に変位し、第2パネル1及び新たなパネル1’を水平方向で係止し、縁部が係止中に分離する危険をなくす。この設置方法及び係止システムを図10a乃至図10dを参照して更に詳細に説明する。図10aは、長縁部の傾け中、タング10が縁部区分32を短縁部に沿った方向にどのように押圧するのかを示す。図10bは、変位自在のタングがその最終的な係止位置にある係止位置を示す。タングは、係止中、プレス縁部に対して大きな圧力を発生し、短縁部を、垂直方向で、互いに対してしっかりと係止できる。図10cは、第2パネル1及び新たなパネル1’の短縁部を垂直方向で係止する前の第2パネル1及び新たなパネル1’の位置を示し、図10dは、第3パネル1aのタングによって、変位自在のタング31をその最終的な係止位置まで変位した係止位置を示す。
【0072】
設置中、設置者(installer) が、第3パネルの傾けによってでなく例えば工具によってプレス縁部に加えた圧力によりタングを変位できるということは明らかである。更に、設置中、変位自在のタングをパネルの縁部に連結できるということもまた明らかである。
【0073】
本発明は、長縁部に傾け係止システムを備えており且つ短縁部に変位自在のタングを備えたフロアパネルの設置方法を含む。この方法は、
第2列R2の第2パネル1及び新たなパネル1’の短縁部が接触状態にあり、本質的に同じ平面内にあるように、第2パネル1及び新たなパネル1’の長縁部を第1列R1の第1パネル1’’の長縁部に連結する工程を含む。
【0074】
第3列R3の第3パネル1aを傾けによって第2パネル1及び新たなパネル1’の長縁部に連結し、これによって、第2パネル1及び新たなパネル1’の短縁部の変位自在のタングを変位し、これらの短縁部を垂直方向及び水平方向で係止する。
【0075】
本発明は、長縁部に傾け係止システムを備えており且つ短縁部に可撓性タングを備えたフロアパネルを図10d及び図10cに示すように分離する方法を含む。可撓性タング30は可撓性であり、側方への圧力Pを解放したとき、例えば図14f、図14g、及び図14hに示すように初期非係止位置に戻る。パネルの設置及び係止は、図10dに示すように行われる。以下の工程を含むこの方法を図10cを参照して説明する。
【0076】
この方法は、
1.第3列R3の第3パネル1aの長縁部5aを第2列R2の第2パネル1及び新たなパネル1’の長縁部5bから外し、第3パネル1aを下張り床から遠ざかるように傾けて起こすことによって、第2列R2の新たなパネル1’と第2パネル1との間で可撓性タング30及び垂直方向係止システムを外す工程。
2.新たなパネル1’を傾けて起こすことによって、新たなパネル1’を第1列R1の第1パネル1’’の長縁部5bから、及び第2パネル1の短縁部4aから外す。
【0077】
リンク原理、楔原理、及び曲げ原理の三つの原理は全て、可逆的である。
【0078】
図11a乃至図11dは、変位自在のタング及び可撓性タングの全ての実施例を、これらの実施例を重ねパネルの向き合った短縁部に別の態様で連結できるように調節できるということを示す例である。変位自在のタング31は、図9fに示すように、第2ストリップパネル1に対して重ねた新たなパネル1’の変位溝に連結できるということが添付図面から明らかである。図11aは、ストリップ6の上部分に配置された係止溝14’内に係止する下方に延びるプレス係止エレメント18’がプレス延長部17に設けられていてもよいということを示す。破線は、ストリップが比較的短くてもよいということを示す。
【0079】
図11e、図11f、及び図11gは、変位自在のタングの基本的原理及びその機能及び形状を、フロアパネルを本質的に水平方向の一回のスナップ作用で垂直方向で連結するのに使用できる一例である。この実施例は、可撓性係止エレメント61を示す。この可撓性係止エレメントは、予備張力が加わった状態で溝に固定されており、一方のパネル縁部を他方のパネル縁部に対して水平方向に変位するときに解放される。垂直方向重ねについて示したのと同じ原理に従ってパネルを水平方向に連結し、連結解除する上で、上文中に説明したパネル係止原理及びパネル連結解除原理による全ての図示の実施例を使用できる。図示の可撓性タング又は変位自在のタングは、全て、係止溝14内に水平方向にではなく垂直方向に変位できる可撓性又は変位自在の係止エレメント61として使用できるということは明らかである。新たなパネルをこの原理に従って連結できる。新たなパネルを水平方向に変位し、第1列の第1パネルに係止する。これは、図11e及び図11fに示すように、好ましくは、連結された長縁部に沿って、新たなパネル及び第2パネルの上縁部が接触し、タング10が溝9内にあるまで行われる。変位自在の係止エレメント61は、例えば、新たなパネル1’及び第2パネル1の長縁部に対して傾けた第3パネル1aによって垂直方向に変位できる。第3パネル1aを変位自在の係止エレメント61のプレス延長部に押し付け、係止エレメント61の一部を垂直方向に変位する。例えば、圧力が解放されたとき、係止エレメント61を、その非係止位置にばね作用で戻すことができる。これにより、短縁部から遠ざかる方向に逆方向に水平方向に変位することによってパネルを解放できる。リンク原理、楔原理、及び曲げ原理に基づく垂直方向変位を使用して水平方向に係止できるということは明らかである。本発明のこの第3の原理は、第1原理と組み合わせることもできる。縁部は、変位自在のタング及び変位自在の係止エレメントを備えていてもよい。係止エレメント61は、タング10の下部分10bに設けられていてもよいし、上部分10aに設けられていてもよく、係止溝14はストリップ6の内部分に設けられていてもよいし上リップに設けられていてもよい。上リップ9aの係止溝に設けられたこのようなアンダーカットは、例えば掻き取りによって形成できる。
【0080】
従って、本発明は、第3の原理によれば、一組の本質的に同じフロアパネルを含み、これらのフロアパネルの各々は、第1及び第2のコネクタがフロアパネルと一体に設けられた、隣接した縁部を垂直方向及び水平方向で連結するように形成された一対の両縁部を含む。第1及び第2のコネクタの少なくとも一方が、パネルと一体化された、非係止位置で変位溝に連結された別体の係止エレメントを含む。別体の係止エレメントは、二つの隣接した縁部を垂直方向及び/又は水平方向に係止するため、内非係止位置から外係止位置まで水平方向又は垂直方向に一方向だけに変位するように形成されている。
【0081】
このような実施例は設置を容易にする。これは、垂直方向又は水平方向スナップ作用を行うために係止エレメントを変位溝に押し込むために越えなければならない圧縮力がないためである。
【0082】
本発明の全ての実施例は、長縁部及び/又は短縁部で、又はストリップパネル及び/又は溝パネルで使用できる。本発明は、隣接した縁部の両方にタングを設けることを除外せず、幾つかのタングを同じ縁部に側部と側部とを向き合わせて又は互いに上下に重ねて配置することを除外しない。本発明の第1及び第2の特徴による図示の係止システムは、例えばこれらのシステムを傾け及び/又はスナップ嵌めによって連結できるように形成できる。本発明の第3の特徴による係止システムは、長縁部の水平方向スナップ嵌めによって係止でき、これによって、長縁部の水平方向スナップ嵌め中に、例えば長縁部のタングを変位自在のタングのプレス縁部に押し付けることができる。全ての実施例は、上方への傾けによって連結解除を可能にする形状を備えていてもよい。パネルは、垂直でない縁部を備えていてもよく、四つ以上の縁部を備えていてもよく、例えば縁部の数は、五個、六個、八個、場合によっては最大十二個であってもよい。
【0083】
図12a乃至図12dは、変位自在のタング31の縁部区分を示す。図12aは、変位溝40内に連結する前の変位自在のタングを示す。水平方向突出部60は、この実施例では摩擦連結部36を有し、変位自在のタングの長さ方向に対して約50°乃至60°の角度をなしている。図12bは、変位溝40へのタングの連結中の変位自在のタング31の初期連結状態を示す。水平方向突出部60は、例えば35°乃至40°の比較的小さな角度まで曲げられている。図12cは、接合縁に沿った変位自在のタングの変位を示す。この変位により、変位自在のタングを長さ方向で短縁部に沿って正しい位置に、及びパネルの長縁部に関して所定の位置に変位できる。この変位により、プレス縁部32を正しい位置に置き、製造許容差をなくす。高品質の係止を行うには、好ましくは許容差が1mm以下の高い精度で、変位自在のタング及びプレス縁部32を位置決めすることが必要とされる。図12dは、変位自在のタング31を係止方向LDに、変位自在のタング31の長さ方向と平行に加えられた側方への圧力Pに対して垂直方向に変位させる方法を示す。水平方向突出部60は、この位置では、約70°乃至75°の角度をとる。水平方向突出部60は、本質的に、円Cに沿って曲がる。これは、係止方向へのプレス力Pが、プレス方向PDでの係止力よりもかなり高いため、有利である。これにより強い垂直方向係止を発生し、パネルの短縁部が様々な方向に僅かに湾曲した場合でも、短縁部を同じ平面内で所定の位置に押圧する。図12dは、プレス縁部32が可撓性であり且つ曲げることができるということを示す。これは一つの利点であり、変位自在のタング及び係止システムの位置及び形状と関連した製造許容差をなくす。変位自在のタングは、予備張力が加わった状態でタング溝40内に係止できる。
【0084】
図13a乃至図13eは、非常に簡単な構成要素、好ましくは押出し又は型成形によって形成した、本質的に矩形の断面を持つプラスチック形材で形成された変位自在のタングの機能を示す。図13aは、連結前の第1パネル1’’及び第2パネル1を示す。図13bは、第2パネル1の短縁部4aの断面を示す。図13cは、連結状態のパネルを示す。変位自在のタングは、変位溝40内にある。図13dは、新たなパネル1’(図13cには示してない)を垂直方向上下に移動でき、新たなパネル1’及び第1パネル1’’の長縁部を上下に傾けるのを妨げる垂直方向連結がないことを示す。説明を簡単にする目的で、図13eは新たなパネル1’なしで示してある。第3パネル1aを第2パネル1に連結することにより、一つの縁部区分Es1を第1パネル1’’の縁部に向かって押し、好ましくは、長縁部タング溝9の内部分に押し付け、別の縁部区分Es2、この実施例ではプレス縁部32を第3パネル1aの縁部に押し付け、好ましくは長縁部タング10に押し付ける。変位自在のタング31は、水平平面内で長さ方向に曲がる。図13fに示すように、一部がタング溝20内に変位する。変位自在のタング31は、第3パネル1aを連結解除すると、図13cに示す初期位置に戻り、縁部区分Es1及びEs2に作用する圧力が解放される。これにより、新たなパネル1’を、傾けて起こす作用によって連結解除できる。垂直方向重ねによる係止及び傾けて起こすことによる連結解除は、好ましくは、垂直平面VPに沿って、新たなパネル及び第2パネルの上縁部が接触した状態で行われる。曲げ及び変位は、好ましくは、側方への圧力が加えられる区分Es2とは反対側の縁部区分Es1で顕著である。これにより、接合部の長さ方向での摩擦力が減少し、タング溝への垂直方向力が高くなるため、係止が更に強固に行われる。これは、曲げを縁部区分Es2で開始でき、プレス区分Es2に向かって徐々に増大するということを意味する。タングは、中央区分の主部がタング溝と平行であるように、係止位置を得ることができる。周知の技術と比較した主な利点は、係止の最終段階で、初期段階におけるよりもかなり大きな圧力が得られるということである。これは、縁部を強い予備張力で係止するのに使用できる。タングが内位置にある場合にタング圧力がその最大値にある周知の係止システムではこれとは逆である。図13fに示すように、変位溝40の下部分が、係止エレメントの上側よりも上方の平面内に形成されているのが有利である。
【0085】
図14a及び図14bは、変位自在のタング31が非係止位置で長さ方向に沿って水平方向に僅かに曲がっている場合に変位自在のタング31の曲げを容易にできるということを示す。
【0086】
図14cは変位自在のタング31を示す。これは、この場合には、長さ方向で曲げることができるため、可撓性タングでもある。輸送中及び設置中にタングを変位溝内に保持する少なくとも一つの摩擦連結部のところに、簡単な矩形断面を有する。タングは、長さがLであり、幅がWである。図14dは、パネルの主平面と平行な水平平面内で水平方向に僅かに曲げられた変位自在のタング31を示す。これは、曲げ及び変位を更に容易にする。図14eは、摩擦連結部の代わりに、水平平面に対して垂直方向に僅かに曲げた変位自在のタングを使用できるということを示す。何らかの特殊な摩擦連結部や曲げ形態なしでタングを変位溝に連結できるということは明らかである。きつく嵌着するので十分である。接着剤は用いない。これらの実施例は全て、組み合わせることができる。タングは、例えば、垂直方向及び水平方向で僅かに曲げられているように製造できる。これらのタングは全て、好ましくは、プラスチック材料で、射出成形によって、押出しによって、又は単にシート状プラスチック材料の打ち抜きによって形成されていてもよい。
【0087】
図14f、図14g、及び図14hは、変位自在のタングを形成するための別の原理を示す。タングは、その長さLに沿った中央区分S1の幅が縁部区分Es1、ES2に近い部分よりも小さくなっている。これにより曲げが容易になる。図14g及び図14hは、側方への圧力Pが加わったとき及びこの圧力が解放されたときの曲げを示す。
【0088】
図15a、図15b、及び図15cは、可撓性縁部区分Es1、ES2を持つ変位自在の可撓性タング31の一実施例を示す。可撓性縁部区分Es1、ES2により、タングの主部を変位でき、短縁部の長さの本質的に大部分に亘って垂直方向係止エレメント19が設けられている。
【0089】
図15d及び図15eは、図15a、図15b、及び図15cによる可撓性縁部区分及び図14bによる曲げを組み合わせることができるということを示す。
【0090】
図15fは、変位自在のタングを、側方への圧力を発生する工具によって変位できるということを示す。
【0091】
図16a乃至図16dは、別体のタング又は任意の同様の緩いエレメントの連結を示す。変位自在のタング31は、好ましくはタングの一方の縁部を連結するプッシャによって縁部の溝40に連結される。図16bは、圧力ホイールPWを使用して変位自在のタング31を溝40に連結できるということを示す。図16dは、位置決めデバイスPDを使用してタングを長縁部に関して位置決めできるということを示す。これは、ラインで連続フローで行うことができる。
【0092】
図16eは、変位自在の又は可撓性のタング31を、タングブランクTBから、例えば押出し形材から形成する方法を示す。押出しによって形成したタングブランクTBからタングを形成し、これらのタングを分離するため、押出し形材を打ち抜く。例えば打ち抜きや熱によって摩擦連結部を形成してもよい。
【0093】
図17a乃至図17jは、本発明による可撓性で変位自在のタング31の実施例を示す。図17a及び図17bは、幅Wの方向で互いから分離された二つの部分が中央区分に設けられた可撓性タング30を示す。図17c、図17d、及び図17eは、可撓性タング30の長さLに沿って幅Wが変化するタングを示す。
【0094】
図14a乃至図14h、図15a乃至図15e、及び図17a乃至図17eは、全て、曲げ原理に基づく実施例の例である。
【0095】
図17f及び図17gは、側方への圧力Pが加えられたとき、幅W方向に互いから変位し、分離する、協働楔70を持つ二つの部分31a、31bを含む変位自在のダブルタングを提供する楔原理を示す。
【0096】
図17h、図17i、及び図17jは、二つの部分31a、31bが連結されたダブルタングの縁部区分を示す。図17hは、このようなダブルタングの製造方法及び図17iに示すように連結した場合に互いに重ねる方法を示す。側方へ圧力Pが加わったとき、二つの部分を連結する連結部62が曲がってもよく、膨張してもよく、圧縮されてもよく、又は一方の部分から分離してもよい。
【0097】
図18a、図18b、及び図18cは、リンク原理による変位自在のタング31の一実施例を示す。このタングは幾つかの垂直方向突出部60を有し、これらの突出部は、溝40へのタングの連結中(図18b参照)及び変位中(図18c参照)、中央点を中心として回転する。突出部は曲げることができ、永久的に回転させてあってもよいし、側方への圧力が解放されたとき、初期非係止位置に少なくとも部分的に戻ることができるように可撓性であってもよい。
【0098】
図18dは、本質的に矩形断面を持つ押出し形材のブランクTBを示す。このブランクは、図18eに示すように、一つ又はそれ以上の摩擦連結部36を含む。
【0099】
図18f乃至図18iに示す、リンク原理に基づく実施例は、一つ又は幾つかの水平方向突出部を持ち、摩擦連結部が設けられた比較的複雑な形態を打ち抜き及び/又は押出し形材製のブランクの形成によって得るための方法を示す。
【0100】
図18h及び図18iは、側方への圧力、及び水平方向突出部を持つタング又は湾曲するタングによる、タング溝内への水平方向変位を行うための原理を組み合わせることができるということを示す。図示のタング31の変位は、部分的には、リンク原理による垂直方向突出部60により、及び部分的には曲げ原理により変位がなされる弓形形状部分により行われる。
【0101】
図1乃至図5と関連して説明した周知の技術を、本発明の実施例と組み合わせることができる。例えば図5に示すように、垂直方向重ね中に可撓性タングの部分を変位溝に押し込むことができる。この部分は、後に、タング溝内にポンと戻る。その後、側方への圧力を加えることができ、本発明の原理に従って最終的な比較的強い係止が得られる。図示のように及び図11e、図11f、及び図11gと関連して説明したように水平方向で係止する可撓性係止エレメントに関してこのような組み合わせを行ってもよい。
【0102】
図19aは、予備張力原理の一実施例を示す。この図では、可撓性タング30の二つの部分が、予備張力が作用した状態で、互いにフック63によって連結されている。図19bは、フック63によって予備張力を解放した場合のタング31を示す。
【0103】
図19c、図19d、及び図19eは、重ねパネル1’の縁部によって生ぜしめられた垂直方向圧力によってこのフックを解放でき、その結果、タング30の部分がばね作用でタング溝に入るということを示す。
【0104】
図20a及び図20bは予備張力原理の一実施例を示す。ここでは、タング30の内部分が可撓性であり、フック63により予備張力が解放されたとき、剛性外部分をタング溝に押し込む。可撓性は、可撓性キャビティ72によって得られる。
【0105】
図20cは、射出成形により形成した可撓性タング30を示す。ここでは、変位は予備張力原理に基づいて行われ、垂直方向重ね中、幾つかのフック63が予備張力を徐々に解放する。タング30の部分は、タング溝内に徐々に変位する。このような可撓性タングは、フック63なしで、及び二回作用原理でフロアボードを係止するのに使用できるということは明らかである。この場合、タングの部分は、垂直方向重ねと関連した、図1乃至図4と関連して説明した周知の原理に従って変位溝内に徐々に変位し、タング溝内に再び戻る。内溝区分の実質的に剛性の部分73を、変位溝に、強い摩擦で又は予備張力で永久的に連結できる。又は、別の態様では、溝に接着できる。タングは、幾つかの可撓性キャビティ区分72を備えていてもよい。これらの区分は、片側又は両側が剛性部分73に−一方が変位溝の内部分に及び一方が外部分に−連結され、これがタング溝内に係止する。
【0106】
更に、可撓性タングは、例えば、これらのタングを圧縮できるように、及び垂直方向重ね中に可撓性タングの一部を長さ方向で曲げる図1乃至図4を参照して説明した原理に従ってフロアボードを係止するのにこれらのタングを使用できるように、図17b、図19b、及び図20bの実施例に従って形成されていてもよいということは明らかである。タング30は、図20bに示すように、可撓性内部分72と、剛性外部分73とを有し、垂直方向重ね中に可撓性部分72が図20aに示す状態まで圧縮されるとき、タング溝内に係止する。タング30は、勿論、このような可撓性区分72をその長さに沿って幾つか備えていてもよい。これらの可撓性区分は、タングの長さ方向で曲げられ、そして圧縮される。このような原理を図25a及び図25bに示す。
【0107】
図21aは、楔原理による実施例を示す。この図では、溝40内への変位中に楔部分70を変位自在のタングから分離する。図21bは、変位中に幾つかの部分が分離されるタング31を示す。
【0108】
図21cは、射出成形により形成した、幾つかの水平方向突出部60を備えた、リンク原理によるタング31を示す。タングの厚さ及び幅は長さに沿って変化している。
【0109】
図21dは、曲げ原理に従って変位できる幾つかの弓形形状部分を含むタング30を示す。
【0110】
図22a及び図22bは、タング30が、例えば曲げ原理に従って形成された場合の、壁に近い最後の列を係止する方法を示す。タング30の外部分を簡単な工具で側方に変位する。この方法は、第1列にも使用できる。変形例では、タングを変位するため、ニードル状工具を変位溝に挿入してもよい。一方の縁部の摩擦連結部等を使用して第1列を全ての他のパネルについて行われたのと同じ方法で係止する。楔原理及びリンク原理による実施例の多くは、第1列で、他の列について行われたのと同じ方法で変位できる。
【0111】
図23a、図23b、及び図23cは、互いに重ねられた二つの部分31a、31bを含む楔原理による実施例を示す。これらの部分31a、31bは、一つ又は幾つかの楔フック77で一つの構成要素に連結されている。変位、製造許容差、及び圧力は、湾曲した及び/又は可撓性の楔70a、70b、及び係止部分78a、78bによって非常に正確に制御できる。係止部分78a、78bは、接合部に沿って係止し、タング溝内に制御下で容易に変位するように互いに協働する。好ましくは射出成形により、複雑な、先進の、及び対費用効果に優れた特徴を得ることができる。好ましい実施例では、二つの部分は同じ金型で製造される。
【0112】
図示の実施例は単なる例である。図示の実施例及び一般的に周知の原理の組み合わせにより、「限定のない」数の変形例を提供できる。
【0113】
図24a乃至図24dは、この場合に木製フローリングであるフロアボードの係止を示す。変位は、曲げ原理に従って行われる。タング30は、この実施例では、長縁部タング溝9の外側に僅かに突出するようにフロアボードに固定されている。可撓性タング30がタング溝10の内部分と接触するとき、図24bに示すように、接合部に沿って変位する。第3パネル1aは傾けによって連結され、そのタング10は可撓性タング30のプレス縁部32に押し付けられる。図24dは、タング31の一方の縁部区分Es1が第1パネル1’’の長縁部タング溝9の内部分と接触し、他方の縁部区分Es2が第3パネル1aのタング10の先端と接触した状態でタング31を圧縮する方法を示す。曲げ原理により、フローリングを両方向で、長縁部タング部分をストリップ上に、又は長縁部ストリップをタングの下に設置できる。約0.5mmの圧縮により、タングを約2mm曲げることになる。可撓性タング30についての製造許容差が0.1mmの数倍程度である場合、フロアボード1、タング10、及び溝9の機械加工について高品質の係止を得ることができる。これは、主として、ファイバの圧縮のためであり、及び接合部に沿った圧力及び変位が増大する場合に弓形形状形態が直線状に変化するためである。
【0114】
図25aは、垂直方向重ね中にタングを縁部によって内方に変位する場合の周知の原理による、垂直方向重ねによってフロアボードを係止するのに使用できる可撓性タングの新たな実施例を示す。変位は、圧縮及び曲げが可能な可撓性キャビティ72によって生じる。図25aは、可撓性タング30の外係止位置を示し、図25bは、内圧縮非係止位置を示す。タングは、この実施例では、可撓性部分72が初期位置に向かってポンと戻るとき、タング溝内に係止する剛性外方部分73を有する。勿論、可撓性タング30には、タングの長さ方向で曲がったり圧縮したりするこのような可撓性キャビティ区分72が、その長さに沿って、幾つか設けられている。
【0115】
図26aは、側方への圧力が加わったときにタングが接合部に沿って変位しないようにするため、変位自在のタングを位置決めし固定するのに使用できる実施例を示す。この実施例により、第1列の同様のパネルをタングの曲げによって係止できる。変位自在のタングは、例えば長縁部タング溝9の内部分に係止する側フック79を有する。この側フックは、延長部80を介して、プレス縁部32とは反対側のタングの縁部区分Es1に連結されている。この側フック79は、タング30及びプレス縁部32を長縁部に当たった正しい位置に位置決めするのにも使用される。図26bは、側方への圧力Pが加わったときの曲げを示す。側フック及び位置決めエレメントは、上述の摩擦連結部に対する変形例として、両長縁部に適用できる。側フックは、例えば、長縁部の係止溝に適用してもよい。
【0116】
図26cは、縁部に沿った変位を阻止する摩擦連結部36を持つ実施例を示す。タングの部分を縁部に接着してもよい。プレス縁部は、長縁部の溝に沿って延びる固定突出部81を有する。この突出部は、ラメラ間の空間を覆うため、及びタング部分が常にプレス縁部に押し付けられるようにするため、例えば、ラメラコアを持つ木製フロアで使用できる。
【0117】
楔原理によるタングの変位は、一つ又は幾つかの部分が楔状に形成された変位溝によっても行われる。このことは、変位溝の深さ及び/又は厚さが縁部の長さに沿って変化するということを意味する。
【符号の説明】
【0118】
1 第2パネル
1’ 新たなパネル
1’’ 第1パネル
4a 短縁部接合縁
4b 短縁部
5a、5b 長縁部
6 係止ストリップ
8 係止エレメント
11 プレス係止溝
14 係止溝
15 ニージョイント
16 係止延長部
17 下プレス延長部
18 プレス係止エレメント
19 係止部分
20 タング溝
21 接合縁
30 可撓性タング
31 可撓性タング
40 変位溝
41 接合縁
60 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別体の可撓性タング(30)を含む係止システムを備えたフロアパネル(1、1’)の組であって、前記可撓性タング(30)は、フロアパネルの縁部(4a、4b)を同様のパネルの隣接した縁部に対して垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部に組込まれている、フロアパネルの組において、
前記可撓性タング(30)の少なくとも一部が、本質的に水平方向に及び初期位置から最終外係止位置まで本質的に一方向だけに変位するように形成されており、
前記タングは、係止中、接合部に沿って捩じられるように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項2】
請求項1に記載のフロアパネルの組において、
前記フロアパネルには、これらのフロアパネルと一体化されており且つ隣接した縁部に連結されるように形成された第1及び第2のコネクタ(9、10、6、8、14、20、31)が設けられており、
第1コネクタは、隣接した縁部を、これらの隣接した縁部に対して垂直な水平方向D2で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた、上方に差し向けられた係止エレメント(8)を持つ係止ストリップ(6)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた下方に開放した係止溝(14)とを含み、
第2コネクタは、前記隣接した縁部を垂直方向D1で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた可撓性タング(10、31)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた水平方向に開放したタング溝(9、20)とを含み、
前記コネクタは、傾け又は垂直方向移動によって係止されるように形成されており、
前記可撓性タング(31)の係止部分(19)が、初期内方位置において、パネルの縁部に設けられた変位溝(40)内に配置されており、
前記係止部分は、別の隣接したパネルのタング溝(20)内で、本質的に水平方向に、及び初期位置から最終外方位置まで本質的に一方向だけに変位するように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項3】
請求項2に記載のフロアパネルの組において、
前記可撓性タング(30)は、縁部に沿った傾けが、別の縁部での前記係止部分(19)の変位をトリガーするように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項4】
請求項3に記載のフロアパネルの組において、
前記可撓性タング(30)はひざジョイント(15)を有し、このニージョイントからプレス延長部(17)が本質的に水平方向に延びており、係止延長部(16)が本質的に垂直方向上方に延びており、係止部分(19)が前記ひざジョイントの上方の上部分に設けられている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項5】
請求項4に記載のフロアパネルの組において、
前記可撓性タング(30)は、パネルの隣接した縁部を垂直方向に前記プレス延長部(16)に押し付けることにより、前記係止部分を変位するように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項6】
別体の可撓性タング(30)を含む係止システムを備えたフロアパネル(1、1’)の組であって、前記可撓性タング(30)は、フロアパネルの縁部(4a、4b)を同様のパネルの隣接した縁部に対して垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部に組込まれている、フロアパネルの組において、
前記可撓性タングは予備張力が加わった部分を含み、前記係止システムは、隣接した縁部によって係止がトリガーされ、前記予備張力が解放されるように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項7】
請求項6に記載のフロアパネルの組において、
前記フロアパネルには、これらのフロアパネルと一体化されており且つ隣接した縁部に連結されるように形成された第1及び第2のコネクタ(9、10、6、8、14、20、31)が設けられており、
第1コネクタは、隣接した縁部を、これらの隣接した縁部に対して垂直な水平方向D2で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた、上方に差し向けられた係止エレメント(8)を持つ係止ストリップ(6)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた下方に開放した係止溝(14)とを含み、
第2コネクタは、前記隣接した縁部を垂直方向D1で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた可撓性タング(10、31)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた水平方向に開放したタング溝(9、20)とを含み、
前記コネクタは、傾け又は垂直方向移動によって係止されるように形成されており、
タング(31)の係止部分(19)が、初期内方位置において、パネルの縁部に設けられた変位溝(40)内に配置されており、
前記係止部分は、別の隣接したパネルのタング溝(20)内で、本質的に水平方向に、及び初期位置から最終外方位置まで本質的に一方向だけに変位するように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項8】
請求項7に記載のフロアパネルの組において、
前記係止部分を含む前記可撓性タング(30)は、予備張力が加わった状態で前記変位溝(40)に配置される、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項9】
請求項6に記載のフロアパネルの組において、
前記可撓性タング(30)は、パネルの隣接した縁部を前記係止部分(19)に垂直方向に押し付けたとき、前記予備張力が解放されるように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項10】
別体の変位自在のタング(31)を含む係止システムを備えたフロアパネル(1、1’)の組であって、前記変位自在のタングは、フロアパネルの縁部(4a、4b)を同様のパネルの隣接した縁部に対して垂直方向で連結するため、フロアパネルの縁部に組込まれている、フロアパネルの組において、
前記変位自在のタング(31)の少なくとも一部が変位され、前記変位自在のタング(31)の縁部区分に本質的に縁部(4a、4b)に沿って加えられた側方への圧力(P)によって係止を行う、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項11】
請求項10に記載のフロアパネルの組において、
前記パネルには、前記フロアパネルと一体化されており且つ隣接した縁部に連結されるように形成された第1及び第2のコネクタ(9、10、6、8、14、20、31)が設けられており、
第1コネクタは、隣接した縁部を、これらの隣接した縁部に対して垂直な水平方向D2で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた、上方に差し向けられた係止エレメント(8)を持つ係止ストリップ(6)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた下方に開放した係止溝(14)とを含み、
第2コネクタは、前記隣接した縁部を垂直方向D1で連結するため、フロアパネルの縁部に設けられた可撓性タング(10、31)と、別のフロアパネルの隣接した縁部に設けられた水平方向に開放したタング溝(9、20)とを含み、
前記コネクタは、傾け又は垂直方向移動によって係止されるように形成されており、
前記変位自在のタング(31)の係止部分(19)が、初期内方位置において、パネルの縁部に設けられた変位溝(40)内に配置されており、
前記係止部分は、前記変位自在のタングの長さ方向に差し向けられた側方への圧力(P)によって、別の隣接したパネルのタング溝(20)内で、本質的に水平方向に、及び初期非係止位置から最終外方係止位置まで本質的に一方向だけに変位するように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項12】
請求項11に記載のフロアパネルの組において、
第1列のパネルの前記変位自在のタング(31)は、前記係止部分(19)の変位が第2列のパネルの縁部によって行われるように形成されている、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項13】
請求項12又は14に記載のフロアパネルの組において、
前記変位自在のタングは可撓性であり、
前記タング(31)の一部が前記タング(31)の長さ方向(L)で湾曲している、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のフロアパネルの組において、
前記タング(31)の幅(W)は前記長さ方向(L)で変化する、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項15】
請求項10に記載のフロアパネルの組において、
前記変位は曲げ原理によって行われる、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項16】
請求項10に記載のフロアパネルの組において、
前記変位はリンク原理によって行われる、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項17】
請求項10に記載のフロアパネルの組において、
前記変位は楔原理によって行われる、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項18】
機械式傾け係止システムが長縁部(5a、5b)に設けられており且つ変位自在のタング(31)を含む機械式係止システムが短縁部(4a、4b)に設けられたフロアパネルを設置する方法において、
a)第2列(R2)の第2パネル(1)及び新たなパネル(1’)の長縁部を、前記第2列(R2)の前記第2パネル(1)及び前記新たなパネル(1’)の隣接した短縁部(4a、4b)が接触し且つ本質的に同じ平面にあるように、第1列(R1)の第1パネル(1’’)の長縁部に傾けによって連結する工程と、
b)第3列(R3)の第3パネルを前記第2パネル及び前記新たなパネルの前記長縁部に傾けで連結し、これによって、前記隣接した短縁部が垂直方向で係止するように、前記隣接した短縁部に設けられた変位自在のタング(31)の係止部分(19)を変位させてタング溝(20)内に入れる工程とを含む、ことを特徴とするフロアパネル設置方法。
【請求項19】
請求項18に記載のフロアパネル設置方法において、
前記係止部分は、前記第3パネルの前記長縁部によって変位される、ことを特徴とするフロアパネル設置方法。
【請求項20】
傾け係止システムが長縁部(5a、5b)に設けられており且つ可撓性タング(30)が短縁部(4a、4b)に設けられたフロアパネルを連結解除するための方法において、
前記第3パネル(1a)を下張り床から遠ざかる方向に上方に傾けることによって、第3列の第3パネル(1a)の前記長縁部(5a)を第2列の第2パネル(1)及び新たなパネル(1’)の長縁部(5b)から連結解除し、可撓性タング(30)及び、第2列の新たなパネル(1’)と第2パネル(1)との間の垂直方向係止を連結解除する工程と、
前記新たなパネル(1’)を上方に傾けることによって、新たなパネル(1’)を、第1列の第1パネル(1’’)の前記長縁部(5b)から、及び前記第2パネル(1)の前記短縁部(4a)から連結解除する工程とを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項21】
フロアパネルの縁部(4a、4b)を同様のパネルの隣接した縁部(4a、4b)に水平方向で連結するため、別体の変位自在の係止エレメント(61)がフロアパネルの縁部(4a、4b)に組込まれた係止システムを含む、フロアパネルの組において、
前記変位自在の係止エレメント(61)の少なくとも一部を変位し、
前記変位自在の係止エレメント(61)の縁部区分に、本質的に前記縁部に沿って加えられた側方への圧力(P)によって、前記係止を行う、ことを特徴とするフロアパネルの組。
【請求項22】
長さ方向(L)を持ち、フロアパネル(1、1’)の縁部(4a、4b)に組込まれるように形成された、フロアパネルを垂直方向及び水平方向で係止するための可撓性タング(30)において、
前記可撓性タング(30)は、前記長さ方向(L)に延びる本質的に剛性の部分(73)と、前記剛性部分に設けられた、キャビティ(72)を含む少なくとも一つの可撓性部分とを含む、ことを特徴とする可撓性タング(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−15012(P2013−15012A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210884(P2012−210884)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2009−540198(P2009−540198)の分割
【原出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【出願人】(504033441)ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ (17)
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
【Fターム(参考)】