説明

フロアマットの敷設方法

【課題】周縁部の立ち上がり部の倒れを防止することができるフロアマットの敷設方法を提供する。
【解決手段】平坦部2と、この平坦部2の周縁部の少なくとも一部が平坦部2から立ち上がって形成された立ち上がり部3とを有するフロアマットにおいて、立ち上がり部3の外側に、下方に向かう延長部5を形成し、この延長部5が平坦部2の近傍まで形成されている。複数のフロアマット1,1の延長部5,5同士を隣接するように配置すると共に、延長部5,5同士を接するように敷設する。立ち上がり部3と延長部5の組み合わせにより、フロアマット周縁部の立ち上がり部3の変形が防止され、フロアマット1内に溜まった水、ゴミ、砂などの外部流出を防止できる。また、相互の立ち上がり部3における倒れ防止がより強化できると共に車内にコンパクトに装着できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けるフロアマットの敷設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両キャビネット内においては、フロアの汚れを予防するため、フロアマットが敷設されている。
【0003】
そのフロアマットには各種タイプのものがあり、例えば周縁部が立ち上がったトレイ状のフロアマットが知られている。
【0004】
しかし、この種のトレイ状のフロアマットの場合、周縁部の立ち上がり部分が変形し易いという問題があった。
【0005】
このような問題を考慮して、平坦部と、この平坦部の周縁部の少なくとも一部が前記平坦部から立ち上がって形成された立ち上がり部とを有するフロアマットであって、このフロアマットの敷設面側に、前記平坦部から前記立ち上がり部に架かる補強用突起を備え、熱可塑性エラストマーからなるもの(例えば特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−356124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術のものでは、補強用突起によって立ち上がり部の変形を抑制することができるが、周縁部の立ち上がり部を踏むと、立ち上がり部が倒れ、この繰り返しや経年変化により周縁部が倒れるように変形し、このようにして周縁部が倒れてしまうと、内部に溜まった水、ゴミ、砂利類がフロアを汚すという問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、立ち上がり部の倒れを防止することができるフロアマットの敷設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、平坦部と、この平坦部の周縁部の少なくとも一部が前記平坦部から立ち上がって形成された立ち上がり部とを有し、前記立ち上がり部の外側に、下方に向かう延長部を形成したフロアマットの敷設方法において、複数のフロアマットの前記延長部同士を隣接するように配置すると共に、前記延長部同士を接するように敷設することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、前記延長部は前記平坦部に対して略垂直な垂直部を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、前記平坦部に第1連結部材を設け、この第1連結部材が他のフロアマットに設けた第2連結部材と連結可能なことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、前記延長部と前記立ち上がり部との間に第1連結部材を設け、この第1連結部材が他のフロアマットに設けた第2連結部材と連結可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載のフロアマットの敷設方法によれば、立ち上がり部と延長部の組み合わせにより、フロアマット周縁部の立ち上がり部の変形が防止され、フロアマット内に溜まった水、ゴミ、砂などの外部流出を防止できる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載のフロアマットの敷設方法によれば、フロアマットの周縁部に略垂直な部分を形成することにより、スペース効率が向上し、コンパクトに車内に装着することができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載のフロアマットの敷設方法によれば、フロアマットが他のフロアマットに位置決め状態で連結されることにより、立ち上がり部の倒れ防止効果が向上すると共に、コンパクトな装着性を向上することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載のフロアマットの敷設方法によれば、延長部と立ち上がり部との間に設けた第1連結部材により、立ち上がり部の変形が防止される。
【0017】
また、本発明の請求項1に記載のフロアマットの敷設方法によれば、複数のフロアマットを隣接配置した際、相互の立ち上がり部における倒れ防止がより強化できると共に車内にコンパクトに装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例の実施例1を示す周縁部の断面図である。
【図2】同上、敷設状態の平面図である。
【図3】同上、図2のA−A線断面図である。
【図4】同上、内装品に延長部を接して敷設した状態の断面図である。
【図5】同上、他の内装品に延長部を接して敷設した状態の断面図である。
【図6】本実施例の実施例2を示す周縁部の断面図である。
【図7】同上、周縁部の底面図である。
【図8】同上、図7のB−B線断面図である。
【図9】本実施例の実施例3を示す敷設前の断面図である。
【図10】同上、敷設状態の断面図である。
【図11】本実施例の実施例4を示す敷設状態の断面図である。
【図12】本実施例の実施例5を示す敷設状態の断面図である。
【図13】本実施例の実施例6を示す敷設状態の断面図である。
【図14】本実施例の実施例7を示す敷設状態の断面図である。
【図15】本実施例の実施例8を示す敷設状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜図5に示すように、フロアマット1は、自動車などの車両のフロア11に敷く平坦部2と、フロア11の形状に適合するように、前記平坦部2の周縁部が立ち上がって形成された立ち上がり部3と、この立ち上がり部3の上端から外側に略水平に形成された上縁部4と、この上縁部4の外側で下方に向かうように形成された延長部5とを備え、この延長部5の先端である下端5Tは、前記平坦部2の近傍まで延びて形成され、この例では、前記下端5Tは、前記立ち上がり部3に近接する平坦部2の下面と略同一位置まで延びている。また、前記延長部5の下部の外面には、前記平坦部2と略垂直な垂直部たる垂直面6が形成されている。また、前記平坦部2の周縁部には薄肉部を形成することなく、前記立ち上がり部3が形成されている。
【0021】
尚、前記平坦部2は略水平状態で使用されるから、使用状態で前記垂直面6は略鉛直となる。さらに、前記平坦部2の上面には、複数の滑り止め用突部(図示せず)が設けられている。
【0022】
前記延長部5は、前記上縁部4の外縁から下方に指向して形成され、その延長部5の高さは、平坦部2の上面から立ち上がり部3の上端までの高さの3分の2以上、特に前記延長部5の下端5Tが、平坦部2の上面位置と同一かこれより下方が好ましい。すなわち、前記高さが3分の2以上あれば、立ち上がり部3が僅かに倒れても、下端5Tがフロア11に当接して、倒れを防止できる。また、前記上縁部4の幅は、前記立ち上がり部の高さの2分の1以下である。
【0023】
また、前記立ち上がり部3は、平坦部2に対して、上部が外側になるように傾斜し、延長部5は、平坦部2に対して、下部が外側になるように傾斜し、延長部5の外面の平坦部2に対する角度は、前記立ち上がり部3が延長部5より大きく、立ち上がり部3の外面の平坦部2に対する角度θtは、延長部5の外面の平坦部2に対する角度θeより大きな鈍角であって、その角度θtは、140〜160度程度、この例では略150度である。
【0024】
前記フロアマット1は、後述する連結部材を除いて、樹脂材料などの同一材料により、平坦部2と、立ち上がり部3と、上縁部4と、延長部5とを一体成形したものである。
【0025】
また、前記フロアマット1の構成材としては、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンなど)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマーなど)、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂など)、或いは天然又は合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムなど)などを挙げることができる。これらの中でも、軽量かつリサイクルし易い熱可塑性エラストマーからなるのが好まく、さらに、弾力性を備えることが好ましい。また、フロアマット1の構成材の硬度(ショアーA硬度)は、50〜90程度であるのが好ましく、65〜75程度であるのがより好ましい。
【0026】
次に、前記フロアマット1の敷設例について説明する。図4では、車両のサイドシェル12の外面に前記延長部5が当接するように、フロアマット1をフロア11に敷設しており、前記サイドシェル12の上部には、開閉ドア13が設けられている。尚、前記サイドシェル12が車両の内装品である。
【0027】
また、図5では、フロア11に設けたフロアトンネル14の外面に前記延長部5が当接するように、フロアマット1をフロア11に敷設している。尚、フロアトンネル14が車両の内装品である。
【0028】
図5及び図6に示した前記サイドシェル12及びフロアトンネル14はフロア11から突出して設けられた内装品である。また、前記サイドシェル12及びフロアトンネル14には、前記延長部5の垂直面6が当接している。この場合、垂直面6が内装品に当接する当接面となる。
【0029】
一方、図2及び図3は、フロアマット1,1同士を近接して敷設した例であり、フロアマット1,1の延長部5,5同士が隣接するように配置し、前記延長部5,5同士を接するようにフロアマット1,1をフロア11に敷設している。この場合、隣り合うフロアマット1,1の垂直面6,6同士が面接触するように配置することがスペース効率の面から好ましい。
【0030】
このように本実施例では、請求項1に対応して、平坦部2と、この平坦部2の周縁部の少なくとも一部が平坦部2から立ち上がって形成された立ち上がり部3とを有するフロアマットにおいて、立ち上がり部3の外側に、下方に向かう延長部5を形成したから、立ち上がり部3と延長部5の組み合わせにより、フロアマット周縁部の立ち上がり部3の変形が防止され、フロアマット1内に溜まった水、ゴミ、砂などの外部流出を防止できる。
【0031】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、延長部5は平坦部2に対して略垂直な垂直部たる垂直面6を有するから、フロアマット1のスペース効率が向上し、コンパクトに車内に装着することができる。
【0032】
また、このように本実施例では、延長部5が車両の内装品であるサイドシェル12やフロアトンネル14に接するから、延長部5を内装品に接して配置することにより、立ち上がり部3の倒れを防止することができると共に、車内にフロアマット1をコンパクトに装着することができる。
【0033】
また、このように本実施例では、請求項1に対応して、フロアマットの敷設方法において、複数のフロアマット1,1の延長部5,5同士を隣接するように配置すると共に、延長部5,5同士を接するように敷設するから、複数のフロアマット1,1を隣接配置した際、相互の立ち上がり部3,3における倒れ防止がより強化できると共に車内にコンパクトに装着することができる。
【0034】
さらに、実施例上の効果として、敷設状態で、延長部5の下端5Tがフロア11に近接又は接しているから、立ち上がり部3を倒す力が加わると、下端5Tがフロア11に接して前記倒す力に対抗するから、立ち上がり部3の倒れを防止できる。
【実施例2】
【0035】
図6〜図8は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0036】
この例は、前記立ち上がり部3の内面と前記延長部5の内面間に、複数の縦リブ部7が形成され、これら縦リブ部7は立ち上がり部3の長さ方向に間隔をおいて配置されている。前記縦リブ部7は、前記立ち上がり部3と前記延長部5とを連結し、また、その縦リブ部7の上部は前記上縁部4の下面に連結されている。尚、立ち上がり部3に隣接する平坦部2の下面と、下端5Tと、縦リブ部7の下面とは略同一平面に設けられている。
【0037】
以上のように本実施例では、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0038】
また、実施例上の効果として、立ち上がり部3と延長部5との間に、それら立ち上がり部3と延長部5とを連結するリブ部たる縦リブ部7を設けたから、立ち上がり部3と延長部5との間が開くことが防止され、立ち上がり部3の変形を抑制することができる。
【実施例3】
【0039】
図9及び図10は、本発明の実施例3を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0040】
この例は、フロアマット1を車両の内装品に連結するものを示し、フロアマット1の平坦部2には、前記立ち上がり部3に近い位置で、第1連結部材たる雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が連結可能な雄型連結部材22を、他のフロアマット23に設けている。そして、前記雌型連結部材21が第1連結部材であり、前記雄型連結部材22が第2連結部材であり、前記他のフロアマット23が車両の内装品である。
【0041】
前記雌型連結部材21は、平坦部2の下面に連結部21Rを設け、平坦部2の上面側に配置した取付部21Tの下部を、平坦部2に挿通し、その取付部21Tの下部と前記連結部21Rとを加締め固定して取り付けられている。
【0042】
また、前記他のフロアマット23は、下部材たるマット本体24の上面に、上部材たるパイル状の布地25を設けてなり、前記マット本体24の端部24Tは布地25部分より外側に突出して設けられ、その端部24Tには、繊維によりオーバーロック加工が施されたオーバーロック部26が形成されている。尚、前記布地25は前記マット本体24より厚く、且つ柔軟である。さらに、前記端部24Tの下面には、連結材取付部たる連結片27が縫着部28により縫着固定され、前記連結片27は前記オーバーロック部26を越えて外部に突出し、この連結片27の突出部分に前記雄型連結部材22が固定されている。
【0043】
前記雄型連結部材22は、前記連結片27の上面に連結部22Rを設け、前記連結片27の下面側に配置した取付部22Tの上部を、前記連結片27に挿通し、その取付部22Tの上部と前記連結部22Rとを加締め固定して取り付けられている。
【0044】
この例では、前記延長部5は、前記立ち上がり部3に近接する平坦部2の下面の下方まで延び、また、前記延長部5には前記垂直部は設けられていない。
【0045】
そして、前記雄型連結部材22に前記雌型連結部材21を連結してフロアマット1をフロア11に敷設した状態で、前記延長部5の下部外面の当接面5Mが前記オーバーロック部26の外縁に接するように固定している。この場合、少なくとも延長部5に前記オーバーロック部26が部分的に接していればよいが、連結部材21,22により他のフロアマット23に対してフロアマット1が位置決めされているから、オーバーロック部26に、弾力性を有する部材からなる前記延長部5を圧接してもよく、この場合、延長部5が内側に変形するようにオーバーロック部26に当てることにより、変形した延長部5の弾性復元力により、その延長部5がオーバーロック部26に圧接する。
【0046】
以上のように本実施例では、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0047】
また、このように本実施例では、平坦部2に第1連結部材たる雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が車両の内装品たる他のフロアマット23に設けた第2連結部材たる雄型連結部材22と連結可能なものであるから、フロアマット1が車両の内装品に位置決め状態で連結されることにより、立ち上がり部3の倒れ防止効果が向上すると共に、コンパクトな装着性を向上することができる。
【0048】
また、実施例上の効果として、フロアマット1の中央ではなく、周縁部側に雌型連結部材21を設けたから、雌型連結部材21に近接する立ち上がり部3の位置決めを確実に行うことができる。
【実施例4】
【0049】
図11は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0050】
この例は、前記延長部5と前記立ち上がり部3との間に、第1連結部材たる雌型連結部材21を設けたものである。
【0051】
そして、前記雄型連結部材22に前記雌型連結部材21を連結してフロアマット1をフロア11に敷設した状態で、前記延長部5の下部外面の当接面5Mが布地25の外縁に接するように固定している。この場合、少なくとも延長部5に前記布地25が部分的に接していればよいが、連結部材21,22により他のフロアマット23に対してフロアマット1が位置決めされているから、布地25に、弾力性を有する部材からなる前記延長部5を圧接してもよく、この場合、延長部5が内側に変形するように布地25の外縁に当てることにより、変形した延長部5の弾性復元力により、その延長部5が布地25に確実に接触する。
【0052】
また、前記延長部5の下端5Tは前記端部24Tに近接又は接している。さらに、縦リブ部7を備える場合は、縦リブ部7の下面が前記端部24Tに近接又は接するようにすることが好ましい。
【0053】
以上のように本実施例においても、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0054】
また、実施例上の効果として、フロアマット1をフロア11に敷設した状態で、前記延長部5が布地25の外縁に接するように固定したから、延長部5の下に、オーバーロック部26を隠すことができ、場合によっては、オーバーロック加工が不要となる。
【実施例5】
【0055】
図12は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0056】
この例は、前記延長部5と前記立ち上がり部3との間に、第1連結部材たる雌型連結部材21を設けたものである。
【0057】
前記平坦部2を前記延長部5と前記立ち上がり部3の内部に延設した取付受部29を形成し、この取付受部29は前記平坦部2と同一平面に位置するか、平行をなす。そして、前記雌型連結部材21は、前記取付受部29の下面に連結部21Rを設け、取付受部29の上面側に配置した取付部21Tの下部を、該取付受部29に挿通し、その取付部21Tの下部と前記連結部21Rとを加締め固定して取り付けている。
【0058】
尚、この場合、前記取付受部29は、立ち上がり部3の略全長に設けることが好ましいが、部分的に設けてもよい。また、取付受部29は前記延長部5と一体成形しても良いし、接着等により後付けしてもよい。
【0059】
以上のように本実施例においても、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0060】
また、このように本実施例では、延長部5と立ち上がり部3との間に第1連結部材たる雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が車両の内装品たる他のフロアマット23に設けた第2連結部材たる雄型連結部材22と連結可能なものであるから、延長部5と立ち上がり部3との間に設けた雌型連結部材21により、立ち上がり部3の変形が防止される。
【0061】
この場合、立ち上がり部3と上縁部4と延長部5を備えた断面形状に、取付受部29が加わることにより、フロアマット周縁部の断面性能が向上すると共に、フロアマット周縁部が連結部材21,22によりフロア11に支持されることにより、立ち上がり部3の倒れを効果的に向上することができる。
【実施例6】
【0062】
図13は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0063】
この例は、前記延長部5と前記立ち上がり部3との間に、第1連結部材たる雌型連結部材21を設けたものである。
【0064】
前記上縁部4を前記実施例2に比べて幅広く形成し、前記延長部5の下部に前記布地25の端面に当接する垂直面6を形成し、その延長部5の下端5Tから内側に取付受部30を形成し、この取付受部30は前記端部24Tの上に当接すると共に、該端部24Tを隠している。
【0065】
そして、前記雌型連結部材21は、前記取付受部30の下面に連結部21Rを設け、取付受部30の上面側に配置した取付部21Tの下部を、該取付受部30に挿通し、その取付部21Tの下部と前記連結部21Rとを加締め固定して取り付けている。
【0066】
このように本実施例では、延長部5と立ち上がり部3との間に第1連結部材たる雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が車両の内装品たる他のフロアマット23に設けた第2連結部材たる雄型連結部材22と連結可能なものであるから、延長部5と立ち上がり部3との間に設けた雌型連結部材21により、立ち上がり部3の変形が防止される。
【0067】
また、実施例上の効果として、前記延長部5の下部の垂直面6が前記布地25の端面に当接することにより、立ち上がり部3の倒れを防止でき、また、その延長部5の下端5Tから内側に延長して設けた取付受部30により該端部24Tを隠すことができると共に、立ち上がり部3を倒す力が加わると、取付受部30が端部24Tに接して倒す力に対抗するから、立ち上がり部3の倒れを防止できる。
【実施例7】
【0068】
図14は、本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0069】
この例は、フロアマット1において、前記延長部5の下端5Tから外側に、連結材取付部たる外平坦部31を延設し、この外平坦部31は他のフロアマット23の下方に伸び、前記外平坦部31に前記雄型連結部材22を設け、この雄型連結部材22が連結可能な雌型連結部材21を、前記他のフロアマット23に設けている。尚、前記外平坦部31は、延長部5の外側に設けられたフロアマット1の平坦部である。
【0070】
尚、前記外平坦部31は前記延長部5と略同じ長さに形成された平板状のものでもよいし、前記連結片と同様に、雄型連結部材22が取付可能な切れ端状のものでもよく、いずれの場合もフロアマット1に一体成形で設けたり、後付けで設けたりすることができる。
【0071】
前記雄型連結部材22は、前記外平坦部31の上面に連結部22Rを設け、前記外平坦部31の下面側に配置した取付部22Tの上部を、前記外平坦部31に挿通し、その取付部22Tの上部と前記連結部22Rとを加締め固定して取り付けられている。
【0072】
また、前記他のフロアマット23の布地25には、前記雌型連結部材21の取付部21Tの頭部を収納する凹部32を形成しており、前記雌型連結部材21は、凹部32下方のマット本体24の下面に、連結部21Rを設け、前記凹部32に配置した取付部21Tの下部を、他のフロアマット23に挿通し、その取付部21Tの下部と前記連結部21Rとを加締め固定して取り付けられている。
【0073】
そして、前記雄型連結部材22に前記雌型連結部材21を連結してフロアマット1をフロア11に敷設した状態で、前記延長部5の下側外面の当接面5Mが、前記オーバーロック部26の外縁に接するように固定している。この場合、少なくとも延長部5に前記オーバーロック部26が部分的に接していればよいが、連結部材21,22により他のフロアマット23に対してフロアマット1が位置決めされているから、オーバーロック部26に、弾力性を有する部材からなる前記延長部5を圧接してもよく、この場合、延長部5が内側に変形するようにオーバーロック部26に当てることにより、変形した延長部5の弾性復元力により、その延長部5がオーバーロック部26に圧接する。
【0074】
以上のように本実施例では、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0075】
また、実施例上の効果として、フロアマット1に第1連結部材たる雄型連結部材22を設け、この雄型連結部材22が車両の内装品たる他のフロアマット23に設けた第2連結部材たる雌型連結部材21と連結可能なものであるから、フロアマット1が車両の内装品に位置決め状態で連結されることにより、立ち上がり部3の倒れ防止効果が向上すると共に、コンパクトな装着性を向上することができる。
【0076】
また、フロアマット1の敷設方法において、フロアマット1の延長部5が他のフロアマット23に接し、この例では端部24Tに接するから、立ち上がり部3における倒れ防止効果がより向上する。
【実施例8】
【0077】
図15は、本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0078】
この例は、フロアマット1において、前記延長部5の下端から外側に、連結材取付部たる外平坦部33を延設し、この外平坦部33は他のフロアマット23の上方に伸び、前記外平坦部33に前記雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が連結可能な雄型連結部材22を、他のフロアマット23の前記連結片27に設けている。
【0079】
前記外平坦部33は前記延長部5より肉厚に形成されており、前記雌型連結部材21は、外平坦部33の下面に連結部21Rを設け、外平坦部33の上面側に配置した取付部21Tの下部を、外平坦部33に挿通し、その取付部21Tの下部と前記連結部21Rとを加締め固定して取り付けられている。
【0080】
以上のように本実施例では、上記実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0081】
また、実施例上の効果として、フロアマット1に第1連結部材たる雌型連結部材21を設け、この雌型連結部材21が車両の内装品たる他のフロアマット23に設けた第2連結部材たる雄型連結部材22と連結可能なものであるから、フロアマット1が車両の内装品に位置決め状態で連結されることにより、立ち上がり部3の倒れ防止効果が向上すると共に、コンパクトな装着性を向上することができる。
【0082】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、フロアマットに第1連結部材として雄型連結部材を設け、内装品に第2連結部材として雌型連結部材を設けてもよい。また、上縁部を設けずに、立ち上がり部の上端に延長部を設けてもよい。さらに、車両の内装品は実施例のものに限定されず、各種の内装品に対応可能である。また、各実施例において、縦リブ部を設けてもよい。さらに、実施例では、他のフロアマットのオーバーロック部が延長部に接する例を示したが、オーバーロック部の無いフロアマットの端部を接するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 フロアマット
2 平坦部
3 立ち上がり部
4 上縁部
5 延長部
6 垂直面(垂直部・当接面)
11 フロア
12 サイドシェル(内装品)
14 フロアトンネル(内装品)
21 雌型連結部材(第1連結部材・第2連結部材)
22 雄型連結部材(第2連結部材・第1連結部材)
23 他のフロアマット(内装品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦部と、この平坦部の周縁部の少なくとも一部が前記平坦部から立ち上がって形成された立ち上がり部とを有し、前記立ち上がり部の外側に、下方に向かう延長部を形成したフロアマットの敷設方法において、複数のフロアマットの前記延長部同士を隣接するように配置すると共に、前記延長部同士を接するように敷設することを特徴とするフロアマットの敷設方法。
【請求項2】
前記延長部は前記平坦部に対して略垂直な垂直部を有することを特徴とする請求項1記載のフロアマットの敷設方法。
【請求項3】
前記平坦部に第1連結部材を設け、この第1連結部材が他のフロアマットに設けた第2連結部材と連結可能なことを特徴とする請求項1又は2記載のフロアマットの敷設方法。
【請求項4】
前記延長部と前記立ち上がり部との間に第1連結部材を設け、この第1連結部材が他のフロアマットに設けた第2連結部材と連結可能なことを特徴とする請求項1又は2記載のフロアマットの敷設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−224337(P2012−224337A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183667(P2012−183667)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2009−233878(P2009−233878)の分割
【原出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】