フロントリッドの支持構造
【課題】内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付けるに際して、多大な労力や大掛かりな設備を必要としないフロントリッドの支持構造の提供。
【解決手段】車体側(キャブ側)に左右1個ずつ設けられたヒンジ(2)を有し、ヒンジ(2)には係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21)が形成されており、係止用ボルト(4)の各々を、ヒンジ(2)の各々における切欠き(21)へ挿入することによりフロントリッド(3)を車体側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルト(4)をヒンジ(2)の切欠き(21)に挿入するのを容易にする第1の案内部材(5)及び第2の案内部材(6)がフロントリッド(3)に形成されている。
【解決手段】車体側(キャブ側)に左右1個ずつ設けられたヒンジ(2)を有し、ヒンジ(2)には係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21)が形成されており、係止用ボルト(4)の各々を、ヒンジ(2)の各々における切欠き(21)へ挿入することによりフロントリッド(3)を車体側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルト(4)をヒンジ(2)の切欠き(21)に挿入するのを容易にする第1の案内部材(5)及び第2の案内部材(6)がフロントリッド(3)に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車のキャブ正面に開閉可能に取り付けられるフロントリッドに関する。より詳細には、フロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際して、フロントリッドをキャブに一時的に支持する(いわゆる「仮保持」を行う)ための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の貨物自動車は車高寸法が大きく、それに伴い、キャブ正面のフロントリッドの高さ寸法も大きく、重量も大である。
係る高さ寸法が大きいフロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際しては、フロントリッドにより視線を遮られてしまうので、取付作業を行う作業者は、キャブ側(車両側)の支持構造(ヒンジ)を確認しながらフロントリッドを取り付けることが困難である。
【0003】
ここで、キャブ側のヒンジが、フロントリッドを取り付けた際に、キャブ正面に向う側から見ることが出来るタイプ、いわゆる「外ヒンジ」タイプであれば、キャブ側に固定されたヒンジの受け金具に、フロントリッドに固定されたヒンジの突起を挿入することが可能である。そのため、単一の作業者によって、フロントリッドをキャブ側に仮保持することが可能である。
【0004】
しかし、フロントリッドをキャブ側に支持するヒンジが、フロントリッドを取り付けた際に、キャブ正面に向う側からはフロントリッドに遮られて見えない様に配置されているタイプ、いわゆる「内ヒンジ」タイプでは、フロントリッドの取付構造とキャブ側の取付構造の位置合わせ自体が、単一の作業者では不可能である。
係る「内ヒンジ」タイプの場合には、フロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際しては、フロントリッドにより視線を遮られてしまうので、取付作業を行う作業者は、キャブ側(車両側)の支持構造(ヒンジ)を確認しながらフロントリッドを取り付けることが出来ない。
【0005】
そのため、従来、内ヒンジタイプの場合において、フロントリッドをキャブ側に取り付けるに際しては、複数の作業者によってフロントリッドをキャブ側へ仮設的に支持する(いわゆる「仮保持」をする)か、或いは、フロントリッドを機械で吊るして、キャブ側へ仮保持しなければならなかった。
換言すれば、従来技術では、内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付ける作業、特に、フロントリッドをキャブ側へ仮保持する作業には、多大な労力を必要し、或いは、大掛かりな設備(例えば、フロントリッドを吊り下げる設備)が必要となっていた。
【0006】
これに対して、コスト、労力の軽減のため、フロントリッドをキャブ側へ仮保持する作業についても、単一の作業者で行うことが希望されている。
しかしながら、その様な技術は未だに提案されていない。
【0007】
その他の従来技術としては、例えば、キャブのチルト時に、フロントリッドと他の部材とが干渉するのを防止する技術が存在する(特許文献1参照)
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、フロントリッド、特に内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付けることに関する技術ではないので、上述した問題点を解消することは出来ない。
【特許文献1】特開2005−162034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付けるに際して、多大な労力や大掛かりな設備を必要としない様なフロントリッドの支持構造の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフロントリッドの支持構造は、車体側(キャブ1側)に左右1個ずつ設けられたヒンジ(2)を有し、そのヒンジ(2)は、フロントリッド(3)を取り付けた際には、キャブ(1)正面に向う側からはフロントリッド(3)に遮られて見えない様に配置されており、フロントリッド(3)の上方に且つ左右1個ずつ固定された係止用ボルト(4)を有し、ヒンジ(2)には係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21:係止用ボルト挿入用の溝)が形成されており、係止用ボルト(4)の各々を、ヒンジ(2)の各々における切欠き(21)へ挿入することによりフロントリッド(3)を車体(1)側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルト(4)をヒンジ(2)の切欠き(21)に挿入するのを容易にする第1の案内部材(第1の案内レール5)及び第2の案内部材(第2の案内レール6)がフロントリッド(3)に左右1個ずつ形成されていることを特徴としている(請求項1)。
ここで、第1の案内部材(第1の案内レール5)及び第2の案内部材(第2の案内レール6)は、フロントリッド(3)の表面に突出したリブとして構成されているのが好ましい。
【0010】
本発明において、車体側におけるヒンジ(2)の間隔(水平方向或いはX方向の距離)とフロントリッド(3)における係止用ボルト(4)の間隔(水平方向或いはX方向の距離)は等しく(概略等しい場合を含む)、フロントリッド(3)の左右(水平方向或いは矢印X方向)に設けられた第1の案内レール(5)の間隔(水平方向或いは矢印X方向の間隔)及び第2の案内レール(6)の間隔(水平方向或いは矢印X方向の間隔)はヒンジ(2)の間隔と等しいのが好ましい(請求項2)。
【0011】
また本発明において、ヒンジ(2)は、車体側(キャブ1側)に固定される基部(20)と、先端部(22)とから構成され、先端部(22)は全体が鉤状に形成されており且つ係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21)が形成されており、切欠き(21)は、斜め方向へ(図3において斜め上方へ)延在する第1の部分(21a)と、垂直方向(図3において垂直方向下方)へ延在する第2の部分(21b)とを有し、全体が「レ」の字を上下逆にした形状となっており、(図3において)ヒンジ(2)の先端部(22)は、(図3において最も下方に伸びている)最先端部22aから斜め方向へ延在する部分(図3の斜め上方に延在し、縁部22bを有する部分)と、当該部分(22b)の変曲点である第1当接個所(22c)から(図3において)垂直方向(図3では垂直方向上方)に延在し切欠き(21)に到達する部分(22d)とを有しているのが好ましい(請求項3:図3)。
【0012】
本発明において、第1の案内レール(5)の下方端部(51)は、垂直方向下方(矢印Yとは反対方向)を向く様に構成されているのが好ましい(請求項4:図4)
【0013】
そして本発明において、ヒンジ(2)の切欠き(21)入口部分の基部(20)側の端部である第2当接個所(22e)からヒンジ先端部(22)の最先端部(22a)との幅寸法(W1)が、第1の案内レール(5)の下方端部(51)の縁部(51a)と係止用ボルト(4)との幅寸法(W2)よりも、大きいことが好ましい(請求項5:図7)。
【0014】
あるいは本発明において、第2の案内レール(6)における先端(61)の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト(4)の水平方向位置(X方向の位置)から、ヒンジ先端部(22)の縁部(22b)の水平方向寸法(X方向寸法:W3)よりも離隔していない(先端61がボルト「4」から寸法W3以内の近い位置に存在する)ことが好ましい(請求項6:図10)。
【0015】
さらに本発明において、ヒンジ(2)の切欠き(21)における第1の部分(21a)の進入口の位置及び寸法は、第2当接個所(22e)と、それに対向する端部(22g)とにより定義され、第2当接個所(22e)と端部(22g)との水平方向(あるいはX方向寸法:W4)及び垂直方向(あるいはY方向寸法:V1)は、係止用ボルト(4)の外径寸法よりも大きいことが好ましい(請求項7:図12)。
【0016】
第2の案内レール6上において、第2の案内レール6上の点(MP)から係止用ボルト(4)(あるいはその中心)までのX方向距離(水平方向距離:W5)と、第1当接個所(22c)と最先端部(22a)の水平方向寸法(X方向寸法:W3)と、第1当接個所(22c)と第2当接個所(22e)との水平方向寸法(X方向寸法:W4)とが、
W3≦W5≦W3+W4
という関係を充足し、
第2の案内レール(6)上の点MPから係止用ボルト(4)(あるいはその中心)までの垂直方向距離(Y方向距離:V2)と、切欠き(21)における第1の部分(21a)の進入口を定義する一方の端部(22g)とヒンジ最先端部(22a)との垂直方向寸法(Y方向寸法:V3)と、第2当接個所22eと端部22gとの垂直方向寸法(Y方向寸法:V1)とが
V3≦V2≦V3+V1
という関係を充足するのが好ましい(請求項8:図12)。
【発明の効果】
【0017】
上述する構成を具備する本発明によれば、フロントリッド(3)の係止用ボルト(4)の位置を、車体側(キャブ1側)のヒンジ(2)の位置と概略合わせて、そのままフロントリッド(3)を持ち上げれば、第1の案内レール(5)及び第2の案内レール(6)の作用により、係止用ボルト(4)はヒンジ(2)の切欠き(21)内に挿入され、フロントリッド(3)の車体(1)側への仮保持が完了する。
そのため、単一の作業者が、大雑把な水平方向の位置合わせを行い、フロントリッド(3)を持ち上げた後、そのまま、垂直方向下方へ自重で移動させるだけで、フロントリッド(3)が車体(1)へ仮保持されるのである。
【0018】
すなわち本発明によれば、単一の作業者によりフロントリッド(3)を車体(1)へ仮保持することが容易に行われる。しかも、例えばフロントリッド(3)の吊り下げ装置のような、大掛かりな設備が不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る支持構造を採用した場合において、フロントリッド3をキャブ1に取り付ける状態を示している。
【0020】
図1で示す様に、ヒンジ2は左右1個ずつ、合計2個、車体1側に固定されており、フロントリッド3の上方で、左右2本設けた係止用ボルト4の各々を、ヒンジ2の各々に挿入することにより、フロントリッド3を車体1側に係止或いは仮保持する。
ここで、左右のヒンジ2の間隔(水平方向の距離)と、左右の係止用ボルト4の間隔(水平方向の距離)とは、等しくなければならない。
【0021】
ヒンジ2は、図2で簡略に示す様に、係止用ボルト4を挿入するための切欠き或いは溝21が形成されている。
ヒンジ2の形状の詳細については、図3〜図15、図17で示されている。
【0022】
図3において、ヒンジ2は、図示しない車体側に固定される基部20と、先端部22とから構成されている。そして、先端部22は、全体が鉤状に形成されており、且つ、係止用ボルト4(図1参照)を挿入するための切欠き21が形成されている。
切欠き21は、図3において斜め上方に延在する第1の部分21aと、垂直方向下方へ延在する第2の部分21bとで構成されており、全体が「レ」の字を上下逆にした様な概略形状となっている。
【0023】
図3において、ヒンジ2の先端部22は、最も下方に伸びている最先端部22aから(図3の)斜め上方に延在する部分(縁部22b)と、変曲点22c(後述する第1当接個所)から、図3において垂直方向上方に延在して、切欠き21に到達する部分22dとを有している。
【0024】
次に、図3〜図17を参照して、図示の実施形態において、フロントリッド3をヒンジ2で係止する(仮保持する)態様について、詳細に説明する。
ここで、図3〜図15において、図示の簡略化のため、左右2個設けられているヒンジ2及びヒンジ係止用のボルト4は、1個ずつ示している。また、フロントリッド3については、その一部分のみを一点鎖線で表現してある。
【0025】
図3において、フロントリッド3には第1の案内レール5(第1の案内部材)と第2の案内レール6(第2の案内部材)が、フロントリッド3の車体側(図3において紙面の手前側)に突出するリブとして形成されている。
そして、第1の案内レール5と第2の案内レール6の間には、係止用ボルト4が固定されている。
【0026】
図16を参照すれば明らかな様に、係止用ボルト4は、フロントリッド3に形成されたボス7により固定されており、その端部(ボスから離隔する側の端部)にはナット8が螺合している。
このナット8は、係止用ボルト4がヒンジ2の切欠き21の所定位置まで挿入され、フロントリッド3の仮保持が完了した段階(図15で示す段階)で、ヒンジ2を押圧するように締め込まれる。
【0027】
図3は、フロントリッド3が持ち上げられ、車体側に固定されたヒンジ2の第1当接個所22cが、第1の案内レール5と当接した状態を示している。ここで、第1当接個所22cは、ヒンジ2の先端部22の縁部22Bにおける変曲点でもある。
ヒンジ先端部22の形状は、図17で示す変形例の様に形成することが好ましい。
図17において点線で示すのが、図3〜図15におけるヒンジ先端部22の形状である。図17において、実線の形状(変形例の形状)と点線の形状(図3〜図15のヒンジの形状)とを比較すれば明らかな様に、実線の形状(図17の変形例に係るヒンジの形状)の方が、切欠き(ボルト挿入用の溝)21を形成した個所の強度を向上することが出来る。
【0028】
第1の案内レール5も、ヒンジ2に対応して、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に2つ設けられている。
そして、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に設けられた第1の案内レール5の間隔(矢印X方向の間隔)は、ヒンジ2の間隔(矢印X方向の間隔)と等しい。フロントリッド3の左右(矢印X方向)の双方に設けられた1対のヒンジ2を、両方とも、第1の案内レール5と当接させるためである。
【0029】
図3で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、ヒンジの第1当接個所22cは、フロントリッド3に対して、第1の案内レール5上を矢印A1方向へ滑動する様に相対移動する。
ここで、ヒンジ2の第1当接個所22cが、第1の案内レール5上を矢印A1方向へ滑動する様に、ヒンジ2とフロントリッド3とが相対移動するためには、図3において、第1の案内レール5が水平面Hに対して為す傾斜角αが、ヒンジ2の縁部22bが水平面Hに対して為す傾斜角βよりも大きくなければならない。その条件を満たさなければ、ヒンジ2の第1当接個所22cと第1の案内レール5とが点接触状態で当接しないからである。
【0030】
図3で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ更に持ち上げると、図4で示す様に、ヒンジ2の第1当接個所22cが第1の案内レール5から外れる。
図4の状態から、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図5で示す様に、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1の案内レール5と当接する。
ここで、ヒンジ2の第2当接個所22eは、ヒンジ2の切欠き21入口部分を定義する2つの端部の内、基部20側の端部である。ヒンジ2の切欠き21入口部分を定義する他方の端部(22g)ついては、図12を参照して後述する。
【0031】
図4の段階で、ヒンジ2の第1当接個所22cが第1の案内レール5から外れた際に、フロントリッド3が真上(矢印Y方向)へ移動して、ヒンジ2がフロントリッド3に対して矢印A2(図4参照)で示す様に相対移動をしなければならない。さもなければ、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1案内レール5と当接せず、ヒンジ2の切欠き21に係止用ボルト4を挿入することが出来なくなる可能性がある。
そのため、第1の案内レール5の下方端部51は、垂直方向下方(矢印Yとは反対方向)を向く様に構成されている。
【0032】
図5で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、ヒンジの第2当接個所22eは、フロントリッド3に対して、第1の案内レール5上を矢印A3方向へ滑動する様に相対移動する。そして図6で示す様に、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1の案内レール5から外れる。
その状態で、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図7で示す様に、ヒンジの先端部22の縁部22bが係止用ボルト4と当接する。
【0033】
図6で示す状態から、フロントリッドを上方(矢印Y方向)へ持ち上げた際に、縁部22bが係止用ボルト4と確実に当接するためには、図7において、第2当接個所22eからヒンジ先端部22の最先端部22aとの幅寸法W1を、第1の案内レール5における下方端部51の縁部51aと係止用ボルト4との幅寸法W2よりも、大きく設定する必要がある。
【0034】
ヒンジ2の先端部22の縁部22bが係止用ボルト4と当接した状態で、フロントリッド2を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図8で示す様に、係止用ボルト4は、ヒンジ先端部22の縁部22b上を、矢印A4方向(図8で斜め上方)へ滑動する。
係止用ボルト4がヒンジ先端部22の縁部22bから外れると(図9)、図10で示す様に、係止用ボルト4や第1の案内レール5及び第2の案内レール6が、ヒンジ2に対して垂直方向上方(矢印A5方向)へ移動する。そして、図11で示す様に、ヒンジ先端部22における最先端部22aが、第2の案内レール6に当接する。
【0035】
ここで、ヒンジ先端部22における最先端部22aが第2の案内レール6と確実に当接するためには、図10において、第2の案内レール6における先端61の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト4の水平方向位置(X方向の位置)の近傍でなければならない。
より詳細には、図10において、第2の案内レール6における先端61の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト4の水平方向位置(X方向の位置)から、ヒンジ先端部22の縁部22bの水平方向寸法(X方向寸法)W3よりも近い位置であることが必要となる。すなわち、先端61は、ボルト4から寸法W3より離れてはいない位置に存在することが必要である。
【0036】
ここで、フロントリッド3の左右(矢印X方向)の双方に設けられたヒンジ2を、両方とも、第2の案内レール6と当接させるためには、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に設けられた第2の案内レール6の間隔(矢印X方向の間隔)を、ヒンジ2の間隔(矢印X方向の間隔)と等しくする必要がある。
【0037】
図11において、ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6に当接した後、フロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げれば、ヒンジ先端部22の最先端部22aは、フロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する様に相対移動する。
【0038】
ここで、ヒンジ先端部22が図17で示す様な形状である場合は、ヒンジ先端部22における切欠き21を形成していない側の縁部22fの形状は、図11において、一点鎖線で示す様になる。
この縁部22fが垂線Vに対して為す角度θ1は、第2の案内レール6が垂線Vに対して為す角度θ2よりも小さくなければならない。
θ1>θ2では、フロントリッド3とヒンジ2との相対位置関係を、図11で示す状態に保つことが出来ない。そして、θ1=θ2では、縁部22fが第2の案内レール6と面接触をしてしまうので、ヒンジ2が第2の案内レール6上を滑動する様に相対移動する事が困難となる。
【0039】
ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する(様に相対移動する)と、図12で示す様に、係止用ボルト4は、ヒンジ2の切欠き21に進入する。
換言すれば、第2の案内レール6と係止用ボルト4は、ヒンジ2がフロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を滑動する様に相対移動すると、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入する様に構成されている。
【0040】
ここで、ヒンジ2の切欠き21における第1の部分21aの進入口は、第2当接個所22eと、それに対向する端部22gとにより、位置及び寸法が定義されている。
図12で示すように、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入するためには、第2当接個所22eと端部22gとのX方向寸法W4及びY方向寸法V1とが、係止用ボルト4の外径寸法よりも大きくなければならない。
【0041】
また、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入するためには、ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する際に、第2の案内レール6上において、次に述べる条件を満たすような点MP(図12では、最先端部22aと同位置)が存在しなければならない。
すなわち、点MPから係止用ボルト4(の中心)までのX方向距離(水平方向距離)W5が、
W3≦W5≦W3+W4
となり、点MPから係止用ボルト4(の中心)までのY方向距離(垂直方向距離)V2が
V3≦V2≦V3+V1
となる様な点MPが、第2の案内レール6上に存在しなければならない。
【0042】
上記不等式において、W3は前述した通り、第1当接個所22cと最先端部22aの水平方向寸法(X方向寸法)である。
W4は、第1当接個所22c(或いは端部22g)と第2当接個所22eとのX方向寸法である。
V3は、切欠き21における第1の部分21aの進入口を定義する一方の端部22gと、ヒンジ最先端部22aとの垂直方向寸法(Y方向寸法)である。
V1は、第2当接個所22eと端部22gとのY方向寸法である。
【0043】
図12で示す状態で、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げれば、ヒンジ先端部22の最先端部22aが、フロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する様に相対移動すると共に、係止用ボルト4が、切欠き21の第1の部分21a内を矢印A7方向へ相対移動して、図13で示す状態となる。
【0044】
図13においては、係止用ボルト4が、切欠き21の第1の部分21aと第2の部分21bとの境界部であって、切欠き21の最上方の部分に位置している。
図13の状態から、フロントリッド3をその自重により垂直方向下方へ移動すれば、図14で示す様に、係止用ボルト4は、垂直方向下方へ延在する第2の部分21bを下降する。
そして、図15で示す様に、係止用ボルト4が第2の部分21bの最下方に位置したならば、フロントリッド3の車体1側への仮保持が完了する。この状態では作業者がフロントリッドから手を離してもフロントリッドの自重がヒンジ2の切欠き21に下方に働き、且つナット8がボルト4の端部に螺合しているため、車体前方方向へ係止ボルト4がヒンジ2からはずれることもない。この後係止用ボルト4の端部に螺合しているナット8(図16参照)を締め付け、ヒンジ2をナット8とボス7(図16参照)とにより挟み付ける様に締結する。
【0045】
図14の状態であれば、係止用ボルト4に付加されるフロントリッド3の重量は、図14において垂直方向下方に作用するので、係止用ボルト4が切欠き21から外れることはない。
【0046】
上述した実施形態によれば、フロントリッド3の係止用ボルト4の位置を、車体1側のヒンジ2の位置と概略合わせて、そのままフロントリッド3を持ち上げれば、第1の案内レール5及び第2の案内レール6の作用により、係止用ボルト4はヒンジ2の切欠き21内に挿入され、その後フロントリッドをそのまま下方へ降ろすだけでフロントリッド3の車体1への仮保持が完了する。
すなわち、図示の実施形態によれば、作業者は、係止用ボルト4とヒンジ2との大雑把な位置合わせと、フロントリッド3を持ち上げ、その後自重で下げることだけで、フロントリッド3の車体1への仮保持が完了する。
【0047】
ここで、図1においては、作業者が、フロントリッド3越しに、車体(キャブ)1に取り付けられたヒンジ2を見ることが出来る様に示されている。しかし、フロントリッド3に遮られて、ヒンジ2が作業者から見えない場合であっても、上述したのと全く同様に、フロントリッド3を車体1側に仮保持できる。
【0048】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】フロントリッドを車体に取り付ける態様を説明する図。
【図2】第1実施形態で用いられるヒンジの概要を示す斜視図。
【図3】フロントリッドに設けた係止用ボルトをヒンジに係合する状態を説明する部分拡大図。
【図4】係止用ボルトをヒンジに係合する態様における図3に続く段階を説明する部分拡大図。
【図5】図4に続く段階を示す部分拡大図。
【図6】図5に続く段階を示す部分拡大図。
【図7】図6に続く段階を示す部分拡大図。
【図8】図7に続く段階を示す部分拡大図。
【図9】図8に続く段階を示す部分拡大図。
【図10】図9に続く段階を示す部分拡大図。
【図11】図10に続く段階を示す部分拡大図。
【図12】図11に続く段階を示す部分拡大図。
【図13】図12に続く段階を示す部分拡大図。
【図14】図13に続く段階を示す部分拡大図。
【図15】係止用ボルトをヒンジに係合した状態を説明する部分拡大図。
【図16】図3〜図14におけるヒンジとフロントリッドと係止用ボルトとの相対的な位置関係を示す部分拡大図。
【図17】ヒンジの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1・・・車体
2・・・ヒンジ
3・・・フロントリッド
4・・・係止用ボルト
5・・・第1の案内レール
6・・・第2の案内レール
21・・・切欠き
21a・・・第1の部分
21b・・・第2の部分
22・・・先端部
22a・・・最先端部
22b・・・縁部
22c・・・第1当接箇所
22e・・・第2当接箇所
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車のキャブ正面に開閉可能に取り付けられるフロントリッドに関する。より詳細には、フロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際して、フロントリッドをキャブに一時的に支持する(いわゆる「仮保持」を行う)ための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の貨物自動車は車高寸法が大きく、それに伴い、キャブ正面のフロントリッドの高さ寸法も大きく、重量も大である。
係る高さ寸法が大きいフロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際しては、フロントリッドにより視線を遮られてしまうので、取付作業を行う作業者は、キャブ側(車両側)の支持構造(ヒンジ)を確認しながらフロントリッドを取り付けることが困難である。
【0003】
ここで、キャブ側のヒンジが、フロントリッドを取り付けた際に、キャブ正面に向う側から見ることが出来るタイプ、いわゆる「外ヒンジ」タイプであれば、キャブ側に固定されたヒンジの受け金具に、フロントリッドに固定されたヒンジの突起を挿入することが可能である。そのため、単一の作業者によって、フロントリッドをキャブ側に仮保持することが可能である。
【0004】
しかし、フロントリッドをキャブ側に支持するヒンジが、フロントリッドを取り付けた際に、キャブ正面に向う側からはフロントリッドに遮られて見えない様に配置されているタイプ、いわゆる「内ヒンジ」タイプでは、フロントリッドの取付構造とキャブ側の取付構造の位置合わせ自体が、単一の作業者では不可能である。
係る「内ヒンジ」タイプの場合には、フロントリッドをキャブ正面に取り付けるに際しては、フロントリッドにより視線を遮られてしまうので、取付作業を行う作業者は、キャブ側(車両側)の支持構造(ヒンジ)を確認しながらフロントリッドを取り付けることが出来ない。
【0005】
そのため、従来、内ヒンジタイプの場合において、フロントリッドをキャブ側に取り付けるに際しては、複数の作業者によってフロントリッドをキャブ側へ仮設的に支持する(いわゆる「仮保持」をする)か、或いは、フロントリッドを機械で吊るして、キャブ側へ仮保持しなければならなかった。
換言すれば、従来技術では、内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付ける作業、特に、フロントリッドをキャブ側へ仮保持する作業には、多大な労力を必要し、或いは、大掛かりな設備(例えば、フロントリッドを吊り下げる設備)が必要となっていた。
【0006】
これに対して、コスト、労力の軽減のため、フロントリッドをキャブ側へ仮保持する作業についても、単一の作業者で行うことが希望されている。
しかしながら、その様な技術は未だに提案されていない。
【0007】
その他の従来技術としては、例えば、キャブのチルト時に、フロントリッドと他の部材とが干渉するのを防止する技術が存在する(特許文献1参照)
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、フロントリッド、特に内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付けることに関する技術ではないので、上述した問題点を解消することは出来ない。
【特許文献1】特開2005−162034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、内ヒンジタイプのフロントリッドをキャブ側に取り付けるに際して、多大な労力や大掛かりな設備を必要としない様なフロントリッドの支持構造の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフロントリッドの支持構造は、車体側(キャブ1側)に左右1個ずつ設けられたヒンジ(2)を有し、そのヒンジ(2)は、フロントリッド(3)を取り付けた際には、キャブ(1)正面に向う側からはフロントリッド(3)に遮られて見えない様に配置されており、フロントリッド(3)の上方に且つ左右1個ずつ固定された係止用ボルト(4)を有し、ヒンジ(2)には係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21:係止用ボルト挿入用の溝)が形成されており、係止用ボルト(4)の各々を、ヒンジ(2)の各々における切欠き(21)へ挿入することによりフロントリッド(3)を車体(1)側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルト(4)をヒンジ(2)の切欠き(21)に挿入するのを容易にする第1の案内部材(第1の案内レール5)及び第2の案内部材(第2の案内レール6)がフロントリッド(3)に左右1個ずつ形成されていることを特徴としている(請求項1)。
ここで、第1の案内部材(第1の案内レール5)及び第2の案内部材(第2の案内レール6)は、フロントリッド(3)の表面に突出したリブとして構成されているのが好ましい。
【0010】
本発明において、車体側におけるヒンジ(2)の間隔(水平方向或いはX方向の距離)とフロントリッド(3)における係止用ボルト(4)の間隔(水平方向或いはX方向の距離)は等しく(概略等しい場合を含む)、フロントリッド(3)の左右(水平方向或いは矢印X方向)に設けられた第1の案内レール(5)の間隔(水平方向或いは矢印X方向の間隔)及び第2の案内レール(6)の間隔(水平方向或いは矢印X方向の間隔)はヒンジ(2)の間隔と等しいのが好ましい(請求項2)。
【0011】
また本発明において、ヒンジ(2)は、車体側(キャブ1側)に固定される基部(20)と、先端部(22)とから構成され、先端部(22)は全体が鉤状に形成されており且つ係止用ボルト(4)を挿入するための切欠き(21)が形成されており、切欠き(21)は、斜め方向へ(図3において斜め上方へ)延在する第1の部分(21a)と、垂直方向(図3において垂直方向下方)へ延在する第2の部分(21b)とを有し、全体が「レ」の字を上下逆にした形状となっており、(図3において)ヒンジ(2)の先端部(22)は、(図3において最も下方に伸びている)最先端部22aから斜め方向へ延在する部分(図3の斜め上方に延在し、縁部22bを有する部分)と、当該部分(22b)の変曲点である第1当接個所(22c)から(図3において)垂直方向(図3では垂直方向上方)に延在し切欠き(21)に到達する部分(22d)とを有しているのが好ましい(請求項3:図3)。
【0012】
本発明において、第1の案内レール(5)の下方端部(51)は、垂直方向下方(矢印Yとは反対方向)を向く様に構成されているのが好ましい(請求項4:図4)
【0013】
そして本発明において、ヒンジ(2)の切欠き(21)入口部分の基部(20)側の端部である第2当接個所(22e)からヒンジ先端部(22)の最先端部(22a)との幅寸法(W1)が、第1の案内レール(5)の下方端部(51)の縁部(51a)と係止用ボルト(4)との幅寸法(W2)よりも、大きいことが好ましい(請求項5:図7)。
【0014】
あるいは本発明において、第2の案内レール(6)における先端(61)の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト(4)の水平方向位置(X方向の位置)から、ヒンジ先端部(22)の縁部(22b)の水平方向寸法(X方向寸法:W3)よりも離隔していない(先端61がボルト「4」から寸法W3以内の近い位置に存在する)ことが好ましい(請求項6:図10)。
【0015】
さらに本発明において、ヒンジ(2)の切欠き(21)における第1の部分(21a)の進入口の位置及び寸法は、第2当接個所(22e)と、それに対向する端部(22g)とにより定義され、第2当接個所(22e)と端部(22g)との水平方向(あるいはX方向寸法:W4)及び垂直方向(あるいはY方向寸法:V1)は、係止用ボルト(4)の外径寸法よりも大きいことが好ましい(請求項7:図12)。
【0016】
第2の案内レール6上において、第2の案内レール6上の点(MP)から係止用ボルト(4)(あるいはその中心)までのX方向距離(水平方向距離:W5)と、第1当接個所(22c)と最先端部(22a)の水平方向寸法(X方向寸法:W3)と、第1当接個所(22c)と第2当接個所(22e)との水平方向寸法(X方向寸法:W4)とが、
W3≦W5≦W3+W4
という関係を充足し、
第2の案内レール(6)上の点MPから係止用ボルト(4)(あるいはその中心)までの垂直方向距離(Y方向距離:V2)と、切欠き(21)における第1の部分(21a)の進入口を定義する一方の端部(22g)とヒンジ最先端部(22a)との垂直方向寸法(Y方向寸法:V3)と、第2当接個所22eと端部22gとの垂直方向寸法(Y方向寸法:V1)とが
V3≦V2≦V3+V1
という関係を充足するのが好ましい(請求項8:図12)。
【発明の効果】
【0017】
上述する構成を具備する本発明によれば、フロントリッド(3)の係止用ボルト(4)の位置を、車体側(キャブ1側)のヒンジ(2)の位置と概略合わせて、そのままフロントリッド(3)を持ち上げれば、第1の案内レール(5)及び第2の案内レール(6)の作用により、係止用ボルト(4)はヒンジ(2)の切欠き(21)内に挿入され、フロントリッド(3)の車体(1)側への仮保持が完了する。
そのため、単一の作業者が、大雑把な水平方向の位置合わせを行い、フロントリッド(3)を持ち上げた後、そのまま、垂直方向下方へ自重で移動させるだけで、フロントリッド(3)が車体(1)へ仮保持されるのである。
【0018】
すなわち本発明によれば、単一の作業者によりフロントリッド(3)を車体(1)へ仮保持することが容易に行われる。しかも、例えばフロントリッド(3)の吊り下げ装置のような、大掛かりな設備が不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る支持構造を採用した場合において、フロントリッド3をキャブ1に取り付ける状態を示している。
【0020】
図1で示す様に、ヒンジ2は左右1個ずつ、合計2個、車体1側に固定されており、フロントリッド3の上方で、左右2本設けた係止用ボルト4の各々を、ヒンジ2の各々に挿入することにより、フロントリッド3を車体1側に係止或いは仮保持する。
ここで、左右のヒンジ2の間隔(水平方向の距離)と、左右の係止用ボルト4の間隔(水平方向の距離)とは、等しくなければならない。
【0021】
ヒンジ2は、図2で簡略に示す様に、係止用ボルト4を挿入するための切欠き或いは溝21が形成されている。
ヒンジ2の形状の詳細については、図3〜図15、図17で示されている。
【0022】
図3において、ヒンジ2は、図示しない車体側に固定される基部20と、先端部22とから構成されている。そして、先端部22は、全体が鉤状に形成されており、且つ、係止用ボルト4(図1参照)を挿入するための切欠き21が形成されている。
切欠き21は、図3において斜め上方に延在する第1の部分21aと、垂直方向下方へ延在する第2の部分21bとで構成されており、全体が「レ」の字を上下逆にした様な概略形状となっている。
【0023】
図3において、ヒンジ2の先端部22は、最も下方に伸びている最先端部22aから(図3の)斜め上方に延在する部分(縁部22b)と、変曲点22c(後述する第1当接個所)から、図3において垂直方向上方に延在して、切欠き21に到達する部分22dとを有している。
【0024】
次に、図3〜図17を参照して、図示の実施形態において、フロントリッド3をヒンジ2で係止する(仮保持する)態様について、詳細に説明する。
ここで、図3〜図15において、図示の簡略化のため、左右2個設けられているヒンジ2及びヒンジ係止用のボルト4は、1個ずつ示している。また、フロントリッド3については、その一部分のみを一点鎖線で表現してある。
【0025】
図3において、フロントリッド3には第1の案内レール5(第1の案内部材)と第2の案内レール6(第2の案内部材)が、フロントリッド3の車体側(図3において紙面の手前側)に突出するリブとして形成されている。
そして、第1の案内レール5と第2の案内レール6の間には、係止用ボルト4が固定されている。
【0026】
図16を参照すれば明らかな様に、係止用ボルト4は、フロントリッド3に形成されたボス7により固定されており、その端部(ボスから離隔する側の端部)にはナット8が螺合している。
このナット8は、係止用ボルト4がヒンジ2の切欠き21の所定位置まで挿入され、フロントリッド3の仮保持が完了した段階(図15で示す段階)で、ヒンジ2を押圧するように締め込まれる。
【0027】
図3は、フロントリッド3が持ち上げられ、車体側に固定されたヒンジ2の第1当接個所22cが、第1の案内レール5と当接した状態を示している。ここで、第1当接個所22cは、ヒンジ2の先端部22の縁部22Bにおける変曲点でもある。
ヒンジ先端部22の形状は、図17で示す変形例の様に形成することが好ましい。
図17において点線で示すのが、図3〜図15におけるヒンジ先端部22の形状である。図17において、実線の形状(変形例の形状)と点線の形状(図3〜図15のヒンジの形状)とを比較すれば明らかな様に、実線の形状(図17の変形例に係るヒンジの形状)の方が、切欠き(ボルト挿入用の溝)21を形成した個所の強度を向上することが出来る。
【0028】
第1の案内レール5も、ヒンジ2に対応して、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に2つ設けられている。
そして、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に設けられた第1の案内レール5の間隔(矢印X方向の間隔)は、ヒンジ2の間隔(矢印X方向の間隔)と等しい。フロントリッド3の左右(矢印X方向)の双方に設けられた1対のヒンジ2を、両方とも、第1の案内レール5と当接させるためである。
【0029】
図3で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、ヒンジの第1当接個所22cは、フロントリッド3に対して、第1の案内レール5上を矢印A1方向へ滑動する様に相対移動する。
ここで、ヒンジ2の第1当接個所22cが、第1の案内レール5上を矢印A1方向へ滑動する様に、ヒンジ2とフロントリッド3とが相対移動するためには、図3において、第1の案内レール5が水平面Hに対して為す傾斜角αが、ヒンジ2の縁部22bが水平面Hに対して為す傾斜角βよりも大きくなければならない。その条件を満たさなければ、ヒンジ2の第1当接個所22cと第1の案内レール5とが点接触状態で当接しないからである。
【0030】
図3で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ更に持ち上げると、図4で示す様に、ヒンジ2の第1当接個所22cが第1の案内レール5から外れる。
図4の状態から、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図5で示す様に、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1の案内レール5と当接する。
ここで、ヒンジ2の第2当接個所22eは、ヒンジ2の切欠き21入口部分を定義する2つの端部の内、基部20側の端部である。ヒンジ2の切欠き21入口部分を定義する他方の端部(22g)ついては、図12を参照して後述する。
【0031】
図4の段階で、ヒンジ2の第1当接個所22cが第1の案内レール5から外れた際に、フロントリッド3が真上(矢印Y方向)へ移動して、ヒンジ2がフロントリッド3に対して矢印A2(図4参照)で示す様に相対移動をしなければならない。さもなければ、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1案内レール5と当接せず、ヒンジ2の切欠き21に係止用ボルト4を挿入することが出来なくなる可能性がある。
そのため、第1の案内レール5の下方端部51は、垂直方向下方(矢印Yとは反対方向)を向く様に構成されている。
【0032】
図5で示す状態からフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、ヒンジの第2当接個所22eは、フロントリッド3に対して、第1の案内レール5上を矢印A3方向へ滑動する様に相対移動する。そして図6で示す様に、ヒンジ2の第2当接個所22eが第1の案内レール5から外れる。
その状態で、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図7で示す様に、ヒンジの先端部22の縁部22bが係止用ボルト4と当接する。
【0033】
図6で示す状態から、フロントリッドを上方(矢印Y方向)へ持ち上げた際に、縁部22bが係止用ボルト4と確実に当接するためには、図7において、第2当接個所22eからヒンジ先端部22の最先端部22aとの幅寸法W1を、第1の案内レール5における下方端部51の縁部51aと係止用ボルト4との幅寸法W2よりも、大きく設定する必要がある。
【0034】
ヒンジ2の先端部22の縁部22bが係止用ボルト4と当接した状態で、フロントリッド2を上方(矢印Y方向)へ持ち上げると、図8で示す様に、係止用ボルト4は、ヒンジ先端部22の縁部22b上を、矢印A4方向(図8で斜め上方)へ滑動する。
係止用ボルト4がヒンジ先端部22の縁部22bから外れると(図9)、図10で示す様に、係止用ボルト4や第1の案内レール5及び第2の案内レール6が、ヒンジ2に対して垂直方向上方(矢印A5方向)へ移動する。そして、図11で示す様に、ヒンジ先端部22における最先端部22aが、第2の案内レール6に当接する。
【0035】
ここで、ヒンジ先端部22における最先端部22aが第2の案内レール6と確実に当接するためには、図10において、第2の案内レール6における先端61の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト4の水平方向位置(X方向の位置)の近傍でなければならない。
より詳細には、図10において、第2の案内レール6における先端61の水平方向位置(X方向の位置)が、係止用ボルト4の水平方向位置(X方向の位置)から、ヒンジ先端部22の縁部22bの水平方向寸法(X方向寸法)W3よりも近い位置であることが必要となる。すなわち、先端61は、ボルト4から寸法W3より離れてはいない位置に存在することが必要である。
【0036】
ここで、フロントリッド3の左右(矢印X方向)の双方に設けられたヒンジ2を、両方とも、第2の案内レール6と当接させるためには、フロントリッド3の左右(矢印X方向)に設けられた第2の案内レール6の間隔(矢印X方向の間隔)を、ヒンジ2の間隔(矢印X方向の間隔)と等しくする必要がある。
【0037】
図11において、ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6に当接した後、フロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げれば、ヒンジ先端部22の最先端部22aは、フロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する様に相対移動する。
【0038】
ここで、ヒンジ先端部22が図17で示す様な形状である場合は、ヒンジ先端部22における切欠き21を形成していない側の縁部22fの形状は、図11において、一点鎖線で示す様になる。
この縁部22fが垂線Vに対して為す角度θ1は、第2の案内レール6が垂線Vに対して為す角度θ2よりも小さくなければならない。
θ1>θ2では、フロントリッド3とヒンジ2との相対位置関係を、図11で示す状態に保つことが出来ない。そして、θ1=θ2では、縁部22fが第2の案内レール6と面接触をしてしまうので、ヒンジ2が第2の案内レール6上を滑動する様に相対移動する事が困難となる。
【0039】
ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する(様に相対移動する)と、図12で示す様に、係止用ボルト4は、ヒンジ2の切欠き21に進入する。
換言すれば、第2の案内レール6と係止用ボルト4は、ヒンジ2がフロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を滑動する様に相対移動すると、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入する様に構成されている。
【0040】
ここで、ヒンジ2の切欠き21における第1の部分21aの進入口は、第2当接個所22eと、それに対向する端部22gとにより、位置及び寸法が定義されている。
図12で示すように、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入するためには、第2当接個所22eと端部22gとのX方向寸法W4及びY方向寸法V1とが、係止用ボルト4の外径寸法よりも大きくなければならない。
【0041】
また、係止用ボルト4が切欠き21内へ進入するためには、ヒンジ先端部22の最先端部22aが第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する際に、第2の案内レール6上において、次に述べる条件を満たすような点MP(図12では、最先端部22aと同位置)が存在しなければならない。
すなわち、点MPから係止用ボルト4(の中心)までのX方向距離(水平方向距離)W5が、
W3≦W5≦W3+W4
となり、点MPから係止用ボルト4(の中心)までのY方向距離(垂直方向距離)V2が
V3≦V2≦V3+V1
となる様な点MPが、第2の案内レール6上に存在しなければならない。
【0042】
上記不等式において、W3は前述した通り、第1当接個所22cと最先端部22aの水平方向寸法(X方向寸法)である。
W4は、第1当接個所22c(或いは端部22g)と第2当接個所22eとのX方向寸法である。
V3は、切欠き21における第1の部分21aの進入口を定義する一方の端部22gと、ヒンジ最先端部22aとの垂直方向寸法(Y方向寸法)である。
V1は、第2当接個所22eと端部22gとのY方向寸法である。
【0043】
図12で示す状態で、さらにフロントリッド3を上方(矢印Y方向)へ持ち上げれば、ヒンジ先端部22の最先端部22aが、フロントリッド3に対して、第2の案内レール6上を矢印A6方向へ滑動する様に相対移動すると共に、係止用ボルト4が、切欠き21の第1の部分21a内を矢印A7方向へ相対移動して、図13で示す状態となる。
【0044】
図13においては、係止用ボルト4が、切欠き21の第1の部分21aと第2の部分21bとの境界部であって、切欠き21の最上方の部分に位置している。
図13の状態から、フロントリッド3をその自重により垂直方向下方へ移動すれば、図14で示す様に、係止用ボルト4は、垂直方向下方へ延在する第2の部分21bを下降する。
そして、図15で示す様に、係止用ボルト4が第2の部分21bの最下方に位置したならば、フロントリッド3の車体1側への仮保持が完了する。この状態では作業者がフロントリッドから手を離してもフロントリッドの自重がヒンジ2の切欠き21に下方に働き、且つナット8がボルト4の端部に螺合しているため、車体前方方向へ係止ボルト4がヒンジ2からはずれることもない。この後係止用ボルト4の端部に螺合しているナット8(図16参照)を締め付け、ヒンジ2をナット8とボス7(図16参照)とにより挟み付ける様に締結する。
【0045】
図14の状態であれば、係止用ボルト4に付加されるフロントリッド3の重量は、図14において垂直方向下方に作用するので、係止用ボルト4が切欠き21から外れることはない。
【0046】
上述した実施形態によれば、フロントリッド3の係止用ボルト4の位置を、車体1側のヒンジ2の位置と概略合わせて、そのままフロントリッド3を持ち上げれば、第1の案内レール5及び第2の案内レール6の作用により、係止用ボルト4はヒンジ2の切欠き21内に挿入され、その後フロントリッドをそのまま下方へ降ろすだけでフロントリッド3の車体1への仮保持が完了する。
すなわち、図示の実施形態によれば、作業者は、係止用ボルト4とヒンジ2との大雑把な位置合わせと、フロントリッド3を持ち上げ、その後自重で下げることだけで、フロントリッド3の車体1への仮保持が完了する。
【0047】
ここで、図1においては、作業者が、フロントリッド3越しに、車体(キャブ)1に取り付けられたヒンジ2を見ることが出来る様に示されている。しかし、フロントリッド3に遮られて、ヒンジ2が作業者から見えない場合であっても、上述したのと全く同様に、フロントリッド3を車体1側に仮保持できる。
【0048】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】フロントリッドを車体に取り付ける態様を説明する図。
【図2】第1実施形態で用いられるヒンジの概要を示す斜視図。
【図3】フロントリッドに設けた係止用ボルトをヒンジに係合する状態を説明する部分拡大図。
【図4】係止用ボルトをヒンジに係合する態様における図3に続く段階を説明する部分拡大図。
【図5】図4に続く段階を示す部分拡大図。
【図6】図5に続く段階を示す部分拡大図。
【図7】図6に続く段階を示す部分拡大図。
【図8】図7に続く段階を示す部分拡大図。
【図9】図8に続く段階を示す部分拡大図。
【図10】図9に続く段階を示す部分拡大図。
【図11】図10に続く段階を示す部分拡大図。
【図12】図11に続く段階を示す部分拡大図。
【図13】図12に続く段階を示す部分拡大図。
【図14】図13に続く段階を示す部分拡大図。
【図15】係止用ボルトをヒンジに係合した状態を説明する部分拡大図。
【図16】図3〜図14におけるヒンジとフロントリッドと係止用ボルトとの相対的な位置関係を示す部分拡大図。
【図17】ヒンジの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1・・・車体
2・・・ヒンジ
3・・・フロントリッド
4・・・係止用ボルト
5・・・第1の案内レール
6・・・第2の案内レール
21・・・切欠き
21a・・・第1の部分
21b・・・第2の部分
22・・・先端部
22a・・・最先端部
22b・・・縁部
22c・・・第1当接箇所
22e・・・第2当接箇所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に左右1個ずつ設けられたヒンジを有し、そのヒンジは、フロントリッドを取り付けた際には、キャブ正面に向う側からはフロントリッドに遮られて見えない様に配置されており、フロントリッドの上方に且つ左右1個ずつ固定された係止用ボルトを有し、ヒンジには係止用ボルトを挿入するための切欠きが形成されており、係止用ボルトの各々を、ヒンジの各々における切欠きへ挿入することによりフロントリッドを車体側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルトをヒンジの切欠きに挿入するのを容易にする第1の案内部材及び第2の案内部材がフロントリッドに左右1個ずつ形成されていることを特徴とするフロントリッドの支持構造。
【請求項2】
車体側におけるヒンジの間隔とフロントリッドにおける係止用ボルトの間隔は等しく、フロントリッドの左右に設けられた第1の案内部材の間隔及び第2の案内部材の間隔はヒンジの間隔と等しい請求項1のフロントリッドの支持構造。
【請求項3】
ヒンジは、車体側に固定される基部と、先端部とから構成され、先端部は全体が鉤状に形成されており且つ係止用ボルトを挿入するための切欠きが形成されており、切欠きは、斜め方向へ延在する第1の部分と、垂直方向へ延在する第2の部分とを有し、全体が「レ」の字を上下逆にした形状となっており、ヒンジの先端部は、最先端部から斜め方向へ延在する部分と、当該部分の変曲点である第1当接個所から垂直方向に延在し切欠きに到達する部分とを有している請求項2のフロントリッドの支持構造。
【請求項4】
第1の案内レールの下方端部は、垂直方向下方を向く様に構成されている請求項3のフロントリッドの支持構造。
【請求項5】
ヒンジの切欠き入口部分の基部側の端部である第2当接個所からヒンジ先端部の最先端部との幅寸法が、第1の案内レールの下方端部の縁部)と係止用ボルトとの幅寸法よりも大きい請求項3、請求項4の何れかのフロントリッドの支持構造。
【請求項6】
第2の案内レールにおける先端の水平方向位置が、係止用ボルトの水平方向位置から、ヒンジ先端部の縁部の水平方向寸法よりも離隔していない請求項3〜請求項5の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【請求項7】
ヒンジの切欠きにおける第1の部分の進入口の位置及び寸法は、第2当接個所と、それに対向する端部とにより定義され、第2当接個所と端部との水平方向寸法及び垂直方向は、係止用ボルトの外径寸法よりも大きい請求項3〜請求項6の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【請求項8】
第2の案内レール上において、第2の案内レール上の点から係止用ボルトまでのX方向距離W5と、第1当接個所と最先端部の水平方向寸法W3と、第1当接個所と第2当接個所との水平方向寸法W4とが、
W3≦W5≦W3+W4 という関係を充足し、
第2の案内レール上の点から係止用ボルトまでの垂直方向距離V2と、切欠きにおける第1の部分の進入口を定義する一方の端部とヒンジ最先端部との垂直方向寸法V3と、第2当接個所と端部との垂直方向寸法V1とが、
V3≦V2≦V3+V1 という関係を充足する様に構成されている請求項3〜請求項7の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【請求項1】
車体側に左右1個ずつ設けられたヒンジを有し、そのヒンジは、フロントリッドを取り付けた際には、キャブ正面に向う側からはフロントリッドに遮られて見えない様に配置されており、フロントリッドの上方に且つ左右1個ずつ固定された係止用ボルトを有し、ヒンジには係止用ボルトを挿入するための切欠きが形成されており、係止用ボルトの各々を、ヒンジの各々における切欠きへ挿入することによりフロントリッドを車体側に仮保持する様に構成されており、係止用ボルトをヒンジの切欠きに挿入するのを容易にする第1の案内部材及び第2の案内部材がフロントリッドに左右1個ずつ形成されていることを特徴とするフロントリッドの支持構造。
【請求項2】
車体側におけるヒンジの間隔とフロントリッドにおける係止用ボルトの間隔は等しく、フロントリッドの左右に設けられた第1の案内部材の間隔及び第2の案内部材の間隔はヒンジの間隔と等しい請求項1のフロントリッドの支持構造。
【請求項3】
ヒンジは、車体側に固定される基部と、先端部とから構成され、先端部は全体が鉤状に形成されており且つ係止用ボルトを挿入するための切欠きが形成されており、切欠きは、斜め方向へ延在する第1の部分と、垂直方向へ延在する第2の部分とを有し、全体が「レ」の字を上下逆にした形状となっており、ヒンジの先端部は、最先端部から斜め方向へ延在する部分と、当該部分の変曲点である第1当接個所から垂直方向に延在し切欠きに到達する部分とを有している請求項2のフロントリッドの支持構造。
【請求項4】
第1の案内レールの下方端部は、垂直方向下方を向く様に構成されている請求項3のフロントリッドの支持構造。
【請求項5】
ヒンジの切欠き入口部分の基部側の端部である第2当接個所からヒンジ先端部の最先端部との幅寸法が、第1の案内レールの下方端部の縁部)と係止用ボルトとの幅寸法よりも大きい請求項3、請求項4の何れかのフロントリッドの支持構造。
【請求項6】
第2の案内レールにおける先端の水平方向位置が、係止用ボルトの水平方向位置から、ヒンジ先端部の縁部の水平方向寸法よりも離隔していない請求項3〜請求項5の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【請求項7】
ヒンジの切欠きにおける第1の部分の進入口の位置及び寸法は、第2当接個所と、それに対向する端部とにより定義され、第2当接個所と端部との水平方向寸法及び垂直方向は、係止用ボルトの外径寸法よりも大きい請求項3〜請求項6の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【請求項8】
第2の案内レール上において、第2の案内レール上の点から係止用ボルトまでのX方向距離W5と、第1当接個所と最先端部の水平方向寸法W3と、第1当接個所と第2当接個所との水平方向寸法W4とが、
W3≦W5≦W3+W4 という関係を充足し、
第2の案内レール上の点から係止用ボルトまでの垂直方向距離V2と、切欠きにおける第1の部分の進入口を定義する一方の端部とヒンジ最先端部との垂直方向寸法V3と、第2当接個所と端部との垂直方向寸法V1とが、
V3≦V2≦V3+V1 という関係を充足する様に構成されている請求項3〜請求項7の何れか1項のフロントリッドの支持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−238989(P2008−238989A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83350(P2007−83350)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
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