説明

フロントバンパ構造及びその製造方法

【課題】FUPを備えたキャブオーバトラックのフロントバンパ構造において、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を低減すると共に、フロントバンパの剛性低下を防止し、加工を容易にする。
【解決手段】フロントバンパ10と車体との間に該フロントバンパより下側の車体前部を覆うようにフロントアンダーランプロテクタ42を配設してなるキャブオーバ型トラック100のフロントバンパ構造において、フロントバンパ10の上部フランジ12aに長手方向に段差24を設けることにより、上部フランジ12aの幅寸法Wを大きくしても、上部フランジ12aの剛性を維持可能にした。上部フランジ12aの幅寸法Wを大きくできるため、フロントバンパ10とキャブフロントパネル106間の隙間sを狭めて、車体構造物の露出をなくし、美観を損ねないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントアンダラーンプロテクタ(以下「FUP」と略称する)を備えたキャブオーバ型トラック、特に小型のキャブオーバ型トラックに装着されるフロントバンパ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の大型車両が乗用車等の小型車両と衝突したとき、大型車両のフロントバンパが高い位置に配置されているため、小型車両が大型車両の下側にもぐり込むことがある。例えば、乗用車がトラックと衝突したときには、乗用車がトラックのフロントバンパの下側にもぐり込んで、窓ガラス以上の車室が破壊され、そのため、乗用車の乗員がトラックのフロントバンパに衝突して、負傷する危険性がある。
【0003】
従来、これを防ぐために、フロントバンパと車体との間にフロントバンパ下側の車両前部を覆うようにFUPを設け、このFUPで乗用車のもぐり込みを防ぐことが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(実開平7−4209号公報)には、FUPを車体に取り付けるに際し、部品点数を低減し、取付けを容易にしたFUPの取付構造が開示されている。
特許文献2(特開平9−263196号公報)には、FUPの上下方向の取付位置を変更するのに容易な構造を採用すると共に、フロントバンパ部分の見栄えを向上させた構成が開示されている。
【0005】
特許文献3(特開平10−181484号公報)には、乗用車等の小型車両に装着される樹脂製のフロントバンパ構造が開示されている。
【0006】
【特許文献1】実開平7−4209号公報
【特許文献2】特開平9−263196号公報
【特許文献3】特開平10−181484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
FUPを装備した車両では、FUPの設置スペースを確保するために、必然的にフロントバンパを車体の前方に移動させる必要がある。この場合、車体の最低地上高規制を考慮する必要がある。
【0008】
図4に示すように、キャブオーバー型トラック100は、シャシフレーム102の先端部の上方にキャブ104を備え、キャブ104後方のシャシフレーム102上に荷台108を有する。キャブ104の床下にはエンジン110が搭載され、キャブ104下方に配置されたエンジン110等の車体構造物にアクセスするために、チルト機構により前方(矢印a方向)に傾動可能に支持されている。キャブの下方にエンジンが搭載されるキャブオーバー型トラックは、キャブとシャシフレームとの間に隙間を有する。
【0009】
図4に示すように、キャブオーバー型トラック100にFUP114を装着し、フロントバンパ112を車体前方(矢印b方向)に移動させた場合、フロントバンパ112とフロントバンパ112の上方に位置するキャブフロントパネル112の下端部との間に存在する隙間sが広がる。そのため、隙間sから石やごみ等の異物が入りやすいという問題が起こると共に、車体内部の構造物が外部に露出するため、見栄えが悪いという不具合が生じる。
【0010】
また、車体の最低地上高規制により、フロントバンパ112の下端部と前輪116が走行面に接する接点Pとを結ぶ線lと、走行面RLとがなす角度θを許容値以上にする必要がある。
【0011】
隙間sをなくすため、フロントバンパ112の上部フランジの幅寸法を広げるという方策が考えられる。しかし、該上部フランジの幅寸法を広げると、該上部フランジの剛性が低下すると共に、深絞り加工となるため、プレス加工による成形が困難になるという問題が生じる。
【0012】
特許文献3には、乗用車等の小型車両に適用される樹脂製のフロントバンパ構造が開示されているが、樹脂製フロントバンパの剛性を高めるため、成形加工が面倒かつ高コストとなる。
一方、キャブオーバー型トラックのフロントバンパは金属製とすることにより強度を高めているが、上部フランジの幅寸法を広げた場合に、上部フランジの剛性低下とフロントバンパのプレス加工が深絞りとなるため、成形加工が困難になるという問題がある。
特に、小型のキャブオーバー型トラックの場合は、車体構造物の配置スペースに制約を受けるため、フロントバンパ構造の変更の自由度が縮小される。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、FUPを備えたキャブオーバトラックのフロントバンパ構造において、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を低減すると共に、フロントバンパの剛性低下を防止し、加工を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明のフロントバンパ構造は、
フロントバンパと車体との間に該フロントバンパより下側の車体前部を覆うようにフロントアンダーランプロテクタを配設してなるフロントバンパ構造において、フロントバンパの上部フランジに長手方向に段差を設けたものである。
【0015】
本発明のフロントバンパ構造では、フロントバンパの上部フランジに長手方向に段差を設けるようにしたので、上部フランジの幅寸法を広げても剛性の低下を防止できる。そのため、上部フランジの幅寸法を広げることが許容され、これによって、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を狭めることができる。そのため、車体構造物内部の遮蔽効果を保持でき、車体構造物の露出を防止できるため、美観を損ねることがなくなる。また、石、ごみ等の異物混入を防止できる。
【0016】
本発明のフロントバンパ構造において、
フロントバンパを、上部フランジに長手方向に段差を形成したバンパ中央部位と、該バンパ中央部位の両側に該バンパ中央部位の外表面と段差を有して一体に延設されたバンパ端側部位とで構成し、
該バンパ端側部位に上部フランジに長手方向に段差を有するカバーを被着することにより、該バンパ中央部位の外表面と該カバーの外表面と段差のない連続する外表面を形成すると共に、該バンパ中央部位の上部フランジと該カバーの上部フランジに連続した段差を形成するように構成するとよい。
【0017】
フロントバンパは、バンパ端側部位で車体後方に曲がる緩やかなカーブを有するので、フロントバンパとキャブフロントパネル間に形成される隙間は、バンパ端側部位よりバンパ中央域のほうが広い。そのため、バンパ中央部位で上部フランジの幅寸法を広くする必要がある。
前記構成とすれば、広い幅寸法を必要とするバンパ中央部位の上部フランジに段差を設けて剛性を付与するようにし、さほど広い幅寸法を必要としないバンパ端側部位の上部フランジで段差を必ずしも設けないようにしているので、フロントバンパの加工が容易になる。
【0018】
また、バンパ端側部位に被着されるカバーの上部フランジに段差を設けることにより、バンパ中央部位の外表面と該カバーの外表面と段差のない連続する外表面を形成すると共に、該バンパ中央部位の上部フランジと該カバーの上部フランジに連続した段差を形成するようにしたので、上部フランジの幅寸法を大きくしても、上部フランジの剛性を維持でき、かつフロントバンパの美観を高めることができる。
【0019】
前記本発明のフロントバンパ構造を製造するための本発明方法は、
平面形状の板金を第1の金型を用いてプレス加工し、フロントバンパの原形となる凹面形断面を形成すると共に、該板金の両端を平面形状のまま残すプレス工程と、
両端の平面状端部の不要部分を平面形状の状態で切断刃を用いて切断する切断工程と、
該不要部分を切断した後の該平面状端部を折り曲げ加工して上部フランジ又は下部フランジを成形する折り曲げ工程と、からなり、
該折り曲げ工程で、上部フランジを形成する平面状端部を第2の金型でプレス成形することにより上部フランジの長手方向に段差を形成するようにしたものである。
【0020】
本発明方法では、前記3段階の加工工程により、幅広の上部フランジをもつフロントバンパを低工数で容易に成形加工できる。前記切断工程では、板金の端部を平面形状の状態で切断しているので、両端部の切断を同時に行なうことができ、切断作業が容易になる。
【0021】
そのため、幅寸法が大きい上部フランジを有するフロントバンパの製造が容易になり、そのため、本発明方法により製造したフロントバンパを用いることにより、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を狭めることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のフロントバンパ構造によれば、フロントバンパと車体との間に該フロントバンパより下側の車体前部を覆うようにフロントアンダーランプロテクタを配設してなるフロントバンパ構造において、フロントバンパの上部フランジに長手方向に段差を設けたことにより、フロントバンパの剛性を低下させずに、広い幅寸法をもつ上部フランジ付きフロントバンパを製造できる。従って、FUPの装着によりフロントバンパを車体前方に移動配置した場合でも、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を狭めることができるので、フロントバンパとキャブフロントパネル間の遮蔽効果を維持して車体構造物の露出、特に、車体の表面に突起状の部位が露出するのを防ぎ、かつ該隙間に異物が混入するのを防止できる。
【0023】
また、本発明のフロントバンパの製造方法は、平面形状の板金を第1の金型を用いてプレス加工し、フロントバンパの原形となる凹面形断面を形成すると共に、該板金の両端を平面形状のまま残すプレス工程と、両端の平面状端部の不要部分を平面形状の状態で切断刃を用いて切断する切断工程と、該不要部分を切断した後の該平面状端部を折り曲げ加工して上部フランジ又は下部フランジを成形する折り曲げ工程と、からなり、該折り曲げ工程で、上部フランジを形成する平面状端部を第2の金型でプレス成形することにより上部フランジの長手方向に段差を形成するようにしたことにより、前記本発明のフロントバンパを低工数で容易に成形加工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではない。
【0025】
本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1はキャブトラックのフロントバンパ(左半分)を示す斜視図であり、図2は同じく断面図であり、図3は、フロントバンパの加工手順を示す。先ず、図1及び図2で本実施形態に係るフロントバンパの構成を説明する。
【0026】
図1において、フロントバンパ10は、バンパ中央部位10Aと、バンパ中央部位10Aの両側に、バンパ中央部位10Aと一体に成形されたバンパ端側部位10B(図1では左端側部位のみ図示)とからなる。
バンパ中央部位10Aには、上下端に車両前後方向に傾斜した上部フランジ12a及び下部フランジ12bを有し、バンパ端側部位10Bにも、同様の上部フランジ部14a及び下部フランジ部14bを有する。中央部位10Aと左端付近部位10Bとの境界には、カバー50を装着するためにバンパ端側部位10B側が1段低くなった段差16が形成されている。
【0027】
バンパ端側部位10Aには、走行中に車体の内部に設けられたECU(エンジン・コントロール・ユニット)や他の機器を冷却するための空気流を供給したり、あるいは後述するシャシフレーム30に固設された牽引用フック36を外部に露出させるための開口18を有する。また、左右バンパ端側部位10Bに、フォグランプ20を装着するための開口22を有する。
【0028】
バンパ中央部位10Aの上部フランジ12aには、フロントバンパ10の長手方向に、段差24が形成されている。バンパ端側部位10Bの上部フランジ14aにはこのような段差は形成されていない。段差24の高さは、例えば2〜3mmとしている。また、段差24は、上部フランジ52aの端からL=20〜30mmの位置に設けられている。
【0029】
図1において、カバー60は樹脂製であり、カバー60の上下端に車両前後方向に傾斜した上部フランジ部62aと下部フランジ部62bとが形成されている。カバー60の端部64は、車両後方に曲折するキャンバが形成されている。カバー60の外周面は、カバー60をバンパ端側部位10Bに被着したときに、バンパ中央部位10Aとカバー60の外周面とで連続した滑らかな曲面の外周面を形成できるように構成されている。カバー60を被着することで、フロントバンパ10に美観を付与している。
カバー60の上部フランジ62aには、カバー60の長手方向に段差24と連続する位置に段差66が形成されている。
【0030】
車体前後方向の中心線に対して左右対称に、車両前後方向に一対のシャシフレーム30が設けられている。図2に示すように、シャシフレーム30は、上部フランジ部30a、下部フランジ部30b及び中央部30cからなるコ字状の断面を有している。シャシフレーム30の車両前端には、平面視で三角形の上下面を有する立体的なブラケット32が4個のボルト・ナット34a〜dで固設されている。該ボルト・ナット34a〜dのうち、下側のボルト・ナット34c及び34dで牽引用フック36をシャシフレーム30に共締めしている。
【0031】
バンパ中央部位10Aの背面には、コ字状断面の固定用金具38が一体に固着され、固定用金具38とブラケット32とは、2個のボルト・ナット40で結合されている。これによって、フロントバンパ10は、シャシフレーム30に一体に結合されている。
【0032】
フロントバンパ10と車体との間で、シャシフレーム30及びフロントバンパ10より下方の位置に、FUP42が配設されている。このFUP42によって、乗用車等の小型車両との衝突時に小型車両がフロントバンパ10下方へもぐり込むのを防止する。FUP42は、内部に閉鎖空間を有する四角形状の壁面を有する断面をなし、フロントバンパ10に沿って水平に車幅方向に配置されている。
FUP42は、ブラケット44と4個のボルト・ナット46で結合され、ブラケット44は、シャシフレーム30とボルト・ナット30c及び30dでシャシフレーム30と結合されている。
【0033】
ブラケット44は、上部に垂直方向に配置された垂直取付部48と、水平方向に配置された水平取付部50とを有する。そして、垂直取付部48が、シャシフレーム30の中央部14cにボルト・ナット30c及び30dによって、ブラケット32及び牽引用フック36と共締めされている。また、水平取付部50が、シャシフレーム30の下部フランジ部30bにボルト・ナット52で結合されている。
【0034】
図1に示すように、バンパ端側部位10Bの下辺26は、車体側面側に向かって上昇する傾斜を形成している。また、バンパ端側部位10Bの端側部位24は、車両後方に向うキャンバを有する端側部64を有するカバー60が装着可能になるように、若干車両後方に曲折する形状を有している。カバー60は、左端付近部位10Bに装着されたとき、フォグランプ20に対面する位置に開口68が穿設されている。また、カバー60は、車両側面外方に向うに従って車両後方に曲折する滑らかな外周面を有する。
【0035】
図1に示すように、カバー60は、左端付近部位10Bの四隅に穿設された取付け孔70とカバー60に穿設された取付け孔にボルト72を挿入し、ボルト72にナット74を螺着することによって、バンパ端側部位10Bを覆うように取り付けられる。カバー60がバンパ端側部位10Bに取り付けられたとき、フロントバンパ10は、中央部位10Aの外周面とカバー60の外周面とで段差のない滑らかな外周面を形成すると共に、カバー60の端側部64では、車両後方に傾斜したキャンバを形成する。また、バンパ中央部位10Aの上部フランジ12aに形成された段差24は、カバー60の上部フランジ62aに形成された段差66と連続した段差を形成する。
【0036】
次に、図3により、本実施形態のフロントバンパ10の加工成形工程を説明する。
先ず、平坦な金属製の板金80を用意し、図3(a)に示すように、板金80を一対のの第1の金型82a及び82bを用いてプレス加工し、凹面形断面を有するフロントバンパ10の原形を成形する。このとき、フロントバンパ10の上下フランジの一部を構成する板金80の両端部分を平面状端部81a及び81bとしてそのまま残しておく。
【0037】
次に、図3(b)に第1の金型82a、82bの一方の金型82bを取り除く。次に、板金80を他方の金型80aに当接したまま、切断刃84a及び84bを用いて、板金80の不要な両端部83a及び83bを切断除去する。これで、不要端部83a及び83bを除去することで、板金80をフロントバンパ10を構成するための設定寸法とすることができる。
【0038】
次に、図3(c)に示すように、一対の第2の金型88a及び88bを用いて、板金80の両端86a及び86bをプレス加工し、両端86a、86bを折り曲げ加工する。この時、板金80の端部86aを段差を有する金型で折り曲げ工程することによって、段差90を形成する。一方、下端部86bは、段差を有さない金型で折り曲げ加工する。こうして、本実施形態に用いられるフロントバンパ10を製造する。
【0039】
かかる構成の本実施形態によれば、従来のフロントバンパの上部フランジに対して、上部フランジ12aの幅寸法Wを大きく取ったことにより、フロントバンパ10とキャブフロントパネル106間の隙間sを狭くすることができるので、石やごみ等の異物が隙間sから車体内部に入るおそれがなく、かつ車体内側の構造物を露出させないようにすることができる。
【0040】
また、上部フランジ12aの長手方向に段差24を形成したことにより、上部フランジ12aの幅寸法Wを大きくしてもフロントバンパ10の剛性低下を防止できる。
さらに、カバー60の上部フランジ62aにバンパ中央部位10Aの段差24に連続した段差66を設けたことにより、フロントバンパ全体の美観を向上できる。
【0041】
また、フロントバンパ10の成形加工時、従来の加工方法では、上下両端86a、86bを折り曲げ加工した際、しわが発生するが、本実施形態では、折り曲げ部位に段差24を形成するので、皺が発生しない。下端部86bには段差を形成しないので、皺が発生するおそれがあるが、フロントバンパ10の下部フランジであるので、外部から目視されない。そのため、フロントバンパ10の美観を損なうことはない。
【0042】
また、図3(a)〜(c)に示す加工手順で行なうので、手間がかからず、フロントバンパ10の成形が容易になる。
特に、図3(b)に示すように、金型80aに載置した状態で上下両端86a及び86bの切断工程を同時に行なうので、切断工程を短時間で容易に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、フロントアンーダランプロテクタを備えたキャブオーバ型トラックのフロントバンパ構造において、フロントバンパの上部フランジを剛性を低下させることなく、幅寸法を大きくできるので、フロントバンパとキャブフロントパネル間の隙間を極力狭めることができ、フロントバンパ及びその周辺の美観を損ねることがない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係るフロントバンパ構造を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】前記実施形態のフロントバンパの係止加工手順を示す説明図である。
【図4】キャブオーバ型トラックの前部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10 フロントバンパ
10A バンパ中央部位
10B バンパ端側部位
12a 上部フランジ
12b 下部フランジ
24,66 段差
60 カバー
81a、81b 平面状端部
82a、82b 第1の金型
83a、83b 不要端部
86a、86b 第2の金型
87 凹面形断面
100 キャブオーバ型トラック
106 キャブフロントパネル
W 上部フランジ幅寸法
s 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントバンパと車体との間に該フロントバンパより下側の車体前部を覆うようにフロントアンダーランプロテクタを配設してなるフロントバンパ構造において、
フロントバンパの上部フランジに長手方向に段差を設けたことを特徴とするフロントバンパ構造。
【請求項2】
フロントバンパを、上部フランジに長手方向に段差を形成したバンパ中央部位と、該バンパ中央部位の両側に該バンパ中央部位の外表面と段差を有して一体に延設されたバンパ端側部位とで構成し、
該バンパ端側部位に上部フランジに長手方向に段差を有するカバーを被着することにより、該バンパ中央部位の外表面と該カバーの外表面と段差のない連続する外表面を形成すると共に、該バンパ中央部位の上部フランジと該カバーの上部フランジに連続した段差を形成するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のフロントバンパ構造。
【請求項3】
請求項1に記載のフロントバンパの製造方法において、
平面形状の板金を第1の金型を用いてプレス加工し、フロントバンパの原形となる凹面形断面を形成すると共に、該板金の両端を平面形状のまま残すプレス工程と、
両端の平面状端部の不要部分を平面形状の状態で切断刃を用いて切断する切断工程と、
該不要部分を切断した後の該平面状端部を折り曲げ加工して上部フランジ又は下部フランジを成形する折り曲げ工程と、からなり、
該折り曲げ工程で、上部フランジを形成する平面状端部を第2の金型でプレス成形することにより上部フランジの長手方向に段差を形成するようにしたことを特徴とするフロントバンパ製造方法。
【請求項4】
前記上部フランジの幅寸法を大きくしたことにより、フロントバンパと該フロントバンパの上方に配置されるキャブフロントパネル間の隙間を狭くしたことを特徴とする請求項3に記載のフロントバンパ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−143496(P2010−143496A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324887(P2008−324887)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland