説明

フロセミドのニトロ誘導体及び利尿剤としてのその使用

構造:


[式中、Xは結合、−NHCH(CHCHOC(O)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHOC(O)、−OCH(CH)OC(O)−、−OCHOC(O)−、−O−、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、


から構成される群から選択される。]を有する化合物又はその医薬的に許容可能な塩、及び高血圧症の治療用としての前記化合物の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
US2005/0059655は1又は2個のニトロキシ基を結合したニトロソ化及びニトロシル化フロセミド誘導体について記載している(実施例1〜16)。これらの化合物は過剰な水分貯留、心臓血管疾患、糖尿病、酸化ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗鬆症及び腎症に起因する病態の治療に有用であると記載されている。
【0002】
米国特許第4,383,998号はシクレタニンを包括的に特許請求している。米国特許第5,026,855号はシクレタニンの(+)エナンチオマー及び前記(+)エナンチオマーを含有する組成物と、製造方法を特許請求している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0059655号明細書
【特許文献2】米国特許第4,383,998号明細書
【特許文献3】米国特許第5,026,855号明細書
【発明の概要】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は一酸化窒素に関連するシクレタニンと、種々の医薬的に許容可能な塩及びこれらの塩の水和物を含めたその誘導体、並びにこれらを患者に制御持続送達するための医薬製剤を包含する。塩としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導される塩、又は例えば無機酸、有機酸、無機塩基もしくは有機塩基から形成される第四級アンモニウム塩等の非毒性塩が挙げられる。酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、琥珀酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が挙げられる。塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩及びマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例えばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)、及びアミノ酸(例えばアルギニン、リジン)との塩等が挙げられる。更に、塩基性窒素含有基を低級アルキルハロゲン化物(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨージド)、ジアルキル硫酸塩(例えばジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル硫酸塩)、長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨージド)、アラルキルハロゲン化物(例えばベンジル及びフェネチルブロミド)等の物質で四級化してもよい。
【0005】
本発明は過剰な水分貯留、心臓血管疾患、糖尿病、酸化ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗鬆症又は腎症に起因する病態である高血圧症、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、鬱血性心不全の治療方法として、このような病態に罹患した患者又はこのような病態に罹患する危険のある患者に本発明の化合物を投与する段階を含む方法も包含する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物は一般式I:
【0007】
【化1】

[式中、
Xは結合、−NHCH(CHCHOC(O)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHOC(O)、−OCH(CH)OC(O)−、−OCHOC(O)−、−O−、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【0008】
【化2】

から構成される群から選択され、
、R、R及びRは出現毎に独立して水素及びC1−7アルキルから構成される群から選択され;
は水素、C1−4アルキル、−CHONO又は−ONOであり;
及びRは独立して水素、−CH、−CHCH、−CH(CH、−C(CH、−CHOH、−CH(OH)CH及び−CHから構成される群から選択され;
gは0又は1であり;
pは0、1、2、3、4、5、6又は7であり;
qは1、2、3、4又は5であり;
v及びwは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、v+wは1、2、3又は4であり;
Rは
−(CHCH(ONO)(CHCH
−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)(CHCH
−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)、
−(CHCH(ONO)(CR)CH(ONO)、
−CR(但し、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
−(CH(ONO)、
−O−C(O)−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)、
【0009】
【化3】

(但し、XはCRであり、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
【0010】
【化4】


から構成される群から選択され、
但し、Rが−O−C(O)−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)又は
【0011】
【化5】

であるとき、Xは結合、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【0012】
【化6】

から構成される群から選択され;
h、j及びkは独立して0、1及び2から構成される群から選択され;
m、n、x、y及びzは独立して0、1、2、3及び4から構成される群から選択され;
r及びsは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、r+sは1、2、3又は4である。]を有する。
【0013】
1実施形態において、式Iは
【0014】
【化7】

から構成される群から選択される。
【0015】
本発明の別の実施形態において、Xは
【0016】
【化8】


−NHCH(CHCHOC(O)−(式中、nは0、1、2又は3である。)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHOC(O)−、−OCH(CH)OC(O)−、−OCHOC(O)−、−CHCHC(O)NH−、−(CH−、結合、−C(CH−、−CH(CH)−、−C(CH)(CHONO)−、−(CH−、−(CH−、−CH−、−CHCHNHC(O)−、−CHNHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH(CHNHC(O)−、−O−、−CHN(CH)C(O)−、
【0017】
【化9】

から構成される群から選択される。
【0018】
別の実施形態において、Rは−ONO、−O−CO−(CHCH(ONO)CH(ONO)、
【0019】
【化10】

(但し、XはCRであり、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
−(CHONO、−CHONO、−(CHONO、−(CHONO、−(CHCH(CH)ONO、−CH−CH(ONO)−C(CH−CHONO、−CHCH(ONO)CH(CH)ONO、−(CHCH(ONO)CHONO、−(CHCH(ONO)CH(ONO)、−(CHCH(ONO)CH(ONO)、
【0020】
【化11】

から構成される群から選択される。
【0021】
別の実施形態において、−X−Rは
【0022】
【化12】




(式中、nは0、1、2又は3である。)から構成される群から選択される。
【0023】
別の実施形態において、−X−Rは
【0024】
【化13】





から構成される群から選択され、又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
本発明の別の実施形態において、化合物は
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−3−(ニトロオキシ)プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−3−(ニトロオキシ)−2−[(ニトロオキシ)メチル]プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル [(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アセテート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−4−(ニトロオキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,4R)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル trans−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,2R,3S)−2,3−ビス[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−アラニネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−ロイシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−フェニルアラニネート、
(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)プロピルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボキシレート、
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 2−シクロヘキシル−2−(ニトロオキシ)アセテート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−(4,7,7−トリメチル−3−(ニトロオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)アセテート、
(R)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3−メチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3,3−ジメチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(6R,6aS)−6−((3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
1−[({[(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニルオキシメチル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−5−オキシド−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−5−イウム−7−イル] (3S,4R)−3,4−ジニトロオキシシクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルカーボネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
2,3−ビス(ニトロオキシ)プロピル(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルスクシネート
又はその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される。
【0026】
本発明の別の実施形態において、化合物は(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレートである。
【0027】
本発明の別の実施形態において、化合物は一般式I:
【0028】
【化14】

[式中、
Yは−O−又は結合であり;
Xは結合、−NHCH(CHCHOC(O)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−O−、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【0029】
【化15】

から構成される群から選択され、
、R、R、R及びRは出現毎に独立して水素及びC1−7アルキルから構成される群から選択され;
は水素、C1−4アルキル又は−CHONOであり;
及びRは独立して水素、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHOH、−CH(OH)CH及び−CHから構成される群から選択され;
pは0、1、2、3、4、5、6又は7であり;
qは1、2、3、4又は5であり;
v及びwは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、v+wは1、2、3又は4であり;
Rは
【0030】
【化16】


から構成される群から選択され、
但し、Rが−O−C(O)−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)又は
【0031】
【化17】

であるとき、Xは結合、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【0032】
【化18】

から構成される群から選択され;
h、j及びkは独立して0、1及び2から構成される群から選択され;
m、n、x、y及びzは独立して0、1、2、3及び4から構成される群から選択され;
r及びsは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、r+sは1、2、3又は4である。]を有する。
【0033】
本発明の別の実施形態において、式Iは
【0034】
【化19】

から構成される群から選択される。
【0035】
本発明の別の実施形態において、Yは−O−である。
【0036】
本発明の別の実施形態において、Yは結合であり、Xは
【0037】
【化20】

てある。
【0038】
本発明の別の実施形態において、Xは
【0039】
【化21】

−NHCH(CHCHOC(O)−(式中、nは0、1、2又は3である。)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHCHC(O)NH−、−(CH−、結合、−C(CH−、−CH(CH)−、−C(CH)(CHONO)−、−(CH−、−(CH−、−CH−、−CHNHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH(CHNHC(O)−、−O−、−CHN(CH)C(O)−、
【0040】
【化22】

から構成される群から選択される。
【0041】
別の実施形態において、Rは
【0042】
【化23】


から構成される群から選択される。
【0043】
別の実施形態において、−X−Rは
【0044】
【化24】



(式中、nは0、1、2又は3である。)から構成される群から選択される。
【0045】
別の実施形態において、−X−Rは
【0046】
【化25】




から構成される群から選択され、又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0047】
本発明の別の実施形態において、化合物は
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]−ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−3−(ニトロオキシ)プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−3−(ニトロオキシ)−2−[(ニトロオキシ)メチル]プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル [(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アセテート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−4−(ニトロオキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,4R)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル trans−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,2R,3S)−2,3−ビス[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−アラニネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−ロイシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−フェニルアラニネート、
(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)プロピルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボキシレート。
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 2−シクロヘキシル−2−(ニトロオキシ)アセテート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−(4,7,7−トリメチル−3−(ニトロオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)アセテート、
(R)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3−メチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3,3−ジメチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(6R,6aS)−6−((3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
及び
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート
から構成される群から選択される。
【0048】
本発明の別の実施形態において、化合物は(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレートである。
【0049】
本発明の化合物が1個のキラル中心を含むとき、「立体異性体」なる用語はエナンチオマーとエナンチオマー混合物(例えばラセミ混合物と呼ぶ特定の50:50混合物)の両者を包含する。本発明の化合物は複数のキラル中心を含み、複数の立体異性体となる場合がある。本発明は全ての立体異性体とその混合物を包含する。特に指定しない限り、1つの立体異性体に関する記載は任意の可能な立体異性体に適用される。立体異性体組成を指定しない場合には、常に可能な全ての立体異性体が含まれる。構造記号「*」を使用する場合にはキラル中心である炭素原子の位置を示す。キラル中心との結合を直線で示す場合には、当然のことながらキラル中心の(R)及び(S)配置の両者、従って、エナンチオマーとその混合物の両者を表す。指定しない限り、本願で使用する「アルキル」とは指定炭素原子数の分岐鎖及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。アルキル基に通常使用されている略語を明細書全体で使用し、例えばメチルは「Me」又はCH又は末端基として延長した結合である記号(例えば
【0050】
【化26】

)等の通常の略語により表すことができ、エチルは「Et」又はCHCHにより表すことができ、プロピルは「Pr」又はCHCHCHにより表すことができ、ブチルは「Bu」又はCHCHCHCHにより表すことができ、以下同様である。例えば「C1−4アルキル」(又は「C−Cアルキル」)とは全異性体を含めた指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。C1−4アルキルはn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを含む。数を指定しない場合には、直鎖又は分岐鎖アルキル基は炭素原子数1〜4を想定する。
【0051】
下記構造
【0052】
【化27】

(式中、pは0、1、2、3、4、5、6又は7であり、R及びRは例えば水素、−CH及びCHCHから構成される群から選択される。)等の表示を含む可変定義は各場合に独立してR及びRの定義から選択される同様又は異なる基が結合した指定炭素原子数の部分を表す。従って、p、R及びRの上記構造及び定義は例えば以下の部分:
【0053】
【化28】

(式中、R及びRは各炭素原子上で異なる意味をもつ)を含む。
【0054】
本発明の利尿剤は過剰な水分貯留、心臓血管疾患、糖尿病、酸化ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗鬆症又は腎症に起因する病態である高血圧症、肺動脈性肺高血圧症、鬱血性心不全の治療に有用であり、このような病態に罹患した患者又はこのような病態に罹患する危険のある患者に本発明の化合物を投与する。
【0055】
本発明は更に上記疾患の治療及び/又は予防用医薬の製造における本発明の利尿剤の使用にも関する。
【0056】
本発明の上記利尿剤は更に、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えばロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン)、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えばアラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル又はトランドラプリル)、中性エンドペプチダーゼ阻害剤(例えばチオルファン及びホスホラミドン)、アルドステロンアンタゴニスト、レニン阻害剤(例えばジ及びトリペプチドの尿素誘導体(米国特許第5,116,835号参照)、アミノ酸及び誘導体(米国特許第5,095,119号及び5,104,869号)、非ペプチド結合により結合したアミノ酸鎖(米国特許第5,114,937号)、ジ及びトリペプチド誘導体(米国特許第5,106,835号)、ペプチジルアミノジオール(米国特許第5,063,208号及び4,845,079号)並びにペプチジルβアミノアシルアミノジオールカルバメート(米国特許第5,089,471号)、更に米国特許第5,071,837号、5,064,965号、5,063,207号、5,036,054号、5,036,053号、5,034,512号及び4,894,437号に開示されているような他の各種ペプチド類似体)、及び小分子レニン阻害剤(ジオールスルホンアミド及びスルフィニル(米国特許第5,098,924号)、N−モルホリノ誘導体(米国特許第5,055,466号)、N−複素環式アルコール(米国特許第4,885,292号)及びピロールイミダゾロン(米国特許第5,075,451号)、更にペプスタチン誘導体(米国特許第4,980,283号)並びにスタトン含有ペプチドのフルオロ及びクロロ誘導体(米国特許第5,066,643号)、エナルクレイン、RO42−5892、A65317、CP80794、ES1005,ES8891、SQ34017、アリスキレン((2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミド・1/2フマル酸塩)SPP600、SPP630及びSPP635を含む)、エンドセリン受容体アンタゴニスト、血管拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬(例えばアムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ガロパミル、ニルジピン、ニモジピン、ニカルジピン)、カリウムチャネルアクチベーター(例えばニコランジル、ピナシジル、クロマカリム、ミノキシジル、アプリルカリム、ロプラゾラム)、利尿剤(例えばヒドロクロロチアジド)、交感神経遮断薬、βアドレナリン遮断薬(例えばプロパノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール又は酒石酸メトプロロール)、αアドレナリン遮断薬(例えばドキサゾシン、プラゾシン又はαメチルドパ)、中枢αアドレナリン作動薬、末梢血管拡張薬(例えばヒドララジン)、脂質低下剤(例えばシンバスタチン、ロバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、プラバスタチン)、インスリン感作薬及び関連化合物を含む代謝改変薬(例えばムラグリタザール、グリピジド、メトフォルミン、ロシグリタゾン)等の他の薬理的に活性な化合物又は上記疾患の予防もしくは治療に有益な他の薬剤(ニトロプルシドとジアゾキシドを含む)と併用すると有用である。
【0057】
利尿剤を利用する投与レジメンは患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及び病態;治療する病態の重篤度;投与経路;患者の腎・肝機能;並びに利用する特定化合物又はその塩等の各種因子に従って選択される。通常の知識をもつ医師又は獣医であれば、病態の進行を予防、抑制又は阻止するために必要な薬剤の有効量を容易に決定し、処方することができる。
【0058】
指定する効能のために使用する場合に上記利尿剤の経口用量は1日体重1kg当たり約0.0125mg(mg/kg/日)〜約7.5mg/kg/日、好ましくは0.0125mg/kg/日〜3.75mg/kg/日、より好ましくは0.3125mg/kg/日〜1.875mg/kg/日となる。例えば、体重80kgの患者には約1mg/日〜600mg/日、好ましくは1mg/日〜300mg/日、より好ましくは25mg/日〜150mg/日を投与する。従って、1日1回投与するように適切に製造された医薬は1mg〜600mg、好ましくは1mg〜300mg、より好ましくは25mg〜300mg、例えば25mg、50mg、100mg 150、200、250及び300mgを含有する。利尿剤を1日2回、3回又は4回に分けて有利に投与することができる。1日2回投与する場合には、適切に製造された医薬は0.5mg〜300mg、好ましくは0.5mg〜150mg、より好ましくは12.5mg〜150mg、例えば12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg及び150mgを含有する。
【0059】
本発明の利尿剤は錠剤、カプセル剤及び顆粒剤等の経口剤形で投与することができる。一般に利尿剤を活性成分として以下のような適切な医薬結合剤と混合して投与する。% w/wは合計組成物に対する指定組成物成分の重量百分率を表す。これらの剤形で使用される適切な増量剤としては、微結晶セルロース、ケイ酸化微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、ラクトース、マンニトール及び澱粉、好ましくは、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、ラクトース又はその混合物が挙げられる。適切な結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、澱粉、ゼラチン、天然糖類(例えばグルコース又はβラクトース)、コーン甘味料、天然及び合成ガム(例えばアラビアガム、トラガカントガム)又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが挙げられる。これらの剤形で使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸等、好ましくはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。適切なコーティング組成物としては、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及びEudragit(登録商標)として市販されているアクリル酸コポリマー等の不溶性ポリマーの水性分散液又は有機溶液が挙げられる。可塑剤としては、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、トリアセチン及びひまし油が挙げられる。粘着防止剤としてはタルク、カオリン、コロイダルシリカ又はその混合物が挙げられる。
【0060】
合成方法
本発明の化合物の数種類の製造方法を下記スキーム及び実施例に記載する。出発材料と中間体は公知手順又は他の例示方法により製造する。
【0061】
スキーム1は本発明の一般構造1−3の3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカルボン酸エステル化合物の好適な製造方法を示す。ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン又はルチジン等の適切な塩基の存在下に室温等の適切な温度にてラセミ又はエナンチオマーフェノール1−1を活性化酸1−2で処理する。酸塩化物1−2は触媒量のビルスマイヤー試薬又はトリフェニルホスフィンと四塩化炭素もしくはトリクロロアセトニトリルの存在下に適切なカルボン酸を塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリル等の塩素化試薬で処理することにより容易に形成することができる。他の形態の活性化酸1−2も当業者に公知の方法を使用して製造することができる。
【0062】
【化29】

【0063】
スキーム2は本発明の一般構造1−3の3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカルボン酸エステル化合物の代替製造方法を示す。本反応におけるカルボン酸はジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン又はルチジン等の塩基の存在下又は不在下に室温等の適切な温度にて(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)又は1,1’−カルボニルジイミタゾール等の適切なカップリング試薬でアシル化用に活性化することができる。
【0064】
【化30】

【0065】
スキーム3は本発明の一般構造3−2の3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート化合物の簡単な製造方法を示す。ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウム等の適切な塩基の存在下に室温等の適切な温度にてラセミ又はエナンチオマーフェノール1−1を活性化ギ酸エステル3−1で処理する。活性化ギ酸エステル3−1はジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン又はルチジン等の適切な塩基の存在下に0℃又は室温等の適切な温度にて適切なアルコールをホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、1、1’−カルボニルジイミタゾール、クロロギ酸p−ニトロフェニル、塩化トリクロロアセチル又はクロロギ酸1−クロロエチル等の適切な試薬で処理することにより製造することができる。
【0066】
【化31】

【0067】
スキーム4は本発明の一般構造3−2の3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート化合物の代替製造方法を示す。本反応では、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウム等の適切な塩基の存在下に室温等の適切な温度にてラセミ又はエナンチオマー3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オールの活性化ギ酸エステル4−1を適切なアルコール4−2で処理する。活性化ギ酸エステル4−1はジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン又はルチジン等の適切な塩基の存在下に0℃又は室温等の適切な温度にてフェノール1−1をホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、1、1’−カルボニルジイミタゾール、クロロギ酸p−ニトロフェニル、塩化トリクロロアセチル又はクロロギ酸1−クロロエチル等の適切な試薬で処理することにより製造することができる。
【0068】
【化32】

【0069】
最後に、スキーム5は本発明の一般構造5−2の3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカルバメート化合物の好適な製造方法を示す。ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウム等の適切な塩基の存在下に室温等の適切な温度にてラセミ又はエナンチオマーフェノール1−1を活性化ギ酸エステル5−1で処理する。活性化ギ酸エステル5−1はジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノン等の適切な溶媒中でN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン又はルチジン等の適切な塩基の存在下に0℃又は室温等の適切な温度にて適切なアルコールをホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、1、1’−カルボニルジイミタゾール又はクロロギ酸p−ニトロフェニル等の適切な試薬で処理することにより製造することができる。
【0070】
【化33】

【0071】
一般手順
水分又は空気に感受性の反応は無水溶媒及び試薬を使用して窒素又はアルゴン下で実施した。E.Merck社製プレコートTLCプレート、シリカゲル60F−254、層厚0.25mmを使用して実施した分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)又は液体クロマトグラフィー質量スペクトル(LC−MS)により反応の進行を判定した。Waters Micromass(登録商標)ZQ(登録商標)で陽イオン検出モードにてエレクトロスプレーイオン化により質量分析を実施した。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)はAgilent 1100シリーズHPLCでWaters C18 XTerra 3.5μm 2.1×20mmカラムにて流速1.5mL/分、UV波長254nmで3.25分間かけて勾配10:90→98:2 v/v CHCN/HO+v 0.05% TFA後に98:2 v/v CHCN/HO+v 0.05% TFAに0.75分間保持(LC−1と言う)又はWaters C18 XTerra 3.5μm 30×50mmカラムにて流速1.0mL/分、UV波長254nmで3.75分間かけて勾配10:90→98:2 v/v CHCN/HO+v 0.05% TFA後に98:2 v/v CHCN/HO+v 0.05% TFAに1.75分間保持(LC−2と言う)により実施した。溶液の濃縮はロータレーエバポレーターで減圧下に実施した。フラッシュクロマトグラフィーはBiotageフラッシュクロマトグラフィー装置(Dyax Corp.)を使用し、指定サイズのプレパックカートリッジにシリカゲル(32〜63mM,細孔径60Å)を充填して実施した。H NMRスペクトルは特に指定しない限り、500MHzスペクトロメーターでCDCl溶液中にて測定した。化学シフトは百万分率(ppm)で報告した。CDCl溶液ではテトラメチルシラン(TMS)を内部標準として使用し、CDOD溶液では残留CHOHピーク又はTMSを内部標準として使用した。カップリング定数(J)はヘルツ(Hz)で報告した。キラル分析用クロマトグラフィーは指定百分率のエタノール/ヘキサン(%Et/Hex)又はイソプロパノール/ヘプタン(%IPA/Hep)をアイソクラチック溶媒系としてChiralpak AS、Chiralpak AD、Chiralcel OD又はChiralcel OJカラム(250×4.6 mm)(Daicel Chemical Industries,Ltd.)の1種で実施した。キラル分取用クロマトグラフィーはキラル分析用クロマトグラフィーに指定した望ましいアイソクラチック溶媒系を使用してChiralpak AS、Chiralpak AD、Chiralcel OD又はChiralcel OJカラム(20×250 mm)(Daicel Chemical Industries,Ltd.)の1種で実施した。
【0072】
略語:酢酸(AcOH)、水溶液(aq)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、酢酸エチル(EtOAc)、ジエチルエーテル(エーテル又はEtO)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、グラム(g)、時間(h又はhr)マイクロリットル(μL)、ミリグラム(mg)、ミリリットル(mL)、ミリモル(mmol)、質量スペクトル(ms又はMS)、2−プロパノール(IPA)、保持時間(R)、室温(rt)、飽和塩化ナトリウム水溶液(ブライン)、トリフルオロ酢酸(TFA)、テトラヒドロフラン(THF)及び分(min)。
【0073】
(中間体1)
【0074】
【化34】

(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸
【0075】
ステップA:(3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
N−メチルモルホリンN−オキシド・HO(30g,228mmol)をHO(45mL)とTHF(120mL)に加えた混合物に撹拌下でtert−ブチルアルコール(80mL)中のOsO(300mg)とシクロペンタ−3−エン−1−カルボン酸メチル(20g,0.114mol)を窒素下に加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をNaHSOで処理し、CHCl(3×100mL)で抽出し、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させ、粗製ジオール(20g)を得、それ以上精製せずに次段階で使用した。
【0076】
ステップB:(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチル及び(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチル
ジオール(20g,0.12 mol)と2,2−ジメトキシプロパン(10mL,90mmol)のアセトン(400mL)溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物(約1.5g)を加えた。室温で3時間撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をを重炭酸ナトリウム(50mL)で希釈し、ジエチルエーテル(100mL×3)で抽出した。エーテル抽出層を重炭酸ナトリウム(150mL)、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、以下の化合物を得た。(1)(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキン酸メチル(4g,収率:16%).H NMR(400MHz):δ4.60−4.62(m,2H),3.68(s,3H),2.77−2.81(m,1H),2.43−2.47(m,2H),1.81−1.89(m,2H),1.38(s,3H),1.25(s,3H);及び(2)(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチル(5g,収率:20%).H NMR(400MHz):δ4.64−4.67(m,2H),3,66(s,3H),2.97−3.03(m,1H),2.08−2.13(m,2H),1.66−1.74(m,2H),1.41(s,3H),1.26(s,3H)。
【0077】
ステップC:(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチル(3.4g,16.98mmol)のEtOH(40mL)溶液に濃HCl水溶液(5.0mL,12M,60.0mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotage 40+M,ヘキサン中40−100% EtOAc)により精製し、標記化合物を淡黄色油状物として得た(2.07g,収率:76%)。H NMR:δ4.00−4.20(m,2H),3.60−3.72(m,2H),3.21(br.s,1H),2.80−3.0(m,1H),2.10−2.30(m,2H),1.90−2.00(m,2H)。
【0078】
ステップD:(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸メチル
0℃の無水酢酸溶液(20mL)に発煙硝酸(12.0mL,187mmol)を加えた。得られた混合物をを0℃で30分間撹拌後、ジオール(3.0g,18.73mmol)の無水酢酸(10mL)溶液を加えた。0℃で3時間撹拌後、混合物を氷に注ぎ、固体NaHCOを使用して中和した。混合物をEtO(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCOとブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotage 40+M,ヘキサン中15% EtOAc)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た(2.2g,収率:47%)。H NMR:δ5.40−5.44(m,2H),3.75(s.3H),2.90−2.96(m,1H),2.44−2.50(m,2H),2.33−2.39(m,2H)。
【0079】
ステップE:(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸
前記二硝酸メチルエステル(2.2g,8.79mmol)のEtOH(20mL)溶液にNaOH(5.3mL,5.0N,26.4mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、pH=3になるまで5.0N HClを使用して混合物を酸性化した後、EtO(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物を白色固体として得た。H NMR:δ5.40−5.44(m,2H),2.97−3.04(m,1H),2.45−2.53(m,2H),2.37−2.43(m,2H)。
【0080】
(中間体2)
【0081】
【化35】

(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸
【0082】
標記化合物はステップCで試薬(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチルの代わりに(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボン酸メチルを使用した以外は中間体1の手順に従って製造した。H NMR:δ5.56−5.59(m,2H),3.20−3.26(m,1H),2.44−2.50(m,2H),2.29−2.35(m,2H)。
【0083】
(中間体3)
【0084】
【化36】

1−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペリジン−4−カルボン酸
【0085】
ステップA:1−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペリジン−4−カルボン酸エチル
中間体2(52mg,0.22mmol)と、ピペリジン−4−カルボン酸エチル(38mg,0.24mmol)と、EtN(61μL,0.44mmol)のCHCl溶液に室温でPyBOP(172mg,0.33mmol)を加えた。室温で3時間撹拌後、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40+S,ヘキサン中35% EtOAc)を使用して混合物を精製し、標記化合物を得た(83mg,収率:100%):H NMRδ5.59−5.64(m,2H),4.35−4.39(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),3.79−3.84(m,1H),3.33−3.40(m,1H),3.14−3.20(m,1H),2.86−2.91(m,1H),2.54−2.60(m,1H),2.40−2.46(m,2H),2.14−2.21(m,2H),1.94−2.00(m,2H),1.61−1.72(m,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
【0086】
ステップB:1−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペリジン−4−カルボン酸
前記エステル(95mg,0.25mmol)のEtOH(5.0mL)溶液に室温でNaOH(100μL,5.0N,0.50mmol)を加えた。室温で3時間撹拌後、pHが〜3になるまで5.0N HClを使用して混合物を酸性化し、EtO(50mL×2)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。H NMRδ5.59−5.64(m,2H),4.36−4.40(m,1H),3.81−3.86(m,1H),3.34−3.41(m,1H),3.17−3.23(m,1H),2.89−2.95(m,1H),2.60−2.66(m,1H),2.41−2.47(m,2H),2.15−2.21(m,2H),1.98−2.05(m,2H),1.63−1.74(m,2H)。
【0087】
(中間体4〜6)
ステップAでピペリジン−4−カルボン酸エチルの代わりに適切なアミノエステルを使用し、中間体2の代わりに適切なシセニトロカルボン酸を使用した以外は、中間体3について記載した手順と同様の手順を使用して以下の中間体を製造した。
【0088】
【表1】


【0089】
(中間体7)
【0090】
【化37】

(1r,3R,5S)−3,5−ビス(ニトロオキシ)シクロヘキシルカルボン酸
【0091】
ステップA:(1r,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸メチル
3,5−ジヒドロキシシクロヘキサン安息香酸エステル(5.0g,29.7mmol)とアルミナ(800mg)担持5% RhのEtOH(50mL)溶液を165℃でH(1000psi)下に3日間撹拌した。次に混合物をCeliteで濾過し、濾液を濃縮した。CHCl中5−10% MeOHを使用して残渣をBiotage(40+M)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、多少のエチルエステルを含有する粗製ジオール(2.4g)を黄色い油状物として得、それ以上精製せずに使用した。
【0092】
ステップB:(1r,3R,5S)−3,5−ビス(ニトロオキシ)シクロヘキサンカルボン酸メチル
0℃の無水酢酸溶液(28.5mL)に発煙硝酸(8.7mL,136mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌後、(1r,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸メチル(2.4g,13.6mmol)の無水酢酸(10mL)溶液を加えた。0℃で3時間撹拌後、混合物を氷上に注ぎ、固体NaHCOを使用して中和した。混合物をEtO(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCOとブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotage 40+M,ヘキサン中3−10% EtOAc)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た(3.1g,86%)。H NMR:δ5.04−4.97(m,2H),3.73(s,3H),2.61−2.54(m,2H),2.48−2.35(m,2H),1.63−1.56(m,3H)。
【0093】
ステップC:(1r,3R,5S)−3,5−ビス(ニトロオキシ)シクロヘキシルカルボン酸
3,5−ビス(ニトロオキシ)シクロヘキサンカルボン酸メチル(3.1g,11.7mmol)のEtOH(20mL)溶液に室温でNaOH(5.0N,7.0mL,35mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌後、pHが〜3になるまで5.0N HClを使用して混合物を酸性化し、EtO(50mL×2)で抽出した。有機層を合わせてブライン(100mL×2)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、粗製標記化合物を白色固体として得、それ以上精製せずに使用した。
【0094】
(中間体8)
【0095】
【化38】

(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル1−クロロエチルカーボネート
【0096】
ステップA:シクロペンタ−3−エン−1−イル 4−ニトロベンゾエート
3−シクロペンテン−1−オール(7.0g,83.0mmol)とEtN(14.5g,143.0mmol)のCHCl(200mL)溶液に塩化4−ニトロベンゾイル (18.5g,100.0mmol)を固体として30分間かけて数回に分けて加えた。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。沈殿を濾別し、濾液を水とブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル9/1;R=0.50)により精製し、標記生成物を得た(15.6g,収率81%).H NMRδ8.28(d,J=8.9Hz,2H),8.20(d,J=8.9Hz,2H),5.81(m,2H),5.69(m,1H),2.95(m,2H),2.61(m,2H)。
【0097】
ステップB:3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート
シクロペンタ−3−エン−1−イル 4−ニトロベンゾエート(8.5g,36.4mmol)をTHF(100mL)とHO(35mL)の混合溶媒に溶解した溶液に4−メチルモルホリンN−オキシド(5.12g,43.7mmol)を加えた後、OsO(tert−BuOH中2.5重量%)(18.53g,1.8mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をHOで希釈し、EtOで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル1/9;R=0.15)により精製し、標記生成物を得た(7.0g,収率72%)。
【0098】
ステップC:(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート及び(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート
3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート(7.0g,26.2mmol)のアセトン(150mL)溶液に2,2−ジメトキシプロパン(27.1g,260.0mmol)を加えた後、TsOH(0.25g,1.3mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.25)により精製し、以下の標記生成物を得た。(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.28g,収率41%).H NMRδ8.15−8.21(m,4H),5.33−5.35(m,1H),4.71−4.74(m,2H),2.28−2.32(m,2H),1.96−2.03(m,2H),1.36(s,3H),1.20(s,3H);(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.37g,収率42%).H NMRδ8.30−8.18(m,4H),5.60−5.52(m,1H),4.77(m,2H),2.48(m,2H),1.84(m,2H),1.50(s,3H),1.32(s,3H)。
【0099】
ステップD:(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート
(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.25g,10.6mmo)のTHF(25mL)溶液に6.0N HCl(30mL)を加えた。室温で2日間撹拌後、混合物をブラインで希釈し、EtOで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.25)により精製し、標記生成物を得た(2.3g,収率81%)。H NMRδ8.31−8.22(m,4H),5.33−5.38(m,1H),4.20(m,2H),2.52−2.46(m,4H),2.11−2.06(m,2H)。
【0100】
ステップE:(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル4−ニトロベンゾエート
0℃に冷却したAcO(25mL)に発煙HNO(7.75g,86.0mmol)を滴下した。得られた溶液を(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート(2.31g,8.6mmol)の0℃のAcO(25mL)懸濁液に滴下した。0℃で2時間撹拌後、混合物を氷上に注ぎ、室温まで昇温し、pH〜7になるまで固体NaHCOを添加して中和した。混合物をEtOで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.50)により精製し、標記生成物を得た(2.91g,収率95%)。H NMRδ8.15−8.21(m,4H),5.55(m,1H),5.30−5.20(m,2H),2.78−2.72(m,2H),2.38−2.30(m,2H)。
【0101】
ステップF:(1R,2S,4r)−4−ヒドロキシシクロペンタン−1,2−ジイル・ジニトレート
(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル4−ニトロベンゾエートのCHOH(20mL)溶液に室温で5.0N NaOH(5mL)を加えた。1時間撹拌後、混合物をEtOAcと1.0N HClに分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮して標記化合物を得、それ以上精製せずに次段階の反応に供した。
【0102】
ステップG:(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル1−クロロエチルカーボネート
(1R,2S,4r)−4−ヒドロキシシクロペンタン−1,2−ジイル・ジニトレートのCHCl(20mL)溶液に室温でクロロギ酸1−クロロエチル(1.32g,9.23mmol)を加えた後、ピリジン(1.82g,23.1mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、混合物をHOで希釈し、CHClで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.35)により精製し、標記生成物を得た。H NMRδ6.4(m,1H),5.47(m,2H),5.16(m,1H),2.73−2.68(m,2H),2.31−2.22(m,2H)1 1.87(d,J=5.7Hz,2H)。
【0103】
(中間体9)
【0104】
【化39】

(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル1−クロロエチルカーボネート
【0105】
標記化合物はステップDで試薬(3aR,5r,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエートの代わりに(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエートを使用した以外は中間体8の手順に従って製造した。
【0106】
(中間体10〜12)
ステップAで3−シクロペンテン−1−オールの代わりに適切なアルコールを使用した以外は中間体8について記載した手順と同様の手順を使用して以下の中間体を製造した。
【0107】
【表2】


【0108】
(中間体13)
【0109】
【化40】

(3R,3aR,6R,6aR)−6−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
【0110】
ステップA:tert−ブチル4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート(2.00g,9.94mmol)と、硝酸テトラエチルアンモニウム(3.82g,19.9mmol)と、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(5.10g,24.9mmol)のDCM(190mL)溶液を窒素下に−70℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.8mL,10.9mmol)のDCM(62ml)溶液を滴下した。得られた混合物を−65℃で3時間撹拌した。次に混合物を室温までゆっくりと昇温し、DCMで希釈し、5%リン酸二水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、標記化合物を得、それ以上精製せずに次段階で使用した。
【0111】
ステップB:硝酸ピペリジン−4−イル塩酸塩
tert−ブチル4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.10g;8.53mmol)のDCM(15mL)溶液を0℃まで冷却し、HClガスを2時間バブリングした。溶媒を濃縮し、残渣をジエチルエーテルで処理し、標記化合物を得、それ以上精製せずに次段階で使用した。
【0112】
ステップC:(3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカーボネート
1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(3.00g,20.5mmol)とトリエチルアミン(3.15mL,22.6mmol)のDCM(100ml)溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(4,55g,22.6mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。次に混合物を5%リン酸二水素ナトリウム溶液(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン20→80%)により精製し、標記化合物を得た。
【0113】
ステップD:(3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
硝酸ピペリジン−4−イル塩酸塩(0.620g,3.40mmol)と、トリエチルアミン(0.567mL,4,07mmol)と、4−ジメチルアミノピリジン(0.083g,0.680mmol)のDCM(23mL)溶液に(3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカーボネート(1.06g,3.40mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。次に混合物をDCMで希釈し、5%リン酸二水素ナトリウム溶液(2×30mL)とブライン(1×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン30→100%)により精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。
【0114】
ステップE:(3R,3aR,6R,6aR)−4−ニトロオキシピペリジン−1−カルボン酸6−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルエステル
(3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.47g,1.48mmol)とEtN(0,45g,4.44mmol)のTHF(25mL)溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(0.30g,1.48mmol)を固体として加えた。室温で一晩撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、5%NaHPOで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラムSNAP 50;n−ヘキサン中60% EtOAc)により精製し、標記生成物を白色固体として得た。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.33−8.29(2H,m),7.45−7.40(2H,m),5.22−5.07(3H,m),4.88−4.80(1H,m),4.79−4.71(1H,m),4.20−3.71(6H,m),3.60−3.30(2H,m),2.12−1.98(2H,m),1.88−1.73(2H,m)。
【0115】
(中間体14)
【0116】
【化41】

4−ニトロオキシピペリジン−1−カルボン酸4−ニトロフェニルエステル
硝酸ピペリジン−4−イル塩酸塩(中間体13,ステップB)(0.40g,2.20mmol)とEtN(0,67g,6.60mmol)のTHF/CHCN 2/1(24mL)溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(0.44g,2.20mmol)を固体として加えた。室温で一晩撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、5%NaHPOで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラムSNAP 50;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.37)により精製し、標記生成物を白色固体として得た。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.36−8.25(2H,m),7.39−7.28(2H,m),5.30−5.18(1H,m),4.00−3.50(4H,m),2.20−2.06(2H,m),2.024.86(2H,m)。
【0117】
(中間体15)
【0118】
【化42】

(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【0119】
ステップA:ヘキサ−5−エン酸tert−ブチル
5−ヘキセン酸(15.2mL,0.131 mol)のDCM(375mL)溶液を0℃まで冷却し、tert−ブタノール(176mL,1.84mol)を加え、次いで4−ジメチルアミノピリジン(3.21g,26.3mmol)を加えた。混合物を室温で22時間撹拌し、濾過し、濃縮した。残渣をDCM/n−ヘキサンに再溶解し、減圧濃縮した。粗製油状物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン5→10%)により精製し、標記生成物を得た。
【0120】
ステップB:5,6−ジヒドロキシヘキサン酸(S)−tert−ブチル
AD−ミックス−α(70g)を水/ブタノール1:1混液(512mL)に懸濁して0℃まで冷却し、ヘキサ−5−エン酸tert−ブチル(8.5g,49.92mmol)を加えた。反応混合物を4℃で70時間撹拌した。次に反応混合物を0℃まで冷却し、EtOAc(280mL)を加えた後、メタ亜硫酸水素ナトリウム(20.6g)を少量ずつ連続して加えた。混合物を0℃で30分間、室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。100% EtOAcを溶離液としてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
【0121】
ステップC:5,6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸(S)−tert−ブチル
発煙硝酸(10.25mL,247.22mmol)と無水酢酸(37.6mL)の溶液を0℃まで冷却し、5,6−ジヒドロキシヘキサン酸(S)−tert−ブチル(10.1g,49.44mmol)のDCM(10mL)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、NaOH水溶液の添加によりpH7に調整し、DCMで抽出した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン10→50%)により精製し、標記生成物を淡黄色油状物として得た。
【0122】
ステップD:(S)−5,6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸
5,6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸(S)−tert−ブチル(12.41g,42.155mmol)のDCM(47mL)溶液をN下に0℃まで冷却し、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(5.82mL,46.37mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間、室温で3時間撹拌した。溶液をブラインで洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗製茶色油状物をそれ以上精製せずに次段階で使用した。
【0123】
ステップE:(3R,3aR,6R,6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−オール
1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(5.00g,34.2mmol)のDCM(102mL)溶液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3.88mL,42.8mmol)を加えた後、p−トルエンスルホン酸(65mg,1.34mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶液をブラインで洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン30→100%)により精製し、標記生成物を淡黄色油状物として得た。
【0124】
ステップF:(5S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
(3R,3aR,6R,6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−オール(2.96g,12.9mmol)のDCM(40.8mL)溶液に粗製(S)−5,6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸(3.06g,12.85mmol)(ステップD)のDCM(9.15mL)溶液を加えた後、EDAC(3.69g,19.28mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(175mg,1.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で16.5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン10→60%)により精製し、標記生成物を淡黄色油状物として得た。
【0125】
ステップG:(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
(5S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(2.27g,5.04mmol)のエタノール(40mL)溶液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(127mg,0.504mmol)を加えた。反応混合物を45℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン10→60%)により精製し、標記生成物を淡黄色油状物として得た。H−NMR(300MHz,CDCl);δ5.30(1H,dd),5.16(1H,q),4.77(1H,d),4.71(1H,t),4.50(2H,rn),4.26(1H,m),4.12(1H,dd),3.94(1H,dd),3.85(1H,dd),3.58(1H,dd),2.61(1H,d),2.47(2H,m),1.83(4H,m)。
【0126】
ステップH:(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(0.80g,2.18mmol)とEtN(0,66g,6.54mmol)のTHF(30mL)溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(0.44g,2.18mmol)を固体として加えた。室温で一晩撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、5% NaHPOで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラムSNAP 50;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル1/1;R=0.38)により精製し、標記生成物を淡黄色油状物として得た。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.32−8.29(2H,m),7.44−7.28(2H,m),5.33(1H,m),5.21−5.05(2H,m),4.89−4.65(3H,m),4.50(1H,m),4.20−3.95(4H,m),3.94−3.85(1H,m),2.50(2H,m),1.84(4H,m)。
【0127】
(中間体16)
【0128】
【化43】

(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【0129】
ステップA:(3S,3aR,6S,6aR)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルジベンゾエート
1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(3.00g,20.53mmol)をTHF(40mL)に溶解した。溶液を冷却(0℃)後、トリフェニルホスフィン(11.85g,45.17mmol)と、安息香酸(5.52g,45.17mmol)と、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(8.75mL,45.17mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、12時間撹拌した。次に溶媒を減圧除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,EtOAc/n−ヘキサン10→30%)により精製し、標記化合物を白色固体として得た。
【0130】
ステップB:(3S,3aR,6S,6aR)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジオール
(3S,3aR,6S,6aR)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルジベンゾエート(6.30g,17.8mmol)に10% NaOH:MeOH=1:1混液(60mL)を加えた。室温で24時間撹拌後、溶媒を減圧蒸発させた。水(30mL)を加え、EtOAc(30mL)による抽出を行った。水層(5% HPOでpHを6に調整)を減圧蒸発させると、白色残渣が残った。テトラヒドロフランを大量に加えた後、懸濁液を濾過し、濾液を濃縮し、標記生成物を白色固体として得た。
【0131】
ステップC:(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
標記化合物はステップBで試薬AD−ミックス−αの代わりにAD−ミックス−βを使用し、ステップEで1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトールの代わりに(3S,3aR,6S,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジオールを使用した以外は中間体15の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.33−8.29(2H,m),7.43−7.39(2H,m),5.38−5.22(3H,m),4.85−4.70(3H,m),4.58−4.46(1H,m),4.20−3.91(4H,m),2.50−2.39(2H,m),1.90−1.73(4H,m)。
【0132】
(中間体17)
【0133】
【化44】

(R)−2−シクロヘキシル−2−(ニトロオキシ)酢酸
HNO(3mL,67mmol)とAcO(10mL)を0℃で混合し、10分後に(R)−(−)−ヘキサヒドロマンデル酸(750mg,4.74mmol)を加えた。反応混合物を0℃で20分間撹拌後、NaOH(10%)氷水に注ぎ、10分間撹拌した。
【0134】
水相をHCl(3N)でpH1〜2まで酸性化し、CHClで抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。H−NMR(CDCl):9.40(1H,bs);5.15(1H,d,J=4.4Hz);1.91(1H,m);1.66(5H,m);1.20(5H,m)。
【0135】
(中間体18)
【0136】
【化45】

2−(4,7,7−トリメチル−3−(ニトロオキシ)ビシクロ[2,2.1]ヘプタン−2−イル)酢酸
標記化合物は2−(4,7,7−トリメチル−3−(ヒドロキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)酢酸を出発材料として使用した以外は、中間体17について記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(CDCl):4.60(1H,d,J=4.0Hz);2.75(2H,m);2.58(1H,m);1.91(1H,m);1.70(2H,m);1.38(1H,m);1.22(1H,m);1.04(3H,s);0.91(6H,s)。
【0137】
(中間体19)
【0138】
【化46】

ステップA:(S)−3−メチル−2−(ニトロオキシ)ブタン酸
標記化合物は(S)−(+)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を出発材料として使用した以外は、中間体17について記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(CDCl):9.40(1H,bs);5.05(1H,d,J=4.5Hz);2.39(1H,m);1.15(3H,d,J=7.0Hz);1.09(3H,d,J=7.0Hz)。
【0139】
(中間体20)
【0140】
【化47】

(S)−3,3−ジメチル−2−(ニトロオキシ)ブタン酸
標記化合物は(S)−(−)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸を出発材料として使用した以外は、中間体17について記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(CDCl):9.96(1H,bs);4.83(1H,s);1.15(9H,s);1.15。
【0141】
(中間体21)
【0142】
【化48】

(3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカーボネート
【0143】
ステップA:(3R,3aS,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルニトレート
発煙硝酸(0.92mL,22.2mmol)をCHCl(44mL)と無水酢酸(2.10mL,22.2mmol)に溶解した溶液を−20℃まで冷却し、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(2.50g,17.1mmol)を固体として加えた。反応混合物を0℃で3時間撹拌後、氷/NaHCOにゆっくりと注いだ。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1,カラムSNAP 100,EtOAc/n−ヘキサン30→100%)により精製し、標記生成物を白色固体として得た(1.35g,収率41%)。H−NMR(300MHz,CDCl);δ5.39(1H,q),4.89(1H,t),4.49(1H,t),4.35−4.27(1H,m),4.10−4.04(2H,m),3.58(2H,t),2.40(1H,d)。
【0144】
ステップB:(3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカーボネート
標記化合物は試薬(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエートの代わりに(3R,3aS,6R,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルニトレートを使用した以外は、中間体13,ステップHの手順に従うことにより製造した。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.37−8.21(2H,m),7.46−7.33(2H,m),5.41−5.29(1H,m),5.20−5.05(1H,m),4.97−4.75(2H,m),4.25−3.91(4H,m)。
【0145】
(中間体22)
【0146】
【化49】

(3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカーボネート
標記化合物は試薬1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトールの代わりに(3S,3aR,6S,6aR)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジオール(中間体16,ステップB)を使用した以外は、中間体21の手順に従うことにより製造した。H−NMR(300MHz,CDCI3);δ8.33−8.14(2H,m),7.43−7.38(2H.m),5.48−5.42(1H,m),5.30−5.24(1H,m),4.88−4.80(2H,m),4.20−4.00(4H,m)。
【0147】
(中間体23)
【0148】
【化50】

(1S,3S)−3−ヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(1S,5R)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル(8g,56.3mmol)のMTBE(100ml)溶液をParrシェーカーで3atmにて12時間水素化した。セライトで蒸発濾過後、10−50% 6:3:1ヘキサン−MTBE−MeCN/ヘキサンを使用して50gシリカゲルBiotage Snapカートリッジでクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.63−1.74(m,3H),δ1.78(s,br,1H),δ1.82−2.07(m,4H),δ2.11−2.19(m,1H),δ3.09(m,1H),δ3.70(s,3H),δ4.48(m,1H)。
【0149】
(中間体24)
【0150】
【化51】

(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(1S,5R)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル(8g,56.3mmol)と重硫酸テトラブチルアンモニウム(1.911g,5.63mmol)をTHF(5ml)と水(75ml)に懸濁し、48時間撹拌した。固体NaClを加え、EtOAc 250mlで3回抽出した。ヘキサン100mlを加え、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。40−60%アセトン−ヘキサンを使用して50g Biotage SNAPカートリッジでシリカゲルクロマトグラフィーに付し、標記生成物を透明油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.89−2.03(m,3H),δ2.26−2.42(m,3H),δ3.08−3.15(m,1H),δ3.74(s,3H),δ4.06(m,1H),δ4.23(m,1H)。
【0151】
(中間体25)
【0152】
【化52】

(1R,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−ヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル(1.3g,8.12mmol)を過塩素酸マグネシウム(0.181g,0.812mmol)のDCM(5ml)懸濁液に加えた。二炭酸ジ−tert−ブチル(3.90g,17.86mmol)のDCM(10ml)溶液を滴下漏斗で40℃(油浴)にてフラスコに滴下し、3時間撹拌すると、発泡が停止した。シリカゲルTLC(8% IPA/ヘキサン)は反応の完了を示した。水50mlを加えて反応混合物をクエンチし、DCMで2回抽出した。DCM溶液をシリカパッドで濾過後、全生成物が溶出するまでシリカを10%アセトン/DCMで洗浄した。濃縮し、5−20% IPA/Hexを使用して100g SNAPカートリッジでシリカゲルクロマトグラフィーに付し、溶出速度の速い位置異性体と標記化合物である溶出速度の遅い位置異性体を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.23(s,9H),δ1.74−1.88(m,3H),δ2.25−2.34(m,1H),δ2.92−2.99(m,1H),δ3.71(s,3H),δ3.76−3.80(m,1H),δ4.05(dd.J=5.1Hz,1H)。
【0153】
15% CHOHと85% COを使用してChiral Pak IAカラムでSFCクロマトグラフィーによりラセミ混合物をそのエナンチオマーに分離した。溶出速度の遅いエナンチオマー[α]+38.6°(1.0,CHCl)α=.溶出速度の速いエナンチオマー[α]−39.2°(1.0,CHCl)。
【0154】
(中間体26)
【0155】
【化53】

(1S,3R,4R)−3−エチル−4−ヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
ヨウ化銅(I)(4.95g,26.0mmol)のエーテル(50ml)懸濁液に−25℃でエチルリチウム(1.7M,30.6ml,52.0mmol)を滴下した。溶液を−25℃で1時間撹拌後、−25℃に維持しながら(1S,5R)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル(1.848g,13mmol)のエーテル溶液(50ml)を滴下した。TLCが反応の完了を示すまで反応混合物を室温まで昇温した。氷冷し、NHCl(飽和)(5ml)でクエンチし、10分間撹拌した。セライトで濾過し、エーテル(3×10ml)で洗浄し、濾液を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。10−50% MTBE/ヘキサンを使用して25g Biotage SNAPカラムでシリカゲルクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ0.96(t,J=7.3Hz,3H),δ1.24−1.48(m,2H),δ1.54−1.77(m,3H),δ1.83−1.90(m,1H),δ2.12−2.29(m,2H),δ3.02(m,1H),δ3.69(s,3H),δ3.98(m.1H)。
【0156】
(中間体27)
【0157】
【化54】

(1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシシクロペンタンカルン酸メチル
テフロン(登録商標)管内で(1S,5R)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル(300mg,2.110mmol)のジクロロエタン(3ml)溶液に弗化水素−ピリジン(0.190ml,2.110mmol)を加え、周囲温度で6時間撹拌した。氷/NaHCO 5mlに注意深く注ぎ、DCMで3回抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、30−50%アセトン−ヘキサンを使用してシリカゲルクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.96−2.03(m,1H),δ2.12−2.32(m,3H),δ2.38−2.52(m,1H),δ3.12(m,1H),δ3,72(s,3H),δ4.34(m,1H),δ4.86(d of m.J=51.5Hz,1H)。
【0158】
(中間体28)
【0159】
【化55】

(1S,3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(3S,4R)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル(0.481g,3mmol)と、新たに製造した酸化銀(0.348g,1.500mmol)と、ヨウ化メチル(0.375ml,6.00mmol)をDMFに加え、3時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、エーテル15mlで洗浄した。有機濾液をブラインで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。20−40%アセトン−ヘキサンを溶離液としてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.01−2.18(m,4H),δ2.48(s,br,1H),δ2.77(m,1H),δ3.40(s,3H),δ3.6−3.65(m,1H),δ3.71(s,3H),δ4.10(m,1H)。
【0160】
(中間体29)
【0161】
【化56】

(R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチル2−クロロプロパノエート
【0162】
ステップA:(2R)−3,3−ジメチルブタン−1,2,4−トリオール
水素化アルミニウムリチウム(3.00g,79.1mmol)の無水THF(100mL)懸濁液に0℃で撹拌下に(R)−パントラクトン(10.30g,79.14mmol)のTHF(100mL)溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌後、更に2時間加熱還流した。混合物を0℃まで冷却し、白色固体が沈殿するまで反応混合物を飽和NaSO水溶液でクエンチした。固体を濾別し、フィルターケーキをTHF(2×60mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、標記化合物を純粋な無色油状物として得た。
【0163】
ステップB:[(2R,4R)−2−(4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−イル]メタノール
ステップAで得られた化合物(5.6g,41.76mmol)の無水CHCl(115mL)溶液に撹拌下にp−メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(11.42g,62.64mmol)とp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(2.1g,8.35mmol)を加えた。混合物を18時間加熱還流後、室温まで冷却し、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(50mL)でクエンチした。水層を分離し、EtO(3×75mL)で抽出し、抽出層を合わせて飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)した。濾過し、濾液を減圧濃縮し、残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン中20% EtO→ヘキサン中40% EtOで勾配溶出)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
【0164】
ステップC:[(2R,4R)−2−(4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−イル]メチル4−ニトロベンゾエート
ステップBで得られた化合物(3.59g,14.24mmol)とTEA(1.98ml,14,24mmol)のDCM(50ml)溶液に撹拌下に塩化4−ニトロベンゾイル (2.64g,14.24mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。有機相を5% NaHPO溶液とブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、減圧蒸発させた。n−ヘキサンを加えて粗生成物を0℃でEtOAcから結晶させた。生成物を淡黄色固体として得た。
【0165】
ステップD:(2R)−2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル4−ニトロベンゾエート
ステップCで得られた化合物(4.4g,10.96mmol)をTHF(5ml)と酢酸(70%)(50ml)に溶解した溶液を60℃に4時間加熱した。溶媒を減圧濃縮し、EtOAcに溶解した。有機層をNaHCOとブラインで洗浄した。有機相を減圧濃縮し、粗生成物を0℃でEtOとn−ヘキサンから結晶させ、白色固体を得た。
【0166】
ステップE:(2R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチル4−ニトロベンゾエート
ステップDで得られた化合物(2.11g,7.4mmol)のDCM(3ml)溶液を窒素雰囲気下で0℃にて硝酸(1.8ml,44.4mmol)の無水酢酸(12ml)溶液に加えた。反応混合物を30分間撹拌後、氷/10% NaOH溶液に注ぐことによりクエンチした。水相をDCMで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、減圧濃縮した。
【0167】
ステップF:(3R)−4−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−(ニトロオキシ)ブチルニトレート
ステップEで得られた化合物(2.38g,6.37mmol)のテトラヒドロフラン/エタノール(各5mL)溶液に0℃で撹拌下にメタノール(0.5mL)と炭酸カリウム(1g,7.64mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌後、EtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、水とブラインで順次洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage System,SNAPカートリッジシリカ100g,溶離液:15CV中にn−ヘキサン/酢酸エチル75/25→n−ヘキサン/酢酸エチル60/40)により精製し、化合物Fを油状物として得た。
【0168】
ステップG:(R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチル2−クロロプロパノエート
標記化合物は中間体8,ステップGに記載した手順に従うことにより製造した。H NMR(CDCl):5.41(1H,m);5.33(1H,m);4.61(1H,m);4.34(3H,m);1.85(3H,dd);1.18(6H,dd)。
【0169】
(中間体30)
【0170】
【化57】

4−((3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)−4−オキソブタン酸
D−イソソルビド−5−モノニトラート(0.800g,4.19mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液にトリエチルアミン(0.876mL,6.29mmol)を加えた後、無水琥珀酸(0.554g,5.44mmol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。次に混合物をジクロロメタンで希釈し、NaHPOの5%溶液(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させ、目的生成物を無色油状物として得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ:5.48(m,1H),5.09(m,1H),4.97(m,1H),4.40(m,1H),4.02−3.77(m,4H),2.56−2.43(m,4H)。
【0171】
(中間体31〜32)
(3R,3aS,6S,6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルニトレートの代わりに適切なアルコールを使用した以外は、中間体30について記載した手順と同様の手順を使用して以下の中間体を製造した。
【0172】
【表3】


【0173】
中間体31,32化合物名:
4−((3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)−4−オキソブタン酸
4−((3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)−4−オキソブタン酸。
【実施例】
【0174】
(実施例1)
【0175】
【化58】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタノエート
【0176】
ステップA:シクロペンタ−3−エン−1−イル 4−ニトロベンゾエート
3−シクロペンテン−1−オール(7.0g,83.0mmol)とEtN(14.5g,143.0mmol)のCHCl(200mL)溶液に塩化4−ニトロベンゾイル (18.5g,100.0mmol)を固体として30分間かけて数回に分けて加えた。得られた懸濁液をを室温で一晩撹拌した。沈殿を濾別し、濾液を水とブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル9/1;R=0.50)により精製し、標記生成物を得た(15.6g,収率81%):H NMR(500MHz,CDCl)δ8.28(d,J=8.9Hz,2H),8.20(d,J=8.9Hz,2H),5.81(m,2H),5.69(m,1H),2.95(m,2H),2.61(m,2H)。
【0177】
ステップB:(3R,4S)−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート
シクロペンタ−3−エン−1−イル 4−ニトロベンゾエート(8.5g,36.4mmol)をTHF 100mLと水35mLの混合溶媒に溶解した溶液に4−メチルモルホリン4−オキシド(5.12g,43.7mmol)を加えた後、四酸化オスミウム(2.5重量% 2−メチル−2−プロパノール溶液)(18.5g,1.8mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮した。残渣を水で希釈し、EtOで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル1/9;R=0.15)により精製し、標記生成物を得た(7.0g,収率72%)。
【0178】
ステップC:2,2−(3aR,5r,6aS)−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート及び2,2−(3aR,5s,6aS)−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート
(3R,4S)−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート(7.0g,26.2mmol)のアセトン(150mL)溶液に2,2−ジメトキシプロパン(27.1g,260.0mmol)を加えた後、p−トルエンスルホン酸(0.25 g.1.3mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌後、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.25)により精製し、以下の化合物を得た。2,2−(3aR,5r,6aS)−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.28g,収率41%):H NMR(500MHz,CDCl)δ8.15−8.21(m,4H),5.33−5.35(m,1H),4.71−4.74(m,2H),2.28−2.32(m,2H),1.96−2.03(m,2H),1.36(s,3H),1.20(s,3H);2,2−(3aR,5s,6aS)−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.37g,収率42%):H NMR(500MHz,CDCl)δ8.30−8.18(m,4H),5.60−5.52(m,1H),4.77(m,2H),2.48(m,2H),1.84(m,2H),1.50(s,3H),1.32(s,3H)。
【0179】
ステップD:(1s,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート
(3aR,5s,6aS)−2,2−ジメチルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル 4−ニトロベンゾエート(3.25g,10.6mmo)のTHF(25m)溶液にHCl(30mL,6.0N)を加えた。室温で2日間撹拌後、混合物をブラインで希釈し、EtOで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.25)により精製し、標記生成物を得た(2.3g,収率81%):H NMR(500MHz,CDCl)δ8.31−8.22(m,4H),5.33−5.38(m,1H),4.20(m,2H),2.52−2.46(m,4H),2.11−2.06(m,2H)。
【0180】
ステップE:(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル4−ニトロベンゾエート
0℃に冷却した無水酢酸25mLに硝酸(発泡)(7.75g,86.0mmol)を滴下した。得られた溶液を0℃に冷却した(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンチル4−ニトロベンゾエート(2.31g,8.6mmol)の無水酢酸(25mL)溶液に滴下した。0℃で2時間撹拌後、混合物を氷上に注いだ。室温まで昇温し、pH=7まで固体重炭酸ナトリウムを加えることにより中和後、EtOで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.50)により精製し、標記生成物を得た(2.91g,収率95%):H NMR(500MHz,CDCl)δ8.15−8.21(m,4H),5.55(m,1H),5.30−5.20(m,2H),2.78−2.72(m,2H),2.38−2.30(m,2H)。
【0181】
ステップF:(1R,2S,4s)−4−ヒドロキシシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル4−ニトロベンゾエートのMeOH(20mL)溶液に室温でNaOH(5mL,5.0N)を加えた。1時間撹拌後、混合物をEtOAcと1.0N HClに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮して標記化合物を得、それ以上精製せずに次段階の反応に供した。
【0182】
ステップG:(1R,2S,4r)−4−アジドシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
(1R,2S,4r)−4−ヒドロキシシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート(230mg,1.11mmol)と、トリフェニルホスフィン(580mg,2.21mmol)と、イミダゾール(301mg,4.42mmol)と、ピリジン−ビス(トリアザ−1,2−ジエン−2−イウム−1,3−ジイド−κN)亜鉛(2:1)錯体(680mg,2.21mmol)をCHCl(10mL)に懸濁した懸濁液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(447 m,2.21mmol)を滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。上清をEtO/EtOAc(1:1,100mL)で希釈し、希HCl(0.1N,50mL×3)、飽和NaHCO(50mL×3)及びブラインで洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40+M,ヘキサン中20% EtOAcを使用)により精製し、標記生成物を得た(250mg,収率97%):H NMR(500MHz,CDCl)δ5.44−5.40(m,2H),4.04−4.01(m,1H),2.60−2.54(m,2H),2.10−2.04(m,2H)。
【0183】
ステップH:(1R,2S,4r)−アミノシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
(1R,2S,4r)−4−アジドシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート(250mg,1.07mmol)のTHF(10mL)溶液に室温でHO(0.5mL)とトリメチルホスフィン(1.0M,1.6mL,1.6mmol)を加えた。室温で3時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮し、粗製標記化合物(222mg)を得、それ以上精製せずに使用した。
【0184】
ステップI:4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタン酸
(1R,2S,4r)−4−アミノシクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート(222mg,1.07mmol)と、無水琥珀酸(129mg,1.29mmol)と、トリエチルアミン(299μL,2.14mmol)をCHCl(10mL)に加えた混合物を室温で一晩撹拌した。次に反応混合物をEtO(50mL)とHCl(0.1N,50mL)に分配した。有機層を分離し、HCl(0.1N,50mL)とブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、粗製標記化合物を得、それ以上精製せずに使用した。
【0185】
ステップJ:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタノエート
4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタン酸(173mg,0.56mmol)と(+)−シクレタニン(73.7mg,0.28mmol)のCHCl(10mL)溶液に室温でトリエチルアミン(157μL,1.12mmol)とBOP−Cl(172mg,0.68mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。(ヘキサン中80% EtOAcを使用して)分取薄層クロマトグラフィーにより反応混合物を精製し、標記生成物を白色固体として得た:H NMR(500MHz,CDCl)δ8.05(s,1H),7.34(d,J=8.4Hz,2H),7.26(d,J=8.2Hz,2H),6.19(s,1H),5.96(d,J=8.0Hz,1H),5.19−5.16(m,2H),5.17(dd,J=2.2,14.0Hz,1H),5.04(dd,J=1.6,14.0Hz,1H),4.54−4.50(m,1H),2.96−2.93(m,2H),2.64−2.58(m,4H),2.46(s,3H),1.89−1.84(m,2H););LC−MS:m/z 551.2(M+H).(R=1.84分)。
【0186】
(実施例2〜5)
ステップJで4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタン酸の代わりに適切な酸を使用した以外は、実施例1に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0187】
【表4】


【0188】
(実施例6〜7)
ステップJで4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタン酸の代わりに適切な酸を使用した以外は、実施例1に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0189】
【表5】

【0190】
(実施例8)
【0191】
【化59】

3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペクチンカルボキシレート
【0192】
ステップA:(1s,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル及び(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル
シクロペンタ−3−エン−1−カルボン酸メチル(26g,206mmol)と4−メチルモルホリン−N−オキシド(26.6g,227mmol)のt−ブタノール(500ml)溶液に撹拌下に四塩化オスミウムの4%水溶液(25.2ml,4.12mmol)を滴下し、混合物を室温で撹拌した。8時間後に、アリコートのNMRは出発オレフィンがなくなったことを示した。溶液を約200mlまで濃縮後、亜硫酸水素ナトリウム300mgと水250mlで希釈した。水溶液を9:1エーテル−ジクロロメタン混液300mLで3回抽出し、有機層を合わせてNaHCO、水及びブラインで洗浄した。有機抽出層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。21フリット付き漏斗にてヘキサンで充填したシリカゲルカラムに油性残渣をアプライした。エーテル−ヘキサンのステップ勾配(10%、20%、30%、40%及び50%エーテル−ヘキサン500mLずつ)後にアセトン−ヘキサンのステップ勾配(5%、10%及び15%を1Lずつ)を使用してカラムから溶出させた。次にカラムを15%アセトン−ヘキサンで洗浄し、(1s,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチルを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.9−2.06(m,2H),2.08−2.16(m,2H),2.58(s,br,2H),3.18(m,1H),3.50(s,3H),4.20(m,2H)。
【0193】
更にカラムから溶出させ、(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチルを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.85−2.0(m,2H),2.18−2.26(m,2H),2.84(m,1H),2.92(s,br,2H),3.73(s,3H),4.06(m,2H)。
【0194】
ステップB:(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸メチル
無水酢酸溶液(20ml,212mmol)を氷浴で0℃まで冷却後、撹拌下に発煙硝酸(10ml,270mmol)を滴下した。溶液を0℃で10分間撹拌後、溶液の温度が10℃未満に維持されるような速度で(1s,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル(8.01g,50mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液を滴下した。滴下の完了後、混合物を0℃で30分間撹拌した。
【0195】
冷溶液を氷水500mLに注ぎ、混合物を10分間撹拌した。次にジクロロメタン300mLを加え、層分離した。水層をジクロロメタン200mLで洗浄し、有機抽出層をNaHCO水溶液200mLで2回、水200mL及びブライン200mLで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、減圧乾燥し、標記化合物を透明油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.2−2.3(m,2H),2.4−2.5(m,2H),3.20(m,1H),3.76(s,3H),5.60(m,2H)。
【0196】
ステップC:(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸
(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸メチルのメタノール(300mL)溶液を0℃まで冷却した。KOHサンプル(6.17g,110mmol)を水25mlに溶解し、この溶液を滴下した。加水分解が完了するまで溶液を2時間撹拌した。6M HClの添加により溶液のpHを7に調整し、メタノールを減圧除去した。水性残渣を6M HClでpH4まで酸性化し、クロロホルム200mLを加えた。層分離し、水層をクロロホルム200mLで更に2回洗浄した。有機抽出層を合わせてNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、標記化合物を固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.2−2.3(m,2H),2.4−2.5(m,2H),3.20(m,1H),5.60(m,2H)。
【0197】
ステップD:(1R,2S,4s)−4−(クロロカルボニル)シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
氷浴で0℃まで冷却しておいた(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(9.45g,40mmol)のジクロロエタン(50mL)溶液に撹拌下に塩化オキサリルの2Mジクロロメタン溶液(80ml,160mmol)を滴下した。DMF 100uLを加え、溶液を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、減圧乾燥して標記化合物を得、精製せずに次段階で使用した。
【0198】
ステップE:3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
ステップDからの(1R,2S,4s)−4−(クロロカルボニル)シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレートのジクロロメタン(150mL)溶液を0℃まで冷却した。これに3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オール(9.63g,36.8mmol)とピリジン(3.88ml,48.0mmol)を加え、濁った混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を水200mLとジクロロメタン200mLに分配した。層分離し、有機層を合わせて水200mL、ブライン200mLで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。5−15%アセトン−ヘキサンを使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.48(s,3H),2.5−2.53(m,2H),2.56−2.62(m,2H),3.55(m,1H),5.05(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.17(dd,J=14Hz,3Hzs 1H),5.67(m,2H),6.24(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.12(s,1H);LC−MS:m/z 480(35Cl M+1),482(37Cl M+1)。
【0199】
(実施例9)
【0200】
【化60】

3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3.4−c]ピリジン−7−イル (1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
標記化合物は試薬(1s,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチルの代わりに(1r,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシシクロペンタンカルボン酸メチル(実施例1,ステップA)を使用した以外は、実施例8,ステップB〜Eの手順に従って製造した。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.56(s,3H),2.57−2.62(m,2H),2.64−2.71(m,2H),3.35(m,1H),5.11(dd,J=14Hz,2.5Hz,1H),5.23(dd,J=14Hz,2.5Hz,1H),5.56(m,2H),6.25(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.14(s,1H);LC−MS:m/z 480(35Cl M+1),482(37Cl M+1)。
【0201】
(実施例10)
【0202】
【化61】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
標記化合物は試薬3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オールの代わりに(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オールを使用した以外は、実施例8,ステップEの手順に従って製造した。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.48(s,3H),2.5−2.53(m,2H),2.56−2.62(m,2H),3.55(m,1H),5.05(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.17(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.67(m,2H),6.24(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.12(s,1H);LC−MS:m/z 480(35Cl M+1),482(37Cl M+1)。
【0203】
(実施例11)
【0204】
【化62】

(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
標記化合物は試薬3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オールの代わりに(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オールを使用した以外は、実施例8,ステップEの手順に従って製造した。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.48(s,3H),2.5−2.53(m,2H),2.56−2.62(m,2H),3.55(m,1H),5.05(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.17(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.67(m,2H),6.24(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.12(s,1H);LC−MS:m/z 480(35Cl M+1),482(37Cl M+1)。
【0205】
(実施例12)
【0206】
【化63】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(476mg,2.014mmol)と4−N,N−ジメチルアミノピリジン(3mg,0.025mmol)をアセトニトリル(12ml)とN,N’−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した溶液にPyBOP(1384mg,2,66mmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。これに(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オール(497mg,1.9mmol)を加え、次いでアセトニトリル1mL中のトリエチルアミン(0.397ml,2.85mmol)を加えた。LC/MSが反応の完了を示すまで反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン20mlと水10mlに溶解した。更にエーテル20mLを加え、層分離した。有機層を水10mLで2回、ブライン10mLで1回洗浄後、NaSOで乾燥し、シリカゲルパッドで濾過し、濃縮した。ヘキサン−メチルt−ブチルエーテル−アセトニトリルとヘキサンの20%→80%の直線勾配を使用して50g Biotage SNAPシリカゲルカラムでHPLCにより残渣を精製し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.48(s,3H),2.5−2.53(m,2H),2.56−2.62(m,2H),3.55(m,1H),5.05(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.17(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.67(m,2H),6.24(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.12(s,1H);LC−MS:m/z 480(35Cl M+1),482(37Cl M+1)。
【0207】
(実施例13〜27)
【0208】
【化64】

【0209】
実施例8及び12に記載した手順を使用して以下の実施例13〜27を製造した。
【0210】
【表6】


【0211】
(実施例27)
【0212】
【化65】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート
【0213】
ステップA:エチルN−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート
(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(1.889g,8mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液にN−エチル−N−(1,1,−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩(2.454g,12.80mmol)を加えた。15分後にグリシンエチルエステル塩酸塩(1.340g,9.60mmol)とピリジン(0.78mL,9.60mmol)を加え、溶液を室温で撹拌した。2時間後に溶液をエーテル100mLと水50mLで希釈し、層分離した。水層を酢酸エチル50mLで洗浄し、有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、シリカゲルパッドで濾過し、濃縮した。(3:6:1ヘキサン−メチルtert−ブチルエーテル−アセトニトリル):ヘキサン20%→50%の直線勾配を使用してBiotage SNAP−50カートリッジでクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.33(t,J=7Hz,3H),2.2−2.25(m,2H),2.42−2.48(m,2H),2.58(s,br,2H),3.03(m,1H),3.50(s,3H),4.06(d,J=6Hz,2H)4.26(q,J=7Hz,2H),5.65(m,2H),6.05(t,br,J=6Hz,1H);LC−MS:m/z 322。
【0214】
ステップB:N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシン
エチルN−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート2.0g(6.23mmole)のメタノール(10mL)溶液を氷浴で0℃まで冷却した。これに4M KOH溶液3.27mLを加え、溶液を0℃で2時間撹拌後、30分間かけて室温まで昇温した。溶液を6M HClでpH7まで酸性化後、メタノールを減圧除去した。水溶液を6M HClでpH3まで酸性化し、標記化合物を濾取した。LC−MS:m/z 322。
【0215】
ステップC:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート
N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシン(5.88mg,2.67mmol)と4−N,N−ジメチルアミノピリジン(7mg,0.057mmol)をアセトニトリル(12ml)とN,N’−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した溶液にPyBOP(1392mg,2.67mmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。これに(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オール(500mg,1.91mmol)を加えた後、アセトニトリル1mL中のトリエチルアミン(0.399ml,2.85mmol)を加えた。LC/MSが反応の完了を示すまで反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液を水で希釈し、固体生成物を濾取した。固体を80%アセトニトリル−エーテルで洗浄し、風乾し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d6)δ2.2−2.25(m,2H),2.41(s,3H),2.48−2.56(m,2H),3.3(m,1H),4.3(d,J=6Hz,2H),5.04(dd,J=14Hz,1.5Hz,1H),5.21(dd,J=14Hz,3Hz,1H),5.8(m,2H),6.32(s,1H),7.44(dd,J=7Hz,J=3Hz,4H),8.03(t,br,J=6Hz,1H),8.13(s,1H);LC−MS:m/z 537(35Cl M+1),539(37Cl M+1)。
【0216】
(実施例28〜30)
グリシンエチルエステル塩酸塩の代わりにL−アラニン、L−ロイシン又はL−フェニルアラニンのエステルを使用した以外は、実施例27に記載したように以下の実施例28〜30を製造した。
【0217】
【表7】

【0218】
(実施例31〜34)
ステップAで(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸の代わりに適切な酸を使用した以外は、実施例27に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0219】
【表8】

【0220】
(実施例35〜36)
ステップAで(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸とグリシンエチルエステル塩酸塩の代わりに夫々適切な酸とサルコシンエチルエステル塩酸塩を使用した以外は、実施例27に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0221】
【表9】

【0222】
(実施例37)
【0223】
【化66】

(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート
(+)−シクレタニン(1.4g,5.35mmol)のDMF(20mL)溶液に0℃でNaH(60重量%,0.32g,8.02mmol)を加えた。0℃で20分後に(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル1−クロロエチルカーボネート(2.02g,6.42mmol)を加えた。混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。次に混合物をEtOAcとHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム40M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル5/5;R=0.35)により精製し、標記生成物を得た(1.71g,収率64%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.08(s,1H),7.36−7.26(m,4H),6.20(s,1H),5.50(m,2H),5.23−5.10(m,2H),2.73−2.68(m,2H),2.50(s,3H),2.34−2.04(m,2H);LC−MS:m/z 496.3(M+H).(t=3.39)。
【0224】
(実施例38〜46)
ステップAで(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸の代わりに適切な酸を使用した以外は、実施例37に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0225】
【表10】


【0226】
(実施例47)
【0227】
【化67】

5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート
【0228】
ステップA:5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロフェニルカーボネート
6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトレート(150mg,0.67mmol)のCHCl(15mL)溶液に室温でクロロギ酸4−ニトロフェニル(202mg,1.00mmol)を加えた後、ピリジン(159mg,2,01mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、HOで希釈した。混合物をCHClで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム25M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.35)により精製し、生成物を得た(210mg,収率81%)。
【0229】
ステップB:5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート
シクレタニン(120mg,0.55mmol)のDMF(10mL)溶液にCsCO(373mg,1.15mmol)を加えた後、5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロフェニルカーボネート(210mg,0.54mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、HOで希釈し、CHClで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム25M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル5/5;R=0.35)により精製し、生成物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.08(s,1H),7.36−7.27(m,4H),6.21(s,1H),5.34(m,1H),5.26(m,1H),5.13(m,1H),4.77(m,1H),4.48(m,1H),4.32(m,2H),2.51(s,3H),1.84(m,4H),1.69−1.55(m,2H)。
【0230】
(実施例48)
【0231】
【化68】

3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル−3−(ニトロオキシ)プロピルカーボネート
硝酸3−ヒドロキシプロピル(100mg,0.83mmol)のTHF(10mL)溶液に0℃でホスゲン(トルエン中20%,425mg,0.86mmol)を加えた。0℃で45分間撹拌後、混合物を室温まで昇温した。室温で2時間撹拌後、混合物を濃縮した。残渣をCHCl 10mLに溶解し、シクレタニン(150mg,0.57mmol)とジイソプロピルエチルアミン(185mg,1.43mmol)の懸濁液に加えた。室温で一晩撹拌後、混合物をHOで希釈し、CHClで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラム25M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.35)により精製し、標記生成物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.37(s,1H),7.40−7.28(m,4H),6.29(s,1H),5.42−5.25(m,2H),4.66(m,2H),4.49(m,2H),2.71(s,3H),2.28−2.23(m,2H)。
【0232】
(実施例49)
【0233】
【化69】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボキシレート
【0234】
ステップA:4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(103.2mg,0.44mmol)と、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg,0.44mmol)と、EtN(122μL,0.87mmol)のCHCl(20mL)溶液に室温でPyBOP(341mg,0.66mmol)を加えた。3時間撹拌後、反応混合物ををフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40+S;ヘキサン/EtOAc 7/3)により精製し、標記生成物を得た(167mg,収率94%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ5.62(m,2H),3.62−3.60(m,2H),3.47−3.34(m,7H),2.45−2.41(m,2H),2.22−2.16(m,2H),1.48(s,9H)。
【0235】
ステップB:(1R,2S,4s)−4−(ピペラジン−1−イルカルボニル)シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(167mg,0.42mmol)のCHCl(5mL)溶液に室温でトリフルオロ酢酸(1.0mL,13.0mmol)を加えた。3時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、標記生成物を得た(90mg,収率71%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ5.63−5.60(m,2H),3.62−3.60(m,2H),3.47−3.44(m,2H),3.37−3.32(m,1H),2.89−2.84(m,4H),2.47−2.41(m,2H),2.20−2.14(m,2H)。
【0236】
ステップC:(1R,2S,4s)−4−{[4−(4−ニトロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート
(1R,2S,4s)−4−(ピペラジン−1−イルカルボニル)シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート(90mg,0.30mmol)とEtN(41μL,0.30mmol)のEtO(10mL)溶液に0℃でクロロギ酸4−ニトロフェニル(1.0mL,13.0mmol)を加えた。混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。反応混合物をEtO(20mL)で希釈し、ブライン(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40+S;ヘキサン/EtOAc 6/4)により精製し、標記生成物を得た(51mg,収率37%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.27(d,J=9.2,2H),7.31(d,J=9.2,2H),5.65−5.62(m,2H),3.74−3.61(m,8H),3.43−3.38(m,1H),2.49−2.44(m,2H),2.25−2.19(m,2H)。
【0237】
ステップD:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボキシレート
(+)−シクレタニン(28.4mg,0.11mmol)と(1R,2S,4s)−4−{[4−(4−ニトロベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}シクロペンタン−1,2−ジイルジニトレート(51mg,0.11mmol)のDMF(5mL)懸濁液に室温でCsCO(70.8mg,0.22mmol)を加えた。一晩撹拌後、混合物をEtO(20mL)で希釈し、ブライン(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/6)により精製し、標記生成物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.05(s,1H),7.34(d,J=8.5,2H),7.26(d,J=8.5,2H),6.20(s,1H),5.64−5.62(m,2H),5.22(dd,J=2.3,13.7,1H),5.11(dd,J=1.6,13.7,1H),3.75−3.40(m,8H),3.40(m,1H),2.47−2.44(m,5H),2.25−2.19(m,2H);LC−MS:m/z 592.26(M+H),R=1.94分。
【0238】
(実施例50)
【0239】
【化70】

(R)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 2−シクロヘキシル−2−(ニトロオキシ)アセテート
中間体17(660mg,3.25mmol)をCHCl(5mL)に溶解した。0℃まで冷却した溶液に(COCl)(1.12mL,12.8mmol)とDMF数滴を加えた。反応混合物を0℃で1〜2時間撹拌後、揮発分を除去し、混合物をCHClで2回抽出した。残渣をCHCl(30mL)に溶解した。0℃まで冷却した溶液に(+)−シクレタニン(837mg,3.2mmol)とピリジン(387μL,4.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、ブラインでクエンチし、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗製物質をSP1 BIOTAGE(溶離液EtOAc/ヘキサン10→40%)により精製し、標記化合物を白色固体として得た。H−NMR(CDCl):8.11(1H,s);7.32(4H,m);6.23(1H,s);5.26(1H,d,J=4.7Hz);5.11(2H,m);2.49(3H,s);2.19(1H,m);1.87(5H,m);1.36(5H,m)。
【0240】
(実施例51)
【0241】
【化71】

(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−(4,7,7−トリメチル−3−(ニトロオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)アセテート
標記化合物は中間体18を出発材料として使用した以外は、実施例50に記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(DMSO):8.12(1H,s);7.43(4H,m);6.34(1H,s);5.11(2H,m);4.83(1H,d,J=4Hz);3.17(1H,m);2.86(1H,m);2.76(1H,m);2.35(3H,s);1.85(1H,m);1.62(2H,m);1.41(2H,m);0.98(3H,s);0.87(3H,s);0.85(3H,s)。
【0242】
(実施例52)
【0243】
【化72】

(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3−メチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート
標記化合物は中間体19を出発材料として使用した以外は、実施例50に記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(CDCl):8.11(1H,s);7.32(4H,m);6.22(1H,s);5.27(1H,d,J=4.5Hz);5.11(2H,m);2.55(1H,m);2.49(3H,s);1.26(3H,d,J=6.9Hz);1.20(3H,d,J=6.9Hz)。
【0244】
(実施例53)
【0245】
【化73】

(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3,3−ジメチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート
標記化合物は中間体20を出発材料とした以外は、実施例50に記載したと同一手順に従うことにより製造した。H−NMR(CDCl):8.11(1H,s);7.33(4H,m);6.22(1H,s);5.10(3H,s+m);2.51(3H,s);1.26(9H,s)。
【0246】
(実施例54)
【0247】
【化74】

(3R,3aR,6R,6aR)−6−((3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
シクレタニン(0.25g,0.97mmol)と中間体13(0.47g,0.97mmol)のDMF(15mL)溶液にDMAP(0.18g,1.46mmol)を固体として加えた。室温で一晩撹拌後、混合物をEtOAcで希釈し、5% NaHPOで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1;カラムSNAP 50;CHCl中2% MeOH)により精製し、標記生成物を白色固体として得た。H−NMR(300MHz,DMSO−d);δ8.12(1H,s);7.48−7.42(4H,m);6.35(1H,s);5.81−5.05(4H,m);5.0−4.9(1H,m);4.85−4.79(1H,m);4.6−4.52(1H,m);4.15−4.05(1H,m);4.09−4.9(2H,m);3.72−3.62(3H,m);3.4−3.2(2H,m),2.40(3H,s);2.05−1.92(2H,m);1.7−1.57(2H,m)。
【0248】
(実施例55)
【0249】
【化75】

4−ニトロオキシピペリジン−1−カルボン酸3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルエステル
標記化合物は試薬中間体13の代わりに中間体14を使用した以外は、実施例54の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.06(1H,s);7.40−7.27(4H,m);6.22(1H,s);5.30−5.08(3H,m);4.05−3.50(4H,m);2.49(3H,s);2.20−2.08(2H,m);2,01−1.86(2H,m)。
【0250】
(実施例56)
【0251】
【化76】

(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
標記化合物は試薬中間体13の代わりに中間体15を使用し、試薬シクレタニンの代わりに(+)−シクレタニンを使用した以外は、実施例54の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.11(1H,s);7.40−7.27(4H,m);6.22(1H,s);5.40−5.26(2H,m);5.20−5.17(3H,m);5.92−5.20(3H,m);4.59−4.46(1H,m);4.21−4.01(3H,m);3.95−3.85(1H,m);2.60−2.44(5H,m);1.93−1.78(4H,m).
(実施例57)
【0252】
【化77】

(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
標記化合物は試薬中間体13の代わりに中間体16を使用し、試薬シクレタニンの代わりに(+)−シクレタニンを使用した以外は、実施例54の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,CDCl);δ8.10(1H,s);7.40−7.27(4H,m);6.22(1H,s);5.35−5.10(4H,m);4.81−4.74(3H,m);4.57−4.46(1H,m);4.15−3.92(4H,m);2.52(3H,s);2.50−2.40(2H,m);1.90−1.78(4H,m)。
【0253】
(実施例58)
【0254】
【化78】

(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート
標記化合物は試薬中間体13の代わりに中間体21を使用し、試薬シクレタニンの代わりに(+)−シクレタニンを使用した以外は、実施例54の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.17(1H,s);7.5−739(4H,m);6.35(1H,s);5.55−5.45(1H,m);5.3−5.05(3H,m);4.87−4.79(2H,m);4.18−4.05(2H,m);3.93−3.85(2H,m);2.40(3H,s)。
【0255】
(実施例59)
【0256】
【化79】

(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート
標記化合物は試薬中間体13の代わりに中間体22を使用し、試薬シクレタニンの代わりに(+)−シクレタニンを使用した以外は、実施例54の手順に従って製造した。H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ8.16(1H,s);7.50−7.39(4H,m);6.34(1H,s);5.55−5.45(1H,m);5.35−5.10(3H,m);4.98−4.91(1H,m);4.88−4.81(1H,m);4.17−3.95(4H,m);2.40(3H,s)。
【0257】
(実施例60)
【0258】
【化80】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
【0259】
ステップA:(1R,3s,5S)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル及び(1R,3r,5S)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル
シクロペンタ−3−エン−1−カルボン酸メチル(5.05g,40mmol)のジクロロメタン(400ml)溶液に0℃で3−クロロ過安息香酸(10.58g,46.0mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を2分の1に濃縮後、エーテル300mLと炭酸カリウム水溶液(飽和)200mLを加えた。有機層を水、炭酸カリウム、水、次いでブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、10→30%(6:3:1 Hex−MTBE−CHCN)/Hexを使用して100G Biotage Snapカートリッジで残留する透明油状物をクロマトグラフィーにより精製し、transエポキシドとしての(1R,3s,5S)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチルを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.90(dd,J=14.0Hz,J=9.0Hz,2H),2.36(dd,J=14.0Hz,J=9.0Hz,2H),2.66(quintet,J=9.0Hz,1H),3.53(s,2H),3.68(s,3H)。
【0260】
カラムから更に溶出させ、cisエポキシドとしての(1R,3r,5S)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチルを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.87(dd,J=14.1Hz,J=9.1Hz,2H),2.71(d,J=14.1Hz,2H),2.73(t,J=9.0Hz,1H),3.48(s,2H),3.69(s,3H)。
【0261】
ステップB:(1R,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシシクロペンタンカルボン酸メチル
(1R,3s,5S)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸メチル(7.1g,49.9mmol)のメタノール(50ml,1236mmol)溶液に濃硫酸(0.023ml,0.431mmol)を加え、溶液を室温で撹拌した。4時間後に、シリカゲルtlc(40% MTBE/Hex)は反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液数滴で中和し、メタノールを減圧除去した。残渣をジクロロメタン200mlに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥し、600mLフリット付き漏斗で厚さ2”のシリカゲルパッドに通して濾過した。パッドをジクロロメタン600mLで洗浄し(tlcは溶出液中に生成物を示さなくなった)、濾液を合わせて濃縮し、ラセミ体の標記化合物(8.3g,47.6mmol,95%収率)を透明油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ1.9(m,3H),2.26(m,1H),2.36(m,1H),3.03(quintet,J=8.7Hz,1H),3.37(s,3H),3.62(m,2H),3.71(s,3H),4.24(m,2H)。
【0262】
ステップC:(1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(−)−メチル及び(1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(+)−メチル
無水酢酸サンプル(26.1ml,276mmol)を1L丸底フラスコに入れ、氷浴で0℃まで冷却した。これに発煙硝酸(12.89ml,276mmol)を10分間かけて滴下した。溶液を0℃で更に10分間撹拌後、(1R,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシシクロペンタンカルボン酸メチル(18.5g,106mmol)のジクロロメタン(150ml)溶液を15分間かけて滴下した。この溶液を0℃で撹拌した。30分後に、tlc(シリカゲル,30% MTBE−ヘキサン)は反応が完了したことを示した。溶液を水200mlとジクロロメタン500mlで希釈し、層分離した。水層をジクロロメタン100mlで洗浄し、有機層を合わせて飽和NaHCO 200mLで3回洗浄(CO発生から圧力を監視)後、ガスが発生しなくなったら、ブライン300mLで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、600mLフリット付き漏斗で厚さ3”のシリカゲルパッドに通して濾過した。パッドを更に1Lのジクロロメタンで洗浄し、濾液を合わせて濃縮し、ラセミ体の硝酸エステルを透明油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.1(m,3H),2.36(m,1H),2.56(m,1H),2.99(quintet,J=8.7Hz,1H),3.37(s,3H),3.73(s,3H),3.84(m,2H),5.30(m,2H)。
【0263】
10% 3:1ヘキサン:IPAと90% COを使用してODカラムでSFCクロマトグラフィーによりラセミ混合物をそのエナンチオマーに分離した。溶出速度の速いエナンチオマー[α]−14.5°(4.9,CHCl)。溶出速度の速いエナンチオマー[α]+14.4(5.0,CHCl)。
【0264】
ステップD:(+)−(1S,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸
(1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(+)−メチル(0.658g,3mmol)のメタノール(12ml)溶液を0℃まで冷却した。これに4N KOH(1.500ml,6.00mmol)を10分間かけて滴下し、溶液を撹拌し、3時間かけて10℃まで昇温した。濃HCl 0.5mLの添加により反応混合物をpH7まで中和後、溶液を減圧濃縮し、メタノールを除去した。残渣にCHCl 10mlと水2mLを加え、2M HClの添加によりpHを3〜4に調整した。層分離し、水層をCHCl 15mLで2回洗浄した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、標記化合物(0.566g,2.76mmol,92%収率)を無色油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ2.08−2.18(m,2H),2.32−2.4(m,1H),2.52−2.58(m,1H),3.05(quintet,J=8.3Hz,1H),3.40(d,J=0.7Hz,3H),5.31(m,2H)。
【0265】
ステップE:(+)−(1R,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシシクロペンタンカルボニルクロリド
(+)−(1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(145mg,0.707mmol)をジクロロメタン(200ml)とDMF(1.642μl,0.021mmol)に溶解した溶液を氷浴で0℃まで冷却した。これに塩化オキサリル(0.235ml,2.69mmol)を滴下した。添加の完了後、溶液を0℃で1時間撹拌した。メタノール100uLを充填したミニ試験管に生成物のtlcサンプルを加えた。15分後に、tlcはメチルエステルへの完全な変換を示した。次にジクロロエタン1mlを加え、溶液を蒸発乾涸し、生成物1(160mg,0.716mmol,101%収率)を得、それ以上精製又は特性決定せずに直接使用した。
【0266】
ステップF:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
(+)−(1R,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシシクロペンタンカルボニルクロリド(59.8mg,0.267mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に室温で(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オール(70mg,0.267mmol)とピリジン(43.3μl,0.535mmol)を加えた。tlcが反応の完了を示すまで溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を濃縮し、30分間減圧乾燥し、ピリジンを除去した。次に残渣をジクロロメタンに溶解し、15mLフリット付き漏斗で厚さ3/4”のシリカパッドを通して濾過した。パッドを5、10、15及び20% MTBE/ジクロロメタン20mLで洗浄し、標記化合物を得た。589nMでクロロホルム中の旋光度α=+1.951(c=25.0mg/1ml CHCl);H NMR(500MHz,CDCl)δ2.2−2.28(m,1H),2.3−2.38(m,2H)2,4−2.5(m,2H),2.50(s,3H),2.76−2.82(m,1H),3.35(m,1H),3.45(s,3H),3.94(m,1H),5.05(d,J=14Hz,1H),5.15(dd,J=HHz,1H),5.641(m,1H),6.23(s,1H),7.29(d,J=8Hz,2H),7.38(d,J=8Hz,2H),8.10(s,1H);LC−MS:m/z 449(35Cl M+1),451(37Cl M+1)。
【0267】
(実施例61)
【0268】
【化81】

3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート
(±)−シクレタニン(42mg,0.16mmol)と、4−(ニトロオキシ)ブタン酸(24mg,0.16mmol)と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(37mg,0.19mmol)と、4−ジメチルアミノピリジン(8mg,0.06mmol)のジクロロメタン(1.6mL)溶液に撹拌下にN−メチルモルホリン(79μL,0.72mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮した。アセトニトリル/水+0.05% TFAを溶離液として残渣を逆相HPLCにより精製し、標記化合物を無色油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.37(s,1H),7.41(d,J=8.5Hz,2H),7.30(d,J=8,5Hz,2H),6.31(s,1H),5.32(dd,J=2.0,15.5Hz,1H),5.20(dd,J=2.0,15.5Hz,1H),4.64(t,J=6.0Hz,2H),2.89(t,J=7.0Hz,2H),2.54(s,3H),2.27(pent,J=6.5Hz,2H);LC−MS:m/z 392.9(M+H)。
【0269】
(実施例62)
【0270】
【化82】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート
(S)−(+)−シクレタニン(42mg,0.16mmol)と、4−(ニトロオキシ)ブタン酸(24mg,0.16mmol)と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(37mg,0.19mmol)と、4−ジメチルアミノピリジン(8mg,0.06mmol)のジクロロメタン(1.6mL)溶液に撹拌下にN−メチルモルホリン(79μL,0.72mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮した。アセトニトリル/水+0.05% TFAを溶離液として残渣を逆相HPLC(C−18)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。LC−MS:m/z 392.9(M+H)。
【0271】
(実施例63)
【0272】
【化83】

(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート
(R)−(−)−シクレタニン(48mg,0.18mmol)と、4−(ニトロオキシ)ブタン酸(27mg,0.18mmol)と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(42mg,0.22mmol)と、4−ジメチルアミノピリジン(9mg,0.07mmol)のジクロロメタン(1.8mL)溶液に撹拌下にN−メチルモルホリン(90μL,0.82mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮した。アセトニトリル/水0+0.05% TFAを溶離液として残渣を逆相HPLC(C−18)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。LC−MS:m/z 392.9(M+H)。
【0273】
(実施例64)
【0274】
【化84】

1−[({[(3S−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル)オキシ}カルボニル)オキシ]エチル(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
【0275】
ステップA:1−クロロエチル[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]カーボネート
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−オール(1.309g,5mmol)のジクロロメタン(20ml)懸濁液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.566ml,5.25mmol)とピリジン(0.445ml,5.50mmol)を加え、1時間撹拌した。エーテル50mlを加え、有機層を水25mlで2回、ブライン25mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、20% アセトン/ヘキサンを溶媒としてシリカパッドで濾過し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.12(d,J=4.5Hz,1H),7.38(d,J=8.5Hz,2H),7.30(d,J=8.5Hz,2H),6.52(q,J=6.0Hz,1H),6.23(s,1H),5.28(ddd,J=2.5,6.5,14.0Hz,1H),5.15(ddd,J=14.0,4.5,2.0Hz,1H),2.54(s,3H),1.97(d,J=5.5Hz,3H)。
【0276】
ステップB:1−ヨードエチル[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]カーボネート
ヨウ化ナトリウム(0.965g,6.44mmol)のアセトン(20ml)懸濁液に1−クロロエチル[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]カーボネート(1.694g,4.6mmol)を加え、50℃に8時間加熱した。反応混合物を濾過し、蒸発させた。残渣に水(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。有機フラクションを合わせて水(5mL)、次いで亜硫酸水素ナトリウム水溶液5mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧蒸発させた。10%アセトン/ジクロロメタンを溶媒としてシリカパッドで濾過し、標記生成物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.12(d,J=4.5Hz,1H),7.38(d,J=8.5Hz,2H),7.30(d,J=8.5Hz,2H),6.85(q,J=6.0Hz,1H),6.23(s,1H),5.28(ddd,J=2.5,6.5,14.0Hz,1H),5.15(ddd,J=14.0,4.5,2.0Hz,1H),2.54(s,3H),2.38(d,J=5.5Hz,3H).LC−MS m/z 460(35Cl M+1),462(37Cl M+1)。
【0277】
ステップC:[−1,3−3−(4−クロロフェニル)−6−メチルジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]オキシカルボニルオキシメチル3,4−ジニトロオキシシクロペンタンカルボキシレート
水2ml中の(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボン酸(283mg,1.200mmol)にNaHCO(185mg,2.200mmol)とBUNHSO(407mg,1.200mmol)を加えた。5分後に1−ヨードエチル[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]カーボネート(460mg,1.0mmol)の酢酸エチル(4ml)溶液を加え、LC/MSが反応の完了を示すまで周囲温度で撹拌した。層分離し、有機層を水1mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、5−20% 6:3:1ヘキサン−MTBE−MeCN/を使用してBiotage 25g SNAPでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記生成物を得た。LC−MS m/z 568(35Cl M+1),570(37Cl M+1)。
【0278】
適切なクロロギ酸クロロメチル又は塩化クロロアセチルを使用した以外は、実施例64に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0279】
(実施例65)
【0280】
【化85】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニルオキシメチル(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
m/z 554(35Cl M+1),556(37Cl M+1)。
【0281】
(実施例66)
【0282】
【化86】

(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニル(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
m/z 524(35CI M+1),526(37Cl M+1)。
【0283】
(実施例67)
【0284】
【化87】

[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−5−オキシド−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−5−イウム−7−イル](3S,4R)−3,4−ジニトロオキシシクロペンタンカルボキシレート
m−CPBA 200mgのクロロホルム(4ml)ストック溶液をシーブ上で15分間放置した。無水クロロホルム(3ml)中の(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート(98mg,0.204mmol)に無水ストックm−CPBA溶液75mlを加え、周囲温度で3時間撹拌した。LC/MSは反応の完了を示した。濾過し、ジクロロメタンとNaHCO(水溶液)に分配した。有機層を水とブラインで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮し、固形分を集め、標記生成物を得た。LC−MS m/z 496(35Cl M+1),498(37Cl M+1)。
【0285】
上記実施例8及び実施例60に記載したように適切なエポキシドとジオールから以下の化合物を製造した。
【0286】
【表11】




【0287】
実施例68〜83の化合物名:
68:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
69:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
70:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
71:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
72:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
73:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
74:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
75:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
76:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
77:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
78:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
79:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
80:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
81:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
82:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、及び
83:(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート。
【0288】
(実施例84)
【0289】
【化88】

(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルカーボネート
標記化合物は(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル1−クロロエチルカーボネートの代わりに中間体29を使用した以外は、実施例37に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。H NMR(CDCl3):8.19(1H,s);7.37(2H,d);7.29(2H,d);6.22(1H,s);5.39(1H,m);5.21(2H,q);4.76(1H,m);4.39(3H,m);2.51(3H,s);1.59(3H,s);1.20(6H,d)。
【0290】
(実施例85〜87)
中間体17の代わりに夫々中間体30、31及び32を使用した以外は、実施例50に記載した手順と同様の手順を使用して以下の実施例を製造した。
【0291】
【表12】

【0292】
実施例85〜87の化合物名:
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート。
【0293】
(実施例88)
【0294】
【化89】

2,3−ビス(ニトロオキシ)プロピル(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルスクシネート
【0295】
ステップA:4−(アリルオキシ)−4−オキソブタン酸
アリルアルコール(2.27g,39.0mmol)のジクロロメタン(60ml)溶液にトリエチルアミン(6.27ml,4.55mmol)を加えた後、無水琥珀酸(3.00g,30.0mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温で一晩撹拌した。次に混合物をジクロロメタンで希釈し、5%NaHPO水溶液(2×80mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させ、目的生成物3.90gを無色油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.93(m,1H),5.31(m,1H),4.63(d,2H),2,70(m,4H)。
【0296】
ステップB:(S)−アリル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルスクシネート
標記化合物は実施例50に記載した手順に従い、ステップAで得られた化合物から製造した。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.44(m,4H),6.33(s,1H),5.92(m,1H),5.38−4.95(m,4H),4.60(d,2H),2.96(m,2H),2.78(m,2H),2.36(s,3H)。
【0297】
ステップC:2,3−ビス(ニトロオキシ)プロピル(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルスクシネート
ステップBで得られた化合物(0.600g,1.49mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に−20℃で硝酸銀(0.253g,1.49mmol)とヨウ素(0.378g,1.49mmol)を加えた。混合物を−20℃で約1時間撹拌した。次に更に硝酸銀(0.505g,2.98mmol)を加え、混合物を70℃に8時間加熱し、室温に2日間置いた。次に銀塩を濾別し、溶液を濃縮した。溶離液10容量中でヘキサン中20%→100% EtOAcを使用して100G Biotage Snapカートリッジでクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記生成物を黄色油状物として得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ8.13(s,1H),7.44(m,4H),6.33(s,1H),5.67(m,1H),5.19−4.92(m,3H),4.84(m,1H),4.51(m,1H),4.39(m,1H),2.96(m,2H),2.78(m,2H),2.36(s,3H)。
【0298】
一硝酸塩化合物をラットに経口投与すると、亜硝酸塩(一酸化窒素の代謝物)が0.5〜2μMの範囲の最大濃度で血漿中を循環する。本発明に記載するイソソルビド一硝酸塩化合物を同様に投与すると、循環亜硝酸塩濃度が増加する。Sprague−Dawleyラットでの試験から試験化合物投与に応答するインビボNO生成が生化学的に実証された。絶食させたSDラットに試験化合物を投与する(40mpk,PO)と、ジアミノナフタレン誘導体化(DAN)アッセイを使用して評価した場合に反応性窒素種(RNS)が出現する。
【0299】
Kostka and Park(Methods Enzymol.1999,301,227−235)の方法に基づくHPLC蛍光アッセイを使用してEDTAで処理したラット血漿中のS−ニトロソチオール(RNSO)としてRNSを検出した。この方法は酸性化2,3−ジアミノナフタレンと、HgClによるS−NO結合の分解により遊離されるRSNOのニトロソニウム部分の反応で形成される蛍光2,3−ナフトトリアゾール(NAT)の検出に基づく。反応混合物を逆相HPLCによりクロマトグラフィー分析し、分解したNATピークの蛍光シグナルを定量した。
【0300】
血漿(20μL)を先ず黒色ポリプロピレン未処理マイクロタイタープレートにてHO(20μL)で1:1に希釈した。DAN試薬(ウェル当たり100μL,0.1N HCl,4mM HgCl中100μM DAN)を加え、プレートをすぐに不透明プレートマットでシールし、ボルテックスし、暗所で10分間インキュベートした。HPLC分析前にプレートを遠心(2000×g,5分間)し、4℃まで冷却した。チルドオートサンプラー(4℃)を使用してAgilent 1200システムでHPLCを実施した。67% MeOH,0.1% NHOAcの移動相と流速2mL/分を使用してアイソクラチック溶出下にサンプルをC8カラム(Zorbax Eclipse XDB−C8,4.6×150mm,5μm)でクロマトグラフィー分析した。360nmの励起波長を使用して450nmでNAT蛍光をモニターした。対照血漿中のNaNOを使用して校正曲線を作成した。
【0301】
血管弛緩
摘出したウサギ胸大動脈標本で本発明の化合物が血管弛緩を誘導する能力をインビトロ試験した(Wanstall J.C.et al.,Br.J.Pharmacol.,134:463−472,2001)。雄性ニュージーランドウサギにチオペンタール−Na(50mg/kg,iv)を麻酔し、放血により屠殺後、胸部を切開し、動脈を摘出した。小型臓器チャンバー(5ml)内にて37℃の生理食塩水(PSS)で大動脈リング標本(長さ4mm)を作成した。PSSの組成(mM)はNaCl 130,NaHCO 14.9,KHPO 1.2,MgSO 1.2,HEPES 10,CaCl,アスコルビン酸170及びグルコース1.1(95% O/5% CO;pH 7.4)とした。各リングを2gの受動張力下にマウントした。BIOPAC MP150 Systemに装着したGrassトランスデューサー(Grass FT03)を使用して等尺性張力を記録した。標本を1時間平衡させた後、ノルアドレナリン(NA,1μM)で最大未満まで収縮させ、収縮が安定したら、アセチルコリン(ACh,10μM)を加えた。AChに対する弛緩応答があった場合には機能性内皮が存在すると判断した。NAを収縮させることができなかった血管又はAChに対して弛緩を示さなかった血管は廃棄した。安定な事前収縮に達すると、機能性内皮の存在下で血管弛緩剤のいずれかに対する累積濃度応答曲線が得られた。各大動脈リングを阻害剤と血管弛緩剤の組み合わせの1種のみに暴露した。更に、大動脈リングをODQ(10μM)と共に20分間プレインキュベートすることにより化合物により誘起される血管弛緩に及ぼす可溶性グアニリルシクラーゼ阻害剤ODQ(1−H−(1,2,4)−オキサジアゾール(4,3−a)キノキサリン−1−オン)の効果を試験した。
【0302】
弛緩剤に対する応答を残留収縮の百分率として表し、試験化合物の濃度に対してプロットする。これらのプロットからEC50値(ここで、EC50は試験化合物に対して最大弛緩の50%を生じる濃度である。)を補間した。
【0303】
実験期間中、NAで得られたプラトーは安定しており、大動脈リングに顕著な自然収縮低下は認められなかった。
【0304】
表1に示すように、本発明の化合物は濃度依存的に弛緩を誘導することが可能であった。更に、ODQ(10μM)の存在下で実施した実験では、試験した化合物に対する血管弛緩応答が阻害された。
【0305】
【表13】

【0306】
実施例39、40、45及び60はいずれも血管弛緩EC50<50μMであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[式中、
Xは結合、−NHCH(CHCHOC(O)−、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHOC(O)−、−OCH(CH)OC(O)−、−OCHOC(O)−、−O−、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【化2】

から構成される群から選択され、
、R、R及びRは出現毎に独立して水素及びC1−7アルキルから構成される群から選択され;
は水素、C1−4アルキル、−CHONO又は−ONOであり;
及びRは独立して水素、−CH、−CHCH、−CH(CH、−C(CH、−CHOH、−CH(OH)CH及び−CHから構成される群から選択され;
gは0又は1であり;
pは0、1、2、3、4、5、6又は7であり;
qは1、2、3、4又は5であり;
v及びwは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、v+wは1、2、3又は4であり;
Rは
−(CHCH(ONO)(CHCH
−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)(CHCH
−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)、
−(CHCH(ONO)(CR)CH(ONO)、
−CR(但し、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
−(CH(ONO)、
−O−C(O)−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)、
【化3】

(但し、XはCRであり、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
【化4】


から構成される群から選択され、
但し、Rが−O−C(O)−(CHCH(ONO)(CHCH(ONO)又は
【化5】

であるとき、Xは結合、−NR−、−CR−、−(CH−、−(CHNRC(O)−、−CHRNRC(O)−、−(CHC(O)−、−(CHC(O)NR−、
【化6】

から構成される群から選択され;
h、j及びkは独立して0、1及び2から構成される群から選択され;
m、n、x、y及びzは独立して0、1、2、3及び4から構成される群から選択され;
r及びsは独立して0、1、2及び3から構成される群から選択され、但し、r+sは1、2、3又は4である。]を有する化合物。
【請求項2】
式Iの化合物が
【化7】

から構成される群から選択される請求項1の化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容可能な塩、又はその立体異性体の医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
Xが
【化8】

−NHCH(CHCHOC(O)−(式中、nは0、1、2又は3である。)、−CHNHC(O)CHNHC(O)−、−CHOC(O)−、−OCH(CH)OC(O)−、−OCHOC(O)−、−CHCHC(O)NH−、−(CH−、結合、−C(CH−、−CH(CH)−、−C(CH)(CHONO)−、−(CH−、−(CH−、−CH−、−CHCHNHC(O)−、−CHNHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH)NHC(O)−、−CH(CH(CHNHC(O)−、−O−、−CHN(CH)C(O)−、
【化9】

から構成される群から選択される請求項1の化合物。
【請求項4】
Rが−ONO、−O−CO−(CHCH(ONO)CH(ONO)、
【化10】

(但し、XはCRであり、Rは−CHONO又は−ONOである。)、
−(CHONO、−CHONO、−(CHONO、−(CHONO、−(CHCH(CH)ONO、−CH−CH(ONO)−C(CH−CHONO、−CHCH(ONO)CH(CH)ONO、−(CHCH(ONO)CHONO、−(CHCH(ONO)CH(ONO)、−(CHCH(ONO)CH(ONO)、
【化11】

である請求項1の化合物。
【請求項5】
−X−Rが
【化12】



(式中、nは0、1、2又は3である。)から構成される群から選択される請求項1の化合物。
【請求項6】
−X−Rが
【化13】





から構成される群から選択される請求項1の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アミノ}−4−オキソブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−3−(ニトロオキシ)プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−メチル−3−(ニトロオキシ)−2−[(ニトロオキシ)メチル]プロパノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル [(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]アセテート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−4−(ニトロオキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2,2−ジメチル−5−(ニトロオキシ)ペンタノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,4R)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル cis−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル trans−3−(ニトロオキシ)シクロブタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1r,2R,3S)−2,3−ビス[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}グリシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−アラニネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−ロイシネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル N−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}−D−フェニルアラニネート、
(1r,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルカーボネート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 3−(ニトロオキシ)プロピルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−{[(1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンチル]カルボニル}ピペラジン−1−カルボキシレート、
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 2−シクロヘキシル−2−(ニトロオキシ)アセテート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 2−(4,7,7−トリメチル−3−(ニトロオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)アセテート、
(R)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3−メチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(S)−((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル) 3,3−ジメチル−2−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(6R,6aS)−6−((3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート、
(S)−((3R,3aR,6R,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(R)−((3S,3aR,6S,6aR)−6−(((S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシ)カルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル) 5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカーボネート、
3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
(3R)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル 4−(ニトロオキシ)ブタノエート、
1−[({[(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニルオキシメチル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルオキシカルボニル (1s,3R,4S)−3,4−ビス(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
[3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−5−オキシド−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−5−イウム−7−イル] (3S,4R)−3,4−ジニトロオキシシクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S)−3−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−エトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3R,4R)−3−tert−ブトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3R,4R)−3−フルオロ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1S,3S,4R)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (R)−3,3−ジメチル−2,4−ビス(ニトロオキシ)ブチルカーボネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3R,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (3S,3aR,6S,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルスクシネート、
2,3−ビス(ニトロオキシ)プロピル(S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イルスクシネート
から構成される群から選択される請求項1の化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容可能な塩、又はその立体異性体の医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
(3S)−3−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−7−イル (1R,3S,4S)−3−メトキシ−4−(ニトロオキシ)シクロペンタンカルボキシレートである請求項7の化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容可能な塩、又はその立体異性体の医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
請求項8の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項10】
請求項1の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項11】
請求項1の化合物と、利尿剤と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項12】
患者における高血圧症の治療方法であって、治療有効量の請求項10の組成物を前記患者に投与する段階を含む前記方法。

【公表番号】特表2011−529892(P2011−529892A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521211(P2011−521211)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/051788
【国際公開番号】WO2010/014516
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(398034032)ニコックス エス エイ (36)
【住所又は居所原語表記】Taissounieres HB4,1681 route des Dolines−BP313,06560 Sophia Antipolis−Valbonne,France
【Fターム(参考)】