説明

フローサイトメトリーのための方法および装置

【課題】フローサイトメトリーの分野における従来技術の課題を解決する手段を提供すること。
【解決手段】画像システムを利用し得るフローサイトメータ(20)であって、そのフローサイトメータ(20)の種々の特性を決定するためのセンサ(88)を含む、フローサイトメータであって、画像化は、滴下遅延時間(154)の決定を可能し、決定され得る他の特徴は、少なくともその流れの幅、その流れの圧力、他の液滴(44)に対する荷電液滴の効果、その流れの軌道、鏡面周波数、波長、液滴決裂点の位置(150)の変化、などを含む、フローサイトメータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(I.技術分野)
本発明は、例えば、フローサイトメーターにおける粒子の分析および選別のための方法および装置に関する。フローサイトメトリーの分野においては、シース液中に懸濁される粒子の流れを用いてシース液の流れを確立することが一般的である。次いで、この流れは液滴を形成するように摂動され得、そして粒子は、連続する流れの終わりと決裂する際に、この液滴に含まれる。次いで、この液滴は、流れの連続部分から独立する直前に、所望の粒子を検出し、そして個々の液滴における電荷を確立することによって、所望のように選別され得る。次いで、所望の粒子を含む液滴は、収集容器への電場で偏向され得る。このプロセスの部分として、所望の粒子を含む液滴が荷電位置に達し、その結果、液滴が必要な限り少ない近隣の液滴を荷電する間、特定の液滴が荷電されるときを知ることが最適である。このことは、所望の粒子を含む液滴、およびおそらくこの粒子を含む液滴のいずれの側の2〜3の液滴が、別々の容器に偏向されそして流れの外に選別されることを可能にする。
【0002】
このプロセスの部分として、フローサイトメーターを日周基準(daily basis)に設定すること、およびこのフローサイトメーターをこのフローサイトメーターが置かれる環境条件に平衡化させることが必須であった。このことには、フローサイトメーターを平衡化するプロセスとして、約1時間〜1時間半かかる。次いで、代表的には、平衡期間満了後にフローサイトメーターの滴下遅延タイミングを較正するために、さらに1時間半必要である。それゆえ、フローサイトメーターの設定として、満1〜2時間が日周基準に必要である。これは、設定時間でそれを浪費するよりはむしろ、フローサイトメーターから結果を生成するために使用され得る時間である。それゆえ、この1〜2時間の設定時間を必要とせず、そして平衡化および較正の必要なく迅速に実行され得るフローサイトメーターが所望される。
【0003】
フローサイトメトリーの現状に対する別の欠点は、フローサイトメーターのパラメーターの1つ(最も重要なのは、滴下遅延時間)の変化を補償する自動化手段の欠如である。例えば、選別のプロセスの間の選別フローサイトメーターをモニターする技術者が現在必須である。この技術者は、フローサイトメーターの破滅的な失敗が生じる場合に選別が行われる間、室内にいなければならない。このような場合、この技術者は、次いで、できる限り迅速にこの選別を妨害し、そして細胞の任意の収縮サンプルを、例えば、破滅的な失敗の間の汚染から保護し得る。このことは、例えば、ノズルがつまり、そして流れがこのノズルの先端部からサンプル収集器の1つに傾斜した場合に生じ得る。選別が起こることを観察する室内の技術者でさえ、フローサイトメーターを停止するために、おそらく2〜3秒を必要とする。しかし、いくつかの型の選別の場合では、この2〜3秒間でさえ、選別を保存するには長すぎる。それゆえ、このプロセスは再開始され、そして再び行われなければならない。このことは、特に選別が完了に近い場合に、非常に不満であり得る。
【0004】
さらに、現在、フローサイトメーターのパラメーターが不正確な様式で設定される場合に、警告システムは存在しないようである。例えば、不正確なサイズのノズルがフローサイトメーターに置かれる場合、技術者に誤ったサイズのノズルが接続されていることを警告するために使用され得る警告を発するような製造業者は存在しないようである。それゆえ、このことは、フローサイトメーターの設定をともなう問題の決定の試みの際に、技術者の部分で不必要な時間を生じ得る。
【0005】
フローサイトメトリーの分野の現状に対する別の欠点は、粒子を所望される正確さの程度までの粒子についての滴下遅延時間を決定できないことである。現在、使用される1つの方法は、流れを確立し、そしてこの流れを光源でストローブして、次いでこの流れがモニターで観察され得、この流れの液滴決裂点が位置を変更する場合を見ることである。決裂点がシフトする場合、次いで、この流れは再較正されて、粒子についての滴下遅延時間を設定し得る。しかし、この流れの波長における変化は液的決裂点に生じる変化をともなわずに起こり得るので、これは欺瞞である。まとめると、粒子についての滴下遅延時間は変化する。なぜなら、波長における変化は、流体フローの速度における変化を示すからである。しかし、これは、液滴決裂点位置に居る技術者による注意を受けない。また、一旦流れがフローサイトメーターのノズルを離れると、流れの流体力学は一定であると想定し、流れの速度は一定のままであると想定する。
【背景技術】
【0006】
(II.背景)
フローサイトメトリーの分野における先行研究は明らかに、これらの問題の解決に成功していなかった。さらに、先行研究は、粒子についての滴下遅延時間を決定する能力を評価するよりむしろ、液滴決裂点を維持することに集中してきた。例えば、Robert E.Auerらに対する米国特許第4,691,829号は、液滴決裂点の上の流れで目標にされるレーザービームを利用しようと試みた。この流れの反射特性に基づいて、次いで、この流れの表面での変化を検出することが試みられた。次いで、この表面の波動における変化は、決裂点がシフトしたときを決定するために使用され得た。しかし、この方法は、この流れにおいて検出される粒子についての滴下遅延時間を実際には検出しなかった。同じ位置での液滴決裂点を維持することを試みただけである。さらに、その表面の波動における変化を検出するための非常に感度の良い装置が必要とされ、そして明らかに、特許が1987年に発行されて以来、商業製品において研究はなされていない。
【0007】
液滴決裂点を制御することを試みるための初期の試みは、米国特許第3,761,941号に見られ得る。この特許において、試験サンプルをサイトメーターに流して、液滴における電荷を検出することが試みられた。次いで、液滴に印加されてきたと予期される理論的電荷は、この液滴における実際の電荷と比較された。次いで、妨害を刺激する滴下の振幅は、実際の電荷が理論的電荷に接近するまで調整された。このような様式において、流れは、目的を荷電するために正確な点に調整され得る。
【0008】
1982年に、米国特許第4,361,400号は、テレビモニターを使用してサイトメーターの決裂点を表示することを考察した。しかし、表示された決裂点に基づいてサイトメーターの設定を手動で調整するための操作者も必要であった。それゆえ、このサイトメーターの平衡化は、この方法が使用される場合、1時間半の手順がなお必要なようである。
【0009】
1997年に、米国特許第5,700,692号は、カメラ/モニターシステムを使用して、使用者がサイトメーターにおける液滴間の距離を調整するのを可能にすることを考察した。しかし、モニタリングシステムの流れの他の特徴の豊富さを決定し、それにより自動的に、フローサイトメーターにフィードバックを提供する能力を評価しなかった。かわりに、液滴の質量の中心を決定することに集中され、そして一定速度の流体の流れを想定した。液滴の質量の中心に集中することにおいて、明らかに、この流れから決定され得る重要な情報(滴下遅延時間の自動調節を含む)を完全に見落とした。
【0010】
したがって、サイトメーターの流れをモニターし得、かつ特定の時点での流れの特定の特徴に基づいて滴下遅延時間を検出し得るフローサイトメーターがなお必要である。予期される定常状態条件(例えば、一定速度の流れ)に基づくよりもむしろ、選別されようとしている特定の粒子についての流れの特定の条件下で滴下遅延時間を決定し得るサイトメーターが必要である。さらに、フローサイトメーターがなお室温のような環境条件に調整される開始日で、滴下遅延時間を調整し得るフローサイトメーターが必要である。この方法の場合、このフローサイトメーターは、最初の1〜2時間の間の有用な選別に使用され得る。この時間は、環境条件に対する平衡化およびフローサイトメーターに対する較正(例えば、標準試験サンプルを使用する滴下遅延時間の較正)に以前に必要であった時間である。ほぼ完了した選別の破壊を生じる破滅的な事象(例えば、ノズルがブロックされそして流れがサンプル収集容器に不注意に転換される場合に混入される5〜6時間の選別)が生じるときを検出し得るフローサイトメーターもまたなお必要である。さらに、流れを転換もしくはブロックし得るか、または破滅的な失敗のような事象の同時発生の際に自動的に流れの選別局面を遮断し得る自動遮断機がなお必要である。この様式において、収集したサンプルは、現在のサイトメーターを用いる場合に明らかなように、可能な限り早い時間で、特に、オペレーターが手で行う場合に必要な2〜3秒よりも早く、保護され得た。
【0011】
さらに、特に、この流れが、液滴が荷電される点を通ってフローサイトメーターから排出され、その結果液滴が荷電位置に達するときに液滴に電荷が印加され得る時から、フローサイトメーターによって排出される流れのスピード特徴を理解する必要がある。従来、このスピードは一定であると想定されてきた。しかし、出力は増加し粒子はこの流れにおいて互いに近づくので、可能な限り正確に流れの滴下遅延時間のスピードを決定し得ることがさらにより重要である;それゆえ、この流れが一定速度を有すると単に推定するよりもむしろ、この流れの特徴を理解することが等しく重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によって以下が提供される:
(項目1) 以下の工程:
フローサイトメータで流れを確立する工程であって、該流れは、該流れが液滴へと決裂する液滴決裂点および該液滴が液滴になった後に移動する自由落下ゾーンを有する、工程;
該フローサイトメータからの該流れを流れ排出点で排出する工程;
該流れのおよその速度を該流れに沿った第一の位置で決定する工程;
該流れのおよその速度を該流れに沿った第二の位置で決定する工程;
ならびに
ほぼ該流れ排出点とほぼ該液滴決裂点との間に生じる領域における距離に対して、ほぼ指数関数的に減衰する該流れの速度を、モデル化する工程、
を包含する、方法。
(項目2) 項目1に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記流れに沿った第一の位置での該流れのおよその速度、および前記流れに沿った第二の位置での該流れのおよその速度を、流れの特徴を決定するために利用する工程、
を包含する、方法。
(項目3) 項目1に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記流れの波長を測定する工程;
前記フローサイトメータの発振器の振動周波数を利用する工程;および
該測定された波長位置での該流れのおよその速度を、該測定された波長および該振動周波数に基づいて計算する工程、
を包含する、方法。
(項目4) 項目3に記載の方法であって、前記流れの波長を測定する動作が、前記フローサイトメータのほぼ前記排出点で該流れの波長を測定する工程を包含する、方法。
(項目5) 項目1または4に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記流れの液滴間の距離を測定する工程; 前記フローサイトメータの発振器の振動周波数を利用する工程;および
前記流れのおよその速度を、液滴間の測定された距離および該発振周波数に基づいて計算する工程、
を包含する、方法。
(項目6) 前記流れの波長を測定する動作が、ほぼ前記液滴決裂点での該流れの波長を測定する工程を包含する、項目3に記載の方法。
(項目7) 項目1または4に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記流れにおける粒子を検出する工程;
該粒子が位置する液滴が該流れから決裂する時点を決定する工程;および
該粒子を含有する液滴が電荷を有するように該流れを荷電する工程、
を包含する、方法。
(項目8) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するための流れ流体の供給源;
該流れが該フローサイトメータから排出する流れ排出点;
該流れが液滴へと決裂する液滴決裂点;
該流れに沿った第一の位置で該流れのおよその速度を決定するための第一のセンサ;
該流れに沿った第二の位置で該流れのおよその速度を決定するための第二のセンサ;
距離に対してほぼ指数関数的に減衰する該流れ排出点と該液滴決裂点との間に生じる領域における該流れの速度をモデル化することによって流れの特徴を決定するために、該流れにそった第一の位置で該流れのおよその速度および該流れに沿った第二の位置で該流れのおよその速度を利用するためのコンピュータ、
を備える、装置。
(項目9) 項目8に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
前記流れの波長を測定するために配向されたセンサ;および
該流れを妨害して液滴が形成されるようにするための振動周波数を有する発振器;
を備える、装置。
(項目10) 項目8に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
該フローサイトメータのほぼ排出点で前記流れの波長を測定するために配向されたセンサ、
を備える、装置。
(項目11) 項目8または10に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
前記液滴決裂点の下における液滴間の距離を決定するために配向されたセンサ、
を備える、装置。
(項目12) 項目8または10に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
ほぼ前記液滴決裂点での前記流れの波長を測定するために配向されたセンサ、を備える、装置。
(項目13) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
該捕捉した画像からの該流れの幅を決定する工程;および
該捕捉した画像からの決定された幅に基づくフローサイトメータのためのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目14) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
該捕捉した画像から流れの圧力を決定する工程;および
該捕捉した画像からの決定された圧力に基づくフローサイトメータのためのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目15) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
第一の液滴を生成する工程であって、該第一の液滴が電荷を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
第二の液滴を該第一の液滴に近い位置に生成する工程;
該第一の液滴上の電荷が該第二の液滴上に有する効果を決定する工程;
該決定された効果に基づいてフローサイトメータのためのシグナルを生成する工程;および
該第一の液滴上の電荷が該第二の液滴に対して有する該決定された効果を消去するために該第二の液滴に荷電する工程、
を包含する、方法。
(項目16) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
該捕捉した画像からの粒子の軌道を決定する工程;および
該捕捉した画像から該決定された軌道に基づいて該フローサイトメータのためのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目17) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
該捕捉した画像からの該流れについての共鳴周波数を決定する工程;および
該捕捉した画像からの該流れについての該決定された共鳴周波数に基づいて、フローサイトメータのためのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目18) フローサイトメトリー法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉する工程;
該捕捉した画像からの該流れの波の波長を決定する工程;および
該捕捉した画像からの該決定された波長に基づいて、該フローサイトメータについてのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目19) フローサイトメータを制御する方法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該流れにおける粒子について滴下遅延時間を決定するために該流れの画像を捕捉する工程;および
該捕捉された画像からの該決定された滴下遅延時間に基づいて、該フローサイトメータについてのシグナルを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目20) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記流れのデジタル画像を保存する工程、
を包含する、方法。
(項目21) 項目20に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
CCDカメラを使用して前記画像を捕捉する工程、
を包含する、方法。
(項目22) 項目19または20に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
物理的距離を画素寸法と関連させる工程;および
該捕捉した画像におけるその距離を表すために使用された、画素の数に基づいて、物理的距離を決定する工程、
を包含する、方法。
(項目23) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
ほぼ排出点で前記流れの速度を決定する工程であって、該排出点が、該流れが該フローサイトメータから出現するところに位置している、工程、
を包含する、方法。
(項目24) 項目19または23に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記ほぼ液滴決裂点で前記流れの速度を決定する工程、
を包含する、方法。
(項目25) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
ほぼ排出点で前記流れの速度を決定する工程であって、該排出点が、該流れが該フローサイトメータから出現するところに位置している、工程;
ほぼ該液滴決裂点で該流れの速度を決定する工程、
を包含する、方法。
(項目26) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
粒子を検出する工程;
該粒子がいつ液滴荷電位置に到達するかを計算するために、前記滴下遅延時間を利用する工程;および
該荷電位置で該粒子を含有する液滴を荷電する工程、
を包含する、方法。
(項目27) 項目19または26に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記流れの第一の速度を決定する工程;
該流れの第二の速度を決定する工程;
該滴下遅延時間を決定するために該流れの速度における変化をモデル化するために、該流れの該第一の速度および該流れの該第二の速度を利用する工程、
を包含する、方法。
(項目28) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記液滴決裂点の位置における変化を決定する工程、
を包含する、方法。
(項目29) 項目28に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記液滴決裂点における変化を補正して、所望の様式で液滴を選別する工程、を包含する、方法。
(項目30) 項目28に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
該フローサイトメータを調整するためのシグナルを生成する工程;および
該生成されたシグナルに基づいて前記液滴決裂点を再確立する工程、
を包含する、方法。
(項目31) 項目19に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
前記捕捉された画像からの電気的ノイズを排除する工程、
を包含する、方法。
(項目32) フローサイトメータを制御する方法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れは液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉して、該フローサイトメータについての情報を決定する工程;および
該捕捉した画像から決定される情報に基づいて、警報を自動的に発する工程、を包含する、方法。
(項目33) フローサイトメータを制御する方法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れが液滴決裂点を有する、工程;
該フローサイトメータについての情報を決定するために、該液滴決裂点で該流れの画像を捕捉する工程;
該フローサイトメータを調整するために該捕捉された画像からの該決定された情報に基づいて、フローサイトメータについてのシグナルを生成する工程;および
該生成したシグナルに基づく選別を不能にする工程、
を包含する、方法。
(項目34) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液についての粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該流れの画像を分析して、流れの幅を決定する分析器;ならびに
決定された流れ幅に基づいて、シグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目35) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体中の懸濁液についての粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
流れの圧力を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された流れ圧力に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、を備える、装置。
(項目36) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
第一の荷電液滴が第二の液滴に対して有する効果を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該第一の荷電液滴が該第二の液滴に対して有する該決定された効果に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目37) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
液滴の軌道を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された情報に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目38) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該流れに対する共振周波数を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された情報に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目39) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該フローサイトメータについての該決定された情報に基づいて、警告状態を示すための自動警報、
を備える、装置。
(項目40) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された情報に基づいて該選別を不能にするシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目41) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該捕捉された画像の波長を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された波長に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目42) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該流れにおける粒子についての滴下遅延時間を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該決定された情報に基づいてシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目43) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに前記カメラが、前記画像のデジタル表示を生成する、装置。
(項目44) 前記カメラが電荷結合デバイスを備える、項目42または43に記載のフローサイトメータ装置。
(項目45) 項目42または43に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れを表示するためのモニターをさらに備え、該モニターが画素から構成される、装置。
(項目46) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れのほぼ排出点で、該流れの速度を測定するためのセンサをさらに備える、装置。
(項目47) 項目42または46に記載のフローサイトメータ装置であって、ほぼ該液滴決裂点で、該流れの速度を測定するためのセンサをさらに備える、装置。
(項目48) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
ほぼ前記流れの排出点で、前記流れの速度を測定するためのセンサ;および
ほぼ前記液滴決裂点で、該流れの速度を測定するためのセンサ、
を備える、装置。
(項目49) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、粒子が前記流れにおいて検出された後に、液滴荷電器を遅延させることに使用するための時間遅延をさらに備える、装置。
(項目50) 項目49に記載のフローサイトメータ装置であって、該流れが該フローサイトメータの排出点で出現した後に、該フローサイトメータの該流れの速度における変化を補正するための補正器をさらに備える、装置。
(項目51) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、前記液滴決裂位置における変化を決定するための手段をさらに備える、装置。
(項目52) 項目51に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れが前記フローサイトメータの排出点で出現した後に、該フローサイトメータの該流れの速度における変化を補正するための補正器をさらに備える、装置。
(項目53) 項目51に記載のフローサイトメータ装置であって、前記液滴決裂位置を再確立するために使用されるシグナルを生成するためのシグナル生成器をさらに備える、装置。
(項目54) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、警告状態を示すための警報をさらに備える、装置。
(項目55) 項目42に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れが該フローサイトメータの排出点で排出した後に、該流れを妨害するために機械的妨害器をさらに備える、装置。
(項目56) フローサイトメータについての警告を発する方法であって、以下の工程:
該フローサイトメータで流れを確立する工程;
該フローサイトメータで確立した該流れの画像を捕捉する工程;
該流れの該捕捉された画像を、該フローサイトメータについての情報を決定するために利用する工程;
該フローサイトメータについての該決定された情報を該フローサイトメータの予測された特徴と比較する工程;
該フローサイトメータについての誤差警告を、該決定された情報および該予測された特徴の比較に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
(項目57) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、前記流れの画像を捕捉する動作が、
該流れの幅を決定し得るように該流れの画像を捕捉すること、を包含し、該方法はさらに:
該フローサイトメータの一部として使用されるノズルについての警告を発する工程、
を包含する、方法。
(項目58) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、
前記画像を捕捉する動作が、前記流れの速度を決定し得るように該流れの画像を捕捉することを含み;そして、
該方法が、以下の工程:
該流れの圧力についての警告を発する工程、
を包含する、方法。
(項目59) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
前記流れの速度を決定する工程;および
該流れの圧力についての警告を、該決定された流れの速度に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
(項目60) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
前記流れの位置を測定する工程;
該測定された流れの位置を、該流れの予測される位置と比較する工程;および
該フローサイトメータについての警告を、該測定された位置の該流れの予測される位置との比較に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
(項目61) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法が、さらに以下の工程:
リモートコンピューターモニター上に示されるように警告を発する工程、
を包含する、方法。
(項目62) 項目56に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
ページングデバイスに警告シグナルを発する工程、
を包含する、方法。
(項目63) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するために使用する流れ供給源;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れの画像を捕捉するためのカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するために該流れの画像を分析するための分析器;および
該フローサイトメータについてのエラー警告を、該決定された情報に基づいて発するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目64) 項目63に記載されるフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
前記決定された情報を該フローサイトメータのパラメータと比較するためのコンパレータ、
を備える、装置。
(項目65) 項目63に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが該流れの幅の決定を可能にする画像を捕捉するために配向されている、装置。
(項目66) 項目63に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが、前記流れの速度の決定を可能にする画像を捕捉するように配向されている、装置。
(項目67) 項目63に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが、流れ位置における変化の決定を可能にする画像を捕捉するように配向されている、装置。
(項目68) 項目63に記載のフローサイトメータ装置であって、リモートモニターをさらに備える、装置。
(項目69) 項目63に記載のフローサイトメータ装置であって、リモートページングデバイスをさらに備える、装置。
(項目70) 以下の工程:
フローサイトメータにおいて流れを確立する工程;
該フローサイトメータにおいて確立された該流れの第一の画像を捕捉する工程;
該第一の画像に基づいて該流れの第一のデジタル表示を生成する工程;
該フローサイトメータにおいて確立された該流れの第二の画像を捕捉する工程;
該第二の画像に基づいて該流れの第二のデジタル表示を生成する工程;
該流れの該第二のデジタル表示を、該流れの該第一のデジタル表示と比較する工程;ならびに
該流れの特性が、該流れの該第一のデジタル表示と該流れの該第二のデジタル表示との比較に基づいて変化しているか否かを決定する工程、
を包含する、方法。
(項目71) 項目70に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記流れの輪郭を生成する工程、
を包含する、方法。
(項目72) 項目71に記載の方法であって、前記流れの輪郭を生成する動作が、液滴の輪郭を生成することをさらに含む、方法。
(項目73) 項目71または72に記載の方法であって、さらに以下の工程:
メモリに前記流れの輪郭を保存する工程、
を包含する、方法。
(項目74) 項目70、71、または72に記載の方法であって、さらに以下の工程:
前記第二のデジタル表示を、前記第一のデジタル表示と比較する工程;および
該第一のデジタル表示と該第二のデジタル表示との間の前記流れの表示における変化を検出する工程、
を包含する、方法。
(項目75) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するために使用される流れ供給源;
該流れの画像を捕捉するためのカメラ;
該流れの第一のデジタル表示を生成するための画像化手段;
該流れの第一のデジタル表示を保存するためのメモリ;
該流れの該第一のデジタル表示を該流れの第二のデジタル表示と比較するためのコンパレータ;および
該流れの該第一のデジタル表示と該流れの該第二のデジタル表示との比較に基づいて、該フローサイトメーターに対してシグナルを生成するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
(項目76) 項目75に記載のフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
前記流れの輪郭を生成するための輪郭づけのための手段、
を備える、装置。
(項目77) 項目76に記載のフローサイトメータ装置であって、前記輪郭づけ手段が、液滴の輪郭を生成するように構成されている、装置。
(項目78) フローサイトメータを制御する方法であって、該方法は、以下の工程:
該フローサイトメータで流れを確立する工程;
該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを規定する工程;
該フローサイトメータの操作が、該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定する工程;
フローサイトメータが、該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを満たさない決定に基づいて、該流れを機械的に妨害する工程;
を包含する、方法。
(項目79) 項目78に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
該フローサイトメータの操作が、該フローサイトメータの少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定した後に、前記流れを妨害するために溝を移動させる工程、
を包含する、方法。
(項目80) 項目78に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
該フローサイトメータによって生成された収集したサンプルからの流れを偏向させるためにディフレクタを移動させる工程、
を包含する、方法。
(項目81) フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するために使用する流れ供給源;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを保存するためのメモリ;
該フローサイトメータの操作が該フローサイトメータについての該少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定するためのセンサ;
該センサによってなされる決定に基づいて該流れを妨害する機械的妨害デバイス、
を備える、装置。
(項目82) 項目81に記載のフローサイトメータ装置であって、前記センサが、以下:
前記流れの第一の画像を捕捉するためのカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するための該流れの第一の画像を分析するための分析器;および
該決定された情報を、該フローサイトメータの前記少なくとも1つのパラメータと比較するためのコンパレータ、
を備える、装置。
(項目83) 項目81または82に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れを妨害するように適合された、移動可能な側溝をさらに備える、装置。
(項目84) 項目83に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れを偏向するように適合された移動可能なディフレクタをさらに備える、装置。
(項目85) フローサイトメータ装置であって、以下:
発振器に対する電圧の関数として変動する、異なる機械的振動を出力する発信器;
該異なる機械的振動に反応する流れ流体;
該流れ流体における懸濁液についての粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ決裂点の位置の中央にあり、該異なる機械的振動に反応して固定点に対して移動する、決裂点;
該液滴の画像を捕捉するカメラ;および
該決裂点が生じる点における距離の関数として、該発振器に対する電圧を変動させる、振動制御デバイス、
を備える、装置。
(項目86) 以下の工程:
発振器を運転して、発振器運転電圧を通じて機械的振動を作り出す工程;
フローサイトメータによって流れを確立する工程であって、該流れは、決裂点位置を有する液滴に決裂する、工程;
該液滴の画像を捕捉する工程;
該液滴の画像を分析する工程;
該滴液決裂点位置の移動の距離を決定する工程;
固定位置から該液滴決裂点位置の距離の関数として、該振動運転電圧を調整する工程;および
該振動運転電圧を調整することによって、固定された位置に対してほとんど同じ液滴決裂点位置を維持する工程、
を包含する、方法。
(項目87) 項目86に記載の方法であって、以下の工程:
前記流れに粒子を入れる工程;
該流れにおいて該粒子を検出する工程;
該粒子が位置する液滴が該流れから決裂する時点を決定する工程;および
該粒子を含有する液滴が電荷を有するように該流れを荷電する工程、
をさらに包含する、方法。
(III.発明の開示)
本発明は、フローサイトメーターにおける変化を補償し、かつ流れの中の特定の粒子についての滴下遅延時間を正確に決定する新規な方法を提供する。検出された液滴は、流れの中の流体のスピードの測定に基づいて計算される滴下遅延時間に基づいて荷電され得る。それゆえ、液滴荷電位置および流れのスピード特徴は、サイトメーターが、液滴荷電位置で粒子を含む液滴をより正確に荷電することを可能にする。
【0013】
さらに、本発明の他の実施態様は、流れの画像が捕獲されて、フローサイトメーターについての情報を決定することを可能にする。例えば、流れの画像が使用されて、所定の点での流れの幅を決定し、そしてこの流れの幅をサイトメーターによって使用されるノズルサイズと相関させ得る。この様式において、正確なノズルサイズが使用されるか否かが決定され得る。他のパラメーターは、この様式でも決定され得る。例えば、流れの速度は、流れに沿って様々な点で決定され得る。この流れの速度は、流れの表面波の波長を測定し、そしてその点での流れの速度を計算するためにこの流れを摂動させる機械的デバイスによって使用される振動数を知ることによって決定され得る。または、液滴決裂点の下に生じる液滴が画像化され得、そして液滴決裂点での流れのスピードを決定するために、2つの液滴の間の距離が決定され得る。
【0014】
さらに、指数関数的に減衰するモデルが使用されて、ノズル排出点の下(特に、流れの流体についてのノズル排出点と液滴決裂点との間)の流れの速度における変化をモデリングし得る。次いで、このモデルが使用されて、この流れの中で検出される粒子にについてより正確な滴下遅延時間を決定し得る。
【0015】
さらに、この画像モニタリングシステムが使用されて、液滴決裂点を画像化して、この液滴決裂点の位置およびこの液滴決裂点の位置における変化を決定し得る。さらに、このシステムが使用されて、液滴決裂点が所望の位置で再確立されるかまたは維持されるように、フローサイトメーターに対するフィードバックシグナルが提供され得る。
【0016】
また、この画像モニタリングシステムが使用されて、首尾よい液滴(単数または複数)上の荷電された液滴の効果を決定し得る。このことは、リアルタイムで液滴の軌道をモニタリングし、そして粒子を含まない他の液滴を有するラインに落ちることが可能なわずかな電荷で続く液滴を荷電することによって達成され得る。
【0017】
この画像化システムはまた、類似の様式で使用されて、所定の圧力および振動についての流れの最も安定な位置を決定し得る。この様式で、流れについての好ましい共鳴振動数が選択され得、そして得られた流れは、位置の間での振動を必要としない安定な位置で確立され得る。
【0018】
本発明はまた、フローサイトメーターの準備または操作に例外が存在するフローサイトメーターのオペレーターを警告するために使用され得る。この様式において、このサイトメーターは、準備の間および操作の間にセルフテストを行い得る。例えば、流れのスピードの決定は、正確な水圧がフローサイトメーターに使用されるか否かを決定するために使用され得る。または、警告は、異なるノズルサイズが例えば流れの幅に基づいて意図されるか否かを照会するオペレーターに発せられ得る。同様に、流れの位置におけるシフトは、ノズルが詰まるか否か、またはこのサイトメーターとともにいくつかのほかの異常が存在するか否かを決定するために使用され得る。さらに、この流れが、完全に出現しないことが検出される場合、このサイトメーターは、選別を損傷する破滅的な事象が生じたことをオペレーターに警告し得る。これらの警告は、リモートモニター、パージングデバイス、アラームデバイスのいずれか、またはe−mailメッセージにさえ発せられ得る。
【0019】
さらに、オペレーターに警告を単に発するよりはむしろ、機械的介在は、流れを自動的または手動的に転換して、そして集中させたサンプルを混入することを防ぐために利用され得る。このことは、溝またはディフレクタのいずれか使用して達成され得る。あるいは、または結果として、本発明の1つの実施態様は、選別を、手動的または自動的のいずれかで、流れの荷電を不能にすること、および/または代表的には荷電粒子を偏向させる偏向力を不能にすることによって、不能にすることを可能にする。
本発明はまた、画像化法を利用して、捕獲された画像から電気的ノイズを除去する。例えば、流れの画像が捕獲され、そして輪郭を描かれて、流れの最初のバックグラウンド画像を確立し得、次いでこの流れの続く画像の比較についてのテンプレートとして使用され得る。この様式において、電気的ノイズは続く画像上で除去され得、そしてこの画像の輪郭が比較され、この流れの特徴に変化があるか否かを見得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様の装置の模式的なブロック線図である。
【図2】図2は、フローサイトメーターの流れのクローズアップビューの別の線図である。
【図3】図3は、カメラによって捕獲され、そしてモニター上で画素ベースのディスプレイで示された流れのビューである。
【図4】図4は、機械的遮断機を備えた第1の代替のフローサイトメーターである。
【図5】図5は、フローサイトメーターのための第2の代替の機械的遮断機である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(V.本発明を実施するための最良の態様)
ここで、図1を参照すると、本発明の好ましい実施態様が詳細に理解され得る。フローサイトメーター(20)は、流れの流体の供給源(24)を利用して、流れの流体を供給して、粒子(32)が懸濁され得る液体のシースを確立し得る。粒子の供給源(28)は、次々に(from time to time)この粒子を挿入し得、その結果、この粒子は、この流れの液体に懸濁され、そしてこの流れに流体力学的に集中される。次いで、流れの流体(40)および粒子(32)からなる流れ(36)は、このフローサイトメーターのノズル(64)の下に確立され得る。この流れは、定常状態条件に確立され得、その結果、液滴(44)を形成し、そしてこの流れの連続部分から決別する。この流れをこの定常状態様式で確立する場合、安定な決裂点(48)を確立し得る。この流れをストロボスコープでストロボして、この安定な流れを照射し得る。この決裂点で、この流れは、この決裂点について中心付けられたこれらの液滴とともに液滴へと決裂する。この液滴決裂点は、液滴がこの流れの連続するフローから分離する流れのなかの点である。参考のために、この液滴の中心を、このような厳しい様式で点を規定する必要がある場合に、液滴決裂点と考える。液滴決裂点(48)の下で、自由な落下ゾーン(52)が存在し得る。この自由な落下ゾーンは、この液滴が、一旦この流れの連続部分から決別すると移動する領域を具体化する。ノズル(64)の下部で、流れの排出点(56)を確立する。この排出点は、この流れがこのフローサイトメーターから出現する場所における点である。例えば、ノズルを備えたフローサイトメーター上の排出点が存在し、ここで流れがこのノズルから排出する。この点で、この流れは本質的に出現するか、またはこのフローサイトメーターから排出される。液滴荷電位置(60)は、この流れに沿った点で存在し得る。この液滴荷電位置(60)は、例えば、図2にみられるように、液滴決裂点(48)に存在する。可能な代替として、荷電環を使用し、そしてこの液滴決裂点の下に位置付け得、その結果個々の液滴を荷電し得る。図1に示した発振器(68)を使用して、この流れを摂動させ、そしてこの流れの定常状態振動を確立し得る。圧電結晶を使用して、この流れの振動を達成することが好ましい。発振器(68)は、調整可能な振動数を有し得、この振動数を調整して異なる振動数でこの流れを摂動させ得、この結果、液滴を異なる速度で作製する。さらに、流れ圧と組み合わせて使用して、液滴形成の速度を確立し得る。
【0022】
検出器(72)(例えば、レーザーとレシーバーの組み合わせ)を図1に見られるように使用して、粒子の流れをモニターし得る。この検出器は、この流れの中の粒子を検出し得る。なぜなら、この粒子は、例えば、この流れを目的とする光の干渉ビームを通過するからである。光の干渉ビームがこの流れの中の粒子を妨害する場合、次いで、蛍光または散乱光線を、図2に示したように、この検出器のレシーバーにそれぞれ発光または偏向し得る。検出の別の方法はまた、当業者によって良く理解される。
【0023】
この液滴がこの自由落下ゾーンに落ちる場合、図1に示した静電プレートのような選別力生成器(80)を通過し得る。この液滴が正または負の電荷で荷電されている場合、これらの静電プレートの間に確立された電場は、この荷電液滴を偏向し、その結果、この液滴の軌道を荷電する。図1に見られるように、次いで、これらの液滴を容器(76)へと偏向し得る。容器(76)はサンプル収集器として作用する。同様に、中性に荷電されるこれらの液滴は、図1に示した中心容器に落下し得、そして逆に荷電される液滴は、第3の容器に落下する。さらに、異なる量の電荷を利用するような別の技術を使用して、さらに大きな偏向を達成し得る。
【0024】
この液滴の荷電を達成するために、荷電デバイス(84)を使用して、この流れの流体を荷電し得る。それゆえ、粒子を検出し、そしてこの液滴決裂点に達したことを知る場合、この流れを、この液滴がこの流れから決別する場合に正味の電荷を含むように荷電し得る。正味の電荷とは、正味の正の電荷、正味の負電荷のいずれか、または中性電荷さえ意味することが理解されるべきである。次いで、この荷電デバイスの電源を切るか、または反対の電荷を生成するように構成し得、。その結果、粒子を含む液滴によって電荷で誘導された続く液滴は、この流れの定常状態の電荷(代表的には、中性電荷)に反作用的に荷電しなおされる。
【0025】
センサー(88)使用して、本発明の技術の多くを達成し得る。最初に、センサー(88)は、この流体の流れの捕獲された画像に基づいて、このフローサイトメーターの特性を測定し得る。このセンサーが測定し得るこのような1つの特性は、この流れに沿った点でのこの流れのスピードである。特定の目的の2つの点は、このノズルからの流れの排出点の直下の領域およびこの流れのほぼ液滴決裂点での流れのスピードである。
【0026】
センサー(88)を配向して、図2に示した流れの波長(92)を測定し得る。デジタル画像化ルーチンは、波形上に作用して、例えば、定在波の長さを測定し得る。さらに、このセンサーを配向して、この流れの液滴間の距離を測定し得、その結果、この距離およびこの発振器の振動数を利用して、この流れに沿った点での液滴のスピードを計算し得る。センサー(88)は、この流れの大部分を捕獲する広角レンズを備えたカメラ(102)、または図2に示したように複数のカメラを利用し得る。ここでカメラ(96)は、この流れの排出点での流れの画像を捕獲し、そしてカメラ(98)は、この流れの液滴決裂点での画像を捕獲する。この様式において、カメラ(96)およびカメラ(98)は、この流れに沿った異なる点でのスピードを決定するために、それぞれ、第1のセンサーおよび第2のセンサーとして作用し得る。図1に示したカメラ(102)は、この流れの画像(106)を捕獲し得、そしてモニター(114)でこの画像を表示し得る。
【0027】
カメラ(102)を配向して、この流れの様々な特徴を捕獲し得る。例えば、このカメラを配向して、図3に示したように、この流れの幅(110)を捕獲し得る。あるいは、またはさらに、このカメラを配向して、この流れのスピードの決定を可能にする画像を捕獲し得る。先に考察したように、このことは、この流れの波長を測定するか、または2つの液滴の間の距離を測定し、そして既知の発振心振動数を利用してこれらの2つの点での流れについてのスピードを計算することによって達成され得る。すなわち、この発振振動数および液滴の間の距離(または流れの波長)の積は、この点での流れの速度を生じる。
【0028】
さらに、このカメラまたはセンサーを配向して、流れの位置における変化の決定を可能にする画像を捕獲し得る。このことは、この流れの最初の位置をモニタリングし、この位置を記録し、次いで経時的にこの流れをモニタリングして、この流れが以前に決定した位置から動くか否かをみることによってなされ得る。このカメラはまた、この決裂点での流れ、ならびにこの流れがこのサイトメーターから出現する流れの排出点の画像を捕獲し得る。本質的には、このカメラを多くの異なる配向で配向して、この流れについての情報を決定するために多くのビューを捕捉し得る。このことは続いて、このセンサーが、このサイトメーターの特徴についての情報を決定することを可能にする。様々なカメラを使用して、この流れの画像を捕獲し得るが、この流れの画像についてのデジタル表示を作製するカメラを使用することが好ましく、このようなカメラの1つは、電荷結合素子すなわちCCDを使用するものである。CCDは、一連のアナログ電圧パルスにおいて出力を生成し得、この各々は、このCCDの画素によって受けた光強度に対応する。
【0029】
一旦センサー(88)がこの流れの画像を捕獲すると、この画像はモニター(114)上に表示され得る。次いで、このモニターは、使用者にこの流れの画像を表示し得る。代表的には、モニター(114)はまた、CCDに由来する画像のデジタル実施態様に相関する個々の画素要素(118)からなる。このCCDの画素要素、ならびにモニターの実施態様は、物理的距離と相関して、この流れの実際の寸法の正確な決定に到達し得る。モニター(114)を、このフローサイトメーターに位置付け得るか、またはリモート位置でこのフローサイトメーターをモニターすることが所望される場合、モニター(114)を、このようなリモート位置に位置付け得る。
【0030】
メモリーデバイス(122)を使用して、このフローサイトメーターについての少なくとも1つのパラメーターを保存し得る。一旦画像がカメラ(102)によって捕獲されると、このメモリーデバイスもまた、この流れの表示、特にこの流れのデジタル表示を保存するために作用し得る。画像化手段(126)を、この流れのデジタル表示を作製するためのセンサーによって使用し得る。より詳細には、輪郭を描くための手段(130)を利用して、図3における流れの表示に示されるように、流れの輪郭(134)を作製し得る。同様に、輪郭を描くためのこの手段(130)を使用して、個々の液滴(138)の輪郭を作成し得る。デジタル表示は、この対象の表示を平均することが意図される。この特許の目的のために、全体の対象よりむしろ境界の部分または輪郭のみが使用されるときの表示を考慮する。輪郭を描くための手段は、代表的なデジタル画像化処理プログラムまたはデジタルビデオプロセッサからなり得る。これは、画像に作用して、このシグナルにおける実際のシグナル対ノイズ比を検出し得る。このようなデジタル画像化処理プログラムは、以下を参照することによって見られ得る:Kenneth R.CastlemanによるDigital Imaging Processing、Prentice Hall、1995年12月1日;John C.RussによるThe Image Processing Handbook、CRC Pr.1995年1月;Rafael
C.GonzalezによるDigital Image Processing、Addison−Wesley、1992年4月1日;およびJames R.ParkerによるAlgorithms for Image Processing,John
Wiley&Sons、1996年11月1日(これらを本明細書中で参考として援用する)。さらに、米国特許第5,700,692は、画像化技術を考察し、そして開示される画像化技術を本明細書中で参考として援用する。
【0031】
アナライザー(142)を使用して、このフローサイトメーターについての情報を決定するために、この流れの画像を分析し得る。例えば、このアナライザーは、対象の間の距離を決定し得る。さらに、アナライザーは、この画像およびこの非荷電の流れの定常状態位置における液滴位置に基づいて、この流れの中心軸からの荷電された液滴の偏向を決定し得る。このことは、代表的なデジタル画像化処理プログラムを用いて、この定常状態の流れからの液滴の距離を単に測定することによって達成され得る。
【0032】
アナライザー(142)はまた、この液滴における電荷を決定し得る。例えば、適切な電荷が液滴に適用されたか否かを知ることを望む場合、このアナライザーを使用して、この液滴の予測した電荷と比べて実際の電荷を決定し得る。このことは、この流れからの荷電された液滴の偏向に留意することによって、この画像に基づく液滴サイズに留意することによって、この液滴の質量(これは、既知の流体の液滴のサイズおよび質量の関数である)を測定することにによって達成され得、そして既知の電場を偏向プレートによって設定する。この様式において、実際の偏向を使用して、この液滴の電荷を推定し得、それゆえ、次いでこの実際の電荷を予測した電荷と比較して、荷電手順が実際にこの液滴を適切な電荷に荷電するか否かを確認し得る。さらに、液滴サイズをその決裂点で検出し得、そしてその荷電点を調整してこの液滴を荷電し得、その結果そのサイズに与えられる適切な距離を偏向する。
【0033】
このアナライザーをまた使用して、先の液滴の偏向(または電荷)に基づいて、最良の「脱ファニング(defanning)」電荷を計算し得る。例えば、非荷電の液滴の非常に定常な流れを確立することを望む場合、すなわち前後してファニングするようである流れを作製する非荷電の液滴の流れを回避する場合、荷電された液滴の近傍の液滴に部分荷電を印加することがしばしば必要である。このことは、荷電された液滴が近傍の液滴に電荷を誘導するという事実に起因する。それゆえ、荷電した液滴の後に生じる液滴をわずかに荷電することによって、荷電された液滴によって生じる連続的な液滴に誘導された電荷を相殺し得る。例えば、正に荷電した液滴が、連続的な液滴に負の電荷を誘導すると予期される場合、連続的な液滴をわずかに正に荷電して、この誘導された効果を相殺し得る。
【0034】
分析器はまた、ノズルサイズの決定を可能にする流れの幅を測定するために使用され得る。例えば、60ミクロン(または480×512画素の画像上で25画素)の流れ幅は、70ミクロンのノズルサイズを示すために決定され得る。さらに、分析器を使用すると、サイトメーターの最良共鳴周波数を決定し得る。例えば、画像を分析して、流れが最短の決裂点(break−off point)を確立し、かつ発振器の発振周波数をその点に対応するように設定し得る場所が分かる。代表的には、これは、ノズルサイズおよび速度の関数である。
【0035】
さらに、分析器を使用して、画像において決定された距離および発振器の既知の周波数に基づいて、流れの速さを決定し得る。この分析プロセスを達成するために、分析器(142)は、コンピューター(146)を利用し得る。このコンピューター(146)は、第1の位置での流れのおおよその速さおよび流れに沿った第2の位置での流れのおおよその速さを利用して、距離と比較してほぼ指数関数的に減衰する、流れ出口点と液滴決裂点との間に存在する領域における流れの速さをモデリングすることによって流れの特徴を決定し得る。
【0036】
さらに、分析器は液滴決裂位置(150)における変化を決定するための手段を利用して、いつ決裂位置の流れが変化したかを決定し得る。これは、液滴決裂位置を記録し、そしてその位置と引き続く画像において示された決裂位置を比較することによって達成され得る。簡単なコンピュータープログラムを使用して、液滴決裂位置の表示を保存し、第2のデジタル表示を捕捉し、次いで、2つの表示を比較して、それらが対応するか否かを理解することによって、液滴決裂位置の変化を決定する手段を達成し得る。
【0037】
分析器はまた、滴下遅延(drop delay)(154)を決定するための手段を使用し得、この滴下遅延は検出された粒子に関連する。滴下遅延(または滴下遅延時間)は、粒子の選別を達成するために、流れ中の粒子を検出することと、粒子が含まれる液滴に作用することの間の時間の遅延であると見なされる。例えば、代表的なフローサイトメトリーにおいて、粒子は、検出器によって検出され、そして粒子の特徴は、粒子由来の蛍光に基づいて決定される。次いで、この特徴に基づいて、粒子の入った液滴は、流れから決裂する直前に荷電し、静電ソーターによって選別される。この例における滴下遅延は、粒子の検出と液滴の荷電との間の時間であると見なされ得る。別の実施態様において、全ての液滴を荷電するように選択し得るが、粒子/液滴が選別されるように静電場を印加するのみである。この場合、滴下遅延は、粒子の検出と静電場を印加する作用との間の時間である。同様に、滴下遅延は、粒子の第1の検出後の時点(例えば、粒子が蛍光を発する時間)で開始され得る。この場合、滴下遅延は、蛍光の検出と粒子が荷電位置に達する時間の間の時間として算出され得る。同様に、流れとは分離した液滴を荷電するための荷電環を使用する実施態様について、滴下遅延は、荷電が生じる地点に対する粒子検出の地点から算出され得る。滴下遅延時間の決定は、簡単なソフトウェアプログラムを用いて、例えば、特定の位置での流体流れの速さを決定することによって、そして距離に関して、指数関数的に減衰する速さに基づいて流れの速さをモデリングすることによって、達成され得る。従って、ソフトウェアルーチンは、一定の距離にわたる流れの速さの変化を説明し得、そして粒子が荷電位置に到達するようにその距離を横断する時間を導出し得る。例えば、コンパレータ(158)を使用して、流れについて決定した情報(例えば、フローサイトメーターのパラメーターに対するフローサイトメーターの正確に測定した特性)を比較し得る。本出願の目的として、パラメーターは、予め決定された値か、または物体の特徴の予測値(例えば、フローサイトメーターの流れの予測幅、予測ノズルサイズ、予測決裂位置、予測流れ位置など)である。それに対して、また、本出願の目的として、「特性」は、物体の代表的な質、形質または定量値(例えば、フローサイトメーター流れの正確に測定した幅、流れの正確に測定した圧力、ノズル先端から液滴決裂点までの正確に測定した距離、流れの正確に測定した温度、流れに使用される流体の実際の質量など)である。滴下遅延を決定する手段は、フローサイトメトリーの出口点で流れが出現した後の、流れの速さの変化を補償するために補償器(162)を利用し得る。本質的には、この補償器は、当業者が容易に理解する、指数関数的に減衰する流体の速さをモデル化するソフトウェアルーチンから構成され得る。
【0038】
時間遅延発生器(164)は、一旦粒子が流れの中で検出されると、検出された粒子を含む液滴を荷電することにおいて、遅延を提供するようにフローサイトメーター(20)によって利用され得る。分析器からの結果に基づいて、時間遅延発生器は、液滴荷電器(84)を制御するために設定され、そして使用され得る。シグナル発生器(168)は、流れからの決定された情報に基づいて、フローサイトメーターまたは外部表示器へのシグナルを発生するように分析器によって使用され得る。例えば、シグナル発生器は、液滴決裂位置を再確立するために使用されるシグナルを発生し得る。さらに、シグナル発生器は、流れから決定された情報に基づいて、フローサイトメーターについてのエラー警告を出し得る。さらに、シグナル発生器は、上に説明されるように、流れの第1のデジタル表示および流れの第2のデジタル表示の比較に基づいて、フローサイトメーターへのシグナルを発生するために使用され得る。
【0039】
図1は、遠隔ページングデバイス(172)を示し、このデバイスは、フローサイトメトリーが置かれている区域からオペレーターが離れている場合に、フローサイトメーターのオペレーターとともに置かれ得る。フローサイトメーターが破局的事象を検出する事を可能にする本発明の進歩があれば、オペレーターがフローサイトメーターを無人のままにすることも、他の場所で作業をすることも可能である。遠隔ページングデバイスを使用して、オペレーターに、例えば、破局的事象(すなわち、流れの全体的な喪失、チューブもしくはノズルの詰まり、またはサイトメーターチャンバー中の空気のような、選別工程の停止を必要とする事象)が発生したため、オペレーターがフローサイトメトリーのところに戻って、そしてどのような問題があり得るのかを注意できるように、警告を発し得る。遠隔コンピューターモニター(176)もまた、同様な警告を提供するためにフローサイトメーターと共に利用され得る。例えば、フローサイトメーターは、ポップアップメッセージが、選別が完了したか、またはフローサイトメーターに問題が生じたかを示すオペレーター端末に示し得るようにWindows(登録商標) NTプラットフォームに連結され得る。同様に、フローサイトメーターは、E−メールメッセージがユーザーまたは関係者に自動的に回り得るように、E−メールシステムに連結され得る。
【0040】
警報回路(180)を利用して、警報条件を示し得る。このような回路は、警報(184)から構成され得、この警報は、示されたメッセージ、点滅ライト、ブザー、または他の一般的に使用され得るデバイスのような種々の形態をとり得る。
【0041】
本発明の本実施態様の1つの新規な特徴は、機械的妨害器(188)の使用である。この妨害器を利用して、流れを遮断および/または妨害し得る。例えば、機械的妨害器(188)は、フローサイトメーターの出口点から流れが現れた後に利用され得る。その結果、この流れが、フローサイトメーターの問題に起因して生じたその正常な経路もしくは異常な経路から妨害され、かつ偏向されるか、または歪み得る。機械的妨害器を使用して、感知器によってなされた決定に基づいて、流れを妨害し得る。この様式において、これは自動的に作用し得る。機械的妨害器の1つの可能な実施態様は、図4に示される溝(192)を利用し得る。これは、溝が流れを妨害するために揺れた後に廃棄物容器に流れを逃がす。あるいは、ディフレクタ(196)を使用して、流れが廃棄物容器の方へ偏向される位置へ揺れ得る。好ましくは、これらの機械的妨害器は、流れが採取されたサンプルの汚染を防ぐためにできるだけ早く偏向され得るように、流れの出口点に近接して配置される。両方とも、手動または自動的のいずれかで揺らされるか、または滑らされ得る。
【0042】
本発明の装置の背景を理解すれば、いまや、本発明の種々の実施態様を達成するための装置を利用する方法は、よりよく理解され得る。特に本発明の1つの局面は、画像化システムを利用して、流れの画像を捕捉する工程を包含する。特に、流れの液滴決裂点は、流れの速さが決定され得るように、画像として捕捉され得る。これは、流れを画像化する工程および液滴決裂点より下を形成する液滴を同定する工程、ならびに画像化技術を用いて、引き続く液滴の間の距離を決定する工程によって達成され得る。これらの液滴は、液滴決裂点に位置する液滴に非常に近い速さで移動する。流れの画像は、サイトメーター中のメモリ(例えば、RAM)にデジタル画像として保存され得る。
【0043】
画像化技術を利用して、流れを分析し得る。例えば、電気的ノイズを捕捉された画像から排除し得る。これは、流れにそった位置での流れの第1の画像を捕捉する工程、および第1の画像に基づく流れの第1のデジタル表示を作製する工程を包含し得る。例えば、流れの輪郭が作製され得る。次いで、流れのデジタル表示は、メモリに保存され得る。例えば、輪郭がメモリに保存されうる。さらに、流れの液滴の輪郭が作製され得、そして同様にメモリに保存され得る。次いで、同じ位置での流れの第2の画像を捕捉し得、そして第2のデジタル表示を作製し得る。流れの第2のデジタル表示は、第2の捕捉された画像に基づき得る。次いで、この2つの流れのデジタル表示を比較し得、そして流れの特性が、第1のデジタル表示と第2のデジタル表示との比較に基づいて変化したか否かの決定をなし得る。当業者によって容易に理解されるように、標準的なデジタルシグナル処理技術を使用して、これを達成し得る。
【0044】
さらに、本発明の1つの実施態様は、捕捉された画像に基づくフローサイトメーターの情報を決定し得る。例えば、これは、捕捉された画像に基づくフローサイトメーターの特性を測定することによって達成され得る。このような特性としては、流れの幅、流れの速さ、流体の圧力、流速を示す流れに対する波の波長、または他の特徴が挙げられる。さらに、情報は、物理的距離とデジタル画像ブロックまたは画素寸法とを関連づけることによってフローサイトメーターについて決定し得る。実際の物理的距離は、捕捉された画像に対する距離を表すために使用されるブロック数または画素数に基づいて決定され得る。
【0045】
捕捉された画像もまた使用して、流れの速度を決定し得る。これは、流れにそったいずれかの位置での流れの波長を測定することによって達成され得る。さらに、発振器の振動周波数を、流れの適切な速さを算出するために、測定された波長と組み合わせて使用し得る。流れの速度は、フローサイトメーターから流れが出現する適切な出口点で、そこでの波長を測定し、および既知の発振周波数を利用することによって決定し得る。さらに、流れのおおよその速度は、液滴を画像化することおよび連続的な液滴間の距離を測定することによって液滴決裂点付近で測定し得る。連続的な液滴間の時間を決定するために発振周波数を利用することによって、および正確に測定した距離を考慮して、おおよその速度を液滴決裂点について算出し得る。
【0046】
捕捉された画像もまた利用して、流れにおける粒子の滴下遅延時間を決定し得る。これは、流れにそった位置での流れのおおよその第1の速さを決定する工程、およびこの流れにそった異なる点でこの流れのおおよその第2の速さを決定する工程によって達成され得る。好ましくは、粒子検出点に近接する速さを、流れの第1の速さのために利用し、そしてほぼ液滴決裂点での流速の測定が、第2の流れの速さのために利用される。次いで、これらの2つの速さを、流速をモデリングする目的でモデルの一部分として使用し得る。実験結果によって、流れの速さがフローサイトメーターから代表的な液滴決裂点へ射出された地点からほぼ指数関数的に減衰することが示された。しかし、速さの適切な関数は、一旦流れが確立されるとすぐに流れの較正データを作成すること、および実際の条件についてその流れの速さの変化の現実の関数を導出することによって、流れについて容易に決定され得る。代表的な出口点での流れの速度は、代表的には、本発明の1つの実施態様において、約27m/秒に近いが、決裂点での速度は、25m/秒に落ちていた。これは、出口点から液滴決裂点までの距離にわたる流れの流体力学的緩和に起因すると考えられる。他者が行った適切な滴下遅延時間を決定する以前の試みにおいて、それらの以前の試みは、この流れの範囲全体を通して一定の速度を利用した。従って、おそらく、このことは、正確さのより少ない滴下遅延時間を生じ、そして結論的に、所望の液滴を荷電することにおいてより貧弱な結果を生じた。結論的に、実験データが示唆するように、出口点と液滴決裂点との間の領域で、一旦、流れの第1の速さおよび流れの第2の速さが測定されると、流速がほぼ指数関数的に減衰するとしてモデル化され得る。次いで、粒子が検出される地点、および粒子を含む液滴の荷電点までの既知の距離が与えられれば(または粒子が検出されたときに、本液滴決裂点を決定することもしくは粒子が流れ中で減少するにつれての液滴決裂点シフトをモニターすることによって流れの画像化によってその距離を決定することによってすら)、フローサイトメーターは、領域中の流れの速さの指数関数的減衰に起因する速さの変化を補償し得る。次いで、流速のこのモデル化および速さの変化の補償に基づいて、フローサイトメーターは、粒子が荷電点までの距離にわたって流れる時間を決定し得る。この様式で、流れにそった第1の位置での流れのおおよその速さおよびこの流れにそった第2の位置での流れのおおよその速さを使用して、流れ特性、すなわち、この例では、流れの滴下遅延時間を決定し得る。
【0047】
一旦、滴下遅延時間が算出されると、その滴下遅延時間を利用して、(例えば、粒子が検出される時点での既知の地点に基づいて)この粒子が液滴荷電位置に達するときを算出し得る。次いで、フローサイトメーターは、例えば、流れを荷電することまたは荷電環を使用することによって、粒子が荷電位置に達するときに粒子を含む液滴を荷電し得る。
【0048】
先に記載したように、本発明の本実施態様を使用して、フローサイトメーターについての警告を発生するために、フローサイトメーターの特性を測定し得る。このことは、フローサイトメーターの少なくとも1つのパラメーターを規定する工程、およびそのパラメーターをフローサイトメーターの正確に測定した特性または特徴と比較する工程を包含する。この比較を考慮すると、フローサイトメーターは、フローサイトメーターの操作が、フローサイトメーターについて規定された少なくとも1つのパラメーターを満たさない場合を決定し得る。
【0049】
例えば、警告は、液滴決裂点の位置に変化が生じたことを決定した後に発生され得る。以前の設定において、他者は、液滴決裂点が適切な位置でシフトするか否かを理解するために、流れの画像を常に観察する技術者に頼っていた。以前の液滴決裂点と連続的な液滴決裂点との比較を可能にする、本発明の画像化技術があれば、この手順は、警告シグナルがフローサイトメーターのオペレーターに発せられるように自動化され得る。
【0050】
別の例として、フローサイトメーターは、液滴決裂点で液滴を適切に荷電させるように滴下遅延時間を調整することを可能にする。これは、流れの速さおよび粒子が検出された時の位置での現在既知の液滴決裂点を検出する工程、ならびに次いで、特定の粒子についての滴下遅延時間を算出する工程、または粒子検出の後に液滴決裂点の変化が感知された時に再び、その滴下遅延時間を調整する工程を包含し得る。
【0051】
さらに、本発明の本実施態様は、流れからの液滴決裂点(または基準の液滴決裂点)の位置(48)を常にモニターし、そして再確立することである。本発明は、液滴決裂点の位置の決定を可能にして、粒子検出システムもしくは検出器、またはレーザーおよびレシーバー(72)によって、流れにおける粒子の検出の固定点に対して確実にされる。位置のこの評価は、流れから決裂点に達したときに連続液滴の画像を記録するように、ストローブ相および液滴荷電相(84)とを同期化させたカメラまたはモニター(102)を用いた、連続的な高分解能スキャンまたは画像を取り込むことによって達成され得る。決裂する位置での液滴の画像は、デジタル処理され(126)、そしてメモリデバイス(122)に保持される。次いで、液滴決裂点の位置に関するデジタル処理データは、電気的に比較される。液滴決裂点間の距離は、デジタル画像処理プログラムによって決定され得る。次いで、液滴決裂点がいずれかの方向にシフトしはじめた場合、フィードバックシグナルが、以前の位置で液滴決裂点を再確立するために、発振器(68)からの発振の振幅が増加するか、または低減するかのいずれかで発生され得る。液滴決裂点の位置は、この様式で再確立され得る。なぜなら、液滴決裂が流れから生じる距離は、流速度(Vb)、外乱振幅、ならびに表面張力、流体密度、ジェット直径(djjおよび波長の関数である時定数の関数であるからである。この外乱振幅(Va)は、結合定数(Cc)によって発振器(68)に対して発振器電圧に比例する。従って、流速度の変動に起因して、固定した位置に対して変動する液滴決裂距離(Xb)は、外乱振幅を変化させることによって一定に保持され得る一方で、波長、流体密度、表面張力、およびジェット直径は一定に保持される。これらの関係は、以下の方程式にまとめられる:
Xb=Vb.Te(Vb,d)−Vb.log(Cc.Va)/γ
ここで、Teは、流れの均質でない速度プロファイルに起因する遅延較正であり、ここで、
Te=k/Vb=332.0/Vb、
であり、そしてγはRayleigh分析によって規定され、ここで、
【0052】
【数1】

そしてここで、
ξ=π.dj.f/Vb(Rayleighパラメーターを使用するものとして)
これらの関数関係は、コンピューターソフトウェアおよびコンピューターハードウェアと組み合わせて使用して、基準の決裂点の位置の変化に応答して流れに対する発振を変化させる発振器へ電圧を調整するシグナルを発生する発振器制御デバイスを作製する。流れに対する発振の変化は、それによって基準の決裂点の位置を維持する。基準の決裂点を維持できないことは、選別作用のコンピューター制御された自動化懸濁を導き得る。
【0053】
本発明の別の実施態様において、捕捉された画像における情報に基づくかまたはそこから決定された警報または警告を発生し得る。このような警報または警告は、フローサイトメーターの予測された特徴とフローサイトメーターの決定された情報との比較に基づき得る。これは、決定された情報と予測された特徴との比較に基づくフローサイトメーターについてのエラー警告を出す工程を包含し得る。
【0054】
フローサイトメーターによって出され得る警告の型は、以下の例によって理解され得る。例えば、予測された流れ幅(例えば、図3に示される流れ幅(110))と、特定の設定における使用もしくは特定の粒子が選別されるために予測された、予め決定された流れ幅との比較が所望され得る。この様式において、予測された流れ幅が予測され、かつ異なる流れ幅が測定される場合、警告は、ユーザーまたはオペレーターに対して発生され得、このことは、正しくないノズルサイズがフローサイトメーターに連結されているかもしれないことを示す。同様に、エラー警告は、不適切な圧力が使用されていることを示し得る。さらに先に記載したように、画像化技術を利用して流れの速さを決定し得、そして流れの速さの決定を利用して、流れの圧力についての警告を出し得る。予測された流圧が、予め決定された流速を作製し、かつ正確に測定した流速が予め決定した流速と異なった場合、エラー警告は適切であり得る。本発明の1つの重要な局面は、サイトメーターの破局的な故障に対して反応する能力である。これは、ノズルの詰まりに起因する流れの位置の有意な変化によって、たいていは気づくことができる。流れの画像化は、記録されるべき流れの定常状態位置が記録され、そして流れの引き続く画像と比較することを可能にする。ノズルが詰まった場合、例えば、一定角度で流れを偏向し、引き続く画像と定常状態の画像とを比較する画像化技術は、フローサイトメーターが、破局的な事象が生じたことを決定すること、そしてユーザーに対して警告を発すること、または前に選別したサンプルを完了するために選別工程を自動的に妨害さえすることを可能にする。警告は、種々の方法で発せられ得る。1つのこのような方法は、オペレーターが作業している遠隔コンピューターモニター上に警告を表示することによるものである。さらに、警告は、ページングデバイスに対して発せられ得る。
【0055】
本発明の別の重要な実施態様は、フローサイトメーターが捕捉された画像から決定された情報に基づく供給源を不能にすることを可能にする。例えば、流れの発散または流れの完全な喪失にすら起因する先に検出された破局的な故障があれば、フローサイトメーターは、選別を機械的に妨害することによって働き得る。これは、図4に示されるように、流れを妨害して、次いで、この流れを溝から廃棄物容器へ導くように、溝を自動的に動かすこと、揺らすこと、または滑らせることによって達成され得る。あるいは、機械的妨害は、フローサイトメーターによって既に生じた、採取したサンプルから流れを偏向するために、ディフレクタ(例えば、プレート)を自動的に動かすこと、滑らせること、または揺らすことによって引き起こされ得る。あるいは、またはおそらくさらに、流れがまだ存在する場合は、フローサイトメーターは、荷電デバイスまたは偏向供給源を遮断するように自動的に作動し得、これによって荷電粒子は回収されたサンプルへ偏向されない。
【0056】
最後に、本発明の1つの実施態様を利用して、警報シグナルを自動的に発し得る。この様式で、オペレーターは、フローサイトメーターが警報状態を有する(例えば、何らかの異常状態)ことに気づき得る。このような警報シグナルは、可聴式または可視式警報のいずれかで利用され得る。
【0057】
前述の議論および上記の特許請求の範囲は、本発明の好適な実施態様を記載する。特に特許請求の範囲に関して、発明の本質から逸脱することなく変更され得ることは理解されるべきである。この点において、このような変更は、なお本発明の範囲内に入ることが意図される。達成され得る全ての可能な修正を記載し、そして請求することはあまり実際的ではない。本発明の本質を利用する修正である程度までは、当然ながら、この特許によって包含される権利保護の範囲に入る。さらに、特許請求の範囲中の要素の種々の交換および組み合わせが可能であり、そして本開示の範囲内にあることは理解されるべきである。さらに、語句「備える(包含する)」の使用は、排他的意味ではなく包括的意味を有することが意図されることが理解されるべきである。従って、外国(例えば、オーストラリア)において、本出願が優先権書類として信頼される場合、語句「備える(包含する)」の意味は、包括的意味を有することが意図される。
【0058】
本出願に含まれる議論は、基本的な記載として提供されることが意図される。読者は、特定の議論が可能な全ての実施態様を明白に記載していないかもしれないことに気づくべきであり;多くの代替手段が示唆される。市場および製造会社は、本発明の適切な実施態様を指図し得る。特に、議論に関して、多くの変更が本発明の本質から逸脱することなくなされ得ることが理解されるべきである。この点に関して、このような変化は、それらが、実質的に同じ方法において同じ結果を実質的に達成する程度まで、本発明の範囲内に入ることが意図される。これはまた、本発明の一般的性質を十分に説明していないかもしれないし、どの各特徴または要素が、より広範な機能のまたは非常に多くの代替手段もしくは等価な要素を実際に示し得るかを明白に示していないかもしれない。再び、これらは、本開示に示唆的に包含される。本発明が装置に関する用語で記載される場合、装置の各要素は、示唆的に機能を果たす。装置の議論または特許請求の範囲は、記載されたシステムのためのみに含まれ得るのみならず、方法クレームまたはプロセスクレームもまた、本発明および各要素が機能を果たすことを扱うために包含され得る。この局面の1つのみの例として、「感知器」の開示は、明らかに議論しているか否かに関わらず、「感知する」の作用の開示を含むことが理解されるべきである。そして逆に、「感知する」の作用の開示のみがあれば、このような開示が「感知器」の開示を包含することが理解されるべきである。システムに関する方法は種々の詳細に含まれていることが意図されているが、バイオセンサーに関する最初の議論のみが含まれる。当然ながら、その議論は、種々の他の方法および本開示全体を通して議論された局面に対していくつかの適用を有する。記載によっても用語によっても、特許出願全体に含まれる特許請求の範囲を限定することは意図されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータを制御する方法であって、以下の工程:
粒子のフローを含む流れを確立する工程であって、該流れは液滴決裂点を有する、工程;
該流れの画像を捕捉して、該フローサイトメータについての情報を決定する工程;および
該捕捉した画像から決定される情報に基づいて、警報を自動的に発する工程、を包含する、方法。
【請求項2】
フローサイトメータ装置であって、以下:
流れ流体の供給源;
該流れ流体における懸濁液のための粒子の供給源;
該流れ流体および該粒子を含む流れ;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れが液滴へと決裂する該流れの決裂点であって、該液滴がほぼ該決裂点の中央にある、決裂点;
該流れの画像を捕捉するカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するために該流れの画像を分析する分析器;および
該フローサイトメータについての該決定された情報に基づいて、警告状態を示すための自動警報、
を備える、装置。
【請求項3】
フローサイトメータについての警告を発する方法であって、以下の工程:
該フローサイトメータで流れを確立する工程;
該フローサイトメータで確立した該流れの画像を捕捉する工程;
該流れの該捕捉された画像を、該フローサイトメータについての情報を決定するために利用する工程;
該フローサイトメータについての該決定された情報を該フローサイトメータの予測された特徴と比較する工程;
該フローサイトメータについての誤差警告を、該決定された情報および該予測された特徴の比較に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
【請求項4】
請求項に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、
前記画像を捕捉する動作が、前記流れの速度を決定し得るように該流れの画像を捕捉することを含み;そして、
該方法が、以下の工程:
該流れの圧力についての警告を発する工程、
を包含する、方法。
【請求項5】
請求項に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
前記流れの速度を決定する工程;および
該流れの圧力についての警告を、該決定された流れの速度に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
【請求項6】
請求項に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
前記流れの位置を測定する工程;
該測定された流れの位置を、該流れの予測される位置と比較する工程;および
該フローサイトメータについての警告を、該測定された位置の該流れの予測される位置との比較に基づいて発する工程、
を包含する、方法。
【請求項7】
請求項に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法が、さらに以下の工程:
リモートコンピューターモニター上に示されるように警告を発する工程、
を包含する、方法。
【請求項8】
請求項に記載のフローサイトメータについての警告を発する方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
ページングデバイスに警告シグナルを発する工程、
を包含する、方法。
【請求項9】
フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するために使用する流れ供給源;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該流れの画像を捕捉するためのカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するために該流れの画像を分析するための分析器;および
該フローサイトメータについてのエラー警告を、該決定された情報に基づいて発するためのシグナル生成器、
を備える、装置。
【請求項10】
請求項に記載されるフローサイトメータ装置であって、さらに以下:
前記決定された情報を該フローサイトメータのパラメータと比較するためのコンパレータ、
を備える、装置。
【請求項11】
請求項に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが該流れの幅の決定を可能にする画像を捕捉するために配向されている、装置。
【請求項12】
請求項に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが、前記流れの速度の決定を可能にする画像を捕捉するように配向されている、装置。
【請求項13】
請求項に記載のフローサイトメータ装置であって、前記カメラが、流れ位置における変化の決定を可能にする画像を捕捉するように配向されている、装置。
【請求項14】
請求項に記載のフローサイトメータ装置であって、リモートモニターをさらに備える、装置。
【請求項15】
請求項に記載のフローサイトメータ装置であって、リモートページングデバイスをさらに備える、装置。
【請求項16】
フローサイトメータを制御する方法であって、該方法は、以下の工程:
該フローサイトメータで流れを確立する工程;
該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを規定する工程;
該フローサイトメータの操作が、該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定する工程;
該フローサイトメータが、該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを満たさない決定に基づいて、警告シグナルを生成する工程;
フローサイトメータが、該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを満たさない決定に基づいて、該流れを機械的に妨害する工程;
を包含する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
該フローサイトメータの操作が、該フローサイトメータの少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定した後に、前記流れを妨害するために溝を移動させる工程、
を包含する、方法。
【請求項18】
請求項16に記載のフローサイトメータを制御する方法であって、さらに以下の工程:
該フローサイトメータによって生成された収集したサンプルからの流れを偏向させるためにディフレクタを移動させる工程、
を包含する、方法。
【請求項19】
フローサイトメータ装置であって、以下:
流れを確立するために使用する流れ供給源;
それを通して該流れが確立されるノズル;
該フローサイトメータについての少なくとも1つのパラメータを保存するためのメモリ;
該フローサイトメータの操作が該フローサイトメータについての該少なくとも1つのパラメータを満たさないときを決定するためのセンサ;
該センサによってなされる決定に基づいて警告シグナルを生成するシグナル生成器;
該センサによってなされる決定に基づいて該流れを妨害する機械的妨害デバイス、
を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載のフローサイトメータ装置であって、前記センサが、以下:
前記流れの第一の画像を捕捉するためのカメラ;
該フローサイトメータについての情報を決定するための該流れの第一の画像を分析するための分析器;および
該決定された情報を、該フローサイトメータの前記少なくとも1つのパラメータと比較するためのコンパレータ、
を備える、装置。
【請求項21】
請求項19または20に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れを妨害するように適合された、移動可能な側溝をさらに備える、装置。
【請求項22】
請求項21に記載のフローサイトメータ装置であって、前記流れを偏向するように適合された移動可能なディフレクタをさらに備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−137507(P2012−137507A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97433(P2012−97433)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2009−104562(P2009−104562)の分割
【原出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)